JP3810276B2 - 光半導体素子収納用パッケージ - Google Patents
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Description
本発明は、光半導体素子を収納するための光半導体素子収納用パッケージに関する。
【従来の技術】
従来の光通信分野等で使用される半導体レーザ(LD),フォトダイオード(PD)等を収納するための光半導体素子収納用パッケージ(以下、光半導体パッケージという)を図5に示す。同図において、基体21は、その上面の略中央部に凹部を形成した、アルミナ(Al2O3)セラミックス,窒化アルミニウム(AlN)セラミックス,ガラスセラミックス等の誘電体、または、平板状の鉄(Fe)−ニッケル(Ni)−コバルト(Co)合金や銅(Cu)−タングステン(W)合金等の金属材料から成る。また、凹部の底面に光半導体素子26および光ファイバ28の端部が載置用基台25を介して金(Au)−ゲルマニウム(Ge)半田等の低融点ロウ材により取着される載置部21aと、凹部の周辺部に光半導体素子26に駆動信号を入出力する駆動回路素子27を載置する載置部21bを有する。
また、載置用基台25は放熱性,加工性に優れるシリコン基板等から成り、その上面には光半導体素子26を載置するとともに光ファイバ28の端部の位置決めをパッシブアライメントにより行なうための断面が略V字状の溝が形成される載置部25aを有する。
なお、光半導体素子26および駆動回路素子27は金−錫(Sn)半田,錫−鉛(Pb)半田等の低融点半田によりそれぞれ載置部25a,21bに取着される。また、光半導体素子26および駆動回路素子27を作動させる際に発生する熱は、これらの低融点半田を介して基体21,載置用基台25に吸収され大気中に放熱される。
さらに、基体21上面の外周部に載置用基台25および駆動回路素子27を囲繞するように、Fe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属材料から成る、側部に貫通孔22aを有する枠体22が取着される。
また、枠体22外面の貫通孔22aの周囲または貫通孔22aの内周面に、光ファイバ28を挿入固定するための筒状の固定部材24が銀ロウ等のロウ材により取着される。
また、基体21下面の相対する2辺に沿って光半導体パッケージと外部電気回路基板とを電気的に接続するための電極パッド29が設けられている。これにより、光半導体パッケージと外部電気回路基板との間を高周波信号が伝送する際に生じる反射損失を低減でき、光半導体パッケージを外部電気回路基板に実装するときの実装ずれを小さくできる。その結果、光半導体パッケージ内への高周波信号の入出力が効率よくかつ円滑に行なわれる。そして、光半導体パッケージは電極パッド29と外部電気回路基板に形成された錫−鉛半田,錫−銀(Ag)半田等から成る半田ペーストや半田ボール等の導体バンプを介して外部電気回路基板に接合される。
また、枠体22の上面には光半導体素子26および駆動回路素子27を封止するために、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属材料や、アルミナセラミックス,窒化アルミニウムセラミックス,ガラスセラミックス等の誘電体、またはエポキシ樹脂等の樹脂から成る蓋体23が、シーム溶接,ロウ付け,樹脂接着剤等により接合される。
そして、光半導体パッケージに光半導体素子26および駆動回路素子27を気密に収納しその動作性を良好なものとする。
このように、基体21,枠体22,蓋体23とで光半導体素子26および駆動回路素子27を光半導体パッケージの内部に収納するとともに、載置部25a,21bに取着される光半導体素子26と駆動回路素子27および外部電気回路基板とを電気的に接続することにより、光半導体素子26に高周波信号を入出力し作動させる光半導体パッケージとなる。
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の光半導体パッケージに収納される駆動回路素子27は、近年、高密度化,高集積化が急激に進んでいることから、光半導体パッケージを作動させる際に駆動回路素子27から発生する熱量が従来に比し極めて大きなものとなっている。さらに、光半導体パッケージの小型化,軽量化の市場要求にともなって、LSI,IC等の駆動回路素子27を光半導体素子26の近傍に載置し作動させる構成と成っている。その結果、駆動回路素子27から発生する熱が、基体21,載置用基台25,光半導体パッケージ内の雰囲気を介して光半導体素子26に伝達し、光半導体素子26が加熱されることにより、光半導体素子26が長期間にわたり正常にかつ安定して作動し得る温度以上になるという問題点を有していた。
例えば、光半導体素子26は自らの発熱を含めて70℃以上になると光励起させる機能が低下する。そして、光半導体素子26の近傍に載置される駆動回路素子27の出力が2Wの場合、その近傍は約200℃まで温度が上昇することから、光半導体素子26が駆動回路素子27の熱により70℃以上にまで加熱されるという問題点を有してた。
このような問題点を解決する手段として、載置用基台25の下部にペルチェ素子等の熱電冷却素子を設置して光半導体素子26を冷却する構成も採り得るが、この構成は軽量化および薄型化の点で不利であり、実用性に劣るという問題点を有する。
また、載置部21aの基体21の厚さを薄くし、基体21の熱伝導性を向上させる構成も採り得るが、基体21を薄くすると、銀ロウ等のロウ材により基体21と枠体22とを取着する際に生じる基体21の歪みが大きくなる。その結果、光半導体パッケージを外部電気回路基板に実装する際の実装ズレも大きくなる。従って、光半導体パッケージに高周波信号を入出力する際に生じる伝送損失や反射損失が大きくなり、GHz帯域における高周波信号の入出力が円滑に行なわれないという問題点を有していた。
さらに、載置部21aの基体21の厚さを薄くすると、基体21の熱拡散性が劣化するため、光半導体素子26および駆動回路素子27から発生する熱が基体21中に蓄熱され、効率よく大気中に放熱されないという問題点を有していた。
また、光半導体素子26と駆動回路素子27との間隔を広くすることにより、駆動回路素子27から発生し、基体21,載置用基台25を介して光半導体素子26に伝達する熱量を低減させる構成も採り得るが、この構成では、光半導体パッケージ内の高密度化,高集積化,小型化の要求を十分に満足できないとともに、高周波信号の伝送線路が長くなるため伝送損失が大きくなるという問題点を有していた。
また、基体21として熱伝導率の高い誘電体を用いることにより光半導体パッケージの放熱性を向上させる構成も採り得るが、駆動回路素子27および光半導体素子26から発生する熱が基体21,枠体22,蓋体23を経由して光半導体パッケージ全体に伝達される。その結果、光半導体パッケージ自体が高温の熱源となり、光半導体素子26および駆動回路素子27を加熱するという問題点を有していた。
さらに、他の従来例として、光半導体素子と駆動回路素子との間の熱伝導性を低下させるため、光半導体パッケージの基体に一方向性熱伝導部材を埋め込み、光半導体素子および駆動回路素子が載置される領域を区分する構成が提案されている(特開2000−164742号公報参照)。しかし、光半導体パッケージ内の配線パターンを一方向性熱伝導部材を避けて形成する必要があるために、配線パターンの自由度が低下するとともに伝送線路が長くなる。その結果、GHz帯域の高周波信号を伝送する際に生じる伝送損失が大きくなり、光半導体素子と駆動回路素子との高周波信号の入出力を効率よく円滑に行うことができなかった。
従って、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、GHz帯域の高周波信号を入出力する光半導体パッケージにおいて、高周波信号の伝送特性を低下させることなく、光半導体パッケージ内の放熱性を向上させるとともに、ペルチェ素子等の熱電冷却素子を省くことにより、光半導体パッケージの小型化,薄型化,軽量化を可能にすることにある。また、駆動回路素子から光半導体素子に伝達する熱量を抑制することにより、光半導体素子の温度上昇を有効に防ぐことにある。さらに、光半導体素子および駆動回路素子から発生した熱が光半導体パッケージ全体に拡散することにより、光半導体パッケージ自体が高温の熱源となることを有効に防ぐことにある。
【課題を解決するための手段】
本発明は、上面の略中央部に形成された凹部に、光半導体素子および光ファイバの載置部を有するとともに、前記凹部の周辺部に光半導体素子を駆動する駆動回路素子の載置部を有する基体と、前記光半導体素子および光ファイバの載置部と前記駆動回路素子の載置部とを囲繞するように前記基体上に取着されており、蓋体が接合される枠体とを備え、前記基体の前記駆動回路素子の載置部が、前記駆動回路素子の載置部の周囲の前記基体の表面より低いことを特徴とするものである。
【発明の実施の形態】
本発明の光半導体パッケージについて以下に詳細に説明する。
図1は本発明に対する比較例の光半導体パッケージの断面図、図2はその上面図であり、これらの図において、1は基体、2は枠体、3は蓋体である。これら基体1と枠体2と蓋体3とで、内部に光半導体素子6とそれを駆動するLSI,IC等から成る駆動回路素子7とが収納される容器が基本的に構成される。
基体1は、アルミナ(Al2O3)セラミックス等の誘電体から成り、光半導体素子6および駆動回路素子7を支持する支持部材として機能する。また、その上面の略中央部に形成された凹部の底面には、光半導体素子6および光ファイバ8の端部が載置される載置部5aを有する載置用基台5が、Au−Ge半田等の半田材により取着される載置部1aを有する。また、凹部上面の外周部には光半導体素子6に近接して配置され、光半導体素子6を駆動する駆動回路素子7が載置される載置部1bを有する。なお、基体1は多層のセラミックスから成っていてもよい。
また、基体1上面の外周部には載置部1aおよび載置部1bを囲繞するように枠体2が取着されており、この枠体2の内側には光半導体素子6と駆動回路素子7および載置用基台5を収納するための空所が形成される。なお、枠体2はセラミックスを多層にすることにより所定形状に成形するとともに、その側部には貫通孔2aが形成され、枠体2の下面に被着されたメタライズ層を介して銀ロウ等のロウ材により基体1の上面に取着される。なお、枠体2はFe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属材料から構成されても良く、Fe−Ni−Co合金等のインゴット(塊)をプレス加工で枠状とすることにより形成される。さらに、貫通孔2aには、枠体2外面側の開口の周囲または貫通孔2aの内周面に光ファイバ8を固定するための筒状の固定部材3が取着される。
また、基体1は、その原料粉末に適当な有機バインダや溶剤等を添加混合しペースト状と成すとともに、このペーストをドクターブレード法やカレンダロール法によってセラミックグリーンシートと成し、しかる後セラミックグリンシートに適当な打ち抜き加工を施し、これを複数枚積層し約1600℃の高温度で焼成することによって作製される。
また、基体1と枠体2との表面あるいは光半導体パッケージ内部に配線パターンとして形成される、タングステン(W),モリブデン(Mo),マンガン(Mn)等から成るメタライズ層には、その外表面に耐蝕性に優れかつロウ材に対して濡れ性が良好な金属層、例えば、厚さ1.5〜6μmのNiメッキ層と厚さ0.2〜5μmのAuメッキ層を順次被着させておくのがよい。その場合、基体1が酸化腐食するのを有効に防止できるとともに、載置用基台5と枠体2と駆動回路素子7およびボンディングワイヤを強固に基体1に取着することができる。
また、基体1下面には、相対する2辺に沿って光半導体パッケージと外部電気回路基板とを電気的に接続するための電極パッド9が設けられている。この電極パッド9は、リード端子と比べて、光半導体パッケージと外部電気回路基板との間に高周波信号を伝送する際に生じる反射損失を低減できるとともに、光半導体パッケージを外部電気回路基板に実装する際に生じる実装のズレを抑制することができる。なお、光半導体パッケージは、外部電気回路基板に形成されたSn−Pb半田,Sn−Ag半田等から成る半田ペーストや半田ボール等の導体バンプと電極パッド9とを介して外部電気回路基板に取着される。
なお、電極パッド9はW,Mo,Mn等のメタライズ層で形成されており、例えば、W等の粉末に有機溶剤、溶媒等を添加混合して得た金属ペーストを、基体1焼成前のセラミックグリーンシートに、予め従来周知のスクリーン印刷法により所定パターンに印刷塗布しておき、焼成することによって形成される。
さらに、電極パッド9の表面には、耐熱性に優れかつロウ材との濡れ性に優れる金属、具体的には厚さ0.5〜9μmのNi層と、厚さ0.5〜5μmのAu層を順次被着させておくのがよく、電極パッド9が酸化腐食するのを有効に防止できる。また、光半導体パッケージを外部電気回路基板に導体バンプを介して強固に接合できることから、温度サイクル試験や熱衝撃試験等の環境試験により生じる基体1および載置用基台5の歪みを小さくできる。その結果、載置用基板5上面に載置される光半導体素子6と光ファイバ8との光軸のズレが小さくなり、光学的な結合効率の変動を抑制できる。また、この電極パッド9の平面形状は円形状に限らず、楕円形状、多角形状でもあっても良い。
また、基体1は熱伝導率が10〜25W/m・Kの誘電体を用いる。例えば、基体1として熱伝導率が10W/m・K未満であるガラスセラミックスを使用した場合、光半導体素子6および駆動回路素子7から発生する熱を基体1の下面に効率よく伝達させることができず、光半導体パッケージの放熱性は低下する。
また、例えば、基体1として熱伝導率が25W/m・Kを超える窒化アルミニウムセラミックスを使用した場合、光半導体素子6および駆動回路素子7から発生する熱が基体1,枠体2,蓋体3を介して光半導体パッケージ全体に伝達し、光半導体パッケージ自体が高温の熱源となる。その結果、光半導体素子6および駆動回路素子7は加熱され、長期間にわたり正常にかつ安定して機能しなくなる温度以上となる。
また、載置部1aに相当する部位の基体1の厚みは0.6〜20mmとする。その厚みが0.6mmより薄い場合、基体1は熱の拡散性が低下するため光半導体素子6および駆動回路素子7から発生した熱を効率よく吸収し大気中に放熱できない。また、融点が約780℃の銀ロウを用いて光半導体パッケージを組み立てる際に生じる基体1の歪みが大きくなる。この結果、光半導体素子6および駆動回路素子7は長期間にわたり正常にかつ安定して作動し得る温度以上となる。また、光半導体パッケージを外部電気回路基板に実装する際に生じる実装のズレが大きくなり、高周波信号を入出力する際の伝送損失や反射損失が大きくる。
ここで、光半導体素子6および駆動回路素子7を駆動させた場合の、光半導体素子6および駆動回路素子7と載置部5a,1bとの接合部の温度(以下、チップジャンクション温度という)を測定した結果の一例を述べる。なお、測定条件は、基体1として熱伝導率が15W/m・Kのアルミナセラミックスを用い、光半導体素子6および駆動回路素子7としてGaAs系の半導体素子を駆動させ、光半導体パッケージの冷却は周囲温度25℃の自然冷却とした。
まず、基体1の載置部1aの厚みを1mm、光半導体素子6と駆動回路素子7との間隔を約7mmとして光半導体素子6および駆動回路素子7を作動させた場合、光半導体素子6のチップジャンクション温度は69.1℃、駆動回路素子のチップジャンクション温度は106.4℃となった。これは、光半導体素子6が長期間にわたり正常にかつ安定して作動するために一般的に必要とされるチップジャンクション温度である75℃以下を満足する。また、駆動回路素子7が長期間にわたり正常にかつ安定して作動するために一般的に必要とされるチップジャンクション温度である110℃以下を満足する。すなわち、基体1は光半導体素子6および駆動回路素子7より発生する熱が基体を介して効率よく大気中に放熱されるとともに、駆動回路素子7から基体1,載置用基台5,光半導体パッケージ内の雰囲気を介して光半導体素子6に伝達する熱を有効に抑制できることが判明した。
さらに、基体1の載置部1bの厚みを0.5mm、光半導体素子6と駆動回路素子7との間隔を約7mmとして光半導体素子6および駆動回路素子7を作動させた場合、光半導体素子6のチップジャンクション温度は69.7℃、駆動回路素子7のチップジャンクション温度は114.2℃になり、駆動回路素子7が長期間にわたり正常にかつ安定して作動するために一般的に必要とされるチップジャンクション温度の条件を満足できなかった。すなわち、上記の構成においては、光半導体素子6および駆動回路素子7より発生する熱が基体1を介して効率よく大気中に放熱されないことが判明した。
また、載置部1aに相当する部位の基体1の厚みが2mmより厚くなる場合、光半導体パッケージを組み立てる際に生じる基体1の歪みは小さくなるとともに基体1の熱の拡散性は向上するが、光半導体パッケージの小型化,低背化,軽量化に対する市場要求を十分に満足できない。また、基体1上面に形成された配線パターンと基体1下面に設置された電極パッド9との間の高周波信号の伝送線路が長くなり伝送損失が大きくなる。
また、光半導体素子6および駆動回路素子7は、その間隔が6〜20mmとなるように載置される。その間隔が6mmより狭い場合、駆動回路素子7から基体1,載置用基台5,光半導体パッケージ内の雰囲気を介して光半導体素子6に伝達される熱量が増加するため光半導体素子6の温度が上昇する。
また、光半導体素子6と駆動回路素子7との間隔が20mmより広い場合、駆動回路素子7から基体1,載置用基台5,光半導体パッケージ内の雰囲気を介して光半導体素子6に伝達される熱量は抑制されるが、光半導体素子6と駆動回路素子7との間の高周波信号の伝送線路が長くなるため伝送損失は増加する。また、光半導体パッケージの小型化,高集積化の要求を十分に満足できない。
また、駆動回路素子7の載置部1bに相当する部位に基体1の上下面を貫通する貫通孔1cを形成し、この貫通孔1cに熱伝導率が130W/m・K以上の熱伝導部材10を嵌入接合するのが良い。この結果、駆動回路素子7が作動する際に発生する熱を熱伝導部材10を介して効率よく光半導体パッケージ下面に伝熱し大気中に放熱する。従って、駆動回路素子7は常に適温になるとともに、基体1,載置用基台5を介して光半導体素子6へ伝達する熱を有効に抑制することができる。
なお、熱伝導部材10は、例えば、銅(Cu)−タングステン合金,Cu−Mo合金等の金属材料からなる。その他、一方向に配列した炭素繊維を炭素で結合した一方向性複合材料等を用いても良い。
上記の構成により、高周波信号の伝送特性を低下させることなく、光半導体素子6および駆動回路素子7から発生する熱を効率よく基体1から大気中に放熱させることができる。また、基体1として熱伝導率が適度に小さい誘電体を用いることから、光半導体素子6および駆動回路素子7から発生した熱が光半導体パッケージ全体に拡散し、光半導体パッケージ自体が高温の熱源となることを防ぐことができる。さらに、駆動回路素子7から基体1,載置用基台5,光半導体パッケージ内の雰囲気を介して光半導体素子6に伝達する熱量を抑制できることから、光半導体素子6の温度上昇を抑制することができる。その結果、光半導体素子6および駆動回路素子7を長期間にわたり正常にかつ安定して作動させることができるとともに、ペルチェ素子等の熱電冷却素子を省くことにより、光半導体パッケージの小型化,薄型化,軽量化を可能にする。
また、図3,図4に、本発明の光半導体パッケージを示す。これらの図は、光半導体素子6の温度を上昇させる要因の一つである、駆動回路素子7から放出される放射熱(輻射熱)の影響を低減するための構成である。図3に示すように、駆動回路素子7が載置される部位の熱伝導部材10の上面を基体1の上面より低くすることにより、駆動回路素子7から光半導体素子6に伝搬する輻射熱を有効に低減することができる。なお、駆動回路素子7を載置する部位の熱伝導部材10の高さは、駆動回路素子7上面の電極と基体1上面の配線パターンとを電気的に接合するためのボンディングワイヤの長さを短くし高周波信号の伝送損失を低減させるために、駆動回路素子7を熱伝導部材10の上面に載置した際に、駆動回路素子7の上面と基体1の上面とが面一に成るように形成することが好ましい。
また、図4に示すように、光半導体素子6と駆動回路素子7との間に立壁部1dを設けることにより、駆動回路素子7から光半導体素子6に伝搬する輻射熱を有効に低減することができる。なお、立壁部1dの高さは駆動回路素子7の高さ以上とし、その長さは駆動回路素子7の長さ以上とすることが好ましい。これらの構成により、光半導体パッケージが作動する際に、駆動回路素子7から半導体素子に伝搬する輻射熱を有効に低減することができ、光半導体素子6の加熱を有効に抑制できる。
また、固定部材4は、光ファイバ8を枠体2に固定する機能を有し、枠体2の貫通孔2aの外側開口の周囲または貫通孔2aの内周面に被着されたメタライズ層に銀ロウ等のロウ材を介して接合される。また、固定部材4はFe−Ni−Co合金やCu−W合金等の金属材料からなり、例えば、Fe−Ni−Co合金等のインゴット(塊)をプレス加工で筒状とすることにより形成される。なお、この固定部材4の内部には光ファイバ8が挿入され、樹脂または半田等の接着剤11により固定されるとともに、光半導体パッケージ内部の気密性を保つ。また、接着剤として半田材を使用する場合は、予め従来周知のメタライズ法で光ファイバ8の接合部の外周面にメタライズ層を被着しておく。
なお、枠体2の上面には、例えば、Fe−Ni−Co合金やFe−Ni合金等の金属材料から成る蓋体3が取着され、その取着は、例えば、シームウエルド法等の溶接やAu−Sn合金半田等の低融点ロウ材によるロウ付けによって行なわれる。これにより、基体1と枠体2と蓋体3とから成る容器の内部に光半導体素子6および駆動回路素子7が気密に封止されることとなる。
かくして、光半導体素子6および駆動回路素子7を載置部5a、載置部1bにAu−Sn半田,Sn−Pb半田等の半田材を介して取着し、ボンディングワイヤにより光半導体パッケージ内部に形成された配線パターンと電気的に接続する。しかる後、枠体2の上面に蓋体3をAu−Sn合金半田等の低融点ロウ材を介して取着し、基体1、枠体2、固定部材4、および蓋体3とから成る容器に光半導体素子6および駆動回路素子7を収納することによって、製品としての光半導体装置となる。
なお、上記実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を行うことは何等支障ない。
例えば、貫通孔1cに嵌入する熱伝導部材10の下面に電極パッド9を設けることにより、駆動回路素子7から発生する熱を熱伝導部材10,電極パッド9を介して外部電気回路基板に伝達させることにより、さらに効率よく放熱することができる。また、光ファイバ8を固定する固定部材4を使用せず枠体2の側面に略U字形状,略逆U字形状の切欠部を設けて、光ファイバ8を嵌合し、半田材や樹脂等の接着剤により固定してもよい。
【発明の効果】
本発明は、基体の駆動回路素子の載置部が、駆動回路素子の載置部の周囲の基体の表面より低いことにより、実動作時に駆動回路素子から放出される放射熱による光半導体素子への影響を低減させ、光半導体モジュールの特性を向上させることができます。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の比較例の光半導体パッケージについて実施の形態の一例を示す断面図である。
【図2】 図1の光半導体パッケージの上面図である。
【図3】 本発明の光半導体パッケージについて実施の形態を示す断面図である。
【図4】 本発明の比較例の光半導体パッケージについて実施の形態の他の例を示す断面図である。
【図5】 従来の光半導体パッケージの例の断面図である。
【符号の説明】
1:基体
1a,1b:載置部
1c:貫通孔
2:枠体
3:蓋体
5:載置用基台
6:光半導体素子
7:駆動回路素子
8:光ファイバ
10:熱伝導部材
Claims (2)
- 上面の略中央部に形成された凹部に、光半導体素子および光ファイバの載置部を有するとともに、前記凹部の周辺部に光半導体素子を駆動する駆動回路素子の載置部を有する基体と、
前記光半導体素子および光ファイバの載置部と前記駆動回路素子の載置部とを囲繞するように前記基体上に取着されており、蓋体が接合される枠体とを備え、
前記基体の前記駆動回路素子の載置部が、該駆動回路素子の載置部の周囲の前記基体の表面より低いことを特徴とする光半導体素子収納用パッケージ。 - 前記基体の前記駆動回路素子の載置部に、前記基体を貫通する貫通孔が形成されており、該貫通孔に熱伝導部材が設けられていることを特徴とする請求項1記載の光半導体素子収納用パッケージ。
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