JP3810106B2 - 広角レンズ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、広角レンズに関し、特に、画角が107°程度まで包括し、口径比が1;2.8〜3.5程度の対称型の広角レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】
画角が90°程度以上の一眼レフレックスカメラ用の超広角レンズは、ミラー可動空間を設けるためのバックフォーカスが確保できる非対称型の逆望遠タイプによって構成することが知られている。更に広角化をするに従って前群の負レンズ群によって歪曲収差を補正するために、レンズ構成が非常に複雑化する傾向にある。
【0003】
一方で、レンジファイダーを有するカメラ等ではバックフォーカスの制限が緩く、収差補正上で有利な対称型広角レンズが米国特許第2,721,499号や米国特許第2,781,695号において提案されている。さらに、画角が120°程度で口径比が1:8の超広角レンズとして著名な提案が米国特許第3,661,447号においてなされた。
【0004】
これらの提案は、写真レンズに限らず航空測量用に応用される場合があり、構成は逆望遠タイプと比べて簡単であるが、画角が増すと口径比が小さくなるという欠点を有していた。また、フォーカシングは全系を移動する方法が一般的であり、収差変動が残留し、有限遠距離での性能低下に結び付いていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこのような従来技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、写真レンズや電子映像機器用光学系を対象とし、従来の対称型レンズ系、すなわち、開口絞りを有する収斂系の両側に負レンズ系を配置した広角レンズにおいて、開口効率向上とサジタル像面の性能改善を狙いながら、簡単なレンズ構成で、画角が107°程度まで包括し、かつ、口径比が1:2.8〜3.5程度という超広角大口径比のレンズ系を提供することであり、さらに、有限遠性能の向上を考慮したフォーカシング方式を提供することも目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明の広角レンズは、物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群との3つのレンズ群によって構成し、
第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとを有し、第3レンズ群は少なくとも1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、
第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとからなり、第3レンズ群は1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなり、
前記レンズ群の何れかに非球面を使用し、かつ、
下記条件式を満足することを特徴とするものである。
−1.0>f1 /f2 >−12 ・・・(1)
0.8<|f3 /f2 |<8 ・・・(2)
0.2<|D1 /f |<3.0 ・・・(3)
ただし、f1 :第1レンズ群の焦点距離、
f2 :第2レンズ群の焦点距離、
f3 :第3レンズ群の焦点距離、
f :全系の焦点距離、
D1 :第1レンズ群と第2レンズ群の間隔、
である。
【0009】
【作用】
以下、本発明において上記構成をとる理由と作用について説明する。
本発明で対象とする対称型広角レンズは、開口絞りを含む収斂系の前後に、ほぼコンセントリックに配置された負メニスカスレンズ群を有する。この光学系は、収差補正上から考えれば非常にバランズが良く、広角系に顕著となり球面のみを使用した光学系において補正が困難とされるサジタルコマ収差の補正を容易にし、画角の関数として展開される歪曲収差も、光学系の対称性のために比較的に容易に補正することができるものである。
【0010】
そこで、本発明では、より広画角化と大口径比化を簡単な構成で実現する可能性を追求し、その実現性を見出したものである。これには、非球面の効果的な使用が必要である。
【0011】
もう一方では、写真レンズ等のように、無限遠物体から近接撮影までの広いレンジで使用されるレンズ系においては、全系移動によるフォーカシングでは中心最良像面と軸外最良像面の移動速度が異なり、性能低下に結び付くという欠点を有していた。また、重量の大きいレンズの移動と全長の変化により、必ずしも俊敏なピント合わせも実現し得なかったと言える。一方、レンズ系の構成については、要求される画角や口径比により、第1レンズ群の構成枚数や第2レンズ群の構成が支配される傾向にあった。
【0012】
本発明においては、対称型広角レンズを簡単な構成で実現し、非球面により面屈折力を制御している。この光学系における上記問題点を解決するために、以下の構成が有効であることが明らかとなった。
【0013】
すなわち、物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群との3つのレンズ群によって構成し、第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとを有し、第3レンズ群は少なくとも1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、前記レンズ群の何れかに非球面を使用し、かつ、下記条件式を満足することを特徴とするものである。
−1.0>f1 /f2 >−12 ・・・(1)
0.8<|f3 /f2 |<8 ・・・(2)
0.2<|D1 /f |<3.0 ・・・(3)
ただし、f1 :第1レンズ群の焦点距離、
f2 :第2レンズ群の焦点距離、
f3 :第3レンズ群の焦点距離、
f :全系の焦点距離、
D1 :第1レンズ群と第2レンズ群の間隔、
である。
【0014】
上記のように、本発明のレンズ系は、極めて簡単な構成で、超広角レンズを実現し、かつ、大口径比を得ることができる。この理由について以下に説明する。
これまで、一般に、超広角レンズにおいて特に補正が困難とされたのは、歪曲収差や倍率色収差である。これらの収差は、第2レンズ群を構成する接合レンズ群に対して対称的に負メニスカスレンズを配置することで、画角の増大に対しても収差補正への大きな能力を維持する。
【0015】
また、第2レンズ群の構成を接合レンズ群に限定することで、全長の短縮が可能となり、開口効率を改善するときにレンズ系が大型化することが防止できる。
また、大口径比化に伴うサジタルコマフレアの増加は、第1レンズ群への非球面の使用で改善することが可能である。その非球面のレンズ中心から周辺部にかけての形状に関しては、例えば凸面では面の屈折力が弱まるように構成され、一方、凹面に使用するときには発散性を強めるような形状に構成する。
【0016】
また、球面収差に関しては、第2レンズ群の収斂系による補正が重要である。また、軸外像面の平坦性については、第3レンズ群の配置が極めて重要であり、非球面化することでこの能力を高めることが可能である。
【0017】
次に、近軸屈折力配置について、条件式の意味を説明する。
前記条件式(1)は、第1レンズ群と第2レンズ群の屈折力の比を規定するものである。条件式(1)の上限値−1.0を越えるときに、第1レンズ群の相対屈折力が大きくなり、小型化には良いが、収差の発生量、特に歪曲収差やサジタルコマ収差の発生が大きくなり、好ましくない。また、下限値−12を越えるときに、軸外収差補正上では望ましいが、第1レンズ群が大型化するので、結果として望ましくない。
【0018】
条件式(2)は、第3レンズ群と第2レンズ群の屈折力の比を規定するものである。すなわち、収斂性の第2レンズ群の屈折力が決定されたときに、第3レンズ群の屈折力を規定する。条件式の下限値0.8を越えるときに、第3レンズ群の相対屈折力が大きくなり、後群の小型化には良いが、像面湾曲収差や倍率色収差の悪化に繋がるので、好ましくない。また、上限値8を越えるとき、像面湾曲収差等の軸外収差補正上は有利であるが、バックフォーカスの余裕が少なくなり、第3レンズ群の外径が増し、レンズ鏡胴部の肥大化に繋がり、望ましい結果とならない。
【0019】
条件式(3)は、第1レンズ群と第2レンズ群の軸上距離を規定するものである。下限値の0.2を越えるとき、全長の小型化に直接関係するが、主点間隔の縮小にもなり、第1レンズ群若しくは第2レンズ群の屈折力が大きくならざるを得ないので、収差補正上で問題が発生する。上限値3.0を越えるとき、第1レンズ群から入射瞳までの距離が大きくなることを意味するので、自ずと大型化する。また、無理に小型化すると、開口絞りを基準に見たときに非対称となりやすく、非球面量が非常に大きい非球面の採用を余儀なくされることがあるので、本発明の趣旨から逸脱することになる。
【0020】
次に、本発明のレンズ系の構成について説明する。このレンズ系の画角は107°で、口径比が1:2.8の光学系である。具体的には、後記する実施例1に示すレンズ系や実施例6のより簡単なレンズ系がある。前者のレンズ断面図を図1に、より詳細な光路図を図16に示す。また、後者のレンズ断面図を図3に、また、より詳細な光路図を図17に示す。
【0021】
実施例1のレンズ断面図及び光路図を図16に示す。ここで、図16に破線で示すのは基準球面である。第1レンズ群G1の第1レンズは負メニスカスレンズであり、特に凸面の非球面形状は顕著であり、サジタルコマ収差と歪曲収差の補正に効果が大きい。ここでは、レンズ周辺部の面の屈折力が極めて強くなっていることが分かる。また、このレンズの後面である凹面は、やはり周辺光束に対して効果があるように、面の屈折力が強くなっている。これらの面の作用により、周辺光束の入射面に対する対称性が高まり、サジタルコマ収差の改善が成立する。また、歪曲収差の補正についても、同様にバランスし得る。
【0022】
また、第2レンズ群G2の最も像側の面に使用される非球面の効果も、軸外のコマ収差や非点収差の補正に効果があり、非球面量は小さくなるが、レンズの周辺部で面の屈折力が弱くなる形状になっている。さらに、第3レンズ群G3の像側の面に使用される非球面は、最終的に像面の補正や歪曲収差の補正を行う。この非球面は、レンズの周辺部になると面の屈折力が弱まる形状となっている。実施例6についても基本的に同様である。
【0023】
実施例1の収差係数値を以下の表1に示す。これに基づき、レンズ系の収差補正状況を説明する。
【0024】
ここで、kは面番号、SAは球面収差係数、CMはコマ収差係数、SCMはサジタル関係のコマ収差係数、ASは非点収差係数、DTは歪曲収差係数、PTは像面湾曲収差係数を表し、添字の3と5は各々が3次収差係数及び5次収差係数であることを意味する。また、G1 、G2 、G3 は各々第1レンズ群G1、第2レンズ群G2及び第3レンズ群G3に関する収差係数の総和であり、Σは全系の総和を表す。
【0025】
球面収差に関しては、屈折力配置によって作用が関係するところの負屈折力の第1レンズ群G1と第3レンズ群G3では、発散性光束に起因する過剰補正作用、正屈折力の第2レンズ群G2による収斂作用により補正不足の作用が、低次の収差係数である3次収差係数において支配している。第1レンズ群G1の球面収差に対する作用は、残る系に比べれば小さく、第2レンズ群G2では強い正屈折力の作用があり、第1レンズ群G1で発生する補正過剰の球面収差を補正している。さらに、第3レンズ群G3の発散性作用により、全系のバランスが取り得る。
【0026】
コマ収差においては、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの補正作用が比較的大きく、サジタルコマ収差については、特に補正作用の多くを担う。ただし、実際のコマ収差の発生は、収斂系である第2レンズ群G2で大きく、3次と5次収差係数で補償する関係にある。
【0027】
非点収差は、第1レンズ群G1の物体側に配置される負メニスカスレンズの作用が大きく、高次収差係数の発生量も大きい。この面には非球面を使用して、補正の効果を得ることが望ましい。像面の補正作用という点では、第3レンズ群G3により、負に変位し物体側に曲がる像面を引き起こす作用を持っている。
【0028】
歪曲収差については、非点収差と同様に、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズによる収差発生量が顕著である。このため、非球面の使用の効果もまた大きい。3次収差係数によれば、第3レンズ群G3によって負の歪曲収差を補正していることが分かる。
【0029】
像面湾曲については、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2による残存収差を第3レンズ群G3により補正していることが分かる。
ここで、第1レンズ群G1を負メニスカスレンズと正レンズで構成することによる利点は、倍率色収差の補正を第1レンズ群G1内で行い、諸収差の補正につていも第1レンズ群G1内で細部の補正が行い得るので、より望ましいということが言える。
【0030】
以上のことから、球面収差の補正には、第2レンズ群の収斂作用を持つレンズ面への非球面の使用が望ましい。このことは、大口径比化の際に要求されることである。また、軸外収差であるコマ収差の補正には、必ずしも特定化することはできないが、非球面の何れの群への使用でも効果は期待できるが、第1レンズ群の前面や第2レンズ群の像側の面あるいは第3レンズ群への使用による効果が期待できる。もちろん、第1レンズ群に使用することでサジタルコマ収差の補正に効果が大きいことは、表1のSCMの振る舞いで分かる。非点収差、歪曲収差については、特に第1レンズ群のメニスカスレンズへの非球面の適用により、非常に大きな効果が期待できる。
【0031】
また、具体的なレンズ系の構成は、以下のようにすると、超広角化を簡単なレンズ構成にて実現できる。すなわち、第1レンズ群は、1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと空気レンズを隔てて正レンズを配置し、第2レンズ群は、1組の負レンズと正レンズの接合レンズを有し、第3レンズ群は、1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズにて構成する。
【0032】
第1レンズ群の構成は、上記の通りの効果を持たせ得ることに特徴があり、硝材選択の範囲を拡げる効果にも結びつく。また、基本的に、コマ収差補正上から、第1レンズ群内の最初の負レンズはメニスカスレンズとなる。第2レンズ群が貼り合わせであることは、レンズ群としての収差補正の面では、色収差はもちろんであるが、像面補正上ではペッツバール和の補正にとって最低条件と考えられる。特に大口径比化を意図する本発明にとっては、このことは必要である。しかしながら、口径比の大きさによっては、接合によらずエアスペースを有するダブレットであってもよい。しかし、第2レンズ群を単レンズにて構成すると、大口径比化の要求に応えられないのは事実であるが、口径比の大きさによっては実現し得ることは言うまでもない。
【0033】
また、第3レンズ群は、像面補正の効果を有するために、単体の負メニスカスレンズで実現できる。像面までの距離を十分に確保すると両凹レンズになることは事実であるが、コマ収差等の補正には非球面を採用することが周辺部の収差補正に効果が大きい。当然、第3レンズ群を複数枚の構成にすることは可能である。
【0034】
また、より簡単化すれば、本発明の広角レンズは、以下のレンズ構成になる。すなわち、第1レンズ群は、1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は1組の負レンズと正レンズの接合レンズを有し、第3レンズ群は1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズにて構成する。この場合には、第1レンズ群の構成を負メニスカスレンズのみとすることにより実現することが、前記の構成との違いである。さらに、第2レンズ群に通常の接合レンズ以外の付加的構成要素を設けることにより、収差補正上の効果が期待し得る。すなわち、第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は2枚の負レンズと1枚の正レンズを有し、第3レンズ群は1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズにて構成する。これは、第2レンズ群を、例えば負レンズ、正レンズ及び負レンズの3枚接合レンズあるいは1組の接合レンズと1枚の負レンズにて構成し、相互の間に空気間隔がある場合等であり、ペッツバール和の補正や球面収差補正に効果が得られる。
【0035】
次に、本発明のフォーカシングの方法とその収差変動の抑制について説明する。具体的には、上記のレンズ系、すなわち、物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群との3つのレンズ群によって構成し、第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとを有し、第3レンズ群は少なくとも1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有するレンズ系において、無限遠より近距離物体へのフォーカシングの際には、全系を物体側に移動させると共に、レンズ群間隔又はレンズ群内の部分系の間隔を変化させることにより収差変動を抑止するようにする。
【0036】
また、より特定すれば、無限遠より近距離物体へのフォーカシングの際には、全系を物体側に移動させると共に、第1レンズ群内の空気レンズの間隔及び第2レンズ群と第3レンズ群のレンズ群間隔を変化させるか、あるいは、全系を物体側に移動させると共に、第1レンズ群と第2レンズ群のレンズ群間隔及び第2レンズ群と第3レンズ群のレンズ群間隔を変化させるか、さらには、全系を物体側に移動させると共に、第1レンズ群と第2レンズ群のレンズ群間隔のみを変化させるものである。
【0037】
これにつていは、具体例を示して説明する。後記する実施例1における軸上間隔を+0.1mmを変化させた時に、収差変化量を示したのが次の表2である。
【0038】
ここで、kは間隔番号、Bfはバックフォーカス、SAは輪帯球面収差、DS及びDMは像高比0.7のサジタルとメリディオナルの非点収差である。間隔番号2は、第1レンズ群G1内の負メニスカスレンズと正レンズの間隔である。また、間隔番号8は、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔である(図16参照)。これら2つの間隔の傾向としては、符号は同じであり、フォーカシング時に異なる方向に移動させる機構を設けることにより、収差変動の抑制が可能である。また、その移動量は、補正量により異なるようにするとより良い。
【0039】
次に、実施例6について説明する。間隔2と間隔6がおのおのレンズ群間のフォーカシング時の可変間隔である(図17参照)。これらの間隔は同一の変化量に対して球面収差とメリディオナル方向の非点収差の変化量が逆符号を持つために、全系繰り出しによっては、フォーカシングによる収差変動が発生するわけである。これを抑制するために、各々のレンズ群間を異なる量あるいは異なる方向に移動することで収差変動の抑制を実現することができる。このときの間隔誤差0.1mmに対する諸パラメータの変化量を次の表3に示す。
【0040】
また、フォーカシングの方式としては、第2レンズ群のみを移動することによるインナーフォーカシング方式によって実現することも可能である。
【0041】
【実施例】
以下、本発明の広角レンズの実施例1〜10について説明する。
ここに示すのは、超広角レンズであって、かつ、口径比が1:2.8又は1:3.5程度の仕様を満足するものである。また、結像性能は後で説明する収差図に示す通り、良好になし得る。
【0042】
実施例1から実施例5のレンズ構成は、第1レンズ群G1が負メニスカスレンズと正レンズの2枚構成、第2レンズ群G2が1組の接合レンズ、第3レンズ群G3が負メニスカスレンズ1枚の全体で5成分の構成である。
【0043】
実施例6から実施例9のレンズ構成は、第1レンズ群G1が負メニスカスレンズ、第2レンズ群G2が1組の接合レンズ、第3レンズ群G3が負メニスカスレンズの全体で4成分からなる。実施例10は、基本構成は前記4成分構成の場合と同じであるが、第2レンズ群が3枚接合レンズからなり、5成分構成となる。
次に、具体的に各実施例について説明する。
【0044】
実施例1は、焦点距離が16.08mm、口径比が1:2.87で、画角が106.74°のレンズ系である。構成は、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズからなり、第2レンズ群G2は、開口絞りと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズの2枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなる。非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの両面に使用されており、さらに、第2レンズ群G2の接合レンズの像側の面、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面に使用している。第1レンズ群G1の負メニスカスレンズは、後続する正レンズと共に色収差補正をなすために必ずしも低屈折率、低分散の硝種を使用する必要はない。
【0045】
この超広角大口径レンズは、歪曲収差、像面湾曲、サジタルコマ収差の補正等に課題がある。そのため、まず、第1レンズ群G1に非球面を使用して歪曲収差の補正への負担を軽減した。したがって、第1非球面の有効径付近の非球面量は1765μmに達している。また、裏面に使用する非球面の有効径付近の非球面量は1899μmである。この形状は、周辺部の光束に対して球面系ではなし得ない面の作用を非球面の採用によってなし得たことを意味する。第2レンズ群G2の非球面は最も像側の面に使用しており、メリディオナルコマ収差の補正や非点収差の補正に大きな効果を持つ。また、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの凸面に使用した非球面の作用は周辺像面の補正に関係しており、超広角レンズの周辺性能を向上させるのに寄与する。この非球面は、レンズ周辺部に行くに従い、面の屈折力が弱まるように作用する。
【0046】
実施例1のレンズ断面図を図1に示す。図中、(a)は無限遠物点にフォーカシングした状態を、(b)は有限遠物点−0.5mにフォーカシングした状態を示す。
次に、フォーカシング方法について説明する。基本は全系移動であり、本実施例においては、第1レンズ群G1内のレンズ間の軸上間隔を0.316mm減少させ、さらに、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の軸上間隔を0.05mm増加させることで、収差変動を補償している。
【0047】
図6(a)〜(d)に無限遠物点にフォーカシングしたときの収差図を、図6(e)〜(h)に−0.5mにフォーカシングしたときの収差図を示す。この中、(a)、(e)は球面収差、(b)、(f)は非点収差、(c)、(g)は倍率色収差、(d)、(h)は歪曲収差を示している。以下、同じ。
高次収差の影響は若干残るが、収差は無限遠物点でも有限遠物点でも非常に良好に補正されている。
【0048】
実施例2は、焦点距離が16.087mmで、口径比が1:2.85の大口径超広角レンズである。この実施例の構成及び非球面の使用箇所は実施例1と同様であり、レンズ断面の図示は省く。各レンズ群の屈折力配置についても実施例1に近い数値をとっており、使用する硝子の範囲も実施例1に近い。次に、フォーカシング時のフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1内のレンズ間の軸上間隔は0.389mm減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.045mm増加する。この実施例の図6と同様の収差図を図7に示す。これにより、画角が107°程度であっても、非常に像面の平坦性が高いことが分かる。ただし、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの凸面に使用する非球面には、変曲点が有効径内に存在する。
【0049】
実施例3は、焦点距離が16.085mm、口径非が1:2.85の大口径超広角レンズである。構成は、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズからなり、第2レンズ群G2は、開口絞りと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズの2枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなる。各レンズ群の屈折力配置については実施例1に近い数値をとっている。非球面を使用する箇所は、実施例1と同じである。しかし、第2レンズ群G2の像側面の曲率半径がより緩い点で異なる。次に、フォーカシング時のフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1内のレンズ間の軸上間隔は0.350mm減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.064mm増加する。この実施例の図1と同様なレンズ断面図を図2に示し、図6と同様の収差図を図8に示す。
【0050】
実施例4は、焦点距離が18.05mmで、口径比が1:3.5のレンズ系である。この実施例の構成は実施例2と同様であり、レンズ断面の図示は省く。基本的なレンズ構成は、実施例1から3と同様であるが、口径比が小さい分小型化している。非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの凸面と、第2レンズ群G2の接合レンズの像側面と、第3レンズ群G3の像側面の計3面である。非球面量は、第1レンズ群G1で有効径付近で280μm、第2レンズ群G2の有効径付近で334μm、第3レンズ群G3で390μmである。この実施例の図6と同様の収差図を図9に示す。次に、フォーカシングときのフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1内のレンズ間の軸上間隔は、0.073mm増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.007mm減少する。フローティング時のレンズ群間隔の変化が実施例1から3とは逆である。また、フォーカシングによる収差変動も非常に小さいことが分かる。
【0051】
実施例5は、焦点距離が20.05mmで、口径比が1:3.5のレンズ系である。この実施例の構成は実施例1と同様であり、レンズ断面の図示は省く。この実施例の図6と同様の収差図を図10に示す。非球面使用箇所は、実施例4と同様である。第1レンズ群G1と第3レンズ群G3の負メニスカスレンズに使用された非球面量は、それぞれ有効径付近で403μm及び153μmである。また、第2レンズ群G2の像側面に使用された非球面の有効径付近での非球面量は42.5μmである。フォーカシングときのフローティング量は、第1レンズ群G1内で0.016mm増加することで同様に行われる。
【0052】
実施例6は、焦点距離が16.085mmで、口径比が1:2.85のレンズ系である。レンズ断面図を図3に示すように、極めて簡単な構成をとる。すなわち、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなり、第2レンズ群G2は、開口絞りと物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズの2枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなる。非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの両面に使用し、第2レンズ群G2の接合レンズの最も像側の面に使用し、さらに、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面に使用している。第1非球面は負メニスカスレンズの凸面に使用しており、レンズの周辺部に行くに従って面の屈折力が強まる形状をとる。この面では、有効径付近での非球面量は2250μmである。また、裏面の第2非球面は凹面であり、レンズ周辺部に行くに従って発散性の屈折力が強まるような非球面形状をとる。有効径付近での非球面量は1425μmである。また、周辺部のメリディオナルコマ収差や非点収差の補正を目的とする第2レンズ群G2の非球面は、凸面への使用であり、レンズ周辺部に行くに従い非球面量が増し、面の屈折力が徐々に弱まる形状をとる。第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの凸面に使用される非球面は、レンズ周辺部に行くに従い面の屈折力が弱まり、周辺像面を起こす作用を担っている。この面の有効径付近での非球面量は1289μmである。この実施例の図6と同様の収差図を図11に示す。
【0053】
次に、フォーカシング時のフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔は0.520mm減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.115mm増加する。フローティング時のレンズ群間隔の変化が実施例1から3とは逆である。第1レンズ群G1と第3レンズ群G3を単体負レンズで構成するときに低分散硝子を使用することが必要である。これは、フローティングを考慮したレンズ群構成によってレンズ群を規定するときに、群内で色収差補正することで群の移動があるときに収差変動を小さくする条件の1つとなるからである。このレンズ系において、若干の高次収差が残留することでフォーカシング時に収差変動が残るが、超広角大口径レンズとしては非常に良好に補正されているということが言える。
【0054】
実施例7は、焦点距離が16mmで、口径比が1:3.55のレンズ系である。この実施例の構成及び非球面の使用箇所は実施例6と同様であり、レンズ断面の図示は省く。また、この実施例の図6と同様の収差図を図12に示す。次に、フォーカシング時のフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔は0.228mm減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.002mm増加する。
【0055】
実施例8は、焦点距離が20.05mmで、口径非が1:2.88のレンズ系である。この実施例の構成は実施例6と同様であり、レンズ断面の図示は省く。また、非球面の使用は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの第1面と、第2レンズ群G2の最も像側の面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの像側の面である。この実施例の図6と同様の収差図を図13に示す。次に、フォーカシング時のフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔は0.010mm増加し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.017mm増加する。
【0056】
実施例9は、焦点距離が21.10mmで、口径比が1:2.86のレンズ系である。この実施例の構成は、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなり、第2レンズ群G2は、開口絞りと両凸レンズと像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズの2枚接合レンズからなり、第3レンズ群G3は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなる。非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの第1面と第2面の両面と、第2レンズ群G2の最も像側の面と、第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの凹面に用いている。この実施例の図1と同様なレンズ断面図を図4に示し、図6と同様の収差図を図14に示す。次に、フォーカシング時のフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔は0.270mm減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.051mm減少する。
【0057】
実施例10は、焦点距離が20.050mmで、口径比が1:3.60のレンズ系である。この実施例の構成は、第1レンズ群G1は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなり、第2レンズ群G2は、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸レンズと像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズの3枚接合レンズと開口絞りとからなり、第3レンズ群G3は、像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズ1枚からなる。非球面は、第1レンズ群G1の負メニスカスレンズの第2面である凹面と、第2レンズ群G2の最も像側の面及び第3レンズ群G3の負メニスカスレンズの凹面に用いている。この光学系では、第2レンズ群G2は3枚接合レンズである。この実施例の図1と同様なレンズ断面図を図5に示し、図6と同様の収差図を図15に示す。次に、フォーカシング時のフローティング量は、−0.5mのときに第1レンズ群G1と第2レンズ群G2の間隔は0.064mm減少し、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は0.017mm増加する。
【0058】
以下に、上記各実施例の数値データを示すが、記号は上記の外、fは全系焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直行する方向にとると、下記の式にて表される。
x=(y2 /r)/[1+{1−P(y/r)2 }1/2 ]+A4y4 +A6y6 +A8y8 + A10y10
ただし、rは近軸曲率半径、Pは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
次に、上記実施例1〜10の条件式(1)〜(3)に関する値を次の表に示す。
【0070】
以上の本発明の広角レンズは例えば次のように構成することができる。
〔1〕 物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群との3つのレンズ群によって構成し、
第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとを有し、第3レンズ群は少なくとも1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、
前記レンズ群の何れかに非球面を使用し、かつ、
下記条件式を満足することを特徴とする広角レンズ。
−1.0>f1 /f2 >−12 ・・・(1)
0.8<|f3 /f2 |<8 ・・・(2)
0.2<|D1 /f |<3.0 ・・・(3)
ただし、f1 :第1レンズ群の焦点距離、
f2 :第2レンズ群の焦点距離、
f3 :第3レンズ群の焦点距離、
f :全系の焦点距離、
D1 :第1レンズ群と第2レンズ群の間隔、
である。
【0071】
〔2〕 第1レンズ群は1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと空気レンズを隔てて正レンズとを配置し、第2レンズ群は1組の負レンズと正レンズの接合レンズを有し、第3レンズ群は1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズにて構成したことを特徴とする上記〔1〕記載の広角レンズ。
【0072】
〔3〕 第1レンズ群は1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は1組の負レンズと正レンズの接合レンズを有し、第3レンズ群は1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズにて構成したことを特徴とする上記〔1〕記載の広角レンズ。
【0073】
〔4〕 第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は正レンズと2枚の負レンズを有し、第3レンズ群は1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズにて構成したことを特徴とする上記〔1〕記載の広角レンズ。
【0074】
〔5〕 物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群との3つのレンズ群によって構成し、
第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとを有し、第3レンズ群は少なくとも1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、
無限遠より近距離物体へのフォーカシングの際には、全系を物体側に移動させると共に、レンズ群間隔又はレンズ群内の部分系の間隔を変化させることにより収差変動を抑止するようにしたことを特徴とする広角レンズ。
【0075】
〔6〕 無限遠より近距離物体へのフォーカシングの際には、全系を物体側に移動させると共に、第1レンズ群内の空気レンズの間隔及び第2レンズ群と第3レンズ群のレンズ群間隔を変化させることを特徴とする上記〔5〕に記載の広角レンズ。
【0076】
〔7〕 無限遠より近距離物体へのフォーカシングの際には、全系を物体側に移動させると共に、第1レンズ群と第2レンズ群のレンズ群間隔及び第2レンズ群と第3レンズ群のレンズ群間隔を変化させることを特徴とする上記〔5〕に記載の広角レンズ。
【0077】
〔8〕 無限遠より近距離物体へのフォーカシングの際には、全系を物体側に移動させると共に、第1レンズ群と第2レンズ群のレンズ群間隔のみを変化させることを特徴とする上記〔5〕に記載の広角レンズ。
【0078】
【発明の効果】
上記のように、従来、超広角レンズは非常に複雑な構成となるのが常識であり、対称型のレンズ系であっても、構成枚数は増加し、口径比に限界があり、大口径比化の実現がなされていなかった。しかし、以上の説明から明らかなように、本発明により、非球面を効果的に使用することで、4から5枚という少ない構成枚数で超広角レンズを実現することができた。また、フォーカシングのために、従来の全系移動に加えて、部分系の移動を行うフローティング方式の採用によって、有限距離物点に対する収差変動への対策もなし得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の広角レンズのレンズ断面図である。
【図2】本発明の実施例3の広角レンズのレンズ断面図である。
【図3】本発明の実施例6の広角レンズのレンズ断面図である。
【図4】本発明の実施例9の広角レンズのレンズ断面図である。
【図5】本発明の実施例10の広角レンズのレンズ断面図である。
【図6】実施例1の無限遠物点及び−0.5mにフォーカシングしたときの収差図である。
【図7】実施例2の図6と同様の収差図である。
【図8】実施例3の図6と同様の収差図である。
【図9】実施例4の図6と同様の収差図である。
【図10】実施例5の図6と同様の収差図である。
【図11】実施例6の図6と同様の収差図である。
【図12】実施例7の図6と同様の収差図である。
【図13】実施例8の図6と同様の収差図である。
【図14】実施例9の図6と同様の収差図である。
【図15】実施例10の図6と同様の収差図である。
【図16】実施例1のより詳細な光路図である。
【図17】実施例6のより詳細な光路図である。
【符号の説明】
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
Claims (4)
- 物体側から順に、負屈折力を有する第1レンズ群と、正屈折力を有する第2レンズ群と、負屈折力を有する第3レンズ群との3つのレンズ群によって構成し、
第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとを有し、第3レンズ群は少なくとも1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、
第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は開口絞りと1組の接合レンズとからなり、第3レンズ群は1枚の像面側に凸面を向けた負メニスカスレンズからなり、
前記レンズ群の何れかに非球面を使用し、かつ、
下記条件式を満足することを特徴とする広角レンズ。
−1.0>f 1 /f 2 >−12 ・・・(1)
0.8<|f3 /f2 |<8 ・・・(2)
0.2<|D1 /f |<3.0 ・・・(3)
ただし、f1 :第1レンズ群の焦点距離、
f2 :第2レンズ群の焦点距離、
f3 :第3レンズ群の焦点距離、
f :全系の焦点距離、
D1 :第1レンズ群と第2レンズ群の間隔、
である。 - 第1レンズ群は1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと空気レンズを隔てて正レンズとを配置し、第2レンズ群は1組の負レンズと正レンズの接合レンズを有することを特徴とする請求項1記載の広角レンズ。
- 第1レンズ群は1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は1組の負レンズと正レンズの接合レンズを有することを特徴とする請求項1記載の広角レンズ。
- 第1レンズ群は少なくとも1枚の物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズを有し、第2レンズ群は正レンズと2枚の負レンズの接合レンズを有することを特徴とする請求項1記載の広角レンズ。
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