JP3820364B2 - 貫入試験用貫入センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、土木建築構造物の設計および施工に関連する地盤特性の調査・試験に用いられ、特に円柱状のロッド部の先端にセンサを設けてなる貫入体を地中に挿入し、貫入および引き抜きなどの際における各種応力または圧力を測定する貫入試験、すなわち静的サウンディング、に用いられる貫入試験用貫入センサに係り、特に前記貫入体に作用する摩擦力と摩擦面に直交する方向の有効応力である有効水平応力との同時測定を可能として、杭や地中壁等の構造体と土の間の摩擦特性の把握、または土中の水平応力の評価に有効に利用し得る貫入試験用貫入センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
地盤特性を迅速に且つ連続的に評価するための調査技術として、電気式静的コーン貫入試験(以下、単に「コーン貫入試験」と称する)に代表される貫入試験が従来より行われている。コーン貫入試験は、円錐状に尖った先端を有する貫入体を地中に一定速度で貫入して、該貫入体に作用する各種の力を該貫入体に関連して設けられた各種変換器により測定し、この結果から地盤特性を評価するものである。
現在、一般的に行われているコーン貫入試験においては、貫入体の先端に作用する抵抗(先端抵抗)、貫入体の側面に作用する摩擦力(スリーブ摩擦力)および間隙水圧の3つの成分を測定する。
一方、これらの測定成分の他に貫入体の側面に作用する地盤の水平応力を測定する装置の開発も試みられている。このような水平応力を測定することにより、一層詳細に地盤特性を評価することができる。
【0003】
ところで、上述したコーン貫入試験および先端が円錐状でない貫入体を用いる他の貫入試験を含む貫入試験において用いられる水平応力の既存の測定方法は、次の通りである。
(a)第1の方法A:貫入体軸部の摩擦力測定用スリーブの上側、つまりロッド側、において、貫入体本体の一部分を切欠し、その部分を覆うように薄板を貫入体本体に取着して、その内側に荷重変換器を設け、前記薄板に作用する土圧を前記内側の荷重変換器で測定することによって、水平応力を測定する。この第1の方法Aの一例が1988年6月付の第24回土質工学研究発表会論文集(土質工学会、すなわち現在の地盤工学会、発行)191頁〜192頁、「水平土圧も測定する四成分コーン貫入試験機の試作」(酒井幸雄、土谷尚、岩崎公俊、山本芳裕)(以下、「第1の文献」と称する)に記載されている。
【0004】
(b)第2の方法B:円筒状の摩擦力測定用スリーブの一部分を肉薄にし且つその背面側にひずみゲージを添着し、該摩擦力測定用スリーブに作用する水平応力によって、該肉薄の部分に充分なひずみが生ずるようにし、このひずみを上記ひずみゲージにより測定して水平応力を評価する。この第2の方法Bの一例が1989年7月付発行の「土と基礎(37−7(378))」23頁〜28頁、「四成分コーンの原位置摩擦試験への応用」(上杉守道、岸田英明、日下部治)(以下、「第2の文献」と称する)に記載されている。
(c)第3の方法C:貫入体軸部の摩擦力測定用スリーブの下側、つまり先端側、において、貫入体本体から絶縁された円筒状の板体を設置してその一部分を薄肉にして、その部分にひずみゲージを添着し、このひずみゲージによって、水平応力を測定する。この第3の方法Cの一例が1994年7月付の第30回土質工学研究発表会論文集(土質工学会発行)1365頁〜1368頁、「四成分センサーを使用した模型杭の鉛直載荷試験」(田中実、桑原文夫)(以下、「第3の文献」と称する)に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の水平応力の測定方法である第1の方法A、第2の方法B、および第3の方法Cには、それぞれ次のような問題がある。
〈従来の方法A〜Cに共通の問題点〉
(1)これら従来の方法A〜Cにより直接測定される水平応力は、厳密には全水平応力、すなわち貫入体に作用する有効水平応力と間隙水圧の和、である。地盤特性の詳細な評価には、全水平応力の他に有効水平応力、すなわち貫入体と土粒子との固体同士間に作用する水平方向応力、を求めることが重要である。この有効水平応力は、全水平応力から間隙水圧を差し引いて求めることができる。有効水平応力を精度良く求めるためには、全水平応力および間隙水圧の個々の測定精度を上げることと、(貫入体に作用する各種の応力や水圧は測定位置、特に貫入体先端からの距離、に大きく依存するため)全水平応力と間隙水圧をできる限り近い位置で測定することとが重要である。上述した、従来の方法A〜Cでは、いずれも有効水平応力を直接求めることはできず、上述の点が充分に満足されないため、有効水平応力を精度良く求めることは困難である。
【0006】
(2)杭や地中壁等の構造体と土との摩擦特性を評価するためには、貫入体に作用する摩擦と摩擦測定部、すなわち摩擦スリーブ、に作用する有効水平応力(つまり摩擦面に直交する方向に作用する有効応力)との同時測定が重要であるが、従来の方法A〜Cでは、このような測定を精度良く行なうことは困難である。
(3)構造体と土との摩擦特性は、構造体の表面粗さの影響を大きく受ける。この影響を調べるためには、表面の粗さの異なる摩擦スリーブを付け替えて試験することが容易に行なえることが望ましい。しかしながら、上述した従来の測定方法A〜Cでは、この点に関する特別な工夫は見られない。
(4)貫入体の貫入方向と引抜き方向との両方についての貫入体に作用する摩擦を精度良く測定できることが重要であるが、上述の従来の方法A〜Cでは、この点にも限界がある。
即ち、従来の方法では、摩擦力と軸力との分離が行い得ず、摩擦力を正確に検出することができない。
(5)貫入試験の測定結果は、貫入体の挿入角度の影響を受けるため、挿入角度を適切な範囲に管理することが重要である。上述の従来の方法A〜Cでは、この点に関しても特別な工夫は見られない。
【0007】
次に、第2の方法Bと第3の方法Cに共通する問題点を述べる。
〈従来の方法BおよびCに共通の問題点〉
(6)方法Bと方法Cにおいては、摩擦の測定は、摩擦スリーブに作用する摩擦力を貫入体軸部に伝達し、この軸部のひずみを測定して求める機構を採用しているが、この軸部のひずみには目的とする摩擦力以外の貫入体の先端抵抗等の力によるひずみが含まれるため、摩擦の測定精度はあまり良くない。
次に、従来の第1の方法A、第2の方法B、または第3の方法Cの各方法の個別の問題点を述べる。
〈従来の方法Aに特有の問題点〉
(7)土圧の受圧部が貫入体本体と絶縁されていないため、全水平応力を精度良く測定することが困難である。
(8)第1の文献に示された構成では、全水平応力の測定位置は、摩擦測定部の上側、間隙水圧の測定位置は、摩擦測定部の下側となっている。このような構成では、全水平応力と間隙水圧の測定位置が大きく離れているので、有効水平応力の測定が困難である。
【0008】
〈従来の方法Bに特有の問題点〉
(9)全水平応力の受圧部には、摩擦スリーブに作用する摩擦によってもひずみが発生するため、摩擦が作用する状態で全水平応力を精度良く測定することが困難である。
(10)土に直接接触する摩擦スリーブのひずみ量から全水平応力を評価するので、摩擦スリーブの摩耗や傷が直接的に測定値に影響を及ぼす。また、摩擦スリーブの一部分を薄肉とするので、センサの耐久性が低い。
(11)表面の粗い構造体と土の摩擦特性の評価には、表面を粗く加工した摩擦スリーブを用いることが効果的であるが、このような加工は全水平応力の測定精度低下につながる。さらに、摩擦スリーブにひずみゲージを直接貼り付けているので、摩擦スリーブの交換が容易ではない。
【0009】
〈従来の方法Cに特有の問題点〉
(12)土に直接接触する円筒形の受圧部のひずみ量から全水平応力を評価するので、受圧部の摩耗や傷が測定値に直接的に影響を及ぼす。また、受圧部の一部を削って薄肉にしているのでセンサの耐久性が低い。
(13)全水平応力の受圧部は、摩擦によってもひずみが発生するため、摩擦が作用する状態にて全水平応力を精度良く測定することが困難である。
(14)全水平応力の受圧部は円筒形であるため、全水平応力と間隙水圧の測定位置を近付けることには限界があり、有効水平応力の精度向上にも限界がある。
(15)第3の文献に記載された構成においては、摩擦、全水平応力、および間隙水圧の測定位置がそれぞれ離れており、また、全水平応力と間隙水圧の測定位置は摩擦の測定位置の下方のみとなっているため、摩擦測定部に作用する有効水平応力を精度良く求めることは難しい。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、貫入状態にて貫入体の側面に作用する摩擦力、摩擦面に直交する方向の全応力である全水平応力および間隙水圧を測定することができ、前記摩擦力と摩擦面に直交する方向の有効応力、すなわち有効水平応力、との同時測定を可能とする貫入試験用貫入センサを提供することを目的としている。
本発明の請求項1の目的は、特に、摩擦面に直交する方向の全水平応力を測定する精度の高い水平応力測定部と間隙水圧計との計測に基づいて、摩擦測定部に作用する有効水平応力を極めて高精度に測定することが可能な貫入試験用貫入センサを提供することにある。
本発明の請求項2の目的は、特に、地中における貫入体の傾斜および位置を効果的に求めることを可能とする貫入試験用貫入センサを提供することにある。
【0011】
本発明の請求項3の目的は、特に、貫入体の軸部基体における軸方向についての応力に基づき、貫入体に加わる軸力を摩擦測定部の内側にて測定することを可能とする貫入試験用貫入センサを提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、各測定部における測定信号を直接処理するアンプおよび各測定部に給電する安定化電源の少なくとも一方と前記各測定部との間の接続ケーブルの抵抗による出力低下、およびその出力低下の補正に係る補正誤差を低減し、測定精度を向上することを可能とする貫入試験用貫入センサを提供することにある。
本発明の請求項5の目的は、特に、水平応力測定部と間隙水圧計とを、他の構成等の状況に応じて、適切に近接配置することを可能とする貫入試験用貫入センサを提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、円錐状の先端を有する貫入体を用いるコーン貫入試験に好適に利用し得る貫入試験用貫入センサを提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、貫入体の先端部の長さを調整して、貫入体の先端と摩擦測定部との間の距離を変えた試験を容易に実施することを可能とする貫入試験用貫入センサを提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、各測定部における測定を、ひずみゲージにより、有効に且つ高精度に測定することを可能とする貫入試験用貫入センサを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、上述した目的を達成するために、
円柱状の軸部の先端を所定の先端形状に形成してなる貫入体を地盤に静的に貫入させて各種応力を測定する貫入試験に用いられ、前記貫入体を形成する貫入試験用貫入センサにおいて、
前記円柱状の軸部を形成する軸部基体であって、円柱状の両端を大径部として中間部に小径部を形成した軸部基体と、
円筒状をなし、摩擦力が前記軸部基体に直接伝達しないように前記軸部基体と機械的に絶縁して設置され、前記軸部の外周面の一部を形成する摩擦スリーブと、
薄肉円筒状をなし、前記摩擦スリーブと前記軸部基体との間に設置され、先端部において前記軸部基体に結合され且つ基端部において前記摩擦スリーブに結合されて、前記摩擦スリーブの受ける押し引き2方向の摩擦力を計測する摩擦測定部と、
前記摩擦スリーブの先端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第1の水平応力測定部と、
前記第1の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第1の間隙水圧計と、
前記摩擦スリーブの基端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第2の水平応力測定部と、
前記第2の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第2の間隙水圧計と
を具備することを特徴としている。
【0014】
請求項2に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、前記軸部基体と実質的に一体的に、前記貫入体の直交する2方向についての傾斜を検出する傾斜計をさらに具備することを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、前記小径部における軸方向についての応力を検出することによって、軸力を測定する軸力測定部を、前記軸部基体が含むことを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、前記貫入体内に、前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計および前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかに接続される安定化電源および信号アンプのうちの少なくとも一方をさらに具備することを特徴としている。
請求項5に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、前記水平応力測定部およびその近傍に配置される前記間隙水圧計を、軸方向にずらした位置、円周方向にずらした位置、並びに軸方向および円周方向の双方にずらした位置のうちのいずれかに配置することを特徴としている。
【0015】
請求項6に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、前記貫入体が、前記軸部の先端形状を円錐状としたことを特徴としている。
請求項7に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、前記貫入体の先端と前記摩擦測定部との間の距離を調整すべく、前記貫入体の前記軸部の先端部を延長する延長手段をさらに具備することを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係る貫入試験用貫入センサは、前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計および前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかが、起歪部にひずみゲージを添設してなることを特徴としている。
【0017】
【作用】
すなわち、本発明の請求項1による貫入試験用貫入センサは、円柱状の軸部の先端を所定の先端形状に形成してなる貫入体を地盤に静的に貫入させて各種応力を測定する貫入試験に用いられ、前記貫入体を形成する貫入試験用貫入センサであって、該貫入試験用貫入センサは、前記円柱状の軸部を形成する軸部基体であって、円柱状の両端を大径部として中間部に小径部を形成した軸部基体、円筒状をなし、摩擦力が前記軸部基体に直接伝達しないように前記軸部基体と機械的に絶縁して設置され、前記軸部の外周面の一部を形成する摩擦スリーブ、薄肉円筒状をなし、前記摩擦スリーブと前記軸部基体との間に設置され、先端部において前記軸部基体に結合され且つ基端部において前記摩擦スリーブに結合されて、前記摩擦スリーブの受ける押し引き2方向の摩擦力を計測する摩擦測定部、前記摩擦スリーブの先端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第1の水平応力測定部、前記第1の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第1の間隙水圧計、前記摩擦スリーブの基端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第2の水平応力測定部および前記第2の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第2の間隙水圧計とを具備する。
このような構成により、特に、摩擦面に直交する方向の全応力を測定する精度の高い水平応力測定部と間隙水圧計とを互いに近接配置した構成を摩擦測定部の上下にそれぞれ配設するので、これらの計測に基づいて、摩擦測定部に作用する有効水平応力を極めて高精度に測定することが可能である。
【0018】
本発明の請求項2による貫入試験用貫入センサは、前記軸部基体と実質的に一体的に、前記貫入体の直交する2方向についての傾斜を検出する傾斜計をさらに具備する。
このような構成により、特に、軸部基体と実質的に一体として、貫入体の直交する2方向についての傾斜計を設けているので、地中における該貫入体の傾斜および位置を効果的に求めることが可能である。
本発明の請求項3による貫入試験用貫入センサは、前記小径部における軸方向についての応力を検出することによって、軸力を測定する軸力測定部を、前記軸部基体が含む。
このような構成により、特に、貫入体の軸部基体における軸方向についての応力に基づき、貫入体に加わる軸力を摩擦測定部の内側にて測定することが可能である。
【0019】
本発明の請求項4による貫入試験用貫入センサは、前記貫入体内に、前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計および前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかに接続される安定化電源および信号アンプのうちの少なくとも一方をさらに具備する。
このような構成により、特に、各測定部における測定信号を直接処理するアンプおよび各測定部に給電する安定化電源の少なくとも一方と前記各測定部との間の接続ケーブルの抵抗による出力低下、およびその出力低下の補正に係る補正誤差を低減し、測定精度を向上することが可能である。
本発明の請求項5による貫入試験用貫入センサは、前記水平応力測定部およびその近傍に配置される前記間隙水圧計を、軸方向にずらした位置、円周方向にずらした位置、並びに軸方向および円周方向の双方にずらした位置のうちのいずれかに配置する。
このような構成により、特に、応力測定部と間隙水圧計とを、他の構成等の状況に応じて、適切に近接配置することが可能である。
【0020】
本発明の請求項6による貫入試験用貫入センサは、前記貫入体が、前記軸部の先端形状を円錐状とする。
このような構成により、特に、円錐状の先端を有する貫入体を用いるコーン貫入試験に好適に利用することができる。
本発明の請求項7による貫入試験用貫入センサは、前記貫入体の先端と前記摩擦測定部との間の距離を調整すべく、前記貫入体の前記軸部の先端部を延長する延長手段をさらに具備する。
このような構成により、特に、貫入体の先端部の長さを調整して、貫入体の先端と摩擦測定部との間の距離を変えた試験を容易に実施することが可能である。
本発明の請求項8による貫入試験用貫入センサは、前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計および前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかが、起歪部にひずみゲージを添設してなる。
このような構成により、特に、各測定部における測定を、ひずみゲージにより、有効に且つ高精度に測定することが可能である。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に基づき、図面を参照して本発明の貫入試験用貫入センサを詳細に説明する。
図1〜図8は、本発明の一つの実施の形態に係る貫入試験用貫入センサの要部の構成を示しており、コーン貫入試験用貫入センサとして構成している。図1は、コーン貫入試験用貫入センサの貫入体軸線に沿う縦断面図、図2は、図1のコーン貫入試験用貫入センサの正面図、図3は、図1のコーン貫入試験用貫入センサのA−A線に沿う横断面図、図4は、図1のコーン貫入試験用貫入センサのB−B線に沿う横断面図、図5は、図1のコーン貫入試験用貫入センサのC−C線に沿う横断面図、図6は、図1のコーン貫入試験用貫入センサのD−D線に沿う横断面図、図7は、図1のコーン貫入試験用貫入センサのE−E線に沿う横断面図、そして図8は、図1のコーン貫入試験用貫入センサの先端部分に必要に応じて選択的に介挿される延長アダプタの模式的な構成を示す縦断面図である。
【0022】
図1〜図7に示すコーン貫入試験用貫入センサは、摩擦測定部1、先端側(第1の)水平応力測定部2、先端側(第1の)間隙水圧計3、基端側(第2の)水平応力測定部4、基端側(第2の)間隙水圧計5、軸力測定部6、貫入体先端部7、X方向傾斜計8、Y方向傾斜計9、摩擦スリーブ10、先端側水平応力測定部2の受圧面11、先端側間隙水圧計3用のフィルタ12、基端側水平応力測定部4の受圧面13、基端側間隙水圧計5用のフィルタ14、貫入体軸部15、先端側間隙水圧計3接続用のコネクタ16、先端側水平応力測定部2接続用のコネクタ17、ひずみゲージ18(図5参照)、安定化電源部19および計測器多芯コネクタ20を具備している。また、図8には、延長アダプタ21を示している。
【0023】
図1〜図7のコーン貫入試験用貫入センサにより構成される貫入体には、先端に円錐状のコーン金具からなる貫入体先端部7を設けている。なお、貫入体の先端形状は、コーン貫入試験に用いる場合には図示のように円錐状とするが、円錐状でなく、例えば平坦状とする場合もあり、そのような場合には、例えば貫入体先端部7として先端が平坦な形状の金具を用いる。軸部基体を構成する軸力測定部6の外周に配置される円筒状の摩擦測定部1は、その基端側を摩擦スリーブ10にネジで固定され、摩擦測定部1を挟んで先端側(貫入設置状態で下方側)および基端側(貫入設置状態で上方側)に、それぞれ先端側水平応力測定部2および基端側水平応力測定部4が設置される。各水平応力測定部2および4の近傍には、それぞれ先端側間隙水圧計3とフィルタ12、および基端側間隙水圧計5とフィルタ14が設置される。さらに、貫入中の貫入体の2方向の傾斜を測定するために、X方向傾斜計8およびY方向傾斜計9が設置されている。また、各センサと最基端に配置される外部接続用の計測器多芯コネクタ20との間には安定化電源部19が設置されている。この安定化電源部19と同様の個所に各センサの出力信号を増幅処理する信号アンプが設けられていてもよい。
【0024】
図1におけるA−A線に沿う基端側水平応力測定部4の部分の断面図を図3に示している。全体としてほぼ短寸円柱状をなす基端側水平応力測定部4は、その底面部においてボルトにより貫入体軸部15に固定されており、その周囲側面はOリングを用いてシール(封止)されている。貫入体軸部15は、軸部基体をなす軸力測定部6と一体的に構成されている。また、この基端側水平応力測定部4の貫入体外周面に露出する受圧面13は、貫入体の円柱状の外周面形状に合わせて部分円筒面状の曲面に加工されている。基端側水平応力測定部4は、起歪体およびひずみゲージ等を用いて受圧面13に受ける壁面土圧に応じた電気信号を得る基端側壁面土圧計として構成されている。なお、先端側水平応力測定部2についても、基端側水平応力測定部4とほぼ同様に構成され、円筒面状曲面からなる受圧面11を貫入体外周面に露出している。先端側水平応力測定部2も、起歪体およびひずみゲージ等を用いて受圧面11に受ける壁面土圧に応じた電気信号を得る先端側壁面土圧計として構成されている。
【0025】
図1におけるB−B線に沿う基端側間隙水圧計5部分の断面図を図4に示している。基端側間隙水圧計5は、貫入体軸部15にネジ構造によりねじ込み固定されており、その周囲側面は、Oリングを用いてシールされている。この基端側間隙水圧計5の貫入体外周面に露出する受圧面部には、水等の液体以外の固形物による押圧を防止するためのフィルタ14が設置されている。なお、先端側間隙水圧計3についても、基端側間隙水圧計5とほぼ同様に構成され、フィルタ12により受圧面部を保護している。
図1におけるC−C線に沿う摩擦測定部1および軸力測定部6部分の断面図を図5に示している。摩擦測定部1は、軸力測定部6を構成している貫入体軸部と貫入体外周面に露出する摩擦スリーブ10との間に設置されている。摩擦測定部1は、中間部を起歪体としての薄肉の円筒状の部分の外周面にひずみゲージ1aを貼設したものである。摩擦測定部1は、その円筒状部分の先端側において、円筒状の中空部に挿入された軸力測定部6の先端とねじ結合により連結され、該円筒状部分の基端側開口端において摩擦スリーブ10の基端側縁部内面とねじ結合により連結されている。
【0026】
軸力測定部6の先端部外周には雄ネジが形成され、摩擦測定部1に形成された雌ネジに螺合されて連結され、止めネジ等により適宜回り止めされている。摩擦測定部1の基端側開口端の外周縁部には雄ネジが形成され、摩擦スリーブ10の基端寄りの部分の内面に形成された雌ネジに螺合されて結合されている。なお、摩擦スリーブ10は、軸力測定部6に対して軸方向に所定範囲相対移動可能となっている。また、軸力測定部6は、円柱状部分の両端部を大径部として、中間部を小径部として形成しており、中心部には流体通路を形成する中空部が形成されている。この軸力測定部6は、軸力を検出するための起歪体として構成され、前記小径部の外周にひずみゲージ18が貼設されている。なお、軸力測定部6の外部形状を円柱状としているが、角柱状、例えば四角柱状に形成してもよく、また、大径部のみを円柱状とし、小径部のみを四角柱状としてもよい。軸力測定部6は、ひずみゲージ18により軸力を検出しそれに応じた電気信号を得ている。貫入体軸部15は、互いに連結された複数の部分により構成されており、軸力測定部6は、貫入体軸部15の一部をなしている。なお、摩擦スリーブ10は、その動作を可能とするため、貫入体軸部15に対して若干のギャップを設ける必要があるが、異物の混入を防ぐため例えば0.7mm程度のギャップとすることが望ましい。
【0027】
図1におけるD−D線に沿うY方向傾斜計9部分の断面図を図6に示している。貫入体軸部15の基端側間隙水圧計5よりもさらに基端側の部分には、中心軸に沿う中空部内に軸線が垂直に交わる面内の直交する2方向についての、例えばひずみゲージ等を用いた傾斜計8および9、すなわちX方向傾斜計8およびY方向傾斜計9が縦列的に設けられており、これら両方向についての軸線の傾斜をそれぞれ検出して電気信号として得る。
図1におけるE−E線に沿うコネクタ16および17部分の断面図を図7に示している。コネクタ16および17は、それぞれ先端側水平応力測定部2および先端側間隙水圧計3に対する接続ケーブル接続用のコネクタである。これらコネクタ16および17は、摩擦スリーブ10の交換等に際し、先端側水平応力測定部2および先端側間隙水圧計3を取り外す際に、信号線・給電線等の接続ケーブルを切り離すためのものである。
【0028】
なお、上述において、貫入体軸部15は、互いに連結された複数部分により構成されており、摩擦測定部1および軸力測定部6等を構成する部分には、中心軸線に沿う中空部が形成されている。先端側間隙水圧計3の背後、先端側水平応力測定部2の背後、摩擦測定部1の中空部、軸力測定部6の中空部、基端側水平応力測定部4の背後、基端側間隙水圧計5の背後は、各部材に適宜連通孔が形成されて互いに連通しており、この連通部を介して摩擦測定部1、先端側水平応力測定部2、先端側間隙水圧計3、基端側水平応力測定部4、基端側間隙水圧計5、軸力測定部6、X方向傾斜計8およびY方向傾斜計9に対する接続ケーブルが引き出され、貫入体軸部15内に埋設された安定化電源部19、および、さらには外部接続用の計測器多芯コネクタ20に接続されている。
図8は、貫入体先端部7と摩擦測定部1との間の距離を調整するときに使用する延長アダプタ21を示しており、図示のように貫入体先端部7と貫入体軸部15との間に介挿して、貫入体軸部15を延長する。
なお、上述の構成における種々の観点からの特徴は、以下の通りである。
【0029】
(1)貫入体軸部15に、先端側の土圧計としての水平応力測定部2と間隙水圧計3と、または基端側の水平応力測定部4と間隙水圧計5とをそれぞれ互いに近接して配置することにより有効水平応力測定部を構成している。
(2)有効水平応力測定部における土圧計としての水平応力測定部2等と間隙水圧計3等の近接設置に際しての相対的位置関係には次の3種類があるが、いずれを選択しても良い。(a)軸方向にずらして設置する。(b)円周方向にずらして設置する。(c)軸方向と円周方向のいずれにもずらして設置する。
(3)有効水平応力測定部に設置する水平応力測定部2等と間隙水圧計3等は、いずれも貫入体本体に作用する軸力の影響を受けにくい構造とする。すなわち、土圧計としての水平応力測定部2等は、荷重計型の土圧計とし、軸力の影響を受ける外筐部は、Oリングを介して貫入体本体に取り付ける。間隙水圧計3等は、固定部からの力が起歪部に伝達しにくい構造とし、起歪部近傍はOリングを介して貫入体本体に取り付ける。
【0030】
(4)有効水平応力測定部に設置する水平応力測定部2等と間隙水圧計3等は、いずれも各変換器に作用する摩擦の影響を受けにくい構成とする。水平応力測定部2等は、荷重計型とし、検出部の他に荷重を受ける受圧面を設けて間接的に検出する構成とすることにより摩擦に対する影響を受けにくくする。また、間隙水圧計3等は、フィルタ12等を取り付け、フィルタ12等は、Oリングを介して間隙水圧計3等に固定する。
(5)有効水平応力測定部に設置する水平応力測定部2等と間隙水圧計3等とは、小容量ステップで較正して、特性を確認したものを使用することにより、さらに精度良く測定できる。
(6)摩擦測定部1は、摩擦力を受ける円筒状の摩擦スリーブ10の内側に位置する円筒状(中空)の摩擦測定専用ロードセルとして構成する。
(7)摩擦スリーブ10は、摩擦力が貫入体本体に直接伝達しないように貫入体本体と機械的に絶縁して設置する。
【0031】
(8)摩擦スリーブ10は、押し込みと引き抜きの2方向の摩擦力が伝達するように摩擦測定専用ロードセルからなる摩擦測定部1にネジまたはピン等を用いて固定する。
(9)摩擦測定部1を構成する摩擦測定専用ロードセルは、貫入体本体が受ける軸力とは絶縁され、摩擦力以外の荷重が加わらないような構造とする。
(10)摩擦測定部1を挟むように摩擦測定部1の先端側および基端側に有効水平応力測定部を設置する。
(11)有効水平応力測定部は、摩擦測定部1に近接して設置する。
(12)摩擦スリーブ10を容易に交換できるようにするため、摩擦測定部1と有効水平応力測定部はそれぞれユニット化して、容易に分解組立できるようにする。このとき、各変換器の接続ケーブルについては、コネクタ16および17等を設けることにより、容易に分解組立ができるようにする。
(13)2方向の傾斜計8および9を設置する。
(14)貫入体先端部7と摩擦測定部1の距離を調整できるように、先端部には異なる長さの延長アダプタ21を容易に設置できるようにする。
【0032】
(15)摩擦測定部1の摩擦測定専用ロードセルの内側の軸力測定部6の軸方向ひずみをひずみゲージ18で測定することにより軸力を測定できるようにする。
(16)延長ケーブルによる出力の低下等の影響を受けないようにするため、信号アンプまたは安定化電源を貫入体内に設置して、測定精度を向上させる。
上述したような構成とすることにより、次のような利点が得られる。
(A)有効水平応力測定部の土圧計としての水平応力測定部2等は、水平応力測定部貫入体本体の軸力の影響を受けないように貫入体軸部15等との間にギャップを設けていること、および受圧面13等に作用する摩擦の影響を受けないような構造としていることにより、貫入体を地中に挿入した状態(原位置)で精度良く全水平応力を測定することができる。
(B)土圧計としての水平応力測定部2等は、受圧部と受圧部に受けた力を検出する部分が分離された構造となっており、検出部は土等と直接接触しないので、高い測定精度と耐久性を確保することができる。
【0033】
(C)有効水平応力測定部の間隙水圧計3等は、貫入体本体の軸力の影響を受けないように設置していること、およびくびれを設けるなどして固定部からの力が起歪部に伝わらない構造とすることにより、貫入体を地中に挿入した状態で精度良く間隙水圧を測定することができる。
(D)有効水平応力測定部では、精度の高い水平応力測定部2等と間隙水圧計3等とを互いに近接して設置することにより貫入体に作用する有効水平応力を精度良く測定することができる。
(E)摩擦力以外の荷重が加わらないように貫入体軸部15と絶縁した摩擦測定部1と摩擦スリーブ10とをネジまたはピン等で固定することにより、押し引き2方向の摩擦を精度良く測定することができる。
(F)摩擦測定部1を挟むように摩擦測定部1の上下に有効水平応力測定部を近接させて設置することにより、摩擦測定部1に作用する摩擦面の直交方向に作用する有効応力である有効水平応力を精度良く求めることができる。
(G)貫入体に作用する押し引き2方向の摩擦と摩擦測定部1に作用する有効水平応力を同時に且つ精度良く求めることができる。
【0034】
(H)摩擦測定部1と有効水平応力測定部をユニット化し、容易に分解組立てできるようにしているため、摩擦スリーブ10を容易に交換することができ、異なる表面粗さの摩擦スリーブ10を用いた試験を容易に実施することができる。
(I)2方向の傾斜計8および9を組み込んでいるため、挿入した貫入体の傾斜および傾斜を深さ方向に積分することにより、地中における貫入体の位置を求めることができる。
(J)延長アダプタ21により貫入体の先端部の長さを容易に調整することができるため、貫入体先端と摩擦測定部1との間の距離を変えた試験を容易に実施することができる。
(K)摩擦測定部1の内側の軸力測定部6の軸方向ひずみから貫入体に加わる軸力を測定することができる。
(L)アンプまたは安定化電源を貫入体内に設置することにより、延長ケーブルの抵抗による出力低下がなくなり、それによってケーブル抵抗による出力低下を補正するときの補正誤差もなくなるため、測定精度が向上する。
【0036】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1の貫入試験用貫入センサによれば、円柱状の軸部の先端を所定の先端形状に形成してなる貫入体を地盤に静的に貫入させて各種応力を測定する貫入試験に用いられ、前記貫入体を形成する貫入試験用貫入センサにおいて、
前記円柱状の軸部を形成する軸部基体であって、円柱状の両端を大径部として中間部に小径部を形成した軸部基体と、
円筒状をなし、摩擦力が前記軸部基体に直接伝達しないように前記軸部基体と機械的に絶縁して設置され、前記軸部の外周面の一部を形成する摩擦スリーブと、
薄肉円筒状をなし、前記摩擦スリーブと前記軸部基体との間に設置され、先端部において前記軸部基体に結合され且つ基端部において前記摩擦スリーブに結合されて、前記摩擦スリーブの受ける押し引き2方向の摩擦力を計測する摩擦測定部と、
前記摩擦スリーブの先端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第1の水平応力測定部と、
前記第1の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第1の間隙水圧計と、
前記摩擦スリーブの基端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第2の水平応力測定部と、
前記第2の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第2の間隙水圧計と
を具備することにより、貫入状態にて(即ち原位置にて)貫入体の側面に作用する摩擦力、摩擦面に直交する方向の全応力である全水平応力および間隙水圧を測定することができ、特に、前記摩擦スリーブの先端側と基端側に、精度の高い第1および第2の水平応力測定部と第1および第2の間隙水圧計とを互いに近接して配置したので、異なる測定位置(特に、先端からの距離)における有効水平応力を同時に測定することにより、より信頼性が高く、極めて高精度に摩擦測定部に作用する有効水平応力を測定することができ、また、摩擦スリーブは、押し込みと引き抜きの2方向の摩擦力が薄肉円筒状をなす摩擦測定部に伝達されるように構成されているため、単に貫入体を地盤に貫入するときだけでなく、引き抜く際の摩擦力も精度よく測定することが可能である。
【0037】
本発明の請求項2の貫入試験用貫入センサによれば、前記軸部基体と実質的に一体的に、前記貫入体の直交する2方向についての傾斜を検出する傾斜計をさらに具備することにより、特に、軸部基体と実質的に一体として、貫入体の直交する2方向についての傾斜計を設けているので、地中における該貫入体の傾斜および位置を効果的に求めることが可能となる。
本発明の請求項3の貫入試験用貫入センサによれば、前記軸部基体の小径部における軸方向についての応力を検出することによって、軸力を測定する軸力測定部を、前記軸部基体が含むことにより、特に、貫入体の軸部基体における軸方向についての応力に基づき、貫入体に加わる軸力を摩擦測定部の内側にて測定することが可能となる。
本発明の請求項4の貫入試験用貫入センサによれば、前記貫入体内に、前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかに接続される安定化電源および信号アンプのうちの少なくとも一方をさらに具備することにより、特に、各測定部における測定信号を直接処理するアンプおよび各測定部に給電する安定化電源の少なくとも一方と前記各測定部との間の接続ケーブルの抵抗による出力低下、およびその出力低下の補正に係る補正誤差を低減し、測定精度を向上することが可能となる。
【0038】
本発明の請求項5の貫入試験用貫入センサによれば、前記水平応力測定部およびその近傍に配置される前記間隙水圧計を、軸方向にずらした位置、円周方向にずらした位置、並びに軸方向および円周方向の双方にずらした位置のうちのいずれかに配置することにより、特に、水平応力測定部と間隙水圧計とを、他の構成等の状況に応じて、適切に近接配置することが可能となる。
本発明の請求項6の貫入試験用貫入センサによれば、前記貫入体が、前記軸部の先端形状を円錐状とすることにより、特に、円錐状の先端を有する貫入体を用いるコーン貫入試験に好適に利用することが可能となる。
本発明の請求項7の貫入試験用貫入センサによれば、前記貫入体の先端と前記摩擦測定部との間の距離を調整すべく、前記貫入体の前記軸部の先端部を延長する延長手段をさらに具備することにより、特に、貫入体の先端部の長さを調整して、貫入体の先端と摩擦測定部との間の距離を変えた試験を容易に実施することが可能となる。
本発明の請求項8の貫入試験用貫入センサによれば、前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計、および前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかが、起歪部にひずみゲージを添設してなることにより、特に、各測定部における測定を、ひずみゲージにより、有効に且つ高精度に測定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一つの実施の形態に係るコーン貫入試験用貫入センサの貫入体軸線に沿う縦断面図である。
【図2】図1のコーン貫入試験用貫入センサの正面図である。
【図3】図1のコーン貫入試験用貫入センサのA−A線に沿う横断面図である。
【図4】図1のコーン貫入試験用貫入センサのB−B線に沿う横断面図である。
【図5】図1のコーン貫入試験用貫入センサのC−C線に沿う横断面図である。
【図6】図1のコーン貫入試験用貫入センサのD−D線に沿う横断面図である。
【図7】図1のコーン貫入試験用貫入センサのE−E線に沿う横断面図である。
【図8】図1のコーン貫入試験用貫入センサの先端部分に必要に応じて選択的に介挿される延長アダプタの模式的な構成を示す縦断面図である。
【符号の説明】
1 摩擦測定部
2 先端側(第1の)水平応力測定部
3 先端側(第1の)間隙水圧計
4 基端側(第2の)水平応力測定部
5 基端側(第2の)間隙水圧計
6 軸力測定部
7 貫入体先端部
8 X方向傾斜計
9 Y方向傾斜計
10 摩擦スリーブ
11 先端側水平応力測定部2の受圧面
12 先端側間隙水圧計3用のフィルタ
13 基端側水平応力測定部4の受圧面
14 基端側間隙水圧計5用のフィルタ
15 貫入体軸部
16 先端側間隙水圧計3接続用のコネクタ
17 先端側水平応力測定部2接続用のコネクタ
1a,18 ひずみゲージ
19 安定化電源部
20 計測器多芯コネクタ
21 延長アダプタ
Claims (8)
- 円柱状の軸部の先端を所定の先端形状に形成してなる貫入体を地盤に静的に貫入させて各種応力を測定する貫入試験に用いられ、前記貫入体を形成する貫入試験用貫入センサにおいて、
前記円柱状の軸部を形成する軸部基体であって、円柱状の両端を大径部として中間部に小径部を形成した軸部基体と、
円筒状をなし、摩擦力が前記軸部基体に直接伝達しないように前記軸部基体と機械的に絶縁して設置され、前記軸部の外周面の一部を形成する摩擦スリーブと、
薄肉円筒状をなし、前記摩擦スリーブと前記軸部基体との間に設置され、先端部において前記軸部基体に結合され且つ基端部において前記摩擦スリーブに結合されて、前記摩擦スリーブの受ける押し引き2方向の摩擦力を計測する摩擦測定部と、
前記摩擦スリーブの先端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第1の水平応力測定部と、
前記第1の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第1の間隙水圧計と、
前記摩擦スリーブの基端側に配置され、受圧面が前記軸部の外周面の一部を形成して、前記軸部外周の摩擦面に対して直交する方向についての応力を計測する第2の水平応力測定部と、
前記第2の水平応力測定部の近傍に配置されて間隙水圧を計測する第2の間隙水圧計と
を具備することを特徴とする貫入試験用貫入センサ。 - 前記軸部基体と実質的に一体的に、前記貫入体の直交する2方向についての傾斜を検出する傾斜計をさらに具備することを特徴とする請求項1に記載の貫入試験用貫入センサ。
- 前記軸部基体は、前記小径部における軸方向についての応力を検出することによって、軸力を測定する軸力測定部を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の貫入試験用貫入センサ。
- 前記貫入体内に、前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計および前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかに接続される安定化電源および信号アンプのうちの少なくとも一方をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項3のうちのいずれか1項に記載の貫入試験用貫入センサ。
- 前記水平応力測定部およびその近傍に配置される前記間隙水圧計を、軸方向にずらした位置、円周方向にずらした位置、並びに軸方向および円周方向の双方にずらした位置のうちのいずれかに配置することを特徴とする請求項1〜請求項4のうちのいずれか1項に記載の貫入試験用貫入センサ。
- 前記貫入体が、前記軸部の先端形状を円錐状としたことを特徴とする請求項1〜請求項5のうちのいずれか1項に記載の貫入試験用貫入センサ。
- 前記貫入体の先端と前記摩擦測定部との間の距離を調整すべく、前記貫入体の前記軸部の先端部を延長する延長手段をさらに具備することを特徴とする請求項1〜請求項6のうちのいずれか1項に記載の貫入試験用貫入センサ。
- 前記摩擦測定部、前記水平応力測定部、前記間隙水圧計および前記軸力測定部のうちの少なくともいずれかは、起歪部にひずみゲージを添設してなることを特徴とする請求項1〜請求項7のうちのいずれか1項に記載の貫入試験用貫入センサ。
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