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JP3810052B2 - 定着部材用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物 - Google Patents

定着部材用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物 Download PDF

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JP3810052B2
JP3810052B2 JP2000385654A JP2000385654A JP3810052B2 JP 3810052 B2 JP3810052 B2 JP 3810052B2 JP 2000385654 A JP2000385654 A JP 2000385654A JP 2000385654 A JP2000385654 A JP 2000385654A JP 3810052 B2 JP3810052 B2 JP 3810052B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複写機、レーザービームプリンター、FAXなどに使用する定着部材用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物に関し、詳しくは優れたトナー初期離型性及び離型耐久性を有する定着部材を形成することができる定着部材用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機、レーザービームプリンター、FAXなどに使用する定着ロール等の定着部材にはシリコーンゴムが使用されている。これはシリコーンゴムのトナー対する離型性、耐熱性、圧縮永久歪などが他のゴム材料に比較して優れているからである。しかしながら、最近この種の機器の高速化及びトナーの微粒子化に伴い、トナーがシリコーンゴムロールに付着する、所謂オフセット現象が問題になっている。
【0003】
この問題を防止するためにシリコーンゴム組成物中にシリコーンオイルやガム状のシリコーンを内添したり、含浸させることにより離型性を高める方法やフッ素樹脂層をシリコーンローラー表面に形成する方法が知られている。ローラーの寸法安定性やコスト面で有利なことからシリコーンオイルやガム状のシリコーンを内添する方法が通常とられている。
【0004】
例えば、25℃における粘度が20〜5000cStのジメチルシリコーンオイルと同粘度が5000〜6000cStのジメチルシリコーンオイルを併用する方法(特公平6-46337号公報)、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、25℃における粘度が100〜100,000cPであるジオルガノポリシロキサン10〜90重量部、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有し、25℃における粘度が1,000,000cP以上であるジオルガノポリシロキサン10〜90重量部、オルガノシロキサンレジン、1分子中に少なくとも2個の珪素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン、及び白金系触媒を含有してなる定着ロール用組成物(特開平7-41679)が知られているが、何れの場合も初期のトナー離型性が低かったり、トナー離型性の耐久性が低く、トナー離型性が徐々に低下するという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上記の問題を解決すること、即ち、優れたトナー初期離型性及び離型耐久性を有する定着ロール等の定着部材を形成することができる定着部材用シリコーンゴム組成物を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明らは上記課題を解決するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち、本発明は、該課題の解決手段として、
(a)一分子中に珪素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有し、25℃における粘度が1,000〜100,000cPであるオルガノポリシロキサン 100重量部
(b)一分子中に少なくとも2個以上の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
(a)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当り、(b)成分中のケイ素原子に結合した水素原子数の比が0.1〜3.0となる量
(c)有効量の白金系触媒
(d)25℃における粘度が(a)成分の粘度の3倍〜10倍であるオルガノポリシロキサン 1〜10重量部
を含有してなる定着部材用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下にシリコーン組成物の各成分について説明する。
[(a)アルケニル基含有オルガノポリシロキサン]
本発明に使用される(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは通常、付加硬化型シリコーンゴムのベースポリマーとして使用されている公知のオルガノポリシロキサンであり、25℃で1000cP(センチポイズ)から100,000cP、好ましくは5,000〜100,000cP、より好ましくは10,000〜100,000cPの粘度を有するものである。
【0008】
該アルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、通常、平均組成式:
RaSiO(4-a)/2
(ここで、Rは独立にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ヘキシル、シクロヘキシル等のアルキル基、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル等のアルケニル基、フェニル、トリル、キシリル等のアリール基、ベンジル等のアラルキル基などの非置換の一価炭化水素基;3,3,3-トリフルオロプロピル基、シアノメチル基等の上記一価炭化水素基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子やシアノ基で置換された置換アルキル基などの置換一価炭化水素基である。複数の置換基は、異なっていても同一であってもよいが、分子中にアルケニル基を2個以上含んでいることが必要である。aは1.9〜2.4、好ましくは1.95〜2.05の範囲の数である。)
【0009】
このオルガノポリシロキサンは直鎖状であってもよいし、RSiO3/2単位(Rは前記の通り)或いはSiO4/2単位を含んだ分岐状であってもよいが、通常は主鎖がジオルガノシロキサン単位(R2SiO2/2)の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R3SiO1/2)で封鎖された、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであることが好適である。珪素原子に結合した置換基は、基本的には上記のいずれであってもよいが、アルケニル基は好ましくはビニル基が挙げられ、その他の置換基としてはメチル基、フェニル基が望ましい。
【0010】
このオルガノポリシロキサンは、当業者にとって周知の方法によって製造される。例えば、目的とする分子構成に対応するオルガノシクロポリシロキサンとヘキサオルガノジシロキサンとをアルカリ又は酸触媒の存在下に平衡化反応を行うことによって得ることが出来る。この成分の例示としては、
【0011】
【化1】
Figure 0003810052
(ここでRは前記の通りであり、n、mはそれぞれ下記の粘度を満足する様な1以上の整数である。)
等が挙げられる。
【0012】
(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が1,000〜100,000cPであることが必要である。好ましくは5,000〜100,000cP、より好ましくは10,000〜100,000cPである。該オルガノポリシロキサンの粘度が低すぎる場合、組成物の硬化により得られるシリコーンゴムの機械的強度が低下し、ロールとして、実用上問題がある。又、粘度が100,000cPより高いと、組成物の粘度が高くなりすぎてロール成形上取り扱いが困難になることが多い。
【0013】
[(b)オルガノハイドロジェンポリシロキサン]
本発明に使用される(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシロキサンは分子中のケイ素原子結合水素原子(即ち、SiH基)が(a)成分のアルケニル基含有オルガノポリシロキサン中のアルケニル基とヒドロシリル化付加反応し、架橋剤とし働くものである。該オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造に特に制限はなく従来製造されている例えば線状、環状、分岐状、三次元網状等、各種の構造のものを使用可能であるが、一分子中に少なくとも2個、好ましくは3個以上の珪素原子に直接結合した水素原子(SiH基)を含むことが必要がある。この化合物の水素以外の珪素原子に結合する置換基は(a)成分のオルガノポリシロキサンについて説明した置換基Rと同様である(但し、アルケニル基等の脂肪族不飽和結合を含まない。)。
【0014】
この(b)成分の添加量は、(a)に含まれるケイ素原子に結合したアルケニル基1個に対して該(b)成分中のケイ素原子に直結した水素原子の数が0.1〜3.0個となる量であり、好ましくは0.5〜2.0個となる範囲である。0.1個未満では得られる硬化物の架橋密度が低くなりすぎ、硬化シリコーンゴムの耐熱性に悪影響を与えることが多い。又、3.0個より多い場合には脱水素反応による発泡が生じ易く、やはり耐熱性に悪影響を与える恐れが生じる。
【0015】
このオルガノハイドロジェンポリシロキサンは当業者にとって周知の製造方法によって得ることが可能である。極く一般的な製造方法を挙げると、例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン及び/又はテトラメチルシクロテトラシロキサンと末端基となりうるヘキサメチルジシロキサン或いは1,1'-ジハイドロ-2,2',3,3'-テトラメチルジシロキサン単位を含む化合物とを硫酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸等の触媒の存在下に−10〜+40℃程度の温度で平衡化させることによって容易に得ることが出来る。
【0016】
[(c)白金系触媒]
(c)成分の白金系触媒は、前記した(a)成分と(b)成分との付加反応(ハイドロサイレーション)を促進させるための触媒として使用されるもので、当業者に於いて公知であるものをいずれも使用することができる。具体的には、白金及び白金化合物が挙げられ、これには例えば白金ブラック、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール変性物、塩化白金酸とオレフィン、アルデヒド、ビニルシロキサン又はアセチレンアルコール類等との錯体等が挙げられる。
【0017】
該(c)成分の添加量は所謂有効量(即ち、触媒量)でよく、希望する硬化速度に応じて適宜増減すればよい。通常は(a)成分に対して白金量で0.1〜1000ppm、好ましくは1〜200ppmの範囲とすればよい。
【0018】
[(d)高粘度オルガノポリシロキサン]
(d)成分は、25℃における粘度が(a)成分のオルガノポリシロキサンの粘度の3倍〜10倍と相対的に高いオルガノポリシロキサンである。
該(d)成分のオルガノポリシロキサンの構造は特に制限されないが、液状の他の成分への分散性、得られる組成物の粘度上昇が少ないこと、得られるトナー初期離型性が良好であるなどの観点から、通常、主鎖部分が実質的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなる、直鎖状のジオルガノポリシロキサンであり、室温で液状であることが好ましい。
【0019】
より好ましい例としては、主鎖部分が実質的にジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基で封鎖され、室温で液状であるオルガノポリシロキサンが挙げられる。該オルガノポリシロキサンは一分子中に珪素原子と結合するアルケニル基を2個以上、好ましくは、分子鎖末端のケイ素原子に結合したアルケニル基を2個以上含有したものであってもよい。
【0020】
該(d)成分のオルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が(a)成分の粘度の3倍以上かつ10倍以下、好ましくは3.0倍以上10倍以下であることが必須である。25℃における粘度が3倍より小さい場合、得られるトナー初期離型性及び離型耐久性が悪くなり、10倍を超えると、トナー離型における滑り性を失い、トナー初期離型性が悪くなる。添加量は(a)成分100重量部に対し、1〜10重量部が望ましく、特に2〜8重量部が好ましい。1重量部より小さいと離型耐久性が悪くなりがちであり、10重量部より大きいとトナー初期離型性が悪くなり易い。
【0021】
[任意成分]
必要に応じて組成物に配合される他の任意成分としては、例えば充填剤、耐熱向上剤、白金制御剤が挙げられる。
充填剤は液状付加硬化型シリコーンゴム組成物の硬化物に所定の硬度及び引張り強さなどの物理的強度を付与するものである。用いる充填剤としては、従来シリコーンゴム組成物に通常使用されるものでよい。具体的には、たとえばヒュームドシリカ、結晶性シリカ(石英粉)、沈降性シリカ、疎水化処理したシリカ、などが挙げられ、これらは1種単独でも2種以上組み合わせてもよい。このような材料の例示としては、親水性のシリカとしては、Aerosil 130,200,300(日本アエロジル社、Degussa社製)、CabosilMS-5,MS-7(Cabot社製)、RheorosilQS-102,103(徳山曹達社製)、NipsilLP(日本シリカ製)等が挙げられる。又疎水性シリカとしては、AerosilR-812,R-812S,R-972,R-974(Degussa社製)、Rheorosi1MT-10(徳山曹達社製)、NipsilSSシリーズ(日本シリカ製)、結晶性シリカとしてはクリスタライト、Minusil,Imisilが挙げられる。
【0022】
充填剤の配合量は(a)成分100重量部に対して通常5〜300重量部が好ましく、より、好ましくは20〜200重量部である。
耐熱性向上剤としてはカーボンブラック、酸化セリウム、水酸化セリウム、酸化鉄(ベンガラ)などを使用することできる。
【0023】
カーボンブラックは通常その製造方法によって、フェーネスブラック、チャネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック等に類別し得るが、硫黄、アミン含有量が多いと組成物の付加硬化型反応に硬化阻害が生じるため、特に、アセチレンブラックが好適に使用される。カーボンブラックの使用量は(a)成分100重量部に対して通常0.2〜15重量部、好ましくは2〜10重量部である。
【0024】
ベンガラは黒色ベンガラ(Fe3O4),赤色ベンガラ(Fe2O3)が好適に使用させる。ベンガラの使用量は通常(a)成分100重量部に対して、0.2〜30重量部、好ましくは2〜20重量部である。
【0025】
酸化セリウムや水酸化セリウムは上記カーボンブラックと酸化鉄と共に添加することで相乗的に作用し、硬度変化を押さえることができる。酸化セリウム又は水酸化セリウムの使用量は成分(a)成分100重量部に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。
これらの任意成分は一種単独で又は2種以上併用にて使用することができる。
【0026】
更に本発明の組成物を実用に供するために硬化時間の調整を行う必要がある場合には制御剤(付加反応抑制剤)を配合してもよい。制御剤としては、例えば、ビニルシクロテトラシロキサンのようなビニル基含有オルガノポリシロキサン、トリアリルイソシアヌレート、アルキルマレエート、アセチレンアルコール類及びそのシラン、シロキサン変性物、ハイドロパーオキサイド、テトラメチルエチレンジアミン、ベンゾトリアゾール及びそれらの混合物を挙げることができる。
【0027】
本発明の組成物を用いて製造する定着部材としては、定着ロールの他、定着ベルト、オイルフューザーロール等が挙げられる。
【0028】
定着ロールを成形する方法は限定されず、例えば、金属シャフトの外周面に本発明の組成物を均一に被覆後加熱する方法、金属シャフトの外周面にシリコーンゴム層を形成し、次いで、このシリコーンゴム層表面に本発明の組成物を被覆後加熱する方法が挙げられる。又、本発明の組成物は、近年開発されている定着ベルトにも適用できる。金属又樹脂のフィルムの表面に本発明の組成物を積層後加熱し、ベルト状の成形体を得る。
【0029】
更にロールの耐久性向上のために、本発明の組成物をフッ素樹脂被覆シリコーンゴムロール又は、フッ素ラテックス塗布シリコーンゴムロール用のシリコーンゴム組成物としても使用してもよい。
【0030】
【実施例】
以下、実施例によりこの発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記述において、Viはビニル基を示す。
【0031】
−実施例1−
(1)以下の手順で液状組成物1と2を調製した。
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃での粘度が10,000cPであるジメチルポリシロキサン100重量部、25℃での粘度が30,000cPである両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン3重量部(組成物1の場合)又は10重量部(組成物2の場合)、平均粒径1.5μmの結晶性シリカ20重量部、平均粒径0.16μmの酸化鉄130ED(戸田工業(株))2重量部を均一の混合した。更にその混合物に下式(1)で表される常温での粘度が約10cPであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを3重量部(ビニル基含有ジメチルポリシロキサン中のビニル基に対するSiH基のモル比(H/Vi):2.7mol/molに相当する)、珪素原子に直結したビニル基[−Si(CH3)(CH=CH2)O−]を全シロキサン単位中該シロキサン単位として5モル%含有する常温での粘度が1,000cPであるビニルメチルポリシロキサンを4重量部、反応制御剤として1−エチニル−シクロヘキサノール0.1重量部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加均一になるまでよく混合した。
【0032】
【化2】
Figure 0003810052
こうして液状組成物1、2を得た。
【0033】
(2)直径14mm×長さ250mmのアルミニウムシャフト状に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業製)を塗布した。ロール形状の成形金型内にアルミニウムシャフトを設置し、液状組成物1又は2を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーして、外径18mm×長さ200mmのシリコーンゴムロールを作製した。更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、いずれも良好な複写物が得られた。
【0034】
−比較例1−
25℃での粘度が30,000cPである両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンの代りに、25℃での粘度が20,O00cPである両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン3重量部(組成物7の場合)又は10重量部(組成物8の場合)を用いる以外は、実施例1と同様にして、液状組成物7又は8を得た。組成物1又は2の代りに組成物7又は8を使用した以外は実施例1同様にして実施例1同様にして外径18mm×長さ200mmのシリコーンゴムロールを作製した。更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、4万枚複写にて、いずれも定着むらな複写物が得られた。
【0035】
−比較例2−
25℃での粘度が30,000cPである両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンの代りに、25℃での粘度が30,000cPである両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン0.5重量部(組成物9の場合)又は15重量部(組成物10の場合)を用いる以外は、実施例1と同様にして、液状組成物9,10を得た。
組成物1又は2の代りに組成物9又は10を使用した以外は実施例1同様にして、外径18mm×長さ200mmのシリコーンゴムロールを作製した。更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、1万枚複写にて、いずれも定着むらのある複写物が得られた。
【0037】
−比較例
25℃での粘度が30,000cPである両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサンの代りに、25℃での粘度が10,000,O00cPであるガム状両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン5重量部を用いる以外は実施例1と同様にして、液状組成物11を得た。組成物1の代りに液状組成物11を使用した以外は実施例1同様にして、外径18mm×長さ200mmのシリコーンゴムロールを作製した。更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、1万枚複写にて、定着むらな複写物が得られた。
【0038】
−実施例2−
(1)以下の手順で液状組成物3と4を調製した。
分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、メチルビニルシロキサン単位として側鎖ビニル基を平均約10個含有し、25℃での粘度が10,000cPである直鎖状ジメチルシロキサンポリマー100重量部、25℃での粘度が100,000cPである両末端ジメチルビニル基封鎖ジメチルポリシロキサン3重量部(組成物3の場合)又は10重量部(組成物4の場合)、平均粒径5μmの結晶性シリカ20重量部、平均粒径0.16μmの酸化鉄130ED(戸田工業(株))2重量部を均一に混合した。更にその混合物に下式(2)で表される常温での粘度が約10cPであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを3重量部(組成物3、4につき、それぞれ、H/Vi:0.6mol/mol、0.5mol/molに相当する)、珪素原子に直結したビニル基[−Si(CH3)(CH=CH2)O−]を全シロキサン単位中該シロキサン単位として5モル%含有する常温での粘度が1,000cPであるビニルメチルポリシロキサンを4重量部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1重量部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加均一になるまでよく混合した。
【0039】
【化3】
Figure 0003810052
こうして液状組成物3、4を得た。
【0040】
(2)次に直径14mm×長さ300mmのアルミニウムシャフト状に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーNO.101A/B(信越化学工業製)を塗布した。ロール形状の成形金型内にアルミニウムシャフトを設置し、液状組成物3,4を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーして、外径18m×長さ250mmのシリコーンゴムロールを作製した。
更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、いずれも良好な複写物が得られた。
【0041】
−比較例
25℃での粘度が100,000cPである両末端ジメチルビニル基封鎖ジメチルポリシロキサンの代りに、25℃での粘度が20,000cPである両末端ジメチルビニル基封鎖ジメチルポリシロキサン3重量部(組成物12の場合)又は10重量部(組成物13の場合)用いる以外は、実施例2と同様にして液状組成物12又は13を得た。組成物3又は4の代りに液状組成物12又は13を使用した以外は実施例2と同様にして外径18mm×長さ250mmのシリコーンゴムロールを作製した。更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、5万枚複写にて、いずれも定着むらな複写物が得られた。
【0042】
−比較例
25℃での粘度が100,000cPである両末端ジメチルビニル基封鎖ジメチルポリシロキサンの代りに、25℃での粘度が100,000cPである両末端ジメチルビニル基封鎖ジメチルポリシロキサン0.5重量部(組成物14の場合)又は15重量部(組成物15の場合)用いる以外実施例2と同様にして液状組成物14又は15を得た。組成物3又は4の代りに液状組成物14又は15を使用した以外は実施例2同様にして外径18mm×長さ250mmのシリコーンゴムロールを作製した。更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、3万枚複写にて、いずれも定着むらな複写物が得られた。
【0043】
−実施例3−
次のようにして液状組成物5と6を調製した。
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖された25℃での粘度が100,000cPであるジメチルポリシロキサン100重量部、25℃での粘度が300,000cPである両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン3重量部(組成物5の場合)又は10重量部(組成物6の場合)、平均粒径1.5μmの結晶性シリカ20重量部、平均粒径0.16μmの酸化鉄130ED(戸田工業(株))2重量部を均一の混合した。更にその混合物に下式(3)で表される常温での粘度が約10cPであるハイドロジェンメチルポリシロキサンを0.6重量部(H/Vi:1.8mol/molに相当する)、珪素原子に直結したビニル基[-Si(CH3)(CH=CH2)O-]を全シロキサン単位中該シロキサン単位として5モル%含有する常温での粘度が1,000cPであるビニルメチルポリシロキサンを4重量部、反応制御剤として1−エチニル−1−シクロヘキサノール0.1重量部、白金ビニルシロキサン錯体を白金原子として50ppm添加均一になるまでよく混合した。
【0044】
【化4】
Figure 0003810052
こうして液状組成物5、6を得た。
【0045】
(2)直径14mm×長さ250mmのアルミニウムシャフト状に付加反応型液状シリコーンゴム用プライマーN0.101A/B(信越化学工業製)を塗布した。ロール形状の成形金型内にアルミニウムシャフトを設置し、液状組成物5又は6を充填し、150℃で30分加熱硬化し、更に200℃で4時間ポストキュアーして、外径18mm×長さ200mmのシリコーンゴムロールを作製した。更にPPC複写機の定着ロールとして組み込み、10万枚複写を行ったところ、いずれも良好な複写物が得られた。
【0046】
【発明の効果】
本発明の定着部材用シリコーンゴム組成物によれば、優れたトナー初期離型性及び離型耐久性を有する定着ロール等の定着部材を形成することができる。

Claims (1)

  1. (a)一分子中に珪素原子と結合するアルケニル基を2個以上含有し、25℃における粘度が10,000〜100,000cPであるオルガノポリシロキサン 100重量部、
    (b)一分子中に少なくとも2個以上の珪素原子に直結した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
    (a)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1個当り、(b)成分中のケイ素原子に結合した水素原子数の比が0.1〜3.0となる量、
    (c)有効量の白金系触媒、並びに
    (d)25℃における粘度が(a)成分の粘度の3倍〜10倍であるオルガノポリシロキサン 1〜10重量部
    を含有してなる定着部材用液状付加硬化型シリコーンゴム組成物。
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