JP3804089B2 - アルデヒド類の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アルデヒド類の製造方法に関し、より詳しくは、カルボン酸エステル類の水素化反応によるアルデヒド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルデヒド類の製造方法としては、以前から様々な方法が提案されている。例えば、ローゼンムント(Rosenmund)還元は、カルボン酸クロリドを水素化する方法であるが、製造コストが高いという欠点がある。
【0003】
一方、カルボン酸類或いはそのエステルを直接還元する方法は、幅広く検討されている。例えば、これまでに酸化ジルコニウム、酸化イットリウム、酸化アルミニウム或いはこれらの酸化物にクロム、マンガン等の元素を添加した触媒を用い、水素気流下でカルボン酸類を水素化し、アルデヒド類を製造する方法が種々報告されている(特開昭60−152434号、特開昭61−115043号、米国特許第4328373号、米国特許第3935265号)。しかしながら、これらの触媒を用いた場合、アルデヒド類の選択性が低く、工業的に十分とはいえなかった。
【0004】
更に、一般的に水素化反応においては、分子状水素を用いるため安全面で問題があり、反応施設も安全面に留意した設計が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、安全に、且つ高収率でアルデヒド類を工業的に製造し得る新規有用な方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討の結果、特定の触媒を適用することにより、従来の方法の如く分子状水素を水素源として用いなくともカルボン酸エステル類のアルコール残基の持つα水素が分子内で移動することによって水素源となり、カルボン酸エステル類を選択的にアルデヒド類に水素化可能である画期的手法を見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明に係る一般式(2)で表されるアルデヒド類の製造方法は、一般式(1)で表されるカルボン酸エステル類を銅、亜鉛、クロム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びケイ素から選ばれる金属の酸化物の1種又は2種以上を含む触媒の存在下、分子状水素の非存在下で加熱して水素化することにより夫々対応する構造のアルデヒド類を製造することを特徴とする。
【0008】
A(COOR1)n (1)
[式中、Aはアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルカジエニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。nは1又は2の整数である。R1はα水素を有するアルキル基又はアラルキル基を表す。]
【0009】
A(COH)n (2)
[式中、A及びnは一般式(1)で記載した通りである。]
【0010】
一般式(1)及び(2)に係るAとして、より具体的には、炭素数1〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、炭素数2〜20の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルケニル基、炭素数5〜20のシクロアルキル基、炭素数5〜20のシクロアルケニル基、炭素数2〜20のアルキニル基、炭素数4〜20のアルカジエニル基、炭素数6〜20のアリール基及び炭素数7〜20のアラルキル基等が推奨される。
【0011】
当該Aで表されるいずれの基も、置換基として反応に不活性な基を有していてもよく、そのような置換基として、ハロゲン基、アルコキシ基及びヒドロキシル基等が挙げられる。
【0012】
又、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基及びアラルキル基の環は、炭素だけでなく、酸素、窒素、硫黄等のヘテロ原子を含んでいてもよい。
【0013】
R1として、より具体的には、炭素数1〜4のアルキル基及び炭素数7〜10のアラルキル基が推奨される。
【0014】
上記カルボン酸エステル類の中でも、一般式(3)で表される芳香族カルボン酸エステルが推奨される。
【0015】
【化2】
[式中、Bはフェニル基、ナフチル基、アントリル基、チエニル基、フリル基、ピロリル基、チアゾリル基、オキサゾリル基又はピリジル基を表す。R2、R3、R4は同一又は異なって、水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、ヒドロキシ基又はハロゲン原子を表す。mは1又は2の整数である。R5はα水素を有するアルキル基又はアラルキル基を表す。]
【0016】
一般式(3)に係るR2、R3、R4として、より具体的には、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数1〜6のアルケニル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルケニル基、炭素数1〜6のアルコキシ基、炭素数3〜8のシクロアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基又はヒドロキシ基が推奨される。又、R5としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数7〜10のアラルキル基が推奨される。
【0017】
本発明に係るカルボン酸エステル類として、より具体的には、下記のカルボン酸のメチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、イソブチルエステル又はベンジルエステル等が推奨される。
【0018】
一般式(1)に係るAがアルキル基であるカルボン酸としては、酢酸、プロピオン酸、n−ブチル酸、イソブチル酸、吉草酸、イソ吉草酸、ピバリン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、グリコール酸、ヒドロキシプロピオン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸等が例示される。
【0019】
Aがアルケニル基であるカルボン酸としては、ビニル酢酸、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、オレイン酸、エライジン酸、マレイン酸、フマル酸、アルキニル基を有するものとしてアセチレンカルボン酸等が例示される。
【0020】
Aがアルカジエニル基であるカルボン酸としては、ヘキサジエン酸が例示される。
【0021】
Aがシクロアルキル基であるカルボン酸としては、シクロペンタンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等が例示される。
【0022】
Aがシクロアルケニル基であるカルボン酸としては、シクロヘキセンカルボン酸が例示される。
【0023】
Aがアリール基であるカルボン酸としては、安息香酸、トルイル酸、ジメチル安息香酸、メトキシ安息香酸、ジメトキシ安息香酸、トリメトキシ安息香酸、クロロ安息香酸、ジクロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、ジブロモ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシ安息香酸、アセチル安息香酸、シクロヘキシル安息香酸、クミン酸、tert−ブチル安息香酸、フタル酸、フェノキシ安息香酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、フェニル安息香酸、ビフェニルジカルボン酸、ナフトエ酸、ナフタレンジカルボン酸、ヒドロキシナフトエ酸、ニコチン酸、フランカルボン酸、ピロールカルボン酸、チアゾールカルボン酸、オキサゾールカルボン酸、チエニルカルボン酸等が例示される。
【0024】
Aがアラルキル基であるカルボン酸としては、フェニル酢酸、桂皮酸、フェニルプロピオン酸、フェノキシ酢酸等が例示される。
【0025】
上記カルボン酸において、2以上の置換基を有する場合、その置換位置を限定されるものではない。
【0026】
本発明の方法で製造できる一般式(2)で表されるアルデヒド類は、原料として選択したカルボン酸エステル類のカルボキシル基を夫々アルデヒド基に置き換えてなる構造を有する化合物であり、具体的には下記の化合物が例示される。
【0027】
アルキル基を有するアルデヒド類としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、イソバレルアルデヒド、ピバルアルデヒド、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、デカナール、ラウリルアルデヒド、ミリスチルアルデヒド、パルミトイルアルデヒド、ステアリルアルデヒド、イソステアリルアルデヒド、グリコールアルデヒド、ヒドロキシプロピオンアルデヒド、ラクトアルデヒド、マロンアルデヒド、スクシンアルデヒド、グルタルアルデヒド、アジピンアルデヒド、セバシンアルデヒドが例示される。
【0028】
アルケニル基を有するアルデヒド類としては、アクロレイン、メタクロレイン、ビニルアセトアルデヒド、クロトンアルデヒド、オレイルアルデヒド、エライジンアルデヒド、マレインアルデヒド、フマルアルデヒドが例示される。
【0029】
アルキニル基を有するアルデヒド類としては、アセチレンカルボキシアルデヒドが例示される。
【0030】
アルカジエニル基を有するアルデヒド類としては、ヘキサジエナールが例示される。
【0031】
シクロアルキル基を有するアルデヒド類としては、シクロペンタンカルボキシアルデヒド、シクロヘキサンカルボキシアルデヒド、1,4−シクロヘキサンジカルボキシアルデヒドが例示される。
【0032】
シクロアルケニル基を有するアルデヒド類としては、シクロヘキセンアルデヒドが例示される。
【0033】
アリール基を有するアルデヒド類としては、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、ジメチルベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、ジメトキシベンズアルデヒド、トリメトキシベンズアルデヒド、クロロベンズアルデヒド、ジクロロベンズアルデヒド、ブロモベンズアルデヒド、ジブロモベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、ジヒドロキシベンズアルデヒド、アセチルベンズアルデヒド、シクロヘキシルベンズアルデヒド、クミンアルデヒド、t−ブチルベンズアルデヒド、フタルアルデヒド、ナフタレンカルボキシアルデヒド、ナフタレンジカルボキシアルデヒド、ヒドロキシナフタレンカルボキシアルデヒド、フェノキシベンズアルデヒド、ジフェニルエーテルジカルボキシアルデヒド、フェニルベンズアルデヒド、ビフェニルジカルボキシアルデヒド、ニコチンアルデヒド、フルフラール、ピロールカルボキシアルデヒド、チアゾールカルボキシアルデヒド、オキサゾールカルボキシアルデヒド、チエニルアルデヒドが例示される。
【0034】
アラルキル基を有するアルデヒド類としては、ベンジルアルデヒド、シンナムアルデヒド、フェニルプロピオンアルデヒド、フェノキシアセトアルデヒドが例示される。
【0035】
上記アルデヒド類の中で、2置換以上の化合物の置換位置は限定されるものではない。
【0036】
本発明に係る触媒は、銅、亜鉛、クロム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びケイ素から選ばれた1種又は2種以上の元素の酸化物を含む。
【0037】
2種類の元素の組み合わせとしては様々な組み合わせが考えられるが、好ましい組み合わせとしては、銅−亜鉛、銅−クロム、銅−アルミニウム、銅−ケイ素、銅−マグネシウム、亜鉛−クロム、亜鉛−鉄、亜鉛−マグネシウム、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−ケイ素、クロム−マグネシウム、クロム−アルミニウム、クロム−ケイ素、クロム−鉄等が挙げられる。
【0038】
これら2種類の金属の混合割合(前者/後者)としては、原子比で1/(0.001〜1000)が好ましく、特に1/(0.01〜100)が゛推奨される。
【0039】
更に、マンガン、バリウム、モリブデン、カルシウム等の金属若しくは酸化物の1種以上を第三金属成分として含有していても差し支えない。当該第三金属成分の含有比率としては、金属触媒成分に対して0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜8重量%が例示される。
【0040】
又、アルミナ、シリカ、珪藻土等の不活性担体上に担持させて使用することも可能である。このとき、触媒の担体に対する担持比率としては、0.1〜80重量%、好ましくは1〜70重量%が例示される。
【0041】
これらの触媒は、通常の共沈法、混練り法等で調製でき、比表面積、空隙率、形状等について特に限定されるものではない。
【0042】
【発明の実施の形態】
本発明における反応方法は、気相反応、液相反応、いずれも可能であるが、気相固定床で行うのが便利である。
【0043】
気相固定床反応の場合、原料であるカルボン酸エステル類と窒素、ヘリウム等の不活性ガスとを並流方式で仕込み、加熱下で反応する。仕込み方法としては、塔頂部分から仕込む、いわゆる流下法と、塔底部分から仕込む、いわゆる上昇法のいずれの方法も適用できる。
【0044】
反応温度としては、200〜600℃が推奨され、より好ましくは300〜450℃程度である。200℃未満では転化率が低く、600℃を越えると分解反応が優先して選択率が低下する傾向が認められる。
【0045】
本発明に係るカルボン酸エステル類の空間速度(LHSV)としては、0.01〜20hr-1程度が例示され、特に0.1〜5hr-1程度が推奨される。0.01hr-1未満では反応効率が悪くなり、一方、20hr-1を越えると反応率が低くなる傾向が認められる。
【0046】
不活性ガスの空間速度(GHSV)としては、100〜10,000hr-1程度が例示され、特に500〜2,000hr-1程度が推奨される。100hr-1未満では反応効率が悪くなり、一方、10,000hr-1を越えると反応率が低くなる傾向が認められる。
【0047】
反応圧としては、常圧で十分であるが、10kg/cm2程度までの加圧下を適用しても問題はない。
【0048】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳しく説明する。
【0049】
実施例1
10〜20メッシュの酸化亜鉛−酸化クロム触媒(Zn/Cr=4/1(原子比))10gを15mmφのパイレックス製ガラス反応器に充填し、反応温度350℃、安息香酸メチルの空間速度(LHSV)2.5hr-1、窒素の空間速度(GHSV)1000hr-1の条件下、常圧で反応を行った。尚、安息香酸メチルの仕込み方法は、流下法による。反応開始3時間後の反応粗物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、安息香酸メチルの転化率は98.2%、ベンズアルデヒドの選択率は98.9%であった。
【0050】
実施例2
安息香酸メチルに代えて安息香酸イソプロピルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、安息香酸イソプロピルの転化率は90.1%、ベンズアルデヒドの選択率は97.4%であった。
【0051】
実施例3
安息香酸メチルに代えてm−トル安息香酸メチルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、m−トル安息香酸メチルの転化率は96.8%、m−トルアルデヒドの選択率は95.5%であった。
【0052】
実施例4
安息香酸メチルに代えて3,4−ジメチル安息香酸メチルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、3,4−ジメチル安息香酸メチルの転化率は96.0%、3,4−ジメチルベンズアルデヒドの選択率は92.4%であった。
【0053】
実施例5
安息香酸メチルに代えてn−ヘキサン酸ベンジルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、n−ヘキサン酸ベンジルの転化率は96.5%、n−ヘキサナールの選択率は80.1%であった。
【0054】
実施例6
安息香酸メチルに代えてシクロヘキサンカルボン酸エチルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、シクロヘキサンカルボン酸エチルの転化率は97.6%、シクロヘキサンカルボキシアルデヒドの選択率は91.8%であった。
【0055】
実施例7
安息香酸メチルに代えてメタクリル酸メチルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、メタクリル酸メチルの転化率は97.7%、メタクロレインの選択率は92.1%であった。
【0056】
実施例8
安息香酸メチルに代えてマロン酸メチルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、マロン酸メチルの転化率は97.8%、マロンアルデヒドの選択率は87.6%であった。
【0057】
実施例9
安息香酸メチルに代えてニコチン酸メチルを適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、ニコチン酸メチルの転化率は97.5%、m−ニコチンアルデヒドの選択率は96.8%であった。
【0058】
実施例10
酸化亜鉛−酸化クロム触媒に代えて酸化亜鉛−酸化アルミニウム触媒(Zn/Al=4/1(原子比))を適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は80.5%、ベンズアルデヒドの選択率は99.1%であった。
【0059】
実施例11
酸化亜鉛−酸化クロム触媒に代えて酸化銅−酸化亜鉛触媒(Cu/Zn=1/1(原子比))を適用し、反応温度を400℃とした以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は75.4%、ベンズアルデヒドの選択率は88.2%であった。
【0060】
実施例12
酸化亜鉛−酸化クロム触媒に代えて酸化銅−酸化ケイ素触媒(Cu/Si=1/2(原子比))を適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は71.8%、ベンズアルデヒドの選択率は82.6%であった。
【0061】
実施例13
酸化亜鉛−酸化クロム触媒に代えて酸化鉄触媒を適用し、反応温度を400℃とした以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は86.1%、ベンズアルデヒドの選択率は74.8%であった。
【0062】
比較例1
酸化亜鉛−酸化クロム触媒に代えて酸化ジルコニウム触媒を適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は54.2%、ベンズアルデヒドの選択率は65.5%であった。
【0063】
実施例14
酸化亜鉛−酸化クロム触媒に代えて酸化マグネシウム触媒を適用した以外は実施例1と同様の条件で反応し、分析を行った。その結果、安息香酸メチルの転化率は51.8%、ベンズアルデヒドの選択率は94.1%であった。
【0064】
【発明の効果】
本発明方法を適用することにより、工業的に有用なアルデヒド類を分子状水素の非存在下で収率よく製造することができる。
Claims (3)
- 一般式(1)で表されるカルボン酸エステル類を銅、亜鉛、クロム、鉄、マグネシウム、アルミニウム及びケイ素から選ばれる金属の酸化物の1種又は2種以上を含む触媒の存在下、分子状水素の非存在下で加熱して分子内水素移動により水素化することを特徴とする一般式(2)で表されるアルデヒド類の製造方法。
A(COOR1)n (1)
[式中、Aは、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルカジエニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。nは1又は2の整数でる。R1はα水素を有するアルキル基又はアラルキル基を表す。]
A(COH)n (2)
[式中、A及びnは、一般式(1)で記載した通りである。] - 水素化反応温度が、200〜600℃の温度範囲である請求項1又は2に記載のアルデヒド類の製造方法。
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