JP3890162B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえば複写機あるいはプリンタなどとされる電子写真方式あるいは静電記録方式による画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図8に、記録材であるシート材の端面(紙端)を基準に両面画像合わせを行なう従来の画像形成装置におけるシート材の流れを模式的に示す。
【0003】
シート材第1面目の主走査方向、副走査方向の基準となるシート材端面とシート材における原点をx、y、oとし、同様に第2面目のものをx’、y’、o’とする。給紙されたシート材は原点をoとするxy座標系を基準に第1面目の紙端が検知され、つぎにトナー画像が形成され、次いで定着器において第1面目画像が熱定着される。更に反転装置により搬送方向が反転し反転パス内を搬送され再給紙される。再給紙されたシート材は原点をo’とするx’y’座標系を基準に第2面目の紙端が検知され、つぎにトナー画像が形成され、次いで定着器において第2面目画像が熱定着され、機外へ排出される。
【0004】
ここで両面画像合わせにおける位置ズレには主走査方向・副走査方向・回転方向(画像の傾き)のズレがあり、位置ズレの要因には位置検知および画像形成精度、シート材の寸法精度、定着熱によるシート材収縮、トナー収縮などによる画像収縮がある。
【0005】
第1面目の画像形成基準と第2面目の画像形成基準を比べると副走査方向の基準が端面yから端面y’に変わり、これに伴い原点もoからo’に変わっているため、副走査方向と回転方向にはシート材の寸法精度が位置ズレに直接影響する。つまり、これらをまとめるとつぎの式のようになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の画像形成装置のカラー化・デジタル化・高速化によりショートラン印刷分野での両面画像の需要がますます増えており、環境保護の観点からも両面画像形成技術が重要となっている。これまで以上に確実な両面画像合わせ性能が要求されている。
【0007】
従って、本発明の目的は、高度の両面画像位置合わせを行なうことのできる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的は本発明に係る画像形成装置にて達成される。要約すれば、本発明は、記録材の両面に画像形成が可能な画像形成装置において、
記録材の搬送経路中に配置された、第1面に画像形成された画像情報を読み込む手段と、前記画像情報から第1面目の画像形状・位置を基準に第2面目の画像形成を行なう手段とを有し、
前記第2面目の画像形成を行なう手段は、倍率を補正する手段を有し、
前記倍率を補正する手段は、第1面目の定着前の主走査方向及び副走査方向の画像範囲と、第1面目の定着後の画像範囲に基づいて、第2面目の倍率補正を行ない、
第1面目の定着前の主走査方向及び副走査方向の画像範囲をSY(1前)及びSX(1前)、定着後の主走査方向及び副走査方向の画像範囲をSY(1後)及びSX(1後)、第2面目の主走査方向及び副走査方向の本来の画像範囲をSY2及びSX2、倍率調整後の主走査方向及び副走査方向の画像範囲をSY’2及びSX’2とすると、第2面目の画像データを下記の式、
【数1】
【数2】
にて倍率補正を行ない、
更に、記録材厚さ判定手段を有し、前記記録材厚さ判定手段にて前記記録材が所定厚以上であると判定したときには、前記副走査方向の倍率補正は、下記の式、
【数3】
にて第2面目の画像データの倍率補正を行なうことを特徴とする画像形成装置である。
本発明の一実施態様によれば、前記第2面目の画像形成を行なう手段は、更に、主走査方向のズレを補正する手段と、副走査方向のズレを補正する手段と、画像の傾きを補正する手段とを有する。
本発明の他の実施態様によれば、前記主走査方向のズレを補正する手段、前記副走査方向のズレを補正する手段、前記画像の傾きを補正する手段、および前記倍率を補正する手段はそれぞれの方向に対する画像中心を基準に補正を行なう。
【0009】
本発明の他の実施態様によれば、前記記録材の搬送経路中にレジスト手段を有し、前記画像情報を読み込む手段が前記レジスト手段の下流、又は、下流及び上流にある。
【0010】
前記位置決めのための専用読み取りパターンを書き込む手段を有することが好ましい。前記位置決めのための専用読み取りパターンを記録材余白に書き込むことが好ましい。前記位置決めのための専用読み取りパターンをイエロートナーで書き込むことが好ましい。
【0011】
位置決めのための専用読み取りパターンは第1面目、第2面目ともに同じで、前記第1面目および第2面目の位置決めのための専用読み取りパターン同士を合わせることによって両面画像合わせを行なうことが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
【0014】
実施例1
まず、図1に示すカラー画像形成装置の全体的な構成と動作について説明する。
【0015】
本実施例のカラー画像形成装置は、2つのカセット給紙部1、2と1つの手差し給紙部3を有しており、これらの各給紙部1、2、3から選択的に記録材であるシート材Sが給送される。
【0016】
各給紙部1、2、3において、カセット4、5またはトレイ6上に積載されているシート材Sはピックアップローラ7によって最上位のシート材Sから順に繰り出される。そして、ピックアップローラ7によって繰り出されたシート材Sは搬送手段としてのフィードローラ8Aと分離手段としてのリダートローラ8Bからなる分離ローラ対8によって最上位のシート材Sのみ分離され、回転停止しているレジスト手段としてのレジストローラ対12へ送られる。
【0017】
この場合、レジストローラ対12までの距離が長いカセット4、5から給送されたシート材Sは複数のローラ対9、10、11に中継されてレジストローラ対12へ送られる。
【0018】
レジストローラ対12へ送られたシート材Sは、シート材Sの先端がレジストローラ対12のニップに突き当たって所定のループを形成すると、一旦移動が停止される。このループの形成によりシート材Sの斜行状態が矯正される。
【0019】
レジストローラ対12の下流には長尺の搬送ベルト(無端ベルト)13が略水平状態に設置されている。この搬送ベルト13は図中反時計回りに回転する。そして、この搬送ベルト13の上方には、異なる色のカラートナー像を担持する複数の像担持体である感光体ドラム14、15、16、17がシート材搬送方向に沿って順次配置されている。
【0020】
ここで、最上流の感光体ドラム14はマゼンタ色のトナー像を担持し、つぎの感光体ドラム15はシアン色のトナー像を担持し、そのつぎの感光体ドラム16はイエロー色のトナー像を担持し、そして最下流の感光体ドラム17はブラック色のトナー像を担持する。
【0021】
本カラー画像形成装置においては、原稿自動送り装置18によって複数枚の原稿が順次原稿台(プラテンガラス)19上の所定位置にセットされるようになっている。そして、原稿台19上にセットされた原稿の画像(ここではカラー画像)は読取光学系20によって読み取られる。この読み取られたカラー画像はCCD素子21によってマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色成分に分解され、画像メモリ(不図示)内に一時的に蓄えられる。
【0022】
画像メモリ内に蓄えられた画像情報はレーザースキャナを含む書き込み光学系22によって各色成分毎に順次図中時計回りに回転している各感光体ドラム14〜17上に書き込まれる。
【0023】
まず、最上流の感光体ドラム14上にマゼンタ成分の画像に基づくレーザー光LMの投影が開始され、感光体ドラム14上に静電潜像を形成する。この静電潜像は現像器23から供給されるマゼンタ色のマナーによって可視化される。
【0024】
つぎに感光体ドラム15上にシアン成分の画像に基づくレーザー光LCの投影が開始され、感光体ドラム15上に静電潜像を形成する。この静電潜像は現像器24から供給されるシアン色のトナーによって可視化される。
【0025】
つぎに、感光体ドラム15上へのレーザー光LCの投影開始から所定時間経過後、感光体ドラム16上にイエロー成分の画像に基づくレーザー光LYの投影が開始され、感光体ドラム16上に静電潜像を形成する。この静電潜像は現像器25から供給されるイエロー色のトナーによって可視化される。
【0026】
つぎに、感光体ドラム16上へのレーザー光LYの投影開始から所定時間経過後、感光体ドラム17上にブラック成分の画像に基づくレーザー光LBの投影が開始され、感光体ドラム17上に静電潜像を形成する。この静電潜像は現像器26から供給されるブラック色のトナーによって可視化される。
【0027】
なお、画像形成手段として、各感光体ドラム14〜17、書き込み光学系22、現像器23〜26の他に、各感光体ドラム14〜17を均一に帯電させるための一次帯電器27、28、29、30や、トナー像転写後の感光体ドラム14〜17上に付着しているトナーを除去するためのクリーナ31、32、33、34などが設置されている。
【0028】
レジストローラ対12から送られて斜行状態が矯正されたシート材Sは、最上流の感光体ドラム14上のトナー像とシート材先端との位置を合わせるタイミングをとって回転を開始するレジストローラ対12によって反時計回りに回転している搬送ベルト13上へ送られる。
【0029】
搬送ベルト13上へ送られたシート材Sは搬送ベルト13によって下流へ搬送される過程で、感光体ドラム14と転写帯電器90との間の転写部、感光体ドラム15と転写帯電器91との間の転写部、感光体ドラム16と転写帯電器92との間の転写部、および感光体ドラム17と転写帯電器93との間の転写部を順次通過することにより、シート材Sの面上にマゼンタ、シアン、イエロー、ブラックの各色のトナー像が重ねて転写される。
【0030】
最下流の感光体ドラム17と転写帯電器93との間の転写部を通過したシート材Sは搬送ベルト13によって定着器を構成する定着ローラ対35へ送られる。そして、シート材Sが定着ローラ対35のニップを通過する過程で、定着ローラ35Aにより加熱され、加圧ローラ対35Bにより加圧されて転写トナー像がシート材Sのシート面に定着される。
【0031】
定着ローラ対35を通過した定着処理済みシート材Sは搬送ローラ対36によって排出ローラ37へ送られ、この排出ローラ対37によって機外の排出トレイ38上へ排出される。
【0032】
本カラー画像形成装置においては、両面モードの画像形成が可能になっている。以下、両面モード時のシート材Sの流れに沿って本カラー画像形成装置の構成を説明する。両面モードが指定されている場合、定着ローラ対35を通過した定着処理済みシート材Sは縦パス58を通って反転パス59へ送られる。この場合、フラッパ60は縦パス58を開いており、定着処理済みシート材Sは、搬送ローラ対36、61、62および逆転ローラ対63によって搬送される。
【0033】
逆転ローラ対63によって矢印a方向に搬送されている定着処理済みシート材Sの後端がポイントPを通過した時点で逆転ローラ対63が逆転して、定着処理済みシート材Sのトナー像転写面は上側になる。
【0034】
なお、ポイントPには、縦パス58から反転パス59へのシート材Sの侵入を可能とし、反転パス59から縦パス58へのシート材Sの侵入を不可能とする可撓性シート64と、シート材後端が同ポイントPを通過したことを検知する検知レバー65が設けられている。
【0035】
逆転ローラ対63の逆転によって矢印b方向に搬送された定着済みシート材Sは、搬送ローラ対66により再給紙パス67内に送られ、複数の再給紙パス内搬送ローラ対68、69、70、71、72、73と搬送ローラ対11で中継され、ふたたび画像形成のためにレジストローラ対12に送られる。
【0036】
再給紙パス67内には定着済み処理シート材Sの画像を上方から読み取るための第1CCDラインセンサ74が配置され、ここで読み込まれた画像データにより第2面目の主走査方向、副走査方向の倍率が補正される。
【0037】
定着処理済みシート材Sはレジストローラ12で斜行状態を補正された後、搬送ベルト13に送られる。また搬送ベルト13の上流部には定着処理済みシート材Sの画像を下方から読み取るための第2CCDラインセンサ75が配置されており、ここで読み込まれた画像データにより第2面目の画像位置補正(主走査方向・副走査方向・回転方向の位置ズレ補正)を行なう。
【0038】
主走査方向・副走査方向の倍率補正、主走査方向・副走査方向・回転方向の位置ズレ補正が行なわれ、これらの画像メモリ(不図示)に蓄えられた画像データをもとに2面目の画像形成が行なわれ、以後片面画像形成と同一のプロセスを経てシート材Sは機外に排出される。
【0039】
つぎに、本発明の特徴部分である第2面目画像の主走査方向・副走査方向の倍率補正、主走査方向・副走査方向・回転方向のズレ補正について詳しく説明する。
【0040】
図2に示すように、定着処理済みシート材Sの第1面目余白には位置決めのための専用読み取りパターンである位置決めマーク#1、#2、#3、#4が書き込まれており、図3に示すように、これらのマークを第1CCDラインセンサ74で上方から読み込み込むことにより、第1CCDラインセンサ74における画像データ読み込みを行なっている。なお、位置決めマーク#1、#2、#3、#4は視覚的に目立たないようにイエロートナーで描かれている。
【0041】
図4は、第2CCDラインセンサ75における画像位置データ読み込みの概略図であり、定着処理済みシート材Sの位置決めマーク#1、#2を第2CCDラインセンサ75で下方から読み込んでいる。
【0042】
第1、第2CCDラインセンサ74、75の位置は、転写位置Ptから第1CCDラインセンサ74までの距離をSCCD1、転写位置Ptから第2CCDラインセンサ75までの距離をSCCD2、感光ドラム14におけるレーザー光LMの照射位置Plから転写位置Ptまでの弧の長さをDlt、定着処理済みシート材Sの搬送方向先端から位置決めマーク#1、#2までの距離をM1、位置決めマークの副走査方向の大きさM2、位置決めマーク#1、#2から#3、#4までの距離をM3、不図示のCPUによる画像処理開始時刻をt0、画像処理時間をΔt、シート材搬送速度関数をv(t)とすると、これらには次式(1)、(2)の関係がある。
【0043】
【数1】
【0044】
【数2】
主走査方向・副走査方向・回転方向のズレ補正はシート材搬送方向先端の位置決めマーク#1、#2の2つを読み込めば良いのに対して、主走査方向・副走査方向の倍率補正は少なくとも位置決めマーク#1、#2、#3、#4のうちの3つを読み込まなくてはいけないため、第1CCDラインセンサ74までの距離SCCD1は第2CCDラインセンサ75までの距離SCCD2に対して対応する副走査方向最大シート材の位置決めマーク#1、#2から#3、#4までの距離M3MAXだけ上流側に配備する必要がある。
【0045】
つぎに第2面目画像の倍率補正について図5により説明する。
【0046】
図5(a)に示すように、定着後のシート材Sは定着熱によるシート材Sの収縮やトナーの収縮などにより画像範囲が変化してしまい、更に方向によって収縮率が違うため、第1面目の収縮した画像に合わせて第2面目画像倍率を補正し画像形成する必要がある。
【0047】
図5(a)に示すように、第1面目の定着前主走査方向、副走査方向の画像範囲をSY(1前)、SX(1前)、定着後の画像範囲をSY(1後)、SX(1後)、第2面目の主走査方向、副走査方向の本来の画像範囲をSY2、SX2、倍率調整後の画像範囲をSY’2、SX’2とすると画像メモリ上の第2面目の画像データを下記の式(3)、(4)のように倍率補正を行なう。
【0048】
【数3】
【0049】
【数4】
次いで、第2面目画像の画像位置補正について述べる。シート材搬送においては何らかの要因により図5(c)、(d)、(e)に示すように、主走査方向、副走査方向、回転方向にシート材がずれてしまうため、それぞれの方向に画像位置補正を行なう必要がある。
【0050】
図5(c)のように主走査方向にズレΔYがある場合には、ΔYに相当する分だけ主走査方向の画像書き出しタイミングを変更することにより補正を行なう。
【0051】
図5(d)のように副走査方向にズレΔXがある場合にはΔXに相当する分だけ副走査方向の画像書き出しタイミングを変更することにより補正を行なう。
【0052】
図5(e)のように回転方向にズレつまり画像の傾きΔθがある場合にはΔθに相当する分だけ画像メモリ上の画像データを座標変換し回転させることにより補正を行なう。
【0053】
つぎに手差し給紙部3を用いたマニュアル両面モードについて述べる。
【0054】
トレイ6に載せられた定着処理済みシート材Sがピックアップローラ7によって最上位のシート材Sから送り出され、分離ローラ対8によって最上位のシート材Sのみ分離され、レジストローラ対12で斜行状態を補正された後、搬送ベルト13に送られる。ここでは、定着処理済みシート材Sの位置決めマーク#1、#2、#3、#4を第2CCDラインセンサ75で下方から読み込む。下記の式(5)
【0055】
【数5】
のときの主走査方向・副走査方向の倍率補正は、自動両面と同様に図5(a)に示す位置決めマーク#1、#2、#3、#4を読み込んで画像データの倍率を下記の式(3)、(4)のように修正することにより行なう。
【0056】
【数6】
【0057】
【数7】
また、
【0058】
【数8】
のときは、図5(b)に示す位置決めマーク#1、#2の2つしか読み込めないため、定着処理済みシートSの厚さを厚さ検知センサ76により測定しある厚さT0以上のときは、シート材Sの画像収縮がある程度小さいため主走査方向・副走査方向の倍率補正は、主走査方向の倍率を副走査方向にも当てはめて以下の式(3)、(7)ように同倍率で画像メモリ上の画像データを修正する。
【0059】
【数9】
【0060】
【数10】
また、定着処理済みシート材Sの厚さがある厚さT0以下のときはシートSの画像収縮がある程度大きく「こし」が弱いため、定着処理済みシート材Sを搬送ベルト13に吸着させたまま、下記の式(8)の条件を満たすままで空回転を行なう。
【0061】
【数11】
ただし、LVは搬送ベルト13の周長で、nは搬送ベルト13の空回転数である。このときの主走査方向・副走査方向の倍率補正は、図5(a)に示す位置決めマーク#1、#2、#3、#4を読み込んで画像データの倍率を以下の式(3)、(4)のように修正することにより行なう。
【0062】
【数12】
【0063】
【数13】
主走査方向・副走査方向・回転方向の位置ズレ補正は自動両面のとき同様に主走査方向の画像書き出しタイミング変更、副走査方向の画像書き出しタイミング変更、画像メモリ上の画像データの座標変換により行なう。
【0064】
上記のように、本実施例によれば、第1面目画像位置に対して第2面目画像位置を決めているので、1回の位置決めで両面画像位置合わせを行ない、更には熱よるシート材の画像収縮やシート材の寸法精度の影響がないため、両面画像位置合わせを大幅に向上させることができる。
【0065】
実施例2
つぎに、本発明の第2実施例について図6により説明する。図6には、第1実施例における第1CCDラインセンサ74を取り外した本実施例のカラー画像形成装置の全体的構成が示される。
【0066】
本実施例の構成においては、転写位置Ptから第2CCDラインセンサ75までの距離SCCD2は第1実施例と同様に次式(2)の関係を満たす。
【0067】
【数14】
自動両面モード時とマニュアル両面モード時ともに定着処理済みシート材Sの位置決めマーク#1、#2、#3、#4を第2CCDラインセンサ75で下方から読み込んで、第2面目画像の主走査方向・副走査方向の倍率補正、主走査方向・副走査方向・回転方向の位置ズレ補正を行なう。
【0068】
また、
【0069】
【数15】
上記式(5)のときの主走査方向・副走査方向の倍率補正は、図5(a)に示す位置決めマーク#1、#2、#3、#4を読み込んで画像データの倍率を以下の式(3)、(4)のように修正することにより行なう。
【0070】
【数16】
【0071】
【数17】
下記の式(6)
【0072】
【数18】
のときは、図5(b)に示す位置決めマーク#1、#2の2つしか読み込めないため、定着処理済みシート材Sの厚さを厚さ検知センサ76により測定し、ある厚さT0以上のときは、シート材Sの画像収縮がある程度小さいため主走査方向・副走査方向の倍率補正は、主走査方向の倍率を副走査方向にも当てはめて以下の式(3)、(7)のように、同倍率で画像メモリ上の画像データを修正する。
【0073】
【数19】
【0074】
【数20】
また、定着処理済みシート材Sの厚さがある厚さT0以下のときは、シート材Sの画像収縮がある程度大きく「こし」が弱いため、定着処理済みシート材Sを搬送ベルト13に吸着させたまま、下記の式(8)の条件を満たすまで空回転を行なう。
【0075】
【数21】
ただし、Lvは搬送ベルト13の周長で、nは搬送ベルト13の空回転数である。このときの主走査方向・副走査方向の倍率補正は、図5(a)に示す位置決めマーク#1、#2、#3、#4を読み込んで画像データの倍率を以下の式(3)、(4)のように修正することにより行なう。
【0076】
【数22】
【0077】
【数23】
主走査方向・副走査方向・回転方向のズレ補正は主走査方向の画像書き出しタイミング変更、副走査方向の画像書き出しタイミング変更、画像メモリ上の画像データの座標変換により行なう。
【0078】
本実施例においても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0079】
実施例3
つぎに、本発明の第3実施例について図7により行なう。本実施例のカラー画像形成装置は、図1に示した第1実施例の画像形成装置に対して、第2CCDラインセンサ75を取り外した構成を有し、次式(1)の関係を満たす。
【0080】
【数24】
ここでは、自動両面モード時のみ第2両面画像の倍率補正、位置ズレ補正が可能で、定着処理済みシート材Sの位置決めマーク#1、#2、#3、#4を第1CCDラインセンサ74で上方から読み込んで、第2面目画像の主走査方向・副走査方向・回転方向の位置ズレ補正を行なう。第1CCDラインセンサ74がレジストローラ対12より前にあるため自動両面モード第2面目画像形成時にはレジストローラ対12の機能が解除される。これは定着処理済みシート材Sの傾きがレジストローラ対12により補正されてしまい第1CCDラインセンサ74で読み込まれた画像位置と実際に画像を書き込むときの画像位置とが食い違ってしまうことを回避するためである。
【0081】
主走査方向・副走査方向の倍率補正は画像データの倍率を以下の式(3)、(4)のように修正する。
【0082】
【数25】
【0083】
【数26】
主走査方向・副走査方向・回転方向の位置ズレ補正は主走査方向の画像書き出しタイミングを変更、副走査方向の画像書き出しタイミングを変更、画像メモリ上の画像データの座標変換により行なう。
【0084】
本実施例においても、第1実施例と同様の効果を得ることができる。
【0085】
本発明では、画像処理により回転方向の位置ズレ補正、倍率補正を行なっているが光学的方向などによっても行なうことができる。
【0086】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、記録材の搬送経路中に配置され第1面に画像形成された画像情報を読み込む手段と、前記画像情報から第1面目の画像形状・位置を基準に第2面目の画像形成を行なう手段と、記録材厚さ判定手段とを有し、前記第2面目の画像形成を行なう手段は、倍率を補正する手段を有し、前記倍率を補正する手段は、第1面目の定着前の主走査方向及び副走査方向の画像範囲と、第1面目の定着後の画像範囲に基づいて、第2面目の倍率補正を行なう構成とすることにより、高度な両面画像位置合わせを行なうことができ、高品質の両面画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るカラー画像形成装置の全体構成図である。
【図2】位置決めのための専用マーク#1、#2、#3、#4が書き込まれたシート材を示す説明図である。
【図3】第1CCDセンサにより図2のシート材画像位置データを読み込む様子を示す説明図である。
【図4】第2CCDセンサによりシート材画像位置データを読み込む様子を示す説明図である
【図5】第2面目の画像補正を説明するための説明図である。
【図6】第2実施例に係るカラー画像形成装置の全体構成図である。
【図7】第3実施例に係るカラー画像形成装置の全体構成図である。
【図8】従来の画像形成装置における両面画像合わせの模式図である。
【符号の説明】
12 レジストローラ対(レジスト手段)
74 第1CCDラインセンサ(画像情報読み込み手段)
76 第2CCDラインセンサ(画像情報読み込み手段)
P シート材(記録材)
Claims (8)
- 記録材の両面に画像形成が可能な画像形成装置において、
記録材の搬送経路中に配置された、第1面に画像形成された画像情報を読み込む手段と、前記画像情報から第1面目の画像形状・位置を基準に第2面目の画像形成を行なう手段とを有し、
前記第2面目の画像形成を行なう手段は、倍率を補正する手段を有し、
前記倍率を補正する手段は、第1面目の定着前の主走査方向及び副走査方向の画像範囲と、第1面目の定着後の画像範囲に基づいて、第2面目の倍率補正を行ない、
第1面目の定着前の主走査方向及び副走査方向の画像範囲をSY(1前)及びSX(1前)、定着後の主走査方向及び副走査方向の画像範囲をSY(1後)及びSX(1後)、第2面目の主走査方向及び副走査方向の本来の画像範囲をSY2及びSX2、倍率調整後の主走査方向及び副走査方向の画像範囲をSY’2及びSX’2とすると、第2面目の画像データを下記の式、
更に、記録材厚さ判定手段を有し、前記記録材厚さ判定手段にて前記記録材が所定厚以上であると判定したときには、前記副走査方向の倍率補正は、下記の式、
- 前記第2面目の画像形成を行なう手段は、更に、主走査方向のズレを補正する手段と、副走査方向のズレを補正する手段と、画像の傾きを補正する手段とを有することを特徴とする請求項1の画像形成装置。
- 前記主走査方向のズレを補正する手段、前記副走査方向のズレを補正する手段、前記画像の傾きを補正する手段、および前記倍率を補正する手段はそれぞれの方向に対する画像中心を基準に補正を行なうことを特徴とする請求項2の画像形成装置。
- 前記記録材の搬送経路中にレジスト手段を有し、前記画像情報を読み込む手段が前記レジスト手段の下流、又は、下流及び上流にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記位置決めのための専用読み取りパターンを書き込む手段を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項に記載の画像形成装置。
- 前記位置決めのための専用読み取りパターンを記録材余白に書き込むことを特徴とする請求項5の画像形成装置。
- 前記位置決めのための専用読み取りパターンをイエロートナーで書き込むことを特徴とする請求項5又は6の画像形成装置。
- 前記位置決めのための専用読み取りパターンは第1面目、第2面目ともに同じで、前記第1面目および第2面目の位置決めのための専用読み取りパターン同士を合わせることによって両面画像合わせを行なうことを特徴とする請求項5〜7のいずれかの項に記載の画像形成装置。
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