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JP3800958B2 - プリント配線基板の接続方法及び接続構造 - Google Patents

プリント配線基板の接続方法及び接続構造 Download PDF

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JP3800958B2
JP3800958B2 JP2000397994A JP2000397994A JP3800958B2 JP 3800958 B2 JP3800958 B2 JP 3800958B2 JP 2000397994 A JP2000397994 A JP 2000397994A JP 2000397994 A JP2000397994 A JP 2000397994A JP 3800958 B2 JP3800958 B2 JP 3800958B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線基板の接続方法及び接続構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、フレキシブルプリント配線基板とリジッドプリント配線基板との端子接続を行う際には、はんだが用いられる。たとえば、「高密度フレキシブル基板入門」(沼倉研史著、日刊工業新聞社発行)の第100頁には、半田熱融着による硬質プリント基板とフレキシブル基板の接続構造について示されている。この接続構造によれば、図5に示すように、硬質プリント基板60の導体パターンのランド60aとフレキシブル基板61の導体パターンのランド61aとがはんだ62によって接続される。なお、フレキシブル基板61は接着剤63を介して硬質プリント基板60に接着される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5に示す接続構造のようにはんだ62を使用して端子接続すると、はんだの量が過剰である場合、隣接するランド間ではんだブリッジが発生することがある。すなわち、はんだが供給された後にランド同士を重ねた状態で、その部位を加熱・加圧すると、はんだが溶融して流動性を有するようになる。このとき、絶縁基板材料のはんだ濡れ性が非常に低いため、溶融したはんだはランドに留まろうとするが、圧力が加えられているため、はんだ量が過剰であると、絶縁基板上にはみ出すことになる。このはみ出したはんだが隣接するランドに達したり、そのランドからはみだしたはんだと接触するとはんだブリッジが形成されてしまう。
【0004】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、はんだブリッジの発生を防止することが可能なプリント配線基板の接続方法及び接続構造を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のプリント配線基板の接続方法は、絶縁基板材料として熱可塑性樹脂を用いた第1のプリント配線基板上に、接続端子としてのランドを複数含む導体パターンを形成する工程と、
前記第1のプリント配線基板と接続される第2のプリント配線基板上に、接続端子としてのランドを複数含む導体パターンを形成する工程と、
前記第2のプリント配線基板上に形成された複数のランド間であって、当該第2のプリント配線基板上にはんだレジスト部を形成する工程と、
前記第1のプリント配線基板の導体パターンのランドと、前記第2のプリント配線基板の導体パターンのランドとの少なくとも一方にはんだを供給する工程と、
前記第1のプリント配線基板の導体パターンのランドと、前記第2のプリント配線基板の導体パターンのランドとが重なるように配置した後、前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との接続箇所を前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上かつ前記はんだの融点以上に加熱するとともに、当該接続箇所に圧力を加えて、前記第1のプリント配線基板のランドと前記第2のプリント配線基板のランドとをはんだを介して電気的に接続するとともに、前記第1のプリント配線基板を構成する熱可塑性樹脂を軟化変形させ、前記第2のプリント配線基板表面に密着させて両プリント配線基板を接着する工程とを備え、
前記第2のプリント配線基板上に形成されるはんだレジスト部は、その先端部が前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との接着面の一部に入り込んだ位置で終端することを特徴とする。
【0006】
これにより、第1及び第2のプリント配線基板のランド間に供給されたはんだの量が過剰で、万一、第2のプリント配線基板の表面にはみ出したとしても、第2のプリント配線基板上のランド間にははんだレジスト部が形成されているため、隣接するランド間ではんだブリッジが発生することを確実に防止することができる。
【0007】
また、第2のプリント配線基板上のランド間に形成されるはんだレジスト部は、その先端部が両プリント配線基板の接着面の一部に入り込んだ位置で終端するように形成されている。このため、両プリント配線基板同士が密着される領域を十分に確保することができるので、両プリント配線基板の接着強度を低下することもない。つまり、はんだレジスト部が含有する消泡材の影響により、第1のプリント配線基板を構成する熱可塑性樹脂材料とはんだレジスト部の接着強度は非常に弱くなってしまうが、上記のような構成とすることにより、両プリント配線基板間に介在するはんだレジスト部の領域を極力低減することができるのである。
【0008】
なお、はんだレジスト部の先端部が、第1のプリント配線基板の端面に当接し、両プリント基板の接着面に入り込まないことが接着強度の点からは理想的であるが、この場合、僅かな位置ずれによってもはんだレジスト部の先端部と第1のプリント配線基板との端面との間に隙間が生じてしまう可能性がある。このため、多少の位置ずれがあっても、そのような隙間の発生を防止すべく、請求項1に係わる発明では、はんだレジスト部の先端部が、両プリント配線基板の接着面の一部に入り込んだ位置で終端するように構成しているのである。
【0009】
請求項2に記載のプリント配線基板の接続方法は、前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との接続箇所に圧力を加える際に、圧力付与部材を前記第1のプリント配線基板に当接させ、この圧力付与部材が、前記接続箇所の端部よりも中央付近に対応する部位により大きな圧力を加えることを特徴とする。
【0010】
これにより、はんだは接続箇所の中央付近から端部に向けて、ランドを含む導体パターン上を移動するが、接続箇所の端部では、第1のプリント配線基板に付与される圧力が小さいため、導体パターン(ランド)から絶縁基板上にはみ出すはんだの量を低減することができる。このため、上記請求項1の発明と相まって、より確実にはんだブリッジの発生を防止することができる。
【0011】
請求項3に記載の発明のように、圧力付与部材の端部が、テーパー状、凹上もしくは階段状に形成されることにより、両プリント配線基板の接続箇所の端部よりも中央付近に対応する部位により大きな圧力を容易に加えることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明では、前記はんだレジスト部が、前記第2のプリント配線基板の導体パターンのランドと所定の間隔を隔てて、前記第2のプリント配線基板上に形成されることを特徴とする。
【0013】
はんだが溶融して導体パターン上を移動する際には、第1のプリント配線基板に圧力が付与されているため、その導体パターンの幅よりも拡がった状態となる。この場合、ランドとはんだレジスト部との間に隙間がないと、移動するはんだがはんだレジスト部の先端部によって抵抗を受け、その先端部近傍で基板上にはみ出してはんだブリッジを形成する場合がある。このため、請求項4の発明では、はんだレジスト部とランドとの間に所定の間隔を設けて、そのような現象を防止するのである。この所定の間隔は、請求項5に記載するように、30μm以上であることが好ましい。
【0014】
なお、請求項6〜8に記載するプリント配線基板の接続構造は、それぞれ上述の請求項1、4,5によるプリント配線基板の接続方法によって得られるものであり、それらの効果は上述の内容とほぼ同様である。
【0015】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0016】
図1に、本第1実施形態における電子機器の一部を示す。電子機器の内部において、リジッドプリント配線基板1とリジッドプリント配線基板2とが支持されている。リジッドプリント配線基板1には各種の電子部品が実装されており、図1においては、DIPパッケージのIC3がピン3aを介して実装されている状態を示している。同様に、リジッドプリント配線基板2にも各種の電子部品4が実装されている。これらリジッドプリント配線基板1、2の絶縁基板10の材料としては、例えばガラス布基材エポキシ樹脂を使用することができる。
【0017】
上下に水平に配置されたリジッドプリント配線基板1とリジッドプリント配線基板2のそれぞれの基板端部間にフレキシブルプリント配線基板5が接続され、両者の電気的な導通をとっている。このフレキシブルプリント配線基板5の絶縁基板12の材料として、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂を65〜35重量%とポリエーテルイミド(PEI)樹脂を35〜65重量%含む熱可塑性樹脂(@PEEK)が使用されている。この@PEEKは、ガラス転移温度以上の温度において軟化する熱可塑性樹脂である。
【0018】
図2は、リジッドプリント配線基板2とフレキシブルプリント配線基板5の接続箇所を拡大して示している。なお、図2では、接続箇所の構造の理解を容易にするため、便宜的にフレキシブルプリント配線基板5のガラスエポキシ樹脂10およびソルダーレジスト膜16を透明として表している。
【0019】
リジッドプリント配線基板2の上面には複数の導体パターン11が形成され、それらの導体パターン11はリジッドプリント基板2の端部から所定距離離れた位置において終端する。また、それぞれの導体パターン11の先端部にはランド11aが形成されている。このランド11a上には、接続材料としてはんだ14が供給される。フレキシブルプリント配線基板5の表面にも、リジッドプリント配線基板2上の導体パターン11に対応して、複数の導体パターン13が形成され、それらの端部には接続端子としてのランド13aが形成されている。これらの導体パターン11,13は、銅によって構成される。
【0020】
導体パターン13は、フレキシブルプリント配線基板5の長手方向に平行に延びる複数の配線を有している。そして、導体パターン13は、その端部のランド13aを除いて、保護膜としてのソルダーレジスト16によって被覆されている。
【0021】
リジッドプリント配線基板2とフレキシブルプリント配線基板5の接続箇所において、導体パターン11のランド11aと導体パターン13のランド13aとがはんだ14によって接続されるとともに、リジッドプリント配線基板2を構成するガラスエポキシ樹脂10とフレキシブルプリント配線基板5を構成する@PEEK12とが、@PEEK12が変形することにより導体パターン11,13間において接着されている。
【0022】
リジッドプリント配線基板2には、隣接する導体パターン11(ランド11aを含む)の間にソルダーレジスト20が形成されている。このソルダーレジスト20は、導体パターン11との間に所定の間隔(30μm以上)を持って、導体パターン11に沿って設けられている。そのソルダーレジスト20の先端部は、リジッドプリント配線基板2とフレキシブルプリント配線基板5との接着面の一部に入り込んでいる。
【0023】
次に第1のプリント配線基板であるフレキシブルプリント配線基板5と第2のプリント配線基板であるリジッドプリント配線基板2の接続方法を図3及び図4を用いて説明する。
【0024】
まず、リジッドプリント配線基板2の絶縁基板10上に導体パターン11を形成する。このとき、導体パターン11は、リジッドプリント配線基板2の接続面先端部には形成されず、リジッドプリント配線基板2はその先端部においてガラスエポキシ樹脂10が露出される。その後、リジッドプリント配線基板2の導体パターン11を覆うように、ソルダーレジスト20を形成する。このソルダーレジスト20の形成される領域を図4に示す。図4に示すように、ソルダーレジスト20はフレキシブルプリント基板5の絶縁基板12の端面から所定距離を隔てて、導体パターン11を含む絶縁基板12の全面を覆うように形成される。さらに、ソルダーレジスト20は、導体パターン11の間を通り、先端部が両絶縁基板10,12の接着面の一部に達する凸状部分を有する。
【0025】
次に、導体パターン11のランド11a部分に、はんだペースト14が塗布される。なお、はんだ14の形成に際しては、ランド11a部分にはんだメッキを施したり、はんだコートを行ったりしても良い。本例では、はんだ14として、錫−鉛の共晶半田を用いており、その融点(溶融温度)は183℃である。
【0026】
はんだ14には、その塗れ性を確保するため、フラックスや、アルカンのような炭化水素化合物が塗布または混合される。特に、アルカン等の炭化水素化合物を塗布する場合には、はんだ14のみでなく、両基板の重ね合わせ面全体にも塗布することが好ましい。この場合、リジッドプリント配線基板2とフレキシブルプリント配線基板5との間にアルカンを介在させた状態でアルカンの沸点以上に加熱を行うと、アルカンが@PEEK12の表面に入り込む。この結果、@PEEK12の表面には、アルカンが分散した分散層が形成される。この分散層は、@PEEK12が本来有する弾性率よりも低い弾性率を有する。すなわち、分散層をその表面に形成することにより、被接着層(絶縁基板10)への密着性が強まり、@PEEK12の接着性を向上することができる。
【0027】
そして、フレキシブルプリント基板5に、リジッドプリント配線基板2上の導体パターン11に対応するように、導体パターン13を形成する。そして、導体パターン13のランド13a部分及びランド13a間を除いて、ソルダーレジスト16を形成する。このようにして形成されたフレキシブルプリント配線基板5をリジッドプリント配線基板2に対して位置合わせして重ねる。このとき、フレキシブルプリント配線基板5の端面とソルダーレジスト20の凸状部分を除く端面との間に所定の間隙が設けられ、かつその凸状部分の先端部が両配線基板2,5の接続面の一部に達するように、位置合わせされる。
【0028】
次に、図3に示すように、リジッドプリント配線基板2とフレキシブルプリント配線基板5とを重ねた接続箇所を圧力付与部材としての熱圧着ツール21によって加圧しつつ、加熱する。このとき、@PEEK12のガラス転移温度は、150℃〜230℃であり、熱圧着ツール21は、接続箇所が、はんだ14の溶融温度以上でかつ@PEEK12のガラス転移温度以上の温度となるように加熱を行いつつ、当該部位に圧力を加える。例えば、加熱温度は240℃〜400℃であり、5秒〜15秒間加熱及び加圧を継続する。なお、本例では、パルスヒート方式の熱圧着ツール21を用いている。
【0029】
ここで、熱圧着ツール21について説明する。
【0030】
図3に示されるように、熱圧着ツール21は、フレキシブルプリント配線基板5の先端側の端部がテーパー状に形成されている。これにより、熱圧着ツール21がフレキシブルプリント配線基板5に圧力を付与する際に、フレキシブルプリント配線基板1に形成された導体パターン13(ランド13a)の端部よりも中央側部分に対応する部位に大きな圧力が付与される。このため、フレキシブルプリント配線基板5とリジッドプリント配線基板2との接続時に、より大きな圧力を付与される導体パターン13の中央側からより小さな圧力が付与される端部側へ向けて溶融したはんだが移動するが、その導体パターン13の端部に対応する部位では、フレキシブルプリント配線基板5へ付与される圧力が小さく、基板5の端部は熱圧着ツール21の形状に合わせて変形されるので、導体パターン13の端部においてはんだフィレット14aが形成される。このため、導体パターン13からリジッドプリント配線基板2の絶縁基板10上にはみ出すはんだの量を低減することができる。
【0031】
熱圧着ツール21の加熱・加圧により、はんだ14を溶融させて導体パターン11,13のランド11a,13a間の接続を行いながら、フレキシブルプリント配線基板5の絶縁基板を構成する@PEEK12を軟化変形させ、リジッドプリント配線基板2の接続面に密着させる。なお、熱圧着ツール21による熱圧着範囲は、図4に示す通りであり、熱圧着ツール21によって軟化変形された@PEEK12は、導体パターン11間の広い範囲において、リジッドプリント配線基板2の絶縁基板10に密着する。
【0032】
ここで、本実施形態では、図2,図4に示すように、リジッドプリント配線基板2において、導体パターン11の間を通り、その先端部が両プリント配線基板2,5の接着面の一部に入り込んだ位置で終端するように、ソルダーレジスト20の凸状部分を形成している。
【0033】
これにより、両プリント配線基板2,5のランド11a,13a間に供給されたはんだ14の量が過剰で、万一、はんだ14がリジッドプリント配線基板2の絶縁基板10の表面にはみ出したとしても、このソルダーレジスト20の凸状部分によって隣接するランド11a間ではんだブリッジが発生することを確実に防止することができる。
【0034】
更に、ソルダーレジスト20の凸状部部分の先端部が両プリント配線基板2,5の接着面の一部に入り込んだ位置で終端するように形成されている。このため、両プリント配線基板2,5同士が密着される領域を十分に確保することができ、両プリント配線基板2,5を十分な強度にて接着することができる。
【0035】
ここで、両プリント配線基板2,5の接着強度に対するソルダーレジスト20の影響について説明する。ソルダーレジスト20は、例えば、変性エポキシ樹脂を主成分として、さらにフィラー、有機溶剤、硬化剤、シリコン系の消泡剤等を添加して構成されるものである。このソルダーレジスト20が含有する消泡材の影響により、フレキシブルプリント基板5の基板材料である@PEEKとの接着強度は非常に弱くなる。従って、上記のような成分組成を有するソルダーレジストが、導体パターン11に沿って熱圧着範囲の全体に渡って両プリント配線基板2,5間に介在すると、@PEEK12の軟化変化により両プリント配線基板2,5を接着する際に、十分な接着強度を確保することができない。
【0036】
本実施形態では、ソルダーレジスト20の凸状部部分の先端部が両プリント配線基板2,5の接着面の一部のみに入り込む構成であるため、両プリント配線基板2,5間に介在するソルダーレジスト20の領域を極力低減することができるのである。
【0037】
なお、ソルダーレジスト20の凸状部分の先端部が、フレキシブルプリント配線基板5の端面に当接し、両プリント基板2,5の接着面に入り込まないことが接着強度の点からは理想的である。この場合、はんだ14が、絶縁基板10上にはみ出しても、ソルダーレジスト20の凸状部分の先端部がフレキシブルプリント配線基板5の端面に接触していれば、はんだブリッジの発生も防止できる。
【0038】
しかしながら、上記のように構成すると、ソルダーレジスト20形成時もしくは両基板2,5の位置合わせ時の僅かな位置ずれによって、ソルダーレジスト20の凸上部分の先端部とフレキシブルプリント配線基板5との端面との間に隙間が生じてしまう可能性がある。このため、多少の位置ずれがあっても、そのような隙間の発生を防止すべく、本実施形態では、ソルダーレジスト20の凸上部分の先端部が、両プリント配線基板2,5の接着面の一部に入り込んだ位置で終端するように構成している。
【0039】
また、本実施形態では、ソルダーレジスト20の凸状部分は、導体パターン11と所定の隙間を隔てて、リジッドプリント配線基板2上に形成される。
【0040】
はんだ14が溶融して導体パターン11上を移動する際には、フレキシブルプリント配線基板5に圧力が付与されているため、はんだ14は導体パターン11の幅よりも拡がった状態となる。この場合、ソルダーレジスト20と導体パターン11との間に隙間がないと、移動するはんだがはんだレジスト部の先端部によって抵抗を受け、その先端部近傍で基板10上にはみ出してはんだブリッジを形成する場合がある。このため、上記のようにソルダーレジスト20の凸上部分と導体パターン11との間に所定の間隔(30μm以上)を設けて、そのような現象を防止するのである。
【0041】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態のみに限定されず、種々変更して実施することができる。
【0042】
例えば、上述の実施形態では、リジッドプリント配線基板とフレキシブルプリント配線基板との電気的接続において、フレキシブルプリント配線基板の基板材料の熱可塑性特性を利用して、端子間のはんだによる接続と同時に両基板を接着した。しかし、第1のプリント配線基板と第2のプリント配線基板との接続において、両方が熱可塑性樹脂を用いたフレキシブルプリント配線基板であっても良い。
【0043】
また、リジッドプリント配線基板を用いる場合には、その絶縁基板として、
樹脂基板以外にもセラミック基板やメタルベース基板を用いても良い。
【0044】
また、フレキシブルプリント配線基板の絶縁樹脂材料としては、上述の@PEEK以外にも、ポリエーテルイミド(PEI)もしくはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)を単独で使用することも可能である。さらに、フレキシブルプリント配線基板の絶縁樹脂材料として、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリエチレンテレフタレート(PET)を用いても良い。あるいは、フレキシブルプリント配線基板の絶縁基板として、ポリイミド基板に、PEEK,PEI,PEN,PETの少なくともいずれかの熱可塑性樹脂材料からなる層を積層した構造のものを使用しても良い。なお、積層時には、例えば接着剤を用いてポリイミド基板と熱可塑性樹脂材料からなる層をと接着することができる。ポリイミド基板は熱膨張係数が15〜20ppm程度で、配線として利用されることが多い銅の熱膨張係数と近いため(17〜20ppm)、剥がれやフレキシブルプリント配線基板の反り等の発生を防止することができる。
【0045】
また、上述の例では、はんだ14をリジッドプリント配線基板2の導体パターン11のランド11aに設けたが、フレキシブルプリント配線基板側の導体パターン13のランド13a上に設けても良い。また、両方のランド11a,13aにはんだを設けても良い。
【0046】
さらに、導体パターン11,13におけるランド11a,13aの形状は、角ランド、丸ランド、異形ランドのいずれでも良い。特に、はんだブリッジの発生を防止するとの観点からすれば、熱圧着される領域の中央から端部に向かって導体パターン(ランド)の幅が減少するような形状が好ましい。これにより、はんだブリッジが発生しやすい熱圧着される領域の端部において隣接する導体パターン間の距離を確保しやすくなる。この場合、導体パターン間に設けられるソルダーレジストの形状としては、上述の実施形態に示したように単なる長方形としても良いし、導体パターンの形状に合わせ、熱圧着される領域の中央から端部に向かう方向において、幅が増加するような形状としても良い。
【0047】
さらに、上述した実施形態において、フレキシブルプリント配線基板5のソルダーレジスト16に代えて、前述した熱可塑性材料からなるカバーレイによって導体パターン13を被覆しても良い。変性エポキシ樹脂を主成分とするソルダーレジストは、リジッドプリント配線基板の基板材料であるエポキシ樹脂やその基板上に形成された同成分のソルダーレジストとの接合強度は十分ではない。しかしながら、フレキシブルプリント配線基板5の導体パターン13を前述した熱可塑性材料(@PEEK,PEEK,PEI,PEN,PET)からなるカバーレイで被覆することにより、このカバーレイがリジッドプリント配線基板の基板材料であるエポキシ樹脂と強固に密着し、両配線基板の接合強度を大幅に向上することができる。
【0048】
また、リジッドプリント配線基板2の導体パターン11上に形成されるソルダーレジスト20を上述した熱可塑性樹脂からなるカバーレイとしても良い。この場合には、フレキシブルプリント配線基板5の基板材料との密着性も十分あるので、リジッドプリント配線基板2の導体パターン11間に設けるカバーレイの凸状部分の長さを、導体パターン11と同等の長さから凸状部分の先端部が両プリント配線基板2,5の接着面の一部に入り込む長さまでの範囲で、任意の長さとすれば良い。
【0049】
さらに、上述した実施形態及び変形例において、それぞれの配線基板2、5の導体パターン11,13を被覆するソルダーレジストもしくはカバーレイは、必ずしも設ける必要は無い。この場合、リジッドプリント配線基板2において、隣接する導体パターン11間にのみソルダーレジストもしくは熱可塑性樹脂によるはんだブリッジ発生防止部が形成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態における電子機器の一部を示す斜視図である。
【図2】第1の実施形態における接続部分を示す斜視図である。
【図3】製造方法を説明するための断面図である。
【図4】第1の実施形態における接続部分を示す平面図である。
【図5】従来技術を説明するための断面図である。
【符号の説明】
2…リジッドプリント配線基板、
5…フレキシブルプリント配線基板、
11導体パターン、
11a…ランド、
13…導体パターン、
13a…ランド,
14…ハンダ、
16…ソルダーレジスト、
20…ソルダーレジスト

Claims (8)

  1. 絶縁基板材料として熱可塑性樹脂を用いた第1のプリント配線基板上に、接続端子としてのランドを複数含む導体パターンを形成する工程と、
    前記第1のプリント配線基板と接続される第2のプリント配線基板上に、接続端子としてのランドを複数含む導体パターンを形成する工程と、
    前記第2のプリント配線基板上に形成された複数のランド間であって、当該第2のプリント配線基板上にはんだレジスト部を形成する工程と、
    前記第1のプリント配線基板の導体パターンのランドと、前記第2のプリント配線基板の導体パターンのランドとの少なくとも一方にはんだを供給する工程と、
    前記第1のプリント配線基板の導体パターンのランドと、前記第2のプリント配線基板の導体パターンのランドとが重なるように配置した後、前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との接続箇所を前記熱可塑性樹脂のガラス転移温度以上かつ前記はんだの融点以上に加熱するとともに、当該接続箇所に圧力を加えて、前記第1のプリント配線基板のランドと前記第2のプリント配線基板のランドとをはんだを介して電気的に接続するとともに、前記第1のプリント配線基板を構成する熱可塑性樹脂を軟化変形させ、前記第2のプリント配線基板表面に密着させて両プリント配線基板を接着する工程とを備え、
    前記第2のプリント配線基板上に形成されるはんだレジスト部は、その先端部が前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との接着面の一部に入り込んだ位置で終端することを特徴とするプリント配線基板の接続方法。
  2. 前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との接続箇所に圧力を加える際に、圧力付与部材を前記第1のプリント配線基板に当接させ、この圧力付与部材が、前記接続箇所の端部よりも中央付近に対応する部位により大きな圧力を加えることを特徴とする請求項1記載のプリント配線基板の接続方法。
  3. 前記圧力付与部材の端部が、テーパー状、凹上もしくは階段状に形成されることを特徴とする請求項2記載のプリント配線基板の接続方法。
  4. 前記はんだレジスト部は、前記第2のプリント配線基板の導体パターンのランドと所定の間隔を隔てて、前記第2のプリント配線基板上に形成されることを特徴とする請求項1または2記載のプリント配線基板の接続方法。
  5. 前記所定の間隔は、30μm以上であることを特徴とする請求項4記載のプリント配線基板の接続方法。
  6. 絶縁基板材料として熱可塑性樹脂を用いた第1のプリント配線基板上に形成した導体パターンの複数のランドと、第2のプリント配線基板上に形成した導体パターンの複数のランドとがはんだを介して電気的に接続されるとともに、前記第1のプリント配線基板の基板表面と前記第2のプリント配線基板の基板表面とが密着することによって両基板が接着されるプリント配線基板の接続構造であって、
    前記第2のプリント配線基板上において、前記ランド間にはんだレジスト部が形成され、当該はんだレジスト部は、その先端部が前記第1のプリント配線基板と前記第2のプリント配線基板との接着面の一部に入り込んだ位置で終端することを特徴とするプリント配線基板の接続構造。
  7. 前記はんだレジスト部は、前記第2のプリント配線基板の導体パターンのランドと所定の間隔を隔てて、前記第2のプリント配線基板上に形成されることを特徴とする請求項6記載のプリント配線基板の接続構造。
  8. 前記所定の間隔は、30μm以上であることを特徴とする請求項7記載のプリント配線基板の接続構造。
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