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JP3890873B2 - 入出庫制御装置及びその入出庫制御装置を有する自動倉庫 - Google Patents

入出庫制御装置及びその入出庫制御装置を有する自動倉庫 Download PDF

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JP3890873B2
JP3890873B2 JP2000284440A JP2000284440A JP3890873B2 JP 3890873 B2 JP3890873 B2 JP 3890873B2 JP 2000284440 A JP2000284440 A JP 2000284440A JP 2000284440 A JP2000284440 A JP 2000284440A JP 3890873 B2 JP3890873 B2 JP 3890873B2
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陽一 吉永
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動倉庫内で複数の荷物を同時に運搬可能なスタッカクレーンで荷物を入出庫する時の荷物入出庫方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、物流システムにおいては、商品の多品種化や店舗配送の多頻度化に伴い保管、仕分けの効率化が要求され、ケース単位の梱包品を保管、仕分けするために自動倉庫が利用されている。
【0003】
自動倉庫では、送られてきた荷物は入庫アイルコンベアで入庫口まで運搬される。運搬された荷物はスタッカクレーンに移載され、スタッカクレーンはその荷物を格納棚の所定位置に格納する。また出庫する荷物は、スタッカクレーンにより出庫口まで運搬される。そして、出庫アイルコンベアに移載され、出荷場に送られる。
【0004】
ここで、この作業を効率よく行おうとした場合、入出庫する荷物の状態(運搬個数等)、スタッカクレーンの運行経路を考慮する必要がある。特開昭64−75307号公報には、入出庫ともに1個ずつ運搬する場合に、可能な運行経路パターンを見つけだして作業所用時間を計算し、これを最小にする経路を運搬経路として決定する方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
スタッカクレーンが複数の荷物を同時に運搬できる場合には、1又は複数の荷物について、1又は複数の位置に格納したり(以下、入庫作業という)、出庫口に運んだり(以下、出庫作業という)することができる。ここで、入庫候補数、出庫オーダ(出庫要求)が多くなればなるほど、スタッカクレーンの運搬経路パターンは多くなる。そのため、全てのパターンについて作業所用時間を計算すると、最適な最小時間を決定することができるものの計算時間も多くなる。特に自動倉庫にある複数のスタッカクレーンを同時に制御しようとすると、計算量も膨大なものとなり、効率的ではなくなってくる。また、そのためだけの高能力の計算機も必要となる。
【0006】
そこで、本発明は、短時間で効率的に入出庫作業時間の少ない運搬経路パターンを決定する荷物入出庫方法等を得ようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本出願に係る入出庫制御装置は、複数の格納部からなる格納棚と、複数の荷物を同時に運搬可能なスタッカクレーンとを少なくとも備えた自動倉庫における入出庫を制御する入出庫制御装置であって、入庫要求及び出庫要求のうち、少なくとも出庫要求が複数の場合、各出庫要求を満たす荷物を出庫できる格納部の候補の中から、入庫口から出庫できる格納部を経由して出庫口に至るスタッカクレーンの移動時間が最短となる格納部を、荷物を出庫する格納部として先に決定し、決定した荷物を出庫する格納部の位置に基づいて、入庫しようとする荷物を入庫することができる格納部の候補の中から、荷物を出庫する格納部を経由した上での、入出庫に係る動作時間も含めた入庫口から出庫口までのスタッカクレーンの移動時間が最短となるように、荷物を入庫する格納部を決定し、決定した入出庫に係る格納部の位置に基づいて、入庫口から出庫口に至るスタッカクレーンによる荷物の運搬経路を最終的に決定する。
本発明においては、荷物を出庫する格納部を先に決定して暫定的な経路を決定し、荷物を入庫可能な格納部の選択幅を減らして計算量を抑えた上で、荷物を入庫する格納部を決定し、決定した格納部に基づいて荷物の運搬経路を決定する。
【0008】
なお、課題を解決する手段には、以下の発明も含まれる。
複数の格納部からなる格納棚及び複数の荷物を同時に運搬可能なスタッカクレーンを備えた自動倉庫の入出庫制御装置において、出庫要求又は入庫要求の少なくともいずれかが複数である場合に、いずれの格納部から荷物を出庫するかを示す出庫位置を決定することにより、スタッカクレーン経路を暫定的に決定し、この暫定的に決定された経路又はその経路周辺の空き格納部を荷物の入庫位置として決定する自動倉庫の入出庫制御装置。
【0009】
また、本出願に係る入出庫制御装置は、出庫要求が複数あった場合に、出庫要求を満たす格納部のうち、同時に複数の荷物を出庫できる格納部を優先して、荷物を出庫する格納部として決定する。
本発明においては、荷物を出庫する格納部を決定する際、スタッカクレーンの停止回数を少なくするために、同時に複数の荷物を出庫できる格納部を優先して決定する。
【0010】
また、本出願に係る入出庫制御装置は、荷物を入庫する格納部を決定するために、
(1)荷物を出庫する格納部の対面の格納部を検索する手段
(2)出庫する格納部の位置並びにスタッカクレーンの入庫口及び出庫口に基づいて暫定的に決定したスタッカクレーンの経路上又はその経路の周辺領域にある格納部を検索する手段
(3)荷物を出庫する格納部の周辺領域にある格納部を検索する手段
のうちの1以上の手段を有し、検索結果に基づいて荷物を入庫する格納部を決定する。
【0011】
本発明においては、荷物を入庫する格納部を決定する際、荷物を出庫する格納部の対面の格納部を検索する手段、暫定的に決定した経路上又はその経路の周辺領域にある格納部を検索する手段又は荷物を出庫する格納部の周辺領域にある格納部を検索する手段のうち、1つ以上の手段を使って、効率のよい位置にある格納部を検索し、その結果に基づいて、荷物を入庫する格納部を決定する。
【0012】
また、本出願に係る自動倉庫は上記の入出庫制御装置を有している。
【0013】
本発明においては、自動倉庫内で効率のよい入出庫の制御を行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係る荷物運搬方法を実現する自動倉庫の一例を示す図である。図1(a)は自動倉庫を上方から見た図であり、図1(b)は自動倉庫を側方から見た図である。図1において、1は格納棚である。本実施の形態では格納棚1は、図1(b)に示すように、l段×k連箇所の格納部で構成され、これがm列設けられているものとする。2は入庫口である。入庫される荷物がここに運び込まれる。3はスタッカクレーンである。スタッカクレーン3はあらかじめ定められた順番に基づいて移動し、格納棚1の各棚から荷物を入庫又は出庫する動作を行う。本実施の形態では、スタッカクレーン3は最大2個の荷物を同時に運搬できるものとする。各スタッカクレーンは2列分の格納棚についてこの動作を行う。4は出庫口である。出庫する荷物がここに運ばれる。ここで、図1では入庫口2と出庫口4とを別の位置に設けているが、これらを同じ位置に設けるようにしてもよい。
【0015】
図2はスタッカクレーン3の荷物運搬方法を制御するシステムの構成図である。図2において、11はスタッカクレーン制御装置である。スタッカクレーン制御装置11は複数のスタッカクレーン3の制御を行う。また、スタッカクレーン3の状態データ(以下、状態データという)、出庫要求の荷物のデータ(以下、出庫要求データという)及び入庫する荷物のデータ(以下、入庫データという)並びに格納棚1の格納部に格納されている在庫荷物のデータ(格納位置、荷物の種類等。以下、在庫データという)を必要に応じてクレーン動作決定計算機12に送信する。12はクレーン動作決定計算機である。クレーン動作決定計算機12は、さらにデータ保存部13、ハンドリング決定部14、入出庫位置候補選択部15、入出庫位置決定部16及び巡回順決定部17で構成されている。データ保存部13は、状態データ、出庫要求データ、入庫データ及び在庫データを記憶する。ハンドリング決定部14は、スタッカクレーン3が次に入出庫する荷物の数を決定する。入出庫位置候補選択部15は、入庫する荷物について入庫位置(荷物を入庫する格納部)の候補(以下、入庫候補という)を決定する。また出庫する荷物についてもその出庫位置(荷物を出庫する格納部)の候補(以下、出庫候補という)を決定する。入出庫位置決定部16は入出庫位置候補選択部15が選択したそれぞれの候補に基づいて、出庫位置、入庫位置を決定する。巡回順決定部17は、決定した出庫位置、入庫位置に基づいて運搬経路及び巡回する順番を決定する。
【0016】
入出庫可能な格納部に対し、全ての組合せに基づいて最小時間を計算するには膨大な時間を費やなければならない。そのため、本実施の形態では、次に入出庫する荷物の個数をハンドリング決定部14で決定し、入出庫可能な格納部の候補(入庫候補、出庫候補)を入出庫候補選択部15で決定する。入出庫位置決定部16は、出庫候補に基づいて出庫位置を決定して暫定的に経路を決定する。その上で入庫候補に基づいて入庫位置を決定し、決定した入庫位置及び出庫位置に基づいて最終的な運搬経路を決定する。入庫位置を決定する際、スタッカクレーン3を最も効率よく動かすには、入庫口2から出庫口4までの運搬経路において、スタッカクレーンが止まる箇所を少なくすればよい。そのため、出庫位置の対面の格納棚1にある格納部等、スタッカクレーンを動かさなくてもよい位置で入庫できるかどうかをまず最初に判断する。適当な入庫位置を見つけることができなければ、出庫動作を最短時間にする経路をなるべく変更しなくてもよい経路上又はその周辺箇所で入庫できるかどうかを判断する。適当な入庫位置を見つけることができなければ、さらに出庫位置の周辺箇所で入庫できるかどうかを判断する。それでも見つけられなければ、入庫口に近い箇所で入庫位置を見つける。このように、先に暫定的に経路を決めておいてから入庫位置を決める分、全ての入庫候補を調べなくてもよくなり、短時間で効率のよい運搬経路、巡回順を決定することができる。特に格納棚、格納部の個数が多くなるほど計算オーダに差がでてくる。しかも、例えばスタッカクレーンに入庫する荷物が2個載せられている場合には出庫用の荷物は載せられない等、出庫の状況によっては、入庫候補に制限が課されるために、調べなければならない入庫候補はますます減る。
【0017】
次に、スタッカクレーン3の制御による荷物運搬動作について説明する。ハンドリング決定部14は、状態データ、出庫要求データ及び入庫データに基づいて、スタッカクレーン3が次に入出庫する荷物の数(つまり、どの荷物を入庫し、どの要求を受けて荷物を出庫するか)を決定する。ここで、本実施の形態では、ハンドリング決定部14が2個ずつ荷物を入出庫することを決定したものとする。
【0018】
入出庫位置候補選択部15は、ハンドリング決定部14の決定を受け、在庫データに基づいて入出庫を行う格納部の候補を選択する。入庫を行う格納部については、空いている箇所から選択されることになる。ここで、候補を選択する場合、例えば入庫の際、入庫する荷物の種類によっては選択される格納部が限定される場合がある。また、例えば空き状態の格納部が隣接したりすることで、2つの格納部に一度に入庫できる場合もある。また、2つの格納部から一度に出庫できる場合もある。入出庫位置候補選択部15は、同時入庫又は同時出庫可能な格納部の有無、そして入庫又は出庫される荷物に関する情報に基づき、同時入庫又は同時出庫を行うか否かを決定した上で、入庫又は出庫する格納部の候補を選択する。実施の形態1では、同時入庫も同時出庫も行わない場合について説明する。
【0019】
図3は、同時入庫も同時出庫も行わない場合の入庫位置決定部16の決定手順を示したフローチャートである。ここで、O1 及びO2 は出庫候補の集合を表すものとする。また、S1 及びS2 は入庫候補の集合を表す。
【0020】
まず、時間を単位とする値であるD1minの初期値として大きな値を設定する(STEP1)。そして、集合O1 及びO2 の要素である出庫候補の中から移動時間を計算していない格納部を1つ選択(これをT1 とする)する(STEP2)。そして、入庫口からT1 を経て出庫口に至るまでの移動時間(これをD1 )を計算する(STEP3)。そして、D1 の値とD1minの値とを比較し、D1 <D1minであるかどうかを判断する(STEP4)。D1 <D1minであれば、D1 の値を新たなD1minの値として設定する。また、その時の出庫候補T1 をT1minとして設定する(STEP5)。集合O1 及びO2 の全ての要素について、移動時間を計算したかどうかを判断する(STEP6)。全ての要素について移動時間を計算していないと判断すると、STEP2に戻ってD1 を算出し、最も少ない移動時間であるD1min及びその時の出庫候補T1minの検索を続ける。
【0021】
全ての要素について移動時間D1 を計算したものと判断すると、もう一方の出庫位置を決定するための準備としてD2minに大きな値を設定する(STEP7)。そして、出庫候補T1minが属していない方の集合の要素(出庫候補)について、移動時間を計算していない格納部を1つ選択(これをT2 とする)する(STEP8)。
【0022】
そして、入庫口からT1min、T2 を経て出庫口に至るまでの移動時間を計算する。また、入庫口からT2 、T1minを経て出庫口に至るまでの移動時間を計算する。計算した移動時間のうち、少ない方を移動時間D2 とする(STEP9)。そして、D2 の値とD2minの値とを比較し、D2 <D2minであるかどうかを判断する(STEP10)。D2 <D2minであれば、D2 の値を新たなD2minの値として設定する。また、その時の出庫候補T2 をT2minとして設定する(STEP11)。そして、全ての要素について、移動時間を計算したかどうかを判断する(STEP12)。全ての要素について移動時間を計算していないと判断すると、STEP8に戻ってD2 を算出し、最も少ない移動時間であるD2min及びその時の出庫候補T2minを見つけだす。このとき、仮の巡回順として、最初に訪れる格納部をTO (1)とし、後に訪れる格納部をTO (2)とする(STEP13)。
【0023】
図4は、スタッカクレーン3の経路上とその経路の周辺領域、出庫する格納部の周辺領域を表す図である。出庫における経路が決定すると、次に入庫位置を決定する。まず、作業効率上、最も都合がよいのは、TO (1)又はTO (2)の位置で入庫できることである。そこで、対面する格納棚のTO (1)又はTO (2)に位置する格納部が入庫候補S1 又はS2 の要素となっているかどうか(入庫可能かどうか)を判断する(STEP14)。
【0024】
特にフローチャートには表していないが、ここで考慮しなければならないことは、入出庫する荷物の個数等により入庫候補が限られるということである。例えば、スタッカクレーン3に荷物が2個積まれている場合は、出庫用の荷物を積めない等の制限がある。そのため、入庫口からTO (1)までの間において、入力候補S1 又はS2 のうちから必ず1つは空き状態の格納部を決定しなければならないことになる。
【0025】
図5は同時入庫及び同時出庫がない場合の入出庫パターンを表す図である。図5(a)は、集合S1 の中から決定した格納部が入庫口からTO (1)の経路上にあり、かつ、集合S2 の中から決定した格納部がTO (1)からTO (2)の経路上にある場合を表す。また、図5(b)は、集合S2 の中から決定した格納部が入庫口からTO (1)の経路上にあり、かつ、集合S1 の中から決定した格納部がTO (1)からTO (2)の経路上にある場合を表す。図5(c)は、集合S1 及び集合S2 の中から決定した2つの格納部が、入庫口からTO (1)の経路上にある場合を表す。
【0026】
STEP14において、2箇所の入庫位置を決定できなければ、次に入庫口からTO (1)、TO (2)を経て出庫口に至るまでの経路線分上又はその周辺領域に位置する格納部が入庫候補S1 又はS2 の要素となっているかどうかを判断する(STEP15)。ここで、経路線分上の格納部とは、垂直(段)方向を1つの組とした場合できるk組の各組において、経路の線分が最も長い格納部をいうものとする。具体的には、各組において、経路による線分と中心座標との距離が最も近い格納部が、各組を代表する経路線分上の格納部となる。また、ここでいう周辺領域とは、図4に示しているように、経路線分上の格納部の1つ上下の格納部のことをいうものとする。つまり、各連につき、経路線分上の格納部を中心とする3つの格納部が、経路線分上の格納部を含む周辺領域部分となる。例外として、例えばTO (1)からTO (2)への経路が垂直であった場合には、1つ左右の格納部を周辺領域とする。ここでは、このように周辺領域を定めているが、この周辺領域は設定によって自由に変更することができるものである。
【0027】
STEP15において、2箇所の入庫位置が決定できなければ、入庫口からTO (1)、TO (2)を経て出庫口に至るまでの経路に要する時間と入庫口からTO (2)、TO (1)を経て出庫口に至るまでの経路に要する時間とを比較し、同時間であるかどうかを判断する(STEP16)。これは、同時間となる場合とは、例えば入庫口と出庫口とが同じ位置にあった場合である。また、異なる位置にあったとしても同じ時間となる場合もある。このような経路を調べるのは、制限の関係上、入庫口からTO (1)、TO (2)を経て出庫口に至るまでの経路では入庫できなかった荷物が、経路を逆順することで入庫できる場合があるからである。そのため、同じ時間であると判断すると、入庫口からTO (2)、TO (1)を経て出庫口に至るまでの経路線分上又はその周辺領域に位置する格納部が入庫候補S1 又はS2 の要素となっているかどうかを判断する(STEP17)。
【0028】
STEP17においても2箇所の入庫位置が決定できなければ、TO (1)又はTO (2)の周辺領域に位置する格納部が入庫候補S1 又はS2 の要素となっているかどうかを判断する(STEP18)。この周辺領域とは、図4に示しているようにTO (1)又はTO (2)の1つ上下、左右及び斜めの格納部をいうものとする。つまり、1つの出庫位置につき、8つの格納部が周辺領域部分となる。ただ、これも前述した周辺領域と同様に設定によって自由に変更することができる。そして、STEP16においても2箇所の入庫位置が決定できなければ、入庫口に近い空き状態の格納部を入庫位置として決定する(STEP19)。このようにして見つけた入庫位置をTI (1)、TI (2)として決定する(STEP20)。
【0029】
以上のようにして決定した出庫位置TO (1)及びTO (2)並びに入庫位置TI (1)及びTI (2)に基づいて、巡回順決定部17は、最終的な運搬経路(巡回順を含む)を決定する。そして、決定した運搬経路のデータをスタッカクレーン制御装置11に送信する。スタッカクレーン制御装置11は、その運搬経路のデータに基づいてスタッカクレーン3を制御し、荷物の入出庫を行わせる。
【0030】
以上、第1の実施の形態によれば、スタッカクレーン制御装置11にスタッカクレーン3の動作を効率的に行わせるための運搬経路を、入出庫候補選択部15で決定した入庫候補及び出庫候補に基づいて、入出庫位置決定部16が出庫位置を決定して暫定的に経路を決定した上で入庫候補に基づいて入庫位置を決定して、巡回順決定部17において最終的な運搬経路及びその巡回順を決定するようにしたので、全ての入出庫位置に関する運搬経路パターンを調べなくても効率のよい運搬経路を算出することができ、計算量を抑えることができる。そのため、計算を長い時間行う必要もなく、また、高機能の計算機を用いる必要もない。
【0031】
実施の形態2.
上述の第1の実施の形態では、同時入庫及び同時出庫については考慮しないで説明した。本実施の形態では同時入庫又は同時出庫が可能な入庫候補、出庫候補が存在する場合を考える。図は第1の実施の形態と同様に図1及び図2を用いて説明する。
【0032】
まず、同時出庫について考える。入出庫候補選択部15は、出庫候補を選択する場合に同時出庫できる格納部を判断する。前述したように、スタッカクレーン3を最も効率よく動かすには、入庫口4から出庫口4までの運搬経路においてスタッカクレーンが止まる箇所を少なくすることである。これは、移載時間及び移動時間を短縮できるからである。したがって、荷物を同時に出庫できる位置がある場合には、その位置を優先させる方が効率がよいことになる。そこで、第1の実施の形態で集合O1 及びO2 を定めたが、この要素である格納部の中で同時出庫可能なものの集合をO3 とする。そして、このO3 の各要素について移動時間を計算し、移動時間を最小にする要素(格納部)を第1の実施の形態と同様にTO とする。ここでTO を決定してしまうため、第1の実施の形態のSTEP1〜STEP13は行わない。
【0033】
このTO に基づいて第1の実施の形態のSTEP14〜STEP20と同様の処理で入庫位置を決定する。ただ、同時出庫の場合、出庫位置で2個の荷物を同時に移載するため、入庫口2から出庫位置までの経路の中に存在する入庫候補から入庫位置を決定しなければならないという制限が入庫候補に課せられる。
【0034】
次に同時入庫について考える。同時入庫の場合も、荷物を同時に入庫できる位置がある場合にはその位置を優先させる。そのため、第1の実施の形態で集合S1 及びS2 を定めたが、この要素である格納部の中で同時入庫可能なものの集合をS3 とする。そして、このS3 の各要素について第1の実施の形態のSTEP14〜STEP20と同様の処理で入庫位置TI を決定する。この場合には、入庫口2からTO (1)までの間で入庫位置を決定しなければならないという制限が入庫候補に課せられることになる。
【0035】
以上のように第2の実施の形態によれば、同時出庫できる出庫候補に対して他に優先して移動時間を計算して経路を決定し、その経路に基づいて入庫候補に基づいて入庫位置を決定して、巡回順決定部17において最終的な運搬経路及びその巡回順を決定するようにしたので、より効果的な運搬経路を計算量を多くすることなく算出することができる。また、同時入庫できる入庫候補についても、他に優先して入庫位置として決定するようにしたので、効率的な運搬経路を得ることができる。
【0036】
実施の形態3.
上記の第1の実施の形態では、それぞれ2個の荷物を入出庫する場合について述べた。また第2の実施の形態では同時入庫及び同時出庫について述べた。次に、出庫要求が1つの場合について説明する。
【0037】
出庫要求が1つであれば、第1の実施の形態で説明した図3のフローチャートについて、STEP1〜STEP6までを行って経路を決定すればよく、STEP7〜STEP13は行わなくてよい。これは、第2の実施の形態の同時出庫とよく似ている。異なる点は、同時出庫の場合、出庫位置ではスタッカクレーン3に載せられている荷物は0でなければならないが、これが1個載っていてもよいということである。つまり、入庫すべき荷物が2個の場合は、入庫口2から出庫位置までの経路の中で入庫位置を最低1箇所決めなくてはいけないという制限が課されることになる。入庫すべき荷物が1個の場合はこのような制限がない。このため、同時出庫よりも制限が重くない。入出庫位置決定部16は、この制限内で第1の実施の形態のSTEP14〜STEP20と同様の処理で入庫位置を決定する。
【0038】
実施の形態4.
本実施の形態では入庫すべき荷物が1個であった場合について説明する。入庫すべき荷物が1個であった場合に課される制限は、例えば2個の荷物を出庫する場合には、入庫口からTO (1)を経てTO (2)に至るまで又はその出庫位置において、入庫作業を行う入庫位置を決定しなければならないということである。同時出庫の場合も入庫口からTO に至るまで又は出庫位置において入庫位置を決定しなければならない。入出庫位置決定部16は、この制限内で第1の実施の形態のSTEP14〜STEP20と同様の処理で入庫位置を決定する。
【0039】
実施の形態5.
本実施の形態では、入庫すべき荷物が0個であった場合又は出庫要求が0であった場合について述べる。まず、入庫すべき荷物が0個であった場合には、STEP1〜STEP13と同様の処理で出庫位置を決定する。ただし、ここでは出庫作業だけを行うので、スタッカクレーン3は現在の位置から入庫位置まで移動する必要がない。このため、現在位置から2つの出庫位置を経由して出庫口まで移動するものとして、STEP1〜STEP13と同様の処理が行われ、2つの出庫位置TO (1)、TO (2)が決定される。巡回順決定部17は、決定した経路を最終的な運搬経路として、そのデータをスタッカクレーン制御装置11に送信する。スタッカクレーン制御装置11はスタッカクレーン3を制御し、荷物の出庫を行わせる。
【0040】
一方、出庫要求が0であった場合、出庫位置とスタッカクレーン3の経路自体がないので、STEP19〜STEP20の処理を行って入庫位置TI (1)、TI (2)を決定する。具体的には、まず入庫口からの移動時間が最小になる格納部を入庫候補S1 、S2 から選択し、次に1つ目の入庫位置が属していない入庫候補集合の中から、1つ目の入庫位置からの移動時間が最も短い格納部を選択し、これを2つ目の入庫位置とする。そして、巡回順決定部17は、決定した経路を最終的な運搬経路として、そのデータをスタッカクレーン制御装置11に送信して、スタッカクレーン3を制御し、荷物の入庫を行わせる。
【0041】
実施の形態6.
上述の第1の実施の形態では、STEP14の後、STEP15〜17において経路上又はその周辺箇所で入庫できるかどうかを判断し、STEP18において出庫位置の周辺箇所で入庫できるかどうかを判断している。STEP14は、スタッカクレーンが止まる箇所が少なくなり、時間短縮の効果が大きいので、優先して行うことが望ましいが、特に最初に行うことを限定するものではない。また、STEP15〜17とSTEP18については、システムの使用、構成等の事情により、短縮の効果が異なるので、場合によってこれらの順序を入れ替えてもよい。
【0042】
実施の形態7.
上述の実施の形態で説明した制限は、同じ荷物等を運搬する場合について課されるものについて述べている。ただ、荷物の大きさ等が異なり、それに基づく制限が多くなったとしても、複雑にはなるものの上述の実施の形態で説明した装置を適用することは可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の入出庫制御装置では、荷物を出庫する格納部を先に決定して、荷物を出庫する格納部を先に決定して暫定的な経路を決定し、その決定に基づいて荷物を入庫する格納部を決定し、決定した格納部に基づいて荷物の運搬経路を決定するようにしたので、先に荷物を出庫する格納部を決定して暫定的な経路を確保し、荷物を入庫可能な格納部の選択幅を減らした上で入庫する格納部を決定することができ、計算量を抑えることができる。特に格納部の数が多くなるほど有効である。また、荷物を出庫する格納部、荷物を入庫する格納部の少なくともいずれかを複数決定する必要がある場合には特に効果的である。
【0044】
また、本発明の入出庫制御装置によれば、最短時間で出庫要求を満たす格納部を荷物を出庫する格納部を決定するようにしたので、効率のよいスタッカクレーンの制御を行うことができる。
【0045】
また、本発明の入出庫制御装置によれば、荷物を出庫する格納部を決定する際、同時に複数の荷物を出庫できる格納部を優先して決定するようにしたので、スタッカクレーンの停止回数を少なくすることができ、作業効率がよく、入出庫作業時間を短縮することができる。
【0046】
また、本発明の入出庫制御装置によれば、荷物を入庫する格納部を決定する際、荷物を出庫する格納部の対面の格納部を検索する手段、暫定的に決定した経路上又はその経路の周辺領域にある格納部を検索する手段又は荷物を出庫する格納部の周辺領域にある格納部を検索する手段のうち、1つ以上の手段を使って、その結果に基づいて、荷物を入庫する格納部を決定するようにしたので、作業効率のよい格納部を決定することができるようになる。
【0047】
また、本発明の入出庫制御装置によれば、出庫要求に基づいて荷物を出庫する格納部があらかじめ決定されている場合に、荷物を入庫する格納部を決定する際、荷物を出庫する格納部の対面の格納部を検索する手段、暫定的に決定した経路上又はその経路の周辺領域にある格納部を検索する手段又は荷物を出庫する格納部の周辺領域にある格納部を検索する手段のうち、1つ以上の手段を使って、効率のよい位置にある格納部を検索し、その結果に基づいて、荷物を入庫する格納部を決定するようにしたので、作業効率のよい格納部を決定することができるようになる。
【0048】
また、本発明の入出庫制御装置によれば、効率のよい位置にある格納部を検索するための手段でも、格納部を検索することができなかった場合には、最終的に入庫口に近い順に入庫可能な格納部を検索し、荷物を入庫する格納部として決定するようにしたので、作業効率的には多少悪くなるものの、従来より効率のよい格納部を確実に決定することができる。
【0049】
また、本発明によれば、上記の入出庫制御装置により自動倉庫での作業を運用するようにしたので作業効率をよくすることができる自動倉庫を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る荷物運搬方法を実現する自動倉庫の一例を示す図である。
【図2】スタッカクレーン3の荷物運搬方法を制御するシステムの構成図である。
【図3】同時入庫も同時出庫も行わない場合の入庫位置決定部16の決定手順を示したフローチャートである。
【図4】スタッカクレーン3の経路上とその経路の周辺領域、出庫する格納部の周辺領域を表す図である。
【図5】同時入庫及び同時出庫がない場合の入出庫パターンを表す図である。
【符号の説明】
1 格納棚
2 入庫口
3 スタッカクレーン
4 出庫口
11 スタッカクレーン制御装置
12 クレーン動作決定計算機
13 データ保存部
14 ハンドリング決定部
15 入出庫位置候補選択部
16 入出庫位置決定部
17 巡回順決定部

Claims (4)

  1. 複数の格納部からなる格納棚と、複数の荷物を同時に運搬可能なスタッカクレーンとを少なくとも備えた自動倉庫における入出庫を制御する入出庫制御装置であって、入庫要求及び出庫要求のうち、少なくとも出庫要求が複数の場合、
    各出庫要求を満たす荷物を出庫できる格納部の候補の中から、入庫口から前記出庫できる格納部を経由して出庫口に至る前記スタッカクレーンの移動時間が最短となる格納部を、荷物を出庫する格納部として先に決定し、決定した前記荷物を出庫する格納部の位置に基づいて、前記入庫しようとする荷物を入庫することができる格納部の候補の中から、前記荷物を出庫する格納部を経由した上での、入出庫に係る動作時間も含めた入庫口から出庫口までの前記スタッカクレーンの移動時間が最短となるように、荷物を入庫する格納部を決定し、決定した入出庫に係る格納部の位置に基づいて、前記入庫口から前記出庫口に至る前記スタッカクレーンによる荷物の運搬経路を最終的に決定することを特徴とする入出庫制御装置。
  2. 前記出庫要求が複数あった場合に、前記出庫要求を満たす格納部のうち、同時に複数の荷物を出庫できる格納部を優先して、前記荷物を出庫する格納部として決定することを特徴とする請求項1記載の入出庫制御装置。
  3. 前記荷物を入庫する格納部を決定するために、
    (1)前記荷物を出庫する格納部の対面の格納部を検索する手段
    (2)前記出庫する格納部の位置並びに前記スタッカクレーンの入庫口及び出庫口に基づいて暫定的に決定した前記スタッカクレーンの経路上又はその経路の周辺領域にある格納部を検索する手段
    (3)前記荷物を出庫する格納部の周辺領域にある格納部を検索する手段
    のうちの1以上の手段を有し、検索結果に基づいて前記荷物を入庫する格納部を決定することを特徴とする請求項1又は2記載された入出庫制御装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれかに記載された入出庫制御装置を有する自動倉庫。
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