JP3895304B2 - タイヤ成形用金型の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はタイヤ成形用金型の製造方法に関し、特に、石膏によって形成された鋳型に対してAl−Mg系合金を鋳造することによりタイヤ成形用金型とする製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
タイヤ成形用金型は、複数に分割された金型ピースを組み付けることにより形成されており、タイヤ形状を幅方向に2分割することにより構成される上下分割型(2ピースモールド)と、半径方向(円周方向)に7〜13程度に分割することにより構成される上下一体型(セクショナルモールド)との2種類のタイヤ成形用金型が使用されている。
【0003】
いずれの金型においても、鋭い角を有した凹ブロック形状部分やサイプブレードなどの薄肉凸形状部分を多数有していることから、機械加工による製造が不向きであり、このため、鋳造によって製造されている。鋳造においては、崩壊性を有した崩壊性鋳型を用いて低圧鋳造、重力鋳造等によりアルミニウム合金の鋳物を作製する石膏鋳造法が多用されている。
【0004】
図20は、石膏鋳造法によって2ピースモールドを作製する手順を示す。まず、(a)に示すように石膏、樹脂などを用いてタイヤの原形(マスターモデル)1を機械加工で作製し、(b)で示すようにシリコーンゴムなどによって原形1を反転したゴム型2を作製する。そして、(c)で示すようにゴム型2を上下に分割した鋳型3を石膏によって反転作製し、この鋳型3を焼成乾燥した後、(d)で示すように複数角度で切断し、(e)で示すように組み立ててリング状の鋳型4とする。そして、(f)で示すように、この鋳型4を鋳枠5で囲み、鋳枠5内にアルミニウム合金等の合金溶湯6を充填して鋳造することにより鋳物とし、この鋳物に対して不要部分の除去のための機械加工を行い、その後、(g)で示すように型合わせを行ってタイヤ成形用金型8とする。(g)において、符号7は、タイヤ成形用金型8を構成する複数のピースであり、図示を省略したバックモールドを用いてリング状に組み付けられることにより、タイヤ成形用金型8が作製されるものである。
【0005】
図21は、石膏鋳造法によってセクショナルモールドを作製する手順を示し、図20と同様に、(a)で示すタイヤの原形1を反転した(b)のゴム型2を作製した後、(c)及び(d)で示すように石膏によって鋳型3を作製し、(e)で示すように組み立てて鋳型4とする。その後は、図20と同様に、アルミニウム合金等の鋳造金属による鋳造を行い、鋳物を型合わせして(f)で示すタイヤ成形用金型8とする。
【0006】
タイヤ成形用金型の鋳造に用いられるアルミニウム合金としては、JIS規格に規定される下記の2種類の合金が一般的に用いられている。
【0007】
(1)共晶晶出物生成系合金
この合金は、溶湯凝固の最終段階で初期凝固組織の樹枝状晶(デンドライト)の隙間を共晶晶出物により一気に補充する形態で凝固するタイプの合金である。このタイプの合金は、鋳造による「引け巣」の欠陥が発生しにくく、鋳造性が良好なことから広く用いられている。また、合金としての強化機構は、共晶晶出物の分散硬化機構を用いるものであるが、固溶硬化析出硬化特性を取り入れた合金も一部に存在している。
【0008】
このような共晶晶出物生成系合金では、鋳物であるタイヤ成形用金型の機械的強度特性が鋳物の結晶粒の大きさの影響を受けやすく、溶湯凝固が早いほど結晶粒が小さいため、強度特性が向上する反面、溶湯凝固が遅い場合には、結晶粒が大きくなって、強度特性が劣化する特性を有している。
【0009】
このタイプの合金としては、Al−Si系合金が挙げられ、JIS規格においても、AC2A、AC2B、AC3A、AC4A、AC4B、AC4C、AC4D、AC8A、AC8B、AC8Cが規定されており、機械強度,鋳造性,熱膨張,熱伝導等の特性がタイヤ成形用金型としてバランスが取れている点でAC4C系合金が最も良く用いられている。AC4C系合金の基本組成を表1に示す。
【0010】
【表1】
(2)共晶晶出物非生成系合金
共晶晶出物生成系合金とは異なり、溶湯凝固の最終段階でもほとんど共晶晶出物を生成しないタイプの合金であり、従って、共晶晶出物生成系合金に比べて、鋳造による引け巣欠陥が発生しやすいものとなっている。合金としての強化機構は、添加元素による固溶硬化であるが、析出硬化特性も取り入れた合金も一部に存在している。この合金は、共晶晶出物生成系合金とは異なって、鋳物の機械的強度特性が鋳物の結晶粒の大きさの影響を受け難く、溶湯の凝固が遅くなっても比較的安定的な強度を有している。
【0011】
このタイプの合金としては、JIS規格に規定されているAC7A、AC7B等のAl−Mg系合金があり、この内、AC7A系合金が多く用いられている。これは、10分〜120分程度で溶湯が凝固することが多いタイヤ成形用金型においては、AC7系合金がAC4系合金に比べて強度特性に優れているためである。しかしながら、AC7系合金はAC4系合金に比べて、鋳造性が悪いのに加え、熱膨脹率が大きく、機械加工性が悪いデメリットを有している。AC7系合金の基本組成を表2に示す。
【0012】
【表2】
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
以上の共晶晶出物生成系合金及び共晶晶出物非生成系合金において、機械特性が良好なAC7A系合金がタイヤ成形用金型の材料として好適であるが、Al−Mg系合金であるAC7A系合金をタイヤ成形用金型の鋳造用合金として用いた場合、上述した引け巣が発生する欠陥に加えて、鋳物表面に鳥の羽を貼り付けた様な針状組織である羽毛状結晶組織の欠陥が発生しやすい問題を有している。
【0014】
図22は、AC7A系合金を用いて鋳造したタイヤ成形用金型の表面を示し、その表面9に羽毛状結晶組織(以下、羽毛状晶と記載する。)10が針状となって現れている。
【0015】
AC7A系等のAl−Mg系合金の使用に際して、引け巣欠陥の防止は、溶湯凝固のコンピュータシミュレーション解析(凝固解析)を用いることにより、対処可能となっている。しかしながら、羽毛状晶については、発生原因が不明であり、効果的な対策を行うことができないままとなっている。従って、羽毛状晶がタイヤ成形用金型からタイヤ転写されることによって不良品となる場合、従来においては、サンドペーパ等を用いた手作業によってタイヤ成形用金型の表面を切削加工する必要があり、加工が面倒であるばかりでなく、工程数が増える問題となっている。
【0016】
本発明は、このような従来の問題点を考慮してなされたものであり、Al−Mg系合金を用いてタイヤ成形用金型を鋳造する場合に、羽毛状晶を発生させることがないタイヤ成形用金型の製造方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1の発明のタイヤ成形用金型の製造方法は、石膏鋳型に対してAl−Mg系合金を鋳造することによりタイヤ成形用金型を製造するのに際し、タイヤ成形用金型の意匠面に発生する鳥の羽様の羽毛状結晶組織の最大寸法を、前記合金中に含まれるMn量と、羽毛状結晶組織発生部位の溶湯凝固時間とから定量的に予測することを特徴とする。
【0018】
羽毛状結晶組織は、Al−Mg系合金を用いた石膏鋳造の際に発生するが、後述するように、Al−Mg系合金中のMn量及び羽毛状結晶組織発生部位における溶湯の凝固時間が要因となっている。請求項1の発明では、羽毛状結晶組織の最大寸法をAl−Mg系合金中のMn量及び羽毛状結晶組織発生部位における溶湯の凝固時間に基づいて予測するため、この予測に基づいて鋳造を行うことにより、羽毛状結晶組織の発生を抑制することができる。
【0019】
請求項2の発明のタイヤ成形用金型の製造方法は、請求項1記載の予測に基づいて特定の閾値以上の大きさの羽毛状結晶組織が発生しない臨界Mn量を算出し、算出した臨界Mn量以下のMnを含有したAl−Mg合金を用いて鋳造を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項2の発明では、請求項1の予測に基づいて、所定の大きさ以上の羽毛状結晶組織が発生しない臨界Mn量を算出してAl−Mg合金の鋳造を行うため、羽毛状結晶組織が発生しないか、発生しても目立たない許容範囲内となる。このため、サンドペーパを用いた金型表面の加工が不要となると共に、製品であるタイヤの不良品発生率を低下することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明者は、Al−Mg系合金である市販のAC7A系合金を用いた石膏鋳造法によってタイヤ成形用金型を鋳造した。その結果、溶湯の凝固進行方向に関連して図1に示す部位に羽毛状晶が多く発生することを確認した。
【0027】
図1(a)は重力鋳造法(流し込み鋳造法)によって成形したタイヤ成形用金型11、(b)は低圧鋳造法によって成形したタイヤ成形用金型11であり、矢印12が溶湯の供給方向、矢印13が溶湯の凝固方向をそれぞれ示す。破線部分が羽毛状晶欠陥の発生部位14を示し、羽毛状晶欠陥はタイヤ成形用金型11における意匠面11aに発生している。また、図に示すように、羽毛状晶欠陥は溶湯の凝固方向13に沿って発生する傾向となっている。なお、このような現象は、AC4C等のAl−Si系合金では発現しないものである。
【0028】
表3は、以上のように得られた羽毛状晶発生部位をEPMAによって成分分析した結果を示す。同表において、試料1は、Al−3.5Mg−0.2Si−0.2Ti−0.34Mn−0.15Feを母合金として鋳造したタイヤ成形用金型に発生した羽毛状晶欠陥部位の分析結果であり、試料2は、Al−3.5Mg−0.3Si−0.2Ti−0.1Mn−0.5Feを母合金として鋳造したタイヤ成形用金型に発生した羽毛状晶欠陥部位の分析結果である。
【0029】
【表3】
表3から判るように、羽毛状晶欠陥部位には、Mnがかなり高い割合で濃縮されている。これにより、Al−Mg系合金を用いてタイヤ成形用金型を鋳造した場合に発生する羽毛状晶欠陥は、鋳造後の溶湯凝固時に、溶湯凝固部分から固溶できずに未凝固部分に放出されたMnが局所的に濃縮されて発現する組織であると推察することができる。
【0030】
以上の知見から、Al−Mg系合金中のMn量を減少させることにより、羽毛状晶欠陥を減らすことが可能となると推測される。このため、発明者は、Mn量を変更したAl−Mg系合金を複数調合して、タイヤ成形用金型の鋳造試験を行い、タイヤ成形用金型11に発生した羽毛状晶の中で、最大寸法のものの大きさと、合金中のMn含有量、羽毛状晶部位の溶湯凝固時間との関係を検査した。表4は、この結果を示すものであり、Mn含有量を変化させたAl−Mg合金によって鋳造したタイヤ成形用金型用鋳物に発生した最大羽毛状晶長さと、羽毛状晶発生部位の溶湯凝固時間、Mn含有量及び合金中のMg含有量の関係を一覧表で示してある。
【0031】
【表4】
表4において、最大羽毛状晶長さLmaxは、鋳造されたタイヤ成形用金型からノギスによって測定し、溶湯凝固時間Tsはコンピューター凝固解析(コマツソフト(社)製、商品名「JS−CAST」)によりシミュレーションした結果、Mn、Mg含有量は、金型本体の肉厚中央部から試料を切り出し発光分析することにより求めたものである。なお、表4における8個の試料全てにおいて、最大羽毛状晶発生部位が金型の意匠面での最終溶湯凝固部位と一致するものとなっている。
【0032】
次に、以上の知見に基づいた本発明の実施形態を説明する。
【0033】
[第1実施形態]
この実施形態においては、石膏鋳型に対してAl−Mg系合金を鋳造することによりタイヤ成形用金型を製造するのに際し、タイヤ成形用金型の意匠面に発生する羽毛状晶の最大寸法を、Al−Mg系合金中に含まれるMn量と、羽毛状晶発生部位の溶湯凝固時間とから定量的に予測するものである。
【0034】
本発明者は、上述した表4のデータの内、目的変数としてLmaxを設定し、説明変数としてTs及びCMnを設定して重回帰分析(多変量解析)を行った。図2は、その結果を示すグラフであり、図2から以下の関係からなる予測式を得ることができる。
【0035】
{羽毛状晶の最大長さ(予測値)Lmax }(mm)
=−0.893057+15.288298×{Mn含有量CMn(wt.%)}+0.00076×{その羽毛状晶発生部位の溶湯凝固時間Ts(sec.)}
(Tsはタイヤ成形用金型の意匠面における羽毛状晶発生部位での最終溶湯凝固時間と見なして良い)
なお、上式において、重相関係数=0.9439、決定係数=0.891である。
【0036】
この式は、鋳物であるタイヤ成形用金型に発生する最大羽毛状晶欠陥長さLmax(mm)を、鋳造に用いたAl−Mg系合金のMn含有量CMn(重量%)及び鋳物における意匠面での最終溶湯凝固時間Ts(sec)の2つの変数により89.1%の予測精度で予測することができるものである。なお、予測式の精度の関係上、左辺が負の値となる場合もあるが、この場合は、左辺を「0」と見なすことにより実用上は問題ないものである。
【0037】
より具体的には、JIS鋳造用Al−Mg系合金の代表であるAC7Aを用いて、石膏鋳造法によりタイヤ成形用金型を鋳造作した場合に生じ易い羽毛状晶欠陥の最大長さを、その合金材のMn含有量及び金型の意匠面における最終溶湯凝固時間の2つの変数に基づいて定量的に予測することができる。
【0038】
ここで、Al−Mg系合金中のMn含有量は、分析結果を予め得ることにより定量的に把握することができ、タイヤ成形用金型の意匠面における最終溶湯凝固時間も、コンピューターシミュレーションソフトを用いることにより簡易に精度良く予測することができ、したがって、この予測に基づいてタイヤ成形用金型を製造することにより、タイヤ成形用金型に生ずる羽毛状晶欠陥の最大値を定量的に把握することが可能となる。
【0039】
[第2実施形態]
この実施形態では、特定の閾値以上の大きさの羽毛状結晶組織が発生しない臨界Mn量を以上の予測式に基づいて算出し、算出した臨界Mn量以下のMnを含有したAl−Mg合金を用いて鋳造を行うものである。
【0040】
すなわち、第1実施形態における予測式
{羽毛状晶の最大長さ(予測値)Lmax }(mm)
=−0.893057+15.288298×{Mn含有量CMn(wt.%)}+0.00076×{その羽毛状晶発生部位の溶湯凝固時間Ts(sec.)}
(Tsはタイヤ成形用金型の意匠面における羽毛状晶発生部位での最終溶湯凝固時間と見なして良い)(ここで、重相関係数=0.9439、決定係数=0.891)
を用い、許容され得る羽毛状晶最大長さ寸法及びタイヤ成形用金型の意匠面における最終溶湯凝固時間から合金中に許容され得る臨界Mn量を算出し、Mn含有量をこの臨界Mn量に調整したAl−Mg系合金(AC7A系合金)を鋳造することにより、羽毛状晶欠陥を発生させないか、発生しても許容範囲内とするものである。
【0041】
従って、このような実施形態では、羽毛状晶欠陥を発生させないために必要なAl−Mg系合金中のMn含有量の調整を定量的に推定することができる。
【0042】
表5は、請求項2に基づき、Al−Mg系合金中に許容され得るMn含有量をサンプル1〜4に対して計算した例を示す。
【0043】
【表5】
表5に示すように、各サンプルで計算されたMn含有量以下となるように、Al−Mg系合金中のMn量を調整することにより、その合金を用いて鋳造したタイヤ成形用金型には、許容範囲内の大きさの羽毛状晶欠陥しか発生しないため、タイヤ成形用として使用しても問題がない。なお、上述した予測式の精度の関係から、Mn含有量を負の値にしなければならないケースもあるが、この場合は、Mn含有量を「0」とすることにより、実用上問題を生じることがなくなる。
【0044】
[第3実施形態]
タイヤ成形用金型の製造においては、図20(e)及び図21(e)に示すように、リング形状に組まれた石膏鋳型を用いて鋳造を行う。この実施形態では、リング形状の石膏鋳型に対し、鋳造金属としてAl−Mg系合金を用いた場合に発生する鋳割れを防止するものである。
【0045】
タイヤ成形用金型のように内径400mmを超える比較的大型のリング形状の鋳物であって、リング形状の石膏鋳型を抱き込む(すなわち、リング形状の鋳型の周囲に鋳造金属の溶湯を供給する)形態で鋳造する場合において、鋳造金属がAl−Mg系合金では、合金中にMnを添加しないと、後述する図3及び図4で示すように溶湯の凝固・冷却の過程で、鋳割れが発生し易くなる。また、一般的に、Al−Mg系合金では、Mnを含有しない場合、混入しているFeやSi等の不純物の悪影響によって金属間化合物や樹枝状晶を丸くすることができず、鋳造された鋳物の破断伸びが減少して破断強度が低下すると共に腐食耐性が低下する(例えば、刊行物「アルミニウムハンドブック」第6版(社団法人軽金属協会編集、朝倉鑛造発行)P.92〜P.97及び刊行物「非鉄金属および合金」第4版(内田老鶴圃発行)P.132参照)
このため、リング形状の石膏鋳型を用いたAl−Mg系合金の鋳造では、ある程度のMnを含有する必要があるが、Mnを含有する場合には、上述した羽毛状晶欠陥が発生しやすくなる。この実施形態では、Al−Mg系合金中におけるMn含有量を「0」或いは「0」に近い値としたときにも、鋳割れが発生しない方法を提供するものである。
【0046】
Al−Mg系合金の鋳造において、鋳割れが発生する原因を金属組織及び凝固挙動から説明する。
【0047】
図3は、Al−Mg系合金であるAC7系合金の溶湯の凝固を段階的に示し、図4は、Al−Si系合金であるAC4系合金の溶湯の凝固を段階的に示しており、(a)は凝固の初期、(b)は凝固の後期、(c)は凝固完了状態である。いずれも金属組織を顕微鏡によって観察したものである。
【0048】
凝固の初期では、図3(a)及び図4(a)で示すように、溶湯の開始と同時に、初晶α相(アルミニウム相)である樹枝状晶(デンドライト)18が溶湯17内に固体として発現する。凝固の後期では、図3(b)及び図4(b)で示すように、デンドライト18が成長して絡み合う。このとき、固相変態の際の凝固収縮は未凝固相から補充される。
【0049】
凝固が完了する時点において、Al−Si系合金は図4(c)で示すように、合金中のSiの共晶晶出物19がデンドライト18の隙間を埋める形で晶出する。この場合において、Si量が十分なため、デンドライト18の隙間が引け巣(空洞)として残ることは少ないものとなる。これに対し、Al−Mg系合金は図3(c)で示すように、合金中に僅かに混入しているFe、Si、Mn系の金属間化合物16がデンドライト18の隙間を埋めることにより晶出する。このとき、金属間化合物16の量が少ないため、デンドライト18の隙間が引け巣20として残る。
【0050】
以上の凝固における各組識の大きさは、鋳造時の溶湯凝固・冷却速度が速ければ速いほど細かく、遅ければ遅いほど粗くなる傾向を示す。通常のアルミニウム鋳物では、デンドライトの間隔が10〜100μm程度であるが、リング形状のタイヤ成形用金型用の場合は、デンドライト18の間隔(D.A.S.)が100〜500μmとなることが多い。これは、タイヤ成形用金型の場合、溶湯の凝固冷却速度が極めて遅いためである。従って、タイヤ成形用金型の場合においては、組織が粗くなることから、Al−Mg系合金の凝固完了組織での微細な引け巣20や金属間化合物16も大きくなり、これが亀裂として作用し易くなる。
【0051】
この亀裂相当空間(物質)の存在と、溶湯の凝固・冷却時の収縮挙動及びリング形状の鋳物内部に鋳型を抱き込むことによる溶湯の凝固・冷却収縮への大きな抵抗力の発生(これは、リング形状の鋳物の絶対直径が大きいことも起因している。)が相互に絡み合うことによって鋳割れが発生しやすくなる。
【0052】
これに加えて、Mnの存在の有無が亀裂に相当することになる微細引け巣や金属間化合物の形状を変化させることにより鋳割れ発生に影響を与える。Mnが存在している場合には、亀裂相当空間(物質)を形状的に丸くするため、亀裂としての作用が緩和されて鋳割れが発生しにくくなる。
【0053】
タイヤ成形用金型にAl−Si系合金を用いた場合には、Siからなる共晶晶出物19がデンドライト18の隙間を緻密に埋めるように溶湯凝固の後期で一気に固体として現われることから、この種の合金では、亀裂相当空間の発生は殆どない。このため、Al−Mg系合金の場合の様な鋳割れが発生しにくい或いは発生しない。これは、Al−Si系合金の方が溶湯の凝固・冷却収縮量の絶対値が小さいことにも関係するものである。
【0054】
図5〜図9は、鋳割れに関係する鋳造金属の凝固挙動を示す。この実施形態では、リング形状の鋳型の周囲に鋳造金属を鋳造することにより、リング形状のタイヤ成形用金型を成形するものであり、リング形状の鋳物(タイヤ成形用金型21)に関して、図5に示すように、中心軸22を含む平面での断面(F−F線断面)及び中心軸22と直交する平面(平面G)での断面の挙動の2つで全体の凝固挙動を解説できる。
【0055】
図6は中心軸22を含む断面であるF−F線断面における溶湯の凝固挙動を示し、(a)は低圧鋳造法、(b)は重力鋳造法の場合であり、矢印で示すように、低圧鋳造法の場合には、上から下に向かって凝固し、重力鋳造の場合には、下から上に向かって凝固する。この凝固において、同じ時間で凝固する凝固点を結んだ等凝固時間曲線23を破線で示してある。なお、石膏鋳型は、熱伝導率が極めて低いことから、石膏鋳型の表面から溶湯を凝固させることが難しい。このため、低圧鋳造の場合は鋳物上面、重力鋳造の場合は鋳物下面に熱伝導率の高い金属材を接触させる事により、鋳枠側から溶湯凝固を促進させるようになっている。このため、溶湯の等凝固時間曲線23は、鋳枠側から進展する。
【0056】
F−F線断面では、低圧鋳造法、重力鋳造法のいずれにおいても、リング形状のタイヤ成形用金型21の等凝固時間曲線23は、鋳型のプロファイル面(表面)と交差するように形成されるものであり、鋳型のプロファイル面と交わらない形でタイヤ幅方向全域に連続した形態となることはない。このように鋳造方案を設定しないと、押湯の効果を発揮できず、鋳物の表面に引け巣欠陥を発生するためでもある。
【0057】
このようなタイヤ幅方向に沿っているF−F線断面においては、一つの等凝固時間曲線23上で生じる溶湯の凝固収縮による体積減少分は、低圧鋳造の場合には、その等凝固時間曲線23の直下の溶湯から補給され、重力鋳造の場合には、その等凝固時間曲線の直上の溶湯から補給されるため、見かけ上はタイヤ幅方向に殆ど凝固収縮することがない。なお、溶湯凝固完了後は、室温まで冷却される過程で固体としての冷却収縮が発生する。
【0058】
以上のことから、タイヤ幅方向に関しては、溶湯の凝固の際に、鋳物であるタイヤ成形用金型が石膏鋳型から拘束を受けて引き伸ばされるような負荷が発生することはないため、溶湯凝固時に、タイヤ成形用金型がタイヤ幅方向に鋳割れする可能性はほとんどないものである。これは、鋳割れが発生しやすいMn含有量≒0のAl−Mg系合金を用いた場合でも同様である。
【0059】
図7〜図9は、図5における平面G、すなわち中心軸22と直交する平面での断面の凝固挙動を示す。図7は、溶湯の凝固がリング形状の外周側から内周側に向かって進行する場合、図8は、片側からその反対側に向かって溶湯の凝固が進行する場合、図9は、凝固が両側から中央に向かって進行する場合である。また、各図における(a)は断面における等凝固時間曲線を、(b)は溶湯の凝固途中を、(c)は凝固終了状態を示し、(a)において、等凝固時間曲線25は破線で示してある。これらの図において、符号27はリング形状に組み付けられた石膏鋳型であり、溶湯28が石膏鋳型27の周囲に供給されることによりリング形状のタイヤ成形用金型を成形する。なお、リング形状の石膏鋳型27の内部には、砂等の裏打ち材29が設けられている。
【0060】
図7においては、(a)で示すように等凝固時間曲線25が外側から内側に向かう同心円となるように形成される。一方、図8においては、等凝固時間曲線25は片側から反対側に向かった波状に形成される。図9においては、等凝固時間曲線25は両側から中央に向かった波状に形成される。
【0061】
図7では、等凝固時間曲線25が鋳型27のプロファイル面と交わることがない。このため、凝固に伴う収縮により図7の凝固挙動では、(b)で示すように、鋳型27による抗力が発生する。すなわち、図7においては、鋳型27を取り囲む溶湯28が鋳型の360°全周に渡って一気に凝固ため、この全周同時の溶湯凝固による凝固収縮では、内部の鋳型27による抵抗力を受けるものである。この鋳型27の抵抗力によって、リング形状への凝固収縮が充分に行うことができず、円周方向に引き伸ばされる歪みを受ける。この歪み量が合金の凝固直後の破断伸びを上回ると、タイヤ成形用金型21に鋳割れ30が発生する。
【0062】
このように合金の凝固収縮量が小さく、かつ凝固直後の破断伸びが大きく、鋳型27の抵抗力が小さい程、鋳割れが発生しにくく、反対に、合金の凝固収縮量が大きく、かつ凝固直後の破断伸びが小さく、鋳型27の抵抗力が大きい程、鋳割れが発生し易いものとなっている。Al−Mg系合金は、凝固収縮量が比較的大きな合金種であり、Mnが存在しないと、凝固直後の破断伸びが小さくなることから鋳割れが発生しやすい。
【0063】
なお、鋳型27の抵抗力の大小については、鋳型内部に細かな気泡を無数に含ませた発泡石膏鋳型の方が、非発泡石膏鋳型よりも抵抗力が小さい。このため、鋳割れの防止策としては、発泡石膏鋳型を使用することも効果があるものとなっている。
【0064】
一方、図8及び図9においては、等凝固時間曲線25が鋳型27のプロファイル面(鋳型表面)と1箇所以上で交差している。このような等凝固時間曲線25では、図8及び図9のそれぞれの(b)の矢印で示すように、等凝固時間曲線25上での収縮分は、液相31から補充される。このように平面Gにおける断面での等凝固時間曲線が、鋳型27のプロファイル面(鋳型表面)と一箇所以上で交差する場合(図8,図9)は鋳割れが発生しにくいものとなる。これは、平面Gの断面上での各等凝固時間曲線25がリング状につながっていないことによるものである。すなわち、各等凝固時間曲線25上で溶湯が凝固する際に生ずる凝固収縮は、鋳型27から何ら抵抗力を受けることがなく、凝固収縮による体積減少分は、未凝固溶湯から補給されることによって補われる。このことにより、リング形状のタイヤ成形用金型の凝固時に、円周方向への歪みが生じにくくなり、鋳割れにつながり難いものとなる。
【0065】
次に、以上の図7〜図9の等凝固時間曲線25の発現形態と鋳込み方式との関係を説明する。
【0066】
図7の等凝固時間曲線25は、鋳型、鋳枠間に対する溶湯の充填を極めて短い時間で完了するか、リング形状の360°全周に渡って軸対称に溶湯を流し込んだ場合に発現しやすい。
【0067】
図10は前者の充填例を示し、重力鋳造法に適用されるものである。リング形状の鋳型27をセットした鋳枠33に仕切板34が設けられている。仕切板34は鋳枠33と鋳型27との間を仕切るように配置されるものであり、溶湯28の鋳込みの際に、仕切板34を上方に引き上げることにより溶湯28が短時間で鋳型27の周囲に充填される。
【0068】
図11は後者の充填例を示し、重力鋳造法及び低圧鋳造法に適用されるものである。成形されるリング形状のタイヤ成形用金型21に対し、溶湯28の出湯口35がリング形状の中心部分に配置されている。このような配置では、溶湯は鋳型の全周で軸対称に充填される。
【0069】
一方、図8及び図9の等凝固時間曲線25は、鋳枠内に溶湯を注ぎ込む出湯口をリング形状に対して非軸対称に配置するか、軸対称となっても、2〜8個程度の有限の個数となるように出湯口を設けた場合、或いは、鋳枠の一部分に熱伝導特性の良好な冷やし金や強制冷却装置を配置した場合に発現しやすい。
【0070】
図12は、リング形状に成形されるタイヤ成形用金型21に対し、複数の出湯口36を非軸対称に配置した場合であり、これにより、リング形状に対して溶湯を非軸対称に出湯させることができ、出湯口近傍のみ溶湯凝固を意図的に遅らせることができる。
【0071】
図13は、リング形状に成形されるタイヤ成形用金型21に対し、出湯口36を軸対称に配置しているが、出湯口36を有限個数設けた場合であり、これにより、出湯口近傍のみ溶湯凝固を意図的に遅らせることができる。
【0072】
図14は、鋳枠の外周側に冷やし金37を配置した場合であり、これにより、リング形状の外面の一部に対して冷却を行いながら溶湯を凝固させることができる。この冷やし金37は、鋳枠の外周側に複数配置しても良い。
【0073】
以上の図12〜図14の手段を設けることにより、Al−Mg系合金を用いてタイヤ成形用金型をリング形状に成形しても、鋳割れの発生を防止することができる。
【0074】
なお、この実施形態では、Al−Mg系合金におけるMn含有量を0.05重量%以下としてリング形状のタイヤ成形用金型を鋳造することができる。このようなMn含有量では、タイヤ成形用金型の表面に発生する羽毛状晶の大きさを殆ど問題ないレベルまで小さくすることができる。また、Mn含有量が少ない事による、鋳割れ不具合も効果的に防止することができる。
【0075】
【実施例】
図15は、以下の各実施例を通じて作製したタイヤ成形用金型41を示し、各部の寸法はmmである。
【0076】
このタイヤ成形用金型41を成形するための石膏鋳型は、非発泡石膏((株)ノリタケジプサム製、商品名「G−6」)100重量部を水50重量部によって調合した。鋳造に用いるAl−Mg系合金は、Mg:4.5〜5.5重量%、Si:0.1〜0.3重量%、Fe:0.3〜0.5重量%、残部をAlとした組成のJIS AC7Aに準じた合金である。なお、Mnの量は各実施例で異なるように調合している。
【0077】
鋳造は、FC250(ねずみ鋳鉄)からなる鋳枠を150〜200℃に加熱した状態で、上述した合金の溶湯を675〜685℃で鋳込むことにより行った。
【0078】
(実施例1)
図16は、実施例1におけるリング形状のタイヤ成形用金型41を鋳造する際に、鋳枠に設けた出湯口36の配置を示す。出湯口36は、全部で5箇所となっているが、リング形状における一側に集中するように配置した。
【0079】
この実施例では、リング形状のタイヤ成形用金型41意匠面での溶湯の最終凝固時間をコンピューター解析(コマツソフト(社)製、商品名「JS−CAST」)によりシミュレーションして予測したところ、凝固時間が1670secの条件となった。また、タイヤ成形用金型41で許容される羽毛状晶の最大長さは、1.0mm以下であった。
【0080】
これら2つの数値を第1実施形態に記載の予測式に代入し、合金中に許容され得る臨界Mn含有量を計算した。その結果、Mn含有量(重量%)≦0.041の条件となった。
【0081】
以上の結果に基づいて、合金中のMn含有量を0.04%程度となるように調合して鋳造した。鋳込み開始から鋳造終了まで約360秒かかった。鋳造されたリング形状のタイヤ成形用金型41における羽毛状の最大長さは、約0.85mmであり、発生量も僅かとなっていた。また、鋳割れの発生もなかった。
【0082】
(実施例2)
図17は、実施例2におけるリング形状のタイヤ成形用金型41を鋳造する際に、鋳枠に設けた出湯口36の配置を示す。出湯口36は、実施例1と同様に、リング形状における一側に集中するように5箇所に設けた。
【0083】
この実施例では、Mn含有量を「0」とするように調合したAl−Mg系合金を用い実施例1と同様に鋳造を行った。なお、鋳込み開始から終了までの所要時間のみ180秒に短縮した。このようにして鋳造したリング形状のタイヤ成形用金型41には、羽毛状晶は視認されなかった。また、室温まで冷却されたタイヤ成形用金型41には、鋳割れは発生していなかった。
【0084】
(実施例3)
図18は、実施例3における強制空冷装置43の配置を示す。強制空冷装置43は、鋳造されるリング形状のタイヤ成形用金型41の外面の一部と接触するように配置した。なお、溶湯の出湯は、鋳型の全周から行った。
【0085】
この実施例では、実施例2と同様に、Mn量「0」のAl−Mg系合金を用いてリング形状のタイヤ成形用金型41を鋳造した。鋳込み開始から終了までの時間は180秒であった。
【0086】
鋳込み完了後、リング形状の外周部位の30deg程度の区画に対して強制空冷装置43の空冷パイプを装着して一部分のみの強制空冷を行った。このようにして製作されたリング形状のタイヤ成形用金型41には、羽毛状晶欠陥の発生がなく、また鋳割れは発生していなかった。
【0087】
(比較例1)
図19は、実施例3の強制空冷装置43を用いることなく、他の条件は実施例3と同様にしてタイヤ成形用金型41を作製する比較例を示す。Al−Mg系合金中のMn含有量は「0」である。また、溶湯28はリング形状に対し軸対称に供給した。
【0088】
この比較例によって製作されたタイヤ成形用金型には、羽毛状晶が発生しなかったが、タイヤ成形用金型の上型側意匠面の一部に亀裂(鋳割れ)が確認され、不良判定となった。
【0089】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、羽毛状結晶組織の最大寸法をAl−Mg系合金中のMn量及び羽毛状結晶組織発生部位における溶湯の凝固時間に基づいて予測するため、鋳造の際における羽毛状結晶組織の発生を抑制することができる。
【0090】
請求項2の発明によれば、所定の大きさ以上の羽毛状結晶組織が発生しない臨界Mn量を算出して鋳造を行うため、羽毛状結晶組織が発生しないか、発生しても目立たない許容範囲内となる。従って、サンドペーパ等を用いた金型表面の加工が不要となるばかりでなく、成形品であるタイヤの不良品発生率を低下することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)及び(b)はタイヤ成形用金型への羽毛状晶の発生部位を溶湯凝固方向と共に示す断面図である。
【図2】羽毛状晶の最大長さを予測するための特性図である。
【図3】(a)〜(c)は顕微鏡によるAC7A合金の凝固における金属組織の変化を示す断面図である。
【図4】(a)〜(c)は顕微鏡によるAC4C合金の凝固における金属組織の変化を示す断面図である。
【図5】成形されるリング形状のタイヤ成形用金型を示す斜視図である。
【図6】(a)及び(b)は、図5の平面Fの断面における等凝固時間曲線を示す断面図である。
【図7】(a)〜(c)は図5の平面Gの断面における溶湯の凝固特性を示す断面図である。
【図8】(a)〜(c)は図5の平面Gの断面における溶湯の別の凝固特性を示す断面図である。
【図9】(a)〜(c)は図5の平面Gの断面における溶湯のさらに別の凝固特性を示す断面図である。
【図10】(a)、(b)は鋳型への溶湯の供給例を示す断面図である。
【図11】リング形状のタイヤ成形用金型に対して軸対称に溶湯を充填する例を示す斜視図である。
【図12】リング形状のタイヤ成形用金型に対して出湯口を非軸対称に配置した状態を示す斜視図である。
【図13】リング形状のタイヤ成形用金型に対して出湯口を有限個配置した状態を示す斜視図である。
【図14】リング形状のタイヤ成形用金型に対して外面の一部に冷却を行う構成を示す斜視図である。
【図15】実施例によって作製されるリング形状のタイヤ成形用金型を示す斜視図である。
【図16】実施例1を示す斜視図である。
【図17】実施例2を示す斜視図である。
【図18】実施例3を示す斜視図である。
【図19】比較例4を示す斜視図である。
【図20】(a)〜(g)は石膏鋳造法によって2Pモールドを作製する手順を示す断面図である。
【図21】(a)〜(f)は石膏鋳造法によってセクショナルモールドを作製する手順を示す断面図である。
【図22】羽毛状晶の一例を示す正面図である。
Claims (2)
- 石膏鋳型に対してAl−Mg系合金を鋳造することによりタイヤ成形用金型を製造するのに際し、タイヤ成形用金型の意匠面に発生する鳥の羽様の羽毛状結晶組織の最大寸法を、前記合金中に含まれるMn量と、羽毛状結晶組織発生部位の溶湯凝固時間とから定量的に予測することを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
- 請求項1記載の予測に基づいて特定の閾値以上の大きさの羽毛状結晶組織が発生しない臨界Mn量を算出し、算出した臨界Mn量以下のMnを含有したAl−Mg合金を用いて鋳造を行うことを特徴とするタイヤ成形用金型の製造方法。
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