JP3890209B2 - 調速機における回転速度入力方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水力発電所における水車発電機の調速機に係り、特に調速機における回転速度入力方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水力発電所の発電機出力は電力系統に接続され、並列に接続された発電機は互いに同期していなければならない。従って水車発電機の起動後は電力系統の周波数に同期させる操作が必要となる。そして、電力系統への接続後は、並列に接続されている他の発電機と同期させる必要がある。これらの目的のために調速機が設置されている。
【0003】
図6は水力発電所の速度制御系統の構成例を示している。水車発電機31の出力33と負荷32の信号との偏差34は、水車発電機の回転速度の変化となって現れる。偏差がなければ現状の回転数を保持する。水車発電機の回転速度に比例した信号を出力する回転速度検出装置35によって検出された水車発電機の回転速度信号1は、調速機36に取り込まれる。速度制御演算部12では、水車発電機の回転速度信号1と目標速度設定部37の信号および速度垂下率出力信号38により偏差を演算した後、制御目標値演算部39にて制御目標値40が演算される。
【0004】
一方、サーボモータ47のストロークはサーボモータ実開度信号46として調速機36に取り込まれる。演算された制御目標値40とサーボモータ実開度信号46との偏差41を演算し、増幅部42を経て制御指令値43として配圧弁44へ出力される。配圧弁44からの出力信号45はサーボモータ47を駆動する。サーボモータ47の動作によって、ガイドベーンの開度が制御され、水車への水の流入量を制御し、水車発電機31の出力33を制御する。したがって、水車発電機の回転速度信号1は水車発電機31の出力33へ影響を及ぼす。
【0005】
回転速度信号検出装置35は通常水車発電機31に取り付けられているため、水車発電機31の軸振れや振動は、水車発電機の回転速度信号1に影響を及ぼす。
【0006】
ここで、軸振れ周波数は、水車発電機の回転速度よりも高いので、水車発電機31の軸振れあるいは振動があると、水車発電機の回転速度信号1に高周波の雑音が重畳される。したがって、回転速度検出装置35からは、あたかも水車発電機が高い周波数の刻動を伴った回転速度で運転されているように回転速度信号1が出力される。
【0007】
調速機36は前記水車発電機の回転速度信号1に忠実に応答するので、制御目標値演算部39も雑音に応答した演算結果を出力することとなり、サーボモータ47はハンチング現象を引き起こし、調速機36はもちろん、水車発電機31及びその他周辺機器の寿命を縮めることにもつながる。
【0008】
また、回転速度検出装置35の故障等何らかの理由により水車発電機の回転速度信号1が喪失した場合、調速機36は水車発電機31の回転速度が極端に低下し出力が不足した状態と判断し、水車発電機の回転速度を増加させ出力33を増加するためにサーボモータ47を急激に開動作させることになる。このように従来は、回転速度信号の刻動、あるいは速度信号の喪失についての対応策がない調速機が使用されていた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術は、水車発電機の回転速度信号に雑音が重畳される可能性について配慮されていないため、調速機が雑音に応答してしまい、機器の破損に至ることもあるし、機器の寿命を縮める等の問題がある。また系統への並列接続前後では次のような問題がある。
【0010】
電力系統並列前;水車発電機回転速度1が無拘束速度まで上昇し、水車,発電機を破損する危険性がある。
【0011】
電力系統並列後;急激に水車発電機出力33が増加し、発電機は過電流により発電機焼損に至る危険性がある。
【0012】
上記の場合、調速機制御システムは油圧制御の例であるが、これらの問題は電動サーボモータを採用する制御システムでも同様である。
【0013】
更に、回転速度検出装置35から調速機36へ入力される水車発電機の回転速度信号1に電気的雑音が侵入した場合にも同様の現象を引き起こす。したがって水車発電機の回転速度信号への雑音の侵入を防止するためには、水車発電機の回転部および固定部の剛性を増加させ、機械部の固有振動数を大幅に増加させる対策が必要である。また、電気的には雑音の侵入を完全に防止することの出来る配線のシールド化、配線敷設ルートの検討が必要になるが、いずれも多大な費用と時間が必要となる問題がある。
【0014】
本発明では水車発電機の回転速度信号に着目し,雑音を含んだ速度信号であっても水車発電機及び補機に影響を与えない、安定した制御を低コストで実現,提供すること、また、回転速度信号喪失時に水車,発電機に損傷を与えないように保護することにある。本発明はこのような場合の、調速機における回転速度入力方法および装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、以下の手段によって解決することができる。
水車発電機の回転速度を検出し、前記回転速度信号に含まれる水車発電機の軸振動に伴う高周波信号に応じて複数の雑音除去回路の中から予め定められている一つの出力信号を選択し、前記選択された信号を入力信号とするかあるいは回転速度信号を直接入力信号とするかを前記水車発電機の運転条件に応じて選択し、選択された信号を前記調速機の回転速度信号として入力することにより解決することができる。
【0016】
また、前記雑音除去回路は複数の一次遅れ要素により構成し、前記一次遅れ要素のうち一つの出力信号を前記回転速度信号として選択し、選択された信号を前記調速機に入力すること。また、前記一次遅れ要素の後段に前記遅れ要素の補償要素として一次進み要素を設け、前記進み要素の出力信号を前記回転速度信号とすること。また、前記回転速度信号の喪失を検出した時直前の回転速度信号を保持して回転速度信号とし、予め定めた時間経過しても前記回転速度信号が得られないとき前記回転速度信号を所定の固定値とし、前記水車発電機の停止制御に移行すること、により解決することができる。
【0017】
水力発電機の回転速度を制御する調速機において、前記水車発電機の回転速度検出手段による回転速度信号を入力信号とする複数の雑音除去回路と、前記回転速度信号に含まれる高周波成分の大きさに応じて選択される前記雑音除去回路の出力信号を入力信号とするかあるいは前記回転速度信号を直接調速機への入力信号とするかを前記水車発電機の運転条件応じて選択する選択切換手段とを備え、前記選択切換えられた信号を前記調速機の入力信号とする回転速度入力装置、により解決することができる。
【0018】
また、前記回転速度信号の喪失を検出する手段と、前記手段により回転速度信号の喪失が検出されたとき直前の回転速度信号を保持する手段と、前記回転速度信号の喪失が検出された時点からの経過時間をカウントするタイマーと、前記タイマーにより所定の時間が経過したとき回転速度信号を予め定めた設定値に切換る切換手段と、を備えた回転速度入力装置により解決することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
水車発電機の通常運転時における回転速度変化周期は、一般的に数十秒程度である。一方、水車発電機の軸振れ,振動に起因する雑音は数十Hzと高い周波数である。本発明は、このような雑音信号が重畳された回転信号に対して雑音除去回路を設け、その出力信号を回転速度信号とする。雑音除去回路として、ここでは一次遅れ要素を使用する。一次遅れ要素はブレークポイント以上の周波数になると、入力に対し20db/decにてゲインが低下する。したがって、周波数応答特性のブレークポイントが数Hzとなるような時定数を持つ一次遅れ要素を付加することにより、水車発電機の軸振れや振動に起因する雑音をほとんどカットした状態で回転速度信号を取り込むことができるから、調速機は実際の水車発電機の回転速度に対してのみ制御し、安定した制御を実現することができる。
【0020】
一方、一次遅れ要素の位相特性は、ブレークポイント以前から遅れが発生するので、例えばペルトン水車の系統並列時のニードル制御や、俊敏な応答が要求される場合は、一次遅れ要素を使用することで運転に弊害が出る可能性がある。これらに対しては、一次遅れ要素の使用/除外を選択できる速度信号選択手段を設ければ、運転に応じて要求される応答特性を選択することができる。さらに、一次遅れ要素の後段に一次進み要素を設け、一次遅れ要素の位相遅れを補償すれば、運転に要求される応答特性での制御が可能になる。水車発電機に要求される運転状態に応じて、回転速度信号を直接調速機に入力することを含め、一次遅れ要素の出力信号を選択使用する。
【0021】
上記の一次遅れ要素に加え、もう一つ遅れ時間が比較的大きい第二の一次遅れ要素を付加することで、水車発電機を保護することができる。前述の如く、調速機は水車発電機に取り付けられた回転速度信号検出装置により検出された回転速度信号により制御しているが、回転速度信号が何らかの要因により欠落することがある。この場合、調速機はサーボモータへ案内羽根開度もっと開けるように指令を出すため、水車発電機の回転が必要以上に上昇し、水車発電機を破損にいたらしめる怖れがある。
【0022】
第二の一次遅れ要素は、ある時定数を持って回転速度信号に追従している。従って、第二の一次遅れ要素の出力信号は、回転速度信号喪失等突然入力信号が喪失しても、即座に出力信号が無くなることはない。調速機に入力される回転速度信号1を常時監視し、回転速度信号が喪失した場合、調速機の制御目標演算部への回転速度信号出力をこの第二の一次遅れ要素からの出力に切替ると同時に、第二の一次遅れ要素の出力を自己保持することで、あたかも回転速度信号が変動しない状態とすることができる。サーボモータによる開度は現状値を保持することができ、水車発電機の出力変動を抑えることができる。
【0023】
回転速度信号には、第一の一次遅れ要素の設置目的に述べたように雑音を含んでいる可能性がある。雑音は復帰可能な偶発的現象であるので、雑音に応答して第二の一次遅れ要素の出力に切替らないように確認タイマーを設置することで復帰可能な偶発的現象であるかどうか、即ち水車発電機を保護動作させる必要がある重大な故障かどうかを判断するものとする。
【0024】
確認タイマーによる時間を経過してもなお回転速度信号の喪失が続いている場合は復帰不可能な回転速度信号喪失と判断する。これによって、水車発電機を安全な方向に緩やかに(場合によっては即座に)保護動作させる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態を、図を用いて説明する。ここでは雑音除去回路として一次遅れ要素を用いた場合である。図1は水車発電機に取り付けられた回転速度信号検出装置35にて検出された回転速度信号1は、第一の一次遅れ要素2に取り込まれる。第一の一次遅れ要素2はブレークポイントが数HzとなるようにゲインK1にて時定数を設定する。一次遅れ要素は、ブレークポイント以上の周波数の入力に対して20db/decにてゲインが低下するので、回転速度信号1に含まれる水車発電機の軸振れ,振動等に起因する数十Hz程度の雑音に対しては、ゲインを小さくして出力するため、第一の一次遅れ要素2の出力信号13は、高周波の雑音を殆どカットした状態の回転速度信号となる。
【0026】
これにより雑音の少ない回転速度信号を速度制御演算部12に入力できることとなり、安定した制御ができる。なお、この第一の一次遅れ要素2の代わりに高周波の雑音を除去する回路(低域アクティブフィルタ等)を使用しても同様の効果が得られる。
【0027】
第一の一次遅れ要素2は時定数を持っているため、出力13は時間遅れがある。従って、俊敏な応答性が要求される場合においては、回転速度信号1を直接速度制御演算部12へ入力する必要がある。したがって、切換部6にて回転速度信号1と第一の一次遅れ要素2からの出力13を切替る。回転速度信号1と第一の一次遅れ要素2からの出力信号13との切換は、回転速度信号選択手段5によってなされる。
【0028】
回転速度信号選択手段5は運転の目的に応じて設定する。例えば、電力系統並列前には俊敏な動きとし、電力系統並列後には安定した動きとしたい場合には、この回転速度信号選択手段5を並列用遮断機のON/OFF信号を用いればよい。
【0029】
また、図5の如く第一の一次遅れ要素2の後段にK3にて位相進みを設定できる一次進み要素21を配備すれば、出力13の時間遅れを解消することができる。
【0030】
一方,回転速度信号1は回転速度信号喪失検出部4へ入力され、回転速度信号が喪失したことを検出すると、その出力信号16が出力されタイマー9に入力する。
【0031】
出力16は回転速度信号1に含まれる雑音によっても出力される可能性があるため、タイマー9により予め設定した時間回転速度信号喪失状態が継続した場合には、確実に回転速度信号が喪失したものとし、出力19dを出力する。第二の一次遅れ要素3はゲインK2にて時定数を設定しておく。
【0032】
常時は第二の一次遅れ要素3からの出力14は、そのまま出力信号18として出力されているが、回転速度信号喪失時点で、回転速度信号喪失検出4からの出力信号19bにより出力信号18を自己保持する。また、同時に切換部8にて、切換部6からの出力信号15から信号18への切換えをおこなう。それは信号19bによる自己保持により安定し一定の信号となっている出力18を確認し、切換部8の出力信号は17として信号18を出力する。
【0033】
速度制御演算部12には自己保持信号17が入力されるから、急激な速度変化を与えないことになる。これにより、サーボモータ開度の急変を防止することができる。また、回転速度信号喪失がある一定時間継続した場合は、これ以上制御を継続することは不可能なので、出力信号19dにより出力信号20は設定値11の信号に切換え、速度制御演算部12に固定値が入力され、水車発電機を安全な方向に保護動作させる。
【0034】
次に、本発明の他の実施例について説明する。図1において50はマイコン(μ−com)などによって構成することができる。例えば図2の(A)に示すように、回転速度信号1を取りこみ、その信号の処理、判断をおこない切換え制御信号(19a〜19d)を出力し、切換制御をおこなうことができる。また図2の(B)は、図1の2において、複数の一次遅れ要素を設けた場合である。一次遅れ要素2bは図1の2と同じであるが、これを基準に2aあるいは2cを含め一時遅れ要素を3個備え,軸振動などに伴う高周波成分の大きさに応じて切換制御をおこなうことができる。
【0035】
信号13a〜13cを予め定められた条件によって選択する。俊敏な応答が要求される場合であっても、回転速度信号を直接速度制御演算部に入力するよりも、例えば信号13aを選択した方が安定した制御ができることがある。それは一次遅れ要素2aの設定にもよるが、俊敏な応答が要求される場合であっても、回転速度信号を直接入力できるのは、実態として高周波成分が小さい場合に限られる。
【0036】
図3はその処理フローの例を示している。ステップ102で回転速度信号1を取り込む。そしてステップ104では俊敏応答が要求されているかどうかを判断し、俊敏応答が要求されているときはステップ112で一次遅れ要素を経由することなく回転速度信号1の選択をおこなう。また俊敏応答の程度あるいは高周波成分の大きさによっては、信号13aを選択する。またステップ106に示したように系統への接続前は一般的に俊敏応答が要求されるので、ステップ112により回転速度信号は信号1あるいは13aが選択される。回転速度信号に高周波が重畳されていないような場合、すなわち軸振動などが比較的少ない場合は回転速度信号1を選択し、高周波成分が多少含まれているような場合は、信号13aを選択する。
【0037】
また、ステップ108では回転速度信号の分析を行い、あらかじめ定められた高周波f1〜f3(f1<f2<f3)の回転速度信号に占める割合、F1〜F3を求める。そしてステップ110では予め定めた条件により、信号を選択する。例えばF1あるいはF2よりもF3が大きいときは比較的高い周波数の信号が多く含まれているので信号13aを選択する。また比較的低い周波数の信号が多く含まれている場合は、F2あるいはF3よりもF1が大きい場合であり、信号13cを選択する。このようにすれば、高周波成分の大小により、複数設けられた一次遅れ要素の中から最適な一次遅れ要素を選択することができる。
【0038】
選択切替信号19aは前記のような信号の選択ができる。これらの信号選択は、図1の速度信号選択条件5に対応する。信号1を選択した場合、高周波の影響が予想されるような場合は、信号13aを選択する。これらの選択論理は予め決めておけばよい。また一次遅れ要素2aのゲインを0.3K1などに設定する、などK1を基準にいろんな設定が考えられ、機器の状況に応じて定めることができる。
【0039】
また、図4は図1の速度信号喪失検出4に対応する処理フローを示している。ステップ120では回転速度信号が取りこまれているかどうかをチェックする。例えば単位時間当たりに予め定められたパルス数が取りこまれているかどうかなどをチェックする。そして入力されるべきパルス数がなくなったか、あるいは極端に減少した場合、回転速度信号の喪失と判断する。そしてステップ122でタイマー回路を起動する。一方で,一次遅れ要素7を自己保持に切替る信号19bを出力し、ステップ124ではその自己保持を確認し、切換信号19cを出力する。これは図1の切換部8の切換信号となる。
【0040】
またタイマーが始動してから所定時間が経過した場合(回転速度信号の喪失時間が所定時間継続)は、何らかの原因により回転速度信号が途絶えたと判断し、切換部10への切換19dを出力する。切換信号19dは信号17から設定値11の値に切換ることになる。すなわち信号20は予め定めた固定値(擬似信号)を速度制御演算部12に与える。ステップ127は回転速度信号1の喪失が瞬時的なものであってタイマー9の所定時間経過前に復帰したかどうかを判断し、復帰した場合はタイマー9のリセット、あるいは自己保持信号18を解除する。
【0041】
また図5は一次遅れ回路に対する進み補償回路21を設けた例である。図2でいえば、2bの後段に設けることになる。補償回路は図2の(B)でいえば、2b、2cの後段に設けられることが多い。一時遅れ要素2aは、進み回路で補償するまでもないような一次遅れ要素であって、特に補償回路を設けない場合が多い。
【0042】
以上、説明したように、本発明は回転速度信号に含まれる軸振動等に起因する高周波成分の大きさに応じて常に最適な一次遅れ要素を選択することにある。したがって、調速機回転速度信号として速度制御演算部に入力される信号は調速機の制御系に擾乱を与えることなく、安定した速度制御を行なうことができる。また回転速度信号が喪失した場合も、自己保持回路によってそのときの回転信号を保持して速度制御演算部に入力し、速度制御をおこなうので弁開度を急激に変化させることもない。また所定時間経過後は固定設定値を速度信号として速度制御演算部12に与えた後、水車発電機の停止動作など保護制御に移行するので、調速機の制御に悪影響を与えることがない。
【0043】
本発明が解決する問題は、水車発電機の振動に起因して発生するものであり、根本的には各部の剛性をあげる必要がある。しかし、多大な費用がかかる。一方、本現象を放置すると安定した負荷供給が不可能であると共に機器の寿命を縮めることにもなる。本発明は調速機に機能を追加するだけで安定した負荷運転制御をおこなうおとが可能となるため、コスト低減効果も期待できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明は、回転速度信号に重畳されている高周波信号の大きさに応じて選択された高周波雑音信号除去回路を経由した信号に基づいて調速機の制御をおこなうので、水車発電機の剛性不足による回転速度信号の多少の乱れにも安定した制御をおこなうことができる。また、水車発電機の剛性改善などが不要であるため全体としてのコスト低減も期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例で、回転速度信号取り込み部、切換え部のブロック構成図である。
【図2】 本発明の他の実施例で、マイコンで切換制御を行なう場合のブロック図である。
【図3】 図2におけるマイコン処理フロー図を示している。
【図4】 図2におけるマイコン処理のうち、回転速度信号喪失そしてタイマー処理のフロー図である。
【図5】 進み補償回路を用いた例を示す図である。
【図6】 従来における一般的な水力発電所の制御ブロック図である。
【符号の説明】
1;回転速度信号 2;第一の一次遅れ要素 3;第二の一次遅れ要素 4;回転速度信号喪失検出 5;回転速度信号選択条件 6;切換部 7;切換部
8;切換部 9;タイマー 10;切換部 11;設定値 12;速度制御演算部 13;出力 14;出力 15;出力 16;出力 17;出力 18;出力 19;出力 20;出力 21;一次進み要素 31;水車発電機 32;負荷 33;水車発電機出力 34;回転速度 35;回転速度信号検出装置
36;調速機 37;目標速度 38;垂下率出力 39;制御目標値演算部
40;制御目標値 41;偏差 42;増幅部 43;制御指令値 44;配圧弁 45;出力 46;実際の開度 47;サーボモータ。
Claims (7)
- 水車に流入する水量を調整するための案内羽根開度を操作制御するサーボモータを有し、水車発電機の回転速度を制御する水力発電所の調速機において、水車発電機の回転速度を検出し、前記回転速度信号に含まれる水車発電機の軸振動に伴う高周波信号に応じて複数の雑音除去回路の中から予め定められている一つの出力信号を選択し、前記選択された信号を入力信号とするかあるいは回転速度信号を直接入力信号とするかを前記水車発電機の運転条件に応じて選択し、選択された信号を前記調速機の回転速度信号として入力することを特徴とする調速機における回転速度入力方法。
- 請求項1において、前記雑音除去回路は複数の一次遅れ要素により構成し、前記一次遅れ要素のうちの一つの出力信号を前記回転速度信号として選択し、選択された信号を前記調速機に入力することを特徴とする調速機における回転速度入力方法。
- 請求項2において、前記一次遅れ要素の後段に前記遅れ要素の補償要素として一次進み要素を設け、前記進み要素の出力信号を前記回転速度信号とすることを特徴とする調速機における回転速度入力方法。
- 請求項1において、前記回転速度信号の喪失を検出した時直前の回転速度信号を保持して回転速度信号とし、予め定めた時間経過しても前記回転速度信号が得られないとき前記回転速度信号を所定の固定値とし、前記水車発電機の停止制御に移行することを特徴とする調速機における回転速度入力方法。
- 水車に流入する水量を調整する案内羽根の開度を操作するサーボモータと、水車発電機の回転速度検出手段と、目標速度設定部とを有し、水力発電機の回転速度を制御する調速機において、前記水車発電機の回転速度検出手段による回転速度信号を入力信号とする複数の雑音除去回路と、前記回転速度信号に含まれる高周波成分の大きさに応じて選択される前記雑音除去回路の出力信号を入力信号とするかあるいは前記回転速度信号を直接調速機への入力信号とするかを前記水車発電機の運転条件応じて選択する選択切換手段とを備え、前記選択切換えられた信号を前記調速機の入力信号とすることを特徴とする調速機における回転速度入力装置。
- 請求項5において、前記回転速度信号の喪失を検出する手段と、前記手段により回転速度信号の喪失が検出されたとき直前の回転速度信号を保持する手段と、前記回転速度信号の喪失が検出された時点からの経過時間をカウントするタイマーと、前記タイマーにより所定の時間が経過したとき回転速度信号を予め定めた設定値に切換える切換手段と、を備えたことを特徴とする調速機における回転速度入力装置。
- 請求項5において、前記複数の雑音除去回路を一次遅れ要素で構成し、前記一次遅れ要素の後段に遅れを補償するための補償回路、を設けたことを特徴とする調速機における回転速度入力装置。
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