JP3896797B2 - 車両用制振装置 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は、車両の振動部材に装着されて振動部材の振動を低減する車両用制振装置に係り、例えば、自動車のサスペンション部材やサブフレーム,ボデーパネル,エンジンユニット,マウントブラケット,排気系部材等の振動部材に適用されることにより有効な制振効果を発揮し得る、新規な構造の車両用制振装置に関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来から、自動車等の車両において問題となる振動を低減する手法としては、▲1▼振動部材にマス材を固設するマスダンパや、▲2▼振動部材にバネ材を介してマス材を連結支持せしめるダイナミックダンパ、更に、▲3▼振動部材の表面にシート状弾性材を貼着した制振材が、知られている。ところが、上記▲1▼マスダンパと▲2▼ダイナミックダンパは、何れも、大きなマス材の質量が必要になることに加えて、有効な制振効果の発揮される周波数域が狭いという問題があった。また、上記▲3▼制振材は、広い貼着面積が必要になると共に、重量が嵩むという問題があった。更に、上記▲2▼ダイナミックダンパと▲3▼制振材は、制振効果の温度依存性が高いために、目的とする制振効果を安定して得ることが難しいという問題もあったのである。
【0003】
そこで、本出願人は、先に、国際公開WO00/14429号公報において、振動部材に固定されるハウジングに対して、隙間を隔てて非接着で相対変位可能に独立マス部材を配設せしめて、振動入力時に、かかる独立マス部材を、ハウジングに対して弾性的な当接面で当接させることにより、当接時における滑り摩擦と衝突によるエネルギ損失を利用して制振効果を得るようにした、新規な構造の車両用制振装置を提案した。このような構造の車両用制振装置においては、小さなマス質量により、広い周波数域に亘る振動に対して有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0004】
ところで、本発明者等が更なる検討を加えた結果、かかる国際公開WO00/14429号公報に記載された車両用制振装置においては、独立マス部材の質量や、独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材のばね剛性を調節することによって、振動部材における特定周波数域の振動に対する制振効果が顕著に向上され得ることが確認された。なお、このような現象は、制振効果の周波数特性等を検討したところ、独立マス部材の振動部材に対する打ち当りを伴う相対変位が、共振的作用を発揮することに基づくものであろうと推考される。
【0005】
ところが、独立マス部材の共振的作用に基づく防振効果が発揮される周波数域を、防振すべき振動周波数域にチューニングするに際しては、独立マス部材の大きさが配設スペース等の条件で制限されることが多く、また、独立マス部材と振動部材の当接部を構成する弾性材のばね剛性の低下が耐久性等の条件で制限されることが多いことから、チューニングの幅が制限されてしまうという問題があった。特に、独立マス部材における大きな質量や、当接部を構成する弾性材における低ばね定数が要求される低周波数域に防振すべき振動周波数が存在する場合には、防振すべき振動周波数域へのチューニングが困難であり、十分な制振効果を得ることが難しかったのである。
【0006】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、上述の如き事情を背景として為されたものであって、その解決課題とするところは、独立マス部材と振動部材の当接部における耐久性を十分に確保しつつ、該当接部のばね剛性を小さく設定することを可能とし、それによって、独立マス部材の振動部材への当接に基づいて発揮される制振効果を、特に低周波数域まで容易にチューニングすることの出来る、新規な構造の車両用制振装置を提供することにある。
【0007】
【解決手段】
以下、このような課題を解決するために為された本発明の態様を記載する。なお、以下に記載の各態様において採用される構成要素は、可能な限り任意の組み合わせで採用可能である。また、本発明の態様乃至は技術的特徴は、以下に記載のものに限定されることなく、明細書全体および図面に記載され、或いはそれらの記載から当業者が把握することの出来る発明思想に基づいて認識されるものであることが理解されるべきである。
【0008】
すなわち、本発明の第一の態様は、振振動部材に対して、マス部材を非接着で独立変位可能に配設して、該マス部材が該振動部材に対して直接的且つ弾性的に当接せしめられるようにした車両用制振装置において、前記振動部材をロッド状とすると共に、前記マス部材を筒状乃至は環状として、該マス部材を該振動部材の外周側に所定距離を隔てて外挿すると共に、該マス部材に対して軸直角方向に貫通する貫通孔を複数形成し、それら各貫通孔に弾性材を充填固着して、該貫通孔における該マス部材の内周側の開口部から該弾性材を内方に突出させて該マス部材の該振動部材に対する軸直角方向の当接部を形成する一方、それら各貫通孔における該マス部材の外周側の開口部では該弾性材を自由表面として弾性変形を許容して、該振動部材に対する軸直角方向での当接によって該弾性材が剪断変形せしめられるようにし、且つ、該マス部材を該振動部材に対して同一中心軸上に位置せしめた状態下において該弾性材で形成された該当接部の内周面と該ロッド状振動部材の外周面との間に全周に亘って連続した隙間が存在するようにしたことにある。
【0009】
このような本態様に従う構造とされた車両用制振装置においては、マス部材を筒状乃至は環状とすると共に、振動部材をロッド形状としたことによって、振動部材において、マス部材に対する当接部を簡単な構造で容易に形成することが可能となる。特に、本態様は、防振すべき振動部材そのものがロッド形状とされている場合において有利に採用され得ることとなり、それによって、マス部材を収容せしめるハウジング等を特別に形成する必要がなく、目的とする制振装置が、簡単な構造で実現可能となる。なお、振動部材は中実形状であっても良いし、中空形状であっても良い。また、振動部材の外形断面形状は、特に限定されるものではなく、例えば、円形や楕円形、多角形等であっても良い。
【0010】
しかも、本態様に従う構造とされた車両用制振装置においては、振動部材の振動によってマス部材が変位せしめられて振動部材に打ち当たった際、それらマス部材の振動部材に対する当接部を構成する弾性材に対して剪断変形が生ぜしめられることとなるのであり、それ故、弾性材が圧縮変形せしめられる場合に比して、かかる弾性材の材質を特別に変更しなくても、マス部材の振動部材に対する当接部におけるばね定数を小さく設定することが出来る。
【0011】
従って、マス部材の大形化や弾性材の耐久性の低下を軽減乃至は回避しつつ、マス部材の振動部材に対する打ち当りを伴う相対変位が、低周波数域で共振的作用を持つようにチューニングすることが可能となるのであり、それによって、自動車で一般に問題となる10Hz程度〜100Hz前後の低周波数域の振動に対して、有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0012】
具体的には、本発明に従う構造とされた車両用制振装置においては、マス部材の振動部材に対する当接部が、剪断方向に弾性変形せしめられるようにされていることから、低周波数域の小さなエネルギの振動入力時においても、マス部材の振動部材に対する打ち当たり(当接)に際して生ぜしめられる共振的作用に基づいて、振動部材に対するマス部材の振幅倍率を1以上とすることが可能となる。それ故、振動入力時にマス部材が振動部材に対して効率的に飛び跳ね変位せしめられることとなり、例えば、振動部材において防振すべき振動の加速度が1G(重力加速度)以下の場合でも、マス部材を振動部材に対して飛び上がらせて飛び跳ね変位させることが可能となることから、マス部材の振動部材への打ち当り(当接)に基づいて発揮される制振効果を、自動車における振動のように小さなエネルギの振動に対しても、有利に得ることが可能となるのである。
【0013】
なお、本態様において、マス部材の材質は、特に限定されるものでないが、コンパクトなサイズでマス部材の質量を有利に確保するために、鉄鋼等の金属材が好適に採用される。また、マス部材の振動部材に対する当接部を構成する弾性材としては、ゴム弾性体やエラストマ、或いはそれらの発泡体などが好適に採用される。
【0014】
また、本態様に係る車両用制振装置においては、マス部材の振動部材に対する相対変位が安定して生ぜしめられるように、マス部材の周方向で適当な長さをもって、或いはマス部材の周上の複数箇所に、貫通孔を形成することが望ましい。更に、貫通孔に弾性材を配設する際には、マス部材の振動部材に対する相対変位が安定して生ぜしめられるように、マス部材のハウジングに対する当接部が軸方向両端部付近にあるのが望ましい。
【0015】
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様に従う構造とされた車両用制振装置において、前記振動部材に対して、前記当接部を備えた前記マス部材を、互いに独立して複数外挿すると共に、それら複数のマス部材の質量と当接部における軸直角方向のばね定数の少なくとも一方を互いに異ならせたことを、特徴とする。このような本態様に従えば、各マス部材の振動部材に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが出来るのであり、それによって、例えば自動車で問題となり易いシェイクとアイドリング振動、或いは走行こもり音等、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、それぞれ、マス部材の振動部材に対する当接作用に基づく制振効果を、一層有効に得ることが可能となるのである。
【0018】
また、本発明においては、振動部材に対するマス部材の相対変位を軸方向で制限するストッパ手段を設けることが望ましく、それによって、マス部材の軸直角方向での相対変位を許容しつつ、マス部材の軸方向の位置ずれが防止されるようになり、マス部材の振動部材への当接作用に基づく制振効果が、有効に発揮されるのである。
【0019】
また、本発明においては、マス部材における単体の質量を10〜1000gに設定することが望ましく、より好適には50〜500gに設定される。即ち、マス部材単体の質量を1000g以下、より好ましくは500g以下とすることにより、振動入力時におけるマス部材の飛び跳ね変位が容易乃至は効率的に生ぜしめられることとなり、10g以上、より好ましくは50g以上とすることにより、マス部材の振動部材に対する当接に基づいてより有効な制振効果を得ることが出来る。
【0020】
さらに、本発明においては、マス部材が振動部材に対して振動入力方向の両側でそれぞれ当接せしめられるようにされると共に、かかる振動入力方向両側での当接部間における該マス部材の往復可動距離が、振動入力方向で好ましくは0.1〜1.6mm、より好ましくは0.1〜1.0mmとされる。このような微小可動範囲を設定することにより、振幅が小さい自動車の振動に対しても、マス部材が振動入力方向の両側で振動部材に当接せしめられ易くなり、より優れた制振効果を得ることが可能となる。
【0021】
また、本発明においては、マス部材の振動部材に対する当接部の全体を、当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材で構成する必要はなく、少なくとも制振すべき振動が低周波数域である振動入力方向での主たる当接部が、当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材で構成されていれば良いが、それ以外の当接部においても、マス部材と振動部材の少なくとも一方の当接部は、当接音の軽減と制振効果を有利に得るために、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40に設定されることが望ましい。また、マス部材と振動部材の当接部は、当接音の軽減と制振効果の向上のために、圧縮弾性率が好ましくは、1〜104 MPa、より好ましくは、1〜103 MPaで、損失正接(tanδ)が好ましくは、10-3以上、より好ましくは0.01〜10とされる。
【0022】
更にまた、本発明においては、マス部材の質量は、振動部材の質量の5〜10%となるように設定されることが望ましい。蓋し、かかるマス部材の質量が振動部材の質量の5%に満たないと有効な制振効果を得ることが難しい場合があり、一方、10%を超えると装置全体の重量化が問題となるからである。なお、複数個の車両用制振装置を振動部材に装着する場合には、全てのマス部材の合計質量が、振動部材の質量の5〜10%となるように設定することが望ましい。
【0023】
【発明の実施形態】
以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
【0024】
先ず、図1には、本発明の第一の実施形態としての制振装置10が示されている。この制振装置10は、振動部材としてのロッド形状を有するサスペンション部材等のアーム12に対して、全体として厚肉円筒形状を有するマス部材14が外挿された構造とされている。なお、以下の説明において、上下方向とは、図中の上下方向をいうものとし、本実施形態では、鉛直方向とされている。
【0025】
より詳細には、アーム12は、円形断面を有する中実のロッド形状とされている。また、マス部材14は、金属等によって形成された厚肉円筒形状を有するマス金具16を備えており、マス金具16の軸方向両側には、筒状当接部としての当接ゴム弾性体18,18が設けられている。
【0026】
このマス金具16は、アーム12の外径寸法よりも大きな内径寸法を有している。また、当接ゴム弾性体18,18は、軸方向外方に行くに従って次第に小径化するテーパ筒形状のテーパ部20,20と、かかるテーパ部20,20の軸方向外方端部から、更に軸方向外方に向って略一定の内外径寸法で延び出す円筒形状の延長筒部22,22が一体形成された構造とされている。そして、これらテーパ部20,20の軸方向内方端面が、それぞれ、マス金具16の軸方向両端面に加硫接着されており、それによって、当接ゴム弾性体18,18がマス金具16から軸方向外方に延び出すようになっていると共に、当接ゴム弾性体18,18における延長筒部22,22がマス金具16よりも軸直角方向内方に位置せしめられている。なお、マス金具16の内外周面は、当接ゴム弾性体18,18から延び出す被覆ゴム層によって被覆されていることが望ましい。
【0027】
また、本実施形態において、当接ゴム弾性体18,18の材質としては、ASTM規格D2240のショアD硬さが、好ましくは80以下、より好ましくは20〜40であるものが、好適に採用される。具体的には、天然ゴムやスチレンブタジエンゴム,イソプレンゴム,アクリロニトリルブタジエンゴム,クロロプレンゴム,ブチルゴム等の従来から公知の各種ゴム材料を、単体で、或いはブレンドして加硫することによって得られたゴム弾性体が、使用条件等に応じて選択的に採用され得る。
【0028】
そして、マス部材14が、アーム12に外挿されることにより、マス部材14がアーム12によって挿通支持されているのである。ここにおいて、本実施形態では、マス部材14の内径寸法、即ち、当接ゴム弾性体18,18における延長筒部22,22の内径寸法が、アーム12の外径寸法よりも僅かに大きくされており、それによって、マス部材14がアーム12に支持された状態下において、マス部材14はアーム12の軸直角方向に対して僅かな変位が許容されるようになっている。
【0029】
また、アーム12には、マス部材14を挟んだ軸方向両側に位置して、ストッパ手段としての一対の円環形状のストッパ金具24,24が圧入固定されており、マス部材14の軸方向長さよりも所定量だけ大きな軸方向の離隔距離を隔てて対向位置せしめられている。これらストッパ金具24,24は、マス部材14の内径寸法、即ち、当接ゴム弾性体18における延長筒部22の内径寸法よりも大きな外径寸法を有している。そして、当接ゴム弾性体18の延長筒部22,22の軸方向外方端部が、ストッパ金具24,24に当接せしめられることにより、マス部材14の軸直角方向への自由変位を許容しつつ、マス部材14の軸方向の位置ずれが防止されるようになっている。
【0030】
そして、アーム12とマス部材14を同一中心軸上に位置せしめた状態下において、アーム12の外周面とマス部材14の内周面、即ち、当接ゴム弾性体18,18における延長筒部22,22の内周面との間には、全周に亘って連続した隙間:δが形成されるようになっている。特に、本実施形態では、かかる隙間:δの大きさが、好ましくは0.05〜0.8mm、より好ましくは0.05〜0.5mmとされている。それによって、マス部材14のアーム12に対する軸直角方向での往復可動距離(2δ)が、好ましくは0.1〜1.6mm、より好ましくは0.1〜1.0mmとされているのである。なお、図1では、理解を容易とするために、マス部材14とアーム12を同一中心軸上に位置せしめた状態が示されており、マス部材14がアーム12に装着された状態下では、マス部材14が重力の作用によって、隙間:δだけ鉛直下方に変位してアーム12に当接支持せしめられた状態とされる。
【0031】
このような構造とされた制振装置10においては、アーム12に軸直角方向の振動が及ぼされると、アーム12に外挿されたマス部材14が軸直角方向に飛び跳ね変位せしめられて、マス部材14の当接ゴム弾性体18,18における延長筒部22,22が、アーム12の外周面に対して打ち当たり(当接)せしめられるのであり、かかる延長筒部22,22のアーム12への打ち当たり(当接)に基づいて、アーム12に対して制振効果が発揮されるのである。
【0032】
そこにおいて、本実施形態の制振装置10においては、当接ゴム弾性体18,18はマス金具16の軸方向両端部から軸方向外方に延び出していると共に、マス部材14は、マス金具16よりも軸直角方向内方に位置せしめられた延長筒部22,22において、アーム12に対して当接せしめられることから、マス部材14がアーム12に当接せしめられる際に、軸方向で離隔位置せしめられたマス金具16と延長筒部22,22の間で剪断方向の外力が及ぼされることとなり、当接ゴム弾性体18,18のテーパ部20,20が、主として剪断方向に弾性変形せしめられることとなる。
【0033】
従って、マス部材14のアーム12への当接時には、当接ゴム弾性体18,18のテーパ部20,20の剪断変形に基づいて、低動ばね特性が発揮されるのであり、それによって、マス部材14のアーム12への打ち当たり(当接)によって発揮される制振効果における共振作用的なピーク領域が、低周波数域に有利に設定可能となるのであり、低周波数域の振動に対しても有効な制振効果を得ることが出来るのである。
【0034】
また、本実施形態の制振装置10においては、マス部材14の当接ゴム弾性体18,18におけるテーパ部20,20が、剪断方向に弾性変形せしめられるようにされていることから、低周波数域の小さなエネルギの振動入力時においても、マス部材14のアーム12に対する打ち当たり(当接)に際して生ぜしめられる共振的作用に基づいて、アーム12に対するマス部材14の振幅倍率を1以上とすることが可能となる。それ故、振動入力時にマス部材14がアーム12に対して効率的に飛び跳ね変位せしめられることとなり、例えば、アーム12において防振すべき振動の加速度が1G(重力加速度)以下の場合でも、マス部材14をアーム12に対して飛び上がらせて飛び跳ね変位させることが可能となることから、マス部材14のアーム12への打ち当り(当接)に基づいて発揮される制振効果を、自動車における振動のように小さなエネルギの振動に対しても、有利に得ることが可能となるのである。
【0035】
また、このような制振装置10においては、制振すべき振動が低周波数域にある場合でも、マス部材14の当接部の低動ばね特性化によって、共振作用的な制振効果が発揮される周波数域を低周波側にチューニングすることが出来ることから、マス金具16の質量の増大が回避されて、制振装置のコンパクト化が図られ得るのである。
【0036】
また、本実施形態の制振装置10においては、制振対象であるアーム12自体を利用して、マス部材14が当接せしめられる振動部材が構成されていることから、特別なハウジングを形成する必要がなく、全体のサイズがコンパクトであると共に、構造が簡単で製作性に優れているという利点がある。
【0037】
また、本実施形態においては、マス部材14の軸方向両端部分に設けられた当接ゴム弾性体18,18によってアーム12に当接されるようになっていることから、マス部材14のアーム12に対する当接状態が安定化され得るのである。
【0038】
また、本実施形態の制振装置10は、マス金具16の質量の変更の他,当接ゴム弾性体18,18の材質の変更,当接ゴム弾性体18,18におけるテーパ部20,20の傾斜角度の変更や当接ゴム弾性体18,18におけるテーパ部20,20の自由長長さの変更,当接ゴム弾性体18,18の径方向の厚さ寸法の変更,当接ゴム弾性体18,18のテーパ部20,20の傾斜角を互いに異ならせること等によって、共振作用的制振効果が発揮される周波数域を調節することが可能であることから、大きなチューニング自由度が実現され得るのである。
【0039】
また、図2には、本発明の第二の実施形態としての制振装置26が示されている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、それぞれ、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0040】
すなわち、本実施形態の制振装置26は、第一の実施形態の制振装置(10)に比して、複数個(本実施形態では2個)のマス部材14a,14bが採用されている。
【0041】
より詳細には、マス部材14aのマス金具16aは、マス部材14bのマス金具16bよりも厚肉とされていると共に、両マス金具16a,16bの軸方向長さは略同じとされている。ここにおいて、本実施形態では、2つのマス金具16a,16bは、同じ材質によって形成されており、それによって、2つのマス金具16a,16bの質量が互いに異なるように設定されている。なお、マス部材14aの当接ゴム弾性体18a,18aとマス部材14bの当接ゴム弾性体18b,18bの材質および形状,寸法は、互いに同じとされている。
【0042】
そして、アーム12と2つのマス部材14a,14bを同一中心軸上に位置せしめた状態下において、アーム12の外周面と2つのマス部材14a,14bの内周面との間には、全周に亘って連続した隙間:δが形成されるようになっている。なお、本実施形態では、かかる隙間:δの大きさは、前記第一の実施形態と同様に設定されている。
【0043】
このような構造とされた本実施形態の制振装置26も、第一の実施形態の制振装置(10)と同様に、防振すべき上下方向の振動が入力されると、アーム12に外挿配置された2つのマス部材14a,14bが、アーム12から独立して飛び跳ね変位せしめられて、アーム12に対して打ち当たり(当接)することとなり、本実施形態の制振装置26においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0044】
ここにおいて、本実施形態では、2つのマス部材14a,14bに採用されているマス金具16a,16bの質量が互いに異なるように設定されていることから、2つのマス部材14a,14bのアーム12に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、有利にチューニングすることが出来るのであり、それによって、例えば自動車で問題となり易いシェイクとアイドリング振動、或いは走行こもり音など、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、2つのマス部材14a,14bのアーム12に対する打ち当たり(当接)に基づく制振効果を、それぞれ有効に得ることが可能となるのである。なお、本実施形態では、マス部材14aの方が、マス部材14bに比して、より低周波数域で共振的作用を持つようにチューニングされている。
【0045】
また、図3には、本発明の第三の実施形態としての制振装置28が示されている。なお、以下の説明において、第二の実施形態と同様な部材および部位については、図中に、第二の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0046】
すなわち、本実施形態の制振装置28は、第二の実施形態の制振装置(26)に比して、一つのマス部材30が質量の異なる2つのマス金具16a,16bを備えている。
【0047】
より詳細には、本実施形態のマス部材30は、前記第二の実施形態の制振装置(26)で採用されていた2つのマス部材(14a,14b)が、軸方向で対向位置する当接ゴム弾性体(18a,18b)の延長筒部(22a,22b)において、相互に連続とされて一体形成された構造を有している。即ち、本実施形態のマス部材30は、2つのマス金具16a,16bが連結ゴム弾性体32によって弾性的に連結されていると共に、2つのマス金具16a,16bの軸方向外方には、当接ゴム弾性体18,18が設けられた構造とされている。この連結ゴム弾性体32は、略一定の内外径寸法で軸方向に直線的に延びる筒状部34の両端部分に、それぞれ、軸方向外方に行くに従って次第に大径化するテーパ部36,36が一体形成された構造とされており、テーパ部36,36の軸方向外方端面が、マス金具16a,16bの軸方向対向面に対して、それぞれ、加硫接着されている。それによって、2つのマス金具16a,16bが、連結ゴム弾性体32を介して、同一中心軸上で直列的に配設されていると共に、当接ゴム弾性体18,18の延長筒部22,22と連結ゴム弾性体32の筒状部34が、マス金具16a、16bよりも軸直角方向内方に位置せしめられている。なお、延長筒部22,22と筒状部34の内径寸法は互いに同じとされている。そして、マス部材30は、延長筒部22,22と筒状部34でアーム12に対して当接せしめられるようになっている。また、本実施形態では、当接ゴム弾性体18,18と連結ゴム弾性体32は、同じ材質によって形成されており、その材質としては、前記第一の実施形態としての当接ゴム弾性体(18)と同様な材質が、好適に採用される。
【0048】
そして、アーム12とマス部材30を同一中心軸上に位置せしめた状態下において、アーム12の外周面とマス部材30の内周面との間には、全周に亘って連続した隙間:δが形成されるようになっている。なお、本実施形態では、かかる隙間:δの大きさは、前記第一の実施形態と同様に設定されている。
【0049】
このような構造とされた本実施形態の制振装置28も、第一の実施形態の制振装置(10)と同様に、防振すべき上下方向の振動が入力されると、アーム12に外挿配置されたマス部材30が、アーム12から独立して飛び跳ね変位せしめられて、アーム12に対して打ち当たり(当接)することとなる。
【0050】
そこにおいて、本実施形態の制振装置28においては、当接ゴム弾性体18,18がマス金具16a,16bの軸方向外方端部から軸方向外方に延び出していると共に、マス金具16a,16bが連結ゴム弾性体00によって相互に弾性的に連結されており、マス金具16a,16bよりも軸直角方向内方に位置せしめられた当接ゴム弾性体18,18における延長筒部22,22と連結ゴム弾性体32の筒状部34において、アーム12に対して当接せしめられることから、マス部材14がアーム12に当接せしめられる際に、軸方向で離隔位置せしめられたマス金具16a,16bと延長筒部22,22と筒状部34の間で剪断方向の外力が及ぼされることとなり、当接ゴム弾性体18,18のテーパ部20,20と連結ゴム弾性体32のテーパ部36,36が、主として剪断方向に弾性変形せしめられることとなる。
【0051】
従って、マス部材14のアーム12への当接時には、当接ゴム弾性体18,18のテーパ部20,20と連結ゴム弾性体32のテーパ部36,36の剪断変形に基づいて、低動ばね特性が発揮されるのであり、それによって、マス部材14のアーム12への打ち当たり(当接)によって発揮される制振効果における共振作用的なピーク領域が、低周波数域に有利に設定可能となるのであり、低周波数域の振動に対しても有効な制振効果を得ることが出来るのである。それ故、本実施形態の制振装置28においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0052】
ここにおいて、本実施形態では、一つのマス部材30が質量の異なる2つのマス金具16a、16bを備えていることから、マス部材30のアーム12に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが出来るのであり、それによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、マス部材30のアーム12に対する打ち当たり(当接)に基づく制振効果を、一層有効に得ることが可能となるのである。
【0053】
また、本実施形態の制振装置28は、2つのマス金具16a,16bが連結ゴム弾性体32によって弾性的に連結されていることから、前記第二の実施形態の制振装置(26)に比して、配設スペースを有利に確保することが出来る。
【0054】
さらに、図4には、本発明の第四の実施形態としての制振装置38が示されている。なお、本実施形態において、第一の実施形態と同様な構造とされた部材および部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0055】
すなわち、本実施形態の制振装置38は、前記第一の実施形態の制振装置(10)に比して、マス部材40の構造が異なっている。また、アーム12に対して当接金具42が外嵌固定されている。
【0056】
より詳細には、当接金具42は、円環形状とされており、アーム12の周方向全周に亘って、略一定高さで突出する状態で外嵌固定されている。なお、当接金具42は、アーム12に対して溶接等で固着しても良い。
【0057】
一方、マス部材40は、円環ブロック形状を有する一対の環状マス金具44,44を備えており、それら一対のマス金具44,44が、同一中心軸上で軸方向に相互に離隔して配設されていると共に、筒状連結部としての連結ゴム弾性体46によって相互に弾性的に連結されている。
【0058】
マス金具44は、アーム12や当接金具42の外径寸法よりも大きな内径寸法を備えており、当接金具42の軸方向長さよりも大きな距離だけ軸方向に相互に離隔して配設されている。なお、本実施形態では、両マス金具44,44の軸方向離隔距離が、当接金具42の軸方向長さの略1.5〜3倍とされている。
【0059】
また、連結ゴム弾性体46は、全体として円筒形状とされており、その内径寸法は、軸方向の全長に亘って、当接金具42の外径寸法よりも僅かに大きくされていると共に、マス金具44の内径寸法よりも所定量だけ小さくされている。また、連結ゴム弾性体46の軸方向長さは、軸方向に離隔配置された一対のマス金具44,44間の軸方向寸法よりも大きくされている。そして、この連結ゴム弾性体46の軸方向両端部分に対して、それぞれ、マス金具44,44が外挿状態で取り付けられており、連結ゴム弾性体46の外周面に対して、マス金具44,44の内周面が加硫接着されている。要するに、本実施形態では、連結ゴム弾性体46が、一対のマス金具44,44を含む一体加硫成形品として形成されているのであり、それによって、マス部材40が形成されている。なお、各マス金具44の軸方向外面には、内周部分を所定厚さで被覆する干渉ゴム層48が、連結ゴム弾性体46と一体形成されている。また、連結ゴム弾性体46の材質としては、前記第一の実施形態における当接ゴム弾性体(18)と同様なものが好適に採用される。
【0060】
そして、マス部材40は、当接金具42が外嵌固定されたアーム12に外挿されて、その軸方向の中心が、当接金具42の軸方向中心に略位置する状態で装着されている。なお、本実施形態におけるストッパ金具24,24の外径寸法は、マス部材40の内径寸法よりも大きくされており、好ましくはマス金具44の内径寸法よりも大きくされている。
【0061】
このような構造とされた制振装置38においては、図示されているように、アーム12とマス部材40を同一中心軸上に位置せしめた状態下で、当接金具42の外周面とマス部材40における連結ゴム弾性体46の内周面との間に、僅かな隙間:δが、全周に亘って形成されるようになっており、それによって、マス部材40のアーム12に対する軸直角方向での飛び跳ね変位が許容されるようになっている。なお、かかる隙間:δの大きさは、前記第一の実施形態と同様に設定される。
【0062】
このような構造とされた本実施形態の制振装置38も、第一の実施形態の制振装置(10)と同様に、防振すべき上下方向の振動が入力されると、アーム12に外挿配置されたマス部材40が、アーム12から独立して飛び跳ね変位せしめられて、マス部材40における連結ゴム弾性体46の軸方向中央部分が、アーム12に固定された当接金具42に対して打ち当たり(当接)することとなる。
【0063】
そこにおいて、かかる制振装置38においては、連結ゴム弾性体46の軸方向長さが当接金具42の軸方向長さよりも大きくされており、当接金具42が、連結ゴム弾性体46の軸方向中央部分において、連結ゴム弾性体46に対して軸方向で部分的に当接せしめられることから、かかる当接時に、連結ゴム弾性体46には、軸方向で離隔位置せしめられた当接金具42とマス金具44,44の間で剪断方向の外力が及ぼされることとなる。
【0064】
従って、マス部材40のアーム12への当接時には、連結ゴム弾性体46の剪断変形に基づいて、低動ばね特性が発揮されるのであり、それによって、マス部材40のアーム12への打ち当たり(当接)によって発揮される制振効果における共振作用的なピーク領域が、低周波数域に有利に設定可能となるのであり、低周波数域の振動に対しても有効な制振効果を得ることが出来るのである。それ故、本実施形態の制振装置38においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0065】
また、図5には、本発明の第五の実施形態としての制振装置50が示されている。なお、以下の説明において、前記第一の実施形態と同様な部材および部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0066】
すなわち、本実施形態の制振装置50は、前記第一の実施形態の制振装置(10)に比して、マス部材52の構造が異なっている。
【0067】
より詳細には、本実施形態のマス部材52は、3つのマス金具54a,54b,54cを備えている。これら3つのマス金具54a,54b,54cは、円環ブロック形状を有していると共に、それらの軸方向長さおよび内外径寸法は、何れも、同じとされている。また、これら3つのマス金具54a,54b,54cは、同じ材質によって形成されており、それによって、3つのマス金具54a,54b,54cは、互いに同じ質量に設定されている。そして、これら3つのマス金具54a,54b,54cは、同一中心軸上で軸方向に相互に離隔して配設されており、マス金具54a,54bが筒状連結部としての連結ゴム弾性体56aによって相互に弾性的に連結されていると共に、マス金具54b,54cが連結ゴム弾性体56bによって相互に弾性的に連結されている。
【0068】
これらの連結ゴム弾性体56a,56bは、それぞれ、略一定の内外径寸法で軸方向に直線的に延びる円筒形状の筒状部58a,58bを有していると共に、かかる筒状部58a,58bの軸方向両端部から、更に軸方向外方に行くに従って次第に大径化するテーパ筒形状のテーパ部60a,60a,60b,60bが一体形成された構造とされている。なお、本実施形態では、連結ゴム弾性体56a,56bは、同一形状および同一寸法とされている。そして、連結ゴム弾性体56aのテーパ部60a,60aの軸方向外方端面が、マス金具54a,54bの軸方向対向面に対して、それぞれ、加硫接着されていると共に、連結ゴム弾性体56bのテーパ部60b,60bの軸方向外方端面が、マス金具54b,54cの軸方向対向面に対して、それぞれ、加硫接着されているのである。それによって、3つのマス金具54a,54b,54cが、連結ゴム弾性体56a,56bを介して、同一中心軸上で直列的に配設されているのである。ここにおいて、筒状部58a,58bの外径寸法は、マス金具54a,54b,54cの外径寸法よりも小さくされており、筒状部58a,58bの内径寸法は、マス金具54a,54b,54cの内径寸法よりも小さくされていると共に、アーム12の外径寸法よりも僅かに大きくされていることから、マス部材52は、連結ゴム弾性体56a,56bの筒状部58a,58bのみにおいて、アーム12に打ち当たり(当接)せしめられることとなる。また、連結ゴム弾性体56a,56bの材質としては、前記第一の実施形態の当接ゴム弾性体(18)と同様な材質が好適に採用される。なお、マス金具54a,54b,54cの表面は、それぞれ、連結ゴム弾性体56a,56bから延び出す被覆ゴム層によって覆われていることが望ましい。
【0069】
そして、アーム12とマス部材52を同一中心軸上に位置せしめた状態下において、アーム12の外周面とマス部材52の内周面、即ち、連結ゴム弾性体56a,56bにおける筒状部58a,58bの内周面との間には、全周に亘って連続した隙間:δが形成されるようになっている。なお、本実施形態では、かかる隙間:δは、前記第一の実施形態と同様に設定されているのである。
【0070】
このような構造とされた本実施形態の制振装置50も、第一の実施形態の制振装置(10)と同様に、防振すべき上下方向の振動が入力されると、アーム12に外挿配置されたマス部材52が、アーム12から独立して飛び跳ね変位せしめられて、マス部材52における連結ゴム弾性体56a,56bの筒状部58a,58bが、アーム12に対して打ち当たり(当接)することとなる。
【0071】
そこにおいて、本実施形態の制振装置50においては、連結ゴム弾性体56a,56bの筒状部58a,58bがマス金具54a,54b,54cの軸直方向内方に突出せしめられており、かかる筒状部58a,58bにおいて、アーム12に対して当接せしめられることから、マス部材52がアーム12に当接せしめられる際に、マス金具54a,54b,54cと連結ゴム弾性体56a,56bにおける筒状部58a,58bの間で剪断方向の外力が及ぼされることとなり、連結ゴム弾性体56a,56bのテーパ部60a,60a,60b,60b,が剪断方向に弾性変形せしめられることとなる。それ故、本実施形態の制振装置50においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0072】
ここにおいて、本実施形態の制振装置50においては、連結ゴム弾性体56a,56bが同一形状及び同一寸法とされていると共に、互いに異なる材質によって形成されていることから、連結ゴム弾性体56a,56bのばね定数が互いに異なるように設定されており、それによって、マス部材52のアーム12に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが出来るのであり、それによって、複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、マス部材52のアーム12に対する打ち当たり(当接)に基づく制振効果を、一層有効に得ることが可能となるのである。
【0073】
また、図6には、本発明の第六の実施形態としての制振装置62が示されている。なお、以下の説明において、第五の実施形態と同様な部材および部位については、図中に、第五の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0074】
すなわち、本実施形態の制振装置62は、前記第五の実施形態の制振装置(50)に比して、マス部材64における3つのマス金具54a,54b,54cの質量が異なっている。
【0075】
より詳細には、3つのマス金具54a,54b,54cは、マス部材64の軸方向一方の端部から他方の端部に行くに従って、所定の割合で、外径寸法が大きくなるように配設されている。要するに、本実施形態では、マス部材64の軸方向一方の端部(図6中の左端)のマス金具54cの外径寸法が最小とされていると共に、軸方向他方の端部(図6中の右端)のマス金具54aの外径寸法が最大とされており、それによって、マス部材64の軸方向一方の端部(図6中の左端)のマス金具54cの質量が最小とされていると共に、軸方向他方の端部(図6中の右端)のマス金具54aの質量が最大とされている。
【0076】
このような構造とされた本実施形態の制振装置62も、第一の実施形態の制振装置(10)と同様に、防振すべき上下方向の振動が入力されると、アーム12に外挿配置されたマス部材64が、アーム12から独立して飛び跳ね変位せしめられて、マス部材64における連結ゴム弾性体56a,56bの筒状部58a,58bが、アーム12に対して打ち当たり(当接)することとなる。
【0077】
ここにおいて、本実施形態の制振装置62においては、同一形状及び同一寸法とされた連結ゴム弾性体56a,56bが、互いに異なる材質によって形成されており、それによって、連結ゴム弾性体56a,56bのばね定数が互いに異なるように設定されていると共に、3つのマス金具54a,54b,54cの質量が互いに異なるように設定されていることから、マス部材64のアーム12に対する相対変位が、互いに異なる周波数域で共振的作用を持つように、容易にチューニングすることが出来るのであり、第五の実施形態の制振装置(50)に比して、より複数の乃至は広い周波数域の振動に対して、マス部材64のアーム12に対する打ち当たり(当接)に基づく制振効果を、一層有効に得ることが可能となるのである。
【0078】
また、図7には、本発明の第七の実施形態としての制振装置66が示されている。なお、以下の説明において、第一の実施形態と同様な部材および部位については、図中に、第一の実施形態と同一の符号を付すことにより、それらの詳細な説明を省略する。
【0079】
すなわち、本実施形態の制振装置66は、第一の実施形態の制振装置(10)に比して、マス部材68の構造が異なっている。
【0080】
より詳細には、本実施形態のマス部材68は、円筒形状のマス金具70を備えている。このマス金具70の軸方向両端部付近には、それぞれ、厚さ方向に円形断面で貫通する複数個(本実施形態では6個)の貫通孔72が形成されている。この貫通孔72は、マス金具70の周方向で等間隔に位置せしめられており、軸方向一方の端部に形成された複数個の貫通孔72と軸方向他方の端部に形成された複数個の貫通孔72は、互いに略同じ周方向位置に形成されている。なお、本実施形態では、貫通孔72の大きさは、全て同じとされている。
【0081】
そして、これら複数個の貫通孔72に対して、それぞれ、当接ゴム弾性体74が配設されている。この当接ゴム弾性体74は、略一定の厚さ寸法で広がる円板形状を有している。そして、かかる当接ゴム弾性体74は、マス金具70の貫通孔72内でマス金具70の表面に沿って広がった状態で配設されており、その外周面が貫通孔72の内周面に加硫接着されていることによって、マス金具70の貫通孔72が、かかる当接ゴム弾性体74で閉塞されている。なお、マス金具70の表面は、当接ゴム弾性体74から延び出す被覆ゴム層によって被覆されていることが望ましい。また、当接ゴム弾性体74の一方(マス金具70の内周面側)の面は、マス金具70の内周面よりも径方向内方に突出せしめられており、かかる突出部分が、円錐台形状の当接部76とされていると共に、かかる当接部76の突出先端面が、アーム12の外周面に沿った形状とされている。なお、当接ゴム弾性体74の材質としては、前記第一の実施形態の当接ゴム弾性体(18)と同様な材質が採用される。
【0082】
そして、アーム12とマス部材68を同一中心軸上に位置せしめた状態下において、アーム12の外周面とマス部材68の内周面、即ち、当接ゴム弾性体74当接部76の突出先端面との間には、それらの対向面間の全体に亘って広がる隙間:δが形成されるようになっている。なお、本実施形態では、かかる隙間:δは、前記第一の実施形態と同様に設定されている。
【0083】
このような構造とされた本実施形態の制振装置66も、第一の実施形態の制振装置(10)と同様に、防振すべき上下方向の振動が入力されると、アーム12に外挿配置されたマス部材68が、アーム12から独立して飛び跳ね変位せしめられて、マス部材68における当接ゴム弾性体74の当接部76が、アーム12に対して打ち当たり(当接)することとなる。
【0084】
そこにおいて、本実施形態の制振装置66においては、当接ゴム弾性体74の外周面がマス金具70によって固定的に支持されており、この当接ゴム弾性体74の当接部76の中央部分に対して、当接ゴム弾性体74に直交する方向、即ち、上下方向にマス部材68の当接荷重が入力されると、当接ゴム弾性体74が主として剪断方向に弾性変形せしめられる。それ故、本実施形態の制振装置66においても、第一の実施形態と同様な制振効果が、何れも有効に発揮され得るのである。
【0085】
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述してきたが、これらはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものでない。
【0086】
例えば、前記第二の実施形態において、マス部材14aの当接ゴム弾性体18a,18bとマス部材14bの当接ゴム弾性体18a,18bの材質を互いに異ならせても良い。
【0087】
また、前記実施形態では、複数のマス金具の質量を互いに異ならせる場合において、それら複数のマス金具の内径寸法と軸方向寸法を一定とすると共に、それら複数のマス金具の外径寸法を異ならせることによって、質量を互いに異ならせていたが、複数のマス金具の内外径寸法を一定とすると共に、それら複数のマス金具の軸方向長さを異ならせることによって、質量を互いに異ならせても良い。
【0088】
また、前記第三の実施形態におけるマス金具16a,16bの配設位置や前記第六の実施形態におけるマス金具54a,54b,54cの配設位置は、実施形態の配設位置に限定されるものではない。
【0089】
また、前記第四の実施形態においては、マス部材40は、当接金具42を介してアーム12に当接せしめられていたが、当接金具42を設けないで、連結ゴム弾性体46の軸方向中央部分に軸直角方向内方に突出する当接突起を設けて、かかる当接突起において、アーム12に当接せしめるようにしても良い。
【0090】
また、前記第四の実施形態におけるマス金具44,44の質量は、同じであっても良いし、互いに異なっていても良い。
【0091】
また、前記第七の実施形態において、貫通孔72は、円形断面とされていたが、円形断面に限定されるものではない。更に、貫通孔72の大きさを変更することにより、当接ゴム弾性体74のばね定数を変更することも可能である。
【0092】
また、前記第一〜第六の実施形態において、マス部材の当接箇所は、周方向に連続な円筒乃至は円環形状とされていたが、必ずしも、周方向で連続である必要はない。
【0093】
また、前記第五及び第六の実施形態において、連結ゴム弾性体56a,56bを互いに異なる材質で形成することによって、連結ゴム弾性体56a,56bのばね定数が互いに異なるように設定されていたが、連結ゴム弾性体56a,56bのテーパ部60a,60a,60b,60bの傾斜角度を変更したり、テーパ部60a,60a,60b,60bの自由長長さを変更したり、連結ゴム弾性体56a,56bの径方向の厚さ寸法を異ならせること等によって、連結ゴム弾性体56a,56bのばね定数を互いに異なるように設定することも可能である。その結果、連結ゴム弾性体56a,56bを同じ材質で形成することも可能となる。
【0094】
また、前記第七の実施形態の当接ゴム弾性体74の当接部76の形状は、実施形態のものに限定されない。
【0095】
また、前記実施形態では、防振対象となるアーム12に対して直接にマス部材14が外挿されていたが、例えば、防振対象となるパワーユニットに対してロッド状の振動部材を固設し、かかるロッド状の振動部材にマス部材を外挿することによって、本発明に係る制振装置を構成することも可能である。
【0096】
その他、一々列挙はしないが、本発明は、当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等を加えた態様において実施され得るものであり、また、そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【0097】
【発明の効果】
上述の説明から明らかなように、本発明に従う構造とされた制振装置においては、マス部材と振動部材の当接部の少なくとも一方が、当接方向の荷重によって剪断変形せしめられる弾性材によって構成されていることから、当接部のばね剛性を容易に下げることが出来るのであり、それによって、低周波振動に対しても、マス部材の共振的作用に基づく制振効果を得ることが可能となるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図2】本発明の第二の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図3】本発明の第三の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図4】本発明の第四の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図5】本発明の第五の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図6】本発明の第六の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図7】本発明の第七の実施形態としての制振装置を示す断面図である。
【図8】図7におけるVIII−VIII断面図である。
【符号の説明】
10,26,28,38,50,62,66 制振装置
12 アーム
14,30,40,52,64,68 マス部材
18,74 当接ゴム弾性体
32,46,56 連結ゴム弾性体
42 当接金具
Claims (7)
- 振動部材に対して、マス部材を非接着で独立変位可能に配設して、該マス部材が該振動部材に対して直接的且つ弾性的に当接せしめられるようにした車両用制振装置において、
前記振動部材をロッド状とすると共に、前記マス部材を筒状乃至は環状として、該マス部材を該振動部材の外周側に所定距離を隔てて外挿すると共に、該マス部材に対して軸直角方向に貫通する貫通孔を複数形成し、それら各貫通孔に弾性材を充填固着して、該貫通孔における該マス部材の内周側の開口部から該弾性材を内方に突出させて該マス部材の該振動部材に対する軸直角方向の当接部を形成する一方、それら各貫通孔における該マス部材の外周側の開口部では該弾性材を自由表面として弾性変形を許容して、該振動部材に対する軸直角方向での当接によって該弾性材が剪断変形せしめられるようにし、且つ、該マス部材を該振動部材に対して同一中心軸上に位置せしめた状態下において該弾性材で形成された該当接部の内周面と該ロッド状振動部材の外周面との間に全周に亘って連続した隙間が存在するようにしたことを特徴とする車両用制振装置。 - 前記振動部材に対して、前記当接部を備えた前記マス部材を、互いに独立して複数外挿すると共に、それら複数のマス部材の質量と当接部における軸直角方向のばね定数の少なくとも一方を互いに異ならせた請求項1に記載の車両用制振装置。
- 前記振動部材に対する前記マス部材の相対変位を軸方向で制限するストッパ手段を設けた請求項1又は2に記載の車両用制振装置。
- 前記マス部材における単体の質量が10〜1000gである請求項1乃至3の何れかに記載の車両用制振装置。
- 前記マス部材が前記振動部材に対して振動入力方向の両側でそれぞれ当接せしめられるようにすると共に、かかる振動入力方向両側での当接部間における該マス部材の往復可動距離を、振動入力方向で0.1〜1.6mmとした請求項1乃至4の何れかに記載の車両用制振装置。
- 前記振動部材と前記マス部材の少なくとも一方の当接面が、ショアD硬さ80以下とされている請求項1乃至5の何れかに記載の車両用制振装置。
- 前記マス部材の総質量が、前記振動部材の質量の5〜10%である請求項1乃至6の何れかに記載の車両用制振装置。
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