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JP3886533B2 - ジフェニルエーテル化合物のニトロ化方法 - Google Patents

ジフェニルエーテル化合物のニトロ化方法 Download PDF

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JP3886533B2 JP51173397A JP51173397A JP3886533B2 JP 3886533 B2 JP3886533 B2 JP 3886533B2 JP 51173397 A JP51173397 A JP 51173397A JP 51173397 A JP51173397 A JP 51173397A JP 3886533 B2 JP3886533 B2 JP 3886533B2
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Description

本発明はニトロ化方法に関し、特に、除草剤として又は除草剤の合成の中間体として有用であるジフェニルエーテル化合物のニトロ化方法に関する。
EP−A−0022610は式:
Figure 0003886533
[式中、XとYはH、F、Cl、Br、CF3、OCF2CHZ2(Z=Cl、Br、F)、OCH3、CN、CO2R(R=低級アルキル)、C65、O−アルキル、NO2又はSO2低級アルキルでありうる]
で示される除草剤に関し;式:
Figure 0003886533
[式中、XとYは上記で定義した通りである]
で示される化合物のニトロ化によるこれらの化合物の製造方法をも述べている。
これらの反応のために提案されているニトロ化剤は硝酸と硫酸との混合物を包含し、望ましい反応溶媒はジクロロメタンである。このニトロ化方法は75.4%の収率を生ずるといわれているが、生成物の純度又は他のニトロ化異性体の存在については詳細が記載されていない。
US4,031,131は、上記と同様な化合物を述べており、これらの化合物は同様な方法で製造される。提案されるニトロ化剤は硝酸カリウム又は硝酸と硫酸との混合物を包含し、反応はジクロロメタン中でおこなわれる。このニトロ化反応の非常に高い収率(>95%)が主張されているが、この場合も、生成物の純度についての詳細は記載されていない。硝酸と硫酸との混合物を用いるニトロ化反応は無水酢酸の存在下でもおこなうことができる。
EP−A−0003416とEP−A−0274194の両方は、
式:
Figure 0003886533
[式中、R1は任意にフッ素によって置換されるアルキル又は任意に置換されるフェニルであり;
3はH、F、Cl、Br、I、アルキル、トリフルオロメチル又はCNであり;
4はH、F、Cl、Br、I又はトリフルオロメチルであり;
5はF、Cl、Br、I又はトリフルオロメチルであり;
6はH又はC1−C4アルキルである]
で示される除草性化合物の合成に関する。
EP−A−0003416では、これらの化合物は、対応するカルボン酸又はカルボキサミドをニトロ化して、次にスルホンアミドに転化させることによって、又はスルホンアミド自体をニトロ化することによって得ることができる。ニトロ化反応は実施例7に述べられており、この場合に溶媒は1,2−ジクロロエタンであり、ニトロ化剤は硝酸カリウムと濃硫酸との混合物である。
EP−A−0274194は、特に式:
Figure 0003886533
で示される化合物のニトロ化方法に関する。
このニトロ化反応は例えば濃硝酸又は硝酸ナトリウム又はこれらと硫酸との混合物のような慣用的なニトロ化剤を用いておこなわれると述べられている。反応溶媒はニトロ化に耐性である溶媒であり、このような溶媒の例は例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロプロパン、クロロフルオロカーボンのようなハロゲン化溶媒及び例えばニトロベンゼンのような芳香族溶媒を包含すると述べられている。
しかし、これらの方法の全ては反応が必要な生成物と他のニトロ化異性体との混合物を生じるという共通した問題を有するので、これらの方法のいずれも工業的な規模で用いるために特に充分であるとはいえない。ジフェニルエーテル化合物のニトロ化異性体はしばしば相互から分離することが特に困難であり、他の異性体の量はしばしば非常に多量であるので、最終生成物が除草剤の監督機関(regulatory authorities)の必要条件を満たすことができない。ニトロ化生成物が必要な除草剤自体ではなく除草剤の合成の中間体である場合には、この問題はさらに悪化する傾向がある、というのは、ニトロ化化合物の混合物は、ニトロ化異性体が充分に分離されることができた場合に必要であるよりも多量の他の試薬を用いなければならないことを意味するからである。それ故、ニトロ化方法は最高の可能な割合の所望の異性体を含有する生成物混合物を確実に生成することが重要である。
ニトロ化方法から異性体混合物が得られるという問題はGB−A−2103214の著者(auther)によって認められており、かれは式:
Figure 0003886533
[式中、X1、X2及びX3の各々はH、フッ素、塩素、臭素、CF3、OCF2、CHZ2(ZはF、Cl又はBrである)、OCF3、CN、COOR(Rは低級アルキルである)、フェニル、低級アルコキシ又はNO2Rであり、X1、X2及びX3の少なくとも1つは水素以外であり、YはCOOR又はカルボキシである]
で示される化合物をニトロ化して、式:
Figure 0003886533
[式中、X1、X2、X3及びYは上記で定義した通りである]
で示される生成物を得る方法を述べている。
このニトロ化は例えばジクロロメタンのような有機溶媒中でニトロ化剤として硝酸と硫酸との混合物を用いておこなわれる。無水酢酸の添加によって反応系を無水に維持することの望ましさはGB−A−2103214によって強調されており、このことがAcifluorfen(所望のニトロ化生成物)に対する選択性の改良を可能にすると述べられている。出発物質:溶媒:無水酢酸の望ましい比は1:2.66:1.4である。この反応は45℃の温度においておこなわれ、3時間放置される。この後に、反応混合物を静置して、有機相と水性相とを分離させ、有機溶媒を蒸留によって除去する。
しかし、本発明者は、提案されたこの反応条件の使用が先行技術資料の著者によって理解されていたとは思われない種々な問題を生じることを発見した。特に、無水酢酸の使用は、幾つかの点で、この反応の選択性を改良するが、無水酢酸の濃度と選択性との関係は、GB−A−2103214の著者が認識したと思われるよりも複雑であるので、適当な生成物混合物を得るためには、反応混合物中の無水酢酸の量を細心に制御しなければならない。
それ故、本発明では、一般式:
Figure 0003886533
[式中、
1は水素、又はC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル若しくはC2−C6アルキニル(これらのいずれもハロゲンとOHとから選択される1個以上の置換基によって任意に置換されることができる)、又はCOOR4、COR6、CONR45若しくはCONHSO24であり;
4とR5はそれぞれ独立的に水素又は、1個以上のハロゲン原子によって任意に置換されるC1−C4アルキルであり;
6はハロゲン原子又はR4基である;
2は水素又はハロであり;
3はC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル又はC2−C4アルキニル(これらのいずれも1個以上のハロゲン原子によって任意に置換されることができる)又はハロである]
で示される化合物の製造方法であって、
一般式II:
Figure 0003886533
[式中、R1、R2及びR3は一般式Iに関して定義した通りである]
で示される化合物を硝酸又は硝酸と硫酸との混合物を含むニトロ化剤と、有機溶媒の存在下かつ無水酢酸の存在下で反応させることを含み、無水酢酸の、一般式IIの化合物に対するモル比が約1:1から3:1までであることを特徴とする方法を提供する。
これらの反応条件は、生成物の収率をあまり大きく減少させず、かつ操作費用をあまり大きく上昇させずに、必要な異性体の割合が最大化されるという利点を与える。
本発明に関して、一般式Iの化合物は4−ニトロ異性体と呼ばれる。上記2−ニトロ異性体は一般式:
Figure 0003886533
を有する。
このニトロ化反応で生成されうる他のモノニトロ異性体は6−ニトロ異性体:
Figure 0003886533
を包含する。
存在する可能性がある3種類の異なるジニトロ異性体もある。
本発明に関して、“C1−C6アルキル”なる用語は炭素原子1〜6個を含有する飽和直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。例はメチル、エチル、n−プロピル、t−ブチル、n−ペンチル及びn−ヘキシルを包含する。“C1−C4アルキル”なる用語はC1−C6アルキルの1部分(subset)であり、炭素原子4個までを有するアルキル基を意味する。
“C2−C6アルケニル”なる用語は炭素原子2〜6個を含有し、少なくとも1個の二重結合を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。例はエテニル、アリル、プロペニル及びヘキセニルを包含する。“C2−C4アルケニル”なる用語はC2−C6アルケニルの1部分であり、炭素原子4個までを有するアルケニル基を意味する。
“C2−C6アルキニル”なる用語は炭素原子2〜6個を含有し、少なくとも1個の三重結合を有する直鎖又は分枝鎖炭化水素を意味する。例はエチニル、プロピニル及びヘキシニルを包含する。“C2−C4アルキニル”なる用語はC2−C6アルキニルの1部分であり、炭素原子4個までを有するアルキニル基を意味する。
“ハロゲン”なる用語はフッ素、塩素、臭素又はヨウ素を意味し、対応する用語“ハロ”はフルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを意味する。
本発明の反応条件は生成物混合物中の必要な4−ニトロ異性体の量を最大化するので、特に有利である。意外にも、無水酢酸の存在と生成物混合物の異性体比との関係がGB−A−2103214を読むことから明らかになるような単純なものではないことが、本発明者によって発見されている。この資料は無水酢酸の存在が有利であることを示唆しているが、存在する量を限定する必要があることは示唆していない。しかし、本発明者は、生成物混合物中のジニトロ異性体(1)と(2)の割合が無水酢酸量が増加するにつれて減少するが、2−ニトロ不純物の割合が増加することを発見している。このことは、2−ニトロ異性体は4−ニトロ異性体からの分離が特に困難であるため、生成物混合物中のその割合をできるだけ低く維持することが明らかに重要であるので、特に問題である。この理由から、本発明者は無水酢酸:化合物IIの比を約3:1より大きく増加させることが望ましくないことを発見している。
さらに、本発明者は、反応温度が種々なモノニトロ化異性体の割合の決定に重大な役割を果たし、反応温度が低下すると必要な異性体の大きな割合が得られることを発見している。温度が一定レベル未満であるときに反応を操作することは、必要な冷却度のために、明らかに経済的に実行不能であると考えられるので、反応温度は妥協でもある。生成物混合物中の2−ニトロ及び6−ニトロ異性体の割合が温度と共に減少することが、約45℃の反応温度を薦めたGB−A−2103214の著者によって認識されていたとは思われない。本発明者は、生成物混合物中に存在する2−ニトロ異性体の量が反応温度が45℃であるときには100分の12部(12parts per hundred)を越えるが、反応温度が10℃に低下すると、生成物混合物中の2−ニトロ異性体の量が100分の10又は11部に減少することを発見した。この差異はその後の任意の精製プロセスに影響を与え、大規模生産プロセスの費用を見積もる場合には非常に重大になると考えられる。本発明の方法のために好ましい温度範囲は約−15℃〜15℃であり、より好ましくは−10℃〜10℃である。
溶媒溶液中の反応物の濃度を高めることによって、好ましくない異性体の形成をさらに減ずることができることも発見されている。特に、溶媒の、反応物(存在する全ての異性体を含む)に対する重量比が4.25:1以下であることが有利であり、この比が1:1から2.5:1までであることが好ましい。
この反応は任意の適当な溶媒中でおこなうことができ、使用可能である溶媒の例は例えばジクロロメタン(DCM)、エチレンジクロリド(EDC)、クロロホルム、テトラクロロエチレン(Perklone)及びジクロロベンゾトリフルオリド(DCBTF)のようなハロゲン化溶媒である。或いは、例えば酢酸、アセトニトリル、エーテル(例えばテトラヒドロフラン(THF)若しくはジオキサン)、スルホラン、ニトロベンゼン、ニトロメタン、液体二酸化硫黄又は液体二酸化炭素のような溶媒も全て、反応に上首尾に用いることができる。
同等な反応条件下で、Perklone反応は他の点では同じ条件下のEDC又はDCM中でおこなった反応に比べて約30%少ない2−及び6−ニトロ異性体を生じるので、Perkloneは本発明の方法のために特に有利な溶媒である。Perkloneが選択した溶媒である場合には反応の収率が上昇するという徴候も存在する。
既述したように、用いるニトロ化剤は硝酸又は硝酸と硫酸との混合物である。硝酸と硫酸との混合物は、例えば、約30〜45%の純粋硝酸、より典型的には約30〜35%の純粋硝酸を含有しうる。
選択した溶媒が混合酸である場合には、これを反応混合物に典型的に約30分間から15時間までの時間にわたって加える。しかし、添加速度は選択した溶媒に応じて変化し、例えばEDC及びDCMのような、多くの溶媒では約1〜6時間又は好ましくは2〜4時間にわたる添加が適当である。
しかし、反応をPerklone中でおこなう場合には、反応速度が例えばEDC又はDCMのような他の溶媒中でおこなわれる反応よりも通常幾らか低いので、このニトロ化剤をより緩慢に、例えば5〜15時間にわたって、より好ましくは6〜12時間にわたって加えることがしばしば有利である。
本発明の方法は一般式Iの任意の化合物の製造に用いることができるが、R2がクロロであり、R3がトリフルオロメチルであることが特に好ましい。特に好ましい一般式Iの化合物はR1がCOOH又はCONHSO2CH3である化合物である。これらの化合物は5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)−2−ニトロ安息香酸(Acifluorfen)と5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)−N−メタンスルホニル−2−ニトロベンズアミド(Fomesafen)であり、これらの両方ともが強力な除草剤である。
Acifluorfenは、それ自体で除草剤であることの他に、Fomesafenの合成の中間体としても役立つことができる。Acifluorfenは酸塩化物に転化することができ、次にメタンスルホンアミドと反応して、Fomesafenを生成することができる。これらの工程の両方が、例えばEP−A−0003416に述べられているような、慣用的な方法によっておこなわれることができる。
次に、本発明を下記実施例によってさらに説明する、実施例では下記略号を用いる:
DCM:ジクロロメタン
EDC:エチレンジクロリド
pph:100分の1
HPLC:高速液体クロマトグラフィー
実施例において、“混合酸”なる用語は33.6%硝酸と66.4%硫酸とを含有する混合物を意味する。記載するモル量は混合物中の硝酸のモル数である。
実施例1
Acifluorfenを生成するためのジクロロメタン中での3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)安息香酸のニトロ化の一般的方法
ニトロ化
無水酢酸(量に関しては表IとIIを参照のこと)を、ジクロロメタン(54g,0.635mol)中の3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)安息香酸(式I,R1はCOOH、R2はクロロ、R3はトリフルオロメチルである)(20g,0.063mol)に加えて、この混合物を撹拌し、40℃に加熱して、出発物質を溶解した。次に、この混合物を適当な反応温度に冷却した(この期間中に出発物質の結晶化が観察された)。混合酸(13g,0.069mol)を2時間の期間にわたって滴加し、反応の完成に関してHPLCによって反応をモニターした。出発物質のレベルを約1pphに低下させるために混合酸をさらに追加した。
仕上げ処理
反応混合物を次のように3回洗浄した:
洗浄1:水(30ml)を加え、混合物を約38℃において洗浄し、水性層を分離した;
洗浄2:水(25ml)を加え、混合物を約38℃において洗浄し、水性層を分離した;
洗浄3:水(25ml)を加え、混合物を約38℃において洗浄し、水性層を分離した。
次に、水(80ml)を加え、混合物を38℃に加熱し、水酸化ナトリウム(47%溶液,6.4g,0.076mol)を加えて、混合物をpH10〜11に塩基性化した。Acifluorfenナトリウム塩の溶液を得るために、混合物を加熱して、DCMを留去した。溶液を室温に冷却し、この溶液を秤量し、分析するために、微量の水を用いて、ボトルに移した。
種々な量の無水酢酸と種々な反応温度に関する結果は表Iに示す(実験1〜11を参照のこと)。
実施例2
Acifluorfenを生成するためのエチレンジクロリド中での3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)安息香酸のニトロ化の一般的方法
ニトロ化
無水酢酸(量に関しては表IとIIを参照のこと)を、エチレンジクロリド(54g,0.545mol)中の3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)安息香酸(20g,0.063mol)に加えて、この混合物を撹拌し、40℃に加熱して、出発物質を溶解した。次に、この混合物を適当な反応温度に冷却した(この期間中に出発物質の結晶化が観察された)。混合酸(33.6%,13g,0.069mol)を2時間の期間にわたって滴加し、反応の完成に関してHPLCによって反応をモニターした。出発物質のレベルを約1pphに低下させるために混合酸をさらに追加した。
仕上げ処理
反応混合物を次のように3回洗浄した:
洗浄1:水(30ml)を加え、混合物を約70℃において洗浄し、水性層を分離した;
洗浄2:水(25ml)を加え、混合物を約70℃において洗浄し、水性層を分離した;
洗浄3:水(25ml)を加え、混合物を約70℃において洗浄し、水性層を分離した。
次に、水(80ml)を加え、混合物を80℃に加熱し、水酸化ナトリウム(47%溶液,6.4g,0.076mol)を加えて、混合物をpH10〜11に塩基性化した。混合物を分離させて、EDC層を除去した。次に、残留EDCの痕跡量を留去して、Acifluorfenナトリウム塩の溶液を得た。溶液を室温に冷却し、この溶液を秤量し、分析するために、微量の水を用いて、ボトルに移した。
実施例3
Acifluorfenを生成するためのPerklone中での3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)安息香酸のニトロ化の一般的方法
この一般的方法と試薬の量とは、用いた溶媒がPerkloneである以外は、正確に実施例1と2に関して述べた通りである。
実施例1〜3の一般的方法に従っておこなわれた実験1〜45の結果は、以下の表IとIIに記載する。これらの実験では、最適反応条件を決定するために、無水酢酸量、反応温度、溶媒及び溶媒量を変化させた。これらの実験の各々では、84.3%の3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)安息香酸を含有する粗出発物質20gを用いた。表Iに記載する実験の各々では、溶媒の使用量は54.0gであったが、表IIに記述する実験に対しては、溶媒量を変化させた。表IとIIでは、“反応物”なる用語は3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)安息香酸を意味し、下記略号を用いる:
Exp:実験No.
ppH:100分の1
Ac2O:無水酢酸
DCM:ジクロロメタン
EDC:エチレンジクロリド
Figure 0003886533
Figure 0003886533
Figure 0003886533
表Iに示した結果は、無水酢酸の出発物質に対するモル比、温度及び溶媒を変えることの最終生成物中の不純物の濃度に対する影響を示す。
最初に、無水酢酸:出発物質の影響は表Iの実験11、10、2、5及び8の結果の比較から知ることができ、これらの実験の全ては溶媒としてDCMを用いて、0℃の温度においておこなった。表は、無水酢酸:出発物質の比が増加するにつれて生成物混合物中のジニトロ不純物の総濃度が低下したが、生成物混合物中の2−ニトロ及び6−ニトロ異性体の量はこのパターンに従わなかったことを示す。したがって、無水酢酸の比0.5、1.0、1.4、2.0及び3.0に関して、pphで表現した、生成物混合物中に存在する2−ニトロ異性体の量は13.23、10.2、9.39、9.58及び10.56であったが、6−ニトロ異性体の対応する値は5.48、5.02、5.56、5.79及び6.17であった。2−ニトロ及び6−ニトロ異性体はジニトロ異性体に比べてAcifluorfenからの分離がより困難であるので、これらのモノニトロ異性体の生成を最小にすることが明らかに好ましく、したがって、最適の実施のためには、無水酢酸の出発物質に対するモル比を約1:1から3:1までに維持しなければならないことを知ることができる。
例えば、実験1〜3又は12〜14又は24〜26の結果を比較することによって、温度の影響を知ることができる。一般に、生成物混合物中の全不純物の量が温度の上昇につれて増加することが明らかである。
溶媒の影響も表Iから明らかであり、生成物混合物中の2−ニトロ及び6−ニトロ不純物の量がDCMとEDCとでは同じであるが、これらの量はPerkloneを溶媒として用いる場合には、約32%減少することを知ることができる。したがって、Perkloneは本発明に用いるために特に好ましい溶媒であると思われる。
反応混合物中に存在する溶媒量を変えることの影響を調べる実験の結果を、表IIに示す。この表から、一般に、反応混合物がより希薄になるにつれて、生成物混合物中に存在する2−ニトロ及び6−ニトロ異性体の量が増加することを知ることができる。
実施例4
Fomesafenを生成するためのジクロロメタン中での3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)−N−(メチルスルホニル)ベンズアミドのニトロ化
3−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)−N−(メチルスルホニル)ベンズアミド(10.4g,0.0264mol)をジクロロメタン(25.9g)中に撹拌しながら分散させた。無水酢酸(11.4g,98%,0.110mol)を混合物に約30分間にわたって、温度を約20℃に維持しながら、加えた。硝酸と硫酸との混合物(32.6%硝酸,0.0317mol)を約45分間にわたってゆっくり加えて、この後に反応混合物を約40℃〜45℃に3時間にわたって加熱した。反応塊(reaction mass)を水で洗浄し、溶媒を留去して、10.4g、85.2%収率の目的生成物、Fomesafenを得た。この生成物混合物は6.8pphの2−ニトロ異性体と5.3pphの6−ニトロ異性体をも含有した。

Claims (8)

  1. 一般式:
    Figure 0003886533
    [式中、
    1は水素、又はC1−C6アルキル、C2−C6アルケニル若しくはC2−C6アルキニル(これらのいずれもハロゲンとOHとから選択される1個以上の置換基によって任意に置換されることができる)、又はCOOR4、COR6、CONR45若しくはCONHSO24であり;
    4とR5はそれぞれ独立的に水素又は、1個以上のハロゲン原子によって任意に置換されるC1−C4アルキルであり;
    6はハロゲン原子又はR4基である;
    2は水素又はハロであり;
    3はC1−C4アルキル、C2−C4アルケニル又はC2−C4アルキニル(これらのいずれも1個以上のハロゲン原子によって任意に置換されることができる)又はハロである]
    で示される化合物の製造方法であって、
    一般式II:
    Figure 0003886533
    [式中、R1、R2及びR3は一般式Iに関して定義した通りである]
    で示される化合物を硝酸又は硝酸と硫酸との混合物を含むニトロ化剤と、有機溶媒の存在下かつ無水酢酸の存在下で、無水酢酸の一般式IIの化合物に対するモル比1:1から3:1までにおいて反応させることを含み、有機溶媒がテト,ラクロロエチレン(Perklone)であることを特徴とする方法。
  2. 溶媒の、反応物(存在する全ての異性体を包含する)に対する重量比が4.25:1以下である、請求項1記載の方法。
  3. 溶媒の、反応物(存在する全ての異性体を包含する)に対する重量比が1:1から2.5:1までである、請求項2記載の方法。
  4. ニトロ化剤が、30〜45%の純粋硝酸を含有する硝酸と硫酸との混合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. ニトロ化剤を反応混合物30分間から15時間までの時間にわたって加える、請求項4記載の方法。
  6. 一般式Iの化合物において、R2がクロロであり、R3がトリフルオロメチルである、請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 一般式Iの化合物が5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)−2−ニトロ安息香酸(Acifluorfen)又は5−(2−クロロ−α,α,α−トリフルオロ−4−トリルオキシ)−N−メタンスルホニル−2−ニトロベンズアミド(Fomesafen)である、請求項6記載の方法。
  8. 一般式Iの化合物がAcifluorfenであり、Acifluorfenをその酸塩化物に転化させ、この酸塩化物をメタンスルホンアミドで処理して、Fomesafenを得る工程をさらに含む、請求項7記載の方法。
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