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JP3899664B2 - 車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造 - Google Patents

車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造 Download PDF

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JP3899664B2
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    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
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    • F02F7/006Camshaft or pushrod housings
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Lubrication Details And Ventilation Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可変バルブタイミング機構やブローバイガス還元装置を備えた車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用のエンジン1は、図12ないし図17に示すように、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、ガスケット4、及びシリンダヘッドカバー5を積層構造に備え、潤滑装置、冷却装置、及び吸排気装置等が取り付けられている。また、高回転、高出力型のエンジン1にはDOHC方式のバルブ機構14が採用されているが、これ以外にもさまざまなシステムが開発され、設置されている。このシステムとして、出力をアップさせる可変バルブタイミング機構(以下、VVT機構という)と、大気中へのブローバイガスの放出を防止するブローバイガス還元装置(以下、PCVという)33とがあげられる。
【0003】
VVT機構は、エンジン1の吸気バルブが開き始めるタイミングを遅角状態から進角状態に連続的に変化させ、あらゆる回転域で運転状態に応じたバルブタイミングとし、運転状態に応じて混合気の充填効率を高め、出力をアップさせるよう機能する。このVVT機構は、具体的にはアクチュエータ27からなり、このアクチュエータ27が吸気バルブ用カム軸16の一端部に装着されており、このアクチュエータ27が吸気バルブ用カム軸16と排気バルブ用カム軸17のタイミングスプロケット22との位相を変化させ、吸気バルブタイミングを連続的に変化させるものである。
【0004】
また、PCV33は、エンジン1の内部を吹き抜けたブローバイガスをエンジン1の燃焼室9に再度導いて燃焼させるよう機能する。このPCVシステムの概略を図17に基づいて説明すると、先ず、燃焼室9からシリンダブロック2に抜けたブローバイガス(黒色の矢印参照)は、シリンダブロック2に飛散するオイルと共にブローバイガス通路40を上昇し、シリンダヘッド3の内部に到達する。そして、シリンダヘッドカバー5のPCV室34に流入し、オイル成分とガス成分とに分離され、ガス成分が吸気マニホールド41にPCVバルブ36を介して流出し、その後、混合気と共に燃焼室9に流入して再燃焼する。
【0005】
また、上記と同時にエアクリーナ42から流出した新気(白色の矢印参照)は、シリンダヘッドカバー5のブリーザ室35を通過してシリンダヘッド3の内部に流入した後、オイル通路43を通過してシリンダブロック2に到達する。このように、PCV33は、ブローバイガスを循環させるとともに、新気を導入し、エンジン1の内部空気を常時清浄化する。
【0006】
なお、シリンダヘッドカバー5の構造に関する先行技術文献として実開平5−77522号、アクチュエータ27に関する先行技術文献として特開平4−164106号公報等があげられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の車両用エンジンには以上のようにアクチュエータ27が設置されているので、以下に述べる問題があった。すなわち、アクチュエータ27を備えた車両用エンジンにおいては、吸気バルブ用カム軸16と排気バルブ用カム軸17にオイルを供給、潤滑するオイルパイプ26の屈曲した上部がシリンダヘッドカバー5の内部に存在するが、このオイルパイプ26にPCV室34とブリーザ室35とが干渉されて容積等の制限を受けることとなる(図12ないし図16参照)。
【0008】
PCV室34とブリーザ室35とがその容積や高さ(図16の鎖線の通気孔からPCV弁36及びブリーザのユニオンまでの高さ)を規制され、十分な容積を確保できないと、オイルの分離効率を向上させることができない。したがって、従来の車両用エンジンは、オイルの分離効率が低く、オイル消費が悪化したり、あるいはオイルの付着に伴うスロットルバルブの動作不良等を招くおそれがあるという問題があった。
【0009】
本発明は、上記問題に鑑みなされたもので、オイルの分離効率を向上させてオイル消費の悪化やスロットルバルブの動作不良のおそれ等を有効に防止することのできる車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、吸気バルブと排気バルブとをそれぞれ個別に開閉させ且つエンジン平面視で複数の点火プラグの両側に設けられる一対のカム軸の一端部にタイミングチェーンを巻きかけわたしてクランク軸の回転を伝達するバルブ機構と、上記カム軸の一つのカム軸の端部に取り付けられ且つ該カム軸と上記タイミングチェーンとの間に介在されて該カム軸とタイミングチェーンとの回転位相を変化させるアクチュエータと、ブローバイガスをオイル成分とガス成分とに分離してガス成分を吸気マニホールドに導くPCV室とエアクリーナからの新気をシリンダヘッドに導くブリーザ室と潤滑油を注入する潤滑油注入口とをシリンダヘッドを覆うシリンダヘッドカバーに設けた車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造において、
平面視で上記ブリーザ室を上記複数の点火プラグを挟んで上記一対のカム軸の軸方向に延ばして一室区画形成するとともに、上記PCV室をこのブリーザ室の上記タイミングチェーン側に隣接させて上記アクチュエータ側に向けて延ばして形成し、このPCV室とブリーザ室の上記シリンダヘッドへのそれぞれのブローバイガス通気孔を上記一対のカム軸の上方にそれぞれ分けた位置であってPCV室とブリーザ室のそれぞれの端部で、且つ上記PCV室のブローバイガス通気孔についてはチェーン収容室に隣り合う点火プラグより他の点火プラグ側であって該PCV室と上記ブリーザ室を区画する区画壁の横とし、さらに、上記PCV室に配置されるPCVバルブをチェーン収容室に隣接配置する一方、上記潤滑油注入口をシリンダヘッドのチェーン収容室上方であって上記PCV室を形成する壁の横に開口するとともに、上記潤滑油注入口から注入された潤滑油がこのPCV室を形成する壁を伝わって上記チェーン収容室に向けて流れることを特徴としている。
【0011】
なお、上記シリンダヘッドに動力伝達部材用の収容室を形成し、この収容室及び上記アクチュエータの上方に上記PCV室と上記ブリーザ室のいずれか一方を位置させることができる。また、上記PCV室を第一、第二のPCV室に分割形成してこれら第一、第二のPCV室を上記ガス成分が流通可能に連ね、上記シリンダヘッドの上方に該第一のPCV室を、上記アクチュエータの上方には該第二のPCV室をそれぞれ位置させ、該第一のPCV室にブローバイガス通気孔を設けるとともに、該第二のPCV室と上記吸気マニホールドとをPCVバルブを介して連結することができる。また、上記第一のPCV室を低く、上記第二のPCV室を高く設けることが好ましい。さらに、上記シリンダヘッドカバーに潤滑油注入口を設け、この潤滑油注入口を他の一のカム軸の一端部付近の上方に位置させることができる。
【0012】
ここで、特許請求の範囲におけるエンジンの種類や気筒数等は、4気筒や6気筒等、適宜増減変更することが可能である。また、動力伝達部材には、エンドレス部材であるタイミングベルト、タイミングチェーン、又はコグトベルトが含まれる。また、可変バルブタイミング機構やそのアクチュエータは、一のカム軸と動力伝達部材との回転位相を変化させ、バルブの開閉時期をエンジンの回転数に応じて変化させるものであれば、いかなる構成でも良い。この可変バルブタイミング機構の作動油は、潤滑装置の潤滑油を利用するものでも良いし、それ以外でも良い。また、PCV室又はブリーザ室は、最低限アクチュエータの上方に位置すれば良く、アクチュエータ、収容室、及びその近傍領域の上方に位置させることもできる。
【0013】
PCV室、第一、第二のPCV室は、数を限定するものではなく、それぞれ単数複数設けることができる。また、これらの全部又は一部を肉厚に構成したり、あるいは二重壁に構成したりすることも可能である。また、第一、第二のPCV室に高低差(段差)を付ける場合、これらの間に圧力差が生じるものであれば、特に高さの数値を限定するものではない。また、ブリーザ室は、数を限定するものではなく、単数複数設けることができる。このブリーザ室は、その全部又は一部を肉厚に構成したり、二重壁に構成することもできる。さらに、ブローバイガス通気孔は単数複数設けることが可能である。さらにまた、車両は、高回転、高出力型のエンジンを搭載可能なものであれば、いかなるタイプでも良い。
【0014】
本発明によれば、潤滑油が潤滑油注入口からシリンダヘッドカバー、シリンダヘッド、及びシリンダブロックに流れ落ちる。本発明によれば、潤滑油注入口がPCV室又はブリーザ室から離れて位置しているので、潤滑油の流れがPCV室又はブリーザ室に影響されることがない。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。本実施形態における車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造は、図1ないし図8に示すように、四輪自動車に搭載される3気筒のエンジン1を備え、このエンジン1にはDOHCタイプのバルブ機構14、潤滑装置24、VVT機構であるアクチュエータ27、及びPCV33がそれぞれ設置されている。
【0018】
エンジン1は、図4に示すように、シリンダブロック2、シリンダヘッド3、ガスケット4、及びシリンダヘッドカバー5を複数の締結具を介し積層構造に備え、これらがシリンダ6を構成している。シリンダブロック2は、加工性や軽量性に優れるアルミ合金等を用いて構成され、内部の前後端部間にクランク軸7が軸受を介し回転可能に軸架されるとともに、このクランク軸7の複数のクランクピンにはコンロッドがそれぞれ嵌合螺着されており、各コンロッドにはピストンがピンを介し回転可能に嵌合支持されている。
【0019】
シリンダヘッド3は、アルミ合金等を用いて構成され、気筒8と燃焼室9とがそれぞれ複数配設されている。このシリンダヘッド3は、その上部の前部(図2の左方向)が前方と左右横方向(図2の上下方向)にそれぞれ膨出屈曲伸長形成されてシリンダ6のシリンダブロック2の上方領域から偏位(図1及び図4参照)し、この前部がアクチュエータ27を収容し、かつチェーン収容室10を区画形成している。また、気筒8は、前後方向に並べて穿設され、耐摩耗性に優れるライナが嵌着されており、各ライナにはピストンが上下に往復動可能に嵌入されている。
【0020】
燃焼室9は、天井面の中央部にプラグホールが穿設され、このプラグホールに点火プラグ11が挿着されている。この燃焼室9の天井面の吸気側には吸気ポートが穿設され、天井面の排気側には排気ポートが穿設されている。また、シリンダヘッドカバー5は、軽量性や放熱効果に優れるマグネシウム合金等を用いてシリンダヘッド3の上部に対応した箱形に構成されている。このシリンダヘッドカバー5の前部の一側部(図2の左下方向)には潤滑油注入口12が突設され、この潤滑油注入口12にはキャップ13が着脱自在に螺嵌されている。
【0021】
バルブ機構14は、図1ないし図5に示すように、中心部軸方向にオイル流通路15を備えた吸気バルブ用カム軸16と排気バルブ用カム軸17とを並べ備え、これら吸気バルブ用カム軸16と排気バルブ用カム軸17とのジャーナル18がシリンダヘッド3の内部の前後端部間に軸受を介し回転可能に軸架されている。このジャーナル18は、図1に示すように、吸気バルブ用カム軸16と排気バルブ用カム軸17との前後端部だけではなく、中間の各気筒8間にも設けられている。吸気バルブ用カム軸16は、燃焼室9の吸気側の上部近傍、換言すれば、シリンダブロック2の他側部側に位置し、複数対の吸気バルブ19が間隔をおいて嵌着されており、一対の吸気バルブ19が各吸気ポートを開閉するよう機能する。この吸気バルブ用カム軸16の前端部にはアクチュエータ27が装着されている。
【0022】
排気バルブ用カム軸17は、同図に示すように、燃焼室9の排気側の上部近傍、換言すれば、シリンダブロック2の一側部側に位置し、複数対の排気バルブ21が間隔をおいて嵌着されており、一対の排気バルブ21が各排気ポートを開閉する。この排気バルブ用カム軸17の前端部にはタイミングスプロケット22が嵌着されている。このタイミングスプロケット22及びアクチュエータ27の外周面のギヤとクランク軸7の前端部のタイミングスプロケット28との間にはエンドレスのタイミングチェーン23が巻架され、このタイミングチェーン23がクランク軸7から吸気バルブ用カム軸16と排気バルブ用カム軸17とに動力をそれぞれ伝達するよう機能する。なお、タイミングチェーン23は、図6に示すように、テンショナーで適度なテンションが加えられ、チェーンガイドに案内されつつ循環する。
【0023】
潤滑装置24は、エンジン1の回転で駆動するオイルポンプ25を備え、このオイルポンプ25からオイルがオイルフィルタ、及び複数のオイルパイプ26等を順次通過して吸気バルブ用カム軸16、排気バルブ用カム軸17、及びエンジン1の各可動部に供給される。オイルポンプ25は、シリンダブロック2の下部の取り付けスペースに設置されている。また、オイルパイプ26は、上部が屈曲形成され、シリンダヘッド3の内部前方寄りに縦に配備されるとともに、平面視で斜めに配備(図2参照)されており、吸気バルブ用カム軸16のオイル流通路15にオイルを供給する。こうして供給されたオイルは、オイル流通路15からジャーナル18等に供給される。
【0024】
アクチュエータ27は、図示しない作動部を備え、エンジン1の吸気バルブが開き始めるタイミングを遅角状態から進角状態に連続的に変化させ、あらゆる回転域で運転状態に応じたバルブタイミングとし、運転状態に応じて混合気の充填効率を高め、出力をアップさせるよう機能する。作動部とオイルポンプ25との間にはオイルを導く流通路29が形成され、この流通路29は、制御バルブ30付きのオイルパイプ31、シリンダヘッド3の流路32、及び吸気バルブ用カム軸16のジャーナル18の流路32Aから構成されている。
【0025】
PCV33は、図1や図3に示すように、シリンダ6のシリンダヘッド3から流出したブローバイガスをオイル成分とガス成分とに分離し、このガス成分を吸気マニホールドに導くPCV室34と、エアクリーナ(図示しないが、従来例と同様である)から流出した新気をシリンダヘッド3に導くブリーザ室35とを備えている。PCV室34は、シリンダヘッドカバー5の前部側に内蔵して膨出区画形成され、チェーン収容室10、アクチュエータ27、及びこれらの近傍領域の上方に位置している。このPCV室34は、吸気マニホールドに一種の一方弁であるPCVバルブ36を介して接続され、底面には矩形のブローバイガス通気孔37が穿設されている。
【0026】
なお、PCV室34は、シリンダヘッドカバー5の前部側のみに膨出区画形成することもできるし、シリンダヘッドカバー5の前部と残部とにそれぞれ膨出区画形成することもできる。また、PCVバルブ36は、PCV室34の上部や側部等に適宜選択して挿着することができる(図1及び図6参照)。
【0027】
さらに、ブリーザ室35は、同図に示すように、シリンダヘッドカバー5の前部以外の残部に内蔵して区画形成され、シリンダブロック2(シリンダ6)の上方に位置している。このブリーザ室35は、エアクリーナのホースにバルブを介して接続され、底面には矩形の通気孔38が穿設されている。このブリーザ室35は、シリンダヘッドカバー5の残部にPCV室34と共に長く、及び又は広く一室区画形成することもできるし、シリンダヘッドカバー5の残部に複数室連通構造に並べて区画形成することもできる(図1及び図7等参照)。
【0028】
上記構成において、吸気バルブ用カム軸16の回転駆動時にオイルがオイルポンプ25からオイルフィルタや流通路29を順次通過してアクチュエータ27の作動部に供給され、アクチュエータ27に対して吸気バルブ用カム軸16にねじりが加えられ、吸気バルブ用カム軸16と排気バルブ用カム軸17のタイミングスプロケット22との回転方向における相対位置(回転位相)が変化し、吸気バルブ19と排気バルブ21との作動タイミングが変化する。
【0029】
また、燃焼室9からシリンダブロック2に抜けたブローバイガスは、シリンダブロック2に飛散するオイルと共にブローバイガス通路(図示しないが、従来例と同様である)を上昇し、シリンダヘッド3の内部に到達する。そして、シリンダヘッドカバー3のPCV室34にブローバイガス通気孔37を介して流入し、オイル成分とガス成分とに分離され、ガス成分が吸気マニホールドにPCVバルブ36を介して流出し、その後、混合気と共に燃焼室9に流入して再燃焼する。また、上記と同時にエアクリーナから流出した新気は、ホースからバルブを通過してシリンダヘッドカバー3のブリーザ室35に流入し、このブリーザ室35の通気孔38から下方に流出してシリンダヘッド3の内部に流入した後、オイル通路を通過してシリンダブロック2に到達する。
【0030】
上記構成によれば、シリンダヘッドカバー3の内部にオイルパイプ26の屈曲した上部が存在しても、この上部の影響を受けないシリンダヘッドカバー5の前部にPCV室34が内蔵されているので、PCV室34やブリーザ室35がスペースや容積の制限を受けることが全くない。したがって、PCV室34やブリーザ室35の容積を十分に確保することができ、オイルの分離効率を向上させ、オイルの消費量を減少させることができる。
【0031】
また、シリンダヘッドカバー5からのオイルの流出量が減少するので、オイルの付着に伴うスロットルバルブの動作不良のおそれをきわめて有効に排除し、スロットルバルブの安定した動作を確保することが可能になる。さらに、シリンダヘッドカバー3を有効に構成、利用することができるので、エンジン1のコンパクト化が期待できる。
【0032】
次に、図9ないし図11は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合にはPCV室34を第一、第二のPCV室34A、34Bに分割形成してこれら第一、第二のPCV室34A、34Bをブリーザ室35と共にシリンダヘッドカバー5に内蔵して区画形成している。
【0033】
第一のPCV室34Aは、ブリーザ室35に区画壁を介し並べて形成され、底面に矩形のブローバイガス通気孔37が複数穿設されており、シリンダ6のシリンダブロック2やシリンダヘッド3の上方に位置している。また、第二のPCV室34Bは、チェーン収容室10及びアクチュエータ27の上方に高く形成され、吸気マニホールドにPCVバルブ36を介して接続されている。そして、これら第一、第二のPCV室34A、34Bは傾斜した流通パイプ39により貫通して連通されている。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
【0034】
本実施形態においても、上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、シリンダヘッドカバー5の前部とこの前部以外の残部とに第一、第二のPCV室34A、34Bが形成されているので、PCV室34A、34Bやブリーザ室35の容積を十分に確保することができる。したがって、オイルの分離効率を著しく向上させ、オイルの消費量を大幅に減少させることができる。また、第一、第二のPCV室34A、34Bの間に高低差が付けられ、第二のPCV室34Bが高い位置に形成されているので、PCV室34A、34Bの高さをも確保することができる。さらに、高低差に伴い第一、第二のPCV室34A、34Bの間に圧力差が生じるので、ブローバイガスの逆流のおそれをきわめて有効に防止することが可能になる。
【0035】
なお、上記実施形態ではオイルパイプ26を潤滑装置24の一部としたが、なんらこれに限定されるものではなく、オイルパイプ26をアクチュエータ27の一部とし、オイルの逃げ用とした場合でも同様の作用効果が期待できる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、オイルの分離効率を向上させてオイル消費の悪化やスロットルバルブの動作不良のおそれ等を有効に防止することができるという効果がある。
また、本発明によれば、潤滑油注入口がPCV室又はブリーザ室から離れて位置しているので、潤滑油の流れがPCV室又はブリーザ室に影響されることがなく、オイルの分離効率をさらに向上させてオイル消費の悪化やスロットルバルブの動作不良のおそれ等を有効に防止することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の実施形態を示す断面側面図である。
【図2】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の実施形態を示す断面平面説明図である。
【図3】図1の裏面図である。
【図4】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の実施形態を示す縦断面側面図である。
【図5】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の実施形態を示す断面平面説明図である。
【図6】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の実施形態を示す縦断面説明図である。
【図7】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の実施形態を示す部分断面側面図である。
【図8】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の実施形態を示す平面図である。
【図9】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の第2の実施形態を示す裏面図である。
【図10】図9の部分断面側面図である。
【図11】本発明に係る車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造の第2の実施形態を示す説明図である。
【図12】従来の車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造を示す縦断面側面図である。
【図13】従来の車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造を示す断面平面図である。
【図14】従来の車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造を示す部分縦断面側面図である。
【図15】従来の車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造を示す説明図である。
【図16】従来の車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造を示す説明図である。
【図17】PCVシステムを示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 シリンダブロック
3 シリンダヘッド
5 シリンダヘッドカバー
6 シリンダ
7 クランク軸
8 気筒
9 燃焼室
10 チェーン収容室(収容室)
12 潤滑油注入口
14 バルブ機構
15 オイル流通路
16 吸気バルブ用カム軸(一のカム軸)
17 排気バルブ用カム軸(他の一のカム軸)
19 吸気バルブ
21 排気バルブ
22 タイミングスプロケット
23 タイミングチェーン(動力伝達部材)
25 オイルポンプ
26 オイルパイプ
27 アクチュエータ(VVT機構)
28 タイミングスプロケット
29 流通路
33 PCV
34 PCV室
34A 第一のPCV室
34B 第二のPCV室
35 ブリーザ室
36 PCVバルブ
37 ブローバイガス通気孔
39 流通パイプ
41 吸気マニホールド
42 エアクリーナ

Claims (1)

  1. 吸気バルブと排気バルブとをそれぞれ個別に開閉させ且つエンジン平面視で複数の点火プラグの両側に設けられる一対のカム軸の一端部にタイミングチェーンを巻きかけわたしてクランク軸の回転を伝達するバルブ機構と、上記カム軸の一つのカム軸の端部に取り付けられ且つ該カム軸と上記タイミングチェーンとの間に介在されて該カム軸とタイミングチェーンとの回転位相を変化させるアクチュエータと、ブローバイガスをオイル成分とガス成分とに分離してガス成分を吸気マニホールドに導くPCV室とエアクリーナからの新気をシリンダヘッドに導くブリーザ室と潤滑油を注入する潤滑油注入口とをシリンダヘッドを覆うシリンダヘッドカバーに設けた車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造において、
    平面視で上記ブリーザ室を上記複数の点火プラグを挟んで上記一対のカム軸の軸方向に延ばして一室区画形成するとともに、
    上記PCV室をこのブリーザ室の上記タイミングチェーン側に隣接させて上記アクチュエータ側に向けて延ばして形成し、
    このPCV室とブリーザ室の上記シリンダヘッドへのそれぞれのブローバイガス通気孔を上記一対のカム軸の上方にそれぞれ分けた位置であってPCV室とブリーザ室のそれぞれの端部で、且つ上記PCV室のブローバイガス通気孔についてはチェーン収容室に隣り合う点火プラグより他の点火プラグ側であって該PCV室と上記ブリーザ室を区画する区画壁の横とし、
    さらに、上記PCV室に配置されるPCVバルブをチェーン収容室に隣接配置する一方、上記潤滑油注入口をシリンダヘッドのチェーン収容室上方であって上記PCV室を形成する壁の横に開口するとともに、上記潤滑油注入口から注入された潤滑油がこのPCV室を形成する壁を伝わって上記チェーン収容室に向けて流れることを特徴とする車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造。
JP11103798A 1998-04-21 1998-04-21 車両用エンジンのシリンダヘッドカバー構造 Expired - Lifetime JP3899664B2 (ja)

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