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JP3810651B2 - タッチ信号プローブの着座機構 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、三次元測定機などに装着されるタッチ信号プローブの着座機構に関する。より詳しくは、固定要素と可動要素とを備え、可動要素に外部から力が作用したとき固定要素に対する可動要素の変位を許容し、かつ、可動要素に作用する力がなくなった後に可動要素を正確に静止位置に復帰させるタッチ信号プローブの着座機構に関する。
【0002】
【背景技術】
三次元測定機では、接触検出にあたりタッチ信号プローブが広く用いられている。このようなタッチ信号プローブを用いた三次元測定機では、載物台上に置かれたワークに対して、三次元方向に相対移動可能なプローブの接触子を接触させ、接触子がワークに接触した瞬間を電気的なトリガとして各軸(三次元方向の各軸)の座標値を読み取り、これらの座標値を基にワークの寸法や形状を求める。このため、プローブとワークとの接触状態を電気的なタッチ信号として位置を検出することができる。
【0003】
図1は従来のタッチ信号プローブを示している。同図において、スタイラス1は可動要素2に固定されている。スタイラス1の先端には球状の接触子8が設けられている。可動要素2の周囲には、3本の円柱体3が、スタイラス1の軸線に対して直角な面内で、かつ、スタイラス1の軸線を中心として120度間隔で放射状に突設されている。一方、固定要素5には、2つの硬球6が3組、可動要素2の円柱体3と対応する位置にそれぞれ固定されている。ここに、円柱体3と硬球6とは、固定要素5と可動要素2との相対位置を一義的に定める着座要素を構成している。
【0004】
このような構成において、可動要素2を付勢要素7による付勢力Fの作用により固定要素5に押圧し、着座要素を介して可動要素2を固定要素5に強制的に接触させる。スタイラス1の先端の接触子8に被測定物からの押圧力が付与されていない状態では、可動要素2は固定要素5に6ヶ所の接触点で静止している。つまり、可動要素2の各円柱体3が硬球6と2点、全体として6点で静止している。従って、これを6点接触型着座機構と呼ぶ。これらの6点の接触点はいずれも電気的にスイッチとして直列接続されており、接触子8がワークWに接触して可動要素2が逃げ動作を行うことで、6点の接触点のいずれかが離隔するので、タッチ信号とすることが出来る。
【0005】
このような6点接触型着座機構では、可動要素が逃げ動作を行った後の復帰位置が一義に定まる。すなわち、スタイラス1が、可動要素側着座要素及び固定要素側着座要素の接触を保ちつつスタイラス1の静止位置の軸線方向と平行に各接触点方向に変位することを仮定した場合、前記スタイラスの先端の描く各軌跡は前記スタイラスの前記静止位置における軸線と交叉することになる。このような構成によれば、ワークWからの押圧力によって可動要素2が逃げ動作を行った後の復帰動作時に、付勢力Fによって各接触点との接触を回復するのみでスタイラス1は一義的な静止位置に復帰し、スタイラス1の静止位置を一定に保つことが可能である。
【0006】
この6点接触型着座機構では、6点の接触により固定要素に対する可動要素の位置が一義的に決まるため、着座状態での耐振動剛性が高い。また、どの方向から押圧力が加えられた場合でも、例えば10μm単位の比較的粗いオーダーで見たときには高い復帰精度を有している。
【0007】
ところが、前述のような6点接触型着座機構では、さらに高い精度、例えば1μmあるいはそれ以下で見たとき、接触後の復帰動作の際に、可動要素の逃げ動作の際に可動要素の接触子がワークに押し込まれ固定要素に対して相対変位を起こすことによる誤差(着座ずれ誤差)が生じていた。
【0008】
すなわち、ワークWに対して接触子8がスタイラス1の軸直交方向に接触して押込まれた場合、スタイラス1と可動要素2は傾斜して、硬球6と円柱体3は離隔する。この時、可動要素2と固定要素間にはほとんど逆向きの抗力が生じず、わずかではあるが、可動要素2にスタイラス軸直交方向のずれを生じる。その後、ワークWと接触子8の接触がなくなると、可動要素2は付勢力Fにより復帰動作を行うが、前述のずれにより可動要素2とスタイラス1に復帰位置のずれ(着座ずれ)を生じる。このずれは、プローブの測定精度に直接影響する。
【0009】
このような復帰動作後の着座位置ずれを修正する着座機構として、図2に示される着座機構が提案されている(特開平10−96618号)。これは、圧電素子等を用いて着座機構の可動要素と固定要素との接触点に作用する摩擦力の方向を管理することにより着座ずれを修正しようとするものである。
【0010】
この着座機構は、固定要素11と、可動要素21と、この可動要素21に外部から力が作用したとき固定要素11に対する可動要素21の変位を許容し、かつ、可動要素21に作用する力がなくなったとき可動要素21を静止位置に復帰させる付勢力発生手段(図示せず)とを備える。
【0011】
可動要素21には被測定物と接触する球状の接触子24を有するスタイラス22が突設されており、スタイラス22の軸直交方向に対し120度間隔で放射状に固定要素11と接触する3本の円柱体23を有する。
【0012】
固定要素11は、その中心部分がプローブのハウジング(図示せず)に固定されており、スタイラス22の軸を中心に120度間隔で放射状に延びた3本の腕部12を有し、その各腕部12の先端上面に2つの硬球13が配置されている。また、各腕部12において、硬球13より内側部分に変位発生機構としての圧電素子14がスタイラス22の軸線に対し放射方向に略沿って伸縮するように配置されている。
【0013】
ここで各圧電素子14に電圧を印加すると、各圧電素子14は同期して変位し、各硬球13はスタイラス22の軸を中心に略放射方向に変位する。なお、ここでいう変位とは静的な変位であり、圧電素子により徐々に変位が与えられるものである。
この変位により、円柱23と硬球13の各接触点での摩擦力の方向が一定に揃い、付勢力によって静止位置に復帰するように着座位置が調整される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記の着座機構では、軸方向ずれ、すなわち円柱23の軸方向への着座ずれ誤差は効果的に修正できるものの、付勢要素7として圧縮コイルばねを用いた場合に極めてわずかではあるが、コイルばねによって発生する回転モーメントなどによる可動要素の周方向ずれ、すなわち、スタイラス22の軸線を中心とする周方向への着座ずれ誤差は必ずしも十分に修正できなかった。これに対して、円柱体23の硬球13との接触部を円錐状として、可動要素21が固定要素11に対してスタイラス軸を中心とした回転ずれを生じることを防止する着座機構が提案されている(特開2001−4312号、特開2001−4356号)。しかしこの着座機構は、円柱体の硬球との接触部を極めて精密に円錐状に加工する必要があり、極めてコストの高いものとなる課題があった。
また、圧電素子14の駆動点を連結して固定した変位発生機構によって変位を与えた場合、連結部材の伸縮に伴って発熱を生じたり、材質が劣化するなどの課題があった。
本発明の目的は、可動要素の復帰動作後に、高精度に着座ずれ誤差の修正を可能にするタッチ信号プローブの着座機構を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
そのため、本発明は、固定要素と、スタイラスが取り付けられた可動要素と、前記固定要素上に設けられた固定要素側着座要素と、前記可動要素に設けられ前記固定要素側着座要素と互いに離隔した3箇所のそれぞれにおいて2点一対の接触点で接触する可動要素側着座要素とを有するタッチ信号プローブの着座機構において、前記スタイラスに外部から力が作用したとき前記固定要素に対する前記可動要素の変位を許容し、かつ、前記スタイラスに作用する外力がなくなったとき付勢力により前記可動要素を静止位置に復帰させる付勢要素と、前記固定要素側着座要素に対して、前記可動要素側着座要素を、相対駆動させる駆動手段と、を有し前記固定要素側着座要素は硬球を含み、この硬球への電気的接続は弾性舌片で押圧して行うことを特徴とする。
【0016】
更に、本発明において、前記駆動手段は、前記固定要素側における前記接触点及び前記可動要素側における前記接触点を、相対的に少なくとも所定距離変化させる接触点変位手段であることが好ましい。
又、本発明において、前記駆動手段は、前記可動要素に作用する外力がなくなった後、前記固定要素側における前記接触点と前記可動要素側における前記接触点の接触を保ちつつ一定時間の間のみ、相対振動させることが好ましい。
【0017】
更に、本発明において、前記駆動手段の駆動点を連結して固定する収容部の材質のヤング率は、30000N/mm以上で且つ110000N/mm以下の範囲にあることが好ましい。
又、本発明において、前記可動要素側着座要素円柱体であることが好ましい。
更に、本発明において、前記駆動手段の収容部の材質はベリリウム銅であることが好ましい。
又、本発明において、前記弾性舌片の材質のヤング率は、30000N/mm以上で且つ110000N/mm以下の範囲にあることが好ましい。
【0018】
に、本発明において、前記付勢要素による前記可動要素への付勢点を含む付勢領域の直径は、前記スタイラスの軸を中心とし、前記接触点を円周上に含んで形成される着座(キネマティック円)の直径に対して20%以下で且つ略ピンポイント以上であることを特徴とする。
【0019】
更に、本発明において、前記付勢領域の中心は、前記可動要素の重心位置に略一致することが好ましい。
又、本発明において、前記付勢領域の中心は、前記着座円の中心に略一致することが好ましい。
更に、本発明において、前記付勢要素はコイルばねで構成され、該コイルばねの長さは、該コイルばねの直径の1倍以上且つ2.5倍以下であることが好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図3は本発明によるタッチ信号プローブ10の断面図である。この図において図2と同一の部材番号のものは、図2と機能および構造共同一であるので詳細な説明は省略する。
図3において、固定要素11は固定要素スタンド18を介してハウジング41の底部42に固定されている。固定要素11の腕部12(図2)は弾性材質であるベリリウムカッパで形成され、その内部には圧電素子14が埋め込まれている。腕部12の先端部には陽極酸化皮膜処理され(通称アルマイト)電気絶縁体である硬球支持部15が埋込み一体化されている。
【0021】
駆動手段であり接触点変位手段である圧電素子14には着座後の一定時間の間、図示しない駆動源から変位電圧が印加され、それによって、圧電素子14はスタイラス22の軸直交方向に0.5μm幅程度の変位を発生する。その結果、硬球13と円柱体23間には相対変位が生じ、摩擦の方向が同一方向に揃えられるので、前記6個所の接触点はそれぞれ最も安定した位置に着座する。接触子24とワークWの接触後の着座毎に、このように腕部12には繰り返し変位操作が加えられるため、腕部12の材質によっては、発熱が大きくなって、着座機構に変形を生じたり、あるいは金属疲労による劣化が生じたりする。そのため、腕部12は発熱防止および金属疲労による劣化を防止して長寿命化を計るために弾性材質であるベリリウム銅で形成されている。
【0022】
硬球支持部15の上端面には2個所の凹部が設けられており、各々の凹部に硬球13の下部約1/2が埋め込まれている。
図4は、図3における硬球13部分を図の左方向から見た図である。硬球13と円柱体23は電気接点を形成しており、硬球13への電気接続は弾性舌片16を押圧して行っている。弾性舌片16は電気絶縁体である舌片スタンド17を介してハウジング41の底部42へ固定されている。この弾性舌片16の材質は、ばね用りん青銅である。
【0023】
一端に接触子24を備えたスタイラス22の他端はオスねじが設けられており、可動要素21の中心部に設けられたメスねじに螺合され、スタイラス22と可動要素21は一体に固定されている。図3に示すようにスタイラス22は固定要素11の中心部に設けられた丸穴を貫通する位置に取り付けられている。
ハウジング41の天井部43と可動要素21間には押圧コイルばねである付勢要素71が設けられており、可動要素21は円柱体23を介して硬球13へ押圧されている。
【0024】
この付勢要素71は圧縮コイルばねが用いられており、そのコイル直径は3mm、長さは6.5mm、付勢力は300gとすることが最適である。すなわち、スタイラス軸を中心とし、円柱体23と硬球13が接触する6点を含むキネマティック円の直径は28mmである。これに対して例えば長さ6.5mm、付勢力300g、直径11mmの圧縮コイルばねを使用した場合は、周方向の戻り誤差が極めて大きくなる。直径6mmでは若干改善されるが戻り精度は不十分であた。直径2mmでは戻り精度は良好であった。これはコイル径が小さいほど、コイルばねの圧縮に伴って発生する回転モーメントが小さいためと考えられる。
【0025】
また、圧縮コイルばねのコイル径に対する長さの点では、前記のコイル径2mm、長さ6.5mmの場合では付勢方向が必ずしも安定しない場合があった。
従って、コイルばねを付勢要素71として用いる場合は、コイル径は、着座点である円柱体23と硬球13の接触点で構成されるキネマティック円の5%から20%の範囲とすることが好ましい。さらに、コイルばねのコイル径に対する長さは、2.5倍までの間とすることが好ましい。一方、この比率が1倍を下回ると、十分な付勢力を確保することが難しくなる。すなわち、付勢力を確保しようとすると、コイルばねの圧縮に伴う回転モーメントも大きくなってしまい、着座精度が低下する。
【0026】
尚、コイルばねの軸は可動要素21の重心点に一致させて付勢する。更に、この重心点は前記キネマティック円の中心に一致させることが好ましい。
ハウジング41の上部にはタッチ信号プローブ10を三次元測定機のZ軸スピンドルなどへ固定すると共に電気信号の送受を行うコネクタ44が設けられている。
図5は付勢要素71の変形例を示す。
図5(A)は、圧縮コイルばね72の上端をハウジング41の天井部43に固定し、下端にピンポイント皿座金73を取りつける。ピンポイント皿座金73の下部には円錐ピンが突出している。可動要素21の重心位置には円錐形状の凹部が設けられており、前記円錐ピンをこの凹部に当接させて付勢を行う構造である。
【0027】
図5(B)は、(A)に対して、ピンポイント皿座金73の代わりに円錐ロッド74を圧縮コイルばね72の下端に固定し、円錐ロッド74の円錐先端を可動要素21の凹部に当接して付勢を行う構造である。
図5(C)は、前記(A)に対してピンポイント皿座金73を圧縮コイルばね72の両端に固定し、可動要素21の重心位置と、その重心位置に対応するハウジング41の天井部43とに円錐形状の凹部をそれぞれ設け、それぞれピンポイント皿座金73の円錐ピンを当接して付勢を行う構造である。
【0028】
図5(D)は、前記(B)に対して円錐ロッド74を圧縮コイルばね72の両端に固定し、可動要素21の重心位置と、その重心位置に対応するハウジング41の天井部43とに円錐形状の凹部をそれぞれ設け、それぞれ円錐ロッド74の円錐先端を当接して付勢を行う構造である。
これらの(A)から(D)の構造では圧縮コイルばねの圧縮に伴う回転モーメントの影響をほとんど受けないので、コイル径の制約がなくなり、設計の自由度が向上するとともに着座ずれ誤差が小さくなり、着座の戻り精度が向上する。
【0029】
この実施形態においては次の効果を奏する。
(1)接触子24とワークWの接触後の着座毎に、腕部12には圧電素子14によって変位操作が加えられるため硬球13と円柱体23間に相対変位が生じ、硬球13と円柱体23間の摩擦の方向が同一方向に揃えられるため、接触点は最も安定した位置に着座して、着座ずれ誤差が小さくなり、着座の戻り精度が向上する。尚、摩擦の方向を揃えるためには、変位方向は常に一方向である必要はなく、伸長方向と短縮方向を交互に繰り返しても良い。
(2)腕部12はベリリウム銅で形成されているので、圧電素子14による変位が与えられても発熱を少なく出来ると共に、金属疲労による劣化を防止して長寿命化を計ることが出来る。
(3)硬球13を弾性舌片で押圧して電気接続を計ったため、圧電素子14による硬球13の変位があっても、電気接続用のリード線断線などの故障を防止することができる。
【0030】
(4)コイルばねを付勢要素71として用いる場合、コイル径は、着座点である円柱体23と硬球13の接触点で構成されるキネマティック円の5%から20%の範囲の値とすることによって、コイルばねの圧縮に伴う回転モーメントの影響による着座誤差を避けることができる。
(5)コイルばねを付勢要素71として用いる場合、コイルばねのコイル径に対する長さは、1から2.5倍までの範囲とすることによって、コイルばねの圧縮に伴う回転モーメントの影響を避けつつ付勢方向の安定性を確保できる。
(6)コイルばねの軸を可動要素21の重心点に一致させて付勢するので安定した付勢が行える。
【0031】
(7)更に可動要素21の重心点をキネマティック円の中心に一致させることによって更に安定した付勢が行える。
(8)付勢要素71による可動要素21の付勢点を略ピンポイントとして付勢手段の付勢に伴う回転モーメントの影響を避けることにより付勢要素71の設計上の自由度を向上させることが出来るとともに着座ずれ誤差が小さくなり、着座の戻り精度が向上する。
(9)着座要素を円柱と球で構成したことにより、高精度加工が容易に行え、着座誤差が小さくなる。
【0032】
本件発明は以上の実施形態に限らず、様々な変形が可能である。
前記実施形態において、腕部12および弾性舌片16の材質は、かならずしもベリリウム銅やばね用りん青銅である必要はなく、ばね用ステンレス、ばね用りん青銅、ばね用洋白、ベリリウム銅などの弾性能力の高いもの(これらのヤング率は、30000N/mm〜110000N/mmの範囲にある)であれば良い。これによって設計の自由度が向上する。
また、付勢要素71は圧縮コイルばねでなくとも、引っ張りコイルばねでも良く、スタイラスの取付方向と付勢要素の取付方向が同一方向になるため、タッチ信号プローブを小型化することができる。
【0033】
更に、図5において、付勢要素側に円錐ピンを備えるのに代えて、ハウジング41の天井部43あるいは可動要素21側に円錐ピンを立設し、付勢要素側に設けた円錐凹部を当接して付勢を行っても良い。これによって設計の自由度が向上する。
又、駆動手段は接触点変位手段に限って説明したが、前記可動要素に作用する外力がなくなった後、前記固定要素側における前記接触点と前記可動要素側における前記接触点の接触を保ちつつ一定時間の間のみ、相対振動させる振動手段であっても良い。振動の周波数と振幅を適切に設定すれば、接触点変位手段を用いた場合と同様に接触点の摩擦の方向を管理することが出来る。
【0034】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明のタッチ信号プローブの着座機構によれば、ワークとプローブの接触子の接触後の着座において、可動要素の着座ずれ誤差が小さくなり、着座の戻り精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のタッチ信号プローブの構造図である。
【図2】着座機構の構造図である。
【図3】本発明によるタッチ信号プローブ10の断面図である。
【図4】本発明によるタッチ信号プローブ10の部分図である。
【図5】本発明による付勢要素71の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1、22 スタイラス
2、21 可動要素
3、23 円柱体
4、41 ハウジング
5、11 固定要素
6、13 硬球
7、71 付勢要素
8、 24 接触子

Claims (11)

  1. 固定要素と、スタイラスが取り付けられた可動要素と、前記固定要素上に設けられた固定要素側着座要素と、前記可動要素に設けられ前記固定要素側着座要素と互いに離隔した3箇所のそれぞれにおいて2点一対の接触点で接触する可動要素側着座要素とを有するタッチ信号プローブの着座機構において、
    前記スタイラスに外部から力が作用したとき前記固定要素に対する前記可動要素の変位を許容し、かつ、前記スタイラスに作用する外力がなくなったとき付勢力により前記可動要素を静止位置に復帰させる付勢要素と、前記固定要素側着座要素に対して、前記可動要素側着座要素を、相対駆動させる駆動手段と、を有し
    前記固定要素側着座要素は硬球を含み、この硬球への電気的接続は弾性舌片で押圧して行うことを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  2. 請求項1に記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記駆動手段は、
    前記固定要素側における前記接触点及び前記可動要素側における前記接触点を、相対的に少なくとも所定距離変化させる接触点変位手段であることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  3. 請求項1に記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記駆動手段は、前記可動要素に作用する外力がなくなった後、前記固定要素側における前記接触点と前記可動要素側における前記接触点の接触を保ちつつ一定時間の間のみ、相対振動させることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記駆動手段の駆動点を連結して固定する収容部の材質のヤング率は、30000N/mm 以上で且つ110000N/mm 以下の範囲にあることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記可動要素側着座要素円柱体であることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記駆動手段の収容部の材質はベリリウム銅であることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  7. 請求項1から請求項のいずれかに記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記弾性舌片の材質のヤング率は、30000N/mm以上で且つ110000N/mm以下の範囲にあることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  8. 請求項1から請求項7のいずれかに記載のタッチ信号プローブの着座機構において、
    前記付勢要素による前記可動要素への付勢点を含む付勢領域の直径は、前記スタイラスの軸を中心とし、前記接触点を円周上に含んで形成される着座円の直径に対して20%以下で且つ略ピンポイント以上であることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  9. 請求項8に記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記付勢領域の中心は、前記可動要素の重心位置に略一致することを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  10. 請求項8に記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記付勢領域の中心は、前記着座円の中心に略一致することを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
  11. 請求項8から請求項10のいずれかに記載のタッチ信号プローブの着座機構において、前記付勢要素はコイルばねで構成され、該コイルばねの長さは、該コイルばねの直径の1倍以上且つ2.5倍以下であることを特徴とするタッチ信号プローブの着座機構。
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