JP3896907B2 - 弾性表面波フィルタ、分波器、通信機 - Google Patents
弾性表面波フィルタ、分波器、通信機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3896907B2 JP3896907B2 JP2002178235A JP2002178235A JP3896907B2 JP 3896907 B2 JP3896907 B2 JP 3896907B2 JP 2002178235 A JP2002178235 A JP 2002178235A JP 2002178235 A JP2002178235 A JP 2002178235A JP 3896907 B2 JP3896907 B2 JP 3896907B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- surface acoustic
- acoustic wave
- wave filter
- resonators
- electrode
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H9/00—Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
- H03H9/02—Details
- H03H9/125—Driving means, e.g. electrodes, coils
- H03H9/145—Driving means, e.g. electrodes, coils for networks using surface acoustic waves
- H03H9/14517—Means for weighting
-
- G—PHYSICS
- G09—EDUCATION; CRYPTOGRAPHY; DISPLAY; ADVERTISING; SEALS
- G09B—EDUCATIONAL OR DEMONSTRATION APPLIANCES; APPLIANCES FOR TEACHING, OR COMMUNICATING WITH, THE BLIND, DEAF OR MUTE; MODELS; PLANETARIA; GLOBES; MAPS; DIAGRAMS
- G09B23/00—Models for scientific, medical, or mathematical purposes, e.g. full-sized devices for demonstration purposes
- G09B23/06—Models for scientific, medical, or mathematical purposes, e.g. full-sized devices for demonstration purposes for physics
- G09B23/18—Models for scientific, medical, or mathematical purposes, e.g. full-sized devices for demonstration purposes for physics for electricity or magnetism
- G09B23/188—Models for scientific, medical, or mathematical purposes, e.g. full-sized devices for demonstration purposes for physics for electricity or magnetism for motors; for generators; for power supplies; for power distribution
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H9/00—Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
- H03H9/02—Details
- H03H9/05—Holders; Supports
- H03H9/10—Mounting in enclosures
- H03H9/1064—Mounting in enclosures for surface acoustic wave [SAW] devices
- H03H9/1071—Mounting in enclosures for surface acoustic wave [SAW] devices the enclosure being defined by a frame built on a substrate and a cap, the frame having no mechanical contact with the SAW device
-
- H—ELECTRICITY
- H03—ELECTRONIC CIRCUITRY
- H03H—IMPEDANCE NETWORKS, e.g. RESONANT CIRCUITS; RESONATORS
- H03H9/00—Networks comprising electromechanical or electro-acoustic devices; Electromechanical resonators
- H03H9/46—Filters
- H03H9/64—Filters using surface acoustic waves
- H03H9/6423—Means for obtaining a particular transfer characteristic
- H03H9/6433—Coupled resonator filters
- H03H9/6483—Ladder SAW filters
Landscapes
- Physics & Mathematics (AREA)
- Acoustics & Sound (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Physics & Mathematics (AREA)
- Mathematical Optimization (AREA)
- Computational Mathematics (AREA)
- Algebra (AREA)
- Mathematical Analysis (AREA)
- Power Engineering (AREA)
- Mathematical Physics (AREA)
- Pure & Applied Mathematics (AREA)
- Business, Economics & Management (AREA)
- Educational Administration (AREA)
- Educational Technology (AREA)
- Theoretical Computer Science (AREA)
- Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯域フィルタとして用いられる弾性表面波フィルタに関し、より詳細には、一端子対弾性表面波共振子を、複数、梯子型に配置してなる弾性表面波フィルタ、分波器、通信機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話等の通信機の高周波数(RF、特にGHz帯以上)段に使用されるフィルタに、一端子対弾性表面波共振子を用いた弾性表面波フィルタが開発されてきた。上記弾性表面波フィルタは、小型かつ軽量であり、耐振性や耐衝撃性に優れ、製品のバラツキが少なく信頼性に富んでおり、回路の無調整化が図れるため実装の自動化、簡略化が図れ、その上、高周波化を図っても、製造が容易という、優れた各特性を有している。
【0003】
また、上記一端子対弾性表面波共振子は、図示しないが、圧電体基板上に、一対の各くし型電極(以下、IDT電極という)からなるインターデジタルトランスデューサ(以下、IDTと略記する)と、IDTを左右(弾性表面波(以下、SAWと記す)の伝搬方向)から挟む2つの反射器とをSAWの伝搬方向に沿って有するものである。
【0004】
上記IDTは、アルミニウム等の金属薄膜により形成されており、入力した電気信号(交流)をSAW(弾性エネルギー)に変換して圧電体基板上に伝搬させ、伝搬したSAWを電気信号に変換して出力するSAW変換部として機能するものである。上記反射器は、伝搬してきたSAWを来た方向に反射する機能を有するものである。
【0005】
このようなIDTでは、各IDT電極の各電極指の長さや幅、隣り合う各電極指の間隔、互いの電極指間での入り組んだ状態の対面長さを示す交叉幅を、それぞれ設定することにより信号変換特性や、通過域の設定がそれぞれ可能となっている。また、反射器においては、各反射器電極指の幅や間隔を調整することにより反射特性の設定が可能となっている。
【0006】
前記のような弾性表面波フィルタとしては、一端子対弾性表面波共振子を直列腕、並列腕と交互に配置されてなる、梯子(ラダー)型のバンドパスフィルタが特開平5−183380号公報に開示されている。
【0007】
上記公報に示された構成の梯子型フィルタは、第一の一端子対弾性表面波共振子を直列に、第二の一端子対弾性表面波共振子を並列に接続し、並列共振子の反共振周波数と直列共振子の共振周波数を略一致させることにより、低ロス、かつ広帯域といったフィルタとして使用するのに非常に良好な特性を得られるため、主に通信機用フィルタなどに幅広く利用されてきた。
【0008】
また、上記公報では、直列共振子あるいは並列共振子に直列のインダクタンスを付加することで、広帯域なフィルタ特性が得られると記載されている。
【0009】
しかし、フィルタ特性としては一般的に広帯域化だけではなく、良好な反射特性や通過域近傍における急峻な減衰特性が求められている。また、図23に示すようなGSM1900のRx用RFフィルタに代表されるように、通過域両側近傍に減衰域が存在する場合、近傍における急峻な減衰特性のみならず、適切な通過域幅に調整する必要がある。
【0010】
適切な通過域幅に調整して、通過域外の近傍における急峻な減衰特性を得る手法として、間引き電極を適用する方法が知られている。間引き電極とは、電極指の一部に電界が加わらないように、例えば一部の電極指をなくしたり(図24参照)、電極指の極性を反転させたりする(図25参照)構造を有するIDT電極のことである。
【0011】
特開平11−163664号公報(公開日:1999年6月18日)では、周期的に間引きされたIDT電極を用いた弾性表面波フィルタが示されており、その実施例として梯子型フィルタが開示されている。図26に示すように、IDT電極に間引きを施すと、反共振周波数が共振周波数に近づく側に変化し、共振周波数と反共振周波数の間隔△fを小さくできる。これを梯子型フィルタに適用すると、上記公報の図6に示すように、通過域近傍の急峻性を改善し通過域幅を減少させて自在に調整することができる。
【0012】
また、特表2001−500697号公報(公表日:2001年1月16日)でも、同じような効果を有する梯子型フィルタが開示されている。
【0013】
さらに、特開平9−153753号公報(公開日:1997年6月10日)では、すだれ状電極(IDT電極)のコンダクタンスが所望の周波数帯域で小さな値となるように重み付けが施され、さらに電極ピッチを変えることによって適宜の減衰域の帯域幅を確保する手法が開示されている。この手法を用いることによって、通過域外の減衰が急峻で、かつ減衰域の帯域幅の広いフィルタ特性を得ることができる。なお、特開平9−153753号公報には、すだれ状電極に対して間引きを施すことについて何ら開示も示唆もされていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、間引きされたIDT電極を備えた一端子対弾性表面波共振子を梯子型フィルタに適用すると、通過域近傍の減衰域の減衰特性が跳ね上がって、周波数特性が悪化するという不具合が生ずる。
【0015】
この理由は、特開平11−163664号公報に記載の図6の特性変化によって、直列共振子においては反共振周波数より高周波側近傍のインピーダンス特性が小さくなることから、また並列共振子においては共振周波数より低周波側近傍のインピーダンス特性が大きくなるので、減衰域にあたる周波数範囲のインピーダンス特性が変化するからである。
【0016】
図27に、直列共振子のみを全て同じ間引き率で間引きし、間引き率を種々代えて、かつ通過域と減衰域の周波数を合わせるために全体の電極ピッチを変えて中心周波数を調整した、Tx用フィルタにおける電気的な周波数特性の各例を示す。間引き率とは、IDT電極の対数に対して、どれくらいの割合で間引いたかを示す値である。
【0017】
図27に示されるように、間引き率を大きくすればするほど、周波数特性が悪化するという、前述の傾向は顕著に現れる。よって、間引き電極を適用して急峻性を改善したとしても、近傍の減衰特性の跳ね上がりによって、減衰域全体としてみた場合の減衰特性はかえって悪化することになる。
【0018】
特開平9−153753号公報の手法では、重み付けを施した電極だけでなくさらに電極ピッチを異ならせることにより、上記でいう減衰特性の跳ね上がりを抑えて改善することができる。
【0019】
しかしながら、特開平9−153753号公報では間引き電極を用いた構造が開示されておらず、アポダイズ法を用いた電極が開示されているのみであり本願と構成が異なる。アポダイズ法では、間引き電極と比べて電極面積が大きくなるデメリットが生ずるため、間引き電極を適用した場合と比べて素子の小型化に貢献できない。
【0020】
例えば、直列共振子において、単純に全て同じ値で間引きを行うと、図27に示すように急峻性は改善されるが減衰域の跳ね上がりがひどくなるという問題があった。
【0021】
これに対してさらに電極ピッチの最適化を加えると、減衰域の跳ね上がりは改善されるが、反射特性が悪化してしまう。よって、従来の構造では、反射特性、減衰特性ともに最適化し改善することは困難であった。
【0022】
本発明の目的は、電極ピッチだけでなく間引き率も異ならせることで、反射特性・減衰特性ともに改善できる弾性表面波フィルタを提供することである。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の弾性表面波フィルタは、以上の課題を解決するために、圧電性基板上に形成された各IDT電極を組み合わせてなる一端子対弾性表面波共振子が、複数、梯子型に配置されている弾性表面波フィルタであって、梯子型に配置された各一端子対弾性表面波共振子の内、直列共振子の少なくとも一つに、より好ましくは全てに間引きが施されており、前記直列共振子の少なくとも一つのIDT電極が、他の直列共振子のIDT電極と比べて、異なる電極ピッチを有することを特徴としている。
【0024】
上記弾性表面波フィルタでは、前記直列共振子の少なくとも一つのIDT電極が、他の直列共振子のIDT電極と比べて、異なる間引き率と異なる電極ピッチを共に有することが好ましい。
【0025】
上記弾性表面波フィルタにおいては、入出力側に接続される一端子対弾性表面波共振子は直列共振子であるT字型構成が梯子型として用いられ、入出力側以外に接続される直列共振子が入出力側に接続される直列共振子と比べて、異なる間引き率と異なる電極ピッチを共に有していることが好ましい。
【0026】
上記弾性表面波フィルタでは、入出力側以外に接続される直列共振子が入出力側に接続された直列共振子と比べて、間引き率を大きくし、かつ、電極ピッチを小さくすることが好ましい。
【0027】
上記弾性表面波フィルタにおいては、通過域の高周波側近傍における通過域外の減衰量を必要とする送信用フィルタであることが好ましい。
【0028】
上記構成によれば、梯子型に配置された各一端子対弾性表面波共振子の内、直列共振子の少なくとも一つに間引きが施されており、前記直列共振子の少なくとも一つのIDT電極が、他の直列共振子のIDT電極と比べて、異なる電極ピッチを有するように設定することで、間引きによって減衰特性、特に高周波側の通過域外の減衰特性を改善できると共に、ピッチを異ならせることにより、上記減衰域の跳ね上がりを抑制できる。
【0029】
本発明の他の弾性表面波フィルタは、以上の課題を解決するために、圧電性基板上に形成された各IDT電極を組み合わせてなる一端子対弾性表面波共振子が、複数、梯子型に配置されている弾性表面波フィルタであって、梯子型に配置された各一端子対弾性表面波共振子の内、並列共振子の少なくとも一つに、より望ましくは全てに間引きが施されており、前記並列共振子の少なくとも一つのIDT電極が、他の並列共振子のIDT電極と比べて、異なる電極ピッチを有することを特徴としている。
【0030】
上記弾性表面波フィルタにおいては、前記並列共振子の少なくとも一つのIDT電極が、他の並列共振子のIDT電極と比べて、異なる間引き率と異なる電極ピッチを共に有することが望ましい。
【0031】
上記弾性表面波フィルタにおいては、入出力側に接続される一端子対弾性表面波共振子は並列共振子であるπ字型構成が梯子型として用いられ、入出力側以外に接続される並列共振子が入出力側に接続される並列共振子と比べて、異なる間引き率と異なる電極ピッチを共に有していることが好ましい。
【0032】
上記弾性表面波フィルタにおいては、通過域の低周波側近傍における通過域外の減衰量を必要とする受信用フィルタであることが好ましい。
【0033】
上記構成によれば、並列共振子において、少なくとも一つの一端子対弾性表面波共振子のIDTに間引きを施した際に、電極ピッチと間引き率とを異ならせることによって、通過域近傍(特に低周波数側)の通過域外の急峻な減衰性と減衰域の減衰特性、並びに反射特性までもがバランス良く改善され、上記従来例における不具合を全て解消でき、従来に比べて反射特性が良く低損失で阻止抑圧度の高い小型の弾性表面波フィルタを提供することができる。
【0034】
本発明の分波器は、上記の何れかに記載の弾性表面波フィルタを搭載したことを特徴としている。
【0035】
本発明の通信機は、上記の何れかに記載の弾性表面波フィルタを搭載したことを特徴としている。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明に係る弾性表面波フィルタの実施の各形態について図1ないし図20に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0037】
(実施の第一形態)
実施の第一形態の弾性表面波フィルタとして、梯子型フィルタを適用した、通過域の中心周波数が1441MHz帯のTx用フイルタについて示す。上記弾性表面波フィルタは、図1の回路図、および図2の概略構成図に示すように、圧電基板110上に、各直列共振子111a〜111cと、各並列共振子112a、112bとを梯子型に配置して有している。
【0038】
各直列共振子111a〜111c、および各並列共振子112a、112bは、それらの各弾性表面波の伝搬方向が互いにほぼ平行となるように配置されていることが、小型化が可能なことから好ましい。
【0039】
また、各直列共振子111a〜111cは、入力端子113aと出力端子113bとの間に互いに直列に接続され、かつ、各直列共振子111a〜111cの各弾性表面波の伝搬方向に対してほぼ直交する方向に並んで配置されている。
【0040】
一方、各並列共振子112a、112bは、各直列共振子111a〜111c間とアース(接地電位)との間にそれぞれ接続され、かつ、各並列共振子112a、112bの各弾性表面波の伝搬方向に対してほぼ直交する方向に並び、その上、各直列共振子111a〜111cの各弾性表面波における伝搬方向の各延長線上とは相違する、上記各延長線の間となるように並んで配置されている。
【0041】
上記弾性表面波フィルタは、入力端子113a側は直列共振子111aで始まり、出力端子113b側は直列共振子111cで終わっていることより、T字型構成となっている。
【0042】
本明細書では、入出力側がともに直列共振子で始まる構成であれば、それらの間の直列・並列共振子の組み合わせはどのような構成でもよく、T字型構成と呼ぶことにする。本実施の第一形態においては、36°YcutX伝播LiTaO3 からなる圧電基板110上に、各直列共振子111a、111b、111cの3素子と各並列共振子112a、112bの2素子を、フォトリソ工程およびリフトオフ工程によって形成している。
【0043】
各直列共振子111a、111cは、交叉幅が30μm、間引いた電極指を除くIDT電極の有効対数が200対、反射器のリフレクタ(反射器電極指)本数が100本であり、ともに同じ構造をしている。一方、直列共振子111bは交叉幅が15μm、IDT電極の有効対数が200対、反射器のリフレクタ本数が100本に設定されている。
【0044】
また、各並列共振子112a、112bは交叉幅が30μm、IDT電極の対数が200対、反射器のリフレクタ本数が100本であり、ともに同じ構造に設定されている。3素子ある全ての直列共振子111a〜111cのIDT電極には間引きが施されている。
【0045】
間引き電極の構造においては、図25で示す極性を反転させる方法を用い、周期的に等間隔に間引くのではなく、IDT電極において左側から右側へいくほど(各並列共振子112a、112bより離れるほど)間引く割合を順次多くなるように設定されていることが好ましい。
【0046】
各入出力端子113a、113bは、それぞれ略長方形板状のパッド形状に設けられ、各並列共振子112a、112bに接続される各アース端子114a、114bも、それぞれ略長方形板状のパッド形状に設けられている。図3に示すようにパッケージ115との電気的導通には、各ボンディングワイヤ116による接続が用いられている。
【0047】
また、直列共振子111a〜111cの間引き率と電極ピッチの関係を表1および表2に示す。間引き率と電極ピッチをともに異ならせたものを試作品A1(本発明の範囲内)、間引き率を全て同じとして電極ピッチをともに異ならせたものを試作品B1(本発明の範囲内)、試作品B1とは電極ピッチのみが異なるものを試作品C1(本発明の範囲内)、電極ピッチは全て同じとし間引き率のみを異ならせたものを試作品D1(第一比較例)、電極ピッチ・間引き率ともに同じとしたものを試作品E1(第二比較例)とする。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】
試作品A1では、減衰特性並びに反射特性(VSWR(Voltage Standing Wave Ratio、電圧定常波比))がどちらも良くなるように間引き率・電極ピッチが最適化されているのに対して、試作品B1では反射特性が良くなるように間引き率を同一にして電極ピッチのみを最適化し、試作品C1では減衰特性が良くなるように間引き率を同一にして電極ピッチのみを最適化している。試作品D1は、電極ピッチを同一とし、間引き率を異ならせた第一比較例である。試作品E1は、電極ピッチ・間引き率ともに同じとした、第二比較例である。
【0051】
上記各試作品A1〜E1の各電気的特性を図4ないし図9にそれぞれ示す。図6および図7には、電極ピッチを同一にして間引き率のみを異ならせた試作品D1の比較データを参考に示す。図6および図7から明らかなように、試作品A1と試作品D1とを比較すると、試作品D1は、試作品A1より、通過域が狭く上、減衰域の跳ね上がりも大きく、反射特性(VSWR)も悪くなっている。よって、電極ピッチを代えることの有効性が分かる。
【0052】
図8および図9から明らかなように、従来構成に準じた試作品E1と比較して、電極ピッチを異ならせた試作品B1、C1のほうが通過域の反射特性が良好なフィルタ特性を示していることがわかる。このように、電極ピッチを異ならせた本願の構成を用いることによって、間引きを施し急峻性を高めたまま、反射特性の改善が可能となる。
【0053】
図4および図5では、試作品A1と試作品B1、C1との比較結果をそれぞれ示した。試作品A1では通過域高周波側近傍の減衰特性と通過域の反射特性ともに良好なフィルタ特性を示しているのに対し、各試作品B1、C1では、減衰特性・反射特性のいずれかが試作品A1と比べて劣っている。
【0054】
この理由として、直列共振子において、反射特性を変化させる要因の一つとして各共振子の共振周波数の差があり、また減衰特性を変化させる要因の一つとして各共振子の反共振周波数の差があるため、試作品A1では共振周波数の差は電極ピッチの差で、反共振周波数の差は間引き率の差で最適化することで、減衰特性・反射特性ともに良好な特性を得ることができる。
【0055】
一方、試作品B1、C1では、各共振子の共振周波数と反共振周波数のいずれか一方の差しか最適化できないため、減衰特性・反射特性のいずれかが悪化することになる。
【0056】
一般的に、適宜の減衰域の帯域幅を確保するための各共振子における電極ピッチの差の最適値と、反射特性が最も良くなるときの各共振子における電極ピッチの差の最適値が異なるため、どちらかを優先せねばならず、減衰域の帯域幅並びに反射特性を両方とも最適化し良くするためには電極ピッチのみならず間引き率も異ならせることが必要である。
【0057】
ここで、本実施の形態においてT字型構造を適用し、真中の直列共振子111bを異ならせたのは以下の理由による。梯子型フィルタでは各共振子を縦続接続する際に、特開平5−183380号公報に示されているように直列共振子・並列共振子の組み合わせを1単位とすると、その単位をもとに縦続接続にて段数を増やしていくのが一般的な設計手法である。
【0058】
よって、入出力側に直列共振子を配属してなるT字型構造においては、入出力側に接続した直列共振子よりも、それ以外の直列共振子のほうが対数・交叉幅で決まる等価的な容量が小さくなり、その容量に依存している減衰特性の効果がより大きくなることにより、入出力側の各直列共振子以外の、上記では真中の直列共振子111bを異ならせることが、最も本願の効果を発揮しやすくなる構成といえる。
【0059】
次に、他の直列共振子111a、111cと比べて、直列共振子111bにおける、電極ピッチを小さくし、間引き率を大きくしたのは以下の理由による。真中の直列共振子111bは前述したように、入出力側に接続した各直列共振子111a、111cよりも等価的な容量が小さい。図10に示すように、容量の異なる共振子を用いると、共振周波数と反共振周波数の間のインピーダンス特性にミスマッチが生ずる。
【0060】
そこで、図11に示すように、そのミスマッチをなくすように電極ピッチを小さくし周波数を高めてやれば、その範囲において反射特性が良好になる。しかしその際、周波数を高くし反共振周波数の差が大きく広がることで減衰特性が悪化するため、間引き率を大きくすることで反共振周波数の差が適切な値にまで小さくでき、減衰特性の改善がはかられる。
【0061】
よって、電極ピッチを小さくし、間引き率を大きくすることが、最も本願の効果を発揮しやすくなる構成といえる。特に本実施の形態に係る構成では、電極ピッチを0.975倍(より好ましくは、下限値が0.980倍、上限値が0.995倍)まで小さくし、間引き率を2.7倍(より望ましくは、下限値が2.0倍、上限値が2.5倍)まで大きくする範囲で効果が顕著に現れた。
【0062】
また、そのときに真中の直列共振子の容量を小さくすればするほど、減衰特性は改善されるがミスマッチが大きくなって反射特性はより悪化する。その際に、本願の構成を適用することで、従来のものと比べてより大きく反射特性が改善され減衰域における跳ね返りを防ぎ、良好なフィルタ特性を得ることができる。
【0063】
なお、本実施の形態に係る間引きの構成は、上記に限定されず、図24のような構造であってもよいし、他に電極指の一部に電界が加わらない構造であれば、どのような構造でもよい。また間引く個所も、周期的、変則的を問わず、IDT電極であればどの範囲を間引いてもよいが、前述した構成が好ましい。
【0064】
圧電基板は36°YcutX伝播LiTaO3基板を用いた例を挙げたが、圧電基板の種類に依存することはなく、38°〜46°YcutX伝播LiTaO3基板や64°〜72°LiNbO3基板といった他の圧電基板でもよい。
【0065】
電極形成方法も、リフトオフ工程ではなくエッチング工程でもよく、形成法を問わない。また、ワイヤボンドのみならずフリップチップボンデイング等の他の実装方法でも本願の手法が適用できることは明らかである。
【0066】
上述したように梯子型の弾性表面波フィルタにおいて、全ての直列共振子に間引きを施し、なおかつ少なくとも一つの直列共振子の電極ピッチを他の直列共振子と異ならせることによって、急峻性を高めたまま通過域の反射特性を改善することができる。また、加えて間引き率も異ならせることによって、通過域高周波側近傍の減衰特性と通過域の反射特性をバランス良く改善することができる。よって、従来に比べて反射特性が良く、低損失で、阻止抑圧度の高い(減圧特性に優れた)、小型の弾性表面波フィルタを提供することができる。
【0067】
さらに、そのときに入出力端子側に直列共振子がそれぞれ接続されたT字型構造を適用し、入出力以外の直列共振子の間引き率と電極ピッチとを共に他の直列共振子と異ならせることで、本願の効果がより強く発揮される。
【0068】
その上、そのときに電極ピッチを小さくし、間引き率を大きくすることで、本願の効果がさらに強く発揮される。
【0069】
(実施の第二形態)
本発明の弾性表面波フィルタにおける、実施の第二形態として、梯子型フィルタを適用した中心周波数が1489MHz帯のRx用フィルタについて示す。図12に、実施の第二形態の回路図を、図13に圧電基板110上のIDT電極の慨略構成図を示す。上記弾性表面波フィルタは、各並列共振子212a、212b、212c、および各直列共振子211a、211bを、前記の実施の第一形態に準じた配置にて、圧電基板110上に有している。
【0070】
上記弾性表面波フィルタにおいては、入力側は並列共振子212aで始まり、出力側は並列共振子212cで終わっていることより、π字型構成が示されている。ここでは、入出力端子213b、213a側に各並列共振子212a、212bが接続されている構成であれば、それらの間の直列・並列共振子の組み合わせはどういう構成でもよく、それをπ字型構成と呼ぶことにする。
【0071】
各並列共振子212a、212cは交叉幅が58μm、IDT電極の有効対数が75対、反射器のリフレクタ本数が60本であり、ともに同じ構造をしている。並列共振子212bは交叉幅が85μm、IDT電極の有効対数が75対、反射器のリフレクタ本数が60本である。また、各直列共振子211a、211bは交叉幅が36μm、IDT電極の対数が50対、反射器のリフレクタ本数が60本であり、ともに同じ構造をしている。
【0072】
3素子ある全ての並列共振子212a〜212cの各IDT電極には間引きがそれぞれ施されている。また、それらの間引きの構造については、前述の実施の第一形態と同様に、図25で示す極性を反転させる方法を用い、周期的に等間隔に間引くのではなく、IDT電極において左側から右側へいくほど(各直列共振子211a、211bより離れるほど)間引く割合を順次多くなるように設定されていることが好ましい。
【0073】
入出力端子213a、213bはパッド状に、アース端子214a、214b、215cはパッド状に形成されている。間引き方法、圧電基板110や電極形成方法、パッケージとの電気的導通方法は全て前述の実施の第一形態と同じである。
【0074】
また、間引き率と電極ピッチの関係を表3および表4に示す。間引き率と電極ピッチをともに異ならせたものを試作品A2(本発明の範囲内)、間引き率を全て同じとして電極ピッチを異ならせたものを試作品B2(本発明の範囲内)、B2とは電極ピッチのみが異なるものを試作品C2(本発明の範囲内)、電極ピッチは全て同じとし間引き率のみを異ならせたものを試作品D2(第三比較例)、電極ピッチ・間引き率ともに同じとしたものを試作品E2(第四比較例)とする。
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
試作品A2では、減衰特性並びに反射特性がどちらも良くなるように間引き率・電極ピッチが最適化されているのに対して、試作品B2では反射特性が良くなるように間引き率を同一にして電極ピッチのみを最適化し、試作品C2では減衰特性が良くなるように、間引き率を同一にして電極ピッチのみを最適化している。試作品D2は、電極ピッチを同一として間引き率を異ならせた第三比較例である。試作品E2は、電極ピッチ・間引き率ともに同じとした従来構成に準じた第四比較例である。
【0078】
上記各試作品A2〜E2の各電気的特性を図14ないし図19にそれぞれ示す。図16および図17には、電極ピッチを同一にして間引き率のみを異ならせた試作品D2の比較データを参考に示す。図16および図17から明らかなように、試作品A2と試作品D2とを比較すると、試作品D2は、試作品A2より、反射特性(VSWR)も悪くなっている。よって、電極ピッチを代えることの有効性が分かる。
【0079】
また、図18および図19から明らかなように、第四比較例の試作品E2と比較して、電極ピッチを異ならせた試作品B2、C2のほうが通過域低周波側近傍の減衰特性が良好なフィルタ特性を示していることがわかる。
【0080】
このように、電極ピッチを異ならせた本願の構成を用いることによって、間引きを施し急峻性を高めたまま、減衰特性の改善が可能となる。
【0081】
図14および図15では、試作品A2と試作品B2、C2の比較を示した。図14および図15から明らかなように、試作品A2では通過域低周波側近傍の減衰特性と通過域の反射特性ともに良好なフィルタ特性を示しているのに対し、試作品B2、C2では、減衰特性・反射特性のいずれかが試作品A2と比べて劣っている。
【0082】
この理由としては、前述の実施の第一形態と同様なものが挙げられる。つまり、並列共振子において、反射特性を変化させる要因の一つに各共振子の反共振周波数の差があり、また減衰特性を変化させる要因の一つに各共振子の共振周波数の差があるため、試作品A2では共振周波数の差は電極ピッチの差で、反共振周波数の差は間引き率の差で最適化していることで、減衰特性・反射特性ともに良好な特性を得ることができることである。
【0083】
ここで、本実施の第二形態においてπ字型構造を適用し、真中の並列共振子212bを異ならせた理由は、等価的な容量が大きくなるからであり、実施の第一形態で述べた理由と容量の大小が異なるだけで根本は同じである。
【0084】
次に、並列共振子212bにおける、電極ピッチを小さくし、間引き率を大きくしたのは以下の理由による。真中の並列共振子212bは前述したように、入出力端子213b、213a側に接続された各並列共振子212a、212cよりも等価的な容量が大きいため、ワイヤやパッケージに寄生するインダクタンスの影響を受けやすくなる。
【0085】
これは、図20に示すように、同じ値のインダクタンスを直列接続したとき、容量の異なる共振子では容量が大きいほど共振周波数がより低周波側へ移行することによる。そのことで、入出力側と真中との各並列共振子における共振周波数の差が大きく広がり、通過域低周波側近傍の減衰特性は悪化する。その差を小さくして適切な値にするために、真中の並列共振子の電極ピッチを小さくして周波数を高めてやれば、減衰特性は改善する。
【0086】
しかし、その際、周波数を高くしたことによってインピーダンス特性のミスマッチが増大し反射特性が悪化するため、間引き率を大きくし反共振周波数を高周波側へ移行させることによって、ミスマッチを小さくし反射特性の改善がはかられる。
【0087】
よって、入出力端子213b、213a側に接続された各並列共振子212a、212c以外の、並列共振子における、電極ピッチを小さくし、間引き率を大きくすることが、最も本願の効果を発揮しやすくなる構成といえる。特に本実施の第二形態では、電極ピッチを0.991倍(より望ましくは、下限値が0.993倍、上限値が0.998倍)まで小さくし、間引き率を1.9倍(より好ましくは下限値が1.3倍、上限値が1.7倍)まで大きくする範囲で効果が顕著に現れた。
【0088】
以上のように、梯子型の弾性表面波フィルタにおいて、全ての並列共振子に間引きを施し、なおかつ少なくとも一つの並列共振子の電極ピッチを異ならせることによって、急峻性を高めたまま通過域低周波側近傍の減衰特性を改善することができる。
【0089】
また、加えて間引き率も異ならせることによって、通過域低周波側近傍の減衰特性と通過域の反射特性をバランス良く改善することができる。これにより、従来に比べて、反射特性が良く、低損失で、阻止抑圧度の高い(減衰特性に優れた)、小型の弾性表面波フィルタを提供することができる。
【0090】
さらに、そのときに入出力側が並列共振子で構成されるπ字型構造を適用し、入出力以外の並列共振子の間引き率と電極ピッチをともに異ならせることで、本願の効果がより強く発揮される。
【0091】
その上、そのときに電極ピッチを小さくし、間引き率を大きくすることで、本願の効果がさらに強く発揮される。
【0092】
なお、上記の実施の各形態では、共振子の全てに対して間引きを施しているが、一部の共振子に対してのみに間引きを施してもよい。ただし、全ての共振子に間引きを施す方が、より特性を改善し易い。
【0093】
本発明に係るDPXは、図21に示すように、ANT(アンテナ)に接続された整合回路52と、整合回路52と送信側端子(Tx)との間に設けられた送信側フィルタ53と、整合回路52と受信側端子(Rx)との間に設けられた受信側フィルタ54とを有している。送信側フィルタ53および受信側フィルタ54は、通過帯域が互いに相違するように設定されている。
【0094】
そして、送信側フィルタ53は、前記実施の第一形態に記載の試作品A1により形成されていることが好ましく、受信側フィルタ54は、実施の第二形態に記載の試作品A2により形成されていることが好ましい。送信側フィルタ53および受信側フィルタ54の少なくとも一方に、本発明の弾性表面波フィルタを用いることで、肩の切れがよい、良好なフィルタ特性を有するDPXとすることが可能となる。肩の切れがよいとは、通過帯域の上下端から、所定の減衰量まで落とすのに必要な周波数間隔が小さいことである。
【0095】
次に、上記実施の各形態に記載の弾性表面波フィルタを搭載した通信機について図22に基づき説明する。上記通信機600は、受信を行うレシーバ側(Rx側)として、アンテナ601、アンテナ共用部/RFTopフィルタ602、アンプ603、Rx段間フィルタ604、ミキサ605、1stIFフィルタ606、ミキサ607、2ndIFフィルタ608、1st+2ndローカルシンセサイザ611、TCXO(temperature compensated crystal oscillator(温度補償型水晶発振器))612、デバイダ613、ローカルフィルタ614を備えて構成されている。
【0096】
Rx段間フィルタ604からミキサ605へは、図22に二本線で示したように、バランス性を確保するために各平衡信号にて送信することが好ましい。
【0097】
また、上記通信機600は、送信を行うトランシーバ側(Tx側)として、上記アンテナ601及び上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ602を共用するとともに、TxIFフィルタ621、ミキサ622、Tx段間フィルタ623、アンプ624、カプラ625、アイソレータ626、APC(automatic power control (自動出力制御))627を備えて構成されている。
【0098】
そして、上記のRx段間フィルタ604、1stIFフィルタ606、TxIFフィルタ621、Tx段間フィルタ623には、上述した本実施の形態に記載の弾性表面波フィルタが好適に利用できる。
【0099】
本発明に係る弾性表面波フィルタは、通過域外の急峻な減衰特性を高く維持したまま通過域の反射特性を改善することができると共に、通過域近傍の各通過域外(高周波側と低周波側)の減衰特性と通過域の反射特性をバランス良く改善することができる。
【0100】
この結果、上記構成は、従来に比べて反射特性が良く低損失で、減衰特性に優れた弾性表面波フィルタを提供することができるので、上記弾性表面波フィルタを有する本発明の通信機は、伝送特性を向上できるものとなっている。
【0101】
【発明の効果】
本発明の弾性表面波フィルタは、以上のように、梯子型に配置された各一端子対弾性表面波共振子の内、直列共振子の少なくとも一つに間引きが施されており、前記直列共振子の少なくとも一つのIDT電極が、他の直列共振子のIDT電極と比べて、異なる電極ピッチを有する構成である。
【0102】
それゆえ、上記構成は、少なくとも一つの直列共振子のIDT電極の電極ピッチを他の直列共振子と異ならせることによって、通過域外の急峻な減衰特性を高く維持(跳ね上がりを抑制)した状態にて、通過域の反射特性を改善することができる。
【0103】
また、上記構成では、加えて、直列共振子の少なくとも一つに間引きが施されていることによって、通過域近傍の通過域外(特に高周波側)の減衰特性と通過域の反射特性をバランス良く改善することができる。
【0104】
この結果、上記構成は、従来に比べて反射特性が良く低損失で、減衰特性に優れた弾性表面波フィルタを提供することができるという効果を奏する。
【0105】
本発明の他の弾性表面波フィルタは、以上のように、梯子型に配置された各一端子対弾性表面波共振子の内、並列共振子の少なくとも一つに間引きが施されており、前記並列共振子の少なくとも一つのIDT電極が、他の並列共振子のIDT電極と比べて、異なる電極ピッチを有する構成である。
【0106】
それゆえ、上記構成は、少なくとも一つの並列共振子のIDT電極の電極ピッチを他の並列共振子と異ならせることによって、通過域外の急峻な減衰特性を高く維持(跳ね上がりを抑制)した状態にて、通過域の反射特性を改善することができる。
【0107】
また、上記構成では、加えて、並列共振子の少なくとも一つに間引きが施されていることによって、通過域近傍の通過域外(特に低周波側)の減衰特性と通過域の反射特性をバランス良く改善することができる。
【0108】
この結果、上記構成は、従来に比べて反射特性が良く低損失で、減衰特性に優れた弾性表面波フィルタを提供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一形態に係る弾性表面波フィルタの回路図である。
【図2】上記弾性表面波フィルタの概略構成図である。
【図3】上記弾性表面波フィルタをパッケージに収納した断面図である。
【図4】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A1、B1、C1における、挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図5】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A1、B1、C1における、S11のVSWRの周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図6】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A1、D1における、挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図7】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A1、D1における、S11のVSWRの周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図8】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品B1、C1、E1における、挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図9】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品B1、C1、E1における、S11のVSWRの周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図10】比較例における、各共振子のミスマッチの様子を示すための、各共振子における、インピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【図11】上記実施の第一形態における、各共振子のミスマッチを低減した場合の、各共振子における、インピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【図12】本発明の実施の第二態に係る弾性表面波フィルタの回路図である。
【図13】上記弾性表面波フィルタの概略構成図である。
【図14】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A2、B2、C2における、挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図15】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A2、B2、C2における、S11のVSWRの周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図16】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A2、D2における、挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図17】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品A2、D2における、S11のVSWRの周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図18】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品B2、C2、E2における、挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図19】上記弾性表面波フィルタに係る各試作品B2、C2、E2における、S11のVSWRの周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図20】比較例における、各共振子のミスマッチの様子を示すための、各共振子における、インピーダンスの周波数特性を示すグラフである。
【図21】本発明の弾性表面波フィルタを搭載した分波器の回路ブロック図である。
【図22】本発明の弾性表面波フィルタを搭載した通信機の回路ブロック図である。
【図23】従来の弾性表面波フィルタにおける、挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【図24】従来の弾性表面波フィルタにおける、間引き電極の一例を示すIDTの概略構成図である。
【図25】従来の弾性表面波フィルタにおける、間引き電極の他の例を示すIDTの概略構成図である。
【図26】従来の弾性表面波フィルタにおいて、間引きによる、インピーダンスの周波数特性の変化例を示すグラフである。
【図27】従来の弾性表面波フィルタおいて、間引き率をそれぞれ代えたときの挿入損失の周波数特性をそれぞれ示すグラフである。
【符号の説明】
111a〜111c 直列共振子
112a、112b 並列共振子
113a 入力端子
113b 出力端子
Claims (6)
- 圧電性基板上に形成された各くし型電極を組み合わせてなる一端子対弾性表面波共振子が、複数、梯子型に配置されている弾性表面波フィルタであって、
入出力側に接続される一端子対弾性表面波共振子は直列共振子であるT字型構成が梯子型として用いられ、
前記直列共振子の全てに間引きが施されており、かつ入出力側以外に接続される直列共振子が入出力側に接続された直列共振子と比べて、電極ピッチを小さくするとともに間引き率を大きくしたことを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 圧電性基板上に形成された各くし型電極を組み合わせてなる一端子対弾性表面波共振子が、複数、梯子型に配置されている弾性表面波フィルタであって、
入出力側に接続される一端子対弾性表面波共振子は並列共振子であるπ字型構成が梯子型として用いられ、
前記並列共振子の全てに間引きが施されており、かつ入出力側以外に接続される並列共振子が入出力側に接続された並列共振子と比べて、電極ピッチを小さくするとともに間引き率を大きくしたことを特徴とする弾性表面波フィルタ。 - 通過域の高周波側近傍における通過域外の減衰量を必要とする送信用フィルタであることを特徴とする請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
- 通過域の低周波側近傍における通過域外の減衰量を必要とする受信用フィルタであることを特徴とする請求項2に記載の弾性表面波フィルタ。
- 請求項1ないし4の何れか1項に記載の弾性表面波フィルタを搭載したことを特徴とする、分波器。
- 請求項1ないし4の何れか1項に記載の弾性表面波フィルタを搭載したことを特徴とする、通信機。
Priority Applications (7)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178235A JP3896907B2 (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 弾性表面波フィルタ、分波器、通信機 |
KR1020030039400A KR100567965B1 (ko) | 2002-06-19 | 2003-06-18 | 탄성 표면파 필터, 분파기, 통신기 |
CNB03145125XA CN1253042C (zh) | 2002-06-19 | 2003-06-18 | 弹性表面波滤波器、分波器及通信机 |
US10/464,653 US6933803B2 (en) | 2002-06-19 | 2003-06-19 | Surface acoustic wave filter, branching filter, and communication apparatus |
AT03291499T ATE535056T1 (de) | 2002-06-19 | 2003-06-19 | Akustischer oberflächenwellenfilter, abzweigfilter und kommunikationsvorrichtung |
EP03291499A EP1376865B1 (en) | 2002-06-19 | 2003-06-19 | Surface acoustic wave filter, branching filter, and communications apparatus |
KR1020060019287A KR100688885B1 (ko) | 2002-06-19 | 2006-02-28 | 탄성 표면파 필터, 분파기, 통신기 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002178235A JP3896907B2 (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 弾性表面波フィルタ、分波器、通信機 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004023611A JP2004023611A (ja) | 2004-01-22 |
JP3896907B2 true JP3896907B2 (ja) | 2007-03-22 |
Family
ID=29717477
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002178235A Expired - Lifetime JP3896907B2 (ja) | 2002-06-19 | 2002-06-19 | 弾性表面波フィルタ、分波器、通信機 |
Country Status (6)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6933803B2 (ja) |
EP (1) | EP1376865B1 (ja) |
JP (1) | JP3896907B2 (ja) |
KR (2) | KR100567965B1 (ja) |
CN (1) | CN1253042C (ja) |
AT (1) | ATE535056T1 (ja) |
Families Citing this family (12)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CA2743265A1 (en) * | 2008-10-31 | 2010-05-06 | Nortel Networks Limited | Self-matched band reject filter |
US8723620B2 (en) | 2009-04-23 | 2014-05-13 | Panasonic Corporation | Antenna sharer with a ladder filter |
US8704612B2 (en) | 2009-05-14 | 2014-04-22 | Panasonic Corporation | Antenna sharing device |
JP2011038730A (ja) * | 2009-08-12 | 2011-02-24 | Toshiba Corp | 飛しょう体誘導装置 |
JP5182459B2 (ja) * | 2011-06-23 | 2013-04-17 | パナソニック株式会社 | ラダー型弾性波フィルタ及びこれを用いたアンテナ共用器 |
US9325294B2 (en) * | 2013-03-15 | 2016-04-26 | Resonant Inc. | Microwave acoustic wave filters |
JP6310360B2 (ja) * | 2014-08-13 | 2018-04-11 | 太陽誘電株式会社 | 弾性波デバイス |
JP6481758B2 (ja) * | 2015-06-24 | 2019-03-13 | 株式会社村田製作所 | 弾性波フィルタ、マルチプレクサ、デュプレクサ、高周波フロントエンド回路、および通信装置 |
CN108713290B (zh) * | 2016-02-29 | 2022-04-15 | 株式会社村田制作所 | 带阻滤波器以及复合滤波器 |
WO2019111902A1 (ja) * | 2017-12-06 | 2019-06-13 | 株式会社村田製作所 | マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路および通信装置 |
JP2020123819A (ja) | 2019-01-30 | 2020-08-13 | 株式会社村田製作所 | 弾性波フィルタ |
WO2021045031A1 (ja) * | 2019-09-02 | 2021-03-11 | 株式会社村田製作所 | 弾性波フィルタ |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH01314008A (ja) * | 1988-06-13 | 1989-12-19 | Ngk Spark Plug Co Ltd | 梯子型圧電フィルタ |
JP2800905B2 (ja) | 1991-10-28 | 1998-09-21 | 富士通株式会社 | 弾性表面波フィルタ |
DE69323163T2 (de) * | 1992-12-01 | 1999-06-02 | Japan Radio Co. Ltd., Mitaka, Tokio/Tokyo | Akustischer Oberflächenwellenfilter und mobiles Kommunikationssystem mit solchem Filter |
JP3243976B2 (ja) * | 1995-08-14 | 2002-01-07 | 株式会社村田製作所 | 弾性表面波フィルタ |
JPH09153753A (ja) | 1995-11-28 | 1997-06-10 | Hitachi Ltd | 弾性表面波装置およびそれを用いたアンテナ分波器 |
DE19638451A1 (de) | 1996-09-19 | 1998-04-02 | Siemens Matsushita Components | Reaktanzfilter mit OFW-Resonatoren |
JPH10242799A (ja) * | 1997-02-26 | 1998-09-11 | Kyocera Corp | 弾性表面波フィルタ |
JP3576350B2 (ja) * | 1997-04-23 | 2004-10-13 | 沖電気工業株式会社 | 弾性表面波フィルタ |
JPH11163664A (ja) * | 1997-11-28 | 1999-06-18 | Kyocera Corp | 弾性表面波フィルタ |
JP3228223B2 (ja) * | 1998-05-26 | 2001-11-12 | 株式会社村田製作所 | 弾性表面波フィルタ |
JP3387469B2 (ja) * | 2000-01-18 | 2003-03-17 | 株式会社村田製作所 | 弾性表面波装置及び弾性表面波フィルタ |
-
2002
- 2002-06-19 JP JP2002178235A patent/JP3896907B2/ja not_active Expired - Lifetime
-
2003
- 2003-06-18 KR KR1020030039400A patent/KR100567965B1/ko active IP Right Grant
- 2003-06-18 CN CNB03145125XA patent/CN1253042C/zh not_active Expired - Lifetime
- 2003-06-19 US US10/464,653 patent/US6933803B2/en not_active Expired - Lifetime
- 2003-06-19 AT AT03291499T patent/ATE535056T1/de active
- 2003-06-19 EP EP03291499A patent/EP1376865B1/en not_active Expired - Lifetime
-
2006
- 2006-02-28 KR KR1020060019287A patent/KR100688885B1/ko active IP Right Grant
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR100688885B1 (ko) | 2007-03-02 |
EP1376865A3 (en) | 2006-08-02 |
EP1376865B1 (en) | 2011-11-23 |
US6933803B2 (en) | 2005-08-23 |
KR20030097668A (ko) | 2003-12-31 |
KR20060026931A (ko) | 2006-03-24 |
ATE535056T1 (de) | 2011-12-15 |
EP1376865A2 (en) | 2004-01-02 |
US20040027213A1 (en) | 2004-02-12 |
JP2004023611A (ja) | 2004-01-22 |
CN1474625A (zh) | 2004-02-11 |
KR100567965B1 (ko) | 2006-04-07 |
CN1253042C (zh) | 2006-04-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US9294071B2 (en) | Antenna duplexer | |
US6900577B2 (en) | Surface acoustic wave device and communication apparatus | |
US8723620B2 (en) | Antenna sharer with a ladder filter | |
KR100434609B1 (ko) | 탄성표면파 필터장치 | |
US7042132B2 (en) | Transducer structure that operates with acoustic waves | |
KR100688885B1 (ko) | 탄성 표면파 필터, 분파기, 통신기 | |
US7532090B2 (en) | Acoustic wave filter device and duplexer | |
JP3846409B2 (ja) | 弾性表面波装置、通信装置 | |
EP1503498B1 (en) | Surface acoustic wave device and communications apparatus | |
US7378923B2 (en) | Balanced SAW filter | |
JP3873802B2 (ja) | 弾性表面波フィルタ | |
US20220140809A1 (en) | Acoustic wave filter and multiplexer | |
US8106725B2 (en) | Acoustic wave filter device | |
US20200144982A1 (en) | Compensation structures for radio frequency filtering devices | |
JP3743341B2 (ja) | 弾性表面波装置 | |
JPWO2004112246A1 (ja) | 弾性表面波分波器 | |
JP2004048675A (ja) | 弾性表面波装置及びそれを有する通信装置 | |
JP2004096250A (ja) | 弾性表面波フィルタ、通信装置 | |
JP3757893B2 (ja) | 弾性表面波装置、および、これを搭載した通信装置 | |
JP3709872B2 (ja) | 弾性表面波装置、通信装置 | |
KR20210011330A (ko) | 필터 및 멀티플렉서 | |
JP2004194027A (ja) | 弾性表面波装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050613 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20051220 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060217 |
|
RD02 | Notification of acceptance of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422 Effective date: 20060217 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060627 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060823 |
|
A911 | Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20060914 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061128 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061211 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 3896907 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110105 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120105 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130105 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140105 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |