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JP3822668B2 - Fuel injection control device for internal combustion engine - Google Patents

Fuel injection control device for internal combustion engine Download PDF

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JP3822668B2
JP3822668B2 JP06369896A JP6369896A JP3822668B2 JP 3822668 B2 JP3822668 B2 JP 3822668B2 JP 06369896 A JP06369896 A JP 06369896A JP 6369896 A JP6369896 A JP 6369896A JP 3822668 B2 JP3822668 B2 JP 3822668B2
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秀隆 牧
修介 赤崎
祐介 長谷川
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Control Of Velocity Or Acceleration (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、内燃機関においても現代制御理論が導入され、気筒に実際に吸入される燃料量が目標燃料量に一致するように現代制御理論の一つである最適レギュレータを用いて制御する技術が提案されており、その例としては特開平1−110,853号の技術を挙げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
また、本出願人も特願平6−66,594号などにおいて適応制御を用いた内燃機関の燃料噴射制御を提案しているが、適応制御則を用いて燃料噴射制御ないしは空燃比制御を行う場合、機関回転数の増減によって演算時間が増減することから、高回転時などは演算時間が不足して予定する制御を行えない事態が生じ得る。
【0004】
従って、この発明は適応制御則を用いて操作量を決定する内燃機関の燃料噴射制御装置において、高回転時などの演算時間が減少する運転状態においても継続的に適応制御を行って良好な制御性を得るようにした内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1項にあっては、内燃機関の排気空燃比を検出する空燃比検出手段、前記内燃機関の燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段、前記燃料噴射量を操作量として前記検出された排気空燃比が目標空燃比に一致するように前記検出された排気空燃比と前記目標空燃比の偏差に基づいてフィードバック補正係数を算出してフィードバック制御を実行する適応制御器、および前記適応制御器で用いる適応パラメータを算出する適応パラメータ調整機構、からなる内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記内燃機関の少なくとも機関回転数を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、を備え、前記適応制御器と適応パラメータ調整機構の制御周期を燃料制御周期の整数倍とすると共に、前記検出された機関回転数の上昇に応じて前記適応パラメータ調整機構の制御周期を前記適応制御器の制御周期より大きくする如く構成した。
【0010】
【作用】
請求項1項にあっては、内燃機関の排気空燃比を検出する空燃比検出手段、前記内燃機関の燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段、前記燃料噴射量を操作量として前記検出された排気空燃比が目標空燃比に一致するように前記検出された排気空燃比と前記目標空燃比の偏差に基づいてフィードバック補正係数を算出してフィードバック制御を実行する適応制御器、および前記適応制御器で用いる適応パラメータを算出する適応パラメータ調整機構、からなる内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記内燃機関の少なくとも機関回転数を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、を備え、前記適応制御器と適応パラメータ調整機構の制御周期を燃料制御周期の整数倍とすると共に、前記検出された機関回転数の上昇に応じて前記適応パラメータ調整機構の制御周期を前記適応制御器の制御周期より大きくする如く構成したので、演算負荷を低減して高回転時などの演算時間が減少する運転状態においても適応制御を継続することができ、良好な制御性を得ることができる。また、特に時間を要する適応パラメータ調整機構の演算を適応制御器の制御周期の複数回に1回の割合で実行することとなり、制御性を確保しながら演算量を効果的に削減できると共に、実際に燃料制御を行う適応制御器の演算回数を相対的に増加させることとなり、高回転時などの演算時間が減少する運転状態においても良好な制御性を確保しながら適応制御を継続することができ、良好な制御性を得ることができる。また、適応パラメータ調整機構で求めた操作量を燃料制御周期の整数倍の期間にわたって継続して用いることで、演算負荷を一層低減して高回転時などの演算時間が減少する運転状態においても適応制御を一層容易に継続することができ、良好な制御性を得ることができる。また、高回転時など演算時間が減少する運転状態を確実に検知することができ、それによって演算負荷を低減することができるので、そのような運転状態においても適応制御を継続して良好な制御性を得ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に即してこの発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1はこの出願に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を概略的に示す全体図である。
【0017】
図において、符号10はOHC直列4気筒の内燃機関を示しており、吸気管12の先端に配置されたエアクリーナ14から導入された吸気は、スロットル弁16でその流量を調節されつつサージタンク18と吸気マニホルド20を経て、2個の吸気弁(図示せず)を介して第1から第4気筒へと流入される。各気筒の吸気弁(図示せず)の付近にはインジェクタ22が設けられて燃料を噴射する。噴射されて吸気と一体となった混合気は、各気筒内で図示しない点火プラグで第1、第3、第4、第2気筒の順で点火されて燃焼してピストン(図示せず)を駆動する。
【0018】
燃焼後の排気ガスは、2個の排気弁(図示せず)を介して排気マニホルド24に排出され、排気管26を経て触媒装置(三元触媒)28で浄化されて機関外に排出される。上記で、スロットル弁16はアクセルペダル(図示せず)とは機械的に切り離され、パルスモータMを介してアクセルペダルの踏み込み量および運転状態に応じた開度に制御される。また、吸気管12には、スロットル弁16の配置位置付近にそれをバイパスするバイパス路32が設けられる。
【0019】
ここで、内燃機関10には、排気ガスを吸気側に還流させる排気還流機構100が設けられる。
【0020】
図2を参照して説明すると、排気還流機構100の排気還流路121は、一端121aが排気管26の触媒装置28(図2に図示省略)の上流側に、他端121bが吸気管12のスロットル弁16(図2で図示省略)の下流側に連通する。この排気還流路121の途中には、排気還流量を調節する排気還流弁(還流ガス制御弁)122および容積室121cが、設けられる。この排気還流弁122はソレノイド122aを有する電磁弁であり、ソレノイド122aは後述する制御ユニット(ECU)34に接続され、制御ユニット34からの出力によってその弁開度をリニアに変化させる。排気還流弁122には、その弁開度を検出するリフトセンサ123が設けられ、その出力は制御ユニット34に送出される。
【0021】
更に、内燃機関10の吸気系と燃料タンク36との間も接続され、キャニスタ・パージ機構200が設けられる。
【0022】
キャニスタ・パージ機構200は図3に示す如く、密閉された燃料タンク36の上部と吸気管12のスロットル弁16の下流側との間に構成された、蒸気供給通路221、吸着剤231を内蔵するキャニスタ223、及びパージ通路224からなる。蒸気供給通路221の途中には2ウェイバルブ222が装着され、パージ通路224の途中にはパージ制御弁225、パージ通路224を流れる燃料蒸気を含む混合気の流量を検出する流量計226、および該混合気中のHC濃度を検出するHC濃度センサ227が設けられる。パージ制御弁(電磁弁)225は後述の如く制御ユニット34に接続され、それからの信号に応じて制御されて開弁量をリニアに変化させる。
【0023】
このキャニスタ・パージ機構によれば、燃料タンク36内で発生した燃料蒸気(燃料ベーパ)は、所定の設定量に達すると2ウェイバルブ222の正圧バルブを押し開き、キャニスタ223に流入し、吸着剤231によって吸着され貯蔵される。制御ユニット34からのオンオフ制御信号のデューティ比に応じた開弁量だけパージ制御弁225が開弁されると、キャニスタ223に一時貯えられていた蒸発燃料は、吸入管12内の負圧により、外気取込口232から吸入された外気と共にパージ制御弁225を経て吸気管12へ吸引され、各気筒へ送られる。また外気などで燃料タンク36が冷却されて燃料タンク内の負圧が増すと、2ウェイバルブ222の負圧バルブが開弁し、キャニスタ223に一時貯えられていた蒸発燃料は燃料タンク36へ戻される。
【0024】
更に、内燃機関10は、いわゆる可変バルブタイミング機構300(図1にV/T と示す)を備える。可変バルブタイミング機構300は例えば、特開平2−275,043号公報に記載されており、機関回転数Neおよび吸気圧力Pbなどの運転状態に応じて機関のバルブタイミングV/T を図4に示す2種のタイミング特性LoV/T, HiV/Tの間で切り換える。但し、それ自体は公知な機構なので、説明は省略する。尚、このバルブタイミング特性の切り換えには、2個の吸気弁の一方を休止する動作を含む。
【0025】
図1において内燃機関10のディストリビュータ(図示せず)内にはピストン(図示せず)のクランク角度位置を検出するクランク角センサ40が設けられると共に、スロットル弁16の開度を検出するスロットル開度センサ42、スロットル弁16下流の吸気圧力Pb を絶対圧力で検出する絶対圧センサ44も設けられる。また、内燃機関10の適宜位置には大気圧Pa を検出する大気圧センサ46が設けられ、スロットル弁16の上流側には吸入空気の温度を検出する吸気温センサ48が設けられると共に、機関の適宜位置には機関冷却水温を検出する水温センサ50が設けられる。また、油圧を介して可変バルブタイミング機構300の選択するバルブタイミング特性を検出するバルブタイミング(V/T )センサ52(図1で図示省略)も設けられる。更に、排気系において、排気マニホルド24の下流側で触媒装置28の上流側の排気系集合部には、広域空燃比センサ54が設けられる。これらセンサ出力は、制御ユニット34に送られる。
【0026】
図5は制御ユニット34の詳細を示すブロック図である。広域空燃比センサ54の出力は検出回路62に入力され、そこで適宜な線型化処理が行われてリーンからリッチにわたる広い範囲において排気ガス中の酸素濃度に比例したリニアな特性からなる検出信号を出力する(以下、この広域空燃比センサを「LAFセンサ」と呼ぶ)。
【0027】
検出回路62の出力は、マルチプレクサ66およびA/D変換回路68を介してCPU内に入力される。CPUはCPUコア70、ROM72、RAM74を備え、検出回路62の出力はより詳しくは、所定のクランク角度(例えば15度)ごとにA/D変換され、RAM74内のバッファの1つに順次格納される。12個のバッファには後で図53に示すように、0から11までのNo.が付される。また、スロットル開度センサ42などのアナログセンサ出力も同様にマルチプレクサ66およびA/D変換回路68を介してCPU内に取り込まれ、RAM74に格納される。
【0028】
またクランク角センサ40の出力は波形整形回路76で波形整形された後、カウンタ78で出力値がカウントされ、カウント値はCPU内に入力される。CPUにおいてCPUコア70は、ROM72に格納された命令に従って後述の如く制御値を演算し、駆動回路82を介して各気筒のインジェクタ22を駆動する。更に、CPUコア70は、駆動回路84,86,88を介して電磁弁90(2次空気量を調節するバイパス路32の開閉)、および前記した排気還流制御用電磁弁122ならびにキャニスタ・パージ制御用電磁弁225を駆動する。尚、図5でリフトセンサ123、流量計226およびHC濃度センサ227の図示は省略した。
【0029】
図6は出願に係る制御装置の動作を示すフロー・チャートである。
【0030】
以下説明すると、先ずS10において検出した機関回転数Neおよび吸気圧力Pb などを読み出し、S12に進んでクランキングか否か判断し、否定されるときはS14に進んでフューエルカットか否か判断する。フューエルカットは、所定の運転状態、例えばスロットル弁開度が全閉位置にあり、かつ機関回転数が所定値以上であるときに行われ、燃料供給が停止されて噴射量はオープンループで制御される。
【0031】
S14でフューエルカットではないと判断されたときはS16に進み、検出した機関回転数Neと吸気圧力Pbとからマップを検索して基本燃料噴射量Timを算出する。次いでS18に進んでLAFセンサ54の活性化が完了したか否か判定する。これは例えば、LAFセンサ54の出力電圧とその中心電圧との差を所定値(例えば0.4V)と比較し、差が所定値より小さいとき活性化が完了したと判定することで行う。活性化が完了したと判断されるときはS20に進み、フィードバック制御領域か否か判断する。高回転、全開増量、ないしは高水温などにより運転状態が変化したようなときは、噴射量はオープンループ制御される。S20でフィードバック制御領域と判断されるときはS22に進み、LAFセンサ検出値(出力)を読み込み、S24に進んで検出値から検出空燃比KACT(k) (k:離散系のサンプリング時刻。以下同じ)を求める。次いでS26に進んでPID制御則によるフィードバック補正係数KLAF(k) を演算する。
【0032】
このPID制御則によるフィードバック補正係数KLAFは、以下の通り演算される。
【0033】
先ず、目標空燃比KCMDと検出空燃比KACTの制御偏差DKAFを
DKAF(k) =KCMD(k-d’) −KACT(k)
と求める。上記でKCMD(k-d’) :目標空燃比(ここでd’はKCMDがKACTに反映されるまでの無駄時間を示し、よって無駄時間制御周期前の目標空燃比を意味する)、KACT(k) :検出空燃比(今回制御周期の)を示す。尚、この明細書で空燃比は目標値KCMDも検出値KACTも実際は当量比、即ち、Mst/M=1/λで示している(Mst:理論空燃比、M=A/F(A:空気消費量、F:燃料消費量、λ:空気過剰率))。
【0034】
次いで、それに所定の係数を乗じてP項KLAFP(k)、I項KLAFI(k)、およびD項KLAFD(k)を
P項:KLAFP(k)=DKAF(k) ×KP
I項:KLAFI(k)=KLAFI(k-1)+DKAF(k) ×KI
D項:KLAFD(k)=(DKAF(k) −DKAF(k-1) )×KD
と求める。
【0035】
このようにP項は偏差に比例ゲインKPを乗じて求め、I項は偏差に積分ゲインKIを乗じて得た値をフィードバック補正係数の前回値KLAFI(k-1)に加算して求め、D項は偏差の今回値DKAF(k) と前回値DKAF(k-1) の差に微分ゲインKDを乗じて求める。尚、各ゲインKP,KI,KDは、機関回転数と機関負荷に応じて求められ、より具体的にはマップを用いて機関回転数Neと吸気圧力Pbとから検索できるように設定しておく。最後に、よって得た値を
KLAF(k) =KLAFP(k)+KLAFI(k)+KLAFD(k)
と合算してPID制御則によるフィードバック補正係数の今回値KLAF(k) とする。尚、この場合、乗算補正によるフィードバック補正係数とするため、オフセット分である1.0はI項KLAFI(k)に含まれているものとする(即ち、KLAFI(k)の初期値は1.0とする)。
【0036】
図6フロー・チャートにおいては続いてS28に進んで適応制御則によるフィードバック補正係数KSTR(k) を演算する。この適応制御則によるフィードバック補正係数KSTR(k) については後で詳しく説明する。
【0037】
続いてS30に進み、求めた基本燃料噴射量Timに目標空燃比補正係数KCMDM およびその他の補正係数KTOTAL(水温補正など乗算で行う各種の補正係数の積算値)を乗算し、内燃機関が要求する要求燃料噴射量Tcyl(k)を決定する。この制御においては前述の通り目標空燃比を実際には当量比で求めていると共に、それを燃料噴射量の補正係数としても用いる。尚、詳しくは気化熱で吸入空気の充填効率が相違することから、目標空燃比に適宜な特性で充填効率補正を施して目標空燃比補正係数KCMDM とする。
【0038】
続いてS32に進んで要求燃料噴射量Tcyl(k)に、S26もしくはS28で求めたフィードバック補正係数KLAF(k) もしくはKSTR(k) のいずれかを乗算し、その積に加算項TTOTALを加算して出力燃料噴射量Tout(k)を決定する。ここで、加算項TTOTALは、気圧補正など加算値で行う補正係数の合計値を示す(但し、インジェクタの無効時間などは出力燃料噴射量Tout の出力時に別途加算されるので、これに含まれない)。
【0039】
続いてS34に進んで決定した出力燃料噴射量Tout(k)に機関冷却水温などから付着係数マップを検索して得られる付着係数を用いて付着補正を行い、出力燃料噴射量Tout(k)の吸気管壁面付着補正(付着補正後の値をTout-F (k) とする)を行う。尚、この吸気管壁面付着補正自体はこの発明の要旨と直接の関連を有しないので、説明は省略する。次いでS36に進んで付着補正した出力燃料噴射量Tout-F(k)を出力して終わる。
【0040】
尚、S18ないしS20で否定されたときはS38に進み、基本燃料噴射量Tim(k) に目標空燃比補正係数KCMDM と各種補正係数KTOTALを乗じると共に、その積に補正加算項TTOTALを加算して出力燃料噴射量Tout(k)を算出し、S34以降に進む。またS12でクランキングと判断されたときはS40に進んでクランキング時の燃料噴射量Ticr を検索し、S42に進んで始動モードの式によって出力燃料噴射量Tout(k)を算出すると共に、S14でフューエルカットと判断されるときはS44に進んで出力燃料噴射量Tout(k)を零とする。
【0041】
次に、図6フロー・チャートのS28で触れた適応制御則を用いたフィードバック補正係数KSTR(k) の演算について説明する。
【0042】
図7はその動作をより機能的に示すブロック図である。
【0043】
図示の装置は、本出願人が先に提案した適応制御技術を前提とする。それはSTR(セルフチューニングレギュレータ)コントローラからなる適応制御器とその適応(制御)パラメータ(ベクトル)を調整する適応(制御)パラメータ調整機構とからなり、STRコントローラは、燃料噴射量制御のフィードバック系の目標値と制御量(プラント出力)を入力し、適応パラメータ調整機構によって同定された係数ベクトルを受け取って出力を算出する。
【0044】
このような適応制御において、適応制御の調整則(機構)の一つに、I.D.ランダウらの提案したパラメータ調整則がある。この手法は、適応制御システムを線形ブロックと非線形ブロックとから構成される等価フィードバック系に変換し、非線形ブロックについては入出力に関するポポフの積分不等式が成立し、線形ブロックは強正実となるように調整則を決めることによって、適応制御システムの安定を保証する手法である。即ち、ランダウらの提案したパラメータ調整則においては、漸化式形式で表される調整則(適応則)が、上記したポポフの超安定論ないしはリヤプノフの直接法の少なくともいずれかを用いることでその安定性を保証している。
【0045】
この手法は、例えば「コンピュートロール」(コロナ社刊)No.27,28頁〜41頁、ないしは「自動制御ハンドブック」(オーム社刊)703頁〜707頁、" A Survey of Model Reference Adaptive Techniques - Theory and Ap-plication" I.D. LANDAU「Automatica」Vol. 10, pp. 353-379, 1974、"Unifi- cation of Discrete Time Explicit Model Reference Adaptive ControlDesigns" I.D.LANDAU ほか「Automatica」Vol. 17, No. 4, pp. 593-611, 1981 、および" Combining Model Reference Adaptive Controllers and Stochastic Self-tuning Regulators" I.D. LANDAU 「Automatica」Vol. 18, No. 1, pp. 77-84, 1982 に記載されているように、公知技術となっている。
【0046】
図示例の適応制御技術では、このランダウらの調整則を用いた。以下説明すると、ランダウらの調整則では、離散系の制御対象の伝達関数B(Z-1)/A(Z-1) の分母分子の多項式を数1および数2のようにおいたとき、パラメータ調整機構が同定する適応パラメータθハット(k) は、数3のようにベクトル(転置ベクトル)で示される。またパラメータ調整機構への入力ζ(k) は、数4のように定められる。ここでは、m=1、n=1、d=3の場合、即ち、1次系で3制御サイクル分の無駄時間を持つプラントを例にとった。
【0047】
【数1】

Figure 0003822668
【0048】
【数2】
Figure 0003822668
【0049】
【数3】
Figure 0003822668
【0050】
【数4】
Figure 0003822668
【0051】
ここで、数3に示される適応パラメータθハットは、ゲインを決定するスカラ量b0 ハット-1(k) 、操作量を用いて表現される制御要素BR ハット(Z-1, k)および制御量を用いて表現される制御要素S(Z -1, k)からなり、それぞれ数5から数7のように表される。
【0052】
【数5】
Figure 0003822668
【0053】
【数6】
Figure 0003822668
【0054】
【数7】
Figure 0003822668
【0055】
パラメータ調整機構はこれらのスカラ量や制御要素の各係数を同定・推定し、前記した数3に示す適応パラメータθハットとして、STRコントローラに送る。パラメータ調整機構は、プラントの操作量u(i)および制御量y(j)(i,jは過去値を含む)を用いて目標値と制御量との偏差が零となるように適応パラメータθハットを算出する。適応パラメータθハットは、具体的には数8のように計算される。数8で、Γ(k) は適応パラメータの同定・推定速度を決定するゲイン行列(m+n+d次)、eアスタリスク(k) は同定・推定誤差を示す信号で、それぞれ数9および数10のような漸化式で表される。尚、数10においてD(z-1)は設計者が与える所望の漸近安定な多項式であり、この例では1に設定した。
【0056】
【数8】
Figure 0003822668
【0057】
【数9】
Figure 0003822668
【0058】
【数10】
Figure 0003822668
【0059】
また数9中のλ1(k) ,λ2(k) の選び方により、種々の具体的なアルゴリズムが与えられる。例えば、λ1(k) =1,λ2(k) =λ(0<λ<2)とすると漸減ゲインアルゴリズム(λ=1の場合には最小自乗法)、λ1(k) =λ1(0<λ1<1),λ2(k) =λ2(0<λ2<λ)とすると可変ゲインアルゴリズム(λ2=1の場合には重み付き最小自乗法)、λ1(k) /λ2(k) =σとおき、λ3が数11のように表されるとき、λ1(k) =λ3とおくと固定トレースアルゴリズムとなる。また、λ1(k) =1,λ2(k) =0のとき固定ゲインアルゴリズムとなる。この場合は数9から明らかな如く、Γ(k) =Γ(k-1) となり、よってΓ(k) =Γの固定値となる。燃料噴射ないし空燃比などの時変プラントには、漸減ゲインアルゴリズム、可変ゲインアルゴリズム、固定ゲインアルゴリズム、および固定トレースアルゴリズムのいずれもが適している。尚、数11においてtrΓ(0) はΓの初期値のトレースである。
【0060】
【数11】
Figure 0003822668
【0061】
ここで、図7にあっては、前記したSTRコントローラ(適応制御器)と適応パラメータ調整機構とは燃料噴射量演算系の外におかれ、検出空燃比KACT(k) が目標空燃比KCMD(k-d’) (ここでd’は前述の如くKCMDがKACTに反映されるまでの無駄時間)に適応的に一致するように動作してフィードバック補正係数KSTR(k) を演算する。即ち、STRコントローラは、適応パラメータ調整機構によって適応的に同定された係数ベクトルθハット(k) を受け取って目標空燃比KCMD(k-d’)に一致するようにフィードバック補償器を形成する。演算されたフィードバック補正係数KSTR(k) は要求燃料噴射量Tcyl(k)に乗算され、補正された燃料噴射量が出力燃料噴射量Tout(k)として付着補正補償器を介して制御プラント(内燃機関)に供給される。
【0062】
このように、フィードバック補正係数KSTR(k) および検出空燃比KACT(k) が求められて適応パラメータ調整機構に入力され、そこで適応パラメータθハット(k) が算出されてSTRコントローラに入力される。STRコントローラには入力として目標空燃比KCMD(k) が与えられ、検出空燃比KACT(k) が目標空燃比KCMD(k-d')に一致するように漸化式を用いてフィードバック補正係数KSTR(k) を算出する。
【0063】
フィードバック補正係数KSTR(k) は、具体的には数12に示すように求められる。
【0064】
【数12】
Figure 0003822668
【0065】
他方、検出空燃比KACT(k) と目標空燃比KCMD(k) とは、図6フロー・チャートのS26で先に説明したPID制御則による制御器(図にPIDと示す)にも入力され、排気系集合部の検出空燃比と目標空燃比との偏差を解消すべくPID制御則に基づいて第2のフィードバック補正係数KLAF(k) が算出される。適応制御則によるフィードバック補正係数KSTRとPID制御則によるフィードバック補正係数KLAFは、図7の切換機構400を介していずれか一方が燃料噴射量の演算に用いられる。そして、後述の如く適応制御系(STRコントローラ)の動作が不安定と判別されたとき、もしくは適応制御系の適応領域外の場合、適応制御則に基づくフィードバック補正係数KSTR(k) に代えて、PID制御則によるフィードバック補正係数KLAF(k) が使用される。
【0066】
ところで、内燃機関の燃料噴射量を制御するとき、図57に示すように、噴射量を演算し、演算された燃料が気筒内で圧縮、爆発、排気されるまでにある程度の時間を要する。更に、排気ガスがLAFセンサに到達するまでの時間やセンサ自体の検出遅れ、更には検出値から実際に気筒に吸入された燃料量を演算するに要する時間までを考えると、この時間は更に大きくなる。このように内燃機関の燃料噴射量制御においては無駄時間が必然的に伴う。1気筒に注目して無駄時間を例えば前述の如く燃焼サイクルで3回分とすると、TDC数では内燃機関が4気筒のとき、図8に示す如く、12TDCとなる。尚、ここで" 燃焼サイクル" は、吸入、圧縮、爆発、排気からなる4行程で、この実施の形態の場合は4TDCに相当する。
【0067】
上記した適応制御器(STRコントローラ)において、適応パラメータθハット(k) の要素の数は、数3から明らかな通り、m+n+d個となって、無駄時間dに比例する。先の例の如く無駄時間を3とすると、刻々と変化する運転状態に対応すべく、STRコントローラと適応パラメータ調整機構をTDC同期で動作させるとき、適応パラメータθハット(k) の要素の数は、m=n=1とおいても、図8に示す如く、d=12(3燃焼サイクル×4TDC)となり、m+n+d=14となる。その結果、ゲイン行列Γの演算が14×14の行列演算となり、演算量が多くなって車載コンピュータの負荷が増加し、通例の車載コンピュータの性能では、機関回転数の上昇に伴い、1TDC内に演算を完了することが困難となると同時に、前述の通り、無駄時間の回数の増加は制御性の悪化を招く。
【0068】
そこで、図示に係る内燃機関の燃料噴射制御装置では、刻々と変化する運転状態に可能な限り対応できると共に、行列演算量を低減して車載コンピュータの負荷を軽減するようにした。具体的には、図9に示す如く、パラメータ調整機構には燃焼サイクル、より具体的には特定気筒(第1気筒など)の所定のクランク角度(TDCなど)のみに同期させて制御プラント出力を入力させ、前記した適応パラメータθハットを演算させる。
【0069】
ここで、適応パラメータθハットの演算は図9から明らかな如く、全気筒の所定のクランク角度(TDCなど)で行う。尚、STRコントローラが全気筒の所定のクランク角度(TDCなど)に同期して動作してフィードバック補正係数を算出することは図8に示した構成と異ならない。
【0070】
このように、例えば燃焼サイクル、即ち、特定の気筒の所定のクランク角度のみに同期させて動作させると、d=3となり、適応パラメータθハットの要素数はm+n+d=5となり、ゲイン行列Γの演算は14×14から5×5の行列演算に減少し、車載コンピュータの負荷が軽減して1TDC内で演算を処理することが可能となる。前述の如く、制御対象の無駄時間が大きいことは、少ない場合に比して一般的に制御性は悪化し、特に、適応制御においては顕著となるが、上記のように構成したことで無駄時間を大幅に低減させることができ、制御性を向上させることができる。
【0071】
上記は、具体的には、数1ないし数12の制御サイクルkを気筒毎にとることで、実現可能となる。より具体的には、4気筒の内燃機関の場合、数4を数13に、数8を数14に、数9を数15に、数10ないし数12を数16ないし数18のように変更すれば良い。
【0072】
【数13】
Figure 0003822668
【0073】
【数14】
Figure 0003822668
【0074】
【数15】
Figure 0003822668
【0075】
【数16】
Figure 0003822668
【0076】
【数17】
Figure 0003822668
【0077】
【数18】
Figure 0003822668
【0078】
これにより、図9に示す構成においても、図8に示す構成と同様に制御周期を全気筒のTDC毎にとる、即ち、全気筒のTDCに同期させて適応パラメータを演算しながら、演算で用いる行列、ベクトルの次数を減らすことが可能となる。もちろん、制御サイクルを気筒別にとり、数1ないし数12の制御サイクルkをK=気筒数×kとおくことで気筒別に内部変数を持つ構成にしても、同様に動作することは言うまでもない。尚、ここでのKは燃焼サイクル数を、kはTDCを示す。図10は図8の構成をSTRコントローラとパラメータ調整機構とに焦点をおいて書き直した図である。図10において、STRコントローラの作動周期m×TDCとパラメータ調整機構の作動周期n×TDCとをそれぞれm=n=1とすれば、図8と図9に示す構成となる。ここで、パラメータ調整機構の入力周期をTDCに同期させ、無駄時間をd=12とすれば、図8の構成となる。一方、パラメータ調整機構の入力周期を燃焼サイクルに同期させ、無駄時間をd=3とすれば、図9の構成となる。
【0079】
しかしながら、プラント出力を燃焼サイクルに同期させてパラメータ調整機構に入力して演算(動作)させることは、特定気筒の所定クランク角度に同期させて動作させることになるため、常にその特定気筒の排気ガス空燃比の影響を強く受けることになる。その結果、理論空燃比に制御するときなど、その特定気筒の排気ガス空燃比が例えばリーン方向にあり残余の気筒のそれがリッチ方向にあるとすると、適応制御器(STRコントローラ)は操作量をリッチ方向に調整して目標値に一致させるように動作してしまい、それによって残余の気筒の空燃比は更にリッチ傾向が高くなってしまう場合がある。
【0080】
その意図から、図示の装置では、後述の如く、プラント出力をパラメータ調整機構に燃焼サイクルに同期させて入力させて動作させることで適応パラメータの要素の数を減少させて行列演算量を軽減すると共に、特定気筒の排気ガス空燃比の影響を強く受けないようにした。これを実現させるためには、以下のように動作させる。
【0081】
パラメータ調整機構は燃焼サイクルに同期して動作、即ち、4気筒のうちの特定気筒の所定のクランク角度に同期して動作させることになるが、制御量y(k) を燃焼サイクル間の各気筒の所定クランク角度、例えばTDCごとに検出空燃比KACT(k) の平均値、例えば単純平均値、として求めてパラメータ調整機構に入力することで、その特定気筒の排気ガス空燃比に大きく影響されることがないようにした。
【0082】
更に、所定クランク角度ごとに、パラメータ調整機構が算出する適応パラメータθハットについても平均値を求めると共に、STRコントローラが算出するフィードバック補正係数KSTR(k) についても平均値を求めるようにし、それによって一層特定気筒の排気ガス空燃比に大きく影響されることがないようにした。
【0083】
図11はその演算作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0084】
同図に従って説明すると、先ずS100で機関が所定の運転領域にあるか否か判断する。ここで、所定の運転領域とはアイドルを含む低回転領域とする。S100で所定の運転領域にないと判断されるときはS102に進み、図6のS24で当該気筒について算出された今回算出空燃比KACT(k) 、前回燃焼気筒についての前回算出空燃比KACT(k-1) 、前前回燃焼気筒についての前前回算出空燃比KACT(k-2) 、前前前回燃焼気筒についての前前前回算出空燃比KACT(k-3) の平均値KACTAVE を求め、それをプラント出力である制御量y(k) とする。即ち、制御周期を3回前まで遡り、当該気筒を含む4気筒について1燃焼サイクルの間に算出された空燃比の単純平均値を求め、制御量y(k) (図ではy(k)(KACTAVE)と示す) とする。この手法で、特定気筒の排気ガス空燃比の影響を低減することができる。
【0085】
続いてS104に進み、図7末尾に示すように、パラメータ調整機構で今求めた制御量y(k) などから数3に従って適応パラメータθハット(k) を算出し、STRコントローラに入力する。尚、図ではパラメータ調整機構はP、STRコントローラはCと略称する。
【0086】
続いて、S106に進み、今回算出する適応パラメータθハット(k) を含めた3制御周期前までの算出値、即ち、1燃焼サイクル間のθハット(k) 、θハット(k-1) 、θハット(k-2) およびθハット(k-3) の平均値、例えば単純平均値AVE-θハット(k) を演算する。即ち、パラメータ調整機構の入力側ではなく、その出力側の適応パラメータθハット(k) について4気筒のそれに対応する4制御周期分(1燃焼サイクル)のθハットの平均値を求めてSTRコントローラに入力する。この手法を用いても、STRコントローラに対して4気筒のθハット(k) の平均値を入力しても特定気筒の排気ガス空燃比の影響を低減すると言う目的を達成することができる。尚、θハットは数3に示すようにベクトルとして求められるため、その平均値は、ベクトルの各要素s0,r1,r2,r3,b0の平均値を求めることで算出する。尚、いずれかの要素について平均値を求め、他の要素はそれに比例するように変化量を求め、それらからθハットの平均値を算出しても良い。S106では、その意味を含めてθハットの平均値を求める式を模式的に示した。
【0087】
続いてS108に進み、STRコントローラにおいて入力値に基づいて数12に従ってフィードバック補正係数KSTR(k) を算出し、次いでS110に進み、上で今回演算したフィードバック補正係数KSTR(k) を含む3制御周期前までの算出値、即ち、1燃焼サイクル間のKSTR(k),KSTR(k-1),KSTR(k-2) およびKSTR(k-3) の平均値、例えば単純平均値AVEKSTR(k)を演算する。即ち、パラメータ調整機構側ではなく、燃料演算系のフィードバック補正係数である制御入力KSTR(k) を出力するSTRコントローラについて4気筒のそれに対応する4制御周期分(1燃焼サイクル)のKSTRの平均値を求めても、特定気筒の排気ガス空燃比の影響を低減すると言う目的を達成することができるからである。
【0088】
他方、S100で所定の運転領域にあると判断されるときはS112に進んでy(k) の演算、即ち、当該気筒について図6のS24で求めた今回算出当量比KACT(k) をそのまま制御量(プラント出力)とする。そして、S114に進んで先のS104と同様に適応パラメータθハット(k) を算出し、S116に進んでS108と同様にフィードバック補正係数KSTR(k) を算出する。
【0089】
このように、全気筒の空燃比の平均値が求められ、制御量y(k) としてパラメータ調整機構に入力されるので、特定気筒(例えば第1気筒)の当量比、より具体的には排気ガス空燃比に大きく影響されることがない。更に、STRコントローラ出力についても最新値u(k) =KSTR(k) を含む4制御周期分の値が用いられて信号ベクトルζが求められ、パラメータ調整機構に入力されるので、特定気筒の排気ガス空燃比の影響は更に減少する。
【0090】
また、パラメータ調整機構の入力側ではなく、その出力側の適応パラメータθハット(k) について4気筒のそれに対応する4制御周期分(1燃焼サイクル)のθハットの平均値を求めてSTRコントローラに入力するようにしたので、その平滑化によっても、特定気筒の排気ガス空燃比の影響を低減すると言う目的を達成することができる。更に、パラメータ調整機構側ではなく、燃料演算系のフィードバック補正係数であるKSTR(k) を出力するSTRコントローラについても、4気筒のそれに対応する4制御周期分(1燃焼サイクル)のKSTRの平均値を求めるようにしたので、同様に特定気筒の排気ガス空燃比の影響を低減することができる。
【0091】
他方、S100で機関が所定の運転領域、具体的にはアイドルを含む低回転領域にあるか否か判断し、肯定されるときは平均値を算出しないようにしたので、不都合が生じることがない。即ち、低回転時は制御サイクルが長くなるため、LAFセンサの応答遅れが無視できるようになる。逆に、検出空燃比KACT(k) とその平均値KACTAVE の位相が図12のようにずれるため、制御系の無駄時間が変化したのと同じ現象が起きる。そのため、位相がずれているKACTAVE(k)を用いて適応制御を行うと、ハンチングなどの悪影響が起こる可能性がある。そのために、アイドル運転時など低回転状態にあってこの影響を受けるときは、平滑化を停止するようにした。
【0092】
尚、上記において、S106で算出する適応パラメータθハットの平均値AVE-θハット(k) は、数10に示す同定誤差信号eアスタリスクの算出には用いないこととする。即ち、同定誤差信号eアスタリスクは検出空燃比と目標空燃比との誤差の大きさを評価する関数なので、上記の如く求めたAVE-θハット(k) を数10の算出に用いると、誤差が不正確となる場合があるため、AVE-θハット(k) は数8の算出のみ用い、数10の算出には用いない運転領域を設けることが有益である。
【0093】
また、上記において、S102,S106,S110で空燃比、θハット(k) 、KSTR(k) の平均値を全て用いるようにしたが、いずれか1つ、もしくは適切な2つを用いても良いことは言うまでもない。また、機関始動時ないしはSTRコントローラの演算再開の平均値の演算において、過去値がないときは、適宜な所定値を用いることも言うまでもない。
【0094】
尚、適応パラメータθハット(k) やフィードバック補正係数KSTR(k) の平均値を求める場合には、それらの値をパラメータ調整機構に対して必ずしも入力させる必要がない。これは、適応パラメータθハット(k) の平均値を用いてSTRコントローラで算出されるフィードバック補正係数KSTR(k) は、特定気筒の排気ガス空燃比に大きく影響されない値に既になっているからである。同様に、STRコントローラで算出されるフィードバック補正係数KSTR(k) の平均値も、その値自体が特定気筒の排気ガス空燃比に大きく影響されない値になっているからである。
【0095】
図6フロー・チャートのS32で示したフィードバック補正係数の選択について説明する。
【0096】
図13はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0097】
同図に従って説明すると、先ずS200で適応制御系の適用領域にあるか否か判断する。例えば、極低水温域などの燃焼不安定運転領域などでは、正確な算出空燃比KACT(k) が求まらないため適用領域外とし、その場合にはS210に進んでPID制御則によって求めたフィードバック補正係数KLAF(k) を使用して出力燃料噴射量Tout(k)を算出する。適用領域にあると判断されるときはS202に進んで適応パラメータθハットの各要素を用いて適応制御系の安定性を判別する。
【0098】
具体的には、STRコントローラが算出するフィードバック補正係数KSTR(k) の伝達特性は、数19のように表される。
【0099】
【数19】
Figure 0003822668
【0100】
ここで、付着補正が正しく、燃料演算系の外乱が存在しない状態を仮定すると、KSTR(k) とKACT(k) の伝達特性は、数20のようになる。
【0101】
【数20】
Figure 0003822668
【0102】
KCMD(k) から補正係数KSTR(k) の伝達関数は、数21のようになる。
【0103】
【数21】
Figure 0003822668
【0104】
ここで、b0はゲインを決定するスカラ量であるため、0あるいは負となり得ないので、数21の伝達関数の分母関数f(z)=b0Z3 +r1Z2 +r2Z+r3+s0は、図14に示す関数のいずれかになる。そこで、実根が単位円内にあるか否かを判別する、即ち、図15に示すように、f(−1)<0ないしf(1)>0であるか否かを判別すれば、肯定されるときは実根が単位円内にあることになるので、それから系が安定しているか否かを容易に判定することができる。
【0105】
そこでS204に進んで上記から適応制御系が不安定か否か判断し、肯定されるときはS206に進んで適応パラメータベクトルθハットを初期値に戻す。これにより、系の安定を回復することができる。続いてS208に進んでゲイン行列Γを補正する。ゲイン行列Γはパラメータ調整機構の変化(収束)速度を決定するものであることから、この補正は収束速度を遅くするように行う。ここでは、ゲイン行列Γの各要素を小さい値に置換する。それによっても同様に系の安定を回復することができる。続いてS210に進み、図示の如く、適応制御系が不安定であることからフィードバック補正係数としてはPID制御則による補正係数KLAF(k) を用い、それを要求燃料噴射量Tcyl (k) に乗じると共に、その積に加算項TTOTALを加算して出力燃料噴射量Tout(k)を決定する。
【0106】
尚、S204で適応制御系が不安定ではないと判断されるときはS212に進んで、図示の如く、フィードバック補正係数として適応制御則による補正係数KSTR(k) を用いて出力燃料噴射量Tout(k)を算出する。このとき、図11フロー・チャートのS110でフィードバック補正係数KSTRの平均値が求められているときは、その平均値を使用することは言うまでもない。
【0107】
尚、図7ブロック図において、切換機構400の出力u(k) は、STRコントローラおよびパラメータ調整機構に入力される。これは、PID制御則によるフィードバック補正係数KLAFが選択されたときも適応制御則によるフィードバック補正係数KSTRの演算を可能にするためである。
【0108】
この実施の形態においては上記のように構成した結果、パラメータ調整機構は全気筒TDCごとに動作するにも関わらず、適応パラメータの要素の数が5となってΓ行列演算は5×5に減少して車載コンピュータの負荷が軽減し、通例の性能の車載コンピュータで1TDC間に演算を完了することが可能となる。他方、STRコントローラも全気筒TDCごとにフィードバック補正係数KSTRを算出すると共に、その変更を全気筒TDCごとに行うことで運転状態の変化に対して極力対応することができる。また、無駄時間の大幅な削減により、制御性を向上させることが可能となる。
【0109】
更に、パラメータ調整機構では気筒別に見ると、燃焼サイクルごとに作動する結果、特定気筒、例えば第1気筒の所定クランク角度で常に動作することになるが、当該燃焼サイクル間の残余の気筒群を含む全てについての検出空燃比(制御量)の平均値を求め、その平均値をパラメータ調整機構に入力する、ないしは適応パラメータθハットの平均値を求める、ないしはSTRコントローラの出力たるフィードバック補正係数KSTRの平均値を求めて使用するようにしたので、特定気筒の燃焼状態のみを強く反映する不都合がない。
【0110】
即ち、特定気筒についての制御量に基づいてフィードバック補正係数KSTRを求めるとすると、例えば第1気筒の空燃比がリッチで他の気筒のそれがリーンであるとき、フィードバック補正係数KSTRは空燃比をリーン方向に修正するべく決定され、他の気筒の空燃比のリーン化に拍車がかけられてしまうが、全気筒の平均値とする結果、そのような不都合が生じない。
【0111】
尚、更なる簡素化のためには、図16に示す如く、適応パラメータθハットも全気筒TDCごとではなく、特定気筒の燃焼サイクルに同期させて、即ち、4TDCに1度演算し、STRコントローラでその適応パラメータθハットとして気筒数回、同じ値を用いるように構成しても良い(図10においてm=1,n=4とした場合に相当)。
【0112】
この手法は、機関の回転数の上昇に伴う演算可能時間の減少時などに特に有効である。高回転時には各気筒ごとに必要とされる適応パラメータθハットのばらつきが少なくなるため、特定気筒の適応パラメータθハットを他の気筒を含む全気筒に用いても、制御性の悪化が少ないことから、制御性を悪化させることなく、演算時間を短縮することができる。
【0113】
更には、図17に示すように、STRコントローラも燃焼サイクルに同期させて4TDCに1度のみ動作させるようにすれば、構成を一層簡略にすることができる。制御精度は低下するが、この構成でもある程度の効果を挙げることができる(図10においてm=n=4とした場合に相当)。
【0114】
尚、Γ行列演算を1燃焼サイクルに一度としたが、回転が更に上昇して適応パラメータのばらつきが一層少なくなるような運転領域では、2燃焼サイクルないしはそれ以上に一度、即ち、1燃焼サイクルの整数倍に相当する周期に一度行うようにしても良い。
【0115】
図18は、この出願に係る装置の第2の実施の形態を示すフロー・チャートであり、フィードバック補正係数KSTRの演算に用いるゲイン行列Γの設定に関する。
【0116】
フィードバック補正係数KSTRの演算には前述の数1ないし数12から明らかな如く、ゲイン行列Γ(k) を必要とする。第2の実施の形態は、数9においてλ1 =1,λ2 =0、即ち、固定ゲインアルゴリズムを用いた場合において、このゲイン行列Γ(k) の非対角要素を全て0にすることにより、演算時間の短縮とセッティングの容易化を図った。
【0117】
説明のために、一例として内部変数Γζ(k-d) の演算を行う場合を考える。ゲイン行列Γを5×5の行列とする第1の実施の形態の場合では、Γの演算は数22のように行われ、乗算が25回、加算が20回必要となる。
【0118】
【数22】
Figure 0003822668
【0119】
これをゲイン行列Γの非対角要素を全て0とおくと、数23のように表すことができ、演算は乗算5回に短縮することができる。
【0120】
【数23】
Figure 0003822668
【0121】
また、ゲイン行列Γの非対角要素を全て0にすることにより、適応パラメータθハット(k) の演算を行う場合、数24のようになる。
【0122】
【数24】
Figure 0003822668
【0123】
その結果、行列要素g11, g22, g33, g44, g55は、適応パラメータθハット(k) の各要素の変化速度をζ(k) の1つのみの要素に対応した値で、独立してセッティングすることができる。もし、ゲイン行列Γの非対角要素が0でなければ、数22および数24から分かるように、適応パラメータθハット(k) の演算は数25の如くとなり、θハット(k) の1つの要素の変化速度を決定するのに、ζ(k-d) の全ての要素に対応した5つの変数を考慮する必要があり、セッティングに困難を伴う。ゲイン行列Γの非対角要素を全て0にすることにより、演算時間を短縮し、セッティングを容易にすることが可能となる。
【0124】
【数25】
Figure 0003822668
【0125】
更に、発明者達がテストを行ったところ、Γ行列においてg11〜g55の5つのセッティング要素は、その幾つかを同じ値とすると、適応パラメータθハット(k) の各要素の変化速度の割合が適正となって、最も制御性が良くなることが判明した。例えば、g11=g22=g33=g44=gとおく場合である。このようにおくと、セッティング要素をgとg55の2つに低減することができ、セッティングのための工数を削減することができると共に、例えば内部変数のζT (k-d) Γζ(k-d) の演算は数26のようになり、乗算が12回となる。
【0126】
【数26】
Figure 0003822668
【0127】
それに対し、g11〜g44がそれぞれ別々の値をとる場合には上記演算は数27のようになり、乗算が15回に増加する。
【0128】
【数27】
Figure 0003822668
【0129】
以上から、g11〜g55のうち、幾つかを同じ値とすることで、セッティング要素の数を減少させることができ、演算時間を更に短縮することが可能となる。また、適応パラメータθハット(k) の各要素の変化速度の割合を適正にできるため、制御性も良好となる。このとき、g11=g22=g33=g44=g55とすると、その効果が最も表れることは言うまでもない。
【0130】
更に、例えば燃焼が不安定なため、プラント出力も不安定となる運転領域を例にとると、上記のg55を小さくすることにより、so(k) のハンチングなどを抑えることができる。このように、ゲイン行列Γの非対角要素を0にすることにより、制御特性のセッティングが容易となるメリットは大である。また、運転領域によってゲイン行列Γを持ち替えることにより、常に機関にとって最適な制御性を得ることが可能となる。
【0131】
その場合、g11〜g55は、運転状態に応じて制御ユニット34内のRAM74に記憶しておく。より具体的には、運転状態に加え、キャニスタ・パージ、排気還流などの機関の制御デバイスの動作状態に応じて記憶しておく。このとき、g11〜g55は全て同じ値でも、全て違う値でも、幾つか同じ値でも良い。尚、また、この場合、RAM74の容量ないしは演算時間に余裕があれば、ゲイン行列Γの非対角要素に零以外の値を記憶させて演算に用いても良い。
【0132】
上記を前提として、図18フロー・チャートに従ってこの出願に係る装置の第2の実施の形態を説明する。
【0133】
先ず、S300において機関回転数Ne、吸気圧力Pbなどの機関運転パラメータおよび前述の排気還流機構ないしキャニスタ・パージ機構の動作状態を読み込み、S302に進んでアイドル領域にあるか否か判断し、肯定されるときはS304に進んでアイドル用のΓマップを検索する。他方、S302でアイドル領域にはないと判断されるときはS306に進んで可変バルブタイミング機構がHiバルブタイミング特性で運転されているか否か判断し、肯定されるときはS308に進んでHiバルブタイミング用のΓマップを検索すると共に、否定されるときはS310に進んでLoバルブタイミング用のΓマップを検索する。
【0134】
図19にLoバルブタイミング用のΓマップの特性を図示する。このマップは図示の如く、機関回転数Neと吸気圧力Pbとから行列要素g11〜g55を検索する。尚、アイドル用およびHiバルブタイミング用のΓマップも同様の特性を備える。また、このマップは、機関負荷を示す吸気圧力Pbによりゲイン行列Γの値を検索しているため、機関負荷の急変動時である減速運転状態などにおいても、最適なゲイン行列の値を得ることができる。
【0135】
続いてS312に進んでEGR(排気還流機構)が動作しているか否か判断し、肯定されるときはS314に進んで排気還流率に対する燃料補正係数KEGRN に応じてゲイン行列Γを修正する。より具体的には排気還流率に対する燃料補正係数KEGRN から図20にその特性を示すテーブルを検索して補正係数 KΓEGR を求め、求めた補正係数 KΓEGR をゲイン行列Γに乗算して補正する。排気還流率に対する燃料補正係数KEGRN に応じてゲイン行列を修正する理由は、補正係数 KΓEGR は図示の如く、排気還流量が増加するに従い排気還流率に対する燃料補正係数KEGRN が減少するのに従って外乱が大きくなることから、適応制御系の安定性が高まるように、排気還流率に対する燃料補正係数KEGRN が減少するにつれてゲイン行列Γを小さくするように設定される。
【0136】
尚、この排気還流率KEGRN は燃料噴射量を乗算補正する係数であって、例えば0.9などと決定される。しかし、この発明の要旨は排気還流率の決定自体にはなく、また排気還流率の決定は例えば本出願人が先に提案した特願平6−294,014号に述べられているので、説明は省略する。
【0137】
続いてS316に進み、キャニスタ・パージ機構が動作しているか否か判断し、肯定されるときはS318に進んでパージ質量に応じてゲイン行列Γを修正する。より具体的にはパージ質量KPUGから図21にその特性を示すテーブルを検索して補正係数 KΓPUG を求め、求めた補正係数 KΓPUG をゲイン行列Γに乗算して補正する。補正係数 KΓPUG は図示の如く、パージ質量KPUGが増加するに従って外乱が大きくなることから、パージ質量KPUGが増加するにつれて大きくなるように設定される。尚、パージ質量についても例えば本出願人が先に提案した特開平6−101,522号に述べられているので、説明は省略する。
【0138】
続いてS320に進んで検出した大気圧Paに応じてゲイン行列Γを修正する。より具体的には検出した大気圧Paから図22にその特性を示すテーブルを検索して補正係数 KΓPaを求め、求めた補正係数 KΓPaをゲイン行列Γに乗算して補正する。検出した大気圧Paに応じてゲイン行列Γを修正する理由は、検出した大気圧Paが減少する、即ち、機関が位置する高度が増加するにつれて充填効率が低下することから、常圧でセッティングされたデータに対して外乱を生じるため、適応制御系の安定性が高まるように、検出した大気圧Paが減少するにつれてゲイン行列Γを小さくするように設定される。
【0139】
続いてS322に進んで検出した水温Twに応じてゲイン行列Γを修正する。より具体的には検出した水温Twから図23にその特性を示すテーブルを検索して補正係数 KΓTWを求め、求めた補正係数 KΓTWをゲイン行列Γに乗算して補正する。検出した水温Twに応じてゲイン行列Γを修正する理由は、補正係数 KΓTWは図示の如く、検出した水温Twが低水温または高水温にあるときは燃焼が不安定となることから、常温でセッティングされたデータに対して外乱を生じるため、適応制御系の安定性が高まるように、低水温または高水温にあるときはゲイン行列Γを小さくするように設定される。
【0140】
第2の実施の形態は上記の如く、適応パラメータθハットの変化(収束)速度を決定するゲイン行列を運転状態に応じて適正に決定するようにしたので、安定した適応パラメータの変化速度を得ることができ、制御性が向上する。
【0141】
尚、第2の実施の形態はゲイン行列Γを固定ゲインで決定するものであるが、可変ゲインアルゴリズムを用いることも可能であり、その際にはゲイン行列Γの各要素の初期値を上記のように運転状態で修正し、運転状態が変化したときに所定値としても良い。
【0142】
更に、第2の実施の形態においては、固定ゲインアルゴリズムで説明したが、ゲイン行列Γ(k) の演算を数9に示した可変ゲインアルゴリズムなどの固定ゲインアルゴリズム以外の演算則に基づいて行う場合、ゲイン行列Γ(k) の非対角要素の演算を行わず、0と固定することにより、上記第2の実施の形態で示した演算量の低減とセッティングの容易化を実現することが可能なことは、言うまでもない。
【0143】
図24はこの出願に係る装置の第3の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【0144】
第1の実施の形態および第2の実施の形態においてはゲイン行列Γを固定ゲインで演算したが、第3の実施の形態は固定ゲイン以外のアルゴリズムを用いて演算し、そのときの適応パラメータを用いた制御結果(プラント出力、より具体的には検出空燃比KACT)が良好な挙動を示したとき、演算値を機関の運転状態に応じて記憶しておけば、再びその領域でゲイン行列Γ(k) を演算する必要がなくなると同時に、その領域で最適なゲイン行列Γ(k) を常に用いることができるようになり、制御性が向上する。このとき格納するΓ(k) は、4TDC間の平均値などの加工値を用いても良い。尚、固定ゲインアルゴリズムから、ゲイン行列Γを演算する場合は、プラント出力の挙動が良好ではないと判断された場合となる。そのときのゲイン行列Γ(k-1) は運転領域ごとに格納された初期値として始める。
【0145】
上記を前提に図24を参照して説明する。これは第2の実施の形態のフロー・チャートの図18のS308,S310もしくはS304などのゲイン行列Γのマップ検索時に行う作業である。
【0146】
以下説明すると、S400で機関回転数Neと吸気圧力Pbとから第2の実施の形態で示したと同様のゲイン行列Γのマップを検索し、S402に進んでプラント出力たる検出空燃比KACTの挙動が良好か否かを適宜な手法で判断し、否定されるときはS404に進んでゲイン行列Γ(k) を演算し、S406に進んで検索したマップの所定領域に格納する。尚、S402で肯定されるときは直ちにS406に進む。S402における検出空燃比KACTの挙動の良否の判断は、例えば10TDC間の検出空燃比KACTが目標空燃比KCMD±所定値以内に入っていれば良好と判断することで行う。
【0147】
第3の実施の形態は上記の如く構成したので、検出空燃比KACTの挙動が良好な場合は、ゲイン行列Γ(k) の演算を数9に示した演算式を用いずに、単なるマップ検索によって行うことができるため、演算量を低減することができる。更に、検出空燃比KACTの挙動が良好ではない場合に、最適なゲイン行列Γ(k) を演算し直し、内燃機関の運転領域ごとに学習することにより、内燃機関の経時劣化などにも対応することができ、常に検出当量比KACT(k) の挙動が良好となるようにすることができるため、制御性を向上させることができる。
【0148】
図25はこの出願に係る装置の第4の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【0149】
第4の実施の形態においては、適応制御系が不安定にならないように、検出空燃比KACTの特性に不感帯を設けた。即ち、STRコントローラは検出空燃比KACTが目標空燃比KCMDに一致するように動作するため、STRコントローラに入力する検出空燃比KACTが目標空燃比KCMDに一致していれば、適応パラメータはほとんど変化しない。そこで、検出空燃比KACTがセンサノイズなどの微小な外乱から微小に変動するとき、それによって適応制御系がその微小な外乱などに影響されて不要な過補正を行うことがないように、図26に示す如く、検出空燃比KACTの特性に、目標空燃比KCMDの付近に不感帯を設けた。詳しくはKCMD−βからKCMD+αの範囲においては検出空燃比KACTの値が同一である如くした。
【0150】
図25フロー・チャートを参照して説明すると、S500で検出空燃比KACTを下限の所定値KCMD−βと比較し、それ以上と判断されるときはS502に進んで検出空燃比KACTを上限の所定値KCMD+αと比較する。S502で検出空燃比が所定値KCMD+α以下と判断されるときはS504に進んで検出空燃比KACTを所定の値、例えば目標空燃比KCMDとする。尚、S500で検出空燃比KACTが下限の所定値KCMD−βを下回ると判断されるとき、ないしはS502で検出空燃比KACTが上限の所定値KCMD+αを上回ると判断されるときは、直ちにプログラムを終了する。従って、その場合は検出値をそのまま検出空燃比KACTとすることになる。以上の処理により、図26に示す如く、検出空燃比KACTの特性に、目標空燃比KCMDの付近で不感帯を設けることができる。
【0151】
第4の実施の形態は上記の如く構成したので、例えば検出空燃比KACTが微小に変動するときも、STRコントローラはその影響を受けることなく、安定に動作することができ、よって良好な制御結果を得ることができる。尚、S504において目標空燃比KCMDを検出空燃比としたが、それ以外のKCMD−βからKCMD+αの範囲の適宜な値としても良い。
【0152】
図27はこの出願に係る装置の第5の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【0153】
第5の実施の形態は第4の実施の形態と同様に適応制御系の不安定化を防止するものであり、同定誤差信号eアスタリスクに上下限リミッタを設けて安定した適応パラメータを得るようにした。
【0154】
即ち、数8から明らかな如く、同定誤差信号eアスタリスクの値をある一定以内の範囲に制限することで、適応パラメータθハットの変化速度を制限することができる。それによって、適応パラメータθハット(k) の最適値に対するオーバーシュートを防止することができ、結果的に適応制御系を安定に動作させて、良好な制御結果を得ることができるからである。
【0155】
図27フロー・チャートに従って説明すると、先ずS600で算出した同定誤差信号eアスタリスク(k) を上限値a(図28に示す)と比較し、それを超えていると判断されるときはS602に進んで所定値、例えば上限値aを同定誤差信号eアスタリスク(k) とする。他方、S600で同定誤差信号eアスタリスク(k) が上限値a以下と判断されるときはS604に進んで算出した同定誤差信号eアスタリスク(k) を下限値b(図28に示す)と比較し、それ未満と判断されるときはS606に進んで第2の所定値、例えば下限値bを同定誤差信号eアスタリスク(k) とする。尚、S604で同定誤差信号eアスタリスク(k) が下限値b以上と判断されるときは、直ちにプログラムを終了する。従って、その場合は同定誤差信号eアスタリスク(k) は算出値のままとする。
【0156】
第5の実施の形態は上記の如く構成したので、同定誤差信号eアスタリスク(k) の値をある一定以内の範囲に制限することで、適応パラメータθハット(k) の変化速度を制限することができる。それによって、適応パラメータθハット(k) の最適値に対するオーバーシュートを防止することができ、適応制御系を安定に動作させて、良好な制御結果を得ることができる。
【0157】
尚、S602ないしS606において同定誤差信号eアスタリスク(k) の値を上下限値としたが、上下限値の間の適宜な値としても良く、あるいは上下限値付近の適宜な値としても良い。
【0158】
図29はこの出願に係る装置の第6の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【0159】
第6の実施の形態では、第1の実施の形態に示したSTRコントローラにおいて、適応パラメータθハットを決定する同定誤差信号eアスタリスクの、数10の算出式の分母に用いる定数1を可変とすることで、その変化速度を安定させ、制御性を向上させるようにした。
【0160】
この第6の実施の形態は、パラメータ調整機構で演算に用いる中間変数の変化範囲を制限して図示の如き適応制御を低レベルの車載マイクロコンピュータで実現させる技術を前提とする。それについては本出願人が先に提案した特開平6−161,511号公報に記載されているので、説明は省略する。
【0161】
即ち、理論式ではこの同定誤差信号eアスタリスク(k) は、数10のように算出される。今、ζ(k) およびy(k) に1/10(以下jとする)を乗算してパラメータ調整機構に入力するとし、その分母に注目すると、数28のようになる(ゲイン行列Γ(k-1) は固定ゲインの場合、一定となる)。
【0162】
【数28】
Figure 0003822668
【0163】
ここで、右項はζ(k) ,y(k) に乗算する係数の自乗となり、この係数が1以下の小さい値の場合(例の場合は1/102 =1/100)、左項=1に比べて極端に小さくなってしまう。このため、右項がどのように変化しても同定誤差信号eアスタリスク(k) の分母は1に近い値となり、係数を乗算する前と同定誤差信号eアスタリスク(k) の変化速度が変わってしまう。この問題を解決するために、左項を1以外の値にすれば良い。目安としては、上記の係数をjとすると、j2 とおけば、係数jを乗算する前と同じ変化速度とすることができる。
【0164】
逆に、同定誤差信号eアスタリスク(k) の変化速度は適応パラメータθハット(k) の変化(収束)速度に比例するため、即ち、θハット(k) は数8を用いて算出されるため、j2 以外の値を持たせることにより、適応パラメータθハット(k) の変化速度を変更することができる。よって、数29に示す同定誤差信号eアスタリスク(k) の分母の演算式において、式中のiが1以外の値をとる、即ち、i≠1の値をとるようにした。
【0165】
【数29】
Figure 0003822668
【0166】
図29フロー・チャートを参照して説明すると、先ずS700で同定誤差信号eアスタリスク(k) による適応パラメータθハット(k) の変化(収束)速度を可変とする動作を行うか否か判断し、肯定されるときはS702に進んでiを1以外の値、より具体的には検出した機関回転数Neと吸気圧力Pbとから図30にその特性を示すマップを検索してiを求める。他方、S700で否定されるときはS704に進んでiをj2 とおいて、係数jを乗算する前と同じ変化速度とする。尚、jは定数なので、図30に示すマップ特性において、iの値はj2 を考慮した値、例えばi=j2 ×0.5ないしi=j2 ×2などと設定する。
【0167】
具体的には、jは通常1より小さい値に設定するが、例えばj=1/10とすると、S700で否定される場合にはi=j2 =1/100となる。よって、S700で肯定される場合でも、i=1/100を中心に、例えば1/50〜1/200の間となるように図30においてiマップ値を設定する。このとき、iが小さい(例えば1/200)ほど、適応パラメータθハット(k) の変化(収束)速度は大きくなり、iが大きい(例えば1/50)ほど、適応パラメータθハット(k) の変化(収束)速度は小さくなる。従って、図30においてiマップ値は、より具体的には、高回転で高負荷状態では大きく(例えば1/50)、低回転で低負荷では小さく(例えば1/200)なるように設定する。
【0168】
第6の実施の形態は上記の如く構成したので、適応パラメータθハットを決定する同定誤差信号eアスタリスクの定数を可変にすることで、入力に対する係数との調和がとれて適応パラメータθハットの変化速度が安定し、良好な制御性を達成することができる。
【0169】
尚、第6の実施の形態においては第1の実施の形態で用いたSTRコントローラを例にとったが、適応制御器は第1の実施の形態に図示のものに限られるのではなく、ランダウらの調整則に基づいて動作するものであれば、MRACS型の適応制御器も含めて全て妥当する。
【0170】
図31フロー・チャートはこの出願に係る装置の第7の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【0171】
第7の実施の形態においては、第1の実施の形態に示したパラメータ調整機構とSTRコントローラの制御サイクルについて、それらの制御サイクルを可変とすると共に、運転状態、具体的には機関回転数に応じて制御サイクルを決定するようにした。即ち、適応制御器のパラメータ調整機構もしくはコントローラの制御周期を運転状態に応じて可変にすることで、演算負荷を可能な限り低減して高回転時など演算時間が少ない運転状態においても適応制御を行うことを可能とし、良好な制御性を実現するようにした。
【0172】
図31フロー・チャートを参照して説明すると、先ずS800で検出した機関回転数Neを所定値Nep1 と比較し、検出した機関回転数Neが所定値Nep1 未満と判断されるときはS802に進んで検出した機関回転数Neを別の所定値Nec1 と比較する。そしてS802で検出した機関回転数Neが別の所定値Nec1 未満と判断されるときはS804に進んでパラメータ調整機構(図31でPと略称)とSTRコントローラ(図31でCと略称)の制御周期はTDCごととする。
【0173】
図32は図31フロー・チャートの動作の説明図であり、図示の如く所定値Nep1,Nec1 が比較的低い回転域にあるときは演算時間に余裕があることから、制御精度を優先させてパラメータ調整機構とSTRコントローラとも、図8および図9に示す如く、全TDCごとに動作させる。
【0174】
図31においてS802で検出した機関回転数Neが所定値Nec1 以上と判断されるときはS806に進んで検出した機関回転数Neを所定値Nec2 と比較し、それ未満と判断されるときはS808に進んでパラメータ調整機構はTDCごとに、STRコントローラは2TDCごとに動作させる。他方、S806で検出した機関回転数Neが所定値Nec2 以上と判断されるときはS810に進んでパラメータ調整機構はTDCごとに、STRコントローラは4TDCごとに動作させる。
【0175】
また、S800で検出した機関回転数Neが所定値Nep1 以上と判断されるときはS812に進んで検出した機関回転数Neを所定値Nep2 と比較し、それ未満と判断されるときはS814に進んで検出した機関回転数Neを所定値Nec3 と比較し、そこで検出した機関回転数Neが所定値Nec3 未満と判断されるときはS816に進んでパラメータ調整機構は2TDCごとに、STRコントローラはTDCごとに動作させる。
【0176】
他方、S814で検出した機関回転数Neが所定値Nec3 以上と判断されるときはS818に進んで検出した機関回転数Neを所定値Nec4 と比較し、それ未満と判断されるときはS820に進んでパラメータ調整機構もSTRコントローラも2TDCごとに動作させる。また、S818で検出した機関回転数Neが所定値Nec4 以上と判断されるときはS822に進んでパラメータ調整機構は2TDCごとに、STRコントローラは4TDCごとに動作させる。
【0177】
更に、S812で検出した機関回転数Neが所定値Nep2 以上と判断されるときはS824に進んで検出した機関回転数Neを所定値Nep3 と比較し、それ未満と判断されるときはS826に進んで検出した機関回転数Neを所定値Nec5 と比較し、そこで検出した機関回転数Neが所定値Nec5 未満と判断されるときはS828に進んでパラメータ調整機構は4TDCごとに、STRコントローラはTDCごとに動作させる(図16に示す)。
【0178】
他方、S826で検出した機関回転数Neが所定値Nec5 以上と判断されるときはS830に進んで検出した機関回転数Neを所定値Nec6 と比較し、それ未満と判断されるときはS832に進んでパラメータ調整機構は4TDCごとに、STRコントローラは2TDCごとに動作させると共に、S830で検出した機関回転数Neが所定値Nec6 以上と判断されるときはS834に進んでパラメータ調整機構もSTRコントローラも4TDCごとに動作させる(図17に示す)。尚、S824で検出した機関回転数Neが所定値Nep3 以上と判断されるときはS836に進んで適応制御器STRを停止させる。これは、特に高回転時は検出空燃比の変化が小さいためである。
【0179】
第7の実施の形態は上記の如く、内燃機関の燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段、前記燃料噴射量を操作量として目標値に一致するように作動する適応制御器、および前記適応制御器で用いる適応パラメータを算出する適応パラメータ調整機構からなる内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段を備え、前記検出された運転状態に応じて前記適応制御器および適応パラメータ調整機構の少なくとも一方の制御周期を変える如く構成したので、より具体的には機関回転数に応じて適応制御器のパラメータ調整機構とSTRコントローラの制御周期を決定するようにしたので、演算負荷を可能な限り低減して高回転時など演算時間が少ない運転状態においても適応制御を行うことができると共に、良好な制御性を実現することができる。
【0180】
また、適応パラメータ調整機構もしくはSTRコントローラの制御周期(サイクル)を燃料制御周期(TDC)の整数倍としたので、適応パラメータ調整機構もしくはSTRコントローラの制御を燃料制御周期の複数回に1回の割合で実行することになり、制御性を確保しながら演算量を削減できると共に、燃料制御周期は機関回転数に応じて変化するため、機関回転数に応じて演算負荷を調整することができる。
【0181】
尚、上記で適応パラメータ調整機構の制御サイクルをSTRコントローラのそれと同一かそれより大きくしたのは、一般に適応パラメータ調整機構の演算処理が複雑で時間がかかることに加えて、STRコントローラの演算を行わないときにはSTRコントローラで用いる適応パラメータθハット(k) を演算する必要がないためである。
【0182】
尚、上記で、図32に示す適応制御器STRの作動状態は1〜10(図では丸付き数字で示す)を全て備える必要はなく、機関や制御ユニット構成のCPUの能力に応じて適宜選択しても良い。例えば、1,3,5,9,10、ないし1,3,6,9,10、ないし1,7,9,10、ないし1,10、ないし1,4,7,10などと選択しても良い。
【0183】
更に、運転状態として機関回転数を使用したが、それに限られるものではなく、機関負荷も加味して決定しても良い。その場合は、例えば高負荷状態においては適応パラメータθハットの変化が少ないため、パラメータ調整機構を4TDCごとに処理することも考えられよう。
【0184】
図33はこの出願に係る装置の第8の実施の形態を示す、図11と同様のフィードバック補正係数KSTRなどの平均値の演算作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0185】
第1の実施の形態の場合には特定気筒の排気空燃比の影響を避けるために、原則的にフィードバック補正係数KSTRを決定する要素について平均値を求めるようにすると共に、所定の運転状態、即ち、アイドル状態では平均値の算出を中止するようにした。
【0186】
第8の実施の形態は第1の実施の形態と対照的に、原則的に平均値を算出しないと共に、所定の運転状態、具体的には排気還流(EGR)実行時のみ、平均値を算出するようにした。
【0187】
これについて説明すると、前記した排気還流機構において排気ガスが還流されるとき、運転状態によっては、排気ガスが4気筒に均等に導入されずに、例えば還流口121bに近い気筒に多量の排気ガスが吸入され、遠い気筒には僅かの量しか吸入されない状態が起こる可能性がある。従って、そのような場合には、TDCごとに検出する空燃比KACT(k) は、特定気筒の影響を大きく受けることになり、その検出空燃比KACT(k) を用いると、その気筒の当量比のみを目標空燃比に合わせようとして全気筒の制御値がその気筒のずれ分だけオフセットし、他気筒の空燃比がずれてしまう。従って、それを回避するために、図示の如く、平均値を求めることが望ましい。
【0188】
図33に従って説明すると、S900でEGR(排気還流制御)が実行されているか否か判断し、肯定されるときS902以降に進んで図11に関して第1の実施の形態で述べたと同様にKACTAVE などの平均値を求める。他方、S900で否定されたときはS912以降に進み、図11に関して第1の実施の形態で述べたと同様の処理を行う。
【0189】
第8の実施の形態は上記の如く構成したので、排気ガスが還流されるときも特定気筒の影響を大きく受けることがなく、制御性が向上する。
【0190】
図34はこの出願に係る装置の第9の実施の形態を示す、図33と同様のフィードバック補正係数KSTRなどの平均値の演算作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0191】
排気還流実行時と同様に、キャニスタ・パージが実行されてガスが供給されるとき、運転状態によっては、ガスが気筒に均一に導入されない場合が生じて第8の実施の形態で述べたと同様の問題が生じ得る。第9の実施の形態はそれに対処した。
【0192】
図34に従って説明すると、S1000でキャニスタ・パージが実行されているか否か判断し、肯定されるときS1002以降に進んで図11に関して第1の実施の形態で述べたと同様にKACTAVE などの平均値を求める。他方、S1000で否定されたときはS1012以降に進み、図9に関して第1の実施の形態で述べたと同様の処理を行う。
【0193】
第9の実施の形態は上記の如く構成したので、キャニスタ・パージが実行されるときも特定気筒の影響を大きく受けることがなく、制御性が向上する。
【0194】
尚、図示はしないが、その他にも大気圧Paが低い場合、即ち、高地に位置するとき、あるいは低水温時、あるいはリーンバーン運転時など、燃焼が不安定な状態にあるときは、同様に平均値を求めるが望ましく、それによって制御性を向上させることができる。
【0195】
図35および図36はこの出願に係る装置の第10の実施の形態を示すフロー・チャートおよびブロック図である。
【0196】
図36を先に参照して説明すると、第10の実施の形態の場合、第1の実施の形態の構成からPID制御則からなる排気系集合部当量比のフィードバックループ(補正係数KLAF)を除くと共に、同様のPID制御則からなる気筒別のフィードバックループ(補正係数#nKLAF )を挿入した。
【0197】
即ち、排気系集合部に配置した単一の空燃比センサ出力から、上述の本出願人が先に特開平5−180040号公報で提案したオブザーバを用いて各気筒の空燃比#nA/F(n:気筒)を推定し、その推定値と所定の気筒別空燃比F/Bの目標値との偏差に応じてPID制御則を用いて気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF を求め、出力燃料噴射量Tout を乗算補正するようにした。
【0198】
より具体的には、気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF は、集合部空燃比を気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF の平均値の前回演算値で除算して求めた値(これを上記の如く「気筒別空燃比F/Bの目標値」と言う。従って、これは目標空燃比KCMDとは異なる値である)とオブザーバ推定空燃比#nA/Fとの偏差を解消するように、PID制御則を利用して求める。尚、その詳細は、本出願人が別途提案した特願平5−251,138号に示されているので、説明を省略する。また、付着補正補償器の図示は省略した。
【0199】
更に、第10の実施の形態においては、LAFセンサ出力を適宜なタイミングでサンプリングするサンプリングブロック(図中にSel-VOBSVと示す)を設けると共に、STRコントローラについても同種のサンプリングブロック(図中にSel-VSTR と示す)を設けた。
【0200】
ここで、それらのサンプリングブロックおよびオブザーバについて説明する。尚、そのサンプリング動作ブロックを図36で「Sel-VOBSV」と示す。
【0201】
内燃機関において排気ガスは排気行程で排出されることから、多気筒内燃機関の排気系集合部において空燃比の挙動をみると、明らかにTDCに同期している。従って、内燃機関の排気系に前記した広域空燃比センサを設けて空燃比をサンプリングするときもTDCに同期して行う必要があるが、検出出力を処理する制御ユニット(ECU)のサンプルタイミングによっては空燃比の挙動を正確に捉えられない場合が生じる。即ち、例えば、TDCに対して排気系集合部の空燃比が図37のようであるとき、制御ユニットで認識する空燃比は図38に示す如く、サンプルタイミングによっては全く違った値となる。この場合、実際の空燃比センサの出力変化を可能な限り正確に把握できる位置でサンプリングするのが望ましい。
【0202】
更に、空燃比の変化は排気ガスのセンサまでの到達時間やセンサの反応時間によっても相違する。その中、センサまでの到達時間は排気ガス圧力、排気ガスボリュームなどに依存して変化する。更に、TDCに同期してサンプリングすることはクランク角度に基づいてサンプリングすることになるので、必然的に機関回転数の影響を受けざるを得ない。このように、空燃比の検出は機関の運転状態に依存するところが大きい。そのために例えば特開平1−313,644号公報記載の技術においては所定クランク角度毎に検出の適否を判定しているが、構成が複雑であって演算時間が長くなるため高回転域では対応しきれなくなる恐れがあると共に、検出を決定した時点で空燃比センサの出力の変局点を徒過してしまう不都合も生じる。
【0203】
図39は、そのLAFセンサのサンプリング動作を示すフロー・チャートであるが、空燃比の検出精度は特に前記したオブザーバの推定精度と密接な関連を有するので、同図の説明に入る前に、ここでオブザーバによる空燃比推定について簡単に説明する。
【0204】
先ず、1個のLAFセンサの出力から各気筒の空燃比を精度良く分離抽出するためには、LAFセンサの検出応答遅れを正確に解明する必要がある。そこで、とりあえずこの遅れを1次遅れ系と擬似的にモデル化し、図40に示す如きモデルを作成した。ここでLAF:LAFセンサ出力、A/F:入力A/F、とすると、その状態方程式は下記の数30で示すことができる。
【0205】
【数30】
Figure 0003822668
【0206】
これを周期ΔTで離散化すると、数31で示すようになる。図41は数31をブロック線図で表したものである。
【0207】
【数31】
Figure 0003822668
【0208】
従って、数31を用いることによってセンサ出力より真の空燃比を求めることができる。即ち、数31を変形すれば数32に示すようになるので、時刻kのときの値から時刻k−1のときの値を数33のように逆算することができる。
【0209】
【数32】
Figure 0003822668
【0210】
【数33】
Figure 0003822668
【0211】
具体的には数31をZ変換を用いて伝達関数で示せば数34の如くになるので、その逆伝達関数を今回のLAFセンサ出力LAFに乗じることによって前回の入力空燃比をリアルタイムに推定することができる。図42にそのリアルタイムのA/F推定器のブロック線図を示す。
【0212】
【数34】
Figure 0003822668
【0213】
続いて、上記の如く求めた真の空燃比に基づいて各気筒の空燃比を分離抽出する手法について説明すると、先願でも述べたように、排気系の集合部の空燃比を各気筒の空燃比の時間的な寄与度を考慮した加重平均であると考え、時刻kのときの値を、数35のように表した。尚、F(燃料量)を制御量としたため、ここでは『燃空比F/A』を用いているが、後の説明においては理解の便宜のため、支障ない限り「空燃比」を用いる。尚、空燃比(ないしは燃空比)は、先に数34で求めた応答遅れを補正した真の値を意味する。
【0214】
【数35】
Figure 0003822668
【0215】
即ち、集合部の空燃比は、気筒ごとの過去の燃焼履歴に重みCn(例えば直近に燃焼した気筒は40%、その前が30%...など)を乗じたものの合算で表した。このモデルをブロック線図であらわすと、図43のようになる。
【0216】
また、その状態方程式は数36のようになる。
【0217】
【数36】
Figure 0003822668
【0218】
また集合部の空燃比をy(k)とおくと、出力方程式は数37のように表すことができる。
【0219】
【数37】
Figure 0003822668
【0220】
上記において、u(k)は観測不可能のため、この状態方程式からオブザーバを設計してもx(k)は観測することができない。そこで4TDC前(即ち、同一気筒)の空燃比は急激に変化しない定常運転状態にあると仮定してx(k+1)=x(k−3)とすると、数38のようになる。
【0221】
【数38】
Figure 0003822668
【0222】
ここで、上記の如く求めたモデルについてシミュレーション結果を示す。図44は4気筒内燃機関について3気筒の空燃比を14.7:1にし、1気筒だけ12.0:1にして燃料を供給した場合を示す。図45はそのときの集合部の空燃比を上記モデルで求めたものを示す。同図においてはステップ状の出力が得られているが、ここで更にLAFセンサの応答遅れを考慮すると、センサ出力は図46に「モデル出力値」と示すようになまされた波形となる。図中「実測値」は同じ場合のLAFセンサ出力の実測値であるが、これと比較し、上記モデルが多気筒内燃機関の排気系を良くモデル化していることを検証している。
【0223】
よって、数39で示される状態方程式と出力方程式にてx(k)を観察する通常のカルマンフィルタの問題に帰着する。その荷重行列Q,Rを数40のようにおいてリカッチの方程式を解くと、ゲイン行列Kは数41のようになる。
【0224】
【数39】
Figure 0003822668
【0225】
【数40】
Figure 0003822668
【0226】
【数41】
Figure 0003822668
【0227】
これよりA−KCを求めると、数42のようになる。
【0228】
【数42】
Figure 0003822668
【0229】
一般的なオブザーバの構成は図47に示されるようになるが、今回のモデルでは入力u(k)がないので、図48に示すようにy(k)のみを入力とする構成となり、これを数式で表すと数43のようになる。
【0230】
【数43】
Figure 0003822668
【0231】
ここでy(k)を入力とするオブザーバ、即ちカルマンフィルタのシステム行列は数44のように表される。
【0232】
【数44】
Figure 0003822668
【0233】
今回のモデルで、リカッチ方程式の荷重配分Rの要素:Qの要素=1:1のとき、カルマンフィルタのシステム行列Sは、数45で与えられる。
【0234】
【数45】
Figure 0003822668
【0235】
図49に上記したモデルとオブザーバを組み合わせたものを示す。シミュレーション結果は先の出願に示されているので省略するが、これにより集合部空燃比より各気筒の空燃比を的確に抽出することができる。
【0236】
オブザーバによって集合部空燃比より各気筒空燃比を推定することができたことから、PIDなどの制御則を用いて空燃比を気筒別に制御することが可能となる。具体的には図36のオブザーバによるフィードバック部分のみ抽出した図50に示すように、センサ出力(集合部空燃比)と目標空燃比とからPID制御則を用いて集合部フィードバック補正係数KLAFを求めると共に、オブザーバ推定値#nA/Fから気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF (n:気筒)を求める。
【0237】
気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF はより具体的には、集合部空燃比を気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF の全気筒についての平均値の前回演算値で除算して求めた目標値とオブザーバ推定値#nA/Fとの偏差を解消するようにPID則を用いて求める。
【0238】
これにより、各気筒の空燃比は集合部空燃比に収束し、集合部空燃比は目標空燃比に収束することとなって、結果的に全ての気筒の空燃比が目標空燃比に収束する。ここで、各気筒の燃料噴射量#nTout (インジェクタの開弁時間で規定される)は、
#nTout =Tcyl ×#nKLAF ×KLAF
で求められる。
【0239】
ここで、図39フロー・チャートに戻ってLAFセンサ出力のサンプリングを説明する。尚、このプログラムはTDC位置で起動される。
【0240】
図39フロー・チャートを参照して以下説明すると、先ずS1200において機関回転数Ne、吸気圧力Pb、バルブタイミングV/T を読み出し、S1204,S1206に進んでHiV/T およびLoV/T 用のタイミングマップ(後述)を検索し、S1208に進んでHiおよびLoバルブタイミング用のオブザーバ演算に用いるセンサ出力のサンプリングを行う。具体的には、機関回転数Neおよび吸気圧力Pbからタイミングマップを検索して前記した12個のバッファのいずれかをそのNo.で選択し、そこに記憶されているサンプリング値を選択する。
【0241】
図51はそのタイミングマップの特性を示す説明図であり、図示の如く特性は、機関回転数Neが低くないしは吸気圧力(負荷)Pbが高いほど早いクランク角度でサンプリングされた値を選択するように設定される。ここで、「早い」とは前のTDC位置により近い位置でサンプリングされた値(換言すれば古い値)を意味する。逆に、機関回転数Neが高くないしは吸気圧力Pbが低いほど遅いクランク角度、即ち、後のTDC位置に近いクランク角度でサンプリングされた値(換言すれば新しい値)を選択するように設定する。
【0242】
即ち、LAFセンサ出力は図38に示したように、実際の空燃比の変局点に可能な限り近い位置でサンプリングするのが最良であるが、その変局点、例えば最初のピーク値は、センサの反応時間を一定と仮定すれば、図52に示すように、機関回転数が低くなるほど早いクランク角度で生じる。また、負荷が高いほど排気ガス圧力や排気ガスボリュームが増加し、従って排気ガスの流速が増してセンサへの到達時間が早まるものと予想される。その意味から、サンプルタイミングを図51に示すように設定した。
【0243】
更に、バルブタイミングに関しては、機関回転数の任意の値Ne1をLo側についてNe1-Lo 、Hi側についてNe-Hiとし、吸気圧力についてもその任意の値をLo側についてPb1-LO 、Hi側についてPb1-Hi とすると、マップ特性は、
Pb1-Lo >Pb1-Hi
Ne1-Lo >Ne1-Hi
とする。即ち、HiV/T にあっては排気弁の開き時点がLoV/T のそれより早いため、機関回転数ないし吸気圧力の値が同一であれば、早期のサンプリング値を選択するように、マップ特性を設定する。
【0244】
次いでS1210に進んでオブザーバ行列の演算をHiV/T について行い、続いてS1212に進んで同様の演算をLoV/T について行う。続いてS1214に進んで再びバルブタイミングを判断し、判断結果に応じてS1216,S1218に進んで演算結果を選択して終わる。
【0245】
即ち、バルブタイミングの切り換えに伴って空燃比の集合部の挙動も変わるため、オブザーバ行列を変更する必要が生じる。しかし、各気筒の空燃比の推定は瞬時に行えるものではなく、各気筒の空燃比推定演算が収束し終わるまでに演算数回を要するため、バルブタイミングの変更前のオブザーバ行列を用いた演算と変更後のオブザーバ行列を用いた演算とをオーバーラップして行っておき、もしバルブタイミングの変更が行われたとしても、S1214で変更後のバルブタイミングに応じて選択できるようにした。尚、各気筒が推定された後は、先に述べたように、目標値との偏差を解消するようにフィードバック補正係数が求められて噴射量が決定される。
【0246】
この構成により、空燃比の検出精度を向上させることができる。即ち、図53に示す如く、比較的短い間隔でサンプリングすることから、サンプリング値はセンサ出力をほぼ忠実に反映すると共に、その比較的短い間隔でサンプリングされた値をバッファ群に順次記憶しておき、機関回転数と吸気圧力(負荷)に応じてセンサ出力の変局点を予測してバッファ群の中からそれに対応する値を所定クランク角度において選択するようにした。この後、オブザーバ演算が行われて各気筒空燃比が推定され、図50で説明したように、空燃比の気筒別のフィードバック制御も可能となる。
【0247】
従って、図53下部に示すように、CPUコア70はセンサ出力の最大値と最小値を正確に認識することができる。従って、この構成により前記したオブザーバを用いて各気筒の空燃比を推定するときも、実際の空燃比の挙動に近似する値を使用することができてオブザーバの推定精度が向上し、結果として図50に関して述べた気筒別の空燃比フィードバック制御を行うときの精度も向上する。尚、その詳細は本出願人が先に提案した特願平6−243,277号に詳細に記載されているので、これ以上の説明は省略する。
【0248】
上記は、LAFセンサ出力についてオブザーバが行うサンプリング動作(図36にSel-VOBSV と示す)であるが、STRコントローラも同様のサンプリング動作(図36にSel-VSTRと示す)も行う。
【0249】
即ち、このSel-VSTRもSel-VOBSVで行ったと同様の手順、つまり図39と同様なフロー・チャートに示す手順に従って求められる。Sel-VOBSV はオブザーバによる気筒別の空燃比推定に対して最も好都合のタイミング(例えば前述のオブザーバの重み係数Cがモデルに対して最適となるタイミング)で空燃比を検出するのに対し、Sel-VSTRはSTRを作動させるのに最も好都合のタイミング(例えば直近の排気行程の気筒の影響を最も受ける空燃比の検出タイミング)になるように、Sel-VOBSV で示した図51と同様のマップを用いて空燃比を検出する。
【0250】
上記を前提として図35フロー・チャートを参照して第10の実施の形態を説明すると、第1の実施の形態と同様のステップS1100ないしS1110を経てS1112に進み、そこでSel-VSTR によるLAFセンサ出力のサンプリング、即ち、空燃比KACT(k) を検出する。次いでS1114に進んで第1の実施の形態と同様にフィードバック補正係数KSTRを演算する。より具体的には第1の実施の形態で使用した図11フロー・チャートを用いて行う。
【0251】
続いてS1116,S1118に進んで要求燃料噴射量Tcyl(k)と出力燃料噴射量Tout(k)とを求め、S1120に進んでSel-VOBSVによるLAFセンサ出力のサンプリング、即ち、当量比KACT(k) を検出する。次いでS1122に進んで前記したオブザーバを介して各気筒の空燃比#nA/Fを推定し、S1124に進んで気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF を演算し、S1126に進んで前回値との加重平均値などからその学習値#nKLAFstyを求め、S1128に進んで出力燃料噴射量Tout を気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAF で乗算補正して当該気筒の出力噴射量#nTout とし、S1130に進んで吸気管壁面付着補正を行い、S1132に進んで出力する。
【0252】
尚、S1108ないしS1110で否定されたときはS1134に進んで図示の如く要求燃料噴射量Tcyl(k)を求め、S1136に進んで気筒毎のフィードバック補正係数#nKLAFstyの学習値を読み出し、S1138に進んで学習値を補正係数#nKLAF とする。また、S1104でフューエルカットと判断されるときはS1144を経てS1146に進んで行列演算を停止すると共に、S1148に進んで気筒毎のフィードバック補正係数は前回値とする。残余のステップは第1の実施の形態と異ならない。
【0253】
第10の実施の形態においては上記の如く構成したことから、第1の実施の形態と同様に、適応パラメータを演算しながら、パラメータ調整機構への入力は燃焼サイクル同期となるため、パラメータ調整機構の演算負荷が大幅に低減され、制御性を確保しつつ実機への適応制御器の使用が可能となると同時に、気筒間バラツキを減少させることも可能となる。
【0254】
また、第1の実施の形態と同様に、全気筒について1燃焼サイクル間の空燃比KACTの平均値ないしは適応パラメータの平均値を求めてパラメータ調整機構に入力すると共に、STRコントローラの出力の平均値も求めているので、特定気筒の燃焼状態の影響を大きく受けることがない。
【0255】
尚、第10の実施の形態において、第2の実施の形態と同様に適応パラメータθハットあるいはKSTRの平均値を求めても良く、あるいは空燃比KACTと適応パラメータθハットの平均値を共に求めても良いことは言うまでもない。また、目標空燃比KCMD(k) は、全気筒で同一の値でも良い。
【0256】
また、第10の実施の形態において、第2の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態、第5の実施の形態、第6の実施の形態、第7の実施の形態、第8の実施の形態および第9の実施の形態について述べた記載は、全て妥当する。
【0257】
図54および図55はこの出願に係る装置の第11の実施の形態を示すフロー・チャートおよびブロック図である。
【0258】
第11の実施の形態の場合、図55に示すように、STRコントローラとパラメータ調整機構とを燃料噴射量演算系に直列に挿入した。即ち、基本燃料噴射量Timに第1の実施の形態と同様に、目標空燃比補正係数KCMDM と各種補正係数KTOTALを乗算して要求燃料噴射量Tcyl(k)を求めた後、補正した要求燃料噴射量Tcyl(k)をSTRコントローラに入力する。
【0259】
他方、検出した排気系集合部空燃比から第1の実施の形態と同様に平均値KACTAVE ないしはθハットAVE を求め、要求燃料噴射量Tcyl(k)に対してSTRコントローラで動的補正を行い、補正燃料噴射量Gfuel-str(k) を算出する。
【0260】
同時に、検出した排気系集合部空燃比からPID制御則を用いて集合部のフィードバック補正係数KLAFを求めて、要求燃料噴射量Tcyl(k)に乗算して補正燃料噴射量Gfuel-KLAF(k)を算出する。
【0261】
図55においてSTRコントローラは、実吸入燃料量(より正確には推定吸入燃料量)Gfuel(k) が目標燃料量Tcyl(k)に一致するように適応的に出力燃料噴射量Gfuel-str(k) を算出し、出力燃料噴射量Tout (k) として内燃機関に供給する。尚、仮想プラントでの壁面付着補正は本出願人が先に提案した特願平4−200331号(特開平6−17681号)に詳細に述べられており、この発明の要旨もそこにはないので、説明は省略する。
【0262】
ここで実吸入燃料量Gfuel(k) は、検出された空気量を検出空燃比で除算して求めることも可能であるが、実施の形態の場合には空気量検出器(エアフローメータ)を備えていないため、目標吸入燃料量(要求噴射量)Tcyl(k)に検出空燃比を乗算するようにした。これによって空気量を検出して求めるのと等価に実吸入燃料量を求めることができる。尚、先に述べたように、この制御においては目標空燃比と検出空燃比を実際は当量比として表している。
【0263】
また、目標空燃比が理論空燃比ではない場合には算出値を更に目標空燃比で除算して実吸入燃料量を求める。即ち、実吸入燃料量は、目標空燃比が理論空燃比のときは、
実吸入燃料量=要求噴射量(目標吸入燃料量)×検出空燃比(当量比)
で求め、目標空燃比が理論空燃比以外のときは、
Figure 0003822668
で求める。
【0264】
上記を図54フロー・チャートを参照して説明すると、これまでの実施の形態と同様のステップS1300ないしS1316を経てS1318に進み、空燃比の平均値KACTAVE および適応パラメータθハットの平均値θハット-AVEを算出する。
【0265】
続いてS1320ないしS1322を経てS1324に進んで第1の実施の形態と同様に適応制御系(STRコントローラ)の不安定判別を行う。
【0266】
図56はその作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【0267】
同図に従って説明すると、先ずS1400で適応パラメータθハットの各要素を用いてSTR制御系の安定性を判別する。
【0268】
具体的には、STRコントローラが算出する燃料噴射量Gfuel-STR(k) は、数46のように算出される。
【0269】
【数46】
Figure 0003822668
【0270】
ここで、付着補正が正しいと仮定すると、仮想プラントの伝達関数は、数47のようになる。
【0271】
【数47】
Figure 0003822668
【0272】
数46と数47とからTcyl(k)から噴射量Gfuel-STR(k) への伝達関数は、数48のようになる。
【0273】
【数48】
Figure 0003822668
【0274】
ここで、b0はゲインを決定するスカラ量であるため、0あるいは負となり得ないので、数48の伝達関数の分母関数f(z)=b0z3 +r1z2 +r2z+r3+s0は、図14に示した関数のいずれかになる。そこで、実根が単位円内にあるか否かを判別する、即ち、図15に示したように、f(−1)<0ないしf(1)>0であるか否かを判別すれば、肯定されるときは実根が単位円内にあることになるので、それから系が安定しているか否かを容易に判定することができる。
【0275】
そしてS1402において上記からSTRコントローラ系が不安定か否か判断し、肯定されるときはS1404に進んで適応パラメータθハットを初期値に戻す。これにより、系の安定を回復することができる。続いてS1406に進んでゲイン行列Γを補正する。ゲイン行列Γは収束速度を決定するものであることから、この補正は収束速度を遅くするように行うものであり、それによっても同様に系の安定を回復することができる。続いてS1408に進み、図示の如く、フィードバック補正係数としてPID制御則による補正係数KLAF(k) を用い、補正燃料噴射量Gfuel-KLAF を用い、それに加算項TTOTALを加算して出力燃料噴射量Tout(k)を決定する。
【0276】
尚、S1402でSTRコントローラ系が不安定ではないと判断されるときはS1410に進んで、図示の如く、フィードバック補正係数として適応制御則による補正係数KSTR(k) を用いた補正燃料噴射量Gfuel-str(k) を用い、それに加算項TTOTALを加算して出力燃料噴射量Tout(k)を決定する。
【0277】
図54フロー・チャートに戻ると、次いでS1326に進んで出力燃料噴射量を出力して終わる。第11の実施の形態の場合、空燃比などの平均値の算出は、従前の実施の形態と異なり、特定気筒の所定クランク角度に限らず、各気筒の所定クランク角度で行うようにしても良い。尚、残余の構成は、従前の実施の形態と相違しない。
【0278】
第11の実施の形態においては上記の如く構成し、第1の実施の形態と同様に、適応パラメータを演算しながら、パラメータ調整機構への入力は燃焼サイクル同期としても良く、その場合はパラメータ調整機構の演算負荷が大幅に低減され、制御性を確保しつつ実機への適応制御器の使用が可能となる。また、無駄時間の短縮により、制御性の向上が可能となる。
【0279】
また第11の実施の形態においても全気筒の制御量の平均値を求めてパラメータ調整機構に入力しているので、特定気筒の燃焼状態の影響を大きく受けることがない。
【0280】
上記の如く、この発明においては、内燃機関の排気空燃比を検出する空燃比検出手段と、内燃機関の燃料噴射量を燃料制御サイクルごとに制御する燃料噴射量制御手段と、および少なくとも検出された排気空燃比に基づいて漸化式形式の制御器を用いて前記燃料噴射量を操作量として目標値に一致させる漸化式形式の制御器と、を備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、前記漸化式形式の制御器を所定の運転状態においては前記燃料制御サイクルより長い周期に同期させて作動させるように構成した。
【0281】
尚、上記第1ないし第11の実施の形態において、平均値として単純平均値を示したが、それに限られるものではなく、加重平均値、移動平均値、加重移動平均値などでも良い。また、パラメータ調整機構への入力が同期して行われる1燃焼サイクルの間の平均値を求めたが、2燃焼サイクル以前の平均値を求めて良く、或いは1燃焼サイクル未満、例えば2ないし3TDC間の平均値を求めても良い。
【0282】
また、Sel-VOBSV とSel-VSTRとを別々に備え、それぞれに最適な空燃比を検出すれば良いことは上述の通り当然であるが、機関の特性や排気系のレイアウトによってはSel-VOBSV とSel-VSTRとはほとんどの運転領域でほぼ同一の検出空燃比を示すことから、このような場合にはこれらのサンプリング機能を統一して空燃比を検出し、その出力をオブザーバとSTRの双方の入力に用いても良い。例えば、図36のSel-VOBSV のみとし、その出力をオブザーバとSTRに利用しても良い。
【0283】
また、第1の実施の形態などで空燃比として実際には当量比を用いているが、空燃比と当量比とを別々に定めても良いことは言うまでもない。更に、フィードバック補正係数KSTR, #nKLAF, KLAF を乗算項として求めたが、加算値として求めても良い。
【0284】
また、上記において適応制御器としてSTRを例にとって説明したが、MRACS(モデル規範型適応制御)を用いても良い。
【0285】
尚、上記において排気系集合部に設けた単一の空燃比センサの出力を用いているが、それに限られるものではなく、気筒毎に空燃比センサを設けて検出した空燃比から気筒ごとに空燃比フィードバック制御を行っても良い。
【0286】
【発明の効果】
請求項1項にあっては、演算負荷を低減して高回転時などの演算時間が減少する運転状態においても適応制御を継続することができ、良好な制御性を得ることができる。また、特に時間を要する適応パラメータ調整機構の演算を適応制御器の制御周期の複数回に1回の割合で実行することとなり、制御性を確保しながら演算量を効果的に削減できると共に、実際に燃料制御を行う適応制御器の演算回数を相対的に増加させることとなり、高回転時などの演算時間が減少する運転状態においても良好な制御性を確保しながら適応制御を継続することができ、良好な制御性を得ることができる。また、適応パラメータ調整機構で求めた操作量を燃料制御周期の整数倍の期間にわたって継続して用いることで、演算負荷を一層低減して高回転時などの演算時間が減少する運転状態においても適応制御を一層容易に継続することができ、良好な制御性を得ることができる。また、高回転時など演算時間が減少する運転状態を確実に検知することができ、それによって演算負荷を低減することができるので、そのような運転状態においても適応制御を継続して良好な制御性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願に係る内燃機関の燃料噴射制御装置を全体的に示す概略図である。
【図2】図1中の排気還流機構の詳細を示す説明図である。
【図3】図1中のキャニスタ・パージ機構の詳細を示す説明図である。
【図4】図1中の可変バルブタイミング機構のバルブタイミング特性を示す説明図である。
【図5】図1中の制御ユニットの詳細を示すブロック図である。
【図6】この出願に係る内燃機関の燃料噴射制御装置の動作を示すメイン・フロー・チャートである。
【図7】図6フロー・チャートの動作を機能的に示すブロック図である。
【図8】この出願に係る内燃機関の燃料噴射制御装置で用いる適応制御器の動作の例を示すタイミング・チャートである。
【図9】この出願に係る内燃機関の燃料噴射制御装置で用いる適応制御器の動作の別の例を示すタイミング・チャートである。
【図10】図8タイミング・チャートの構成をSTRコントローラと適応パラメータ調整機構とに焦点をおいて書き直したブロック図である。
【図11】図6フロー・チャートの適応制御則によるフィードバック補正係数などの平均値の演算作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図12】図11フロー・チャートの演算作業を説明するタイミング・チャートである。
【図13】図6フロー・チャートの適応制御系の不安定判別を説明するサブルーチン・フロー・チャートである。
【図14】図13フロー・チャートの不安定判別を説明する説明図である。
【図15】図13フロー・チャートの不安定判別作業を説明する図14と同様の説明図である。
【図16】図8と同様の適応制御器の動作の別の例を示すタイミング・チャートである。
【図17】図8と同様の適応制御器の動作の別の例を示すタイミング・チャートである。
【図18】この出願に係る装置の第2の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図19】図18フロー・チャートで使用するマップの特性を示す説明図である。
【図20】図18フロー・チャートで使用するテーブルの特性を示す説明図である。
【図21】図18フロー・チャートで使用する図20と同様のテーブルの特性を示す説明図である。
【図22】図18フロー・チャートで使用する図20と同様のテーブルの特性を示す説明図である。
【図23】図18フロー・チャートで使用する図20と同様のテーブルの特性を示す説明図である。
【図24】この出願に係る装置の第3の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図25】この出願に係る装置の第4の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図26】図25フロー・チャートで使用する不感帯の特性を示す説明図である。
【図27】この出願に係る装置の第5の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図28】図27フロー・チャートで使用するリミッタの特性を示す説明図である。
【図29】この出願に係る装置の第6の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図30】図29フロー・チャートで使用するマップの特性を示す説明図である。
【図31】この出願に係る装置の第7の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図32】図31フロー・チャートの作業を説明する説明図である。
【図33】この出願に係る装置の第8の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図34】この出願に係る装置の第9の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図35】この出願に係る装置の第10の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図36】図35フロー・チャートの動作を説明するブロック図である。
【図37】多気筒内燃機関のTDCと排気系集合部の空燃比との関係を示す説明図である。
【図38】実際の空燃比に対するサンプルタイミングの良否を示す説明図である。
【図39】図36ブロック図のSel-Vブロックでの出空燃比のサンプリング作業を示すフロー・チャートである。
【図40】図36ブロック図のオブザーバの説明図の1つで先の出願で述べた空燃比センサの検出動作をモデル化した例を示すブロック図である。
【図41】図40に示すモデルを周期ΔTで離散化したモデルである。
【図42】空燃比センサの検出挙動をモデル化した真の空燃比推定器を示すブロック線図である。
【図43】内燃機関の排気系の挙動を示すモデルを表すブロック線図である。
【図44】図43に示すモデルを用いて4気筒内燃機関について3気筒の空燃比を14.7:1に、1気筒の空燃比を12.0:1にして燃料を供給する場合を示すデータ図である。
【図45】図44に示す入力を与えたときの図43モデルの集合部の空燃比を表すデータ図である。
【図46】図44に示す入力を与えたときの図43モデルの集合部の空燃比をLAFセンサの応答遅れを考慮して表したデータと、同じ場合のLAFセンサ出力の実測値を比較するグラフ図である。
【図47】一般的なオブザーバの構成を示すブロック線図である。
【図48】図36ブロック図に示したオブザーバで、先の出願で用いるオブザーバの構成を示すブロック線図である。
【図49】図43に示すモデルと図48に示すオブザーバを組み合わせた構成を示す説明ブロック図である。
【図50】図36ブロック図における空燃比のフィードバック制御を示すブロック図である。
【図51】図39フロー・チャートで使用するタイミングマップの特性を示す説明図である。
【図52】図51の特性を説明する、機関回転数および機関負荷に対するセンサ出力特性を示す説明図である。
【図53】図39フロー・チャートでのサンプリング動作を説明するタイミング・チャートである。
【図54】この出願に係る装置の第11の実施の形態を示すフロー・チャートである。
【図55】図54フロー・チャートの動作を説明するブロック図である。
【図56】図54フロー・チャートの適応制御系の不安定判別作業を示すサブルーチン・フロー・チャートである。
【図57】内燃機関の燃料噴射量演算での無駄時間を説明するタイミング・チャートである。
【符号の説明】
10 内燃機関
12 吸気管
20 吸気マニホルド
22 インジェクタ
24 排気マニホルド
26 排気管
28 触媒装置
34 制御ユニット
54 広域空燃比センサ(LAFセンサ)
100 排気還流機構
200 キャニスタ・パージ機構
300 可変バルブタイミング機構
400 切換機構[0001]
[Industrial application fields]
The present invention relates to a fuel injection control device for an internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
Recently, modern control theory has also been introduced in internal combustion engines, and a technology to control using an optimal regulator, which is one of the modern control theories, is proposed so that the amount of fuel actually drawn into the cylinder matches the target fuel amount. As an example, the technique disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 1-110,853 can be cited.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The present applicant has also proposed fuel injection control of an internal combustion engine using adaptive control in Japanese Patent Application No. 6-66,594, etc., but performs fuel injection control or air-fuel ratio control using an adaptive control law. In this case, since the calculation time increases or decreases depending on the increase or decrease of the engine speed, there may occur a situation where the scheduled control cannot be performed due to a short calculation time at high revolutions.
[0004]
Therefore, the present invention is a fuel injection control device for an internal combustion engine that determines an operation amount using an adaptive control law, and performs good adaptive control continuously even in an operating state where the calculation time is reduced, such as at high revolutions. It is an object of the present invention to provide a fuel injection control device for an internal combustion engine that can achieve the above characteristics.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
  In order to achieve the above object, according to claim 1, an air-fuel ratio detection means for detecting an exhaust air-fuel ratio of an internal combustion engine, a fuel injection amount control means for controlling a fuel injection amount of the internal combustion engine, and the fuel Execute feedback control by calculating a feedback correction coefficient based on the deviation between the detected exhaust air-fuel ratio and the target air-fuel ratio so that the detected exhaust air-fuel ratio matches the target air-fuel ratio with the injection amount as the manipulated variable In an internal combustion engine fuel injection control apparatus comprising: an adaptive controller that performs an adaptive parameter adjustment, and an adaptive parameter adjustment mechanism that calculates an adaptive parameter used in the adaptive controller, an operating state that detects an operating state including at least the engine speed of the internal combustion engine Detection means, and control periods of the adaptive controller and the adaptive parameter adjustment mechanismfuelThe control cycle of the adaptive parameter adjustment mechanism is set to be larger than the control cycle of the adaptive controller in accordance with the detected increase in engine speed.
[0010]
[Action]
  In claim 1, the air-fuel ratio detection means for detecting the exhaust air-fuel ratio of the internal combustion engine, the fuel injection amount control means for controlling the fuel injection amount of the internal combustion engine, and the fuel injection amount as the operation amount are detected. An adaptive controller for performing feedback control by calculating a feedback correction coefficient based on a deviation between the detected exhaust air / fuel ratio and the target air / fuel ratio so that the exhaust air / fuel ratio matches a target air / fuel ratio, and the adaptive control A fuel injection control device for an internal combustion engine comprising an adaptive parameter adjustment mechanism for calculating an adaptive parameter for use in a compressor, comprising: an operating state detecting means for detecting an operating state including at least the engine speed of the internal combustion engine; and the adaptive control Control cycle of the instrument and the adaptive parameter adjustment mechanismfuelSince the control cycle of the adaptive parameter adjustment mechanism is set to be larger than the control cycle of the adaptive controller in accordance with the detected increase in engine speed, the calculation load is reduced. Thus, adaptive control can be continued even in an operating state where the calculation time is reduced, such as during high revolutions, and good controllability can be obtained. In addition, the calculation of the adaptive parameter adjustment mechanism, which requires time, is executed at a rate of once every a plurality of times of the control period of the adaptive controller, and the amount of calculation can be effectively reduced while ensuring controllability. In addition, the number of computations of the adaptive controller that performs fuel control is relatively increased, and adaptive control can be continued while ensuring good controllability even in operating conditions where the computation time decreases, such as during high revolutions. Good controllability can be obtained. In addition, by continuously using the manipulated variable determined by the adaptive parameter adjustment mechanism over a period that is an integral multiple of the fuel control cycle, it can be applied even in operating conditions where the computation load is further reduced and the computation time is reduced, such as during high revolutions. Control can be continued more easily, and good controllability can be obtained. In addition, since it is possible to reliably detect an operation state in which the calculation time is reduced, such as at high revolutions, and thereby reduce the calculation load, it is possible to continue adaptive control even in such an operation state and perform good control. Sex can be obtained.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Embodiments of the present invention will be described below with reference to the accompanying drawings.
[0016]
FIG. 1 is an overall view schematically showing a fuel injection control device for an internal combustion engine according to this application.
[0017]
In the figure, reference numeral 10 denotes an OHC in-line four-cylinder internal combustion engine. The intake air introduced from the air cleaner 14 disposed at the tip of the intake pipe 12 is adjusted with the surge tank 18 while the flow rate is adjusted by the throttle valve 16. It flows into the first to fourth cylinders via two intake valves (not shown) through the intake manifold 20. An injector 22 is provided near the intake valve (not shown) of each cylinder to inject fuel. The air-fuel mixture that is injected and integrated with the intake air is ignited in the order of the first, third, fourth, and second cylinders by a spark plug (not shown) in each cylinder and burns to burn a piston (not shown). To drive.
[0018]
The exhaust gas after combustion is discharged to an exhaust manifold 24 through two exhaust valves (not shown), purified by a catalyst device (three-way catalyst) 28 via an exhaust pipe 26, and discharged outside the engine. . As described above, the throttle valve 16 is mechanically separated from the accelerator pedal (not shown), and is controlled through the pulse motor M to an opening degree corresponding to the depression amount of the accelerator pedal and the operating state. The intake pipe 12 is provided with a bypass path 32 that bypasses the throttle valve 16 in the vicinity of the position where the throttle valve 16 is disposed.
[0019]
Here, the internal combustion engine 10 is provided with an exhaust gas recirculation mechanism 100 that recirculates exhaust gas to the intake side.
[0020]
Referring to FIG. 2, the exhaust gas recirculation path 121 of the exhaust gas recirculation mechanism 100 has one end 121 a upstream of the catalyst device 28 (not shown in FIG. 2) of the exhaust pipe 26 and the other end 121 b of the intake pipe 12. It communicates with the downstream side of the throttle valve 16 (not shown in FIG. 2). In the middle of the exhaust gas recirculation path 121, an exhaust gas recirculation valve (recirculation gas control valve) 122 and a volume chamber 121c for adjusting the exhaust gas recirculation amount are provided. The exhaust gas recirculation valve 122 is an electromagnetic valve having a solenoid 122a. The solenoid 122a is connected to a control unit (ECU) 34, which will be described later, and the valve opening degree is linearly changed by an output from the control unit 34. The exhaust gas recirculation valve 122 is provided with a lift sensor 123 that detects the valve opening degree, and its output is sent to the control unit 34.
[0021]
Further, the intake system of the internal combustion engine 10 and the fuel tank 36 are also connected, and a canister / purging mechanism 200 is provided.
[0022]
As shown in FIG. 3, the canister / purging mechanism 200 incorporates a steam supply passage 221 and an adsorbent 231 formed between the upper portion of the sealed fuel tank 36 and the downstream side of the throttle valve 16 of the intake pipe 12. It consists of a canister 223 and a purge passage 224. A two-way valve 222 is mounted in the middle of the steam supply passage 221, a purge control valve 225 in the middle of the purge passage 224, a flow meter 226 for detecting the flow rate of the air-fuel mixture that flows through the purge passage 224, and the An HC concentration sensor 227 for detecting the HC concentration in the air-fuel mixture is provided. The purge control valve (solenoid valve) 225 is connected to the control unit 34 as described later, and is controlled according to a signal from the control unit 34 to change the valve opening amount linearly.
[0023]
According to this canister / purging mechanism, when the fuel vapor (fuel vapor) generated in the fuel tank 36 reaches a predetermined set amount, the positive pressure valve of the 2-way valve 222 is pushed open and flows into the canister 223 for adsorption. It is adsorbed and stored by the agent 231. When the purge control valve 225 is opened by the valve opening amount corresponding to the duty ratio of the on / off control signal from the control unit 34, the evaporated fuel temporarily stored in the canister 223 is caused by the negative pressure in the suction pipe 12. Along with the outside air sucked from the outside air intake port 232, the air is sucked into the intake pipe 12 through the purge control valve 225 and sent to each cylinder. Further, when the fuel tank 36 is cooled by the outside air and the negative pressure in the fuel tank increases, the negative pressure valve of the 2-way valve 222 is opened, and the evaporated fuel temporarily stored in the canister 223 is returned to the fuel tank 36. It is.
[0024]
The internal combustion engine 10 further includes a so-called variable valve timing mechanism 300 (shown as V / T in FIG. 1). The variable valve timing mechanism 300 is described in, for example, Japanese Patent Laid-Open No. 2-275043. FIG. 4 shows the valve timing V / T of the engine in accordance with the operating state such as the engine speed Ne and the intake pressure Pb. Switch between the two timing characteristics LoV / T and HiV / T. However, since the mechanism itself is a known mechanism, description thereof is omitted. The switching of the valve timing characteristics includes an operation of stopping one of the two intake valves.
[0025]
In FIG. 1, a crank angle sensor 40 for detecting a crank angle position of a piston (not shown) is provided in a distributor (not shown) of the internal combustion engine 10, and a throttle opening degree for detecting the opening degree of the throttle valve 16. An absolute pressure sensor 44 for detecting the intake pressure Pb downstream of the sensor 42 and the throttle valve 16 as an absolute pressure is also provided. Further, an atmospheric pressure sensor 46 for detecting the atmospheric pressure Pa is provided at an appropriate position of the internal combustion engine 10, and an intake air temperature sensor 48 for detecting the temperature of intake air is provided on the upstream side of the throttle valve 16. A water temperature sensor 50 for detecting the engine cooling water temperature is provided at an appropriate position. Further, a valve timing (V / T) sensor 52 (not shown in FIG. 1) for detecting a valve timing characteristic selected by the variable valve timing mechanism 300 via hydraulic pressure is also provided. Further, in the exhaust system, a wide area air-fuel ratio sensor 54 is provided in an exhaust system collecting portion downstream of the exhaust manifold 24 and upstream of the catalyst device 28. These sensor outputs are sent to the control unit 34.
[0026]
FIG. 5 is a block diagram showing details of the control unit 34. The output of the wide area air-fuel ratio sensor 54 is input to the detection circuit 62, where appropriate linearization processing is performed, and a detection signal having a linear characteristic proportional to the oxygen concentration in the exhaust gas is output in a wide range from lean to rich. (Hereinafter, this wide-range air-fuel ratio sensor is referred to as “LAF sensor”).
[0027]
The output of the detection circuit 62 is input into the CPU via the multiplexer 66 and the A / D conversion circuit 68. The CPU includes a CPU core 70, a ROM 72, and a RAM 74. More specifically, the output of the detection circuit 62 is A / D converted for each predetermined crank angle (for example, 15 degrees) and sequentially stored in one of the buffers in the RAM 74. The As shown in FIG. 53 later, Nos. 0 to 11 are stored in the 12 buffers. Is attached. Similarly, an analog sensor output such as the throttle opening sensor 42 is taken into the CPU via the multiplexer 66 and the A / D conversion circuit 68 and stored in the RAM 74.
[0028]
The output of the crank angle sensor 40 is shaped by the waveform shaping circuit 76, and then the output value is counted by the counter 78, and the count value is input into the CPU. In the CPU, the CPU core 70 calculates a control value as will be described later according to a command stored in the ROM 72, and drives the injector 22 of each cylinder via the drive circuit 82. Further, the CPU core 70 includes an electromagnetic valve 90 (opening / closing of the bypass passage 32 for adjusting the secondary air amount) via the drive circuits 84, 86, 88, the exhaust recirculation control electromagnetic valve 122 and the canister purge control. The electromagnetic valve 225 for driving is driven. In FIG. 5, the lift sensor 123, the flow meter 226, and the HC concentration sensor 227 are not shown.
[0029]
FIG. 6 is a flowchart showing the operation of the control device according to the application.
[0030]
In the following, the engine speed Ne and the intake pressure Pb detected at S10 are read out, and the routine proceeds to S12 where it is determined whether or not cranking is performed, and when the determination is negative, the routine proceeds to S14 where it is determined whether or not a fuel cut has occurred. The fuel cut is performed in a predetermined operating state, for example, when the throttle valve opening is in a fully closed position and the engine speed is equal to or greater than a predetermined value, the fuel supply is stopped, and the injection amount is controlled in an open loop. The
[0031]
If it is determined in S14 that the fuel cut is not performed, the process proceeds to S16, and a basic fuel injection amount Tim is calculated by searching a map from the detected engine speed Ne and intake pressure Pb. Next, the routine proceeds to S18, where it is determined whether activation of the LAF sensor 54 is completed. For example, the difference between the output voltage of the LAF sensor 54 and the center voltage thereof is compared with a predetermined value (for example, 0.4 V), and it is determined that the activation is completed when the difference is smaller than the predetermined value. When it is determined that the activation has been completed, the process proceeds to S20, and it is determined whether or not it is the feedback control region. When the operating state changes due to high rotation, full opening increase, or high water temperature, the injection amount is controlled by open loop. When the feedback control region is determined in S20, the process proceeds to S22, the LAF sensor detection value (output) is read, the process proceeds to S24, and the detected air-fuel ratio KACT (k) (k: sampling time of discrete system. ) Next, in S26, the feedback correction coefficient KLAF (k) based on the PID control law is calculated.
[0032]
The feedback correction coefficient KLAF based on this PID control law is calculated as follows.
[0033]
First, the control deviation DKAF between the target air-fuel ratio KCMD and the detected air-fuel ratio KACT is calculated.
DKAF (k) = KCMD (k-d ’) −KACT (k)
I ask. In the above, KCMD (k-d '): target air-fuel ratio (where d' indicates a dead time until KCMD is reflected in KACT, and thus means a target air-fuel ratio before the dead-time control cycle), KACT ( k): Indicates the detected air-fuel ratio (current control cycle). In this specification, the target value KCMD and the detected value KACT are actually equivalent ratios, that is, Mst / M = 1 / λ (Mst: stoichiometric air-fuel ratio, M = A / F (A: air). Consumption, F: fuel consumption, λ: excess air ratio)).
[0034]
Next, multiply it by a predetermined coefficient to obtain P-term KLAFP (k), I-term KLAFI (k), and D-term KLAFD (k).
P term: KLAFP (k) = DKAF (k) x KP
I term: KLAFI (k) = KLAFI (k-1) + DKAF (k) x KI
D term: KLAFD (k) = (DKAF (k)-DKAF (k-1)) x KD
I ask.
[0035]
Thus, the P term is obtained by multiplying the deviation by the proportional gain KP, and the I term is obtained by adding the value obtained by multiplying the deviation by the integral gain KI to the previous value KLAFI (k−1) of the feedback correction coefficient. The term is obtained by multiplying the difference between the current value DKAF (k) and the previous value DKAF (k-1) by the differential gain KD. The gains KP, KI, and KD are determined according to the engine speed and the engine load, and more specifically, are set so as to be searched from the engine speed Ne and the intake pressure Pb using a map. . Finally, the value obtained is
KLAF (k) = KLAFP (k) + KLAFI (k) + KLAFD (k)
And the current value KLAF (k) of the feedback correction coefficient according to the PID control law. In this case, in order to use a feedback correction coefficient by multiplication correction, the offset 1.0 is included in the I term KLAFI (k) (that is, the initial value of KLAFI (k) is 1. 0).
[0036]
In the flow chart of FIG. 6, the program then proceeds to S28 to calculate the feedback correction coefficient KSTR (k) based on the adaptive control law. The feedback correction coefficient KSTR (k) based on this adaptive control law will be described in detail later.
[0037]
Subsequently, the routine proceeds to S30, where the obtained basic fuel injection amount Tim is multiplied by the target air-fuel ratio correction coefficient KCMDM and other correction coefficients KTOTAL (integrated values of various correction coefficients such as water temperature correction) and requested by the internal combustion engine. The required fuel injection amount Tcyl (k) is determined. In this control, the target air-fuel ratio is actually obtained by the equivalence ratio as described above, and it is also used as a correction coefficient for the fuel injection amount. In detail, since the charging efficiency of the intake air differs depending on the heat of vaporization, the target air-fuel ratio is corrected with an appropriate characteristic to obtain the target air-fuel ratio correction coefficient KCMDM.
[0038]
In S32, the required fuel injection amount Tcyl (k) is multiplied by either the feedback correction coefficient KLAF (k) or KSTR (k) obtained in S26 or S28, and the addition term TTOTAL is added to the product. To determine the output fuel injection amount Tout (k). Here, the addition term TTOTAL indicates the total value of correction coefficients performed by addition values such as atmospheric pressure correction (however, the invalid time of the injector is added separately when the output fuel injection amount Tout is output and is not included in this) ).
[0039]
Subsequently, the process proceeds to S34 to correct the output fuel injection amount Tout (k) using the adhesion coefficient obtained by searching the adhesion coefficient map from the engine cooling water temperature or the like to determine the output fuel injection amount Tout (k). Perform intake pipe wall surface adhesion correction (the value after adhesion correction is Tout-F (k)). The correction of the intake pipe wall surface itself is not directly related to the gist of the present invention, and the description thereof is omitted. Next, the routine proceeds to S36, where the output fuel injection amount Tout-F (k) whose adhesion has been corrected is output and the processing ends.
[0040]
If the result in S18 to S20 is negative, the program proceeds to S38, where the basic fuel injection amount Tim (k) is multiplied by the target air-fuel ratio correction coefficient KCMDM and various correction coefficients KTOTAL, and the correction addition term TTOTAL is added to the product. The output fuel injection amount Tout (k) is calculated, and the process proceeds to S34 and thereafter. If it is determined that the cranking is determined in S12, the process proceeds to S40 to search for the fuel injection amount Ticr at the time of cranking, and the process proceeds to S42 to calculate the output fuel injection amount Tout (k) by the equation of the start mode, When it is determined that the fuel cut has occurred, the routine proceeds to S44, where the output fuel injection amount Tout (k) is made zero.
[0041]
Next, calculation of the feedback correction coefficient KSTR (k) using the adaptive control law mentioned in S28 of the flowchart of FIG. 6 will be described.
[0042]
FIG. 7 is a block diagram showing the operation more functionally.
[0043]
The illustrated apparatus is based on the adaptive control technique previously proposed by the present applicant. It comprises an adaptive controller composed of a STR (self-tuning regulator) controller and an adaptive (control) parameter adjustment mechanism for adjusting the adaptation (control) parameter (vector). The STR controller is a target of a feedback system for fuel injection amount control. A value and a controlled variable (plant output) are input, a coefficient vector identified by the adaptive parameter adjustment mechanism is received, and an output is calculated.
[0044]
In such adaptive control, one of the adjustment rules (mechanisms) of adaptive control is I.I. D. There is a parameter adjustment rule proposed by Landau et al. This method transforms the adaptive control system into an equivalent feedback system consisting of linear and nonlinear blocks, and for the nonlinear blocks, Popov's integral inequality for input and output is established, and the linear blocks are adjusted to be strongly positive and real. It is a technique that guarantees the stability of the adaptive control system by determining the law. In other words, in the parameter adjustment law proposed by Landau et al., The adjustment law (adaptive law) expressed in a recursive form is obtained by using at least one of Popov's superstability theory or Lyapunov's direct method. It guarantees stability.
[0045]
This technique is described in, for example, “Compute Roll” (Corona Publishing Co., Ltd.) 27, 28-41, or "Automatic Control Handbook" (Ohm) 703-707, "A Survey of Model Reference Adaptive Techniques-Theory and Ap-plication" ID LANDAU "Automatica" Vol. 10, pp 353-379, 1974, "Unification of Discrete Time Explicit Model Reference Adaptive Control Designs" IDLANDAU et al. "Automatica" Vol. 17, No. 4, pp. 593-611, 1981, and "Combining Model Reference Adaptive Controllers and As described in Stochastic Self-tuning Regulators "ID LANDAU" Automatica "Vol. 18, No. 1, pp. 77-84, 1982, it is a known technique.
[0046]
In the adaptive control technique of the illustrated example, this Landau et al. Adjustment rule is used. As will be described below, Landau et al.'S adjustment law uses a transfer function B (Z-1) / A (Z-1The adaptive parameter θ hat (k) identified by the parameter adjustment mechanism is expressed by a vector (transposed vector) as shown in Equation 3 when the polynomial in the denominator numerator of Further, the input ζ (k) to the parameter adjusting mechanism is determined as shown in Equation 4. Here, a case where m = 1, n = 1, d = 3, that is, a plant having a dead time corresponding to three control cycles in the primary system is taken as an example.
[0047]
[Expression 1]
Figure 0003822668
[0048]
[Expression 2]
Figure 0003822668
[0049]
[Equation 3]
Figure 0003822668
[0050]
[Expression 4]
Figure 0003822668
[0051]
Here, the adaptive parameter θ hat shown in Equation 3 is a scalar quantity b 0 hat that determines the gain.-1(k), a control element BR hat (Z-1, k) and the control element S (Z-1, k), which are expressed as Equations 5 to 7, respectively.
[0052]
[Equation 5]
Figure 0003822668
[0053]
[Formula 6]
Figure 0003822668
[0054]
[Expression 7]
Figure 0003822668
[0055]
The parameter adjustment mechanism identifies and estimates the scalar quantities and the coefficients of the control elements, and sends them to the STR controller as the adaptive parameter θ hat shown in Equation 3 above. The parameter adjustment mechanism uses the plant manipulated variable u (i) and the controlled variable y (j) (i and j include past values) so that the deviation between the target value and the controlled variable becomes zero. Calculate the hat. Specifically, the adaptive parameter θ hat is calculated as shown in Equation 8. In Equation 8, Γ (k) is a gain matrix (m + n + d order) that determines the identification / estimation speed of the adaptive parameter, and e asterisk (k) is a signal indicating the identification / estimation error. It is expressed by a recurrence formula. In Equation 10, D (z-1) Is a desired asymptotically stable polynomial given by the designer, and is set to 1 in this example.
[0056]
[Equation 8]
Figure 0003822668
[0057]
[Equation 9]
Figure 0003822668
[0058]
[Expression 10]
Figure 0003822668
[0059]
Various specific algorithms are given depending on how to select λ1 (k) and λ2 (k) in equation (9). For example, if λ1 (k) = 1, λ2 (k) = λ (0 <λ <2), then the gradual gain algorithm (least square method when λ = 1), λ1 (k) = λ1 (0 <λ1) <1), λ2 (k) = λ2 (0 <λ2 <λ), variable gain algorithm (weighted least square method when λ2 = 1), λ1 (k) / λ2 (k) = σ , Λ3 is expressed as in Equation 11, the fixed trace algorithm is obtained by setting λ1 (k) = λ3. When λ1 (k) = 1 and λ2 (k) = 0, the fixed gain algorithm is used. In this case, as apparent from Equation 9, Γ (k) = Γ (k−1), and therefore, Γ (k) = Γ is a fixed value. For time-varying plants such as fuel injection or air-fuel ratio, any of a gradual gain algorithm, a variable gain algorithm, a fixed gain algorithm, and a fixed trace algorithm are suitable. In Equation 11, trΓ (0) is a trace of the initial value of Γ.
[0060]
## EQU11 ##
Figure 0003822668
[0061]
Here, in FIG. 7, the STR controller (adaptive controller) and the adaptive parameter adjustment mechanism are outside the fuel injection amount calculation system, and the detected air-fuel ratio KACT (k) is the target air-fuel ratio KCMD ( k-d ') (where d' is a dead time until KCMD is reflected in KACT as described above), and the feedback correction coefficient KSTR (k) is calculated. That is, the STR controller receives the coefficient vector θ hat (k) adaptively identified by the adaptive parameter adjustment mechanism, and forms a feedback compensator so as to match the target air-fuel ratio KCMD (k−d ′). The calculated feedback correction coefficient KSTR (k) is multiplied by the required fuel injection amount Tcyl (k), and the corrected fuel injection amount is set as an output fuel injection amount Tout (k) via the adhesion correction compensator. Engine).
[0062]
In this way, the feedback correction coefficient KSTR (k) and the detected air-fuel ratio KACT (k) are obtained and input to the adaptive parameter adjustment mechanism, where the adaptive parameter θ hat (k) is calculated and input to the STR controller. The STR controller is given a target air-fuel ratio KCMD (k) as an input, and a feedback correction coefficient KSTR using a recurrence formula so that the detected air-fuel ratio KACT (k) matches the target air-fuel ratio KCMD (k−d ′). Calculate (k).
[0063]
Specifically, the feedback correction coefficient KSTR (k) is obtained as shown in Equation 12.
[0064]
[Expression 12]
Figure 0003822668
[0065]
On the other hand, the detected air-fuel ratio KACT (k) and the target air-fuel ratio KCMD (k) are also input to the controller (shown as PID in the figure) based on the PID control law described earlier in S26 of the flowchart of FIG. A second feedback correction coefficient KLAF (k) is calculated based on the PID control law in order to eliminate the deviation between the detected air-fuel ratio of the exhaust system collecting portion and the target air-fuel ratio. One of the feedback correction coefficient KSTR based on the adaptive control law and the feedback correction coefficient KLAF based on the PID control law is used for calculating the fuel injection amount via the switching mechanism 400 of FIG. Then, when it is determined that the operation of the adaptive control system (STR controller) is unstable as described later, or outside the adaptive region of the adaptive control system, instead of the feedback correction coefficient KSTR (k) based on the adaptive control law, A feedback correction factor KLAF (k) according to the PID control law is used.
[0066]
By the way, when controlling the fuel injection amount of the internal combustion engine, as shown in FIG. 57, it takes a certain time until the injection amount is calculated and the calculated fuel is compressed, exploded and exhausted in the cylinder. Furthermore, considering the time until the exhaust gas reaches the LAF sensor, the detection delay of the sensor itself, and the time required to calculate the amount of fuel actually sucked into the cylinder from the detected value, this time is further increased. Become. Thus, the dead time is inevitably involved in the fuel injection amount control of the internal combustion engine. Assuming that one cylinder is used and the dead time is 3 times in the combustion cycle as described above, for example, when the internal combustion engine has 4 cylinders, the TDC number becomes 12 TDC as shown in FIG. Here, the “combustion cycle” is four strokes consisting of suction, compression, explosion, and exhaust, and corresponds to 4 TDC in this embodiment.
[0067]
In the above-described adaptive controller (STR controller), the number of elements of the adaptive parameter θ hat (k) is m + n + d as is apparent from Equation 3, and is proportional to the dead time d. Assuming that the dead time is 3 as in the previous example, the number of elements of the adaptive parameter θ hat (k) when the STR controller and the adaptive parameter adjustment mechanism are operated in TDC synchronization in order to cope with the operation state that changes every moment. Even if m = n = 1, as shown in FIG. 8, d = 12 (3 combustion cycles × 4 TDC), and m + n + d = 14. As a result, the calculation of the gain matrix Γ becomes a 14 × 14 matrix operation, which increases the amount of calculation and increases the load on the in-vehicle computer. With the performance of a typical in-vehicle computer, the engine speed increases within 1 TDC. At the same time as it becomes difficult to complete the calculation, as described above, an increase in the number of dead times causes deterioration of controllability.
[0068]
In view of this, the internal combustion engine fuel injection control apparatus shown in the figure can cope with the constantly changing operating state as much as possible and reduce the amount of matrix calculation to reduce the load on the in-vehicle computer. Specifically, as shown in FIG. 9, the parameter adjustment mechanism provides the control plant output in synchronization with the combustion cycle, more specifically, with a predetermined crank angle (such as TDC) of a specific cylinder (such as the first cylinder) only. Then, the adaptive parameter θ hat is calculated.
[0069]
Here, as is apparent from FIG. 9, the calculation of the adaptive parameter θ hat is performed at a predetermined crank angle (TDC or the like) of all the cylinders. Note that the STR controller operates in synchronization with a predetermined crank angle (such as TDC) of all the cylinders to calculate the feedback correction coefficient, which is not different from the configuration shown in FIG.
[0070]
Thus, for example, when operated in synchronism with only a predetermined crank angle of a specific cylinder, that is, a specific cylinder, d = 3, the number of elements of the adaptive parameter θ hat is m + n + d = 5, and calculation of the gain matrix Γ Decreases from 14 × 14 to 5 × 5 matrix operations, which reduces the load on the in-vehicle computer and makes it possible to process the operations within 1 TDC. As described above, a large dead time of the control target generally deteriorates the controllability compared to the case where the dead time is small, and is particularly noticeable in adaptive control. Can be greatly reduced, and controllability can be improved.
[0071]
Specifically, the above can be realized by taking the control cycle k of Formula 1 to Formula 12 for each cylinder. More specifically, in the case of a four-cylinder internal combustion engine, Equation 4 is changed to Equation 13, Equation 8 is changed to Equation 14, Equation 9 is changed to Equation 15, and Equations 10 to 12 are changed to Equations 16 to 18. Just do it.
[0072]
[Formula 13]
Figure 0003822668
[0073]
[Expression 14]
Figure 0003822668
[0074]
[Expression 15]
Figure 0003822668
[0075]
[Expression 16]
Figure 0003822668
[0076]
[Expression 17]
Figure 0003822668
[0077]
[Formula 18]
Figure 0003822668
[0078]
Accordingly, in the configuration shown in FIG. 9 as well, the control cycle is set for each TDC of all cylinders, that is, the adaptive parameters are calculated in synchronization with the TDCs of all cylinders, as in the configuration shown in FIG. It is possible to reduce the order of the matrix and vector. Of course, it goes without saying that even if the control cycle is set for each cylinder and the control cycle k of Formulas 1 to 12 is set to K = the number of cylinders × k, the internal variable is set for each cylinder. Here, K represents the number of combustion cycles, and k represents TDC. FIG. 10 is a diagram in which the configuration of FIG. 8 is rewritten focusing on the STR controller and the parameter adjustment mechanism. In FIG. 10, if the operation cycle m × TDC of the STR controller and the operation cycle n × TDC of the parameter adjustment mechanism are m = n = 1, respectively, the configuration shown in FIGS. 8 and 9 is obtained. Here, if the input period of the parameter adjustment mechanism is synchronized with TDC and the dead time is d = 12, the configuration of FIG. 8 is obtained. On the other hand, if the input period of the parameter adjustment mechanism is synchronized with the combustion cycle and the dead time is d = 3, the configuration of FIG. 9 is obtained.
[0079]
However, when the plant output is input to the parameter adjustment mechanism in synchronization with the combustion cycle and operated (operated), the operation is performed in synchronization with a predetermined crank angle of the specific cylinder. It is strongly influenced by the air-fuel ratio. As a result, when the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder is, for example, in the lean direction and that of the remaining cylinders is in the rich direction, such as when controlling to the stoichiometric air-fuel ratio, the adaptive controller (STR controller) There is a case where the operation is performed so as to adjust to the target value by adjusting in the rich direction, whereby the air-fuel ratio of the remaining cylinders tends to be further rich.
[0080]
Therefore, in the illustrated apparatus, the plant output is input to the parameter adjustment mechanism in synchronization with the combustion cycle, and the number of elements of the adaptive parameter is reduced to reduce the matrix calculation amount, as will be described later. The influence of the exhaust gas air-fuel ratio of a specific cylinder is not strongly affected. In order to realize this, the following operations are performed.
[0081]
The parameter adjustment mechanism operates in synchronization with the combustion cycle, that is, operates in synchronization with a predetermined crank angle of a specific cylinder among the four cylinders. Is obtained as an average value of the detected air-fuel ratio KACT (k), for example, a simple average value for each predetermined crank angle, for example, every TDC, and is input to the parameter adjustment mechanism, so that it is greatly influenced by the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder. I tried not to have it.
[0082]
Further, for each predetermined crank angle, an average value is also obtained for the adaptive parameter θ hat calculated by the parameter adjustment mechanism, and an average value is also obtained for the feedback correction coefficient KSTR (k) calculated by the STR controller. The exhaust gas air-fuel ratio of a specific cylinder is not greatly affected.
[0083]
FIG. 11 is a subroutine flow chart showing the calculation work.
[0084]
Describing according to the figure, first, in S100, it is determined whether or not the engine is in a predetermined operating range. Here, the predetermined operation region is a low rotation region including idle. When it is determined in S100 that the engine is not in the predetermined operating range, the process proceeds to S102, where the current calculated air-fuel ratio KACT (k) calculated for the cylinder in S24 of FIG. 6, the previous calculated air-fuel ratio KACT (k) for the previous combustion cylinder. -1) Obtain the average value KACTAVE of the previous / previous calculated air / fuel ratio KACT (k-2) for the previous / previous combustion cylinder and the previous / previous calculated air / fuel ratio KACT (k-3) for the previous previous combustion cylinder. The controlled variable y (k) is the plant output. That is, the control cycle is traced back three times, a simple average value of the air-fuel ratio calculated for one combustion cycle is obtained for the four cylinders including the cylinder, and the control amount y (k) (y (k) ( KACTAVE)). With this method, the influence of the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder can be reduced.
[0085]
Subsequently, the process proceeds to S104, and as shown at the end of FIG. 7, the adaptive parameter θ hat (k) is calculated from the control amount y (k) obtained by the parameter adjusting mechanism according to the equation 3 and input to the STR controller. In the figure, the parameter adjustment mechanism is abbreviated as P, and the STR controller is abbreviated as C.
[0086]
Subsequently, the process proceeds to S106, and the calculated values up to three control cycles including the adaptive parameter θ hat (k) calculated this time, that is, θ hat (k), θ hat (k-1), 1 combustion cycle, An average value of θ hat (k−2) and θ hat (k−3), for example, a simple average value AVE−θ hat (k) is calculated. That is, instead of the input side of the parameter adjusting mechanism, the average value of the θ hat for the four control cycles (one combustion cycle) corresponding to that of the four cylinders is obtained for the adaptive parameter θ hat (k) on the output side to the STR controller. input. Even if this method is used, the purpose of reducing the influence of the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder can be achieved even if the average value of θ hat (k) of the four cylinders is input to the STR controller. Since θ hat is obtained as a vector as shown in Equation 3, the average value is calculated by obtaining the average value of each element s0, r1, r2, r3, b0 of the vector. Note that an average value may be obtained for any of the elements, the amount of change may be obtained so that the other elements are in proportion thereto, and the average value of the θ hat may be calculated therefrom. In S106, an equation for obtaining the average value of the θ hat including the meaning is schematically shown.
[0087]
Subsequently, the process proceeds to S108, where the STR controller calculates the feedback correction coefficient KSTR (k) according to Equation 12 based on the input value, and then proceeds to S110, in which three control periods including the feedback correction coefficient KSTR (k) calculated this time are included. Previously calculated value, that is, average value of KSTR (k), KSTR (k-1), KSTR (k-2) and KSTR (k-3) during one combustion cycle, for example, simple average value AVEKSTR (k) Is calculated. That is, for the STR controller that outputs the control input KSTR (k), which is not the parameter adjustment mechanism side, but the feedback correction coefficient of the fuel calculation system, the average value of KSTR for four control cycles (one combustion cycle) corresponding to that of the four cylinders This is because the purpose of reducing the influence of the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder can be achieved even if calculated.
[0088]
On the other hand, when it is determined in S100 that the vehicle is in the predetermined operating range, the routine proceeds to S112, where the calculation of y (k), that is, the current calculated equivalent ratio KACT (k) obtained in S24 of FIG. Quantity (plant output). In S114, the adaptive parameter θ hat (k) is calculated in the same manner as in the previous S104. In S116, the feedback correction coefficient KSTR (k) is calculated in the same manner as in S108.
[0089]
In this way, the average value of the air-fuel ratios of all the cylinders is obtained and input to the parameter adjustment mechanism as the control amount y (k), so that the equivalent ratio of the specific cylinder (for example, the first cylinder), more specifically, the exhaust gas. It is not greatly affected by the gas air-fuel ratio. Further, as for the STR controller output, the value for four control periods including the latest value u (k) = KSTR (k) is used to obtain the signal vector ζ and input it to the parameter adjustment mechanism. The effect of gas air / fuel ratio is further reduced.
[0090]
In addition, regarding the adaptive parameter θ hat (k) on the output side, not on the input side of the parameter adjustment mechanism, the average value of θ hats corresponding to four control cycles (one combustion cycle) corresponding to that of the four cylinders is obtained and sent to the STR controller. Since the input is performed, the purpose of reducing the influence of the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder can be achieved also by the smoothing. Furthermore, for the STR controller that outputs KSTR (k), which is the feedback correction coefficient of the fuel calculation system, instead of the parameter adjustment mechanism side, the average value of KSTR for four control cycles (one combustion cycle) corresponding to that of the four cylinders Thus, similarly, the influence of the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder can be reduced.
[0091]
On the other hand, in S100, it is determined whether or not the engine is in a predetermined operating range, specifically, a low speed range including idling. When the result is affirmative, the average value is not calculated, so that no inconvenience occurs. . That is, since the control cycle becomes long at low rotation, the response delay of the LAF sensor can be ignored. Conversely, the phase of the detected air-fuel ratio KACT (k) and its average value KACTAVE are shifted as shown in FIG. 12, so that the same phenomenon as when the dead time of the control system has changed occurs. Therefore, when adaptive control is performed using KACTAVE (k) whose phase is shifted, there is a possibility that adverse effects such as hunting may occur. For this reason, smoothing is stopped when the engine is affected by this effect in a low rotation state such as during idling.
[0092]
In the above, the average value AVE−θ hat (k) of the adaptive parameter θ hat calculated in S106 is not used for calculating the identification error signal e asterisk shown in Equation 10. That is, since the identification error signal e asterisk is a function for evaluating the magnitude of the error between the detected air-fuel ratio and the target air-fuel ratio, if the AVE-θ hat (k) obtained as described above is used in the calculation of Equation 10, the error is calculated. Since it may be inaccurate, it is beneficial to use an AVE-θ hat (k) in which only the calculation of Equation 8 is used and an operation region not used for the calculation of Equation 10 is provided.
[0093]
In the above description, all the average values of the air-fuel ratio, θ hat (k), and KSTR (k) are used in S102, S106, and S110. However, any one or appropriate two may be used. Needless to say. Needless to say, an appropriate predetermined value is used when there is no past value in the calculation of the average value at the time of starting the engine or restarting the calculation of the STR controller.
[0094]
Note that when the average values of the adaptive parameter θ hat (k) and the feedback correction coefficient KSTR (k) are obtained, it is not always necessary to input these values to the parameter adjustment mechanism. This is because the feedback correction coefficient KSTR (k) calculated by the STR controller using the average value of the adaptive parameter θ hat (k) is already a value that is not greatly influenced by the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder. is there. Similarly, the average value of the feedback correction coefficient KSTR (k) calculated by the STR controller is a value that is not greatly influenced by the exhaust gas air-fuel ratio of the specific cylinder.
[0095]
The selection of the feedback correction coefficient shown in S32 of the flowchart of FIG. 6 will be described.
[0096]
FIG. 13 is a subroutine flow chart showing the work.
[0097]
Describing according to the figure, first, in S200, it is determined whether or not it is in the application area of the adaptive control system. For example, in an unstable combustion operation region such as an extremely low water temperature region, an accurate calculated air-fuel ratio KACT (k) cannot be obtained, so it is excluded from the application region. In that case, the process proceeds to S210 and is obtained by the PID control law. The output fuel injection amount Tout (k) is calculated using the feedback correction coefficient KLAF (k). When it is determined that the current position is in the application region, the process proceeds to S202, and the stability of the adaptive control system is determined using each element of the adaptive parameter θ hat.
[0098]
Specifically, the transfer characteristic of the feedback correction coefficient KSTR (k) calculated by the STR controller is expressed as in Expression 19.
[0099]
[Equation 19]
Figure 0003822668
[0100]
Here, assuming that the adhesion correction is correct and there is no disturbance in the fuel calculation system, the transfer characteristics of KSTR (k) and KACT (k) are as shown in Equation 20.
[0101]
[Expression 20]
Figure 0003822668
[0102]
The transfer function from KCMD (k) to the correction coefficient KSTR (k) is as shown in Equation 21.
[0103]
[Expression 21]
Figure 0003822668
[0104]
Here, since b0 is a scalar quantity that determines the gain, and cannot be 0 or negative, the denominator function f (z) = b0Z of the transfer function of Equation 21.Three+ R1Z2+ R2Z + r3 + s0 is one of the functions shown in FIG. Therefore, if it is determined whether or not the real root is within the unit circle, that is, whether or not f (-1) <0 to f (1)> 0 is determined, as shown in FIG. When it is done, the real root will be in the unit circle, so it can be easily determined whether or not the system is stable.
[0105]
Therefore, the process proceeds to S204, where it is determined whether or not the adaptive control system is unstable. Thereby, the stability of the system can be recovered. Subsequently, the process proceeds to S208 to correct the gain matrix Γ. Since the gain matrix Γ determines the change (convergence) speed of the parameter adjustment mechanism, this correction is performed so as to reduce the convergence speed. Here, each element of the gain matrix Γ is replaced with a small value. In this way, the stability of the system can be restored as well. Subsequently, the process proceeds to S210, and as shown in the figure, since the adaptive control system is unstable, the correction coefficient KLAF (k) based on the PID control law is used as the feedback correction coefficient, and is multiplied by the required fuel injection amount Tcyl (k). At the same time, an addition term TTOTAL is added to the product to determine the output fuel injection amount Tout (k).
[0106]
If it is determined in S204 that the adaptive control system is not unstable, the process proceeds to S212, and as shown in the figure, the output fuel injection amount Tout () is calculated using the correction coefficient KSTR (k) based on the adaptive control law as the feedback correction coefficient. k) is calculated. At this time, when the average value of the feedback correction coefficient KSTR is obtained in S110 of the flowchart of FIG. 11, it goes without saying that the average value is used.
[0107]
In the block diagram of FIG. 7, the output u (k) of the switching mechanism 400 is input to the STR controller and the parameter adjustment mechanism. This is for enabling calculation of the feedback correction coefficient KSTR by the adaptive control law even when the feedback correction coefficient KLAF by the PID control law is selected.
[0108]
In this embodiment, as a result of the configuration described above, the parameter adjustment mechanism operates for every cylinder TDC, but the number of elements of the adaptive parameter is 5 and the Γ matrix operation is reduced to 5 × 5. Thus, the load on the in-vehicle computer is reduced, and the calculation can be completed in 1 TDC with the in-vehicle computer having the usual performance. On the other hand, the STR controller can also calculate the feedback correction coefficient KSTR for every cylinder TDC, and can cope with changes in the operating state as much as possible by making the change for every cylinder TDC. Further, controllability can be improved by greatly reducing the dead time.
[0109]
Further, when the parameter adjusting mechanism is viewed for each cylinder, it operates for each combustion cycle, and as a result, it always operates at a predetermined crank angle of a specific cylinder, for example, the first cylinder, but includes the remaining cylinder group between the combustion cycles. The average value of the detected air-fuel ratio (control amount) for all is obtained, and the average value is input to the parameter adjustment mechanism, or the average value of the adaptive parameter θ hat is obtained, or the average of the feedback correction coefficient KSTR as the output of the STR controller Since the value is obtained and used, there is no inconvenience that strongly reflects only the combustion state of the specific cylinder.
[0110]
That is, if the feedback correction coefficient KSTR is obtained based on the control amount for a specific cylinder, for example, when the air-fuel ratio of the first cylinder is rich and that of the other cylinders is lean, the feedback correction coefficient KSTR makes the air-fuel ratio lean. Although it is determined to be corrected in the direction and the air-fuel ratio of the other cylinders is made leaner, such an inconvenience does not occur as a result of the average value of all the cylinders.
[0111]
For further simplification, as shown in FIG. 16, the adaptive parameter θ hat is not synchronized with every cylinder TDC, but is synchronized with the combustion cycle of a specific cylinder, that is, once with 4 TDC, and is calculated. The same value may be used as the adaptive parameter θ hat several times for the cylinder (corresponding to m = 1 and n = 4 in FIG. 10).
[0112]
This method is particularly effective when the computation time is reduced as the engine speed increases. Because there is less variation in the adaptive parameter θ hat required for each cylinder at high speeds, there is little deterioration in controllability even if the adaptive parameter θ hat of a specific cylinder is used for all cylinders including other cylinders. The calculation time can be shortened without degrading the controllability.
[0113]
Furthermore, as shown in FIG. 17, the configuration can be further simplified if the STR controller is also operated only once in 4TDC in synchronization with the combustion cycle. Although the control accuracy is reduced, this configuration can also provide some effects (corresponding to m = n = 4 in FIG. 10).
[0114]
Note that although the Γ matrix calculation is performed once in one combustion cycle, in an operation region in which the rotation further increases and the variation of the adaptive parameter is further reduced, two or more combustion cycles, that is, one combustion cycle. It may be performed once in a cycle corresponding to an integral multiple.
[0115]
FIG. 18 is a flow chart showing a second embodiment of the apparatus according to this application, and relates to the setting of the gain matrix Γ used for the calculation of the feedback correction coefficient KSTR.
[0116]
The calculation of the feedback correction coefficient KSTR requires a gain matrix Γ (k) as is apparent from the above-described equations 1 to 12. In the second embodiment, λ in Equation 91= 1, λ2= 0, that is, when a fixed gain algorithm is used, all non-diagonal elements of the gain matrix Γ (k) are set to 0, thereby shortening the calculation time and facilitating the setting.
[0117]
For the sake of explanation, consider the case where the internal variable Γζ (k−d) is calculated as an example. In the case of the first embodiment in which the gain matrix Γ is a 5 × 5 matrix, the calculation of Γ is performed as shown in Equation 22, and 25 multiplications and 20 additions are required.
[0118]
[Expression 22]
Figure 0003822668
[0119]
If all the non-diagonal elements of the gain matrix Γ are set to 0, this can be expressed as in Expression 23, and the operation can be shortened to 5 multiplications.
[0120]
[Expression 23]
Figure 0003822668
[0121]
Further, when the adaptive parameter θ hat (k) is calculated by setting all off-diagonal elements of the gain matrix Γ to 0, the following equation 24 is obtained.
[0122]
[Expression 24]
Figure 0003822668
[0123]
As a result, the matrix element g11, gtwenty two, g33, g44, g55Can independently set the rate of change of each element of the adaptive parameter θ hat (k) with a value corresponding to only one element of ζ (k). If the off-diagonal element of the gain matrix Γ is not 0, as can be seen from Equations 22 and 24, the calculation of the adaptive parameter θ hat (k) is as shown in Equation 25, and one of the θ hat (k) In order to determine the rate of change of an element, it is necessary to consider five variables corresponding to all elements of ζ (kd), which is difficult to set. By setting all off-diagonal elements of the gain matrix Γ to 0, it is possible to shorten the calculation time and facilitate the setting.
[0124]
[Expression 25]
Figure 0003822668
[0125]
Furthermore, when the inventors tested, the g11~ G55It has been found that if some of the five setting elements have the same value, the rate of change of each element of the adaptive parameter θ hat (k) is appropriate and the controllability is the best. For example, g11= Gtwenty two= G33= G44= G. In this way, the setting elements are g and g55The number of steps for setting can be reduced and, for example, the internal variable ζ can be reduced.TThe calculation of (k−d) Γζ (k−d) is as shown in Expression 26, and the multiplication is 12 times.
[0126]
[Equation 26]
Figure 0003822668
[0127]
On the other hand, g11~ G44When each takes a different value, the above calculation is as shown in Equation 27, and multiplication is increased to 15 times.
[0128]
[Expression 27]
Figure 0003822668
[0129]
From the above, g11~ G55By setting some of them to the same value, the number of setting elements can be reduced, and the calculation time can be further shortened. Further, since the rate of change of each element of the adaptive parameter θ hat (k) can be made appropriate, controllability is also good. At this time, g11= Gtwenty two= G33= G44= G55Needless to say, the effect is most apparent.
[0130]
Furthermore, for example, in the operation region where the plant output is also unstable due to unstable combustion, the above g55By reducing, hunting of so (k) can be suppressed. In this way, by setting the off-diagonal elements of the gain matrix Γ to 0, the merit that the control characteristics can be easily set is great. Further, by changing the gain matrix Γ depending on the operation region, it is possible to always obtain the optimal controllability for the engine.
[0131]
In that case, g11~ G55Is stored in the RAM 74 in the control unit 34 in accordance with the operating state. More specifically, it is stored in accordance with the operating state of the engine control device such as canister purge, exhaust gas recirculation, etc. in addition to the operating state. At this time, g11~ G55May all be the same value, all different values, or some of the same value. In this case, if the capacity of the RAM 74 or the calculation time is sufficient, a value other than zero may be stored in the off-diagonal element of the gain matrix Γ and used for the calculation.
[0132]
Based on the above, a second embodiment of the apparatus according to this application will be described with reference to the flowchart of FIG.
[0133]
First, in S300, the engine operating parameters such as the engine speed Ne and the intake pressure Pb and the operating state of the exhaust gas recirculation mechanism or the canister / purge mechanism are read, and the process proceeds to S302 to determine whether or not the engine is in the idle region. If YES in step S304, the flow advances to step S304 to search for an idle Γ map. On the other hand, when it is determined in S302 that the variable valve timing mechanism is not operating in the idle region, the process proceeds to S306, where it is determined whether or not the variable valve timing mechanism is operated with the Hi valve timing characteristics. When the determination is negative, the process proceeds to S310 to search the Γ map for Lo valve timing.
[0134]
FIG. 19 shows the characteristics of the Γ map for Lo valve timing. As shown in the figure, this map is a matrix element g from the engine speed Ne and the intake pressure Pb.11~ G55Search for. The Γ maps for idle and Hi valve timing have the same characteristics. In addition, since the map searches for the value of the gain matrix Γ using the intake pressure Pb indicating the engine load, an optimum gain matrix value can be obtained even in a deceleration operation state when the engine load suddenly fluctuates. Can do.
[0135]
Subsequently, the routine proceeds to S312, where it is determined whether or not the EGR (exhaust gas recirculation mechanism) is operating. If the determination is affirmative, the routine proceeds to S314, where the gain matrix Γ is corrected according to the fuel correction coefficient KEGRN for the exhaust gas recirculation rate. More specifically, the correction coefficient KΓEGR is obtained from the fuel correction coefficient KEGRN with respect to the exhaust gas recirculation rate by searching a table whose characteristics are shown in FIG. 20, and is corrected by multiplying the gain coefficient Γ by the obtained correction coefficient KΓEGR. The reason why the gain matrix is corrected according to the fuel correction factor KEGRN for the exhaust gas recirculation rate is that the correction factor KΓEGR increases as the fuel recirculation rate KEGRN for the exhaust gas recirculation rate decreases as the exhaust gas recirculation amount increases. Therefore, the gain matrix Γ is set to be smaller as the fuel correction coefficient KEGRN with respect to the exhaust gas recirculation rate decreases so as to increase the stability of the adaptive control system.
[0136]
The exhaust gas recirculation rate KEGRN is a coefficient for multiplying and correcting the fuel injection amount, and is determined to be 0.9, for example. However, the gist of the present invention is not in the determination of the exhaust gas recirculation rate itself, and the determination of the exhaust gas recirculation rate is described in, for example, Japanese Patent Application No. 6-294,014 previously proposed by the present applicant. Is omitted.
[0137]
Subsequently, the process proceeds to S316, where it is determined whether or not the canister / purge mechanism is operating. If the determination is affirmative, the process proceeds to S318, and the gain matrix Γ is corrected according to the purge mass. More specifically, a correction coefficient KΓPUG is obtained by searching a table showing the characteristics in FIG. 21 from the purge mass KPUG, and is corrected by multiplying the gain matrix Γ by the obtained correction coefficient KΓPUG. As shown in the figure, the correction coefficient KΓPUG is set to increase as the purge mass KPUG increases because the disturbance increases as the purge mass KPUG increases. The purge mass is also described in, for example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-101,522 previously proposed by the present applicant, and the description thereof will be omitted.
[0138]
Subsequently, the process proceeds to S320, and the gain matrix Γ is corrected according to the detected atmospheric pressure Pa. More specifically, a correction coefficient KΓPa is obtained from the detected atmospheric pressure Pa by searching a table showing its characteristics in FIG. 22, and the gain matrix Γ is multiplied by the obtained correction coefficient KΓPa for correction. The reason why the gain matrix Γ is corrected in accordance with the detected atmospheric pressure Pa is that the detected atmospheric pressure Pa decreases, that is, the charging efficiency decreases as the altitude at which the engine is located increases. Therefore, the gain matrix Γ is set to decrease as the detected atmospheric pressure Pa decreases so that the stability of the adaptive control system is increased.
[0139]
Subsequently, the process proceeds to S322, and the gain matrix Γ is corrected according to the detected water temperature Tw. More specifically, a correction coefficient KΓTW is obtained by searching a table showing the characteristics in FIG. 23 from the detected water temperature Tw, and is corrected by multiplying the gain matrix Γ by the obtained correction coefficient KΓTW. The reason why the gain matrix Γ is corrected according to the detected water temperature Tw is that the correction coefficient KΓTW is set at room temperature because the combustion becomes unstable when the detected water temperature Tw is low or high as shown in the figure. Therefore, the gain matrix Γ is set to be small when the water temperature is low or high so that the stability of the adaptive control system is increased.
[0140]
In the second embodiment, as described above, since the gain matrix for determining the change (convergence) speed of the adaptive parameter θ hat is appropriately determined according to the operating state, a stable change speed of the adaptive parameter is obtained. Controllability can be improved.
[0141]
In the second embodiment, the gain matrix Γ is determined by a fixed gain, but a variable gain algorithm can also be used. In this case, the initial values of the elements of the gain matrix Γ are set as described above. Thus, it may be corrected in the driving state, and may be set to a predetermined value when the driving state changes.
[0142]
Furthermore, although the fixed gain algorithm has been described in the second embodiment, the gain matrix Γ (k) is calculated based on a calculation rule other than the fixed gain algorithm such as the variable gain algorithm shown in Equation 9. By not fixing the non-diagonal elements of the gain matrix Γ (k) and fixing it to 0, it is possible to reduce the amount of calculation and facilitate the setting shown in the second embodiment. Needless to say.
[0143]
FIG. 24 is a flow chart showing a third embodiment of the apparatus according to this application.
[0144]
In the first embodiment and the second embodiment, the gain matrix Γ is calculated with a fixed gain. In the third embodiment, the algorithm is calculated using an algorithm other than the fixed gain, and the adaptive parameter at that time is calculated. When the control result used (plant output, more specifically, the detected air-fuel ratio KACT) shows a good behavior, if the calculated value is stored according to the operating state of the engine, the gain matrix Γ is again stored in that region. It is not necessary to calculate (k), and at the same time, the optimum gain matrix Γ (k) can always be used in that region, and controllability is improved. A processing value such as an average value between 4TDCs may be used for Γ (k) stored at this time. Note that when the gain matrix Γ is calculated from the fixed gain algorithm, it is determined that the behavior of the plant output is not good. The gain matrix Γ (k−1) at that time starts as an initial value stored for each operation region.
[0145]
Based on the above, description will be made with reference to FIG. This is an operation performed at the time of searching the map of the gain matrix Γ such as S308, S310, or S304 in FIG. 18 in the flowchart of the second embodiment.
[0146]
Explaining below, in S400, a map of the same gain matrix Γ as shown in the second embodiment is retrieved from the engine speed Ne and the intake pressure Pb, and the process proceeds to S402 where the behavior of the detected air-fuel ratio KACT as the plant output is determined. Whether it is good or not is determined by an appropriate method, and when the result is negative, the process proceeds to S404 to calculate the gain matrix Γ (k), and the process proceeds to S406 to store it in a predetermined area of the searched map. If the determination in S402 is affirmative, the process immediately proceeds to S406. The determination of the quality of the detected air-fuel ratio KACT in S402 is performed, for example, by determining that the detected air-fuel ratio KACT between 10 TDCs is good if it is within the target air-fuel ratio KCMD ± predetermined value.
[0147]
Since the third embodiment is configured as described above, when the behavior of the detected air-fuel ratio KACT is good, the calculation of the gain matrix Γ (k) is not performed using the arithmetic expression shown in Equation 9, but a simple map search. Therefore, the amount of calculation can be reduced. Further, when the behavior of the detected air-fuel ratio KACT is not good, the optimum gain matrix Γ (k) is recalculated and learned for each operation region of the internal combustion engine, thereby addressing deterioration over time of the internal combustion engine. In addition, since the behavior of the detected equivalent ratio KACT (k) can always be improved, the controllability can be improved.
[0148]
FIG. 25 is a flow chart showing a fourth embodiment of the apparatus according to this application.
[0149]
In the fourth embodiment, a dead zone is provided in the characteristic of the detected air-fuel ratio KACT so that the adaptive control system does not become unstable. That is, since the STR controller operates so that the detected air-fuel ratio KACT matches the target air-fuel ratio KCMD, if the detected air-fuel ratio KACT input to the STR controller matches the target air-fuel ratio KCMD, the adaptation parameter hardly changes. . Therefore, when the detected air-fuel ratio KACT fluctuates slightly from a minute disturbance such as sensor noise, the adaptive control system is not affected by the minute disturbance or the like so that unnecessary overcorrection is not performed. As shown in FIG. 4, a dead zone is provided in the vicinity of the target air-fuel ratio KCMD in the characteristics of the detected air-fuel ratio KACT. Specifically, the value of the detected air-fuel ratio KACT is the same in the range of KCMD−β to KCMD + α.
[0150]
Referring to the flowchart of FIG. 25, the detected air-fuel ratio KACT is compared with the lower limit predetermined value KCMD-β in S500. Compare with the value KCMD + α. When it is determined in S502 that the detected air-fuel ratio is equal to or less than the predetermined value KCMD + α, the process proceeds to S504, where the detected air-fuel ratio KACT is set to a predetermined value, for example, the target air-fuel ratio KCMD. If it is determined in S500 that the detected air-fuel ratio KACT is below the lower limit predetermined value KCMD-β, or if it is determined in S502 that the detected air-fuel ratio KACT is higher than the upper limit predetermined value KCMD + α, the program is immediately terminated. To do. Therefore, in this case, the detected value is directly used as the detected air-fuel ratio KACT. Through the above processing, as shown in FIG. 26, a dead zone can be provided in the vicinity of the target air-fuel ratio KCMD in the characteristics of the detected air-fuel ratio KACT.
[0151]
Since the fourth embodiment is configured as described above, for example, even when the detected air-fuel ratio KACT fluctuates minutely, the STR controller can operate stably without being affected by it, and thus a good control result can be obtained. Can be obtained. In S504, the target air-fuel ratio KCMD is set as the detected air-fuel ratio, but any other value in the range from KCMD-β to KCMD + α may be used.
[0152]
FIG. 27 is a flowchart showing a fifth embodiment of the apparatus according to this application.
[0153]
As in the fourth embodiment, the fifth embodiment prevents instability of the adaptive control system, and provides an upper and lower limit limiter for the identification error signal e asterisk so as to obtain a stable adaptive parameter. did.
[0154]
That is, as apparent from Equation 8, the change speed of the adaptive parameter θ hat can be limited by limiting the value of the identification error signal e asterisk within a certain range. Thereby, it is possible to prevent overshoot with respect to the optimum value of the adaptive parameter θ hat (k), and as a result, the adaptive control system can be stably operated to obtain a good control result.
[0155]
27, the identification error signal e asterisk (k) calculated in S600 is first compared with the upper limit value a (shown in FIG. 28), and if it is determined that the value exceeds the upper limit value a, the process proceeds to S602. Then, a predetermined value, for example, the upper limit value a is set as the identification error signal e asterisk (k). On the other hand, when it is determined in S600 that the identification error signal e asterisk (k) is less than or equal to the upper limit value a, the process proceeds to S604 and the calculated identification error signal e asterisk (k) is compared with the lower limit value b (shown in FIG. 28). When it is determined that the value is less than that, the process proceeds to S606, and the second predetermined value, for example, the lower limit value b is set as the identification error signal e asterisk (k). If it is determined in S604 that the identification error signal e asterisk (k) is greater than or equal to the lower limit value b, the program is immediately terminated. Therefore, in this case, the identification error signal e asterisk (k) remains as the calculated value.
[0156]
Since the fifth embodiment is configured as described above, by limiting the value of the identification error signal e asterisk (k) within a certain range, the rate of change of the adaptive parameter θ hat (k) is limited. Can do. As a result, an overshoot with respect to the optimum value of the adaptive parameter θ hat (k) can be prevented, and the adaptive control system can be stably operated to obtain a good control result.
[0157]
In S602 to S606, the value of the identification error signal e asterisk (k) is set as the upper and lower limit values, but may be an appropriate value between the upper and lower limit values or an appropriate value near the upper and lower limit values.
[0158]
FIG. 29 is a flowchart showing a sixth embodiment of the apparatus according to this application.
[0159]
In the sixth embodiment, in the STR controller shown in the first embodiment, the constant 1 used for the denominator of the formula 10 for the identification error signal e asterisk for determining the adaptive parameter θ hat is made variable. This stabilizes the rate of change and improves controllability.
[0160]
This sixth embodiment is premised on a technique for realizing adaptive control as shown in the figure by a low-level in-vehicle microcomputer by limiting the change range of intermediate variables used for calculation by the parameter adjustment mechanism. Since this is described in Japanese Patent Laid-Open No. 6-161,511 previously proposed by the present applicant, description thereof will be omitted.
[0161]
That is, in the theoretical formula, this identification error signal e asterisk (k) is calculated as shown in Equation 10. Now, suppose that ζ (k) and y (k) are multiplied by 1/10 (hereinafter referred to as j) and input to the parameter adjustment mechanism, and focusing on the denominator, the following equation 28 is obtained (gain matrix Γ ( k-1) is constant for fixed gain).
[0162]
[Expression 28]
Figure 0003822668
[0163]
Here, the right term is the square of the coefficient to be multiplied by ζ (k) and y (k), and when this coefficient is a small value of 1 or less (in the example, 1/10)2= 1/100), which is extremely smaller than the left term = 1. For this reason, no matter how the right term changes, the denominator of the identification error signal e asterisk (k) becomes a value close to 1, and the rate of change of the identification error signal e asterisk (k) changes before the multiplication of the coefficient. End up. In order to solve this problem, the left term may be set to a value other than 1. As a guideline, if the above coefficient is j, j2Then, the same change speed as before the multiplication by the coefficient j can be achieved.
[0164]
Conversely, the rate of change of the identification error signal e asterisk (k) is proportional to the rate of change (convergence) of the adaptive parameter θ hat (k), that is, θ hat (k) is calculated using equation (8). , J2By giving a value other than, the changing speed of the adaptive parameter θ hat (k) can be changed. Therefore, in the arithmetic expression of the denominator of the identification error signal e asterisk (k) shown in Equation 29, i takes a value other than 1, that is, i ≠ 1.
[0165]
[Expression 29]
Figure 0003822668
[0166]
Referring to the flowchart of FIG. 29, first, in S700, it is determined whether or not to perform an operation of changing the change (convergence) speed of the adaptive parameter θ hat (k) by the identification error signal e asterisk (k). When the determination is affirmative, the routine proceeds to S702, where i is obtained by searching a map showing its characteristics in FIG. 30 from a value other than 1, more specifically, from the detected engine speed Ne and intake pressure Pb. On the other hand, when the result in S700 is negative, the program proceeds to S704 and i is changed to j.2The rate of change is the same as before the multiplication by the coefficient j. Since j is a constant, the value of i is j in the map characteristics shown in FIG.2For example, i = j2× 0.5 to i = j2Set as x2.
[0167]
Specifically, j is normally set to a value smaller than 1, but if j = 1/10, for example, i = j in the case of negative in S7002= 1/100. Therefore, even when the result in S700 is affirmative, the i map value is set in FIG. 30 so as to be, for example, between 1/50 and 1/200, with i = 1/100 as the center. At this time, as i becomes smaller (for example, 1/200), the change (convergence) speed of the adaptive parameter θ hat (k) increases, and as i increases (for example, 1/50), the adaptive parameter θ hat (k) The rate of change (convergence) is reduced. Therefore, more specifically, the i map value in FIG. 30 is set to be large (for example, 1/50) in a high rotation and high load state and small (for example, 1/200) in a low rotation and low load.
[0168]
Since the sixth embodiment is configured as described above, by making the constant of the identification error signal e asterisk for determining the adaptive parameter θ hat variable, it is possible to harmonize with the coefficient for the input and to change the adaptive parameter θ hat. The speed is stable and good controllability can be achieved.
[0169]
In the sixth embodiment, the STR controller used in the first embodiment is taken as an example. However, the adaptive controller is not limited to the one shown in the first embodiment. Any device that operates based on these adjustment rules, including the MRACS type adaptive controller, is valid.
[0170]
FIG. 31 is a flow chart showing a seventh embodiment of the apparatus according to this application.
[0171]
In the seventh embodiment, the control cycle of the parameter adjustment mechanism and the STR controller shown in the first embodiment is made variable, and the operating state, specifically, the engine speed is changed. The control cycle was determined accordingly. In other words, by making the parameter adjustment mechanism of the adaptive controller or the control cycle of the controller variable according to the operating state, adaptive control can be performed even in an operating state where the calculation time is reduced as much as possible and the calculation time is short, such as at high revolutions. It was possible to do this, and good controllability was realized.
[0172]
Referring to the flowchart of FIG. 31, the engine speed Ne detected in S800 is first compared with a predetermined value Nep1, and if it is determined that the detected engine speed Ne is less than the predetermined value Nep1, the process proceeds to S802. The detected engine speed Ne is compared with another predetermined value Nec1. When it is determined that the engine speed Ne detected in S802 is less than another predetermined value Nec1, the process proceeds to S804 and control of a parameter adjustment mechanism (abbreviated as P in FIG. 31) and a STR controller (abbreviated as C in FIG. 31). The period is every TDC.
[0173]
FIG. 32 is an explanatory diagram of the operation of the flow chart of FIG. 31. As shown in the figure, when the predetermined values Nep1 and Nec1 are in a relatively low rotation range, there is a surplus in calculation time. Both the adjustment mechanism and the STR controller are operated for every TDC as shown in FIGS.
[0174]
In FIG. 31, when it is determined that the engine speed Ne detected in S802 is greater than or equal to the predetermined value Nec1, the process proceeds to S806 where the detected engine speed Ne is compared with the predetermined value Nec2, and when it is determined that the engine speed Ne is less than that, the process proceeds to S808. The parameter adjustment mechanism is operated every TDC, and the STR controller is operated every 2 TDC. On the other hand, when it is determined that the engine speed Ne detected in S806 is equal to or greater than the predetermined value Nec2, the process proceeds to S810, and the parameter adjustment mechanism is operated every TDC, and the STR controller is operated every 4TDC.
[0175]
When it is determined that the engine speed Ne detected in S800 is equal to or greater than the predetermined value Nep1, the process proceeds to S812, where the engine speed Ne detected is compared with the predetermined value Nep2, and when it is determined that the engine speed Ne is less than the predetermined value Nep1, the process proceeds to S814. The engine speed Ne detected in step 1 is compared with a predetermined value Nec3. If the detected engine speed Ne is determined to be less than the predetermined value Nec3, the process proceeds to S816 where the parameter adjusting mechanism is set every 2 TDC and the STR controller is set every TDC. To work.
[0176]
On the other hand, when it is determined that the engine speed Ne detected in S814 is equal to or greater than the predetermined value Nec3, the process proceeds to S818, where the engine speed Ne detected is compared with the predetermined value Nec4, and when it is determined that the engine speed Ne is less than the predetermined value Nec3, the process proceeds to S820. Thus, the parameter adjustment mechanism and the STR controller are operated every 2 TDCs. When it is determined that the engine speed Ne detected in S818 is equal to or greater than the predetermined value Nec4, the process proceeds to S822, in which the parameter adjustment mechanism is operated every 2 TDC, and the STR controller is operated every 4 TDC.
[0177]
Further, when the engine speed Ne detected in S812 is determined to be equal to or greater than the predetermined value Nep2, the process proceeds to S824, and the detected engine speed Ne is compared with the predetermined value Nep3, and when it is determined that the engine speed Ne is less than the predetermined value Nep2, the process proceeds to S826. Is compared with a predetermined value Nec5. If it is determined that the detected engine speed Ne is less than the predetermined value Nec5, the process proceeds to S828, the parameter adjustment mechanism is set every 4 TDC, and the STR controller is set every TDC. (Shown in FIG. 16).
[0178]
On the other hand, when it is determined that the engine speed Ne detected in S826 is greater than or equal to the predetermined value Nec5, the process proceeds to S830 and the detected engine speed Ne is compared with the predetermined value Nec6, and when it is determined that the engine speed Ne is less than the predetermined value Nec5, the process proceeds to S832. The parameter adjustment mechanism is operated every 4 TDC, and the STR controller is operated every 2 TDC. When the engine speed Ne detected in S830 is determined to be equal to or greater than the predetermined value Nec6, the process proceeds to S834, and both the parameter adjustment mechanism and the STR controller are 4TDC. Each is operated (shown in FIG. 17). When it is determined that the engine speed Ne detected in S824 is greater than or equal to the predetermined value Nep3, the process proceeds to S836 and the adaptive controller STR is stopped. This is because the change in the detected air-fuel ratio is small particularly at high speeds.
[0179]
In the seventh embodiment, as described above, the fuel injection amount control means for controlling the fuel injection amount of the internal combustion engine, the adaptive controller that operates to match the target value with the fuel injection amount as the operation amount, and the adaptation An internal combustion engine fuel injection control apparatus comprising an adaptive parameter adjustment mechanism for calculating an adaptive parameter used in a controller, comprising operating state detecting means for detecting an operating state of the internal combustion engine, and depending on the detected operating state, Since the control cycle of at least one of the adaptive controller and the adaptive parameter adjustment mechanism is changed, more specifically, the control cycle of the adaptive controller parameter adjustment mechanism and the STR controller is determined according to the engine speed. As a result, the calculation load can be reduced as much as possible, and adaptive control can be performed even in operating conditions where the calculation time is short, such as during high revolution Both can realize good controllability.
[0180]
In addition, since the control cycle (cycle) of the adaptive parameter adjustment mechanism or STR controller is an integral multiple of the fuel control cycle (TDC), the control of the adaptive parameter adjustment mechanism or STR controller is performed once every a plurality of times of the fuel control cycle. Therefore, the amount of calculation can be reduced while ensuring controllability, and the fuel control cycle changes according to the engine speed, so that the calculation load can be adjusted according to the engine speed.
[0181]
The reason why the control cycle of the adaptive parameter adjustment mechanism is the same as or larger than that of the STR controller in the above is that the calculation process of the adaptive parameter adjustment mechanism is generally complicated and takes time, and the calculation of the STR controller is performed. This is because it is not necessary to calculate the adaptive parameter θ hat (k) used in the STR controller when there is not.
[0182]
In the above, the operating state of the adaptive controller STR shown in FIG. 32 does not need to be provided with all of 1 to 10 (indicated by circled numbers in the figure), and is selected as appropriate according to the CPU capacity of the engine or control unit configuration. You may do it. For example, select 1,3,5,9,10 or 1,3,6,9,10, or 1,7,9,10, or 1,10, or 1,4,7,10, etc. Also good.
[0183]
Furthermore, although the engine speed is used as the operating state, the engine speed is not limited to this, and may be determined in consideration of the engine load. In this case, for example, since the change of the adaptive parameter θ hat is small in a high load state, it may be considered that the parameter adjustment mechanism is processed every 4 TDCs.
[0184]
FIG. 33 is a subroutine flow chart showing an arithmetic operation of an average value such as a feedback correction coefficient KSTR similar to FIG. 11, showing an eighth embodiment of the apparatus according to this application.
[0185]
In the case of the first embodiment, in order to avoid the influence of the exhaust air-fuel ratio of a specific cylinder, in principle, an average value is obtained for an element that determines the feedback correction coefficient KSTR, and a predetermined operating state, that is, In the idle state, the calculation of the average value was stopped.
[0186]
In contrast to the first embodiment, the eighth embodiment does not calculate the average value in principle and calculates the average value only when a predetermined operating state, specifically, exhaust gas recirculation (EGR) is executed. I tried to do it.
[0187]
Explaining this, when the exhaust gas is recirculated in the exhaust recirculation mechanism described above, depending on the operating condition, the exhaust gas is not evenly introduced into the four cylinders, and for example, a large amount of exhaust gas is generated in the cylinder close to the recirculation port 121b. There is a possibility that a small amount may be inhaled in the far cylinder. Therefore, in such a case, the air-fuel ratio KACT (k) detected for each TDC is greatly influenced by a specific cylinder. When the detected air-fuel ratio KACT (k) is used, the equivalent ratio of the cylinder is determined. In order to match only the target air-fuel ratio with the target air-fuel ratio, the control values of all the cylinders are offset by the deviation of the cylinders, and the air-fuel ratios of the other cylinders shift. Therefore, in order to avoid this, it is desirable to obtain an average value as shown in the figure.
[0188]
Referring to FIG. 33, it is determined whether or not EGR (exhaust gas recirculation control) is executed in S900. When the determination is affirmative, the process proceeds to S902 and the subsequent steps, like KACTAVE as described in the first embodiment with reference to FIG. Find the average value. On the other hand, when the result in S900 is negative, the process proceeds to S912 and the subsequent steps, and the same processing as described in the first embodiment with respect to FIG. 11 is performed.
[0189]
Since the eighth embodiment is configured as described above, the controllability is improved without being greatly affected by the specific cylinder even when the exhaust gas is recirculated.
[0190]
FIG. 34 is a subroutine flow chart showing the operation of calculating an average value such as the feedback correction coefficient KSTR similar to FIG. 33, showing the ninth embodiment of the apparatus according to this application.
[0191]
As in the exhaust gas recirculation execution, when the canister purge is executed and the gas is supplied, the gas may not be uniformly introduced into the cylinder depending on the operation state, which is the same as described in the eighth embodiment. Problems can arise. The ninth embodiment has dealt with it.
[0192]
Referring to FIG. 34, it is determined whether or not canister purge is executed in S1000. When the determination is affirmative, the process proceeds to S1002 and thereafter, and an average value such as KACTAVE is set as described in the first embodiment with reference to FIG. Ask. On the other hand, when the result in S1000 is negative, the process proceeds to S1012 and subsequent steps, and the same processing as described in the first embodiment with respect to FIG. 9 is performed.
[0193]
Since the ninth embodiment is configured as described above, the controllability is improved without being greatly affected by the specific cylinder even when canister purge is executed.
[0194]
Although not shown in the drawing, when the atmospheric pressure Pa is low, that is, when the combustion is unstable, such as when located at a high altitude, at low water temperature, or during lean burn operation, the same applies. It is desirable to obtain an average value, which can improve controllability.
[0195]
35 and 36 are a flow chart and a block diagram showing the tenth embodiment of the apparatus according to this application.
[0196]
36, in the case of the tenth embodiment, the feedback loop (correction coefficient KLAF) of the exhaust system collective part equivalent ratio composed of the PID control law is excluded from the configuration of the first embodiment. At the same time, a cylinder-specific feedback loop (correction coefficient #nKLAF) having the same PID control law was inserted.
[0197]
That is, from the single air-fuel ratio sensor output arranged in the exhaust system collecting portion, the air-fuel ratio # nA / F (cylinder) of each cylinder using the observer previously proposed by the present applicant in Japanese Patent Laid-Open No. 5-180040. n: cylinder) is estimated, and a feedback correction coefficient #nKLAF for each cylinder is obtained using a PID control law in accordance with a deviation between the estimated value and a target value of a predetermined cylinder specific air-fuel ratio F / B, and output fuel injection The amount Tout is corrected for multiplication.
[0198]
More specifically, the feedback correction coefficient #nKLAF for each cylinder is a value obtained by dividing the collective air / fuel ratio by the previous calculated value of the average value of the feedback correction coefficient #nKLAF for each cylinder (as described above, “ PID control law so as to eliminate the deviation between the target air-fuel ratio F / B and the estimated air-fuel ratio # nA / F. Ask for it. The details are shown in Japanese Patent Application No. 5-251,138 separately proposed by the applicant of the present application, and the description thereof will be omitted. Further, the illustration of the adhesion correction compensator is omitted.
[0199]
Further, in the tenth embodiment, a sampling block (shown as Sel-VOBSV in the figure) for sampling the LAF sensor output at an appropriate timing is provided, and the same type of sampling block (Sel in the figure) is provided for the STR controller. -VSTR)).
[0200]
Here, the sampling block and the observer will be described. The sampling operation block is indicated as “Sel-VOBSV” in FIG.
[0201]
Since the exhaust gas is discharged in the exhaust stroke in the internal combustion engine, when the behavior of the air-fuel ratio is seen in the exhaust system collection part of the multi-cylinder internal combustion engine, it is clearly synchronized with TDC. Therefore, when the air-fuel ratio is sampled by providing the above-described wide-range air-fuel ratio sensor in the exhaust system of the internal combustion engine, it is necessary to perform it in synchronization with the TDC. There are cases where the behavior of the air-fuel ratio cannot be accurately captured. That is, for example, when the air-fuel ratio of the exhaust system collecting portion with respect to TDC is as shown in FIG. 37, the air-fuel ratio recognized by the control unit is completely different depending on the sample timing as shown in FIG. In this case, it is desirable to sample at a position where the actual output change of the air-fuel ratio sensor can be grasped as accurately as possible.
[0202]
Further, the change in the air-fuel ratio also differs depending on the exhaust gas arrival time to the sensor and the sensor reaction time. Among them, the arrival time to the sensor varies depending on the exhaust gas pressure, the exhaust gas volume, and the like. Furthermore, sampling in synchronism with TDC results in sampling based on the crank angle, and therefore inevitably is affected by the engine speed. Thus, the detection of the air-fuel ratio largely depends on the operating state of the engine. Therefore, for example, in the technique described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 1-313,644, whether or not the detection is appropriate is determined for each predetermined crank angle. There is a possibility that it will not be able to be completed, and there will also be a disadvantage that the inflection point of the output of the air-fuel ratio sensor will be over when the detection is decided.
[0203]
FIG. 39 is a flow chart showing the sampling operation of the LAF sensor. Since the detection accuracy of the air-fuel ratio is closely related to the above-described observer estimation accuracy, before explaining the same figure, Now, the air-fuel ratio estimation by the observer will be briefly described.
[0204]
First, in order to accurately extract and extract the air-fuel ratio of each cylinder from the output of one LAF sensor, it is necessary to accurately clarify the detection response delay of the LAF sensor. Therefore, for the time being, this delay is modeled as a first-order lag system to create a model as shown in FIG. If LAF: LAF sensor output and A / F: input A / F, the state equation can be expressed by the following equation (30).
[0205]
[30]
Figure 0003822668
[0206]
When this is discretized with a period ΔT, it is as shown in Equation 31. FIG. 41 is a block diagram of Equation 31.
[0207]
[31]
Figure 0003822668
[0208]
Therefore, the true air-fuel ratio can be obtained from the sensor output by using Equation 31. That is, if the equation 31 is modified, the equation 32 is obtained, so that the value at the time k−1 can be calculated back as the equation 33 from the value at the time k.
[0209]
[Expression 32]
Figure 0003822668
[0210]
[Expression 33]
Figure 0003822668
[0211]
Specifically, if equation 31 is expressed as a transfer function using Z conversion, equation 34 is obtained, and the previous input air-fuel ratio is estimated in real time by multiplying the current LAF sensor output LAF by the inverse transfer function. be able to. FIG. 42 shows a block diagram of the real-time A / F estimator.
[0212]
[Expression 34]
Figure 0003822668
[0213]
Next, a method for separating and extracting the air-fuel ratio of each cylinder based on the true air-fuel ratio obtained as described above will be described. As described in the previous application, the air-fuel ratio of the collection part of the exhaust system is set to the air-fuel ratio of each cylinder. The value at the time k is considered as a weighted average considering the temporal contribution of the fuel ratio, and is expressed as in Expression 35. Since “F (fuel amount)” is a control amount, “fuel / air ratio F / A” is used here. However, in the following description, for convenience of understanding, “air / fuel ratio” is used as long as there is no problem. Incidentally, the air-fuel ratio (or fuel-air ratio) means a true value obtained by correcting the response delay previously obtained by Equation 34.
[0214]
[Expression 35]
Figure 0003822668
[0215]
That is, the air-fuel ratio of the collective portion is represented by the sum of the past combustion history of each cylinder multiplied by the weight Cn (for example, 40% for the most recently burned cylinder, 30% before it, etc.). This model can be represented by a block diagram as shown in FIG.
[0216]
The equation of state is as shown in Equation 36.
[0217]
[Expression 36]
Figure 0003822668
[0218]
Further, if the air-fuel ratio of the collecting portion is set to y (k), the output equation can be expressed as in Expression 37.
[0219]
[Expression 37]
Figure 0003822668
[0220]
In the above, since u (k) cannot be observed, x (k) cannot be observed even if the observer is designed from this state equation. Therefore, assuming that the air-fuel ratio before 4 TDC (that is, the same cylinder) is in a steady operation state in which the air-fuel ratio does not change abruptly, assuming x (k + 1) = x (k−3), Equation 38 is obtained.
[0221]
[Formula 38]
Figure 0003822668
[0222]
Here, a simulation result is shown about the model calculated | required as mentioned above. FIG. 44 shows a case where the fuel is supplied with the air-fuel ratio of 3 cylinders set to 14.7: 1 and only one cylinder set to 12.0: 1 for a 4-cylinder internal combustion engine. FIG. 45 shows the air-fuel ratio of the collecting portion obtained at that time obtained by the above model. In the figure, a step-like output is obtained, but if the response delay of the LAF sensor is further taken into consideration here, the sensor output has a waveform as shown as “model output value” in FIG. “Measured value” in the figure is the measured value of the LAF sensor output in the same case, but in comparison with this, it is verified that the above model well models the exhaust system of a multi-cylinder internal combustion engine.
[0223]
Therefore, this results in a problem of a normal Kalman filter that observes x (k) by the state equation and the output equation expressed by Equation 39. When the Riccati equation is solved with the load matrices Q and R as shown in Equation 40, the gain matrix K becomes as shown in Equation 41.
[0224]
[39]
Figure 0003822668
[0225]
[Formula 40]
Figure 0003822668
[0226]
[Expression 41]
Figure 0003822668
[0227]
From this, A-KC is obtained as shown in Equation 42.
[0228]
[Expression 42]
Figure 0003822668
[0229]
The general observer configuration is as shown in FIG. 47, but since there is no input u (k) in this model, only y (k) is input as shown in FIG. When expressed by a mathematical formula, it becomes as follows.
[0230]
[Equation 43]
Figure 0003822668
[0231]
Here, an observer having y (k) as an input, that is, a system matrix of the Kalman filter is expressed as in Expression 44.
[0232]
(44)
Figure 0003822668
[0233]
In this model, when the element of load distribution R of the Riccati equation: element of Q = 1: 1, the system matrix S of the Kalman filter is given by Equation 45.
[0234]
[Equation 45]
Figure 0003822668
[0235]
FIG. 49 shows a combination of the above model and an observer. Although the simulation results are shown in the previous application and are omitted, the air-fuel ratio of each cylinder can be accurately extracted from the collective part air-fuel ratio.
[0236]
Since each cylinder air-fuel ratio can be estimated from the collective part air-fuel ratio by the observer, the air-fuel ratio can be controlled for each cylinder using a control law such as PID. Specifically, as shown in FIG. 50 in which only the feedback portion by the observer in FIG. 36 is extracted, the collective portion feedback correction coefficient KLAF is obtained from the sensor output (collected portion air-fuel ratio) and the target air-fuel ratio using the PID control law. Then, a feedback correction coefficient #nKLAF (n: cylinder) for each cylinder is obtained from the observer estimated value # nA / F.
[0237]
More specifically, the feedback correction coefficient #nKLAF for each cylinder is a target value and an observer estimate obtained by dividing the aggregate air-fuel ratio by the previous calculation value of the average value for all cylinders of the feedback correction coefficient #nKLAF for each cylinder. The PID rule is used to eliminate the deviation from the value # nA / F.
[0238]
As a result, the air-fuel ratio of each cylinder converges to the collective air-fuel ratio, the collective air-fuel ratio converges to the target air-fuel ratio, and as a result, the air-fuel ratios of all cylinders converge to the target air-fuel ratio. Here, the fuel injection amount #nTout of each cylinder (defined by the valve opening time of the injector) is
#NTout = Tcyl x # nKLAF xKLAF
Is required.
[0239]
Returning to FIG. 39, the LAF sensor output sampling will be described. This program is activated at the TDC position.
[0240]
39, the engine speed Ne, the intake pressure Pb, and the valve timing V / T are first read in S1200, and the process proceeds to S1204 and S1206, where the timing map is for HiV / T and LoV / T. (It will be described later) is searched, and the process proceeds to S1208 to sample the sensor output used for the observer calculation for the Hi and Lo valve timings. Specifically, the timing map is searched from the engine speed Ne and the intake pressure Pb, and any one of the 12 buffers described above is set to No. And select a sampling value stored there.
[0241]
FIG. 51 is an explanatory diagram showing the characteristics of the timing map. As shown in the figure, the characteristics are selected such that the value sampled at an earlier crank angle is selected as the engine speed Ne is lower or the intake pressure (load) Pb is higher. Is set. Here, “early” means a value sampled at a position closer to the previous TDC position (in other words, an old value). Conversely, the higher the engine speed Ne or the lower the intake pressure Pb, the slower the crank angle, that is, the value sampled at the crank angle close to the later TDC position (in other words, a new value) is selected.
[0242]
That is, as shown in FIG. 38, the LAF sensor output is best sampled at a position as close as possible to the actual air-fuel ratio inflection point, but the inflection point, for example, the first peak value is Assuming that the sensor reaction time is constant, as shown in FIG. 52, the lower the engine speed, the faster the crank angle. Further, it is expected that the exhaust gas pressure and the exhaust gas volume increase as the load increases, so that the exhaust gas flow velocity increases and the time to reach the sensor is shortened. In that sense, the sample timing was set as shown in FIG.
[0243]
Further, regarding the valve timing, an arbitrary value Ne1 of the engine speed is set to Ne1-Lo for the Lo side and Ne-Hi for the Hi side, and an arbitrary value of the intake pressure is set to Pb1-LO for the Lo side and for the Hi side. Assuming Pb1-Hi, the map characteristics are
Pb1-Lo> Pb1-Hi
Ne1-Lo> Ne1-Hi
And That is, since the opening time of the exhaust valve is earlier than that of LoV / T in HiV / T, if the engine speed or intake pressure value is the same, the map characteristic is selected so that an early sampling value is selected. Set.
[0244]
Next, the processing proceeds to S1210, where the observer matrix operation is performed for HiV / T, and then the processing proceeds to S1212, where the same operation is performed for LoV / T. Subsequently, the process proceeds to S1214, where the valve timing is determined again, and according to the determination result, the process proceeds to S1216, S1218, and the calculation result is selected and the process ends.
[0245]
In other words, since the behavior of the air-fuel ratio gathering portion changes with the switching of the valve timing, it is necessary to change the observer matrix. However, the estimation of the air-fuel ratio of each cylinder is not instantaneous, and several calculations are required until the calculation of the air-fuel ratio of each cylinder finishes.Therefore, the calculation using the observer matrix before the valve timing is changed The calculation using the observer matrix after the change is overlapped, and even if the valve timing is changed, it can be selected according to the changed valve timing in S1214. After each cylinder is estimated, as described above, the feedback correction coefficient is obtained so as to eliminate the deviation from the target value, and the injection amount is determined.
[0246]
With this configuration, the air-fuel ratio detection accuracy can be improved. That is, as shown in FIG. 53, since sampling is performed at a relatively short interval, the sampling value reflects the sensor output almost faithfully, and the values sampled at the relatively short interval are sequentially stored in the buffer group. The inflection point of the sensor output is predicted according to the engine speed and the intake pressure (load), and a corresponding value is selected from the buffer group at a predetermined crank angle. Thereafter, the observer calculation is performed to estimate the air-fuel ratio of each cylinder, and the feedback control for each cylinder of the air-fuel ratio can be performed as described with reference to FIG.
[0247]
Therefore, as shown in the lower part of FIG. 53, the CPU core 70 can accurately recognize the maximum value and the minimum value of the sensor output. Therefore, even when the air-fuel ratio of each cylinder is estimated using this observer using the above-described configuration, a value approximating the actual air-fuel ratio behavior can be used to improve the observer's estimation accuracy. The accuracy when the cylinder-by-cylinder air-fuel ratio feedback control described with respect to 50 is performed is also improved. The details are described in detail in Japanese Patent Application No. 6-243,277 previously proposed by the applicant of the present application, and further description thereof will be omitted.
[0248]
The above is the sampling operation (indicated as Sel-VOBSV in FIG. 36) performed by the observer for the LAF sensor output, but the STR controller also performs a similar sampling operation (indicated in FIG. 36 as Sel-VSTR).
[0249]
That is, this Sel-VSTR is also obtained according to the same procedure as that performed by Sel-VOBSV, that is, the procedure shown in the flow chart similar to FIG. Sel-VOBSV detects the air-fuel ratio at the most convenient timing for the cylinder-by-cylinder air-fuel ratio estimation by the observer (for example, the timing at which the aforementioned weighting factor C of the observer is optimal for the model). VSTR uses the same map as Sel-VOBSV shown in FIG. 51 so that the most convenient timing for operating the STR (for example, the detection timing of the air-fuel ratio most affected by the cylinder in the latest exhaust stroke) To detect the air-fuel ratio.
[0250]
Based on the above, the tenth embodiment will be described with reference to the flowchart of FIG. 35. The same steps S1100 to S1110 as in the first embodiment are passed to S1112 where LAF sensor output by Sel-VSTR is performed. Sampling, that is, the air-fuel ratio KACT (k) is detected. Next, the processing proceeds to S1114, and the feedback correction coefficient KSTR is calculated as in the first embodiment. More specifically, this is performed using the flowchart of FIG. 11 used in the first embodiment.
[0251]
Subsequently, the flow proceeds to S1116 and S1118 to obtain the required fuel injection amount Tcyl (k) and the output fuel injection amount Tout (k), and the flow proceeds to S1120 to sample the LAF sensor output by Sel-VOBSV, that is, the equivalent ratio KACT (k ) Is detected. Next, in S1122, the air-fuel ratio # nA / F of each cylinder is estimated via the above-described observer, and in S1124, the feedback correction coefficient #nKLAF for each cylinder is calculated, and in S1126, the weighted average with the previous value is calculated. The learning value #nKLAFsty is obtained from the value, etc., and the routine proceeds to S1128, where the output fuel injection amount Tout is corrected by multiplying by the feedback correction coefficient #nKLAF for each cylinder to obtain the output injection amount #nTout of that cylinder, and the routine proceeds to S1130 and the intake pipe The wall surface adhesion correction is performed, and the process proceeds to S1132 for output.
[0252]
If the result in S1108 through S1110 is negative, the program proceeds to S1134, where the required fuel injection amount Tcyl (k) is obtained as shown in the figure, the program proceeds to S1136, the learning value of the feedback correction coefficient #nKLAFsty for each cylinder is read, and the program proceeds to S1138. Let the learning value be the correction coefficient #nKLAF. If it is determined in S1104 that the fuel cut has occurred, the process proceeds to S1146 through S1144 to stop the matrix calculation, and the process proceeds to S1148 to set the feedback correction coefficient for each cylinder to the previous value. The remaining steps are not different from those of the first embodiment.
[0253]
Since the tenth embodiment is configured as described above, the input to the parameter adjustment mechanism is synchronized with the combustion cycle while calculating the adaptive parameter as in the first embodiment. Thus, the adaptive controller can be used for an actual machine while ensuring controllability, and at the same time, the variation between cylinders can be reduced.
[0254]
Similarly to the first embodiment, the average value of the air-fuel ratio KACT during one combustion cycle or the average value of the adaptive parameter for all cylinders is obtained and input to the parameter adjustment mechanism, and the average value of the output of the STR controller is also obtained. Therefore, it is not greatly affected by the combustion state of the specific cylinder.
[0255]
In the tenth embodiment, the average value of the adaptive parameter θ hat or KSTR may be obtained as in the second embodiment, or the average value of the air-fuel ratio KACT and the adaptive parameter θ hat is obtained together. It goes without saying that it is also good. Further, the target air-fuel ratio KCMD (k) may be the same value for all cylinders.
[0256]
In the tenth embodiment, the second embodiment, the third embodiment, the fourth embodiment, the fifth embodiment, the sixth embodiment, and the seventh embodiment. The descriptions of the embodiment, the eighth embodiment, and the ninth embodiment are all valid.
[0257]
54 and 55 are a flow chart and a block diagram showing an eleventh embodiment of the apparatus according to this application.
[0258]
In the case of the eleventh embodiment, as shown in FIG. 55, the STR controller and the parameter adjustment mechanism are inserted in series in the fuel injection amount calculation system. That is, as in the first embodiment, the basic fuel injection amount Tim is multiplied by the target air-fuel ratio correction coefficient KCMDM and various correction coefficients KTOTAL to obtain the required fuel injection amount Tcyl (k), and then the corrected required fuel is corrected. The injection amount Tcyl (k) is input to the STR controller.
[0259]
On the other hand, the average value KACTAVE or θ hat AVE is obtained from the detected exhaust system collective part air-fuel ratio in the same manner as in the first embodiment, and the required fuel injection amount Tcyl (k) is dynamically corrected by the STR controller. The corrected fuel injection amount Gfuel-str (k) is calculated.
[0260]
At the same time, the feedback correction coefficient KLAF of the collective part is obtained from the detected exhaust system collective part air-fuel ratio using the PID control law, and is multiplied by the required fuel injection quantity Tcyl (k) to obtain the corrected fuel injection quantity Gfuel-KLAF (k) Is calculated.
[0261]
In FIG. 55, the STR controller adaptively outputs the fuel injection amount Gfuel-str (k) so that the actual intake fuel amount (more precisely, the estimated intake fuel amount) Gfuel (k) matches the target fuel amount Tcyl (k). ) Is calculated and supplied to the internal combustion engine as the output fuel injection amount Tout (k). The wall surface adhesion correction in the virtual plant is described in detail in Japanese Patent Application No. 4-200331 (Japanese Patent Laid-Open No. 6-17681) previously proposed by the present applicant, and the gist of the present invention is not there. Therefore, explanation is omitted.
[0262]
Here, the actual intake fuel amount Gfuel (k) can be obtained by dividing the detected air amount by the detected air-fuel ratio, but in the case of the embodiment, an air amount detector (air flow meter) is provided. Therefore, the target intake fuel amount (required injection amount) Tcyl (k) is multiplied by the detected air-fuel ratio. As a result, the actual intake fuel amount can be obtained equivalently to the detection of the air amount. As described above, in this control, the target air-fuel ratio and the detected air-fuel ratio are actually expressed as equivalent ratios.
[0263]
If the target air-fuel ratio is not the stoichiometric air-fuel ratio, the actual intake fuel amount is obtained by further dividing the calculated value by the target air-fuel ratio. That is, the actual intake fuel amount is calculated when the target air-fuel ratio is the stoichiometric air-fuel ratio.
Actual intake fuel amount = required injection amount (target intake fuel amount) x detected air-fuel ratio (equivalent ratio)
When the target air-fuel ratio is other than the stoichiometric air-fuel ratio,
Figure 0003822668
Ask for.
[0264]
The above will be described with reference to the flow chart of FIG. 54. Steps S1300 to S1316 are the same as those in the previous embodiments, and the flow proceeds to S1318. The average value KACTAVE of the air-fuel ratio and the average value θ hat of the adaptive parameter θ hat Calculate AVE.
[0265]
Subsequently, the process proceeds to S1324 through S1320 to S1322, and the instability determination of the adaptive control system (STR controller) is performed similarly to the first embodiment.
[0266]
FIG. 56 is a subroutine flow chart showing the work.
[0267]
Describing according to the figure, first, in step S1400, the stability of the STR control system is determined using each element of the adaptive parameter θ hat.
[0268]
Specifically, the fuel injection amount Gfuel-STR (k) calculated by the STR controller is calculated as shown in Equation 46.
[0269]
[Equation 46]
Figure 0003822668
[0270]
Here, assuming that the adhesion correction is correct, the transfer function of the virtual plant is as shown in Equation 47.
[0271]
[Equation 47]
Figure 0003822668
[0272]
From Equations 46 and 47, the transfer function from Tcyl (k) to the injection amount Gfuel-STR (k) is as shown in Equation 48.
[0273]
[Formula 48]
Figure 0003822668
[0274]
Here, since b0 is a scalar quantity that determines the gain and cannot be 0 or negative, the denominator function f (z) = b0z of the transfer function of Formula 48Three+ R1z2+ R2z + r3 + s0 is one of the functions shown in FIG. Therefore, it is determined whether or not the real root is in the unit circle, that is, whether or not f (−1) <0 to f (1)> 0 is determined as shown in FIG. When affirmed, the real root is in the unit circle, so it can be easily determined whether or not the system is stable.
[0275]
In S1402, it is determined from the above whether or not the STR controller system is unstable. If the determination is affirmative, the process proceeds to S1404 to return the adaptive parameter θ hat to the initial value. Thereby, the stability of the system can be recovered. In step S1406, the gain matrix Γ is corrected. Since the gain matrix Γ determines the convergence speed, this correction is performed so as to slow down the convergence speed, and the stability of the system can be similarly restored. Subsequently, the process proceeds to S1408, and as shown in the figure, the correction coefficient KLAF (k) according to the PID control law is used as the feedback correction coefficient, the corrected fuel injection amount Gfuel-KLAF is used, and the addition term TTOTAL is added to the output fuel injection amount Tout. Determine (k).
[0276]
If it is determined in S1402 that the STR controller system is not unstable, the process proceeds to S1410, and as shown in FIG. str (k) is used, and an addition term TTOTAL is added thereto to determine the output fuel injection amount Tout (k).
[0277]
Returning to the flow chart of FIG. 54, the routine proceeds to S1326, where the output fuel injection amount is output and the processing ends. In the case of the eleventh embodiment, the calculation of the average value such as the air-fuel ratio is not limited to the predetermined crank angle of the specific cylinder, but may be performed at the predetermined crank angle of each cylinder, unlike the previous embodiment. . The remaining configuration is not different from the previous embodiment.
[0278]
The eleventh embodiment is configured as described above. As in the first embodiment, the input to the parameter adjustment mechanism may be synchronized with the combustion cycle while calculating the adaptive parameter. In this case, the parameter adjustment is performed. The calculation load of the mechanism is greatly reduced, and it is possible to use an adaptive controller for an actual machine while ensuring controllability. Further, the controllability can be improved by reducing the dead time.
[0279]
Also in the eleventh embodiment, the average value of the control amounts of all the cylinders is obtained and input to the parameter adjustment mechanism, so that it is not greatly affected by the combustion state of the specific cylinder.
[0280]
As described above, in the present invention, the air-fuel ratio detection means for detecting the exhaust air-fuel ratio of the internal combustion engine, the fuel injection amount control means for controlling the fuel injection amount of the internal combustion engine for each fuel control cycle, and at least detected In a fuel injection control device for an internal combustion engine, comprising a recurrence type controller that matches the fuel injection amount as a manipulated variable with a target value using a recurrence type controller based on an exhaust air-fuel ratio, The recurrence type controller is configured to operate in synchronization with a longer period than the fuel control cycle in a predetermined operation state.
[0281]
In the first to eleventh embodiments, the simple average value is shown as the average value. However, the average value is not limited thereto, and may be a weighted average value, a moving average value, a weighted moving average value, or the like. Further, the average value during one combustion cycle in which the input to the parameter adjusting mechanism is performed in synchronization is obtained, but the average value before two combustion cycles may be obtained, or less than one combustion cycle, for example, between 2 and 3 TDC You may obtain | require the average value of.
[0282]
It is natural that Sel-VOBSV and Sel-VSTR are provided separately, and the optimum air-fuel ratio should be detected for each. As described above, depending on the engine characteristics and the layout of the exhaust system, Since Sel-VSTR shows almost the same detected air-fuel ratio in most operating regions, in such a case, these sampling functions are unified to detect the air-fuel ratio, and the output is obtained by both the observer and the STR. It may be used for input. For example, only Sel-VOBSV in FIG. 36 may be used, and the output thereof may be used for the observer and the STR.
[0283]
Further, although the equivalent ratio is actually used as the air-fuel ratio in the first embodiment or the like, it goes without saying that the air-fuel ratio and the equivalent ratio may be determined separately. Further, the feedback correction coefficients KSTR, #nKLAF, KLAF are obtained as multiplication terms, but may be obtained as addition values.
[0284]
In the above description, STR is taken as an example of the adaptive controller, but MRACS (model reference adaptive control) may be used.
[0285]
In the above description, the output of a single air-fuel ratio sensor provided in the exhaust system collecting portion is used. However, the present invention is not limited to this. Fuel ratio feedback control may be performed.
[0286]
【The invention's effect】
  According to the first aspect, the adaptive control can be continued even in the operation state in which the calculation load is reduced and the calculation time is reduced, such as at high rotation, and good controllability can be obtained.In addition, the calculation of the adaptive parameter adjustment mechanism, which requires time, is executed at a rate of once every a plurality of times of the control period of the adaptive controller, and the amount of calculation can be effectively reduced while ensuring controllability. In addition, the number of computations of the adaptive controller that performs fuel control is relatively increased, and adaptive control can be continued while ensuring good controllability even in operating conditions where the computation time decreases, such as during high revolutions. Good controllability can be obtained. In addition, by continuously using the manipulated variable determined by the adaptive parameter adjustment mechanism over a period that is an integral multiple of the fuel control cycle, it can be applied even in operating conditions where the computation load is further reduced and the computation time is reduced, such as during high revolutions. Control can be continued more easily, and good controllability can be obtained. In addition, it is possible to reliably detect operating conditions where the calculation time decreases, such as during high revolutions, thereby reducing the calculation load. Sex can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view showing an overall fuel injection control device for an internal combustion engine according to the present application.
FIG. 2 is an explanatory view showing details of an exhaust gas recirculation mechanism in FIG. 1;
FIG. 3 is an explanatory view showing details of the canister / purge mechanism in FIG. 1;
FIG. 4 is an explanatory diagram showing valve timing characteristics of the variable valve timing mechanism in FIG. 1;
FIG. 5 is a block diagram showing details of a control unit in FIG. 1;
FIG. 6 is a main flow chart showing the operation of the fuel injection control device for an internal combustion engine according to this application.
FIG. 7 is a block diagram functionally showing the operation of the flowchart of FIG.
FIG. 8 is a timing chart showing an example of the operation of an adaptive controller used in the fuel injection control device for an internal combustion engine according to this application.
FIG. 9 is a timing chart showing another example of the operation of the adaptive controller used in the fuel injection control device for an internal combustion engine according to this application.
FIG. 10 is a block diagram in which the configuration of the timing chart of FIG. 8 is rewritten focusing on the STR controller and the adaptive parameter adjustment mechanism.
11 is a subroutine flow chart showing an operation of calculating an average value such as a feedback correction coefficient according to the adaptive control law of FIG. 6 flow chart.
FIG. 12 is a timing chart for explaining the calculation work of the flowchart of FIG. 11;
FIG. 13 is a subroutine flow chart for explaining instability determination of the adaptive control system in the flowchart of FIG. 6;
FIG. 14 is an explanatory diagram for explaining instability determination in the flow chart of FIG. 13;
15 is an explanatory view similar to FIG. 14 for explaining the instability determination work of the flow chart of FIG. 13;
FIG. 16 is a timing chart showing another example of the operation of the adaptive controller similar to FIG. 8;
FIG. 17 is a timing chart showing another example of the operation of the adaptive controller similar to FIG. 8;
FIG. 18 is a flowchart showing a second embodiment of the apparatus according to the present application.
FIG. 19 is an explanatory diagram showing characteristics of a map used in the flowchart of FIG. 18;
FIG. 20 is an explanatory diagram showing characteristics of a table used in the flowchart of FIG. 18;
FIG. 21 is an explanatory diagram showing the characteristics of the same table as in FIG. 20 used in the flowchart of FIG. 18;
FIG. 22 is an explanatory diagram showing the same table characteristics as FIG. 20 used in the flowchart of FIG. 18;
FIG. 23 is an explanatory diagram showing the same table characteristics as FIG. 20 used in the flowchart of FIG. 18;
FIG. 24 is a flowchart showing a third embodiment of the apparatus according to the present application.
FIG. 25 is a flowchart showing a fourth embodiment of the apparatus according to the present application.
FIG. 26 is an explanatory diagram showing the characteristics of the dead band used in the flowchart of FIG. 25.
FIG. 27 is a flowchart showing a fifth embodiment of the apparatus according to the present application.
FIG. 28 is an explanatory diagram showing characteristics of limiters used in the flowchart of FIG. 27;
FIG. 29 is a flowchart showing a sixth embodiment of the apparatus according to the present application.
30 is an explanatory diagram showing the characteristics of a map used in the flowchart of FIG. 29. FIG.
FIG. 31 is a flowchart showing a seventh embodiment of the apparatus according to the present application.
FIG. 32 is an explanatory diagram for explaining the operation of the flowchart of FIG. 31;
FIG. 33 is a flowchart showing an eighth embodiment of the apparatus according to the present application.
FIG. 34 is a flowchart showing a ninth embodiment of the apparatus according to the present application.
FIG. 35 is a flowchart showing a tenth embodiment of an apparatus according to this application.
FIG. 36 is a block diagram for explaining the operation of the flowchart of FIG. 35;
FIG. 37 is an explanatory diagram showing the relationship between the TDC of a multi-cylinder internal combustion engine and the air-fuel ratio of the exhaust system collecting portion.
FIG. 38 is an explanatory diagram showing the quality of sample timing with respect to the actual air-fuel ratio.
FIG. 39 is a flowchart showing the sampling operation of the air-fuel ratio in the Sel-V block of the block diagram of FIG. 36.
FIG. 40 is a block diagram showing an example of modeling the detection operation of the air-fuel ratio sensor described in the previous application in one of the observer explanatory diagrams of the block diagram of FIG.
41 is a model obtained by discretizing the model shown in FIG. 40 with a period ΔT.
FIG. 42 is a block diagram showing a true air-fuel ratio estimator modeling the detection behavior of the air-fuel ratio sensor.
FIG. 43 is a block diagram showing a model showing the behavior of the exhaust system of the internal combustion engine.
FIG. 44 shows a case where fuel is supplied using a model shown in FIG. 43 with a three-cylinder air-fuel ratio of 14.7: 1 and an air-fuel ratio of one cylinder of 12.0: 1 for a four-cylinder internal combustion engine. It is a data diagram.
45 is a data diagram showing the air-fuel ratio of the collective portion of the model in FIG. 43 when the input shown in FIG. 44 is given.
FIG. 46 compares the data representing the air-fuel ratio of the collective portion of the model of FIG. 43 taking into account the response delay of the LAF sensor when the input shown in FIG. 44 is given, and the measured value of the LAF sensor output in the same case. FIG.
FIG. 47 is a block diagram showing a configuration of a general observer.
FIG. 48 is a block diagram showing the structure of the observer used in the previous application in the observer shown in the block diagram of FIG. 36.
49 is an explanatory block diagram illustrating a configuration in which the model illustrated in FIG. 43 and the observer illustrated in FIG. 48 are combined.
50 is a block diagram showing air-fuel ratio feedback control in the block diagram of FIG. 36. FIG.
FIG. 51 is an explanatory diagram showing characteristics of a timing map used in the flowchart of FIG. 39;
52 is an explanatory diagram illustrating sensor output characteristics with respect to engine speed and engine load, illustrating the characteristics of FIG. 51. FIG.
FIG. 53 is a timing chart illustrating a sampling operation in the flowchart of FIG. 39.
FIG. 54 is a flowchart showing an eleventh embodiment of an apparatus according to this application.
FIG. 55 is a block diagram for explaining the operation of the flow chart of FIG. 54.
FIG. 56 is a subroutine flow chart showing instability determination work of the adaptive control system of FIG. 54 flow chart.
FIG. 57 is a timing chart for explaining a dead time in calculating the fuel injection amount of the internal combustion engine.
[Explanation of symbols]
10 Internal combustion engine
12 Intake pipe
20 Intake manifold
22 Injector
24 Exhaust manifold
26 Exhaust pipe
28 Catalyst unit
34 Control unit
54 Wide-area air-fuel ratio sensor (LAF sensor)
100 Exhaust gas recirculation mechanism
200 canister purge mechanism
300 Variable valve timing mechanism
400 switching mechanism

Claims (1)

a.内燃機関の排気空燃比を検出する空燃比検出手段、
b.前記内燃機関の燃料噴射量を制御する燃料噴射量制御手段、
c.前記燃料噴射量を操作量として前記検出された排気空燃比が目標空燃比に一致するように前記検出された排気空燃比と前記目標空燃比の偏差に基づいてフィードバック補正係数を算出してフィードバック制御を実行する適応制御器、
および
d.前記適応制御器で用いる適応パラメータを算出する適応パラメータ調整機構、
からなる内燃機関の燃料噴射制御装置において、
e.前記内燃機関の少なくとも機関回転数を含む運転状態を検出する運転状態検出手段、
を備え、前記適応制御器と適応パラメータ調整機構の制御周期を燃料制御周期の整数倍とすると共に、前記検出された機関回転数の上昇に応じて前記適応パラメータ調整機構の制御周期を前記適応制御器の制御周期より大きくすることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
a. Air-fuel ratio detection means for detecting the exhaust air-fuel ratio of the internal combustion engine,
b. Fuel injection amount control means for controlling the fuel injection amount of the internal combustion engine;
c. Feedback control is performed by calculating a feedback correction coefficient based on a deviation between the detected exhaust air-fuel ratio and the target air-fuel ratio so that the detected exhaust air-fuel ratio matches the target air-fuel ratio with the fuel injection amount as an operation amount. An adaptive controller that performs,
And d. An adaptive parameter adjustment mechanism for calculating an adaptive parameter used in the adaptive controller;
In a fuel injection control device for an internal combustion engine comprising:
e. An operating state detecting means for detecting an operating state including at least the engine speed of the internal combustion engine;
The control cycle of the adaptive controller and the adaptive parameter adjustment mechanism is an integral multiple of the fuel control cycle, and the control cycle of the adaptive parameter adjustment mechanism is adjusted according to the detected increase in engine speed. A fuel injection control device for an internal combustion engine, wherein the fuel injection control device is longer than a control period of the compressor.
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