JP3821184B2 - Permanent magnet motor - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機や冷蔵庫のコンプレッサ等に用いるインナーロータ型の永久磁石電動機に係り、さらに詳しく言えば、コアシート自体にバランスフェイトを持たせて別部品のバランスウェイトを必要としない永久磁石電動機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の永久磁石電動機のインナーロータの構成は、ロータコアに永久磁石を埋設してする、例えば図5に示すものが提案されている。図5に示すように、24スロットのステータコア1内のロータコア2には、当該永久磁石電動機の極数(4極)分だけ板状の永久磁石3が外径に沿って円周方向に配置され、かつそれら隣接する永久磁石3の間に磁束の短絡、漏洩を防止するためのフラックスバリア4が形成されている。なお、5は中心孔(シャフト用の孔)である。
【0003】
ここで、永久磁石3による空隙部(ステータコア1の歯と永久磁石3との間)の磁束分布が正弦波状になっているものとすると、永久磁石電動機のトルクTはT=Pn{Φa・Ia・cosβ−0.5(Ld−Lq)・I2・sin2β}で表される。なお、Tは出力トルク、Φaはd,q座標軸上の永久磁石による電機子鎖交磁束、Ld,Lqはd,q軸インダクタンス、Iaはd,q座標軸上の電機子電流の振幅、βはd,q座標軸上の電機子電流のq軸からの進み角、Pnは極対数である。
【0004】
前記数式において、第1項は永久磁石3によるマグネットトルクであり、第2の2項はd軸インダクタンスとg軸インダクタンスとの差によって生じるリラクタンストルクである。詳しくは、T.IEE Japan,Vol.117―D,No7,1997の論文を参照されたい。
【0005】
ところで、図6に示すように、空気調和機や冷蔵庫のコンプレッサは、主に圧縮機構部Aおよび電動機部(永久磁石電動機)Bから構成されており、永久磁石電動機の回転により冷媒が圧縮される。この場合、圧縮機構部Aにおける規則的負荷変動(回転のアンバランス)を矯正する必要があるため、電動機部B側にバランスウェイトを付けている。
【0006】
例えば、図7および図8に示すように、ロータコア2をカシメピン6でかしめる際、バランスウェイトの変形円板7も同時にかしめる。このように、前記圧縮機構部Aにおける回転のアンバランスに対して逆バランスをロータコア2側にもたせることにより、回転のアンバランスを矯正することができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記永久磁石電動機においては、バランスウェイトの変形円板7を取り付けるためは、モータ部品以外の部品を必要とし、結果コスト高になってしまうだけなく、製造工数の増加によるコストアップも避けられない。また、高回転時には、遠心力も大きくなり、バランスウェイトの変形円板8が脱落すると言った危険性もある。
【0008】
本発明は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、バランスウェイトの機能をロータコア自体に持たせることにより、別部品としてのバランスウェイトを不要とし、しかも製造工数によるコストアップなしに済ませることができるようにした永久磁石電動機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、ロータコアを内部に有する永久磁石電動機において、前記ロータコアには、リラクタンストルク調整用のスリットを有しリラクタンストルクのみを発生する第1のコアと、極数分の永久磁石をコア外周に沿って等間隔に埋設してマグネットトルクを発生する第2のコアとが同軸的に含まれ、前記第1のコアを構成するコアシートの一部分を切り取って前記ロータコアにバランスウェイトを持たせるにあたって、前記リラクタンストルク発生用のスリットを含むように前記第1のコアの一部分を切り取ることを特徴としている。
【0010】
この場合、請求項2に記載されているように、前記第1のコアには、前記第2のコアの永久磁石の両端部に対向してフラックスバリア用の孔を形成するとともに、前記リラクタンス調整用のスリットを前記永久磁石の断面内に納まるようにすることが好ましい。
【0011】
また、請求項3に記載されているように、前記第1のコアの切り取る箇所を複数箇所とし、あるいは一部分を切り取るコアシートを複数枚としてもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1ないし図4を参照して詳しく説明する。なお、図中、図5と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
【0013】
本発明の永久磁石電動機は、永久磁石を有せずにリラクタンストルクのみを発生するコア(第1のコア)と、永久磁石を有するコア(第2のコア)とによりインナーコアを構成すれば、第1のコアを構成するコアシートの一部分を切り取ることによりバランスウェイトの機能を発揮させることができることに着目にしたものである。
【0014】
そのために、図1ないし図3に示すように、この永久磁石電動機のロータコア10は、永久磁石を有せず、フラックスバリア用の孔11aおよびリラクタンス調整用のスリット11bを有する第1のコア(鉄心)11と、各磁極毎にほぼ断面扇状の永久磁石12aをコア外周に沿って等間隔に埋設した第2のコア(鉄心)12とからなる。なお、図2は図1示すロータコア10の上面図(図1の右側面図)、図3はそのロータコア10の底面図(図1の左側面図)である。
【0015】
図2および図4に示すように、第1のコア11はコアの一部を切り取って切取部kを形成し、ロータコア10にバランスウェイトをもたせている。この場合、第1のコア11の切取部kはスリット11bを利用することが好ましい。すなわち、切取部kがスリット11bを含むようにする。
【0016】
フラックスバリア用の孔11aは、永久磁石12aの両端部に対向して形成し、かつその永久磁石12aの断面内に含まれるように形成する。リラクタンス調整用のスリット11bは、d軸とq軸インダクタンスとの差を大きくすることを目的とし、凸部を中心孔(シャフト用)13に向けた逆円弧状の孔でコア外周に沿って等間隔に形成し、かつ永久磁石12aの断面内に含まれるように形成する。これにより、q軸インダクタンスLqが大きく、d軸インダクタンスLdが小さくなり、つまりインダクタンスの差(Lq−Ld)が大きくなり、リラクタンストルクを発生させることができる。
【0017】
なお、後述する自動積層方式により、第1のコア11と第2のコア12とを一体して形成するが、フラックスバリア用の孔11aおよびリラクタンス調整用のスリット11bが永久磁石11aの孔に含まれるようにする。また、14はリベットであり、15はかしめ部である。なお、第1のコア11は、ロータコア10の2割以内、つまり後述する積層した長さ(全積層長)の2割以内の程度にすると好ましい。
【0018】
ところで、ロータコア10の製造においては、コアプレス金型を用いて自動プレスで電磁鋼板を打ち抜き、金型内でかしめて第1および第2のコア11,12を一体的に形成するコア積層方式(自動積層方式)を採用する。
【0019】
このプレス加工工程では、第1のコア11を打ち抜くとき、少なくとも第2のコア12の永久磁石12aに相当する孔を打ち抜かず、フラックスバリア用の孔11a、リラクタンス調整用のスリット11bを打ち抜くとともに、バランスウェイトを付けるためにそのスリット11bを含んだ一部を切り取り、第2のコア12を打ち抜くとき、孔11a、スリット11および永久磁石12aの孔を打ち抜く。
【0020】
また、カシメピン14を通す孔は、第1および第2のコア11,12のプレス加工時に打ち抜き、かしめ部15は第1および第2のコア11,12のコアシート10aを積層する毎に形成する。したがって、従来の自動積層方式によるプレス加工をそのまま利用することができる。
【0021】
このようにして、自動的にプレス、積層されたコアをかしめた後、永久磁石12aの孔にフェライト磁石を埋設して蓋をし、カシメピン14を通してロータコア10をかしめ、かつ永久磁石12aを磁化、着磁する。なお、図4について追加説明をすると、これには、24スロットのステータコア1に三相(U相、V相およびW相)の電機子巻線が施されているが、スロット数や電機子巻線が異なっていてもよい。また、ステータコア1においては、例えば外径側の巻線をU相、内径側の巻線をW相、その中間の巻線をV相としてもよい。
【0022】
このように、第1のコア11自体にバランスウェイトをもたせることから、新たな部品を使用せずに済み、つまり別部品のバランスウェイトを廃止することができるため、その分、モータのコストダウンを図ることができる。
【0023】
また、従来の自動積層方式によって第1および第2のコア11,12を製造することができ、ロータコア10の製造工数が少なくなるため、よりモータの低コスト化を実現することができる。さらに、バランスウェイトの脱落等の問題が起こることもなく、信頼性の向上も図ることができる。
【0024】
一方、第1のコア11によってリラクンタンストルクを発生し、かつ第2のコア12によってマグネットトルクを発生し、つまり必要なモータトルクを得ることが可能であり、ひいてはモータの効率低下も抑えることができる。また、前述により形成されるロータコアを組み込んでブラシレスDCモータとし、空気調和機の圧縮機モータ等として利用すれば、コストをアップすることなく、空気調和機の性能アップ(運転効率の上昇、振動や騒音の低下)を図ることができる。
【0025】
なお、第1のコア11の切取部kの大きさは、必要とするバランスウェイトに応じて変えればよく、またコアシートの枚数を変えるようにしてもよい。また、その切取部kの箇所については、1箇所でなくとも、特に多相多極モータである場合には複数の箇所を切り取るようにするとよい。したがって、モータの使用状況によって、適応的なバランスウェイを付けることができる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によると、ロータコアを内部に有する永久磁石電動機において、前記ロータコアには、リラクタンストルク調整用のスリットを有しリラクタンストルクのみを発生する第1のコアと、極数分の永久磁石をコア外周に沿って等間隔に埋設してマグネットトルクを発生する第2のコアとが同軸的に含まれ、前記第1のコアを構成するコアシートの一部分を切り取って前記ロータコアにバランスウェイトを持たせるにあたって、前記リラクタンストルク発生用のスリットを含むように前記第1のコアの一部分を切り取るようにしたことにより、ロータコア自体にバランスウェイト機能をもたせることができ、したがって別部品のバランスウェイトを必要としないことから、モータのコストダウンを図ることができる。また、切取部でもリラクタンストルクが発生されることから、リラクタンストルクの発生に影響を与えることがなく、また、自動積層方式によるロータコアの製造時におけるコストアップがないため、モータのコストアップにはならずに済むという効果がある。
【0027】
請求項2に記載の発明によると、請求項1における第1のコアには、前記第2のコアの永久磁石の両端部に対向してフラックスバリア用の孔を形成するとともに、前記リラクタンス調整用のスリットを前記永久磁石の断面内に納まるようにしてなるので、請求項1の効果に加え、フラックスバリアによって磁束の短絡、漏洩を防止することができ、またフラックスバリア用の孔およびスリットが永久磁石の断面内に納まることから、従来のロータコアの自動積層方式を利用することができ、つまり製造のコストアップがならずに済むという効果がある。
【0028】
請求項3に記載の発明によると、前記第1のコアの切り取る箇所を複数箇所とし、あるいは一部分を切り取るコアシートを複数枚とすることにより、請求項1の効果に加え、種々の重量のバランスウェイトを付けることができ、つまり適応的なバランスウェイトをもたせることができるという有用な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による永久磁石電動機に含まれるロータコアの実施形態を示す概略的な縦断面図。
【図2】図1に示すロータコアの概略的な上面図(図1の右側面図)。
【図3】図1に示すロータコアの概略的な底面図(図1の左側面図)。
【図4】図1に示すロータコアを有する永久磁石電動機の概略的な平面図。
【図5】従来の永久磁石電動機を示す概略的な平面図。
【図6】図5に示す永久磁石電動機を用いたコンプレッサを示す概略的な断面図。
【図7】従来の永久磁石電動機のロータコアを示す概略的な側面図。
【図8】図7に示すロータコアの上面図(図7の右側面図)。
【符号の説明】
1 ステータコア
10 ロータコア(磁石埋込型界磁鉄心)
11 第1のコア
11a 孔(フラックスバリア用)
11b スリット(リラクタンス調整用の孔)
12 第1のコア
12a 永久磁石
13 中心孔(シャフト用)
14 カシメピン
15 かしめ部
k 切取部[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an inner rotor type permanent magnet motor used for an air conditioner, a compressor of a refrigerator, and the like. More specifically, the core sheet itself has a balance weight and does not require a separate balance weight. It relates to an electric motor.
[0002]
[Prior art]
As a configuration of the inner rotor of this type of permanent magnet motor, for example, a configuration shown in FIG. 5 in which a permanent magnet is embedded in a rotor core has been proposed. As shown in FIG. 5, on the
[0003]
Here, assuming that the magnetic flux distribution in the gap (between the teeth of the
[0004]
In the above equation, the first term is the magnet torque generated by the
[0005]
By the way, as shown in FIG. 6, the compressor of an air conditioner or a refrigerator is mainly composed of a compression mechanism part A and an electric motor part (permanent magnet motor) B, and the refrigerant is compressed by the rotation of the permanent magnet motor. . In this case, since it is necessary to correct the regular load fluctuation (rotation imbalance) in the compression mechanism part A, a balance weight is attached to the motor part B side.
[0006]
For example, as shown in FIGS. 7 and 8, when the
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the permanent magnet motor, in order to attach the
[0008]
SUMMARY OF THE INVENTION The present invention has been made in view of the above problems, and its object is to eliminate the need for a balance weight as a separate part by providing the balance weight function in the rotor core itself, and without increasing the cost due to manufacturing steps. It is an object of the present invention to provide a permanent magnet motor that can be used.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a first aspect of the present invention is the permanent magnet motor having a rotor core therein, wherein the rotor core has a slit for adjusting reluctance torque and generates only reluctance torque. a core, includes a second core coaxially to generate Ma Gunetto torque is embedded at equal intervals along the core periphery a pole number of the permanent magnets, the core sheet constituting the first core when cut a portion Taseru lifting the balance weight to the rotor core, it is characterized by cutting out a portion of the first core to include a slit for the reluctance torque generation.
[0010]
In this case, as described in
[0011]
Further, as described in
[0012]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described in detail with reference to FIGS. In the figure, the same parts as those in FIG.
[0013]
If the permanent magnet electric motor of the present invention comprises an inner core by a core (first core) which does not have a permanent magnet and generates only reluctance torque, and a core (second core) which has a permanent magnet, The present invention focuses on the fact that the function of the balance weight can be exhibited by cutting out a part of the core sheet constituting the first core.
[0014]
Therefore, as shown in FIGS. 1 to 3, the rotor core 10 of the permanent magnet motor does not have a permanent magnet, and has a first core (iron core) having a hole 11 a for flux barrier and a
[0015]
As shown in FIG. 2 and FIG. 4, the first core 11 is formed by cutting a part of the core to form a cut portion k, and the rotor core 10 has a balance weight. In this case, cutting portion k of the first core 11 preferably utilizes a
[0016]
The flux barrier hole 11a is formed so as to face both end portions of the permanent magnet 12a, and is formed so as to be included in the cross section of the permanent magnet 12a. The
[0017]
The first core 11 and the
[0018]
By the way, in the manufacture of the rotor core 10, a core lamination method (first and
[0019]
In this pressing process, when punching out the first core 11, at least the hole corresponding to the permanent magnet 12 a of the
[0020]
Further, the hole for passing the
[0021]
Thus, after automatically pressing and caulking the laminated core, a ferrite magnet is embedded in the hole of the permanent magnet 12a and capped, the rotor core 10 is caulked through the
[0022]
In this way, since the first core 11 itself has a balance weight, it is not necessary to use new parts, that is, the balance weight of another part can be eliminated, and accordingly, the cost of the motor can be reduced. Can be planned.
[0023]
In addition, the first and
[0024]
On the other hand, the reluctance torque is generated by the first core 11 and the magnet torque is generated by the
[0025]
The size of the cut portion k of the first core 11 may be changed according to the balance weight required, and the number of core sheets may be changed. In addition, as for the location of the cut-out portion k, it is preferable to cut out a plurality of locations, even if it is a multiphase multipolar motor, even if it is not a single location. Therefore, an adaptive balance way can be attached according to the use situation of the motor.
[0026]
【The invention's effect】
As described above, according to the invention described in
[0027]
According to the invention described in
[0028]
According to the invention described in
[Brief description of the drawings]
[1] The present invention vertical sectional view real 施形 condition substantially specific to indicate to approximate the rotor core included in the permanent magnet motor according to.
2 is a schematic top view of a rotor core shown in FIG. 1 (right side view of FIG. 1).
3 is a schematic bottom view of the rotor core shown in FIG. 1 (left side view of FIG. 1).
Figure 4 is a schematic plan view of a permanent magnet motor having a rotor core shown in FIG.
Figure 5 is a schematic plan view showing a conventional permanent magnet motor.
Figure 6 is a schematic sectional view showing a compressor using a permanent magnet motor shown in FIG.
Figure 7 is a schematic side view showing a rotor core of a conventional permanent magnet motor.
8 is a top view of the rotor core shown in FIG. 7 (right side view of FIG. 7) .
[Explanation of symbols]
1 Stator Core 10 Rotor Core (Embedded Magnet Field Core)
11 First core 11a Hole (for flux barrier)
11b Slit (Reluctance adjustment hole)
12 First core
14
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