JP3817864B2 - Injection molding method and apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は射出成形型のキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出し、射出された樹脂中にガスまたは他の樹脂等の流体を射出して、中空樹脂成形体または多層樹脂成形体などを製造する方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂成形品を軽量化するために、内部を中空にしたり、内部に発泡樹脂層等の樹脂層を形成したものが使用されており、このような樹脂成形品を製造するために射出成形型のキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出し、射出された樹脂中に圧縮ガスまたは他の樹脂を射出し、中空成形品またはサンドイッチ状の成形品を製造することが行われている(例えば特開平3−248937号)。
【0003】
この場合、一般的には外層となる樹脂を射出後、ただちに内層に充填されるガスや樹脂の射出が行われるが、製造された成形品の表面には、「ヘジテーションマーク」と称される線状のマークが形成される。このマークは樹脂の射出と圧縮ガス等の流体の射出の切換時に、キャビティ内において射出された樹脂の流動が一時的に停止することに起因するものと推定される。
【0004】
図7(a)、(b)、(c)はヘジテーションマークの推定的な形成過程を説明する模式的断面図である。図7において、1は射出成形型であって、キャビティ型2およびコア型3間にキャビティ4が形成された構造になっている。キャビティ型2は成形品の装飾面を形成する型面5を有し、コア型3は成形品の裏面を形成する型面6を有する。
【0005】
図7(a)はキャビティ4に外層を形成する樹脂7を射出している状態を示しており、樹脂7は矢印pの方向に進行している。樹脂7はキャビティ4の容量よりも少ない量だけ射出した後、(c)に示すように射出された樹脂7中に圧縮ガスを矢印q方向に射出して、ガスの作用により樹脂7を押し拡げ内部に中空部8を形成する。このとき樹脂7の射出の停止と同時にガスを射出しても、切換に伴って一時的(瞬間的)に樹脂7は移動を停止し、(b)の停止状態が出現する。
【0006】
樹脂7が移動している間は樹脂流の中間部では溶融状態を保って流動し、樹脂7の先端部から図面上で上下両側に分れながら移動し、型面5、6に圧着される。このように樹脂7が流動している間は、内部の溶融状態の樹脂が順次表面に現われて型面5、6に圧着されるため、型面5、6に形成されている微細凹部9にも樹脂7が充填され均一な表面が形成される。
【0007】
ところが(b)に示すように、樹脂7が一時的に停止すると、樹脂7の先端部7aでは同じ面がキャビティ4内の常温の大気と接する時間が長くなるため、放熱により表層がいくぶん固化する。このため(c)に示すように引き続いてガスが射出されることによって樹脂7がp方向に移動を再開すると、再開直後には(b)における先端部7aが固化部分7bとなって両側に分れて型面5、6に押し付けられるため、固化部分7bは型面5、6の微細凹部9内に入り込むことができず、樹脂7が充填されない微細凹部9aが残される。このような固化部分7bがヘジテーションマークを形成するものと推定される。圧縮ガスに代えて他の溶融樹脂を射出する場合も同様である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、射出成形型のキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出し、射出された樹脂中にガスまたは他の樹脂等の流体を射出して、中空樹脂成形体または多層樹脂成形体などを製造する場合において、ヘジテーションマーク等の外観異常が発生しない射出成形方法および装置を提案することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は次の射出成形方法および装置である。
(1)射出成形型のキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出し、射出樹脂中に他の流体を射出して樹脂層内に充填するとともに、樹脂層をキャビティ内に押し拡げて型面に圧着させて成形品を製造する射出成形方法であって、樹脂の射出を停止して他の流体の射出を開始する過程において、加熱ガスを射出樹脂の先端部に供給し、キャビティ内に射出された射出樹脂の先端部を加熱または保温して溶融状態に維持することを特徴とする射出成形方法。
(2) 射出成形型のキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出し、射出樹脂中に他の流体を射出して樹脂層内に充填するとともに、樹脂層をキャビティ内に押し拡げて型面に圧着させて成形品を製造する射出成形方法であって、樹脂の射出を停止して他の流体の射出を開始する過程において、赤外線を射出樹脂の先端部に照射し、キャビティ内に射出された射出樹脂の先端部を加熱または保温して溶融状態に維持することを特徴とする射出成形方法。
(3) 他の流体が圧縮ガスである上記(1)または(2)記載の射出成形方法。
(4) 他の流体が他の溶融樹脂である上記(1)または(2)記載の射出成形方法。
(5) 成形品を成形するためのキャビティを有する射出成形型と、キャビティにキャビティ容量よりも少ない量の加熱、溶融した液状の樹脂を射出する第1のゲートと、射出樹脂内に他の流体を射出する第2のゲートと、樹脂の射出を停止して他の流体の射出を開始する過程において、加熱ガスを射出樹脂の先端部に供給し、射出樹脂の先端部を溶融状態に維持する加熱または保温手段とを有する射出成形装置。
(6) 成形品を成形するためのキャビティを有する射出成形型と、キャビティにキャビティ容量よりも少ない量の加熱、溶融した液状の樹脂を射出する第1のゲートと、射出樹脂内に他の流体を射出する第2のゲートと、樹脂の射出を停止して他の流体の射出を開始する過程において、赤外線を射出樹脂の先端部に照射し、射出樹脂の先端部を溶融状態に維持する加熱または保温手段とを有する射出成形装置。
(7) 第2のゲートが圧縮ガスを射出するゲートである上記(5)または(6)記載の射出成形装置。
(8) 第2のゲートが他の溶融樹脂を射出するゲートである上記(5)または(6)記載の射出成形装置。
【0010】
本発明において製造の対象となる成形品は樹脂の射出成形品であって、内部に中空部、あるいは発泡樹脂層その他の樹脂層を有する成形品である。成形品の形状、構造、材質等に特に制限はなく、任意に選択することができる。
【0011】
このような成形品を製造するための装置の基本的な構成は従来から用いられているものと同様であり、成形品を成形するためのキャビティを有する射出成形型を有し、この成形型はキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出する第1のゲートと、射出樹脂内に他の流体を射出する第2のゲートとを備えた装置を用いる。
【0012】
第1のゲートは成形品の外層を成形する樹脂を射出するゲートであり、キャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出するように構成される。第2のゲートは他の流体を射出するゲートであり、他の流体の種類によってその形状、大きさ、位置等を変えることができる。例えば中空成形品を製造する場合は圧縮ガス射出用ゲート、内部に発泡樹脂層を形成する場合は発泡性樹脂射出用ゲート、内部に他の樹脂層を形成する場合は他の樹脂射出用ゲートとする。第1および第2のゲートは兼用してもよく、別に設けてもよい。
【0013】
本発明ではこのような射出成形装置において、射出樹脂の先端部を加熱または保温する加熱または保温手段を設ける。この加熱または保温手段はキャビティに射出された射出樹脂の先端部を加熱状態に保持して軟化状態を維持するものであり、射出樹脂の先端部に加熱ガスを供給する装置、射出樹脂の先端部に赤外線を照射する装置があげられる。
【0014】
加熱ガスを供給する装置は、樹脂の射出を停止して他の流体の射出を開始する過程で加熱ガスを供給できるものであることが必要である。ガスとしては窒素のような化学的に不活性なガスが好ましいが、空気であってもよい。
【0015】
加熱手段により成形型を加熱すると、成形後の型の冷却時間が長くなるので、加熱手段は射出樹脂の先端部を加熱するのに必要な限度のものであって、射出成形型を必要以上に加熱しないように構成するのが短時間の成形サイクルを保つうえで好ましい。
【0016】
本発明の射出成形方法は上記のような射出成形装置を用いて射出成形を行い、樹脂成形品を製造する。この場合射出成形型のキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の溶融樹脂を射出し、キャビティに射出された射出樹脂中に他の流体を射出して樹脂層内に充填するとともに樹脂層をキャビティ内に押し拡げて型面に圧着させて成形品を製造する際、樹脂の射出を停止して他の流体の射出を開始する過程において、加熱ガスを射出樹脂の先端部に供給して、キャビティ内に射出された射出樹脂の先端部を加熱または保温して溶融状態を維持する。
【0017】
これにより他の流体の射出によって樹脂の流動が再開した後の樹脂を型面に密着させることができ、これによってヘジテーションマーク等の外形異常の発生を防止することができる。すなわち、樹脂の射出を停止し、他の流体を射出する際、切換時のタイムロスにより一時的に射出樹脂の流れが停止するが、加熱または保温手段により射出樹脂の先端部を加熱または保温して溶融状態に維持すると、移動再開した射出樹脂は停止前とほぼ同等の条件で型面に圧着するため、成形品は均一な外観となり、ヘジテーションマークは発生しない。
【0018】
樹脂の先端部を加熱または保温する方法としては、樹脂の射出の停止から他の流体の射出に至る過程において加熱ガスを先端部に供給し、射出樹脂の先端部を加熱または保温する方法、樹脂の射出の停止から他の流体の射出に至る過程において赤外線を照射し、射出樹脂の先端部を加熱または保温する方法などがあげられる。
【0019】
いずれの場合も、樹脂の射出の停止から他の流体の射出に至る過程において射出樹脂の先端部が加熱または保温されて溶融状態に維持されればよいから、射出成形型を必要以上に加熱しない限定において、これらの加熱手段による加熱または保温の時間を前後に延長することができる。
【0020】
【発明の効果】
本発明の射出成形方法および装置によれば、射出成形型のキャビティにキャビティ容量よりも少ない量の樹脂を射出し、射出樹脂中に他の流体を射出する際、樹脂の射出を停止して他の流体の射出を開始する過程において、射出樹脂の先端部に加熱ガスを供給するか、または赤外線を照射し、キャビティ内に射出された射出樹脂の先端部を加熱または保温するようにしたので、射出樹脂の先端部を軟化状態に維持することができ、これにより射出樹脂を均一に型面に密着させて、ヘジテーションマーク等の外観異常のない成形品を製造することができる。
【0022】
樹脂の射出の停止から他の流体の射出に至る過程において加熱ガスを供給し、または赤外線照射により射出樹脂の先端部を加熱することにより、特定の時間に特定の部分のみ加熱または保温することができ、成形型全体の温度が上昇するのを防止して冷却に要する時間を短くすることができる。
【0023】
他の流体が圧縮ガスである場合は外観異常のない中空成形品を効率よく製造することができ、他の流体が他の溶融樹脂である場合は外観異常のない多層成形品を効率よく製造することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面により説明する。
図1は参考例の射出成形装置を示す断面図、図2(a)、(b)はその一部の拡大断面図、図3(a)、(b)、(c)は製造工程を示す模式的断面図であり、図7と同一符号は同一または相当部分を示す。
【0025】
この装置はキャビティ内部の気体を事前に加熱しておく例を示す。図1ないし3において、1は射出成形型であって、キャビティ型2およびコア型3の分割面(パーティング面)間にキャビティ4が形成された構造になっている。キャビティ型2は成形品の装飾面を形成する型面5を有し、コア型3は成形品の裏面を形成する型面6を有する。
【0026】
コア型3にはキャビティ4の片側に開口するように、樹脂を射出するための第1のゲート11、他の流体として圧縮ガスを射出する第2のゲート12、および加熱または保温手段として加熱ガスを供給する熱風吹出口13が近接して設けられ、またキャビティ4に射出された樹脂が最後に到達する位置、本実施形態ではキャビティ4の反対側に開口するガス排出口14が設けられている。
【0027】
第1のゲート11はスプル15、ランナ16を介して射出成形機17の射出ノズル17aが連結されるようになっている。第2のゲート12は圧縮ガス射出装置18の射出部18aに接続しており、ガス射出装置18は流路19を介してガス供給装置20に接続している。21は圧縮ガスを大気に放出するガスベント弁である。
【0028】
吹出口13は熱風吹出装置22の吹出部22aに接続している。熱風吹出装置22にはブロア23から送風パイプ24が連絡している。熱風吹出装置22の詳細な構造は図2(a)に示されている。熱風吹出部22aの上部にはテーパー状の弁座25が形成され、これに密着する開閉弁26がロッド27に取付けられて、矢印r,s方向に移動することにより開閉可能とされており、その周囲にヒータ(電熱線)28が配置され、送風パイプ24が連絡している。ロッド27は熱風吹出装置22を構成する流体圧シリンダから前進後退可能に設けられている。なお、熱風吹出装置22は、成形型を加熱しないように、図示しない断熱材で囲んでおくのが望ましい。
【0029】
ガス排出口14はコア型3に設けられた焼結金属等の通気材31を有する通気路32を通して、キャビティ型2に設けられた吸引室33に接続し、さらに流路34を介して吸引ポンプ35に接続している。この通気材31は気体の通過は許容するが溶融樹脂の通過は阻止する。36は温度センサ、37はシール材である。38は冷却水等の型温度調節媒体流路であり、キャビティ型2およびコア型3のキャビティ4を囲む部分に配置されているが、一部だけ例示されている。30は制御装置である。
【0030】
上記の射出成形装置は中空の樹脂成形品を製造するためのものであり、以下の方法により成形が行われる。まず、射出成形型1のキャビティ型2とコア型3を閉じシール材37により吸引室33を気密にシールして、制御装置30からの信号aにより吸引ポンプ35を作動させてキャビティ4内の大気(空気)を吸気する。このとき温度センサ36から温度信号bを制御装置30に入力するようにする。
【0031】
これと同時にあるいは前後して制御装置30からの信号c,dによりブロア23およびヒータ28を作動させると同時に開閉弁26を開いてキャビティ4内に熱風(化学的に不活性なN2ガスが好ましいが空気であってもよい)を吹き込んでキャビティ4内の気体の温度を所定の温度に保つ。この場合ブロア23から送風パイプ24を通して送られる窒素ガスや空気がヒータ28により加熱され、熱風となって熱風吹出口13からキャビティ4に入る。
【0032】
キャビティ4内の元の空気はガス排出口14から通気路32を通り、吸引室33から流路34を通して吸引ポンプ35により排気される。この状態で温度センサ36が所定の温度、好ましくは射出される樹脂の温度よりもやや高い温度を検出したら開閉弁26を閉じる。このとき吸引ポンプ35、ブロア23およびヒータ28は停止させるのが好ましい。なお、所定の温度の決定は、成形する樹脂材料によって異なるので、事前のテストショットによって決めておいておくのがよい。
【0033】
次いで制御装置30からの信号hにより射出成形機17を作動させて、射出ノズル17aから加熱溶融した液状の熱可塑性樹脂をランナ16、スプル15、第1のゲート11を通してキャビティ4内に射出する。このとき図3(a)に示すように樹脂7はキャビティ4内を矢印p方向に前進する。キャビティ4の容量より少ない所定量の樹脂を射出した段階で射出成形機17からの樹脂の射出を停止すると、(b)に示すように、樹脂7の先端部7aはキャビティ4の途中で一時的に停止する。このとき先端部7aはキャビティ4内の加熱された気体と接しているので、加熱または保温されて冷却が阻止され、溶融状態を維持する。
【0034】
直ちに(厳密に同時にと言う意味ではなく、キャビティ4内に射出された樹脂の固化が始まらない時間内であればよい)制御装置30の信号e,fによりガス供給装置20から不活性ガスを加圧して(前もって数百kgf/cm2に加圧しておくこともある)供給すると同時にガス射出装置18を作動させて、図3(c)に示すように樹脂7中に圧縮ガスを射出して内部に中空部8を形成するとともにこの中空部8を徐々に拡大させて樹脂7の見掛上の体積を膨脹させる。この場合ガスベント弁21は閉じており、見掛上の体積膨脹により樹脂7はキャビティ4内の未だ満たされていない部分に向けて流動する。このとき樹脂7と先端部7aは、中央部分の樹脂が順次先端部に出てきて軟化状態を保っているため型面5,6に圧着し、微細凹部9にも樹脂7が充填される。こうして圧縮ガスの射出を継続することによりキャビティ4は内部に中空部8を有する樹脂7で充填される。
【0035】
このように圧縮ガスの膨脹圧力を型面5,6側に向けて作用させたまま、温度調節媒体流路38に冷却水等の媒体を供給して樹脂7を固化させる。その後ガス供給装置20およびガス射出装置18の作動を停止させるとともに制御装置30の信号gによりガスベント弁21を開き、キャビティ4内のガスを排出する。そして射出成形型1を開き、樹脂成形品を取り出す。
【0036】
こうして得られる樹脂成形品は中空部8を有し、ヘジテーションマークのない優れた外観を有する。
上記のように樹脂の射出前にキャビティ内に加熱ガスを充填する場合は樹脂7の先端部7aの停止位置を厳密に制御しなくてもよいから、操作が容易である。
【0037】
上記の装置において、熱風吹出装置22の吹出部22aは22bの位置、すなわち第1のゲート11の位置に開口させてもよい。またガス射出装置18の射出部18aも18bまたは18cの位置、すなわちランナ16または射出ノズル17aに開口させてもよい。さらに外部に熱風供給装置を有するときは、図2(a)において熱風供給路24aを熱風吹出装置22に接続することによりヒータ28を省略することができる。
【0038】
図2(b)は他の開閉弁の構造を示しており、弁座25aはコア型3のキャビティ4側に傾斜状に設けられ、開閉弁26aは傘形でキャビティ4内に突出するように形成され、矢印u,v方向に移動して開閉するように構成されている。この場合、樹脂の射出時には閉となり、開閉弁26aは樹脂圧で弁座25aに押しつけられるようになっている。なお図2(a),(b)の両方とも、弁26aが閉じたときには弁の表面はコア型2の型面6と連続してコア型面を構成する。
【0039】
図4、図5は本発明の実施形態を示し、図4では熱風吹出装置22は、樹脂射出工程終了時の停止した樹脂7の先端部7a付近に設けられている。ここでは熱風吹出装置22は通気材31中に配置されたヒータ28にブロア23から送風パイプ24を通じて通気することにより、樹脂7の先端部7aに熱風を供給するように構成されている。
【0040】
この装置では樹脂の射出と同時に又は樹脂7の先端部7aがキャビティ4内の所定位置に来る時点で樹脂の射出を停止してブロア23およびヒータ28を起動し、先端部7aに熱風を吹き付けることにより、先端部7aの樹脂を加熱または保温して溶融状態に保つ。熱風の吹出は射出の停止の前であってもよく、また後でもよいが、ガス射出前であることが必要である。
【0041】
図5では、透明ガラス39aおよび赤外線照射器39bからなる熱発生装置39が、停止位置における先端部7aに対向するように配置されている。この装置では樹脂7の射出と同時に又は射出を停止した時点で赤外線照射器39bを起動して先端部7aに赤外線を照射することにより先端部7aを加熱または保温して溶融状態で保つ。
【0042】
図4、図5の場合とも、樹脂7の先端部7aのみ加熱するので、加熱の熱量は少なく、また型自体を加熱するものではないので冷却も容易である。これらの場合は温度センサ36、吸引ポンプ35等は必ずしも必要でない。
【0043】
図6は他の流体として溶融樹脂を射出する実施形態の断面図である。射出成形型1はキャビティ型2およびコア型3間にキャビティ4が形成されている。キャビティ4にはスプル15および第1のゲート11を通して射出成形機17の射出ノズル17aから外層を形成する樹脂7、および内層を形成する溶融した内層樹脂10が射出されるようになっている。コア型3にはゲート11とは異なる位置の型面に熱風吹出口13が開口する熱風吹出装置22が設けられて熱風供給路24aが接続している。
【0044】
図1と同様にガス排出口14、通気路32、吸引ポンプ35等が設けられているが、図示は省略されている。射出ノズル17aの内周には内筒ノズル41がスライド可能に、また内筒ノズル41の内周にはニードル42がスライド可能に設けられている。射出ノズル17aと内筒ノズル41間には、外層樹脂流路43が形成されている。内筒ノズル41とニードル42間には内層樹脂流路44が形成されている。
【0045】
上記の装置では、まず熱風供給路24aから熱風吹出装置22に熱風を供給し、熱風吹出口13からキャビティ4に吹出してキャビティ4内の大気と置換する。そして射出ノズル17aのニードル42で内層樹脂流路44を遮断した状態で外層樹脂流路43から樹脂7をキャビティ4の容量より少ない量だけ射出した後、樹脂7の射出を停止する。その後ニードル42を後退させて内層樹脂流路44から内層樹脂10を射出して、サンドイッチ状の多層樹脂成形品を製造する。
【0046】
この方法においても、熱風の吹出しは、先端部7aの停止の時点において、先端部7aに向けて行うようにしてもよい。
【0047】
なお上記各例において、型面がエンボス模様のものを使用するときに顕著な効果が得られるが、必ずしもエンボス模様に限られず平滑な面のものでもよい。また成形型1の構造、キャビティ4の形状等は成形品に合わせて変更可能であり、樹脂7の先端部7aの加熱方法も変更可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例の射出成形装置を示す断面図である。
【図2】 (a),(b)は図1の一部の拡大断面図である。
【図3】 (a),(b),(c)は製造工程を示す模式的断面図である。
【図4】 本発明の実施形態の射出成形装置を示す断面図である。
【図5】 他の実施形態の射出成形装置を示す断面図である。
【図6】 さらに他の実施形態の射出成形装置を示す断面図である。
【図7】 従来の製造工程を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1 射出成形型
2 キャビティ型
3 コア型
4 キャビティ
5,6 型面
7 樹脂
8 中空部
9 微細凹部
10 内層樹脂
11 第1のゲート
12 第2のゲート
13 熱風吹出口
14 ガス排出口
15 スプル
16 ランナ
17 射出成形機
17a 射出ノズル
18 ガス射出装置
19,34 流路
20 ガス供給装置
21 ガスベント弁
22 熱風吹出装置
23 ブロア
24 送風パイプ
25 弁座
26 開閉弁
27 ロッド
28 ヒータ
30 制御装置
31 通気材
32 通気路
33 吸引室
35 吸引ポンプ
36 温度センサ
37 シール材
38 温度調節媒体流路
39 熱発生装置
41 内筒ノズル
42 ニードル
43 外層樹脂流路
44 内層樹脂流路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention injects a resin smaller than the cavity capacity into a cavity of an injection mold, and injects a fluid such as a gas or other resin into the injected resin, thereby forming a hollow resin molded body or a multilayer resin molded body. The present invention relates to a method and an apparatus for manufacturing.
[0002]
[Prior art]
In order to reduce the weight of resin molded products, hollow ones or those with a resin layer such as a foamed resin layer formed inside are used. To produce such resin molded products, an injection mold is used. A resin having a volume smaller than the cavity capacity is injected into the cavity, and a compressed gas or other resin is injected into the injected resin to produce a hollow molded product or a sandwich-shaped molded product (for example, JP-A-3-248937).
[0003]
In this case, generally, after injecting the resin as the outer layer, the gas or resin filled in the inner layer is injected immediately. However, on the surface of the manufactured molded product, a line called a “hesitation mark” is used. A mark is formed. This mark is presumed to be caused by temporarily stopping the flow of the injected resin in the cavity when switching between injection of resin and injection of fluid such as compressed gas.
[0004]
FIGS. 7A, 7B, and 7C are schematic cross-sectional views illustrating an estimated formation process of a hesitation mark. In FIG. 7,
[0005]
FIG. 7A shows a state in which the
[0006]
While the
[0007]
However, as shown in (b), when the
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to inject a resin having a volume smaller than the cavity capacity into a cavity of an injection mold, and inject a fluid such as gas or other resin into the injected resin, thereby forming a hollow resin molded body or a multilayer resin. An object of the present invention is to propose an injection molding method and apparatus that do not cause an appearance abnormality such as a hesitation mark in the production of molded articles and the like.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention is the following injection molding method and apparatus.
(1) A resin smaller than the cavity capacity is injected into the cavity of the injection mold, and another fluid is injected into the injection resin to fill the resin layer, and the resin layer is pushed into the cavity to expand the mold. a injection molding process for producing a molded article by compression to the surface, to stop emission of the tree fat in the course you start the injection of other fluids, to supply heated gas to the distal end of the injected resin, the cavity An injection molding method characterized in that a tip portion of injection resin injected into the inside is heated or kept warm to maintain a molten state.
(2) Injection of a resin smaller than the cavity capacity into the cavity of the injection mold, injecting another fluid into the injection resin, filling the resin layer, and expanding the resin layer into the cavity An injection molding method in which a molded product is manufactured by pressure bonding to a surface. In the process of stopping injection of resin and starting injection of another fluid, infrared light is irradiated to the tip of the injection resin and injected into the cavity. An injection molding method characterized by heating or keeping a temperature of a tip portion of the injected resin to maintain a molten state.
(3) The injection molding method according to the above (1) or (2 ), wherein the other fluid is a compressed gas.
(4) The injection molding method according to the above (1) or (2) , wherein the other fluid is another molten resin.
(5) An injection mold having a cavity for molding a molded article, a first gate for injecting a molten liquid resin in an amount smaller than the cavity capacity into the cavity, and another fluid in the injection resin In the process of stopping the injection of the resin and starting the injection of another fluid, the heating gas is supplied to the tip portion of the injection resin, and the tip portion of the injection resin is maintained in a molten state. An injection molding apparatus having heating or heat retaining means.
(6) An injection mold having a cavity for molding a molded product, a first gate for injecting a molten liquid resin in an amount smaller than the cavity capacity into the cavity, and another fluid in the injection resin In the process of stopping the injection of the resin and starting the injection of another fluid, the second gate for injecting the resin is heated to irradiate the tip of the injection resin with infrared rays and maintain the injection resin in the molten state Or an injection molding apparatus having a heat retaining means.
(7) The injection molding apparatus according to (5) or (6 ), wherein the second gate is a gate for injecting compressed gas.
(8) The injection molding apparatus according to (5) or (6 ), wherein the second gate is a gate for injecting another molten resin.
[0010]
The molded product to be manufactured in the present invention is a resin injection molded product, and is a molded product having a hollow portion, a foamed resin layer, or other resin layers inside. There is no restriction | limiting in particular in the shape of a molded product, a structure, a material, etc., It can select arbitrarily.
[0011]
The basic configuration of an apparatus for manufacturing such a molded product is the same as that conventionally used, and has an injection mold having a cavity for molding the molded product. An apparatus including a first gate for injecting a resin smaller than the cavity capacity into the cavity and a second gate for injecting another fluid into the injection resin is used.
[0012]
The first gate is a gate for injecting resin for molding the outer layer of the molded product, and is configured to inject an amount of resin smaller than the cavity capacity. The second gate is a gate that ejects another fluid, and its shape, size, position, and the like can be changed depending on the type of the other fluid. For example, when manufacturing a hollow molded product, a compressed gas injection gate, when forming a foamed resin layer inside, a foamable resin injection gate, when forming another resin layer inside, another resin injection gate To do. The first and second gates may be shared or provided separately.
[0013]
In the present invention, in such an injection molding apparatus, a heating or heat retaining means for heating or heat retaining the tip of the injection resin is provided. This heating or heat insulation means all SANYO which holds the tip of the injection resin injected into the cavity in the heated state to maintain the softened state, I De apparatus for supplying heated gas to the distal end portion of the resin, the injected resin equipment and the like for irradiating infrared rays to the tip portion.
[0014]
Apparatus for supplying a pressurized heat gas is required to be one in which to stop the injection of the tree fat in the process of starting the injection of other fluids can be supplied pressurized thermal gas. The gas is preferably a chemically inert gas such as nitrogen, but may be air.
[0015]
If the mold is heated by the heating means, the cooling time of the mold after molding becomes longer, so the heating means is the limit necessary to heat the tip of the injection resin, and the injection mold is more than necessary. In order to maintain a short molding cycle, it is preferable not to heat.
[0016]
The injection molding method of the present invention performs injection molding using the injection molding apparatus as described above to produce a resin molded product. In this case, an amount of molten resin less than the cavity capacity is injected into the cavity of the injection mold, and another fluid is injected into the injection resin injected into the cavity to fill the resin layer and the resin layer into the cavity. when producing a molded article by compression to the mold surface pushed open, stop the injection of the tree fat in the course you start the injection of other fluids, by supplying heated gas to the distal end of the injected resin, the cavity The tip of the injected resin injected into the inside is heated or kept warm to maintain a molten state.
[0017]
As a result, the resin after the flow of the resin has been resumed by the injection of another fluid can be brought into close contact with the mold surface, thereby preventing the occurrence of an abnormal shape such as a hesitation mark. That is, when the injection of the resin is stopped and another fluid is injected, the flow of the injection resin temporarily stops due to the time loss at the time of switching, but the tip of the injection resin is heated or kept warm by the heating or heat retaining means. When the molten resin is maintained in a molten state, the resumed injection resin is pressure-bonded to the mold surface under substantially the same conditions as before stopping, so that the molded product has a uniform appearance and no hesitation mark is generated.
[0018]
As a method for heating or heat retaining the leading end of the resin, a method of supplying the heated gas to the tip in the process from the injection stop tree fat to the injection of other fluids, heated or kept warm tip of the injection resin, There is a method of irradiating infrared rays in the process from stopping the injection of the resin to injecting another fluid to heat or keep the tip of the injection resin.
[0019]
In either case, the heating since it is sufficient in process from the injection stop tree fat to the injection of another fluid tip of the injection resin is heated or kept warm is maintained in a molten state, unnecessarily injection mold In a non-limiting manner, the heating or heat retention time by these heating means can be extended back and forth.
[0020]
【The invention's effect】
According to the injection molding method and apparatus of the present invention, a small amount of resin than the cavity capacity injection mold cavity by injection, during injection of other fluids in the injected resin, to stop emission of the tree butter In the process of starting the injection of other fluids , heated gas was supplied to the tip of the injection resin, or infrared rays were applied to heat or keep the tip of the injection resin injected into the cavity. The tip portion of the injection resin can be maintained in a softened state, whereby the injection resin can be uniformly adhered to the mold surface, and a molded product having no appearance abnormality such as a hesitation mark can be manufactured.
[0022]
By supplying a heating gas in a process from the injection stop of the resin to the injection of other fluids, or to heat the tip of the injection resin by infrared radiation, it is only heated or kept warm certain parts at a particular time It is possible to prevent the temperature of the entire mold from rising and shorten the time required for cooling.
[0023]
When the other fluid is compressed gas, it is possible to efficiently produce a hollow molded article having no appearance abnormality, and when the other fluid is another molten resin, efficiently producing a multilayer molded article having no appearance abnormality. be able to.
[0024]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described with reference to the drawings.
1 is a cross-sectional view showing an injection molding apparatus of a reference example , FIGS. 2A and 2B are enlarged cross-sectional views of a part thereof, and FIGS. 3A, 3B, and 3C show manufacturing processes. It is typical sectional drawing, and the same code | symbol as FIG. 7 shows the same or equivalent part.
[0025]
This apparatus shows an example in which the gas inside the cavity is heated in advance. 1 to 3,
[0026]
The
[0027]
The
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
The above injection molding apparatus is for producing a hollow resin molded product, and molding is performed by the following method. First, the
[0031]
At the same time or before and after this, the
[0032]
The original air in the
[0033]
Next, the
[0034]
Immediately (not strictly at the same time, it may be within the time when the resin injected into the
[0035]
The
[0036]
The resin molded product thus obtained has a
As described above, when the heating gas is filled in the cavity before the injection of the resin, it is not necessary to strictly control the stop position of the
[0037]
In the above apparatus, the blowing
[0038]
FIG. 2B shows another open / close valve structure, in which the
[0039]
4 and 5 show an embodiment of the present invention . In FIG. 4, the hot
[0040]
In this apparatus, the resin injection is stopped at the same time as the resin injection or when the
[0041]
In FIG. 5, the
[0042]
4 and 5, only the
[0043]
FIG. 6 is a cross-sectional view of an embodiment in which a molten resin is injected as another fluid. In the
[0044]
As in FIG. 1, the
[0045]
In the above apparatus, first, hot air is supplied from the hot
[0046]
In this method, blowing of hot air, at the time of stop of the
[0047]
In each of the above examples, a remarkable effect can be obtained when a mold surface having an embossed pattern is used. However, the mold surface is not necessarily limited to an embossed pattern and may have a smooth surface. Further, the structure of the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an injection molding apparatus of a reference example .
2A and 2B are enlarged cross-sectional views of a part of FIG.
FIGS. 3A, 3B and 3C are schematic cross-sectional views showing a manufacturing process. FIGS.
FIG. 4 is a cross-sectional view showing an injection molding apparatus according to an embodiment of the present invention .
FIG. 5 is a cross-sectional view showing an injection molding apparatus according to another embodiment.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing an injection molding apparatus according to still another embodiment.
FIG. 7 is a schematic cross-sectional view showing a conventional manufacturing process.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
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