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JP3820180B2 - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

汚染土壌の浄化方法 Download PDF

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JP3820180B2 JP2002130548A JP2002130548A JP3820180B2 JP 3820180 B2 JP3820180 B2 JP 3820180B2 JP 2002130548 A JP2002130548 A JP 2002130548A JP 2002130548 A JP2002130548 A JP 2002130548A JP 3820180 B2 JP3820180 B2 JP 3820180B2
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  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
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  • Activated Sludge Processes (AREA)
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  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油分や油分に含まれるナフタレンなどの芳香族系炭化水素およびシアンに汚染された土壌の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの単環芳香族炭化水素(Mono aromatic Hydrocarbons)やコールタールの主成分であるナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族系炭化水素(Polycyclicaromatic Hydrocarbons、以降PAHsと記す)で汚染された土壌が米国を中心に数多く報告されている。これらの土壌汚染は、土壌がガソリンなどの石油製品やコールタールなどの石炭製品で汚染されることによって発生し、主として工場跡地などでみられる。これらの物質は環境上好ましくないため、土壌や地下水が汚染された場合、除去が必要である。
【0003】
このような油分や油分の主成分である芳香属炭化水素によって汚染された土壌の浄化方法は、大別すると以下のような方法がある。
【0004】
(1) 洗浄法
(2) 加熱(揮発・脱離)処理法、熱分解法、溶融法
(3) 吸着法
(4) 化学分解法
(5) 生物分解法
洗浄法は、土壌に含有・吸着している油分や芳香族炭化水素を水中に分散または溶解させる方法であり、芳香族炭化水素を分解するものではない。処理というよりも、前処理操作に位置づけられる。
【0005】
加熱処理法は、土壌中の芳香族炭化水素を揮発化する効果は高いが、加熱により土壌から揮発させた芳香族炭化水素は、そのまま大気に放出できず、最終的にはトラップして分解し、無害化する必要がある。さらに、処理コストが高いこと、装置コストが大きくなること、土壌性状が加熱により大幅に変化すること、臭気の発生などの理由から、ほとんど採用されていない。
【0006】
活性炭などによる芳香族有機物の吸着法は、洗浄法との併用になる。活性炭は芳香族炭化水素に対しては吸着効果があるものの、再生に膨大な費用がかかる欠点がある。
【0007】
また、過マンガン酸カリウムなどの薬剤を用いる芳香族系炭化水素の化学分解法は、通常、過剰の薬品添加量を必要とするため、処理コストが大きくなることに加え、残留薬品による2次汚染の可能性がある。
【0008】
生物分解法は、2次汚染の可能性が小さいこと、省エネルギーであること、低コストであること、広範囲の土壌に適用でき土壌そのものの性質を変えないなどの利点がある。微生物を用いた生物分解法は、バイオレメディエーションと通称されている。
【0009】
上記の主な方法の中で、欧米を中心にバイオレメディエーションが一般的となってきている。
【0010】
バイオレメディエーションは、微生物による有機物分解の原理を有害化学物質で汚染された土壌や地下水の処理に適用するものであり、本質的には、生物化学的廃水処理プロセスと土壌中の有害化学物質のバイオレメディエーションプロセスに大きな差は無い。対象とする有害化学物質は、石油等の油分もしくは単環芳香族炭化水素(ベンゼン等)、多環芳香族系化合物(ナフタレン等)であり、有害化学物質は、最終的には炭酸ガスまで分解され、土壌及び水中から除去される。
【0011】
バイオレメディエーションプロセスには、主として、ランドファーミング法、スラリー法、バイオレメディエーションプロセスと洗浄法の併用法の3法がある。
【0012】
ランドファーミング法(ランドパイル法などを含む)は、土壌表面近くの汚染物質対策として、米国等で広く用いられている。油性汚泥や石油精製廃棄物の管理処分、炭化水素や農薬で汚染された表面土壌処理などが処理対象である。浄化に時間を要するが、処理費用が安価、土壌の再利用が容易などの利点がある。この方法は、処理対象の土壌自体を微生物の種として用い、好気性の微生物を利用して、汚染物の分解を最適化するように設計される。好気性の微生物分解を促進させるために、以下の対策が必要である。
【0013】
1) 空気の供給(耕作機械による通気、バルキング剤添加による土壌空隙率確保)
2) 栄養塩添加(肥料等)
3) 乾燥防止(定期的な水分の添加)
4) 土壌のpH調整(石灰等の添加により中性に維持)
さらに、特定の物質の分解速度を向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合があり、下水汚泥、牛糞、コンポストなどの使用報告例もある。
【0014】
処理設備としては、掘り返した汚染土壌を処分するベッド、ベッドからの浸出水処理設備、再利用設備のほか、場合によっては、覆蓋施設などが必要となる。スラリー法は、土壌に水を添加しスラリー状(スラリーリアクターまたはスラリーラグーン)として、汚染物の微生物分解を図る方法であり、米国等で適用事例がある。処理コストはランドファーミング法よりも高いが、処理速度や汚染物除去性能が優れている。スラリー法の微生物反応槽は、開放式タンクあるいは密閉式タンク、あるいはラグーンとなり、以下の設備が必要となる。
【0015】
1) スラリー調整槽
2) 微生物反応槽(リアクターまたはラグーン)
3) 濃縮槽(沈澱池)
4) 脱水機
5) 脱水機等から発生する廃水の処理設備
また、反応槽等においては、空気供給(ブロアーによる空気供給)、スラリーの沈殿防止(攪拌機による攪拌)、pH調整(中性に維持)、栄養塩添加、固液分離促進、等の操作が必要である。さらに、特定の物質の分解速度を向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合がある。また、濃縮槽や脱水機から発生する廃水については、廃水基準を遵守できるまで処理する必要がある。
【0016】
バイオレメディエーションプロセスと洗浄法の併用法は、土壌を洗浄し、洗浄水中に大半の汚染物を溶解させた後、洗浄水中の汚染物を微生物で処理するものであり、土壌洗浄設備と廃水処理設備が必要となる。洗浄水中に、汚染物の大半をいかに効率良く溶解させるかが課題となる。
【0017】
例えば、オランダで土壌洗浄と洗浄水を浄化した報告がある。これは、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの単環芳香族炭化水素やナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族系炭化水素(PAHs)で汚染されているアスファルト製造工場跡地の土壌と地下水から、前記汚染物質を除去するために微生物分解を検討したものである(Environ Technology, Vol.10, No.2, 185-189, 1989)。ここでは、土壌を洗浄し、洗浄水中に汚染物質を溶解させた後、前記土壌を洗浄した水を生物反応槽で循環し処理を行っている。この結果、洗浄水中のベンゼン濃度は当初2.5mg/Lであったが、37日後には94質量%、92日後には100質量%除去できた。また、洗浄水中のPAHs濃度は当初4.4mg/Lであったが、37日後には99質量%、92日後には100質量%除去できた。しかし、土壌からの除去率でみると、140日後で土壌中のベンゼンは95質量%以上減少したが、PAHsは土壌に強く吸着されていて除去率は40質量%程度であり、土壌洗浄法ではPAHsの除去がかなり難しい。
【0018】
このように、油分やベンゼンなどの単環芳香族炭化水素及びナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族系炭化水素(PAHs)に関しては、生物分解法(バイオレメディエーション)を用いて処理する方法が広く開発されつつある。
【0019】
一方、シアンによる土壌汚染例も数多く報告されている。シアンは、メッキ工業、金属精錬工業、石油工業(アクリルニトリル製造)、コークスガス工業などの廃水中に含まれる。シアンは毒性が強く、掘削除去や封じ込め対策が主であり、化学あるいは生物分解法による処理事例としては、熱分解や過酸化水素などの化学薬品による酸化事例が見られる程度であり、バイオレメディエーションプロセスは、適用が困難とされている。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバイオレメディエーションプロセスには、以下の課題が残されている。
【0021】
1) 浄化期間が長い。
【0022】
2) PAHsの除去率が悪い。
【0023】
3) 微生物に阻害がある物質(特にシアン)が含まれる場合、適用が困難である。
【0024】
まず、汚染土壌浄化に長期間を要する理由としては、特定の汚染物質に対して分解機能を有する微生物の育成が進んでおらず、該濃度が極めて低いことが第一に挙げられる。例えば、芳香族炭化水素の分解において、都市下水処理場や食品工業廃水処理場の活性汚泥では、分解機能を有する微生物の濃度が低いため、芳香族炭化水素の分解はほとんど進まないが、芳香族炭化水素の分解機能を有する微生物の濃度が高い活性汚泥、例えば化学工場廃水やコークス工場廃水(安水)の活性汚泥を高濃度に維持できれば、処理期間の短縮の可能性が高くなる。
【0025】
また、微生物の濃度ばかりでなく、これらの微生物が十分に機能を発揮できる環境条件が整っていなければならない。例えば、環境条件としては、汚染物質負荷、pH、DO(溶存酸素)、温度、水分、微量栄養源、毒性物質の有無、微生物と空気と汚染物質の接触効率などが挙げられ、これらの環境条件が整ってから、微生物の高濃度の維持や、分解に要する期間の短縮が初めて可能となるのである。例えば、汚染物質が適当な負荷であれば、汚染物質除去は微生物分解が主となるが、汚染物質の負荷が高すぎると、微生物分解よりも汚染物質が空気中に気散しやすくなる、または、水中に残留する傾向がより強くなる。
【0026】
更に、汚染物の中でも、PAHsは、ベンゼンなどの単環芳香族炭化水素と比較すると、除去率が一般的に低い。これは、微生物によるPAHsの分解性が低いというよりも、PAHsの土壌への吸着性がベンゼンなどより高く、土壌から分離ができない影響が大きいためである。したがって、PAHsについては、まず、土壌から汚染物質を効率的に分離することが必要であり、その上で、PAHsを分解する細菌の適用を進める必要がある。
【0027】
汚染土壌中に微生物に阻害があるシアンなどの物質が含まれる場合、シアンイオンの微生物阻害は公知であり、バイオレメディエーションプロセスをそのまま適用できず、事前にシアンを無害化する処理を行う必要がある。
【0028】
そこで、本発明は、上記の問題を解決して、油分やPAHsを高濃度に含有する土壌が特にシアンを含む場合であっても、該土壌から油分やPAHsを効率的に除去し、高い除去率を得る汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく検討を重ねた結果、以下の方法により、油分および高濃度の芳香族系炭化水素を安定して効率的に処理することに成功した。
【0030】
本発明の要旨とするところは次の(1)〜(17)である。
(1)汚染物質として油分及び芳香族炭化水素を含有する汚染土壌を土壌スラリーにして該土壌中の汚染物質を除去する方法であって、土壌スラリー調整槽において、汚染土壌に対して、海水、コークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水から選ばれる1種以上の溶液、または該溶液に淡水を混合した溶液を添加して土壌スラリーとする工程、土壌スラリー反応槽またはラグーンにおいて、酸素供給と攪拌を与えることにより、土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に、前記汚染物質を微生物分解する工程、固液分離槽において、前記土壌スラリーを土壌と上澄液に分離する工程、脱水機により前記土壌の脱水処理を行う工程、活性汚泥処理槽において、前記上澄液、前記脱水処理により生じた脱離液に対して、酸素供給と攪拌を行いながら、前記溶液中の汚染物質を微生物分解する工程、を順次行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
(2)前記汚染物質として、更にシアンを含むことを特徴とする前記(1)に記載の汚染土壌の浄化方法。
)前記土壌スラリー反応層またはラグーンにおける微生物処理の工程の後に、脱水機による前記土壌の脱水処理を行うことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の汚染土壌の浄化方法。
)前記微生物分解処理を土壌スラリー中の微生物および/またはコークス工場から発生する安水の活性汚泥中の微生物により行うことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
)前記土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーのpHが、6.0以上9.0未満であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
)前記土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーの酸化還元電位が、0mV(銀/塩化銀複合電極基準)以上であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
)前記土壌スラリー調整槽および/または前記土壌スラリー反応槽またはラグーン中の土壌スラリーに、鉄系凝集剤を添加して、前記汚染物質中のシアンイオンを鉄シアン錯塩とすることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
)前記土壌スラリー調整槽および/または前記土壌スラリー反応槽またはラグーン中の土壌スラリーに、アニオン系界面活性剤、微生物由来の界面活性剤、シクロデキストリンから選ばれる1種以上を添加することを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
)前記活性汚泥処理槽における廃水のpHが、6.0以上9.0未満であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
10)前記活性汚泥処理槽における廃水の酸化還元電位が、0mV(銀/塩化銀複合電極基準)以上であることを特徴とする前記(1)〜()のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
11)前記土壌スラリー反応槽またはラグーンにおいて、土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離する手段として、水中攪拌機および/または超音波攪拌を用いることを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
12)前記活性汚泥処理槽が、固定床式または生物膜濾過式であることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
13)前記活性汚泥処理槽において、微生物固定化担体を投入することを特徴とする前記(1)〜(12)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
14)前記微生物固定化担体が、活性炭および/または炭素繊維である前記(13)に記載の汚染土壌の浄化方法。
15)前記活性汚泥処理槽で処理した後の廃水を、さらに、オゾン、紫外線、過酸化水素、光触媒のいずれか1種以上を用いて処理することを特徴とする前記(1)〜(14)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
【0031】
【発明の実施の形態】
発明者らは、コールタール、ガソリン、重油などの石油製品に起因する油分、特にベンゼンなどの芳香族系炭化水素やナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族系炭化水素(PAHs)、及びシアンで高濃度に汚染された土壌を生物学的に浄化するため、以下の手法を考案した。
【0032】
図1に、本発明の汚染土壌処理プロセスの一例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。本プロセスは、基本的には、汚染土壌を土壌スラリーとして汚染物質を処理するプロセスであり、汚染土壌に海水または海水と淡水の混合水を添加して土壌スラリーを作成した後、土壌スラリーに空気を供給して、酸素供給と強攪拌を与えることにより汚染物質を土壌から水中に抽出せしめると共に、汚染土壌中の微生物および/または汚染物質で馴養した微生物を用いた反応槽またはラグーン内で汚染物質を処理することを特徴とする。以下に詳細に説明する。
【0033】
最初に、土壌スラリーを調整する方法について説明する。
【0034】
図1のスラリー調整槽3において、汚染土壌1に、海水または海水と淡水の混合水2を添加して土壌をスラリー化する。土壌と前記混合水との混合比は、土壌スラリー濃度が以下に述べる範囲に入るように、土壌の含水率を測定後決定する。土壌スラリー濃度としては、10質量%以上50質量%未満が望ましい範囲である。50質量%以上の場合は、攪拌動力が過大となり攪拌を維持することが難しく、一方、10質量%未満では水使用量が増大してしまい経済的でない。
【0035】
汚染土壌に添加する水としては、海水が容易に得られる場合は海水を用いることが望ましい。また、海水に淡水を混合して用いてもかまわない。海水が流入している汽水域の河川水を用いてもかまわない。淡水と海水をより厳密に混合する場合は、土壌間隙水の電気伝導度を測定し、電気伝導度がほぼ同様の値となるように、淡水と海水を混合する。例えば、汚染土壌が海域に近くなればなるほど土壌間隙水の電気伝導度は上昇し、海水の添加量を増大させることになる
海水の使用に対しては、微生物に対する浸透圧の影響から否定的な意見が多いが、あえて、発明者らが積極的に海水を用いるのは、以下の理由によるものである。
【0036】
1) 微生物処理に必要な微量栄養源を含有している。特に、沿岸域、汽水域であれば窒素、リンの濃度も高い場合がある。
【0037】
2) pH緩衝能がある。
【0038】
3) pHが8〜8.5と比較的高い。
【0039】
4) 安価で大量入手可能である。
【0040】
5) 水温がほぼ一定である。
【0041】
6) 汚染土壌中の間隙水は河川等の淡水に比べ、イオン濃度、言い換えれば電気伝導度が高い場合が多く、この状況に応じた微生物が生息しており、海水混合によってこの状況を作り出せる。
【0042】
7) 海水中にPAHs分解細菌、シアン分解菌の存在の報告事例が多い。
【0043】
また、製鐵所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水を汚染土壌に添加する水として用いてもかまわない。これは、製鐵所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水は、廃水と海水を混合させて活性汚泥処理しており、海水を廃水に対して150〜300容積%添加しているためである。また、安水の活性汚泥処理水は水温も約30〜38℃で一定しているため、冬場の微生物活性の低下する時期には最適である。さらに、微生物の栄養源である窒素、リンなども大量に含有しているため、汚染土壌をスラリー化して用いる水として望ましい。このほかに、図1の固液分離槽11で発生する上澄液13の処理水21及び/または脱水機12から発生する脱離液14の処理水21を補給水として用いてもかまわない。海水が容易に得られなければ淡水を用いてもよいが、淡水単独の場合は、微生物処理に必要な微量栄養源を添加する必要があり、海水を添加することが望ましい。
【0044】
スラリー調整槽3において、汚染土壌が大量のコールタール等の汚染物質で汚染されている場合、PAHsの水中への溶出が難しいことがある。このような場合には、界面活性剤添加や、シクロデキストリン添加等の方策を施してもかまわない。
【0045】
本発明で用いる界面活性剤としては、微生物に対して阻害性が少なく、かつ、微生物分解性の良好な界面活性剤であればよいが、界面活性剤は微生物の阻害剤となる場合があり、なかでも、カチオン系の活性剤の1種であるアンモニウム塩類や、ノニオン系活性剤の中には強い殺菌力を示すものがある。したがって、用いる界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤が望ましく、例えば、硫酸エステル塩、一級高級アルコール硫酸エステル塩、二級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルアリル化硫酸塩、アルカン硫酸塩、エステル硫酸塩等が挙げられる。微生物が生産した界面活性剤(バイオサーファクタント)を単独、もしくは、併用して用いてもかまわない。界面活性剤の濃度としては、土壌の汚染状態によるが、0.01〜1.0質量%程度用いれば良い。
【0046】
シクロデキストリンは、D-グルコ-スが結合した環状構造になっており、汚染物質がシクロデキストリンと包接化合物を作ることにより、汚染物質が水中に可溶化しやすくなる特徴がある。本発明に用いるシクロデキストリン水溶液の濃度としては、汚染状態によるが、0.01〜1.0質量%程度用いれば良い。シクロデキストリン自体は、糖分であるから、容易に微生物分解される。シクロデキストリンと、上記界面活性剤を併用してもかまわない。
【0047】
前記スラリー調整槽3における脱離操作により、土壌粒子から分離された汚染物質は、次ステップの反応槽9またはラグーン中の微生物および/または汚染物質で馴養した微生物を用いて分解処理される。このステップにおける処理を詳細に説明する。
【0048】
汚染土壌中の汚染物質を微生物を用いて分解するスラリー反応槽9またはスラリーラグーンは、ブロアー8によって連続的に空気で曝気する。水中攪拌機や超音波攪拌をブロアーと併用しても良く、水中攪拌の強化によって、汚染物の土壌付着防止や気固液の接触頻度が増加し、汚染物の分解速度が向上する。超音波周波数は、汚濁物質の種類によって異なるが、20〜200kHz程度が望ましい。スラリー反応槽9またはスラリーラグーンに、アニオン系界面活性剤および/または微生物由来の界面活性剤および/またはシクロデキストリンを添加してもかまわない。アニオン系界面活性剤および/または微生物由来の界面活性剤および/またはシクロデキストリンの添加濃度は、土壌の汚染状態によるが、0.01〜1.0質量%程度が望ましい。
【0049】
土壌粒子から分離された汚染物質は、汚染土壌中に生息していた微生物および/または汚染物質で馴養した微生物を用いて分解処理される。通常、汚染土壌中に存在する微生物は、汚染物質例えば芳香族系炭化水素で既に馴養されていることが多く、これをスラリー反応槽9またはスラリーラグーンで増殖させて用いればよい。微生物と汚染物質の反応速度をさらに上げる必要がある場合は、汚染物質である芳香族系炭化水素で馴養された微生物を添加すればよい。この場合、芳香族系炭化水素で馴養された微生物であれば特に種類は問わないが、製鐵所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥が望ましい。安水の活性汚泥は、安水に含まれる多種類の芳香族系炭化水素で十分に馴養されており、また、海水にも馴養されているため、反応槽での芳香族系炭化水素の分解を加速することができる。安水の活性汚泥の添加量は、土壌に対して1質量%以上添加すればよく、1質量%未満では添加効果は顕著に現れない。添加量の上限は特にはないが、経済性を考えると50質量%以下が望ましい。
【0050】
土壌スラリー反応層9における汚染物質の分解を促進するためには、スラリー反応槽9またはスラリーラグーンの酸化還元電位(ORP)が0mV(銀/塩化銀複合電極基準、以下同じ)以上に維持されるように、ブロアーおよび/または攪拌機の回転数を制御し、空気を供給することが望ましい。汚染物質の分解反応は、好気的雰囲気で促進されるため、溶存酸素の維持は反応促進に絶対必要であり、ORP値としては、0mV以上が好ましい。ORP値の上限値は特に限定はないが、200mV未満が好ましい。
【0051】
スラリー反応槽9またはスラリーラグーンのpHは、微生物の生育に適した6.0以上9.0未満に維持されることが望ましい。油分の土壌粒子からの洗浄効果のみを考えると、pHは高い方が望ましいことは公知であるが、pHが9以上では油分の洗浄効果は増大しても、微生物の活性が急激に低下するので、pHは9未満であることが必要である。また、pHが6未満では洗浄効果が小さく、また微生物の活性も衰えるため、pHは6以上であることが望ましい。このように、スラリー反応槽9またはスラリーラグーンのpHは、洗浄促進効果と微生物による分解促進効果の両面から決定すべきであり、より好ましくはpHは7以上9未満である。pH調整剤としては、希硫酸や水酸化ナトリウムの水溶液を用いればよい。海水を用いたスラリーであれば、pH緩衝作用があるため、薬品費も削減できる利点がある。
【0052】
さらに、汚染土壌中にシアンが存在する場合、鉄系凝集剤4をスラリー調整槽3および/またはスラリー反応槽9またはスラリーラグーンに添加し、鉄シアン錯塩(2価の鉄イオンの場合フェロシアン([Fe(CN)6]4-)、3価の鉄イオンの場合フェリシアン([Fe(CN)6]3-))を形成させることにより、微生物反応阻害物質であるシアンイオン(CN-)を無害化することが極めて重要である。本発明に用いる鉄系凝集剤としては、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などが好ましい。鉄系凝集剤の添加量は、シアンイオンの濃度にもよるが、通常、鉄とシアンの理論モル比の2倍以上添加すればよい。シアンイオンの毒性は、シアンと鉄が安定なキレート結合をすることにより各段に弱くなる。汚染土壌に鉄分がかなり含まれる場合は、既に鉄シアン錯体を形成しているため、鉄系凝集剤の添加が不用の場合もある。汚染土壌中の微生物は、フェロシアンまたはフェリシアンであれば、分解することができるものもあり、分解過程で発生するNH4-Nを窒素源、HCOO-を有機炭素源として増殖できる。この場合もpHは6以上9未満であることが望ましく、特にpHが6未満の酸性域では、シアンガスが発生する可能性があるため極めて危険であり、一方、pHが9以上ではシアン分解細菌の活性が低下してしまう。製鐵所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥は、シアン分解細菌を大量に含有しているため、これを添加してもかまわない。
【0053】
次に、土壌スラリーの土壌と上澄み液の分離方法について説明する。図1の固液分離槽11で土壌と上澄液に沈降分離し、沈降した土壌は再利用される。沈降した土壌の含水率が高い場合は、沈降した土壌をさらに脱水機12にかけて土壌の含水率を下げた後、土壌を再利用してもよい。固液分離槽11を無くして、土壌スラリーを直接脱水機12にかけてもかまわない。処理された土壌は、通常、元の位置に埋め戻される。
【0054】
最後に、スラリー反応槽9またはスラリーラグーンから発生した廃水の処理方法について説明する。微生物で処理された土壌スラリーは、前述したように、固液分離槽11にて沈降操作などによって土壌と廃水13に固液分離される。また、脱水機からも廃水14が発生する。廃水13および14には、未分解の油分や細かく砕かれた土壌粒子が含まれ、COD(化学的酸素要求量)も高いため、水処理操作によって廃水基準を満たすまで処理する必要がある。このような水処理操作として、活性汚泥のような微生物処理が適用できる。汚染土壌中に存在する微生物は、汚染物質、例えば、油分や芳香族系炭化水素で既に馴養されており、固液分離した廃水にも馴養された微生物が含まれていることから、これを活性汚泥反応槽16で増殖させて用いればよい。更に、反応速度を上げる必要がある場合は、汚染物質である油分や芳香族系炭化水素で馴養された微生物を活性汚泥反応槽16に添加すればよい。この場合、油分や芳香族系炭化水素で馴養された微生物であれば特に種類は問わないが、製鉄所のコークス工場から発生する安水を処理している活性汚泥が望ましい。安水の活性汚泥は、安水に含まれる油分や多種類の芳香族系炭化水素で十分に馴養されており、また、海水でも馴養されているため、反応槽16での油分や芳香族系炭化水素の分解を加速することができる。
【0055】
汚染物質の分解反応は好気的雰囲気で促進されるため、廃水処理用の反応槽16の酸化還元電位(ORP)は、0mV以上が好ましい。ORP値の上限値は特に限定はないが、200mV未満が好ましい。ORPが0mV以上に維持されるように、ブロアーおよび/または攪拌機の回転数を制御すればよい。
【0056】
また、廃水処理用の活性汚泥反応槽16のpHは、微生物の生育に適した6.0以上9.0未満に維持されることが望ましく、より好ましくはpHは7以上9未満である。pH調整剤としては、希硫酸や水酸化ナトリウムの水溶液を用いればよい。
【0057】
さらに、廃水処理用の活性汚泥反応槽16に微生物固定化担体を添加してもよく、微生物固定化担体の表面あるいは内部に微生物が付着、増殖し、反応槽での高濃度の維持が容易となる。微生物固定化担体は、反応槽容量あたり5〜20容積%投入することが望ましい。該微生物固定化担体の材質としては、プラスチックス、セラミックス、スラグ、ゲル、活性炭、炭素繊維など、どれを用いてもよいが、特に活性炭および/または炭素繊維を用いることが望ましい。活性炭や炭素繊維は、一般的に疎水性の物質を吸着しやすいため、固液分離水に残留している汚染物質がベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素および/またはナフタレンを主体とする多環芳香族炭化水素である場合、これらの物質は疎水性であるため、活性炭や炭素繊維に容易に吸着される。
【0058】
廃水処理用の活性汚泥反応槽16の形式としては、微生物や固定化担体を反応槽で流動させる方式ばかりでなく、充填剤を反応槽内部に充填した固定床式や生物膜濾過式としてもよい。充填剤としては、粒状活性炭および/または炭素繊維の束を槽内に充填して用いればよい。
【0059】
また、廃水規制値が厳しく、汚染土壌を洗浄した液を微生物を用いた処理のみでは廃水基準を遵守できない場合、微生物処理の後段で、オゾンおよび/または過酸化水素及び/または紫外線および/または光触媒を用いて酸化分解処理をすればよい。前記処理により、大量のOHラジカルが発生し、難分解性COD成分の分解を促進できる。
【0060】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるものではない。
【0061】
汚染土壌として、油分、ベンゼン、コールタールの主成分であるナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族系炭化水素(PAHs)およびシアンで汚染された土壌を用いた。
【0062】
汚染土壌は、表1に示すように、油分を12000mg/kg-乾重(ノルマルヘキサン〜ソックスレー抽出重量法で測定)、ナフタレン及びフェナンスレンなどの16種類のPAHsの和であるTotal-PAHsも4000mg/kg-乾重(溶媒抽出−GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)法で測定)含んでいる。また、ベンゼン、シアンも溶出試験で、それぞれ1〜2mg/L、0.1〜0.2mg/L程度検出され、土壌環境基準をオーバーしていた。
【0063】
【表1】
Figure 0003820180
【0064】
作業の手順を図1に従って説明する。まず、汚染土壌1を海水と淡水の混合水2(海水:淡水=1:1)により、スラリー調整槽3においてスラリー化する。汚染土壌1に、土壌容量の1倍量の海水と淡水の混合水2を添加し、攪拌機によって攪拌する。汚染土壌の含水率は、30質量%であるため、スラリー中の土壌乾重量の割合は、35質量%である。更に、土壌スラリーには、鉄系凝集剤4として硫酸第二鉄を鉄として0.05mM添加して、土壌中のシアンイオンをフェリシアンとし、シアンの微生物阻害性を除去した。
【0065】
続いて、土壌スラリーを、土壌スラリー反応槽9に通水した。土壌スラリー反応槽9において、細菌によって、土壌中の油分、PAHs、シアンをCO2まで酸化する。土壌スラリー反応槽9の水理学的滞留時間(HRT)は2〜40日の条件で通水し、汚染物質の除去率の評価を行った。反応槽9には、ORPセンサー7とブロアー8を設置し、反応槽9の酸化還元電位(ORP)が0mV以上、200mV未満に維持されるように、ブロアーの回転数を制御して、空気曝気量の制御を行った。また、反応槽のpHは、水酸化ナトリウムの溶液を用い7.0〜9.0に維持した。りん、窒素は特に添加しなかった。
【0066】
図2に、土壌スラリーの滞留時間が2〜40日の場合における油分除去率を示す。処理前の油分濃度は12000mg/kgであったが、滞留時間の増加につれて減少し、20日後で除去率83%、30日後で除去率96%、40日後では除去率98%(油分濃度200mg/kg)まで減少した。土壌から異臭もほとんど消失した。土壌からのベンゼン溶出濃度は、当初1.3mg/Lであったが、2日後の測定で既に土壌環準の0.01mg/Lを下回っていた。土壌からのシアン溶出濃度は、2日後の測定で既に検出限界以下であった。さらに、表2に示すように、多環芳香族炭化水素濃度も減少していることが確認された。
【0067】
【表2】
Figure 0003820180
【0068】
固液分離槽11から発生する上澄液13、及び、脱水機12から発生する脱離液14は以下の方法で処理した。上澄液13及び脱離液14は、未分解の油分や細かく砕かれた土壌粒子が含まれ、COD(化学的酸素要求量)が200〜300mg/Lと高いため、水処理操作によって廃水基準を満たすまで処理する必要があった。
【0069】
まず、活性汚泥処理設備16において、上澄液13及び脱離液14の処理を行った。活性汚泥処理設備16の水理学的滞留時間(HRT)は24時間の条件で通水した。活性汚泥処理設備16にはブロアー18を設置し、常時、空気曝気を行った。種汚泥としては、製鐵所コークス工場から発生する安水の活性汚泥19を用いた。また、活性汚泥処理設備16に設置した酸化還元電位17が0mV以上、200mV未満に維持されるように、ブロアー18の回転数を制御した。活性汚泥処理設備16の内部には、微生物固定化担体として炭素繊維を20容積/容積%充填し、固定床タイプとした。さらに、微生物処理の後段に、オゾン−過酸化水素酸化装置20を設置し、微生物では分解が進みにくいCOD成分の分解促進を図った。活性汚泥処理設備16のHRTが24時間の条件において、処理水中のベンゼンは0.1mg/L以下、CODは30mg/L以下となった。さらに、オゾン−過酸化水素処理の結果、最終処理水21中のベンゼンは0.01mg/L以下、CODは20mg/L以下となった。
【0070】
【発明の効果】
本発明により、油分、芳香族系炭化水素、シアンを含有する土壌でも、微生物を用いて安価に簡便に安定して浄化処理することが可能となり、油分、シアン及び芳香族系炭化水素の高い除去率を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】土壌中の油分、芳香族系化合物、シアンを除去するプロセスフローである。
【図2】実施例におけるスラリーリアクターによる土壌中の油分除去率を示すグラフである。
【符号の説明】
1…汚染土壌
2…海水と淡水の混合水 及び/又は 最終処理水
3…スラリー調整槽
4…鉄系凝集剤
5…pHセンサー
6…NaOH添加装置
7…ORPセンサー
8…ブロアー
9…土壌スラリー反応槽
10…スラリー貯留槽
11…固液分離槽
12…脱水機
13…上澄液
14…脱離液
15…処理土壌
16…活性汚泥処理槽
17…ORPセンサー
18…ブロアー
19…安水活性汚泥
20…オゾン-H2O2酸化槽
21…最終処理水
22…余剰汚泥

Claims (15)

  1. 汚染物質として油分及び芳香族炭化水素を含有する汚染土壌を土壌スラリーにして該土壌中の汚染物質を除去する方法であって、土壌スラリー調整槽において、汚染土壌に対して、海水、コークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水から選ばれる1種以上の溶液、または該溶液に淡水を混合した溶液を添加して土壌スラリーとする工程、土壌スラリー反応槽またはラグーンにおいて、酸素供給と攪拌を与えることにより、土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に、前記汚染物質を微生物分解する工程、固液分離槽において、前記土壌スラリーを土壌と上澄液に分離する工程、脱水機により前記土壌の脱水処理を行う工程、活性汚泥処理槽において、前記上澄液、前記脱水処理により生じた脱離液に対して、酸素供給と攪拌を行いながら、前記溶液中の汚染物質を微生物分解する工程、を順次行うことを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 前記汚染物質として、更にシアンを含むことを特徴とする請求項1に記載の汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記土壌スラリー反応層またはラグーンにおける微生物処理の工程の後に、脱水機による前記土壌の脱水処理を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記微生物分解処理を土壌スラリー中の微生物および/またはコークス工場から発生する安水の活性汚泥中の微生物により行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 前記土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーのpHが、6.0以上9.0未満であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  6. 前記土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーの酸化還元電位が、0mV(銀/塩化銀複合電極基準)以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  7. 前記土壌スラリー調整槽および/または前記土壌スラリー反応槽またはラグーン中の土壌スラリーに、鉄系凝集剤を添加して、前記汚染物質中のシアンイオンを鉄シアン錯塩とすることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  8. 前記土壌スラリー調整槽および/または前記土壌スラリー反応槽またはラグーン中の土壌スラリーに、アニオン系界面活性剤、微生物由来の界面活性剤、シクロデキストリンから選ばれる1種以上を添加することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  9. 前記活性汚泥処理槽における廃水のpHが、6.0以上9.0未満であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  10. 前記活性汚泥処理槽における廃水の酸化還元電位が、0mV(銀/塩化銀複合電極基準)以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  11. 前記土壌スラリー反応槽またはラグーンにおいて、土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離する手段として、水中攪拌機および/または超音波攪拌を用いることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  12. 前記活性汚泥処理槽が、固定床式または生物膜濾過式であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  13. 前記活性汚泥処理槽において、微生物固定化担体を投入することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  14. 前記微生物固定化担体が、活性炭および/または炭素繊維である請求項13に記載の汚染土壌の浄化方法。
  15. 前記活性汚泥処理槽で処理した後の廃水を、さらに、オゾン、紫外線、過酸化水素、光触媒のいずれか1種以上を用いて処理することを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
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