JP3887581B2 - 汚水処理設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は汚水を清浄化するのに有用な汚水処理設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
汚水処理設備として、例えば、図4に示す設備が知られている。この設備では、最初沈殿池1に汚水を導入して砂や大ききな懸濁物質[浮遊物質(SS)]を沈殿除去し、上澄み(初沈液)を曝気槽(生物反応槽)2に移液して活性汚泥処理し、得られた活性汚泥処理液を最終沈殿池3に移液して上澄み液と沈殿汚泥に分離し、上澄み液は放水することによって環境へ戻している。
【0003】
このような処理設備には前記沈殿汚泥の処理装置も併設されていることが多い。すなわち最終沈殿池3からの汚泥は、最初沈殿池1からのSSと共にシックナーなどの濃縮装置4に送られ、この濃縮装置4で液体(濃縮分離液)を分離除去することにより、濃縮されている。そして得られた濃縮汚泥を分解槽6において嫌気消化することによって有機成分を消化ガス(メタンなど)として除去し、汚泥をさらに減容化している。この減容化物(分解処理物)は、プレス機などの汎用の脱水装置7で脱水した後、焼却装置8で焼却し、この焼却物が無害であれば肥料や骨材などとして有効利用しており、有害であればコンクリート固化などの不溶化処理によって無害化した後、埋立て等により処分している。
【0004】
一方、前記濃縮装置4からの濃縮分離液、及び前記脱水装置7からの脱水分離液(脱水液)は、返送ライン11を通じて前記最初沈殿池3に返送され、この最初沈殿池3の下流側に設けられた前記曝気槽2で無害化処理することにより、環境へ放水される。
【0005】
近年、前記嫌気消化の効率を高め、メタン発生量を増大したり汚泥の減容度を高めることを目的として、嫌気消化に先だって前処理を施す技術が提案されている。前処理としては、例えば、熱処理(特公平7−32917号公報参照)、超音波処理(特開昭58−76200号公報、特公平4−38478号公報、特公平4−50079号公報参照)、高電圧パルス印加処理(特開平1−210100号公報参照)、高圧気体処理(特公平4−38479号公報参照)、オゾン処理(特開昭59−105897号公報参照)、ミル処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理(特公平7−73719号公報)などの物理的、化学的、又は生物学的処理が提案されている。図5は、前記前処理を施す場合について説明するための設備概略図である。この図5の設備は、嫌気消化を行うための分解槽6の上流側に前記前処理を行うための前処理槽5が設置されている点で、図4の設備と異なる。
【0006】
ところが嫌気消化に先立って前処理5を施すと、嫌気消化6の後に脱水7した時の液(脱水液)のCOD(化学的酸素要求量)や色度が上昇してしまう。そしてこの脱水液は、最初沈殿池1を介して曝気槽2に供給され、活性汚泥処理されるにも拘わらず、十分に浄化されないために放流水の水質が悪化する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、嫌気消化に先立って前処理を施しても、放流水の水質を高く維持できる汚水処理設備を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねる過程において、前処理を施したときの脱水液の特性を詳しく調べた。その結果、脱水液のCODが上昇するときには難分解性有機物の割合が高くなっており(全CODの約75%程度)、曝気槽2の分解処理では不十分であることを突き止めた。また浮遊性有機物の割合も大きくなっていることを突き止めた(全CODの約25%程度)。そしてこれら原因究明検討の結果を受けて、曝気槽で脱水液を活性汚泥処理するのではなく、曝気槽に移液するまえの脱水液が高濃度である段階で活性汚泥処理すれば、難分解性有機物の分解効率を高めることができることを見出し、加えて膜分離を併用して浮遊性有機物を除去しておけば放流水の水質を確実に高く維持できることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち本発明に係る汚水処理設備は、汚水を導入するための沈殿池と、汚水を活性汚泥処理するための曝気槽と、この曝気処理液から活性汚泥を分離するための沈殿池と、この沈殿池から分離除去された汚泥を消化しやすくするための前処理槽(熱処理、超音波処理、高電圧パルス印加処理、高圧気体導入処理、オゾン酸化処理、粉砕処理、酸処理、アルカリ処理、酵素処理などをする槽)と、前処理した汚泥を嫌気消化するための分解槽と、前記分解槽の処理物を脱水するための脱水装置と、この脱水装置からの脱水液を、前記汚水を導入するための沈殿池に戻すための返送ラインとを備えており、
しかも前記脱水液を活性汚泥処理するための曝気手段と、曝気処理した液から活性汚泥を分離除去するための膜分離手段とを備えた浄化装置が、前記脱水装置と返送ラインとの間に挿設されている点に要旨を有するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。なお各図面において同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0011】
図1は本発明の汚水処理設備の一例を説明するための概略図であり、図2は図1の汚水処理設備で使用する浄化装置の一例を説明するための概略図である。
【0012】
図1の汚水処理設備は、最初沈殿池1、曝気槽2、最終沈殿池3、濃縮装置4、分解槽6、脱水装置7、焼却装置8、及び返送ライン11で構成されている点で上記図4の例と共通する。しかも図1の汚水処理設備は、前処理槽5が設置されている点で上記図5の例と共通する。そのため分解槽6における嫌気消化の効率が高められており、メタン発生量を増大でき、汚泥の減容度を高めることができる。しかし、嫌気消化・脱水後の脱水液のCOD(化学的酸素要求量)や色度が上昇している。なお前処理槽5には、加熱手段、超音波発生手段、高電圧パルス印加手段、高圧気体導入手段、オゾン供給手段、粉砕手段、酸添加手段、アルカリ添加手段、又は酵素添加手段が単独で或いは組み合わせて設置されており、熱処理、超音波処理、高電圧パルス印加処理、高圧気体処理、オゾン処理、ミル処理、酸処理、アルカリ処理、又は酵素処理を単独で或いは組み合わせて行うことができる。
【0013】
そして図1の例は、脱水装置7と返送ライン11との間に特定の浄化装置9が挿設されている点で上記図5の例と異なる。すなわち水質の悪い脱水液を曝気槽2で処理するのではなく、予め特定の浄化装置9で処理している。そのため放流水の水質を高く維持することができる。
【0014】
前記浄化装置9は、詳細には図2に示されるものである。この装置9は、主として脱水液を活性汚泥処理するための曝気部31と、曝気処理した液から活性汚泥を分離するための濾過部32とを有する浄化槽30で構成されており、前記曝気部31には曝気用気体供給口(曝気手段)33が槽底付近に設置されており、前記濾過部32には膜分離のためのユニット(膜分離手段)34が槽の中程度の高さに設置されている。なお前記膜分離手段は、表面に小孔を有する膜が張られた中空状のユニットであり、膜を透過した液は前記中空部に接続する返送ライン11を介して最初沈殿池1に返送されるようになっている。
【0015】
このような処理装置9を用いると、曝気手段33から空気を吹き込むことにより脱水液を活性汚泥処理できると共に、活性汚泥処理物を膜分離手段34で分離することによって清浄化された浄化液を取り出すことができる。そしてこの浄化液を最初沈殿池1に返送することにより、放流水の水質を高く維持することができる。すなわち脱水液のCODが高いのは、難分解性有機物量と浮遊性有機物が増大しているためである。従って高濃度時に活性汚泥処理して難分解性有機物を効率よく分解し、しかも膜分離によって浮遊性有機物を除去することによって初めて放流水の水質を高く維持することができる。
【0016】
なお処理装置9としては、フェントン酸化処理装置(鉄系触媒、過酸化水素、及び熱処理による有機物酸化処理装置)、蒸発濃縮装置(熱や減圧処理によって水を蒸発回収する装置)なども採用できるが、これら装置ではエネルギー消費が大きく高コストとなるため、実用的でない。
【0017】
前記処理装置9においては、膜分離手段34の下側に気体供給口35も設けられている。さらに膜分離手段34から延出する返送ライン11には逆洗ライン12が接続しており、この逆洗ライン12の他端には洗浄液タンク40が接続している。これら気体供給口35及び洗浄液タンク40を設けておけば、気体供給口35から適宜気体を供給して膜分離手段34の膜面を洗浄することができ、また洗浄液タンク40から膜分離手段40に向けて洗浄液を供給することによって膜面(特に膜に形成された孔)を洗浄することができるため、膜分離手段34の膜面に活性汚泥が堆積して膜分離効率が低下するのを防止できる。なお前記気体供給口35及び洗浄液タンク40の両方(又は一方)は、必ずしも必要ではない。
【0018】
さらに前記処理装置9においては、浄化槽30の底側(特に濾過部32の底側)に取入口を有する汚泥返送ライン13が設けられており、膜分離手段34の膜面を透過しなかった汚泥はこの汚泥返送ライン13を通じて分解槽6に返送される。このため浄化槽30の処理を継続しても、浄化槽30が汚泥で一杯になることを防止でき、しかもこれら汚泥は分解槽6に簡便に移送することができ嫌気消化することができる。なお汚泥返送ライン13は必ずしも必要ではない。
【0019】
また前記処理装置9においては、前記脱水装置7からの脱水液を一旦貯留しておくための脱水液タンク20が設けられており、この脱水液タンク20に貯留した脱水液を前記浄化槽30に移液している。脱水液タンク20を設けておけば、脱水液の流量が変化しても浄化槽30の処理速度を一定に保つことができるため、浄化槽30から排出される液(浄化液)の水質をより確実に高く維持することができ、有利である。さらに脱水液タンク20の入り口側には、スクリーン21が設けられており、このスクリーン21を通して脱水液が脱水液タンク20に入るようになっている。スクリーン21を通すことにより、大きな不溶物を除去することができる。なおこれら脱水液タンク20及び/又はスクリーン21は必ずしも必要ではない。
【0020】
上記処理装置9では、浄化槽30の下流側(膜分離手段34の下流側)に、さらに他の浄化装置を設けてもよい。他の浄化装置としては、オゾン酸化処理装置、促進酸化装置(AOP)、凝集沈殿処理装置、ウルトラフィルター膜分離装置などが挙げられる。
【0021】
上記汚水処理設備は、嫌気消化に先立って前処理を施しながらも、放流水の水質を高く維持することができるため、汚水(下水など)の処理に極めて有用である。なお上記汚水処理設備の好ましい態様及び運転条件は、例えば、以下の通りである。
【0022】
[最初沈殿池1、曝気槽2、最終沈殿池3、濃縮装置4]
最初沈殿池1、曝気槽2、最終沈殿池3及び濃縮装置4で構成される水処理系(活性汚泥処理系)では、公知の運転条件を採用できる。例えば、水処理系への流入液の貯留、水処理系におけるBOD汚泥負荷、曝気量、引き抜き汚泥量の管理などは、公知の条件に従う。
【0023】
[前処理装置5]
前処理装置としては、熱処理装置、超音波処理装置、高電圧パルス印加処理装置、高圧気体処理装置、オゾン処理装置、ミル処理装置、酸処理装置、アルカリ処理装置、酵素処理装置などの種々の装置を使用することができ、運転条件は特に限定されず、公知の条件を採用できる。熱処理装置を使用する場合、例えば、以下のようにして行うことができる。
【0024】
加熱手段:ジャケットに熱水を供給することにより加熱してもよいが、水蒸気を吹き込むことによって加熱するのが望ましい。
加熱温度:通常、120〜220℃程度(好ましくは150〜180℃程度)
加熱時間:通常、0.1〜6時間程度(好ましくは0.2〜2時間程度)
流入蒸気及び流入水(加温用)量:前記温度に達するのに必要な量。
濃縮汚泥の流入量管理:濃縮装置4からの全量。なお必要に応じて、クッションタンクを設け、流入速度を制御してもよい。
熱処理汚泥の流出量管理:成り行き
[分解槽6]
流入する汚泥量管理:全量。なお必要に応じて、クッションタンクを設け、流入速度を制御してもよい。
【0025】
分解槽6では、汚泥の嫌気消化に使用する汎用の菌(嫌気性細菌、メタン生成菌など)を使用して汚泥を分解する。分解時間は、使用する菌の種類等に応じて適宜設定できるが、通常、10〜50日程度、好ましくは15〜30日程度である。
【0026】
[脱水装置7]
脱水装置7としては特に限定されず、プレス式脱水機、遠心分離機などの慣用の脱水装置を含め種々の装置が使用できる。
【0027】
[浄化装置9]
浄化装置9は、上述したように曝気部31と濾過部32とで構成されているため、各部に分けて説明する。
【0028】
−曝気部31−
脱水液の流入量管理:脱水装置7からの全量。なお上述したように必要に応じて、クッションタンク20を設け、流入速度を制御してもよい。
活性汚泥の濃度:通常、5,000〜20,000mg/L程度、好ましくは8,000〜12,000mg/L程度
曝気量:流入液中のBODを除去するために必要とされる酸素を供給可能な程度
滞留時間:約5〜48時間(好ましくは24〜36時間)
【0029】
−濾過部32−
濾過方式:通常、クロスフロー方式を採用できる。
膜孔径:通常、0.05〜0.8μm程度(好ましくは0.2〜0.4μm程度)
BOD・SS除去速度(BOD/SS負荷):0.05〜1kgBOD/MLSS・day程度(好ましくは0.1〜0.2kgBOD/MLSS・day程度)
膜透過フラックス(透水速度):0.05〜0.6m3/m2・day程度(好ましくは0.1〜0.2m3/m2・day程度)
吸引側圧力(絶対圧):上記BOD・SS除去速度及び膜透過フラックスを達成できる程度。通常、0〜50kPa(好ましくは0〜30kPa)。
【0030】
また上述したように浄化装置9では、活性汚泥・膜分離処理の後処理として、オゾン酸化処理装置、凝集沈殿処理装置、ウルトラフィルター膜分離装置などを取り付けてもよい。例えば、オゾン酸化処理装置を取り付ける場合、以下の条件で運転することができる。
オゾン注入量:約0.1〜1.0kg/kgCOD(特に約0.3kg/kgCOD)
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0032】
なお実施例及び比較例では、下記表1に示す水質の下水を処理した。また各処理装置(最初沈殿池1、曝気槽2、最終沈殿地3、濃縮装置4、熱処理装置5、分解槽6、脱水装置7、浄化装置9)では、下記に示す条件で処理した。
【0033】
[最初沈殿池1]
流入下水量:19,500トン/day
流入返送液量:全量(より詳細には、比較例1及び2では濃縮分離装置4及び脱水装置7からの全量;実施例1及び2では濃縮分離装置1及び浄化装置9からの全量)
滞留時間:約4時間
[曝気槽2]
活性汚泥濃度:2,500mg/L
曝気量:除去すべきBOD量に応じて調整
滞留時間:約8時間
[最終沈殿地3]
滞留時間:約4時間
[濃縮装置4]
装置:シックナー
濃縮度:濃縮物中の固形分含有量が約3質量%となる程度(比較例1)、又は10〜15質量%となる程度(比較例2,実施例1〜2)
[熱処理装置5]
手段:水蒸気加熱
加熱温度:165℃
加熱時間:20分間
流入蒸気及び流入水(加温用)量:12t/day
[分解槽6]
分解時間:20日
[脱水装置7]
手段:ベルトプレス
[浄化装置9]
−曝気部31−
活性汚泥濃度:10,000mg/L
曝気量:除去すべきBOD量に応じて調整
滞留時間:36時間
−濾過部32−
濾過方式:クロスフロー
膜材質:有機膜
膜孔径:0.2〜0.4μm
BOD・SS除去速度:0.2kgBOD/MLSS・day
膜透過フラックス(透水速度):0.2m3/m2・day
吸引側圧力(絶対圧):5〜20kPa(20kPaを超える場合は、逆洗浄を行う)
−オゾン酸化処理−
なお実施例2では、濾過部32での膜分離後、オゾン酸化処理を行っている。オゾン酸化は以下の条件で行う。
オゾン注入量:0.3kg/kgCOD
【0034】
比較例1
図4に示す装置を用い、上記運転条件で下水を処理した。なおこの例では、分解槽6で嫌気消化する前の処理(熱処理)を行っておらず、脱水装置7で得られた脱水液は浄化することなくそのまま最初沈殿池1に返送し、次いで曝気槽2で活性汚泥処理している。
【0035】
比較例2
図5に示す装置を用い、上記運転条件で下水を処理した。なおこの例では、分解槽6で嫌気消化する前の処理(熱処理)を行っているが、脱水装置7で得られた脱水液は浄化することなくそのまま最初沈殿池1に返送し、次いで曝気槽2で活性汚泥処理している。
【0036】
実施例1
図1に示す装置を用い、上記運転条件で下水を処理した。なおこの例では、分解槽6で嫌気消化する前の処理(熱処理)を行っており、脱水装置7で得られた脱水液は浄化装置9で浄化(活性汚泥処理及び膜分離処理)した後で最初沈殿池1に返送した。
【0037】
実施例2
浄化装置9において膜分離処理した液をさらにオゾン分解処理する以外は、実施例1と同様にした。
【0038】
各比較例及び実施例で下水を処理した時の物質収支を図3に示すと共に、下水(A)、初沈液(B)、返送液(C)、濃縮分離液(D)、脱水液又は浄化液(E)、及び放流水(F)の水質(下水道試験法に準拠して測定)を表1〜6に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
図3より明らかなように、嫌気消化6の前に熱処理5を組み込むと(比較例2,実施例1〜2)、熱処理5がない場合(比較例1)に比べて、消化ガスの発生量を約2倍(=2トン/1トン)にすることができ、しかも脱水ケーキ量を42%(=5トン/12トン)に減らすことができる。
【0046】
ところが表6より明らかなように、単に熱処理5を組み込んだ場合には(比較例2)、熱処理を組み込まない場合(比較例1)に比べて、放流水(F)のCODが16mg/Lと悪化している。
【0047】
そして表6より明らかなように、熱処理5に加えて浄化処理9をも組み込んだ場合には(実施例1〜2)、放流水(F)のCODを12〜13mg/Lにすることができ、比較例1に示す元のレベル(13mg/L)又はそれ以上にまで水質を改善することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明によれば、嫌気消化に先立って前処理を施しているにも拘わらず、嫌気消化後に得られる脱水液を活性汚泥処理及び膜分離処理しているため、前記脱水液を再度曝気槽で処理した後の放流水の水質を高く維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の汚水処理設備の一例を示す概略図である。
【図2】図2は本発明で使用する浄化装置の一例を示す概略図である。
【図3】図3は実施例及び比較例における物質収支を示す図である。
【図4】図4は従来の汚水処理設備の一例を示す概略図である。
【図5】図5は従来の汚水処理設備の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 最初沈殿池
2 曝気槽
3 最終沈殿池
4 濃縮装置
5 前処理槽
6 分解槽
7 脱水装置
9 浄化装置
11 返送ライン
33 曝気手段
34 膜分離手段
Claims (2)
- 汚水を導入するための沈殿池と、汚水を活性汚泥処理するための曝気槽と、この曝気処理液から活性汚泥を分離するための沈殿池と、この沈殿池から分離除去された汚泥を消化しやすくするための前処理槽と、前処理した汚泥を嫌気消化するための分解槽と、前記分解槽の処理物を脱水するための脱水装置と、この脱水装置からの脱水液を、前記汚水を導入するための沈殿池に戻すための返送ラインとを備えた設備において、
前記脱水液を活性汚泥処理するための曝気手段と、曝気処理した液から活性汚泥を分離除去するための膜分離手段とを備えた浄化装置が、前記脱水装置と返送ラインとの間に挿設されている汚水処理設備。 - 前記前処理槽が、加熱手段、超音波発生手段、高電圧パルス印加手段、高圧気体導入手段、オゾン供給手段、粉砕手段、酸添加手段、アルカリ添加手段、又は酵素添加手段のいずれか或いはそれらを組み合わせた手段を備えている請求項1記載の汚水処理設備。
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