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JP3891756B2 - 内燃機関の潤滑構造 - Google Patents

内燃機関の潤滑構造 Download PDF

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JP3891756B2 JP2000098861A JP2000098861A JP3891756B2 JP 3891756 B2 JP3891756 B2 JP 3891756B2 JP 2000098861 A JP2000098861 A JP 2000098861A JP 2000098861 A JP2000098861 A JP 2000098861A JP 3891756 B2 JP3891756 B2 JP 3891756B2
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  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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  • Lubrication Of Internal Combustion Engines (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関における潤滑構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に内燃機関の潤滑系は、内燃機関の内側寄りのポンプ室から内燃機関の外側寄りのオイルフィルタにオイルを導いていた。
例えば特開平9−88538号公報記載の例を図8に示す。
【0003】
右クランクケース01の右側面にクラッチカバー02が締結され、右クランクケース01とクラッチカバー02との間でオイルポンプ軸04がクランク軸03と平行に左右方向に指向して回転自在に軸支されている。
このオイルポンプ軸04の右クランクケース01側端部にオイルポンプ05が設けられ、クラッチカバー02に突設されたオイルフィルタ06との間をオイル通路07が連結している。
【0004】
オイル通路07は、右クランクケース01側でオイルポンプのポンプ室側面から左方向に延びたオイル通路07aから垂直に屈曲したオイル通路07bを経てさらに垂直に屈曲して右方向に延びるオイル通路07cが形成され、オイル通路07cはクラッチカバー02側のオイル通路07dに連通し、オイル通路07dの端部で垂直に分岐して一方の分岐通路07eがオイルフィルタ06に至り、他方の分岐通路07fがオイルポンプ軸04とオイル通路07dとの間に配置されたオイルリリーフバルブ08に連通している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
オイルフィルタ06を内燃機関の外側のクラッチカバー02に設けているので、オイルフィルタ06の配置の自由度は小さく、内燃機関の内側の右クランクケース01に設けられたオイルポンプ05から該オイルフィルタ06にオイルを導くオイル通路07a,07b,07cがコ字状に迂回することから通路が複雑となり、加工が容易でない。
【0006】
またオイル通路07a,07b,07c,07dが、オイルリリーフバルブ08を迂回するようにしてコ字状をなしているので、オイル流通経路の配置スペースが広く必要とされ、かつそれがためオイルフィルタ06がさらに突出した位置に配置されることになり、内燃機関の小型化を妨げている。
【0007】
本発明は、斯かる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、オイルフィルタの配置の自由度が大きく、オイル通路が複雑でなく加工が容易で配置スペースが小さく内燃機関の小型化が図れる内燃機関の潤滑構造を供する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段及び作用効果】
上記目的を達成するために、本請求項1記載の発明は、クランク軸に平行に配置されたオイルポンプ軸の一端にオイルポンプが設けられ、前記オイルポンプのポンプ室側面から前記オイルポンプ軸に平行に他端方向に向かってオイル通路が形成され、前記オイル通路に面してオイルフィルタが設けられ、前記オイル通路から垂直に前記オイルフィルタへの連通路が延出され、前記オイルフィルタからのオイル導出路が真っ直ぐ後方へ前記クランク軸の下方まで延出されてオイル供給路に連通し、前記クランク軸の軸受部へオイルを供給する前記オイル供給路は前記オイル通路と平行に設けられる内燃機関の潤滑構造とした。
【0009】
オイルポンプ軸の端部に設けられたオイルポンプのポンプ室側面からオイルポンプ軸に平行に他端方向に向かってオイル通路が形成され、このオイル通路に迂回することがなく垂直に連通路が延びてオイル通路に面したオイルフィルタに至る簡単なオイル通路であり、加工が容易であるとともに、配置スペースが小さくて済み、そのためオイルフィルタも突出が抑制されて内燃機関の小型化が図れる。
オイル通路のどの位置からでも垂直に連通路を延出してオイルフィルタに連結することができるので、オイルフィルタの配置の自由度が大きい。
【0010】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の内燃機関の潤滑構造において、前記オイルポンプ軸の両端が前記クランク軸のクランクウエイト部より両外側にあり、前記オイルフィルタが、前記オイル通路のエンジン中心より前記オイルポンプと反対側にオフセットした位置に配置され、前記オイル通路と平行でかつ前記オイルフィルタからのオイル導出路に対して両側に前記オイル通路とオイルリリーフ通路とが形成され、前記オイルフィルタと前記オイルポンプとの間にあって前記オイルリリーフ通路にリリーフバルブが同軸に設けられたことを特徴とする。
【0011】
オイルポンプ軸の両端がクランクウエイト部より両外側にあって、その間にあるオイル通路のオイルポンプと反対側にオフセットした適当な位置にオイルフィルタを配置できるので、シリンダヘッドから延出する排気管をオイルフィルタに干渉せずに配置する自由度が大きく、オイルフィルタと排気管とを重ならずに近づけて両者の張り出しを防止し車体の小型化を図ることができる。
【0012】
オイルリリーフ通路をオイル通路に平行に形成し、同軸にリリーフバルブを設けることでオイル通路を小さいスペースで配置し車体の小型化に寄与する。
オイル通路と平行でかつオイルフィルタからのオイル導出路に対して両側にオイル通路とオイルリリーフ通路とが形成されるので、オイル通路とオイルリリーフ通路の前後方向の相対的ずれが小さく内燃機関の前後長を小さくできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下本発明に係る一実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明する。
本実施の形態に係る内燃機関は、スクータ型自動二輪車1に適用したもので、同スクータ型自動二輪車1の全体側面図を図1に図示する。
【0014】
本スクータ型自動二輪車1の車体フレームは、ヘッドパイプ2の上部から左右一対のメインパイプ3,3が後方へ斜め下向きに側面視で直線的に延出しており、ヘッドパイプ2の下部から後方へ略水平に延びた左右一対のサポートパイプ4,4がメインパイプ3,3に連結されてメインパイプ3,3の前部を支持している。
【0015】
そしてこのサポートパイプ4,4の中間部から左右一対のダウンパイプ5,5が左右に広がって下方へ急傾斜角度で延出して前側鉛直部5a,5aをなし、下端で後方へ屈曲して中央水平部5b,5bを形成し、その後端で上方へ屈曲して後側傾斜部5c,5cを形成している。
【0016】
この後側傾斜部5c,5cの下部に前記メインパイプ3,3の後端が連結されて側面視で概ね三角形状をなすメインパイプ3とダウンパイプ5の間には補強パイプ6が介装されている。
【0017】
メインパイプ3,3の中央より若干後寄り部分に前端を固着して水平に近い僅かに斜め上向きにシートレール7,7が後方へ車体後部まで延びており、同シートレール7,7の中央部に前記ダウンパイプ5,5の後側傾斜部5c,5cの上端が連結されてシートレール7,7を下から支持する構造となっている。
【0018】
ヘッドパイプ2は、ステアリングシャフト11を軸支して、その上方へハンドル12,12が左右に展開して形成され、下方へはフロントフォーク13が延出して、その下端に前輪14が軸支されている。
【0019】
ダウンパイプ5の後側傾斜部5cの上下に支持ブラケット5d,5eが後方へ向けて突設されており、左右にそれぞれ対をなす支持ブラケット5d,5eに内燃機関20が懸架される。
【0020】
内燃機関20は、4サイクル2気筒内燃機関であり、クランクケース21をダウンパイプ5の後側傾斜部5cより後方に位置させ、クランクケース21に順次重ねられて合体したシリンダブロック22,シリンダヘッド23,シリンダヘッドカバー24が、前方へ大きく前傾した姿勢で後側傾斜部5cより前方に突設されている。
【0021】
シリンダブロック22,シリンダヘッド23,シリンダヘッドカバー24は側面視で左右のダウンパイプ5の後側傾斜部5cとメインパイプ3の後部とシートレール7の前部とにより構成される左右の三角形の間に位置し、クランクケース21の上部に突設されたマウントブラケット21aと前部に突設されたマウントブラケット21bが前記支持ブラケット5d,5eに支軸8,9を介して各々支持されることで内燃機関20は車体フレームに懸架される。
【0022】
この内燃機関20のクランクケース21にベルト式自動変速機50が前部を枢着されて後方へ延出して後部に後輪15を軸支している。
内燃機関20の前傾したシリンダヘッド23の各シリンダから上方へそれぞれ延出した吸気管31,31が後方へ湾曲しクランクケース21の上に左右に並んで配設された気化器32,32に接続され、気化器32,32はその後方に配設されたエアクリーナ33に連結されている。
エアクリーナ33は左右シートレール7,7の間に配置され、その上方にヘルメット収納ボックス34がシートレール7,7に架設支持されている。
【0023】
内燃機関20及び気化器32の上方を運転者用シート35が開閉自在に覆い、ヘルメット収納ボックス34及びその後部の上方を添乗者用シート36が開閉自在に覆っている。
【0024】
シリンダヘッド23から下方へそれぞれ延出した排気管37,37は、クランクケース21の前方を右側に寄ってクランクケース21の右側面に沿って後方へ延び、一本に結合されて車体の右側面を斜め上方に立ち上がり、後輪15の右側に支持されるマフラー38に連結されている。
内燃機関20の前には、上側の左右2本のメンパイプ3,3と前側及び下側の左右2本のダウンパイプ5,5の4本のパイプに囲まれて燃料タンク39が架設支持されている。
【0025】
本スクータ型自動二輪車1は、概ね以上のような構成をしている。
以下内燃機関20及びクランクケース21に枢着されるベルト式自動変速機50の構造について説明する。
【0026】
クランクケース21は左右割りのクランクケース21L,21Rを合体するもので、図3に示すように同クランクケース21内の左右水平方向に指向したクランク軸25の右端にはACジェネレータ29のアウタロータ29aが嵌着され、その側方をケースカバー28が右クランクケース21Rに固着されて覆っており、同ケースカバー28にACジェネレータ29のインナステータ29bが支持されている。
【0027】
シリンダブロック22の2本のシリンダスリーブ30内を各々往復摺動するピストン26,26がコネクティングロッド27,27を介してクランク軸25のクランクピンに連結されている。
両クランクピンは360度の位相有している。
【0028】
シリンダヘッド23には動弁機構40が設けられており、左右水平方向に指向した上下2本のカムシャフト41,41の右端に嵌着されたカムチェーンスプロケット42,42とクランク軸25の右クランクケース21Rより突出した根元部分に嵌着されたドライブチェーンスプロケット43との間にタイミングチェーン44が架渡されて動力が伝達されるようになっている。
【0029】
タイミングチェーン44は、シリンダブロック22とシリンダヘッド23の右側に形成されたカムチェーンチャンバー22a,23aを通っている。
カムシャフト41,41は、それぞれ吸気バルブ45と排気バルブ46を所定タイミングで駆動する。
【0030】
斯かる内燃機関20のクランクケース21にベルト式自動変速機50が枢着される。
右クランクケース21Rの右開口を塞ぎACジェネレータ29を覆うケースカバー28には、クランク軸25と同軸の開口部を有し、同開口部にベアリング54を介して回転軸55が右方に突設されており、同突設部にベルト式自動変速機50の右側変速機ケース51の基端部51aが嵌着されている。
【0031】
右側変速機ケース51は、基端部51aから右クランクケース21R の後面に沿って内側に回り込んだ連結部51bを有している。
連結部51bの後面上下2ヶ所にそれぞれ取付けボス部51cが後方へ突出しており、同取付けボス部51cの右側合わせ面に右フォーク部材53の前端の左側合わせ面を合わせ、上下2ヶ所をボルト56により螺着して右側変速機ケース51に右フォーク部材53を一体に連結して後方へ延出する。
【0032】
一方クランク軸25の左端は、左クランクケース21Lを貫通して左方に突出しており、この突出部に遠心変速機構を備えたドライブプーリ60が設けられている。
左クランクケース21Lのクランク軸25が貫通する外側面のクランク軸25の周囲に環状支持部材57が固着され、同環状支持部材57にベアリング58を介して左側変速機ケース52の基端部52aが揺動自在に枢支されている。
【0033】
左側変速機ケース52は、基端部52aから左クランクケース21Lの後面に沿って内側に回り込んだ連結部52bとさらに後方へ延出した左フォーク部52cとを有する。
【0034】
クランクケース21の後面に沿って右側から回り込んだ右側変速機ケース51の連結部51bと左側から回り込んだ左側変速機ケース52の連結部52bとが互いに連結合わせ面どうしを当接し4本のボルト59を螺着して左右の変速機ケース51,52を連結し左フォーク部52cと右フォーク部材53が相対向して一体に結合する。
【0035】
結合された一方の右側変速機ケース51はクランク軸25を中心にベアリング54により揺動自在に軸支され、他方の左側変速機ケース52はクランク軸25を中心にベアリング58により揺動自在に軸支されているので、相対した左フォーク部52cと右フォーク部材53は一体にクランク軸25を中心に上下に揺動自在に支持されることになる。
【0036】
左側変速機ケース52の左フォーク部52cの後部はミッション室をなし、ドリブン軸64が回転自在に支持され、同ドリブン軸64に遠心クラッチ63を介してドリブンプーリ62が軸支されている。
このドリブンプーリ62と前記ドライブプーリ60との間にVベルト61が架渡されてベルト式の自動変速機構を構成している。
【0037】
左フォーク部52cの後部のミッション室内において、ドリブン軸64から中間軸65を介して車軸66に駆動力が伝達されるミッションギヤ群65aによる減速機構が構成されている。
車軸66は、左フォーク部52cと右フォーク部材53の間に回転自在に架設されており、左フォーク部52cと右フォーク部材53の間で後輪15が車軸66に支持されている。
【0038】
したがってベルト式変速機50を支持した左右変速機ケース51,52は、クランク軸25を中心に左フォーク部52c,右フォーク部材53及び後輪15を上下に揺動自在として枢支される。
後輪15の揺動中心をクランク軸25と同軸としたので、内燃機関20から後輪15までの前後幅を短縮して車体全体の前後長を小さくすることができる。
【0039】
そして左側変速機ケース52の後端とシートレール7の後端との間にリヤクッション67が介装される。
ベルト式変速機50を収納する左側変速機ケース52の左側開口をベルトカバー68が塞ぎベルト式変速機50を左側から覆う。
【0040】
本内燃機関20は、クランク軸25の上下に一対のバランサ軸71,72を有し、右クランクケース21Rの軸受部の内面に沿ってクランク軸25に嵌着されたドライブギヤ73に各バランサ軸71,72に嵌着されたバランサドリブンギヤ74,75が同時に噛合しており、クランク軸25の回転により両バランサ軸71,72が反対方向に回転する。
【0041】
上側バランサ軸71の真上にマウントブラケット21aがクランクケース21に突設され、マウントブラケット21aの前にスタータモータ78が配置され、スタータモータ78,マウントブラケット21a,上側バランサ軸71の3つが集中配置されている(図4参照)。
【0042】
下側バランサ軸72の下方で斜め前方にポンプ駆動軸80が平行に架設され、下側バランサ軸72の右クランクケース21Rより突出した右端に嵌着されたドライブスプロケット72aとポンプ駆動軸80の右端に嵌着されたドリブンスプロケット80aとの間にチェーン82が架渡されている(図4、図5参照)。
よってクランク軸25の回転は、バランサ軸72を仲介してポンプ駆動軸80を回転させる。
【0043】
ポンプ駆動軸80は、両端がクランク軸25のクランクウエイト部より両外側に位置するように配設されており、このポンプ駆動軸80の右クランクケース21Rと右端のドリブンスプロケット81との間にオイルポンプ85が設けられ、ポンプ駆動軸80の左クランクケース21Lより突出した部分にウォータポンプ86が設けられている。
【0044】
図5に示すようにウォータポンプ86のインペラ86aの中央の左空間部から前方へ吸入接続管87が突出しており、インペラ86aの側方から上方に向かって吐出接続管88が突出し、同吐出接続管88とシリンダブロック22の左側面に設けられた冷却水入口に突設された接続管91とがホース89により連結される(図2参照)。
【0045】
一方オイルポンプ85のポンプ室の左側面に設けられた吸入ポート85aにはクランクケース21の下部のオイルパンに向かってオイル吸入路92が形成され、オイル吸入路92の途中にオイルストレーナ93が介装されている(図5参照)。
【0046】
また図6に示すようにオイルポンプ85のポンプ室の左側面に吸入ポート85aとは別に設けられた吐出ポート85bからはポンプ軸80と平行に左方向にオイル通路94が右クランクケース21Rから左クランクケース21Lに亘ってウォータポンプ86の手前まで形成されている。
【0047】
このオイル通路94の左端で垂直前方へ屈曲したオイル導入路95が、左クランクケース21Lの前壁下部から前方へ突設されたオイルフィルタ96へオイルを導入する連通路である。
オイルフィルタ96の底面(合わせ面)の中央からオイル導出路97が後方へ延出してしており、前記オイル導入路95は中央のオイル導出路97の上方に位置する(図4,図7参照)。
【0048】
オイル導出路97は真っ直ぐ後方へクランク軸25の下方あたりまで延びて内燃機関20の種々の軸受部等へオイルを供給するオイル供給路98に連通している。
オイルフィルタ96の底面における中央のオイル導出路97の下方からリリーフ連通路99が後方へオイル通路94の下方あたりまで突出し(図4,図7参照)、後端で右水平方向に屈曲してオイル通路94と平行なリリーフ通路100となっている。
オイル通路94とリリーフ通路100は、オイル導出路97を間に挟んで上下に平行に形成されるので、前後方向に幅狭く配設され、内燃機関20の前後長の短縮に寄与する。
【0049】
図5は、図4においてV−V線に沿って切断した断面に合わせてV1−V1線に沿って切断した断面を同時に示しており、このV1−V1線に沿って切断した断面を参照して左クランクケース21Lに形成されるリリーフ通路100は、右クランクケース21Rとの合わせ面近傍で右端が開口しており、この開口にリリーフバルブ101が右側から嵌入されリリーフ通路100に同軸に取り付けられる。
なお右クランクケース21Rからはリリーフバルブ101を右側から押える突起102が突出している。
【0050】
オイル潤滑経路は概ね以上のような構造をしており、ポンプ軸80の回転によりオイルポンプ85が駆動すると、オイルポンプ85はクランクケース21の下部のオイルパン103に溜まったオイルをオイルストレーナ93を介して吸入し、吐出ポート85bへオイルを吐出する。
【0051】
吐出ポート85bに吐出されたオイルはオイル通路94を左方向へ流れ、オイル導入路95からオイルフィルタ96に入る。
オイルはオイルフィルタ96のフィルタエレメントの外側に入り、フィルタエレメントでろ過されてその内側に入りオイル導出路97を通って後方へ流出し、オイル供給路98により内燃機関20の種々の軸受部等へオイルが供給される。
【0052】
オイルフィルタ96のフィルタエレメントの外側はリリーフ連通路99を介してリリーフ通路100に連通しており、フィルタエレメントの詰まりによりフィルタエレメントの外側の液圧が所定圧以上に上昇したときにリリーフ通路100に設けられたリリーフバルブ101が開いてオイルをクランクケース21内に逃がすようになっている。
【0053】
オイルポンプ軸80の右端部に設けられたオイルポンプ85のポンプ室側面の吐出ポート85bからオイルポンプ軸80に平行に左端方向に向かってオイル通路94が形成され、このオイル通路94に迂回することがなく垂直にオイル導入路95が延びてオイルフィルタ96に至る単純なオイルの通路が形成されており、クランクケース21が左右割り構造であることもあってオイル通路の加工が容易である。
【0054】
また左クランクケース21Lに形成されたリリーフ通路100は、右水平方向に延びて割り面あたりでリリーフバルブ101を取付ける開口を形成しているので、このリリーフ通路100を加工成形することも容易である。
【0055】
オイル通路94はポンプ軸80に近接しオイル導入路95も短く通路の配置スペースが小さくて済む。
そのためオイルフィルタ96の取付け位置もポンプ軸80に近づけて前方への突出が抑制され、内燃機関の小型化が図れる。
【0056】
リリーフ通路100もオイル通路94の下方近傍にあって左右水平方向に指向しており、同軸にリリーフバルブ101が取り付けられるので、リリーフ通路100及びリリーフバルブ101の配置にスペースを多く取られることがなく内燃機関の小型化に寄与することができる。
【0057】
左右水平方向に指向するオイル通路94のどの位置からでも垂直にオイル導入路95を延出してオイルフィルタ96に連結することができるので、オイルフィルタ96の左右方向の配置の自由度が大きい。
本実施の形態では、排気管37が車体の右側に配設されることから、エンジン中心よりオイルポンプ85と反対側の左側にオフセットしてオイルフィルタ96が配置されている。
【0058】
大きく前傾したシリンダヘッド23の下面から延出する排気管37は、クランク軸25のクランクウエイトがある左右幅内に左右2本並んで略下方へ向かって延出している(図7参照)。
【0059】
図7及び図4に示すようにシリンダヘッド23の左側下面から延出した左側排気管37Lは、エンジン中心より左側にオフセットして突設されたオイルフィルタ96を避けてその手前の高さで右側に屈曲し右クランクケース21Rの前面に沿って右方に延びケースカバー28の下部側面を後方へ回り込んでケースカバー28の外側面に沿って後方へ向かって延びている。
【0060】
他方シリンダヘッド23の右側下面から延出した右側排気管37Rは、右クランクケース21Rの前面を右方向に延びる前記左側排気管37Lの前方を下方に延び、前記右クランクケース21Rの右下隅の凹部21Raに回り込んで後方へ向かう。
【0061】
左側排気管37Lよりも下方を配管される右側排気管37Rの最下点は、図7及び図4に示すようにクランクケース21の最下点と略同じ高さにあり、排気管37が車体の最低地上高に影響を与えていない。
【0062】
クランクケース21の前面下部で前方へ突設されるオイルフィルタ96は、前記したように左右方向の配置の自由度が大きいので、同じクランクケース21の前面にシリンダヘッド23から延出する2本の排気管37R,37Lとオイルフィルタ96とを互いに重ならずに適当に近づけて配設して両者の張り出しを防止し車体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る内燃機関を適用したスクータ型自動二輪車の全体側面図である。
【図2】一部断面一部省略した内燃機関及びベルト式自動変速機の側面図である。
【図3】図1においてIII−III線に沿って切断した断面図である。
【図4】ケースカバーを外した内燃機関の右側面図である。
【図5】図4においてV−V線及びV1−V1線に沿って切断した断面図である。
【図6】図4においてVI−VI線に沿って切断した断面図である。
【図7】同内燃機関の下部正面図である。
【図8】従来の内燃機関のオイルポンプ軸近傍の断面図である。
【符号の説明】
1…スクータ型自動二輪車、2…ヘッドパイプ、3…メインパイプ、4…サポートパイプ、5…ダウンパイプ、6…補強パイプ、7…シートレール、8,9…支軸、
11…ステアリングシャフト、12…ハンドル、13…フロントフォーク、14…前輪、15…後輪、
20…内燃機関、21…クランクケース、22…シリンダブロック、23…シリンダヘッド、24…シリンダヘッドカバー、25…クランク軸、26…ピストン、27…コネクティングロッド、28…ケースカバー、29…ACジェネレータ、30…シリンダスリーブ、
31…吸気管、32…気化器、33…エアクリーナ、34…ヘルメット収納ボックス、35…運転者用シート、36…添乗者用シート、37…排気管、38…マフラー、39…燃料タンク、
40…動弁機構、41…カムシャフト、42…カムチェーンスプロケット、43…ドライブチェーンスプロケット、44…タイミングチェーン、45…吸気バルブ、46…排気バルブ、
50…ベルト式自動変速機、51…右側変速機ケース、52…左側変速機ケース、53…右フォーク部材、54…ベアリング、55…回転軸、56…ボルト、57…環状支持部材、58…ベアリング、59…ボルト、60…ドライブプーリ、61…Vベルト、62…ドリブンプーリ、63…遠心クラッチ、64…ドリブン軸、65…中間軸、66…車軸、67…リヤクッション、68…ベルトカバー、
71,72…バランサ軸、73…ドライブギヤ、74,75…バランサドリブンギヤ、76…スプリング、78…スタータモータ、
80…ポンプ駆動軸、82…チェーン、85…オイルポンプ、86…ウォータポンプ、87…吸入接続管、88…吐出接続管、89…ホース、91…接続管、92…オイル吸入路、93…オイルストレーナ、94…オイル通路、95…オイル導入路、96…オイルフィルタ、97…オイル導出路、98…オイル供給路、99…リリーフ連通路、100…リリーフ通路、101…リリーフバルブ、102…突起、103…オイルパン。

Claims (4)

  1. クランク軸に平行に配置されたオイルポンプ軸の一端にオイルポンプが設けられ、
    前記オイルポンプのポンプ室側面から前記オイルポンプ軸に平行に他端方向に向かってオイル通路が形成され、
    前記オイル通路に面してオイルフィルタが設けられ、
    前記オイル通路から垂直に前記オイルフィルタへの連通路が延出され
    前記オイルフィルタからのオイル導出路が真っ直ぐ後方へ前記クランク軸の下方まで延出されてオイル供給路に連通し、
    前記クランク軸の軸受部へオイルを供給する前記オイル供給路は前記オイル通路と平行に設けられることを特徴とする内燃機関の潤滑構造。
  2. 前記オイルポンプ軸は、両端が前記クランク軸のクランクウエイト部より両外側にあり、
    前記オイルフィルタは、前記オイル通路のエンジン中心より前記オイルポンプと反対側にオフセットした位置に配置され、
    前記オイル通路と平行でかつ前記オイルフィルタからのオイル導出路に対して両側に前記オイル通路とオイルリリーフ通路とが形成され、
    前記オイルフィルタと前記オイルポンプとの間で前記オイルリリーフ通路にリリーフバルブが同軸に設けられたことを特徴とする請求項1記載の内燃機関の潤滑構造。
  3. 前記オイルフィルタはエンジンの下部に配置され、
    前記オイル導出路は前記オイルフィルタから前記オイルポンプ軸の下方を後方へ延出することを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の潤滑構造。
  4. バランサ軸の下方で斜め前方に前記オイルポンプ軸が平行に架設されることを特徴とする請求項3記載の内燃機関の潤滑構造。
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