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JP3891421B2 - 電子回路、変調方法、並びに、情報処理装置および方法 - Google Patents

電子回路、変調方法、並びに、情報処理装置および方法 Download PDF

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JP3891421B2
JP3891421B2 JP2002301256A JP2002301256A JP3891421B2 JP 3891421 B2 JP3891421 B2 JP 3891421B2 JP 2002301256 A JP2002301256 A JP 2002301256A JP 2002301256 A JP2002301256 A JP 2002301256A JP 3891421 B2 JP3891421 B2 JP 3891421B2
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    • H04L27/366Arrangements for compensating undesirable properties of the transmission path between the modulator and the demodulator
    • H04L27/367Arrangements for compensating undesirable properties of the transmission path between the modulator and the demodulator using predistortion

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  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Digital Transmission Methods That Use Modulated Carrier Waves (AREA)
  • Near-Field Transmission Systems (AREA)
  • Amplitude Modulation (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子回路、変調方法、並びに、情報処理装置および方法に関し、特に、デジタルデータを振幅変調にて共振回路を含むアンテナを介して送信する場合、受信側における通信不良の発生頻度を抑制することができるようにした電子回路、変調方法、並びに、情報処理装置および方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
非接触通信技術が応用されたIC(Integrated Circuit)カードシステムは、携帯可能なICカード、および、そのICカードに記憶されている情報を非接触で読み出すとともに、所定の情報をそのICカードに非接触で記憶させることが可能ないわゆるリーダライタ装置(以下、R/W装置と記述する)から構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
即ち、ICカードシステムは、非接触で情報の読み書きが可能な利便性の高いシステムであり、例えば、近年、定期券や認証カードに代表される従来の磁気式カードシステムの代替システムとして使用されている。
【0004】
従来、ICカードシステムのR/W装置のうちの送信部(アンテナと、変復調器のうちのデジタルデータを送信する部分から構成される送信部)は、例えば、図1に示されるように構成されている。なお、以下、そのような送信部を、単独の装置とみなして送信装置と称する。
【0005】
即ち、図1に示されるように、送信装置1には、所定の周波数(例えば、13.56MHz)の搬送波21を出力する搬送波出力部11、送信すべきデジタルデータ(以下、送信データと称する)に対応する、所定の周波数(例えば、212kHz)の信号波(方形波)22を出力する送信データ出力部12、搬送波21の振幅を信号波22によって変化させるとともに増幅することで振幅変調波23を生成し、それを出力する変調および増幅部13、並びに、コイルLaとコンデンサCaから構成される共振回路を有し、振幅変調波23に基づく電磁波24を出力する(例えば、図示はしないが、ICカードに送信する)アンテナ部14が設けられている。
【0006】
なお、変調および増幅部13は、後述するように、アンテナ部14から見た場合、アンテナ部14の駆動部(ドライブ)としても機能するので、以下、変調および増幅部13を、アンテナ駆動部13とも称する。
【0007】
具体的には、例えば、送信装置1は、図2に示されるように構成される。
【0008】
即ち、変調および増幅部13は、変調および増幅用のトランジスタTR1およびトランジスタTR2、スイッチSW、トランジスタTR1およびトランジスタTR2のエミッタ負荷となる抵抗R1および抵抗R2、コイルL1およびコイルL2、コンデンサC1、並びに、トランスTrの一次側から構成されている。
【0009】
トランジスタTR1とトランジスタTR2のベースには、搬送波出力部11が接続されている。ただし、トランジスタTR2のベースには、トランジスタTR1のベースに入力される搬送波21の逆相が入力される。
【0010】
トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタには、一端が接地された抵抗R1の他端が接続されるとともに、一端がスイッチSWに接続されている抵抗R2の他端が接続されている。スイッチSWの抵抗R2に接続された端に対する他端は接地されている。このスイッチSWは、送信データ出力部12から入力されるパルス信号22の変化に応じてスイッチング動作を行う。
【0011】
トランジスタTR1のコレクタには、一端に電圧Vcc1が印加されるコイルL1の他端が接続されるとともに、コンデンサC1とトランスTrの1次側のコイルで構成される共振回路が接続されている。同様に、トランジスタTR2のコレクタには、一端に電圧Vcc1が印加されるコイルL2の他端が接続されるとともに、コンデンサC1とトランスTrの1次側のコイルで構成される共振回路が接続されている。
【0012】
アンテナ部14は、トランスTrの2次側のコイルLa、抵抗Ra、および、コンデンサCaが並列的に接続された閉回路として構成されている。即ち、アンテナ部14は、コイルLaの部分がループアンテナとして動作するとともに、コイルLa、抵抗Ra、およびコンデンサCaからなるLCR共振回路としても動作する。
【0013】
次に、図2の送信装置1の動作について説明する。
【0014】
トランジスタTR1とトランジスタTR2のベースには、搬送波出力部11より13.56MHzの搬送波21が常に供給されている。
【0015】
この状態で、送信データ出力部12より送信データに対応する212KHzのパルス信号22が出力されると、スイッチSWは、パルス信号22の変化に応じてスイッチング動作を行う。即ち、スイッチSWがオン状態の場合、抵抗R2は回路に接続されるので、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ負荷は、抵抗R1と抵抗R2の合成抵抗値となる。これに対して、スイッチSWがオフ状態の場合、抵抗R2は回路から切り離されるので、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ負荷は、抵抗R1の抵抗値となる。
【0016】
このように、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ負荷は、送信データ出力部12より入力されるパルス信号22(送信データ)に応じて変化する。そして、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ負荷が変化することでエミッタ電流が変化し、その変化に応じて、コレクタ電圧Vcの振幅も2レベルに変化する。即ち、コレクタ電圧Vcが、振幅変調波23に相当することになる。
【0017】
このコレクタ電圧Vc(振幅変調波23)の振幅の変化に応じて、アンテナ部14のコイルLaより出力される電磁波24の振幅レベルも変化する。
【0018】
換言すると、トランジスタTR1とトランジスタTR2のベースに入力される搬送波21が、ローレベルとハイレベルの2レベルを有するパルス信号22によって(パルス信号22の変化に対応する、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ電流(信号波)の変化によって)振幅変調されるとともに増幅されて、パルス信号22のハイレベルに対応する第1のレベルと、パルス信号22のローレベルに対応する第2のレベルの2レベルの振幅を有する振幅変調波23となり、トランジスタTR1とトランジスタTR2のコレクタを介してアンテナ部14に供給される。アンテナ部14は、供給された振幅変調波23に基づく電磁波24、即ち、第1と第2のレベルに対応する2レベルの振幅を有する電磁波24を出力する。
【0019】
【特許文献1】
特開平10-13312号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した動作に従って、図2の送信装置1のアンテナ部14より送信された電磁波24(搬送波21に重畳されたパルス信号22に対応するデジタルデータ)が、入力制限用のリミッタを有するICカードに受信されて、復調された場合、リミッタの動作領域で復調されたデータが歪み、その結果、通信不良が発生することが多々あるという課題があった。
【0021】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、デジタルデータを振幅変調にて共振回路を含むアンテナを介して送信する場合、受信側における通信不良の発生頻度を抑制することができるようにするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の電子回路は、共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを、振幅変調する電子回路であって、デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号が入力され、入力された第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルより高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち下がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルより低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成する信号波生成回路と、第1のトランジスタを有し、信号波生成回路で生成された信号波が、第1のトランジスタのエミッタに加えられ、第1のトランジスタのベースに加えられた搬送波を、信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、振幅変調波を第1のトランジスタのコレクタを介してアンテナに供給する変調回路とを備え、振幅変調波は、アンテナから送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信されることを特徴とする。
【0023】
信号波生成回路は、第1のトランジスタのエミッタ負荷となる負荷回路と、第1のパルス信号に応じて、負荷回路のエミッタ負荷を変化させる負荷変化回路と、第1のパルス信号の高周波成分を抽出する抽出回路とを有し、負荷回路に、抽出回路により抽出された第1のパルス信号の高周波成分を印加することで、第2のパルス信号に対応する信号波を生成するようにすることができる。
【0024】
抽出回路は、微分回路であるようにすることができる。
【0025】
信号波生成回路は、抽出回路の入力に接続されるバッファをさらに有するようにすることができる。
【0026】
負荷変化回路は、ベースに印加された第1のパルス信号に応じてスイッチングされるスイッチとして機能する第2のトランジスタを有し、第2のトランジスタがオフ状態とされた場合、負荷回路からエミッタ負荷の一部となる所定の素子を切り離し、第2のトランジスタがオン状態とされた場合、切り離された素子を負荷回路に接続することでエミッタ負荷を変化させ、信号波生成回路は、抽出回路の入力に接続されるインバータ回路をさらに有するようにすることができる。
【0027】
インバータ回路は、スイッチとして機能する第3のトランジスタ、および、抵抗から構成されるようにすることができる。
【0028】
インバータ回路は、第3のトランジスタとして、NPN型のトランジスタ、および、PNP型のトランジスタの組を有するようにすることができる。
【0029】
インバータ回路は、NPN型のトランジスタ、およびPNP型のトランジスタのそれぞれのベースとコレクタの間に接続されるショットキダイオードをさらに有するようにすることができる。
【0030】
第1のトランジスタは、複数個存在し、複数の第1のトランジスタのうちの1以上の所定の第1のトランジスタのエミッタには、負荷回路を構成する抵抗とは異なるエミッタ抵抗が接続され、信号波生成回路は、複数の第1のトランジスタのうちの、エミッタがエミッタ抵抗に接続されたものを除く第1のトランジスタのエミッタに対して、第1のパルス信号が波形整形された第2のパルス信号に対応する信号波を加えるようにすることができる。
【0031】
本発明の第1の変調方法は、共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを振幅変調する変調回路であって、トランジスタを有し、トランジスタのベースに加えられた搬送波を、トランジスタのエミッタに加えられた信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、振幅変調波をトランジスタのコレクタを介してアンテナに供給して、アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信させる変調回路の変調方法であって、デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号を入力し、入力した第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成し、生成した信号波をトランジスタのエミッタに加えることを特徴とする。
【0032】
本発明の第1の電子回路、および、第1の変調方法においては、デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号が入力され、入力された第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波が生成される。生成された信号波がトランジスタのエミッタに加えられると、トランジスタのベースに加えられた搬送波が、トランジスタのエミッタに加えられた第2のパルス信号に対応する信号波によって振幅変調されて振幅変調波となり、振幅変調波がトランジスタのコレクタを介して共振回路を含むアンテナに供給され、供給された振幅変調波に基づく電磁波がそのアンテナより、アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信される。
【0033】
本発明の第1の電子回路は、それ単体で利用されてもよいし、情報処理装置の一部として搭載されてもよい。即ち、例えば、デジタルデータの送受信を行う情報処理装置の送信部として第1の電子回路が利用されてもよいし、有線と無線の両方の通信が可能な情報処理装置の無線送信部として第1の電子回路が利用されてもよい。
【0034】
本発明の第2の電子回路は、共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを、振幅変調する電子回路であって、デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号が入力され、入力された第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成する信号波生成回路と、電界効果トランジスタを有し、信号波生成回路で生成された信号波が、電界効果トランジスタのソースに加えられ、電界効果トランジスタのゲートに加えられた搬送波を、信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、振幅変調波を電界効果トランジスタのドレインを介してアンテナに供給する変調回路とを備え、振幅変調波は、アンテナから送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信されることを特徴とする。
【0035】
本発明の第2の変調方法は、共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを振幅変調する変調回路であって、電界効果トランジスタを有し、電界効果トランジスタのゲートに加えられた搬送波を、電界効果トランジスタのソースに加えられた信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、振幅変調波を電界効果トランジスタのドレインを介してアンテナに供給して、アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信させる変調回路の変調方法であって、デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号を入力し、入力した第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成し、生成した信号波を電界効果トランジスタのソースに加えることを特徴とする。
【0036】
本発明の第2の電子回路、および、第2の変調方法においては、デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号が入力され、入力された第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応する信号波が生成される。生成された信号波が電界効果トランジスタのソースに加えられると、電界効果トランジスタのゲートに加えられた搬送波が、電界効果トランジスタのソースに加えられた第2のパルス信号に対応する信号波によって振幅変調されて振幅変調波となり、振幅変調波が電界効果トランジスタのドレインを介して共振回路を含むアンテナに供給され、供給された振幅変調波に基づく電磁波がアンテナより、アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信される。
【0037】
本発明の第2の電子回路は、それ単体で利用されてもよいし、情報処理装置の一部として搭載されてもよい。即ち、例えば、デジタルデータの送受信を行う情報処理装置の送信部として第2の電子回路が利用されてもよいし、有線と無線の両方の通信が可能な情報処理装置の無線送信部として第2の電子回路が利用されてもよい。
【0038】
本発明の情報処理装置は、デジタルの第1の情報を振幅変調して送信する情報処理装置であって、搬送波を出力する第1の出力手段と、第1の情報に対応する方形波状の第1のパルス信号を出力する第2の出力手段と、第2の出力手段より出力された第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成する信号波生成手段と、トランジスタを有し、信号波生成手段で生成された信号波が、トランジスタのエミッタに加えられ、第1の出力手段から出力された搬送波であって、トランジスタのベースに加えられた搬送波を、第1の情報に対応する信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、振幅変調波をトランジスタのコレクタを介して出力する変調手段と、共振回路を有し、変調手段より出力された振幅変調波に基づく電磁波を、電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する他の情報処理装置に送信するアンテナ手段とを備えることを特徴とする。
【0039】
他の情報処理装置より送信され、アンテナ手段に受信されたデジタルの第2の情報に対応する波形の変動成分を検波する検波手段と、検波手段により検波された波形の変動成分から、デジタルの第2の情報に対応する信号を復調する復調手段とをさらに設けるようにすることができる。
【0040】
他の情報処理装置は、アンテナ手段から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する非接触通信が可能なICカードであり、情報処理装置は、ICカードとアンテナ手段を介して非接触通信を行うことで、第1の情報をICカードに書き込むとともに、第2の情報をICカードから読み出すリーダライタ装置であるようにすることができる。
【0041】
本発明の情報処理方法は、トランジスタを有し、トランジスタのベースに加えられた搬送波を、トランジスタのエミッタに加えられた、送信対象となるデジタル情報に対応する信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、振幅変調波をトランジスタのコレクタを介して出力する変調回路と、共振回路を有し、変調回路より出力された振幅変調波に基づく電磁波を、電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する他の情報処理装置に送信するアンテナとを備える情報処理装置の情報処理方法において、トランジスタのベースに加えられる搬送波を出力し、デジタル情報に対応する方形波状の第1のパルス信号を出力し、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成し、生成した信号波を第1のトランジスタのエミッタに加えることを特徴とする。
【0042】
本発明の情報処理装置および方法においては、デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号が入力され、入力された第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波が生成される。生成された信号波がトランジスタのエミッタに加えられると、トランジスタのベースに加えられた搬送波が、トランジスタのエミッタに加えられた第2のパルス信号に対応する信号波によって振幅変調されて振幅変調波となり、振幅変調波がトランジスタのコレクタを介して共振回路を含むアンテナに供給され、供給された振幅変調波に基づく電磁波がそのアンテナより、アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信される。
【0043】
本発明の情報処理装置は、単にデジタルデータの送信を行う装置であってもよいし、デジタルデータの送受信が可能な装置であってもよい。また、本発明の情報処理装置が送受信可能なデータは、デジタルのみであってもよいし、アナログとデジタルの両方であってもよい。さらにまた、本発明の情報処理装置は、単に無線で通信を行う装置であってもよいし、有線と無線の両方の通信が可能な装置であってもよい。
【0044】
【発明の実施の形態】
本願出願人は、上述した従来の課題が発生する原因について解析し、その解析結果に基づいて本発明を考案した。そこで、はじめに、その解析結果、即ち、従来の課題が発生する原因について説明する。
【0045】
本願出願人は、図2の従来の送信装置1を使用して、送信データ出力部12よりパルス信号22を実際に入力させた場合の、コレクタ電圧Vc(振幅変調波23)と、アンテナ部14より出力される磁束(電磁波)24を測定した。その測定結果が、図3と図4に示されている。即ち、図3には、図2の送信装置1における、パルス信号22とコレクタ電圧Vc(振幅変調波23)の測定チャートが示されており、図4には、パルス信号22と、アンテナ部14より出力される磁束(電磁波)24の測定チャートが示されている。
【0046】
図3に示されるように、アンテナ部14をドライブするコレクタ電圧Vc(振幅変調波23)は、パルス信号22に追従している。例えば、変化部分23−1に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち上がり時(ローレベルからハイレベルに変化する時)には、コレクタ電圧Vc(振幅変調波23)の振幅も、それに追従してローレベルからハイレベルに瞬時に変化している。同様に、変化部分23−2に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち下がり時(ハイレベルからローレベルに変化する時)には、コレクタ電圧Vc(振幅変調波23)も、それに追従してハイレベルからローレベルに瞬時に変化している。
【0047】
しかしながら、図4に示されるように、アンテナ部14より出力される磁束(電磁波)24は、パルス信号22に瞬時に追従せず、パルス信号22の変化よりも遅れて変化する。例えば、変化部分24−1に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち上がり時には、磁束(電磁波)24は瞬時に追従せず、磁束(電磁波)24の振幅のローレベルからハイレベルへの変化は、一次遅れ的な波形となる。同様に、磁束(電磁波)24の変化部分24−2に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち下がり時には、磁束(電磁波)24は瞬時に追従せず、磁束(電磁波)24の振幅のハイレベルからローレベルへの変化は、一次遅れ的な波形となる。
【0048】
図4に示されるような電磁波(磁束)24が、アンテナ部14より送信された後、受信装置(図示せず)に受信されて、検波された場合、通常状態においては、図5に示される波形25が検波される。図示はしないが、検波された波形25は、送信データに対応するパルス信号22に近い形で復調可能である。
【0049】
これに対して、受信装置が、例えば、上述したような、入力制限用のリミッタを有しているICカード(図示せず)等の場合、即ち、リミッタ動作状態の場合、図5に示される波形26が検波される。検波された波形26は、図5に示されるように、コンパレータにて所定のレベル(図5中、波形26に引かれた点線)よりも高い場合、ハイレベル(以下、Hとも記述する)にされ、所定のレベルよりも低い場合、ローレベル(以下、Lとも記述する)にされて、図5に示される信号27が復調される。この復調された信号27は、図5に示されるように、オリジナルの信号(パルス信号22)とは大きく異なる信号となってしまい、その結果、通信不良が発生してしまう。
【0050】
このように、上述した課題が発生するのは、図2のアンテナ部14から出力される電磁波(磁束)24が、送信データに対応するパルス信号22に瞬時に追従せず、遅れて変化することが原因である。
【0051】
以下、磁束(電磁波)24の遅れが生じるメカニズムについて説明する。
【0052】
アンテナ部14の共振回路が共振状態にある場合、アンテナ部14は、共振電流という形でエネルギー(以下、そのようなエネルギーを、共振エネルギーと称する)を蓄えており、アンテナ駆動部13(変調および増幅部13)よりエネルギーが与えられなければ、有限の時間後に共振エネルギーが消費されてしまう。
【0053】
換言すると、アンテナ駆動部13は、アンテナ部14に対して所定のエネルギー(以下、そのようなエネルギーを、共振エネルギーと区別するために、ドライブエネルギーと称する)を与えることで、アンテナ部14を駆動する。
【0054】
また、アンテナ部14のアンテナのQ(Quality Factor)が高いほど、共振エネルギーの消費には時間がかかる。
【0055】
従って、仮に、送信データ出力部12より、パルス信号22の代わりに一定レベルの信号が出力された場合、コレクタ電圧Vcの振幅も一定となり、アンテナ部14の共振回路での損失と、ドライブエネルギーが等しい状態で安定して、共振電流は一定となり、その結果、出力される電磁波(磁束)24の振幅も一定となる。
【0056】
これに対して、上述したように、送信データ出力部12より出力される実際の信号はパルス信号22であるので、コレクタ電圧Vc(振幅変調波23)の振幅も変化する。なお、ここでは、コレクタ電圧Vcの振幅は、パルス信号22に瞬時に追従して変化するとする。この場合、例えば、パルス信号22のパルスの立ち上がり時、即ち、コレクタ電圧Vcの振幅がローレベルからハイレベルに変化すると、ドライブエネルギーは増加し、損失より大きくなるので、共振電流は増加する方向に変化を起こす。その後、増加されたドライブエネルギーと損失が等しい状態で安定すると、共振電流は一定となり、その結果、出力される電磁波(磁束)24の振幅も、変化前のレベル(ローレベル)よりも高い所定のレベル(ハイレベル)で一定となる。
【0057】
しかしながら、共振エネルギーは、損失のQ倍であるため、安定状態(増加されたドライブエネルギーと、損失が等しい状態)となるまでに一定の時間が必要とされ、その結果、アンテナ部14より出力される電磁波(磁束)24は、送信データに対応するパルス信号22より遅れて変化することになる。即ち、電磁波(磁束)24の振幅がローレベルからハイレベルに到達するまでには、パルス信号22のパルスの立ち上がり時から一定の時間がかかる(遅延する)ことになる。
【0058】
同様な理由で、電磁波(磁束)24の振幅がハイレベルからローレベルに到達するまでには、パルス信号22のパルスの立ち下がり時から一定の時間がかかる(遅延する)ことになる。
【0059】
そこで、本願出願人は、このような電磁波(磁束)24の遅れを解消する手法として、即ち、上述した従来の課題を解決する手法として、送信データに対応する信号が、パルス信号22のように変化する信号である場合、ドライブエネルギーの変化部分(パルス信号22のパルスの立ち上がり、および立ち下がりに対応する部分)を強調させるという手法を考案し、さらに、そのような手法に基づいて、図6に示されるような送信装置を考案した。即ち、図6は、本発明が適用される送信装置の構成例を表している。
【0060】
なお、図6の送信装置51において、従来の送信装置1(図1)に対応する部分には、対応する符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0061】
図6に示されるように、従来の送信装置1に対して、送信装置51にはさらに、送信データ出力部12と変調および増幅部(アンテナ駆動部)13の間に、整形波形印加部61が設けられている。
【0062】
即ち、従来においては(図1においては)、上述したように、変調および増幅部13に対して、送信データ出力部12より出力されたパルス信号22そのものに対応する信号波が加えられ、その結果、変調および増幅部13からは、振幅変調波23が出力されていた。この場合、上述したように、この振幅変調波23に対応するドライブエネルギーがアンテナ部14に供給されると、アンテナ部14より出力される電磁波(磁束)24には遅れが発生してしまう。
【0063】
そこで、図6の送信装置51においては、整形波形印加部61が、送信データ出力部12より出力された、送信データに対応する方形波状の第1のパルス信号22を入力し、入力した第1のパルス信号22の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号22の定常状態のハイレベル(H)よりも高くなるとともに、第1のパルス信号22の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号22の定常状態のローレベル(L)よりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号71に対応して信号波を生成し、生成した信号波を変調および増幅部13に加える。
【0064】
その結果、変調および増幅部13により、搬送波出力部11から出力された搬送波21が、第2のパルス信号71に対応する信号波によって振幅変調されるとともに増幅されて、振幅の変化部分が強調された振幅変調波72(図中、実際の変調波は省略され、その振幅の変動部分のみが描画されている)となり、振幅変調波72に対応するドライブエネルギーがアンテナ部14に供給される。これにより、振幅のレベルが第1のパルス信号22の変化(パルスの立ち上がり、および立下り)にほぼ瞬時に追従している電磁波73(図中、実際の電磁波は省略され、その振幅の変動部分のみが描画されている)が、アンテナ部14より出力される。
【0065】
このように、図6の送信装置51においては、アンテナ部14より出力される電磁波73の変化が早くなるので、上述した受信側における通信不良の発生頻度の抑制が可能になる。即ち、従来の課題を解決することが可能になる。
【0066】
整形波形印加部61の構成は、上述したように、第1のパルス信号22が波形整形された第2のパルス信号71に対応する信号波を、変調および増幅部13に印加することが可能なものであれば、特に限定されないが、この例においては、例えば、図7に示される構成とされている。
【0067】
即ち、図7に示されるように、波形整形印加部61は、送信データ出力部12より出力された第1のパルス信号22の高周波成分91を抽出する高周波成分抽出部81、および、送信データ出力部12より出力された第1のパルス信号22に、高周波成分抽出部81により抽出された第1のパルス信号22の高周波成分91を印加した第2のパルス信号71に対応する信号波を出力する印加部82より構成される。
【0068】
具体的には、図6の送信装置51は、例えば、図8または図9に示されるように構成されることが可能である。なお、図8と図9の送信装置51において、図2の従来の送信装置1に対応する部分には、対応する符号を付してあり、その説明は適宜省略する。
【0069】
図8において、図2の従来の送信装置1に対して、送信装置51にはさらに、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタと、送信データ出力部12の間に、コンデンサC2とバッファ101が直列的に接続された直列回路が接続されている。
【0070】
即ち、図8の例では、整形波形印加部61は、コンデンサC2、およびバッファ101、並びに、従来の変調および増幅部13にも使用されていた、エミッタ負荷となる抵抗R1と抵抗R2、および、エミッタ負荷を変化させるスイッチSWより構成されている。
【0071】
コンデンサC2とエミッタ負荷(抵抗R1、および抵抗R2よりなる可変負荷)から構成される微分回路は、図7の高周波成分抽出部81に相当する。
【0072】
バッファ101は、以下のことを目的として設けられている。即ち、スイッチSWが、例えばトランジスタである場合、パルス信号22の信号源である送信データ出力部12が有限の出力インピーダンスを有しているため、送信データ出力部12がエミッタ負荷に直接接続されると、スイッチSWとして機能するトランジスタの変化が遅くなるという課題が発生してしまう。そこで、図8の例では、この課題を解決するために、バッファ101が、送信データ出力部12とコンデンサC2の間に設けられている。
【0073】
ところで、エミッタ負荷を変化させるためのスイッチSWは、特に限定されず、例えば、NPN型のトランジスタが使用可能である。この場合、図9に示されるように、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタには、一端が接地された抵抗R1の他端が接続されるとともに、一端がトランジスタTRsのコレクタに接続されている抵抗R2の他端が接続されることになる。また、トランジスタTRsのベースには、送信データ出力部12が接続され、そのエミッタは接地されることになる。
【0074】
ただし、スイッチとしてNPN型のトランジスタTRsが使用される場合、トランジスタTRsのベースに加えられるパルス信号22がハイレベル(H)になる瞬間(パルスの立ち上がり時)、変調および増幅部13のトランジスタTR1とトランジスタTR2の電流の増加が必要になる。これは、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ負荷に負のパルス成分が印加されることに相当し、送信データ出力部12より出力されたパルス信号22をインバータで変換後、ハイパスフィルタを通すことで実現可能である。具体的には、図8のバッファ101の代わりに、図9に示されるように、インバータ111が設けられるとよい。
【0075】
このインバータ111は、図10乃至図12に示されるように、様々な実施の形態が可能である。勿論、インバータ111の構成は、図10乃至図12以外の構成とされてもよい。
【0076】
図10の例では、インバータ111は、スイッチとして機能するトランジスタTRi1、並びに、抵抗Ri1、抵抗Ri2、および、抵抗Ri3から構成されている。
【0077】
トランジスタTRi1のベースには、一端が送信データ出力部12に接続された抵抗Ri1の他端が接続されるとともに、一端が接地された抵抗Ri2の他端が接続されている。トランジスタTRi1のエミッタは、接地されている。トランジスタTRi1のコレクタには、微分回路を構成する上述したコンデンサC2の一端(その他端は、例えば、図9に示されるように、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタに接続される)が接続されるとともに、一端に電圧Vcc2が印加される抵抗Ri3の他端が接続されている。
【0078】
このように、図10の構成のインバータ111は、その構成が簡単であるという特長を有するが、一方で、トランジスタTRi1がオン状態である場合、電流消費が発生するという課題もある。そこで、この課題の解決が必要な場合、即ち、電流消費のないインバータ111が必要な場合、例えば、インバータ111は、図11に示されるように構成されるとよい。
【0079】
即ち、図11の例では、インバータ111は、PNP型のトランジスタTRi2、および、NPN型のトランジスタTRi3、並びに、抵抗Ri4乃至抵抗Ri7で構成される。
【0080】
トランジスタTRi2のベースには、一端が送信データ出力部12に接続された抵抗Ri4の他端が接続されるとともに、一端に電圧Vcc2が印加された抵抗Ri5の他端が接続されている。トランジスタTRi2のエミッタには、電圧Vcc2が印加されている。トランジスタTRi2のコレクタには、微分回路を構成する上述したコンデンサC2の一端(その他端は、例えば、図9に示されるように、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタに接続される)が接続されるとともに、トランジスタTRi3のコレクタが接続されている。
【0081】
換言すると、トランジスタTRi3のコレクタには、コンデンサC2の一端が接続されるとともに、トランジスタTRi2のコレクタが接続されている。
【0082】
トランジスタTRi3のベースには、一端が送信データ出力部12に接続された抵抗Ri6の他端が接続されるとともに、一端が接地された抵抗Ri7の他端が接続されている。トランジスタTRi3のエミッタは、接地されている。
【0083】
さらに、動作速度の速いインバータ111が必要な場合、例えば、インバータ111は、図12に示されるように構成されるとよい。
【0084】
即ち、図12の例では、図11の構成のインバータ111に対して、さらに、PNP型のトランジスタTRi2、およびNPN型のトランジスタTRi3のそれぞれのベースとコレクタの間に、ショットキダイオードDi1とショットキダイオードDi2のそれぞれが接続されている。
【0085】
このように、インバータ111が、図12に示されるように構成されることで、所定の電圧以下になった場合、ショットキダイオードDi1に電流を流して、トランジスタTRi2のベースに対するエミッタの電圧の低下を抑制させるとともに、所定の電圧以下になった場合、ショットキダイオードDi2に電流を流して、トランジスタTRi3のベースに対するエミッタの電圧の低下を抑制させることが可能になる。即ち、トランジスタTRi2とトランジスタTRi3のそれぞれの蓄積時間が改善され、トランジスタTRi2とトランジスタTRi3のスイッチング速度を速めることが可能になる。
【0086】
なお、図10乃至図12に示される電圧Vcc2は、図9の電圧Vcc1と同一の電源(図示せず)から供給される電圧とされてもよいし、異なる電源(図示せず)から供給される電圧とされてもよい。
【0087】
次に、送信装置51の動作について説明する。なお、送信装置51の実施の形態は、上述したように、様々な実施の形態が可能であるが、以下、断りのない限り、図9の構成の送信装置51として説明する。
【0088】
また、送信装置51の動作は、図2の従来の送信装置1の動作と基本的に同様とされる。そこで、ここでは、従来の送信装置1において説明した動作については、その説明を適宜省略し、以下、従来の送信装置1とは異なる動作を中心に説明する。
【0089】
即ち、図9に示されるように、送信データ出力部12より第1のパルス信号22が出力されると、波形整形印加部61は、従来と同様に、第1のパルス信号22に応じて、トランジスタTRsをスイッチングさせることで、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ負荷を変化させる(抵抗R1の値、または、抵抗R1と抵抗R2の合成抵抗値のいずれかに変化させる)とともに、さらに、インバータ111を介して、コンデンサC2を含む微分回路により抽出された第1のパルス信号22の高周波成分(図7の高周波成分91)をエミッタ負荷に印加する。
【0090】
波形整形印加部61は、このように動作することで、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタに加えられる信号波に相当するエミッタ電流を、第1のパルス信号22が波形整形された第2のパルス信号71に対応して変化させる。換言すると、波形整形印加部61は、第2のパルス信号71に対応して変化するエミッタ電流(信号波)を、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタに加える。
【0091】
これにより、第1のパルス信号22の変化時(各パルスのそれぞれの立ち上がり時、および立ち下がり時)に、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタ電流(信号波)が瞬時的に大きく変化し、その結果、図13の変化部分72−1および変化部分72−2に示されるような振幅の変化が強調されたコレクタ電圧Vc(振幅変調波72)が発生する。そして、発生したコレクタ電圧Vc(振幅変調波72)に対応するドライブエネルギーがアンテナ部14に供給されて、図14に示されるような磁束(電磁波)73がアンテナ部14より出力される。
【0092】
即ち、図13には、図9の送信装置51において、送信データ出力部12より第1のパルス信号22が出力された状態で、実際に出力されたコレクタ電圧Vc(振幅変調波72)の測定チャートが示されている。また、図14には、図9の送信装置51において、送信データ出力部12より第1のパルス信号22が出力された状態で、実際にアンテナ部14より出力された磁束(電磁波)73の測定チャートが示されている。
【0093】
図13に示されるように、コレクタ電圧Vc(振幅変調波72)の振幅は、第1のパルス信号22の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号の定常状態のハイレベル(H)よりも高くなるとともに、第1のパルス信号22の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号22の定常状態のローレベル(L)よりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号71(図6)に対応して変化している。即ち、変化部分72−1に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち上がり時におけるコレクタ電圧Vc(振幅変調波72)の振幅は、その定常状態のハイレベルの振幅よりも高くなっている。同様に、変化部分72−2に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち下がり時におけるコレクタ電圧Vc(振幅変調波72)の振幅は、その定常状態のローレベルの振幅よりも低くなっている。
【0094】
その結果、図14に示されるように、アンテナ部14より出力される磁束(電磁波)73は、上述した図4の従来の磁束(電磁波)24に比較して、送信データに対応するパルス信号22にほぼ瞬時に追従して変化する。例えば、変化部分73−1に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち上がり時には、磁束(電磁波)73の振幅も、それに追従してローレベルからハイレベルにほぼ瞬時に変化している。同様に、変化部分73−2に示されるように、パルス信号22のパルスの立ち下がり時には、磁束(電磁波)73の振幅も、それに追従してハイベルからローレベルにほぼ瞬時に変化している。
【0095】
以上、図8、または図9を参照して、送信装置51について説明したが、送信装置51は、図13に示されるようなコレクタ電圧Vc(振幅変調波72)の出力が可能なものであれば、その構成は、図8、または図9の例に限定されず、様々な実施の形態が可能である。
【0096】
例えば、送信装置51は、図8と図9の例では、同相ノイズの影響を低減させる等の目的から、変調および増幅用のトランジスタTR1とトランジスタTR2が差動接続された構成とされているが、トランジスタTR1とトランジスタTR2のうちのいずれか一方のみから構成されてもよい。
【0097】
また、実際には、変調および増幅用のトランジスタの電流が多く必要とされるため、図8や図9に示されるように、差動接続されたトランジスタTR1とトランジスタTR2のそれぞれが1つずつ使用されるのではなく、複数のトランジスタが並列的に接続されたトランジスタの組が2組用意され、その2組が差動接続されて使用されることが多い。
【0098】
具体的には、例えば、送信装置51は、図15に示されるように、図9のトランジスタTR1の代わりに、2つのトランジスタTR1-1とトランジスタTR1-2が並列的に接続された組と、図9のトランジスタTR2の代わりに、2つのトランジスタTR2-1とトランジスタTR2-2が並列的に接続された組が差動接続されて構成されることもある。
【0099】
このような場合、送信データに対応する第1のパルス信号22が波形整形された第2のパルス信号71(図6)に対応する信号波は、トランジスタTR1-1およびトランジスタTR1-2、並びに、トランジスタTR2-1およびトランジスタTR2-2のエミッタの全てに加えられてもよいが(各組の全てのトランジスタのエミッタ負荷を変化させるとともに、第1のパルス信号22の高周波成分を全てのエミッタ負荷に加えてもよいが)、以下のような課題が発生する。
【0100】
即ち、後述する図17に示されるように、送信装置51が、ICカードシステムのR/W装置121に搭載されている場合、送信相手であるICカード122がR/W装置121に近づきすぎると、送信装置51の負荷が変化することがある。このような場合、ピーキングが効き過ぎで(図6の振幅変調波72の振幅変化時の部分(第1のパルス信号22の高周波成分に対応する部分)が急峻すぎて)、電力伝送が途切れる可能性がある。
【0101】
そこで、このような課題を解決するために、即ち、送信に必要な電力を確保するために、図15に示されるように、第2のパルス信号71(図6)に対応する信号波は、トランジスタTR1-1とトランジスタTR2-1のエミッタのみに加えられ、それ以外のトランジスタTR1-2とトランジスタTR2-2のエミッタにはエミッタ抵抗R3の一端(その他端は接地される)が接続されるとよい。換言すると、図15に示されるように、送信データ出力部12より出力される第1のパルス信号22に対応して変化するエミッタ負荷(トランジスタTRsのスイッチングにより変化する、抵抗R1と抵抗R2より構成されるエミッタ負荷)と、インバータ111を介して、コンデンサC2を含む微分回路より出力される第1のパルス信号22の高周波成分は、トランジスタTR1-1とトランジスタTR2-1のエミッタのみに加えられ、それ以外のトランジスタTR1-2とトランジスタTR2-2のエミッタ負荷は一定とされるとよい。
【0102】
また、送信装置51は、例えば、図16に示されるように構成されることも可能である。
【0103】
即ち、図16の例では、図9の例に対してさらに、抵抗R1の一端(トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタに接続された端に対する他端)に、スイッチ用のトランジスタTRs2のコレクタが接続されている。トランジスタTRs2のエミッタは接地されている。トランジスタTRs2のベースには、一端に電圧Vcc2が常時印加されている抵抗R4の他端が接続されている。即ち、トランジスタTRs2は、常時オン状態とされている。
【0104】
このトランジスタTRs2のベースにはさらに、一端が接地された抵抗R5とコンデンサC2から構成される微分回路が接続されている。即ち、図9の例では、送信データ出力部12より出力された第1のパルス信号22の高周波成分は、トランジスタTR1とトランジスタTR2のエミッタに直接印加されていたが、図16の例では、トランジスタTRs2のベースに印加される。なお、トランジスタTRs1は、図9のトランジスタTRsと同様のトランジスタである。
【0105】
さらにまた、送信装置51は、上述した実施形態のように単体の装置とされてもよいが、情報処理装置の一部として、情報処理装置に搭載されてもよい。
【0106】
例えば、図17に示されるように、送信装置51は、上述したICカードシステムのR/W装置の一部とされてもよい。即ち、図17は、本発明が適用されるR/W装置の構成例を表している。
【0107】
図17に示されるように、R/W装置121には、R/W装置121全体の制御を行う主制御部131、および、データ記憶部132が設けられている。
【0108】
主制御部131には、CPU(Central Processing Unit)141、ROM(Read Only Memory)142、および、RAM143が設けられている。CPU141は、ROM142に記憶されているプログラム、または、データ記憶部132等よりRAM143にロードしたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM143には、CPU141が各種の処理を実行する上において必要なデータなどが適宜記憶される。
【0109】
主制御部131にはまた、図6と同様の搬送波出力部11、および送信データ出力部12が設けられている。
【0110】
R/W装置121にはまた、図6と同様の変調および増幅部13、アンテナ部14、並びに整形波形印加部61が設けられている。
【0111】
換言すると、R/W装置121には、送信部として、図6と同様の構成の送信装置51が搭載されている。
【0112】
R/W装置121はさらにまた、上述した送信部(送信装置51)に対する受信部を構成する、検波部133、復調部134、および、主制御部131内の受信データ入力部144が設けられている。
【0113】
次に、R/W装置121の動作について簡単に説明する。
【0114】
R/W装置121の通信相手であるICカード122が、R/W装置121のアンテナ部14に所定の距離(通信距離)で対向されて配置されると、ICカード122のアンテナ(図示せず)は、アンテナ部14から出力される磁束をとらえ、相互に共振することで、相互に非接触通信可能な状態となる。
【0115】
この状態で、データ記憶部132に予め記憶されていたデジタルの第1の情報(ICカード122に書き込まれるデータ等)が、送信データ出力部12よりパルス信号として出力されると、上述した送信装置51と同様の動作原理により、搬送波出力部11より出力された搬送波に重畳されて(振幅変調波として)、アンテナ部14に供給され、アンテナ部14より電磁波として出力される。
【0116】
アンテナ部14より出力された電磁波は、ICカード122のアンテナに受信され、ICカード122のIC(図示せず)により、上述したように、検波されるとともに復調されて元の第1の情報となり、第1の情報がメモリ(図示せず)に記憶されるデータであった場合、第1の情報はIC内のメモリに記憶され、一方、第1の情報が情報の読み出しを指示するデータであった場合、第1の情報に基づいて、IC内のメモリより所定の情報が読み出される。
【0117】
そして、第1の情報がメモリに記録されたことを通知するレスポンスデータ、またはIC内のメモリより読み出されたデータ(デジタルの第2の情報)は、ICにより、搬送波に重畳されて、ICカード122のアンテナを介してR/W装置121のアンテナ部14に供給される。
【0118】
具体的には、この例においては、例えば、ICカード122は、第2の情報を符号化してからその信号の論理値に応じてICカード122のアンテナの等価的な負荷を変動させる。
【0119】
このICカード122のアンテナの負荷変動は、R/W装置121のアンテナ部14のアンテナ端の負荷変動として現れる。
【0120】
従って、検波部133は、この負荷変動を、搬送波の振幅変動成分、即ちASK変調信号(Amplitude Shift Keying)として検波する。
【0121】
即ち、この例においては、ICカード122からR/W装置121に対するデータの伝送は、送信すべきデータを符号化してからその信号の論理値に応じてアンテナ端子から内部を見た負荷を変化させることにより、放射される電磁波をASK変調する負荷変調方式が利用されている。
【0122】
復調部134は、検波部133により検波されたASK変調信号(搬送波の振幅変動成分)から、デジタルの第2の情報に対応するパルス信号を復調し、受信データ入力部144に供給する。
【0123】
受信データ入力部144は、復調部134より供給されたパルス信号に対応するデジタルの第2の情報がレスポンスデータであった場合、それをCPU141に供給し、一方、デジタルの第2の情報がデータ記憶部132に書き込むデータであった場合、それをデータ記憶部132に書き込む(記憶させる)。CPU141は、レスポンスデータを取得すると、そのレスポンスデータに応じた処理を実行する。
【0124】
このようにして、R/W装置121は、ICカード122とアンテナ部14を介して非接触通信を行うことで、デジタルの第1の情報をICカード122に書き込むとともに、デジタルの第2の情報をICカード122から読み出す。
【0125】
上述したように、本発明の送信装置51(図6)においては、送信データに対応する方形波状の第1のパルス信号22が入力され、入力された第1のパルス信号22の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、第1のパルス信号22の定常状態のハイレベル(H)よりも高くなるとともに、第1のパルス信号22の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、第1のパルス信号22の定常状態のローレベル(L)よりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号71に対応して信号波が生成され、生成された信号波が変調および増幅部13のトランジスタ(例えば、図9のトランジスタTR1とトランジスタTR2)のエミッタに加えられる。これにより、トランジスタのベースに加えられた搬送波22が、トランジスタのエミッタに加えられた第2のパルス信号71に対応する信号波によって振幅変調されて振幅変調波72となり、振幅変調波72がトランジスタのコレクタを介してアンテナ部14に供給され(ドライブエネルギーとして供給され)、共振回路を含むアンテナ14より電磁波73として、アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置(ICカード)に送信される。
【0126】
このようにしてアンテナ部14より出力された電磁波73の振幅は、上述したように、送信データに対応する第1のパルス信号22にほぼ瞬時に追従して変化するので、受信装置(例えば、図17のICカード122)に受信された電磁波73は、受信装置により、オリジナルの第1のパルス信号22にほぼ正確に復調されることが可能になる。即ち、本発明の送信装置51は、受信側での通信不良の頻度を低減させることが可能になる。
【0127】
また、送信装置51は、例えば、図9に示されるように、従来の送信装置1(図2)に対して、コンデンサC2とインバータ111が付加された簡単な回路で構成可能であるので、従来の送信装置1と比較してほぼ同程度のコストと、ほぼ同程度のハードウエア資源で製作可能である。
【0128】
換言すると、従来の送信装置1に対して、整形波形印加部61を加えるといった、コストのかからず、かつ作業が容易な改造を施すだけで、送信装置51を構成することが可能になる。具体的には、例えば、改造者は、図2の構成の従来の送信装置1を、図9の構成の送信装置51に改造する場合、コンデンサC2とインバータ111を、図9に示されるように接続すればよい。
【0129】
ところで、上述した送信装置51の実施形態として、トランジスタが使用されたが、図12に示される以外の構成においては、トランジスタの代わりに、電界効果トランジスタ(FET(Field-Effect Transistor))が使用されてもよい。
【0130】
例えば、図9の構成の送信装置51において、トランジスタTR1とトランジスタTR2のそれぞれの代わりに、図示はしないが、電界効果トランジスタFET1と電界効果トランジスタFET2のそれぞれが使用されてもよい。ただし、この場合、電界効果トランジスタFET1と電界効果トランジスタFET2のゲートのそれぞれは、トランジスタTR1とトランジスタTR2のベースのそれぞれに対応し、ソースのそれぞれはエミッタに対応し、かつ、ドレインのそれぞれはコレクタのそれぞれに対応するように接続される。
【0131】
【発明の効果】
以上のごとく、本発明によれば、共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを、振幅変調することができる。特に、受信側における通信不良の発生頻度を抑制することが可能なように振幅変調することができる。
【0132】
また、本発明によれば、デジタルデータを振幅変調にて共振回路を含むアンテナを介して送信することができる。特に、受信側における通信不良の発生頻度を抑制する送信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1の送信装置の具体的な構成例を示す回路図である。
【図3】図2の送信装置のコレクタ電圧(振幅変調波)の測定チャートである。
【図4】図2の送信装置のアンテナ部より出力される磁束(電磁波)の測定チャートである。
【図5】図2の送信装置より送信されたデジタルデータが受信側で復調される場合の波形例を説明する図である。
【図6】本発明が適用される送信装置の構成例を示すブロック図である。
【図7】図6の送信装置の整形波形印加部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図8】図6の送信装置の具体的な構成例を示す回路図である。
【図9】図6の送信装置の具体的な構成の他の例を示す回路図である。
【図10】図9の送信装置のインバータの具体的な構成例を示す回路図である。
【図11】図9の送信装置のインバータの具体的な構成の他の例を示す回路図である。
【図12】図9の送信装置のインバータの具体的な構成のさらに他の例を示す回路図である。
【図13】図9の送信装置のコレクタ電圧(振幅変調波)の測定チャートである。
【図14】図9の送信装置のアンテナ部より出力される磁束(電磁波)の測定チャートである。
【図15】図6の送信装置の具体的な構成の他の例を示す回路図である。
【図16】図6の送信装置の具体的な構成のさらに他の例を示す回路図である。
【図17】本発明が適用されるR/W装置の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 搬送波出力部, 12 送信データ出力部, 13 変調および増幅部(アンテナ駆動部), 14 アンテナ部, 21 搬送波, 22 第1のパルス信号, 51 送信装置, 61 整形波形印加部, 71 第2のパルス信号, 72 振幅変調波, 73 電磁波, 81 高周波成分抽出部, 91 第1のパルス信号の高周波成分, 101 バッファ, 111 インバータ, 121 R/W装置, 131 主制御部, 133 検波部, 134 復調部, C コンデンサ, L コイル, Tr トランス, TR トランジスタ, R 抵抗

Claims (16)

  1. 共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを、振幅変調する電子回路であって、
    前記デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号が入力され、入力された前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のハイレベルより高くなるとともに、前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち下がり時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のローレベルより低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成する信号波生成回路と、
    第1のトランジスタを有し、前記信号波生成回路で生成された前記信号波が、前記第1のトランジスタのエミッタに加えられ、前記第1のトランジスタのベースに加えられた搬送波を、前記信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、前記振幅変調波を前記第1のトランジスタのコレクタを介して前記アンテナに供給する変調回路と
    を備え、
    前記振幅変調波は、前記アンテナから送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信される
    ことを特徴とする電子回路。
  2. 前記信号波生成回路は、
    前記第1のトランジスタのエミッタ負荷となる負荷回路と、
    前記第1のパルス信号に応じて、前記負荷回路のエミッタ負荷を変化させる負荷変化回路と、
    前記第1のパルス信号の高周波成分を抽出する抽出回路とを有し、
    前記負荷回路に、前記抽出回路により抽出された前記第1のパルス信号の前記高周波成分を印加することで、前記第2のパルス信号に対応する前記信号波を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子回路。
  3. 前記抽出回路は、微分回路である
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子回路。
  4. 前記信号波生成回路は、前記抽出回路の入力に接続されるバッファをさらに有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子回路。
  5. 前記負荷変化回路は、ベースに印加された前記第1のパルス信号に応じてスイッチングされるスイッチとして機能する第2のトランジスタを有し、前記第2のトランジスタがオフ状態とされた場合、前記負荷回路からエミッタ負荷の一部となる所定の素子を切り離し、前記第2のトランジスタがオン状態とされた場合、切り離された前記素子を前記負荷回路に接続することでエミッタ負荷を変化させ、
    前記信号波生成回路は、前記抽出回路の入力に接続されるインバータ回路をさらに有する
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子回路。
  6. 前記インバータ回路は、スイッチとして機能する第3のトランジスタ、および、抵抗から構成される
    ことを特徴とする請求項5に記載の電子回路。
  7. 前記インバータ回路は、前記第3のトランジスタとして、NPN型のトランジスタ、および、PNP型のトランジスタの組を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の電子回路。
  8. 前記インバータ回路は、前記NPN型のトランジスタ、および前記PNP型のトランジスタのそれぞれのベースとコレクタの間に接続されるショットキダイオードをさらに有する
    ことを特徴とする請求項7に記載の電子回路。
  9. 前記第1のトランジスタは、複数個存在し、
    複数の前記第1のトランジスタのうちの1以上の所定の前記第1のトランジスタのエミッタには、前記負荷回路を構成する抵抗とは異なるエミッタ抵抗が接続され、
    前記信号波生成回路は、複数の前記第1のトランジスタのうちの、エミッタが前記エミッタ抵抗に接続されたものを除く前記第1のトランジスタのエミッタに対して、前記第1のパルス信号が波形整形された前記第2のパルス信号に対応する前記信号波を加える
    ことを特徴とする請求項2に記載の電子回路。
  10. 共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを振幅変調する変調回路であって、トランジスタを有し、前記トランジスタのベースに加えられた搬送波を、前記トランジスタのエミッタに加えられた信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、前記振幅変調波を前記トランジスタのコレクタを介して前記アンテナに供給して、前記アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信させる前記変調回路の変調方法であって、
    前記デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号を入力し、
    入力した前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して前記信号波を生成し、
    生成した前記信号波を前記トランジスタのエミッタに加える
    ことを特徴とする変調方法。
  11. 共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを、振幅変調する電子回路であって、
    前記デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号が入力され、入力された前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して信号波を生成する信号波生成回路と、
    電界効果トランジスタを有し、前記信号波生成回路で生成された前記信号波が、前記電界効果トランジスタのソースに加えられ、前記電界効果トランジスタのゲートに加えられた搬送波を、前記信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、前記振幅変調波を前記電界効果トランジスタのドレインを介して前記アンテナに供給する変調回路と
    を備え、
    前記振幅変調波は、前記アンテナから送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信される
    ことを特徴とする電子回路。
  12. 共振回路を含むアンテナを介して送信するデジタルデータを振幅変調する変調回路であって、電界効果トランジスタを有し、前記電界効果トランジスタのゲートに加えられた搬送波を、前記電界効果トランジスタのソースに加えられた信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、前記振幅変調波を前記電界効果トランジスタのドレインを介して前記アンテナに供給して、前記アンテナ部から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する受信装置に送信させる前記変調回路の変調方法であって、
    前記デジタルデータに対応する方形波状の第1のパルス信号を入力し、
    入力した前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して前記信号波を生成し、
    生成した前記信号波を前記電界効果トランジスタのソースに加える
    ことを特徴とする変調方法。
  13. デジタルの第1の情報を振幅変調して送信する情報処理装置において、
    搬送波を出力する第1の出力手段と、
    前記第1の情報に対応する方形波状の第1のパルス信号を出力する第2の出力手段と、
    前記第2の出力手段より出力された前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して前記信号波を生成する信号波生成手段と、
    トランジスタを有し、前記信号波生成手段で生成された信号波が、前記トランジスタのエミッタに加えられ、前記第1の出力手段から出力された搬送波であって、前記トランジスタのベースに加えられた前記搬送波を、前記第1の情報に対応する前記信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、前記振幅変調波を前記トランジスタのコレクタを介して出力する変調手段と、
    共振回路を有し、前記変調手段より出力された前記振幅変調波に基づく電磁波を、電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する他の情報処理装置に送信するアンテナ手段と
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
  14. 前記他の情報処理装置より送信され、前記アンテナ手段に受信されたデジタルの第2の情報に対応する波形の変動成分を検波する検波手段と、
    前記検波手段により検波された前記波形の変動成分から、前記デジタルの第2の情報に対応する信号を復調する復調手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置。
  15. 前記他の情報処理装置は、前記アンテナ手段から送信される電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する非接触通信が可能なICカードであり、
    前記情報処理装置は、前記ICカードと前記アンテナ手段を介して非接触通信を行うことで、前記第1の情報を前記ICカードに書き込むとともに、前記第2の情報を前記ICカードから読み出すリーダライタ装置である
    ことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。
  16. トランジスタを有し、前記トランジスタのベースに加えられた搬送波を、前記トランジスタのエミッタに加えられた、送信対象となるデジタル情報に対応する信号波によって振幅変調して振幅変調波とし、前記振幅変調波を前記トランジスタのコレクタを介して出力する変調回路と、
    共振回路を有し、前記変調回路より出力された前記振幅変調波に基づく電磁波を、電磁波を受信して検波される波形を所定のレベルに制御するリミッタを有する他の情報処理装置に送信するアンテナ
    を備える情報処理装置の情報処理方法において、
    前記トランジスタのベースに加えられる前記搬送波を出力し、
    前記デジタル情報に対応する方形波状の第1のパルス信号を出力し、
    前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立ち上がり時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のハイレベルよりも高くなるとともに、前記第1のパルス信号の各パルスのそれぞれの立下り時のレベルが、前記第1のパルス信号の定常状態のローレベルよりも低くなるように波形整形された第2のパルス信号に対応して前記信号波を生成し、
    生成した前記信号波を前記第1のトランジスタのエミッタに加える
    ことを特徴とする情報処理方法。
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