JP3885453B2 - Composition for anisotropic light scattering film and anisotropic light scattering film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光の入射角度に応じて散乱性が異なる(或いは、入射角度選択性を持つ)と共に、光散乱特性に異方性を有する光拡散フィルム用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
反射型液晶表示装置や透過型液晶表示装置のなどの光を利用する表示装置では、観察の際の視野角を確保する(すなわち、表示装置の前面には、明るく表示画像を見せる)ことや、表示画面の全面にわたって均一な明るさで表示画面を見えるようにする目的で、装置の前面に光拡散フィルムを配置することが行われている。従来の光散乱フィルムとしては、表面をマット状に加工した樹脂フィルムや、内部に拡散材を包含した樹脂フィルムなどが用いられている。
【0003】
従来のマット状に加工した樹脂フィルムや内部に拡散材を含有するフィルムの場合、入射光の入射角度に依存した散乱性の変化といった機能を持たせることは原理上困難であり、現実的にそのような機能は持ち合わせていない。
【0004】
表面をマット状に加工した光散乱フィルムの場合、フィルム表面をサンドブラスター処理のように物理的にマット面を形成したり、或いは酸性又はアルカリ性の溶液による溶解処理により化学的にマット面を形成する。従って光の散乱性を制御する事が難しく、また縦と横の散乱性を変えるといったことも出来ないため散乱異方性を持たせることもできない。
【0005】
また、内部に拡散材を包含した光散乱フィルムにおいても、散乱性を制御するために拡散材の屈折率や大きさ、形状等を制御する試みもなされているが、技術的に難易度が高く、実用上十分であるとは言えないのが現状である。
【0006】
従って、上記の光散乱フィルムでは、散乱性の入射角度依存性がなく、光散乱の異方性も無いかもしくは少ないため、表示装置に使用した際に、不必要な散乱光が生じ、結果として表示の明るさやコントラストの低下或いは表示画像のぼけを招くという問題点がある。
【0007】
一方、光散乱に異方性を持つ散乱板を用いた反射型液晶表示装置に係る提案として、特開平8−20180号公報が公知である。上記公報に開示された散乱板は、後方散乱特性がほとんどなく前方散乱特性が強い散乱板であり、液晶表示装置への入射光あるいは液晶表示装置から出射表示光のどちらか一方を選択的に散乱させる特性を有する。
【0008】
請求項2に記載の異方性光散乱フィルム用組成物は、(E)常温において、屈折率がラジカル重合性を有する化合物(B)の屈折率よりも高く、分子内に少なくともひとつのグリシジル基を有した芳香族化合物を添加することを特徴とする。
【0009】
また、散乱板としてホログラムを用いた透過型液晶表示装置に係る提案として、特開平9−152602号公報が公知である。上記提案は、バックライトを有する液晶表示装置からの出射表示光を散乱させるものであり、散乱板としてホログラムを採用しているため、散乱特性に異方性を持たせることも容易であり、縦と横の散乱特性も制御することも可能ではあるが、必然的に分光(波長分散)を伴ってしまうため、観察する視点を移動することに応じて、表示光の色が変化して視覚されることになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、散乱特性に異方性(前方か後方か、及び入射角度の依存性)を持たせ、縦横の散乱範囲に係る散乱特性までも制御することが容易であると共に、観察位置によって表示光の色が変化しない異方性散乱体を得るための組成物を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の異方性散乱フィルムは、フィルム内部に屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、屈折率の異なる部分の大きさ、形、分布を、フィルム表面での縦横方向及びフィルムの厚さ方向に沿って最適化することにより、入射角度に依存した散乱特性に変化を持たせると共に、不必要な方向への光散乱を無くし、必要な方向(範囲)のみに光を散乱させるもので、本発明は、それぞれの屈折率に差があり、カチオン重合性化合物とラジカル重合性化合物からなることを特徴とした異方性散乱フィルム用組成物を提供するものである。
【0012】
請求項1に記載の異方性光散乱フィルム用組成物は、少なくとも、(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂と、(B)ラジカル重合性を有する化合物と、(C)化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤と、(D)エポキシ硬化剤からなり、(B)ラジカル重合性を有する化合物の屈折率が(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂及び(C)分子内に少なくともひとつのグリシジル基を有した芳香族化合物よりも低いことを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載の異方性光散乱フィルム用組成物は、(E)ラジカル重合性を有する化合物(B)の屈折率よりも高く、分子内に少なくともひとつのグリシジル基を有した芳香族化合物を添加することを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載の異方性光散乱フィルム用組成物は、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)がエポキシ当量400〜2200であることを特徴とする。
【0015】
請求項4に記載の異方性光散乱フィルム用組成物は、前記ラジカル重合性を有する化合物(B)が、常温、常圧で液体で、かつ常圧で沸点が100℃以上であるエチレン性不飽和結合を少なくとも1個以上有する化合物であることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の異方性光散乱フィルム用組成物は、前記ビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(A)100重量部に対して、前記ラジカル重合性を有する化合物(B)を20から80重量部を混合してなることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の異方性光散乱フィルム用組成物は、前記化学放射線によってラジカル種を発生する光開始剤(D)を増感せしめる増感色素(F)を添加することを特徴とする。
【0018】
請求項7に記載の異方性光散乱フィルムは、請求項1〜6に記載の異方性光散乱フィルム用組成物を用いて作成した、フィルム内部に、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されており、且つその屈折率の異なる部分が、フィルムの厚さ方向に対して傾斜して層状に分布している構造である光散乱フィルムであって、上記傾斜方向に沿った角度で入射する光に対しては光散乱が生じ、上記傾斜方向とは垂直な光に対しては単なる透明フィルムとして機能する、光散乱性に入射角度選択性を持つ異方性光散乱フィルムであることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
図1は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布して、屈折率の高低(同図では、白と黒で表現する)からなる濃淡模様が形成された光散乱フィルム1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図である。
【0020】
平面図から分かるように、屈折率の異なる部分の形状は横長である。また、断面図から分かるように、屈折率の異なる部分は、フィルムの厚さ方向に対して傾斜した層状に分布した構造である。図1では、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向については、屈折率の分布は一様(傾斜方向では、色が変化していない)である。
【0021】
図2は、別の実施形態に係る光散乱フィルム1を示す説明図であり、左が平面図、右が断面図である。図2では屈折率の異なる部分の形状は縦長であり、また、屈折率の異なる部分が、層状に傾斜している方向については、屈折率の分布は不規則(傾斜方向でも、色が変化している)である。
【0022】
図1・図2の光散乱フィルムの光学特性について、まず、断面図で考える。屈折率の異なる部分が層状に分布した上記傾斜方向に沿った角度(フィルムの垂線から角度θをなす、図2の矢印2の方向)で入射する光に対しては、光散乱が生じることになる。
【0023】
上記傾斜方向とは垂直な角度(図の矢印3の方向)で入射する光に対しては、単なる透明フィルムとして機能し、入射光は散乱されずに出射する。
【0024】
次に、平面図で考えると、屈折率の異なる部分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分から出射光の光散乱特性が、横長( 或いは縦長) となるような異方性を持つ。図1では形状が横長であるから出射光は縦長に散乱し、図2では形状が縦長であるから出射光は横長に散乱することになる。
【0025】
図3は、本発明の組成物を用いて作製した光散乱フィルム1の持つ入射角度依存性の一例を示すグラフである。図中実線で示すように、ある特定入射角度範囲( 図では0度から60度) の光に対してはヘイズ値が80%以上あり、逆にそれとは対称な入射角度(図では−60度から0度)の光に対してのヘイズ値は20%以下になっており、これが本明細書中で言う散乱性の入射角度依存性を示す。
【0026】
また、上述したように、屈折率の異なる部分の形状が縦長(或いは横長)であると、その部分に入射する光が散乱出射する場合には、それぞれの部分からの出射光の光散乱特性が、横長( 或いは縦長) となるような異方性を持つ。例えば、図1のように形状が横長であると、光散乱フィルムからの散乱出射光は、図4の様な縦長の楕円形となるような分布となる。
【0027】
次に、本発明の異方性光散乱フィルム用組成物について詳細に説明する。上述したように、本発明の組成物で作製した異方性光散乱フィルムの内部は、屈折率の異なる部分が不規則な形状・厚さで分布することにより、屈折率の高低からなる濃淡模様が形成されている。
【0028】
この屈折率の差異は、小さすぎると散乱性が悪くなり、逆に大きすぎるとどのような角度で光が入射しても光散乱が生じてしまうことになり、散乱性の入射角度依存性を持たせることが困難となる。
【0029】
本発明の組成物において用いられる、ビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、一般式(I)で表わされる樹脂で、そのエポキシ当量は400〜2200の範囲が望ましい。該樹脂は、硬化剤存在下加熱することにより架橋が起こり硬化する。
【0030】
【化1】
(Rは、水素原子或いは臭素原子を示す。nは自然数を示す。)
【0031】
重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物(B)とは、化学放射線によりラジカルを発生する開始剤の存在下、化学放射線照射により高分子化または架橋反応するラジカル重合性を有する化合物で、例えば、構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含むものであり、1官能であるビニルモノマーの他に多官能ビニルモノマーを含むものであり、またこれらの混合物であってもよい。さらに、該化合物は、上記エポキシ樹脂よりも屈折率が低い必要がある。
【0032】
具体的には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の高沸点ビニルモノマー、さらには、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、例えば、エチレングルコール、ジエチレングルコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,10−デカンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトールなどのモノ、ジあるいはポリ(メタ)アクリル酸エステル類等が挙げられる。
【0033】
本発明の組成物において用いられる(C)化学放射線によってラジカル種を発生する光開始剤系としては、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン等のベンジルメチルケタール類、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン等のα−ヒドロキシケトン類、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)ブタノン−1等のα−アミノケトン類、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド等のビスアシルフォスフィンオキサイド類、2,2‘−ビス(o−クロロフェニル)−4,4‘,5,5‘−テトラフェニル−1,1‘−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール等のビスイミダゾール類、N−フェニルグリシン等のN−アリールグリシン類、4,4‘−ジアジドカルコン等の有機アジド類、3,3‘,4,4‘−テトラ(tert−ブチルペルオキシカルボキシル)ベンゾフェノン等の有機過酸化物類をはじめ、J.Photochem.Sci.Technol.,2,283(1987).に記載される化合物、具体的には鉄アレーン錯体、トリハロゲノメチル置換s−トリアジン、スルフォニウム塩、ジアゾニウム塩、フォスフォニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩、ヨードニウム塩等が挙げられる。また、ヨードニウム塩としては、Macromolecules、10、1307(1977).に記載の化合物、例えば、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、フェニル(p−アニシル)ヨードニウム、ビス(m−ニトロフェニル)ヨードニウム、ビス(p −tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p −クロロフェニル)ヨードニウムなどのヨードニウムのクロリド、ブロミド、あるいはホウフッ化塩、ヘキサフルオロフォスフェート塩、ヘキサフルオロアルセネート塩、芳香族スルホン酸塩等や、ジフェニルフェナシルスルホニウム(n−ブチル)トリフェニルボレート等のスルホニウム有機ホウ素錯体類を挙げることが出来る。
【0034】
また、本発明の組成物は、保存時の重合を防止する目的で熱重合禁止剤を添加することが出来る。本発明の樹脂組成物に添加可能な熱重合禁止剤の具体例としては、p−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることができ、これらの熱重合禁止剤は、(B)重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物100重量部に対して0.001から5重量部の範囲で添加されるのが望ましい。
【0035】
さらに、本発明のエポキシ硬化剤(D)としては、大成社刊、「架橋剤ハンドブック」、p.606〜p.655記載の、脂肪族ポリアミン、芳香族アミン、ポリアミドアミン等のアミン類、三フッ化ホウ素錯化合物、ケチミン、イミダゾール、酸無水物等が挙げられるが、この限りではない。
【0036】
本発明の組成物は、エポキシ樹脂の硬化を促進する目的で第三アミン等の重合触媒(硬化促進剤)を加えてもよい。なお、配合量は一定せず、それぞれの硬化剤により決定されなけらばならない。
【0037】
本発明の組成物において用いられる分子内に少なくともひとつのグリシジル基を有した芳香族化合物(E)は、重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物よりは反応性が低く、屈折率は高い必要があり、また、露光後の加熱時に液体であるようなものが望ましい。該化合物は、重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物が重合する際には液体として存在するため、重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物の拡散移動を起き易くする、いわゆる可塑剤的な役割を果たし、樹脂が硬化するときに硬化するため、異方性散乱フィルム中では重合物として存在するため、熱劣化等の悪影響を及ぼすことはなく、さらに、屈折率も重合可能なエチレン性二重結合を分子内に1個以上有する化合物よりも高いため散乱性に悪影響を及ぼすことはない。
【0038】
具体的には、グリシジルフェニルエーテル、p-ブロモフェニルグリシジルエーテル、グリシジル−1−ナフチルエーテル、グリシジル−2−ナフチルエーテル、グリシジルインダリルエーテル、ベンゾチアゾリルグリシジルエーテル等が挙げられるがこの限りではない。
【0039】
さらに、記録する化学放射線の波長に応じて、本発明の化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤(C)を増感せしめる増感色素(F)を加えても良い。光重合開始剤(C)を増感せしめる増感色素(F)としては、シアニンまたはメロシアニン誘導体、クマリン誘導体、カルコン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体などの有機染料化合物が使用でき、その他に「色素ハンドブック」(大河原信他編 講談社刊1986年)、「機能性色素の化学」(大河原信他編、シーエムシー刊 1981年)、「特殊機能材料」(池森忠三郎他編 シーエムシー刊 1986年)に記載されている色素及び増感剤が用いられる。なお、これらに限定されるものではなく、その他の可視域の光に対して吸収を示す色素及び増感剤であり、使用する光重合開始剤を分光増感出来れば用いることが出来る。これらは必要に応じて任意の比率で二種以上で用いてもかまわない。
【0040】
本発明の組成物に含有される成分(B)の量は、(A)100重量部に対して20から200重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは30から100重量部である。成分(C)の光重合開始剤の量は、成分(A)100重量部に対し、0.1から20重量部、好ましくは1から10重量部である。さらに、成分(D)のエポキシ硬化剤は、成分(A)100重量部に対して0.1から10重量部、好ましくは0.5から5までの範囲をとることが可能である。成分(E)のグリシジル基を有した芳香族化合物を使用する場合の量は、成分(A)100重量部に対し、20から100重量部、好ましくは20から60重量部である。成分(F)を使用する場合の量は、(A)100重量部に対して0.1から5重量部の範囲をとることが可能であり、好ましくは0.2から0.5重量部である。使用量は、感光層膜厚と該膜厚の光学濃度によって制限を受ける。すなわち、光学濃度が2を越えない範囲で使用することが好ましい。
【0041】
この様にこれらの各成分を適宜選択し、任意の割合で混合して得た感光液をバーコーター、アプリケーター、ドクターブレード、ロールコーター、ダイコーター、コンマーコーター等の公知の塗工手段を用いてガラス板やフィルム等の基材に塗布する。
【0042】
なお、感光液を塗布する際は、必要に応じて適当な溶剤で希釈してもよいが、その場合には基材上に塗布した後に、乾燥を要する。上記溶剤としては、ジクロルメタン、クロロホルム、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、エチルアセテート、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテート、2−メトキシエチルエーテル、2−エトキシエチルエーテル、2−(2−エトキシエトキシ)エタノール、2−(2−ブトキシエトキシ)エタノール、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアセテート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアセテート、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。
【0043】
さらに、記録可能な屈折率差は作製方法や記録材料などにより制限を受けるため、大きな屈折率差を持つ場合はフィルム膜厚を薄く、小さな屈折率差を持つ場合はフィルム膜厚を厚くすることで、本発明の組成物を用いて光散乱フィルムを実現することが可能である。
【0044】
屈折率の異なる部分の大きさは、光散乱を生じるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性を持つために、その平均の大きさは直径で0.1μmから300μmの範囲内でそれぞれの用途に必要な散乱性に応じて適宜選択する。
【0045】
また、前記屈折率の異なる部分のフィルム表面上での分布は、光散乱を生じるためにランダムで規則性はないが、必要な散乱性を持たせるために、フィルム全体の平均屈折率をnとすると、その確立分布はnを中心とする正規分布を呈する。或いは、屈折率nの最小値nmin で最大値をとり指数関数的に屈折率の最大値nmax まで単調減少するような確立分布、或いは単調増加する確立分布に従って分布していてもよい。
【0046】
以下、本発明の光散乱フィルムを作製する手段について述べる。本発明の光散乱フィルムは光学的な露光手段により作製することができる。図5はランダムマスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。UV光源6から出た紫外光はコリメート光学系7により平行光8とし、マスク原版9を照射する。
【0047】
マスク原版9のUV照射側とは反対の面には感光材料5を密着して配置しており、マスク原版9のパターンを感光材料5に露光照射する。この際、図示のようにUV平行光8とマスク原版9は所定角度αだけ傾いて配置されているため、パターン露光は感光材料5中で、所定角度傾いてなされることになる。この角度が、光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾斜角度(すなわち、入射角度依存性の散乱角度θ)に相当することになるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択する。
【0048】
また、ここで使用する感光材料5は、UV光の露光部と未露光部を屈折率の変化形態で記録できる感光材料であり、記録しようとする濃淡模様より高い解像力を持ち、その厚みの方向にもパターンを記録できるような材料である必要がある。
【0049】
図5で用いている所定のランダムパターンを持つマスク原版9は、計算機を用いた乱数計算から作製した白黒パターンデータを、所謂フォトリソグラフィーの手法によりガラス基板10上の金属クロムパターン11としてエッチングしたものを用いてもよい。もちろんマスク原版の作成方法としては、上記方式に限定されるものではなく、リス乾板を使った写真手法などにより作製しても同様なマスクを作製できる事は周知である。
【0050】
図6は、図2に示す構造の光散乱フィルムをスペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。レーザー光源13から出たレーザー光14ですりガラス15を照射する。すりガラス15のレーザー照射側とは反対の面には所定距離Fをおいて感光材料5を配置し、すりガラス15で透過散乱したレーザー光が作り出す複雑な干渉パターンであるスペックルパターンを感光材料5に露光照射される。
【0051】
この際、図示のようにすりガラス10と感光材料5は所定角度αだけ傾いて配置されているため、スペックルパターンは感光材料中で、所定角度傾いて露光されることになる。この角度が、光散乱フィルム中の屈折率の異なる部分の傾き(すなわち、入射角度依存性の散乱ピーク角度θ)に相当することになるので、前記角度は用途に応じて0から60度程度の範囲内で適宜選択する。
【0052】
記録に使用するレーザ光源は、アルゴンイオンレーザーやクリプトンイオンレーザーの647.9nm、514.5nm、488nm、457.9nm、413nm、364nm或いは351nmの波長のうち、感光材料の感度に応じて適宜選択して使用する事ができる。またアルゴンイオン、クリプトンイオンレーザー以外でもコヒーレント性の良いレーザー光源であれば仕様可能で、例えばヘリウムネオンレーザーや半導体レーザなどが使用できる。
【0053】
スペックルパターンは、コヒーレント性が良い光が粗面で散乱反射または透過した時に生じる明暗の斑点模様であり、粗面の微小な凹凸で散乱した光が不規則な位相関係で干渉するために生じるものである。
【0054】
「光測定ハンドブック朝倉書店刊田光幸敏治ほか著1994年11月25日発行」の記述(p.266〜p.268)によれば、濃度や位相が位置によってランダムな値を示すようなスペックルパターンでは、前記パターンの大きさは、感光材料から拡散板を見込む角度に反比例して、パターンの平均径が決定される。従って、拡散板の大きさを、水平方向よりも垂直方向で大きくした場合、感光材料上に記録されるパターンは、水平方向よりも垂直方向が細かいものとなる。
【0055】
図6の光学系での作製方法によるスペックルパターンは、使用するレーザー光の波長λ及びすりガラスの大きさD、すりガラスと感光材料との距離Fが、記録されるスペックルパターンの平均サイズdを決定し、一般に次式で表される。
d=1.2λF/D
また、このスペックルパターンの奥行き方向の平均の長さtは
t=4.0λ(F/D)2
で表される。
【0056】
以上よりλ及びF/Dの値を最適な散乱性を持つように最適化することで所望の3次元的な屈折率分布を持つ本発明の光散乱フィルムを得ることが出来る。
【0057】
一例として、λ=0.5μmで、F/D=2とすると、d=1.2μm、t=8μmとなり、フィルム表面上の濃淡模様は平均1.2μmで分布し、フィルム厚み方向には前記傾斜角度に従った方向に平均8μmの大きさで分布することになる。
【0058】
ただし、これらの大きさはあくまでも平均の大きさであり、実際にはこれらの大きさを中心に大小様々な大きさで屈折率の異なる部分が表面上及び奥行き方向に傾斜して分布することになり、図2に示すような本発明の光散乱フィルムとなる。
【0059】
以下、本発明の実施の形態について具体的な実施例を挙げて説明する。
【0060】
<実施例1>
ビスフェノール系エポキシ樹脂エピコート1004(エポキシ当量:875−975、油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量部、トリプロピレングリコールジアクリレート(VISCOAT−310HP、大阪有機化学(株)製商品名)50重量部および1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製商品名)3.0重量部、N−アミノエチルピペラジン(N−AEP、広栄化学社製)10.0重量部を2−ブタノン160重量部に混合溶解したものを感光液とした。該感光液を青板ガラス(1.1mm厚、5インチ角)にドクターブレードで塗布、乾燥し記録用媒体とした。
【0061】
該記録用媒体を、図6に示した光学系で、光源としてアルゴンレーザ(364nm)をレンズを用いて広げた光ですりガラス15を介して、記録材料面から露光した( α=22゜、20mJ/cm2 ) 後、80℃で10分加熱後、UV光源で全面露光した(500mJ/cm2 )。さらに150℃で60分加熱し、硬化物をガラス基板から剥離することによって光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは55ミクロンであった。
【0062】
評価は、島津製作所(株)製の分光光度計で各角度で透過率(波長範囲;400〜600nm)を測定した。結果(全波長平均透過率)を表1に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
<実施例2>
ビスフェノール系エポキシ樹脂エピコート1004の代わりに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP1007(エポキシ当量:1750−2200、油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量部とグリシジルフェニルエーテル30重量部を使う以外は実施例1と同様にして操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは31ミクロンであった。結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
<実施例3>
グリシジルフェニルエーテルの代わりにジブロモトリルグリシジルエーテル(BROC、日本化薬(株)製商品名)を使う以外は実施例2と同様にして操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは32ミクロンであった。結果を表3に示す。
【0067】
【表3】
【0068】
<実施例4>
N−アミノエチルピペラジンの代わりに、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸(カヤハードMCD、日本化薬(株)商品名)10重量部に変える以外は実施例2と同様にして操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは31ミクロンであった。結果を表4に示す。
【0069】
【表4】
【0070】
<実施例5>
トリプロピレングリコールジアクリレート(VISCOAT−310HP、大阪有機化学製(株)商品名)の代わりにネオペンチルグリコールジアクリレート(VISCOAT−215、大阪有機化学製(株)商品名)を使う以外は実施例2と同様にして操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは29ミクロンであった。結果を表5に示す。
【0071】
【表5】
【0072】
<実施例6>
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製商品名)3.0重量部の代わりに2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−2−オン(DAROCURE1173、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製商品名)3.0重量部を使う以外は実施例1と同様にして操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは32ミクロンであった。結果を表6に示す。
【0073】
【表6】
【0074】
<実施例7>
ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP1007(油化シェルエポキシ(株)製商品名)100重量部の代りに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂EP1007(油化シェルエポキシ(株)製商品名)60重量部と臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂YL6167(油化シェルエポキシ(株)製商品名)40重量部の混合系にした以外は実施例2と同様にして操作し、作製した光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは29ミクロンであった。結果を表7に示す。
【0075】
【表7】
【0076】
<実施例8>
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE184、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製商品名)3.0重量部の代わりに、4,4‘−ビス(tert−ブチルフェニル)ヨードニウムヘキサフルオロフォスフェート4.0重量部および1−(p−メトキシフェニル)−3−(p−ジメチルアミノフェニル)−2−プロペン−1−オン0.25重量部を使い、光源をクリプトンレーザ(413nm)を使用する以外は実施例1と同様にして操作し、光散乱性フィルムを作製したが散乱性は光散乱性フィルムを得た。得られた該フィルムの厚みは70ミクロンであった。結果を表8に示す。
【0077】
【表8】
【0078】
【発明の効果】
本組成物を用いれば、所定角度で入射する光に対しては光散乱が生じ、逆にそれとは垂直な光に対しては透明フィルムとして機能することにより、光散乱性に入射角度選択性を持ち、そのため、散乱性を要する光と散乱性が不要な光とを、そのフィルムへの入射角度により分離することができ、結果として表示装置などに用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく表示の明るさや細かさ、コントラストを向上し、且つ表示像のぼけを軽減させる等の効果がある光散乱フィルムを作製することができる。
【0079】
また、光散乱が生じる入射角度で光が入射した際に、その散乱光の広がりが、縦横で異なるような散乱異方性をも併せ持つフィルムの作製が可能である。そのため、必要な方向にのみ散乱光を出射することが出来、結果として表示装置などに用いた場合に、不必要な散乱を生じることなく表示の明るさ、コントラストを向上させる等の効果がある。
【0080】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、左が平面図、右が断面図である。
【図2】本発明の光散乱フィルムを示す説明図であり、左が平面図、右が断面図説明である。
【図3】本発明の光散乱フィルムの持つ入射角度依存性の一例を示すグラフ図である。
【図4】本発明の光散乱フィルムが持つ光散乱の異方性を説明する説明図である。
【図5】図1に示す構造の光散乱フィルムを、マスクパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。
【図6】図2に示す構造の光散乱フィルムを、スペックルパターンを利用して作製する光学系の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1…光散乱フィルム
2…散乱方向から入射する照明光
3…透過方向から入射する照明光
4…実測したヘイズ値のプロット
5…感光材料
6…UV光源
7…コリーメート光学系
8…平行光
9…マスク原版
10…ガラス基板
11…クロムパターン
12…光ファイバー
13…レーザー光源
14…レーザー光
15…すりガラス
16…ビームエキスパンダー
17…コリメーター[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a composition for a light diffusing film that has different scattering properties (or has incident angle selectivity) according to the incident angle of light and has anisotropy in light scattering properties.
[0002]
[Prior art]
In a display device using light such as a reflective liquid crystal display device or a transmissive liquid crystal display device, a viewing angle at the time of observation is ensured (that is, the display image is brightly displayed on the front surface of the display device), In order to make the display screen visible with uniform brightness over the entire surface of the display screen, a light diffusion film is disposed on the front surface of the apparatus. As a conventional light scattering film, a resin film whose surface is processed into a mat shape, a resin film including a diffusing material inside, or the like is used.
[0003]
In the case of a conventional resin film processed into a mat shape or a film containing a diffusing material inside, it is difficult in principle to have a function such as a change in scattering depending on the incident angle of incident light. There is no such function.
[0004]
In the case of a light-scattering film whose surface has been processed into a mat shape, the mat surface is physically formed on the film surface like a sand blaster treatment, or the mat surface is chemically formed by dissolution treatment with an acidic or alkaline solution. . Accordingly, it is difficult to control the light scattering property, and it is impossible to change the vertical and horizontal scattering properties, so that it is impossible to provide scattering anisotropy.
[0005]
In addition, even in a light scattering film including a diffusing material inside, attempts have been made to control the refractive index, size, shape, etc. of the diffusing material in order to control the scattering property, but this is technically difficult. However, it cannot be said that it is practically sufficient.
[0006]
Therefore, in the above light scattering film, there is no scattering incident angle dependency and there is little or no light scattering anisotropy, so unnecessary scattered light is generated when used in a display device, and as a result. There is a problem in that the brightness and contrast of the display are reduced or the display image is blurred.
[0007]
On the other hand, JP-A-8-20180 is known as a proposal relating to a reflective liquid crystal display device using a scattering plate having anisotropy in light scattering. The scattering plate disclosed in the above publication is a scattering plate having almost no back scattering characteristics and strong forward scattering characteristics, and selectively scatters either incident light to the liquid crystal display device or display light emitted from the liquid crystal display device. It has the characteristic to make it.
[0008]
The anisotropic light-scattering film composition according to
[0009]
Japanese Patent Laid-Open No. 9-152602 is known as a proposal relating to a transmission type liquid crystal display device using a hologram as a scattering plate. The above proposal scatters display light emitted from a liquid crystal display device having a backlight, and employs a hologram as a scattering plate. Therefore, it is easy to make the scattering characteristics anisotropic, Although it is also possible to control the lateral scattering characteristics, it will inevitably involve spectroscopy (wavelength dispersion), so the color of the display light will change as the viewing point changes. Will be.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention gives the scattering characteristics anisotropy (forward or backward, and dependency on the incident angle), makes it easy to control the scattering characteristics related to the vertical and horizontal scattering ranges, and displays them depending on the observation position. An object of the present invention is to provide a composition for obtaining an anisotropic scatterer in which the color of light does not change.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In the anisotropic scattering film of the present invention, portions having different refractive indexes are distributed in irregular shapes and thicknesses inside the film, thereby forming a light and shade pattern consisting of high and low refractive indexes, and different refractive indexes. By optimizing the size, shape, and distribution of parts along the longitudinal and lateral directions on the film surface and the thickness direction of the film, the scattering characteristics depending on the incident angle can be changed, and in the unnecessary direction. The present invention is characterized in that there is a difference in refractive index between the cationically polymerizable compound and the radically polymerizable compound, and the light is scattered only in a necessary direction (range). An anisotropic scattering film composition is provided.
[0012]
The composition for anisotropic light scattering film according to
[0013]
The composition for anisotropic light-scattering film according to
[0014]
The anisotropic light-scattering film composition according to claim 3 is characterized in that the bisphenol A type epoxy resin or brominated bisphenol A type epoxy resin (A) has an epoxy equivalent of 400 to 2200.
[0015]
The composition for anisotropic light-scattering film according to claim 4, wherein the radically polymerizable compound (B) is an ethylenically unsaturated compound having a liquid at normal temperature and pressure and a boiling point of 100 ° C or higher at normal pressure. It is a compound having at least one bond.
[0016]
The composition for anisotropic light scattering film according to claim 5, wherein the compound (B) having radical polymerizability is added to 100 parts by weight of the bisphenol A type epoxy resin or brominated bisphenol A type epoxy resin (A). It is characterized by mixing 20 to 80 parts by weight.
[0017]
The anisotropic light-scattering film composition according to claim 6 is characterized in that a sensitizing dye (F) that sensitizes the photoinitiator (D) that generates radical species by the chemical radiation is added.
[0018]
The anisotropic light-scattering film of Claim 7 was created using the composition for anisotropic light-scattering films of Claims 1-6, and the part where refractive index differs in an irregular shape and thickness inside a film. The light having a structure in which a light and shade pattern having a high and low refractive index is formed, and portions having different refractive indexes are distributed in a layered manner inclined with respect to the thickness direction of the film. It is a scattering film, light scattering occurs for light incident at an angle along the tilt direction, and it acts as a mere transparent film for light perpendicular to the tilt direction. It is an anisotropic light-scattering film having angle selectivity.
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention will be described below with reference to the drawings.
FIG. 1 shows a
[0020]
As can be seen from the plan view, the shape of the portion having a different refractive index is horizontally long. Further, as can be seen from the cross-sectional view, the portions having different refractive indexes have a structure distributed in a layer shape inclined with respect to the thickness direction of the film. In FIG. 1, the refractive index distribution is uniform (the color does not change in the inclined direction) in the direction in which the portions having different refractive indexes are inclined in layers.
[0021]
Drawing 2 is an explanatory view showing
[0022]
First, the optical characteristics of the light scattering film of FIGS. Light scattering occurs with respect to light incident at an angle along the tilt direction in which portions having different refractive indexes are distributed in layers (in the direction of
[0023]
For light incident at an angle perpendicular to the tilt direction (the direction of arrow 3 in the figure), it functions as a simple transparent film, and the incident light is emitted without being scattered.
[0024]
Next, considering the plan view, if the shape of the part with different refractive index is vertically long (or horizontally long) and light incident on that part is scattered and emitted, the light scattering characteristics of the emitted light from each part Has anisotropy that is horizontally long (or vertically long). In FIG. 1, since the shape is horizontally long, the emitted light is scattered vertically. In FIG. 2, since the shape is vertically long, the emitted light is scattered horizontally.
[0025]
FIG. 3 is a graph showing an example of the incident angle dependency of the
[0026]
In addition, as described above, when the shape of the part having different refractive index is vertically long (or horizontally long), when light incident on the part is scattered and emitted, the light scattering characteristics of the light emitted from each part are , Has anisotropy that is horizontally long (or vertically long). For example, if the shape is horizontally long as shown in FIG. 1, the scattered outgoing light from the light scattering film has a distribution that becomes a vertically long ellipse as shown in FIG.
[0027]
Next, the composition for anisotropic light scattering film of the present invention will be described in detail. As described above, the inside of the anisotropic light-scattering film produced with the composition of the present invention has a light and shade pattern with a high and low refractive index formed by irregularly distributed portions having different refractive indexes. Has been.
[0028]
If the difference in refractive index is too small, the scattering property is deteriorated. On the other hand, if the difference is too large, light scattering occurs regardless of the angle at which light is incident. It becomes difficult to have.
[0029]
The bisphenol A type epoxy resin or brominated bisphenol A type epoxy resin used in the composition of the present invention is a resin represented by the general formula (I), and its epoxy equivalent is preferably in the range of 400-2200. When the resin is heated in the presence of a curing agent, crosslinking occurs and cures.
[0030]
[Chemical 1]
(R represents a hydrogen atom or a bromine atom. N represents a natural number.)
[0031]
The compound (B) having at least one polymerizable ethylenic double bond in the molecule is a radical polymerizability that undergoes polymerisation or crosslinking reaction by actinic radiation in the presence of an initiator that generates radicals by actinic radiation. A compound having at least one ethylenically unsaturated bond in a structural unit, a polyfunctional vinyl monomer in addition to a monofunctional vinyl monomer, and a mixture thereof It may be. Further, the compound needs to have a refractive index lower than that of the epoxy resin.
[0032]
Specifically, high-boiling vinyl monomers such as (meth) acrylic acid, itaconic acid, maleic acid, (meth) acrylamide, diacetone acrylamide, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, and aliphatic polyhydroxy compounds, For example, ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, tetraethylene glycol, propylene glycol, neopentyl glycol, 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6- Mono-, di- or poly (meth) acrylates such as hexanediol, 1,10-decanediol, trimethylolpropane, pentaerythritol, dipentaerythritol, sorbitol, mannitol, etc.Is mentioned.
[0033]
Examples of the photoinitiator system that generates radical species by actinic radiation (C) used in the composition of the present invention include benzylmethyl ketals such as 2,2-dimethoxy-1,2-diphenylethane-1-one, 1 -Hydroxycyclohexyl phenyl ketone, α-hydroxy ketones such as 2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-1-one, 2-methyl-1 [4- (methylthio) phenyl] -2-morpholinopropane- Α-aminoketones such as 1-one, 2-benzyl-2-dimethylamino-1- (4-morpholinophenyl) butanone-1, bis (2,6-dimethoxybenzoyl) -2,4,4-trimethylpentyl Bisacylphosphine oxides such as phosphine oxide, 2,2′-bis (o-chlorophenyl) -4,4 ', 5,5'-tetraphenyl-1,1'-biimidazole, bisimidazoles such as bis (2,4,5-triphenyl) imidazole, N-arylglycines such as N-phenylglycine, Organic peroxides such as organic azides such as 4′-diazidochalcone, 3,3 ′, 4,4′-tetra (tert-butylperoxycarboxyl) benzophenone, and the like; Photochem. Sci. Technol. , 2, 283 (1987). And specifically, iron arene complexes, trihalogenomethyl-substituted s-triazines, sulfonium salts, diazonium salts, phosphonium salts, selenonium salts, arsonium salts, iodonium salts, and the like. Moreover, as an iodonium salt, Macromolecules, 10, 1307 (1977). Compounds such as diphenyliodonium, ditolyliodonium, phenyl (p-anisyl) iodonium, bis (m-nitrophenyl) iodonium, bis (p-tert-butylphenyl) iodonium, bis (p-chlorophenyl) iodonium, etc. Iodonium chloride, bromide, or sulfonium organoboron complexes such as borofluoride, hexafluorophosphate salt, hexafluoroarsenate salt, aromatic sulfonate, and diphenylphenacylsulfonium (n-butyl) triphenylborate You can list things.
[0034]
In addition, a thermal polymerization inhibitor can be added to the composition of the present invention for the purpose of preventing polymerization during storage. Specific examples of the thermal polymerization inhibitor that can be added to the resin composition of the present invention include p-methoxyphenol, hydroquinone, alkyl-substituted hydroquinone, catechol, tert-butylcatechol, phenothiazine, and the like. The inhibitor is preferably added in an amount of 0.001 to 5 parts by weight per 100 parts by weight of the compound (B) having at least one polymerizable ethylenic double bond in the molecule.
[0035]
Further, the epoxy of the present inventionHardener(D) includes Taiseisha, “Crosslinking agent handbook”, p. 606-p. Examples thereof include, but are not limited to, amines such as aliphatic polyamines, aromatic amines, and polyamidoamines described in 655, boron trifluoride complex compounds, ketimines, imidazoles, and acid anhydrides.
[0036]
The composition of the present invention may contain a polymerization catalyst (curing accelerator) such as a tertiary amine for the purpose of accelerating the curing of the epoxy resin. The blending amount is not constant and must be determined by each curing agent.
[0037]
The aromatic compound (E) having at least one glycidyl group in the molecule used in the composition of the present invention is less reactive than a compound having at least one polymerizable ethylenic double bond in the molecule. The refractive index needs to be high, and is preferably a liquid when heated after exposure. The compound is present as a liquid when a compound having at least one polymerizable ethylenic double bond in the molecule is polymerized, so that the compound has at least one polymerizable ethylenic double bond in the molecule. It plays a role of so-called plasticizer that makes it easy to cause diffusion movement of the resin, and since it cures when the resin cures, it exists as a polymer in the anisotropic scattering film, so it has adverse effects such as thermal deterioration Furthermore, since the refractive index is higher than that of a compound having at least one polymerizable ethylenic double bond in the molecule, the scattering property is not adversely affected.
[0038]
Specific examples include, but are not limited to, glycidyl phenyl ether, p-bromophenyl glycidyl ether, glycidyl-1-naphthyl ether, glycidyl-2-naphthyl ether, glycidyl indaryl ether, benzothiazolyl glycidyl ether, and the like. .
[0039]
Furthermore, a sensitizing dye (F) for sensitizing the photopolymerization initiator (C) that generates radical species by the chemical radiation of the present invention may be added according to the wavelength of the chemical radiation to be recorded. Sensitizing dyes (F) for sensitizing the photopolymerization initiator (C) include organic dyes such as cyanine or merocyanine derivatives, coumarin derivatives, chalcone derivatives, xanthene derivatives, thioxanthene derivatives, azurenium derivatives, squarylium derivatives, porphyrin derivatives, etc. In addition, "Dye Handbook" (Shin Okawara et al., Edited by Kodansha 1986), "Chemicals of Functional Dye" (Shin Okawara et al., CM 1981), "Special Functional Materials" (Tadachi Ikemori) The dyes and sensitizers described in Saburo et al., Edited by CMC (1986) are used. In addition, it is not limited to these, It is the pigment | dye and sensitizer which show absorption with respect to the light of other visible region, and if the photoinitiator to be used can be spectrally sensitized, it can be used. Two or more of these may be used in any ratio as required.
[0040]
The amount of component (B) contained in the composition of the present invention can be in the range of 20 to 200 parts by weight, preferably 30 to 100 parts by weight, with respect to 100 parts by weight of (A). . The amount of the photopolymerization initiator of component (C) is 0.1 to 20 parts by weight, preferably 1 to 10 parts by weight, relative to 100 parts by weight of component (A). Furthermore, the epoxy curing agent of component (D) can range from 0.1 to 10 parts by weight, preferably from 0.5 to 5 parts per 100 parts by weight of component (A). The amount of the aromatic compound having a glycidyl group as the component (E) is 20 to 100 parts by weight, preferably 20 to 60 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the component (A). The amount when component (F) is used can range from 0.1 to 5 parts by weight, preferably 0.2 to 0.5 parts by weight, per 100 parts by weight of (A). is there. The amount used is limited by the film thickness of the photosensitive layer and the optical density of the film thickness. That is, it is preferable to use the optical density within a range not exceeding 2.
[0041]
Thus, each of these components is appropriately selected, and the photosensitive solution obtained by mixing at an arbitrary ratio is used by using a known coating means such as a bar coater, an applicator, a doctor blade, a roll coater, a die coater, and a comma coater. It is applied to a substrate such as a glass plate or film.
[0042]
In addition, when apply | coating a photosensitive solution, you may dilute with a suitable solvent as needed, but in that case, after apply | coating on a base material, drying is required. Examples of the solvent include dichloromethane, chloroform, acetone, 2-butanone, cyclohexanone, ethyl acetate, 2-methoxyethanol, 2-ethoxyethanol, 2-butoxyethanol, 2-ethoxyethyl acetate, 2-butoxyethyl acetate, 2-methoxy. Ethyl ether, 2-ethoxyethyl ether, 2- (2-ethoxyethoxy) ethanol, 2- (2-butoxyethoxy) ethanol, 2- (2-ethoxyethoxy) ethyl acetate, 2- (2-butoxyethoxy) ethyl acetate , Tetrahydrofuran, 1,4-dioxane and the like.
[0043]
Furthermore, since the recordable refractive index difference is limited by the manufacturing method and recording material, the film thickness is reduced when there is a large refractive index difference, and the film thickness is increased when there is a small refractive index difference. Thus, a light scattering film can be realized using the composition of the present invention.
[0044]
The sizes of the portions having different refractive indexes are random and non-regular in order to cause light scattering, but in order to have the necessary scattering properties, the average size is within a range of 0.1 μm to 300 μm in diameter. It selects suitably according to the scattering property required for each use.
[0045]
In addition, the distribution of the portions having different refractive indexes on the film surface is random and non-regular in order to cause light scattering, but in order to have necessary scattering properties, the average refractive index of the entire film is set to n. Then, the probability distribution exhibits a normal distribution centering on n. Alternatively, it may be distributed according to a probability distribution that takes a maximum value at the minimum value nmin of the refractive index n and monotonously decreases exponentially to the maximum value nmax of the refractive index, or a monotonically increasing probability distribution.
[0046]
Hereinafter, means for producing the light scattering film of the present invention will be described. The light scattering film of the present invention can be produced by optical exposure means. FIG. 5 is an explanatory diagram showing an example of an optical system manufactured using a random mask pattern. The ultraviolet light emitted from the UV light source 6 is converted into parallel light 8 by the collimating optical system 7 and irradiated on the mask original plate 9.
[0047]
The photosensitive material 5 is disposed in close contact with the surface of the mask original 9 opposite to the UV irradiation side, and the pattern of the mask original 9 is exposed to the photosensitive material 5 by exposure. At this time, the UV parallel light 8 and the mask original plate 9 are inclined at a predetermined angle α as shown in the figure, so that pattern exposure is performed at a predetermined angle in the photosensitive material 5. Since this angle corresponds to the inclination angle of the portion having a different refractive index in the light scattering film (that is, the incident angle-dependent scattering angle θ), the angle is about 0 to 60 degrees depending on the application. Select appropriately within the range.
[0048]
The photosensitive material 5 used here is a photosensitive material that can record the exposed portion and the unexposed portion of UV light in a form of change in refractive index, and has a higher resolving power than the shading pattern to be recorded, and its thickness direction. In addition, the material must be capable of recording a pattern.
[0049]
The mask original plate 9 having a predetermined random pattern used in FIG. 5 is obtained by etching the black and white pattern data produced from the random number calculation using a computer as the metal chromium pattern 11 on the
[0050]
FIG. 6 is an explanatory view showing an example of an optical system for producing a light scattering film having the structure shown in FIG. 2 using a speckle pattern. A glass 15 is irradiated with a laser beam 14 emitted from a laser light source 13. The photosensitive material 5 is disposed at a predetermined distance F on the surface opposite to the laser irradiation side of the frosted glass 15, and a speckle pattern, which is a complicated interference pattern generated by the laser light transmitted and scattered by the frosted glass 15, is formed on the photosensitive material 5. Exposure exposure.
[0051]
At this time, since the
[0052]
The laser light source used for recording is appropriately selected from the wavelength of 647.9 nm, 514.5 nm, 488 nm, 457.9 nm, 413 nm, 364 nm or 351 nm of an argon ion laser or krypton ion laser depending on the sensitivity of the photosensitive material. Can be used. Other than argon ion and krypton ion lasers, any laser light source with good coherency can be used. For example, a helium neon laser or a semiconductor laser can be used.
[0053]
The speckle pattern is a bright and dark speckle pattern that occurs when light with good coherence is scattered or reflected or transmitted by a rough surface, and is generated because light scattered by minute irregularities on the rough surface interferes with an irregular phase relationship. Is.
[0054]
According to the description (p.266-p.268) of “Light Measurement Handbook published by Toshiharu Tamitsu published by Asakura Shoten et al., November 25, 1994”, speckles whose concentration and phase show random values depending on the position. In the pattern, the average size of the pattern is determined in inverse proportion to the angle at which the diffusion plate is viewed from the photosensitive material. Therefore, when the size of the diffusion plate is made larger in the vertical direction than in the horizontal direction, the pattern recorded on the photosensitive material is finer in the vertical direction than in the horizontal direction.
[0055]
The speckle pattern by the manufacturing method in the optical system of FIG. 6 has a wavelength λ of the laser beam to be used, a size D of the ground glass, and a distance F between the ground glass and the photosensitive material, and the average size d of the speckle pattern to be recorded. Generally, it is expressed by the following formula.
d = 1.2λF / D
The average length t of this speckle pattern in the depth direction is
t = 4.0λ (F / D)2
It is represented by
[0056]
As described above, the light scattering film of the present invention having a desired three-dimensional refractive index distribution can be obtained by optimizing the values of λ and F / D so as to have optimum scattering properties.
[0057]
As an example, when λ = 0.5 μm and F / D = 2, d = 1.2 μm and t = 8 μm, and the shading pattern on the film surface is distributed with an average of 1.2 μm, and in the film thickness direction, It is distributed with an average size of 8 μm in the direction according to the inclination angle.
[0058]
However, these sizes are only average sizes, and in fact, the portions with different refractive indexes of various sizes, mainly these sizes, are distributed on the surface and in the depth direction. Thus, the light scattering film of the present invention as shown in FIG. 2 is obtained.
[0059]
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to specific examples.
[0060]
<Example 1>
Bisphenol-based epoxy resin epicoat 1004 (epoxy equivalent: 875-975, product name manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd.) 100 parts by weight, tripropylene glycol diacrylate (VISCOAT-310HP, product name manufactured by Osaka Organic Chemical Co., Ltd.) 50 2 parts by weight and 3.0 parts by weight of 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone (IRGACURE 184, trade name, manufactured by Ciba Specialty Chemicals), 2 parts by weight of 10.0 parts of N-aminoethylpiperazine (N-AEP, manufactured by Koei Chemical Co., Ltd.) A solution obtained by mixing and dissolving in 160 parts by weight of butanone was used as a photosensitive solution. The photosensitive solution was applied to blue plate glass (1.1 mm thickness, 5 inch square) with a doctor blade and dried to obtain a recording medium.
[0061]
The recording medium was exposed from the surface of the recording material through the glass 15 with the optical system shown in FIG. 6 and light spread with an argon laser (364 nm) as a light source using a lens (α = 22 °, 20 mJ). / Cm2Then, after heating at 80 ° C. for 10 minutes, the whole surface was exposed with a UV light source (500 mJ / cm2). Furthermore, it heated at 150 degreeC for 60 minutes, and obtained the light-scattering film by peeling a hardened | cured material from a glass substrate. The resulting film had a thickness of 55 microns.
[0062]
Evaluation was made by measuring transmittance (wavelength range: 400 to 600 nm) at each angle with a spectrophotometer manufactured by Shimadzu Corporation. The results (total wavelength average transmittance) are shown in Table 1.
[0063]
[Table 1]
[0064]
<Example 2>
Implemented except using 100 parts by weight of bisphenol A type epoxy resin EP1007 (epoxy equivalent: 1750-2200, product name manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd.) and 30 parts by weight of glycidyl phenyl ether instead of bisphenol epoxy resin Epicoat 1004 The light scattering film thus produced was obtained by operating in the same manner as in Example 1. The resulting film had a thickness of 31 microns. The results are shown in Table 2.
[0065]
[Table 2]
[0066]
<Example 3>
A produced light-scattering film was obtained in the same manner as in Example 2 except that dibromotolyl glycidyl ether (BROC, trade name, manufactured by Nippon Kayaku Co., Ltd.) was used instead of glycidyl phenyl ether. The resulting film thickness was 32 microns. The results are shown in Table 3.
[0067]
[Table 3]
[0068]
<Example 4>
Light scattering produced in the same manner as in Example 2 except that 10 parts by weight of methylendomethylenetetrahydrophthalic anhydride (Kayahard MCD, Nippon Kayaku Co., Ltd., trade name) was used instead of N-aminoethylpiperazine. A characteristic film was obtained. The resulting film had a thickness of 31 microns. The results are shown in Table 4.
[0069]
[Table 4]
[0070]
<Example 5>
Example 2 except that neopentyl glycol diacrylate (VISCOAT-215, trade name of Osaka Organic Chemical Co., Ltd.) was used instead of tripropylene glycol diacrylate (VISCOAT-310HP, trade name of Osaka Organic Chemical Co., Ltd.). The same light scattering film as above was obtained. The resulting film had a thickness of 29 microns. The results are shown in Table 5.
[0071]
[Table 5]
[0072]
<Example 6>
2-hydroxy-2-methyl-1-phenylpropan-2-one (DAROCURE 1173, Ciba Specialty) instead of 3.0 parts by weight of 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone (IRGACURE 184, trade name, manufactured by Ciba Specialty Chemicals) The product manufactured by Chemicals Co., Ltd.) was used in the same manner as in Example 1 except that 3.0 parts by weight was used to obtain a light-scattering film. The resulting film thickness was 32 microns. The results are shown in Table 6.
[0073]
[Table 6]
[0074]
<Example 7>
Instead of 100 parts by weight of bisphenol A type epoxy resin EP1007 (trade name, manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd.), 60 parts by weight of bisphenol A type epoxy resin EP1007 (trade name, manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd.) and brominated bisphenol A produced light-scattering film was obtained in the same manner as in Example 2 except that a mixed system of 40 parts by weight of A-type epoxy resin YL6167 (trade name, manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd.) was used. The resulting film had a thickness of 29 microns. The results are shown in Table 7.
[0075]
[Table 7]
[0076]
<Example 8>
Instead of 3.0 parts by weight of 1-hydroxycyclohexyl phenyl ketone (IRGACURE184, trade name, manufactured by Ciba Specialty Chemicals), 4.0 parts by weight of 4,4′-bis (tert-butylphenyl) iodonium hexafluorophosphate Example 1 except that 0.25 parts by weight of 1- (p-methoxyphenyl) -3- (p-dimethylaminophenyl) -2-propen-1-one and krypton laser (413 nm) are used as the light source In the same manner as described above, a light-scattering film was produced. The resulting film had a thickness of 70 microns. The results are shown in Table 8.
[0077]
[Table 8]
[0078]
【The invention's effect】
If this composition is used, light scattering occurs for light incident at a predetermined angle, and conversely, it functions as a transparent film for light perpendicular thereto, thereby providing light scattering with incident angle selectivity. Therefore, light that needs to be scattered and light that does not need to be scattered can be separated by the incident angle on the film, resulting in unnecessary scattering when used in a display device. In addition, a light scattering film having effects such as improving display brightness, fineness, and contrast and reducing blurring of a display image can be produced.
[0079]
Further, when light is incident at an incident angle at which light scattering occurs, it is possible to produce a film having scattering anisotropy in which the spread of the scattered light differs vertically and horizontally. Therefore, it is possible to emit scattered light only in a necessary direction. As a result, when used in a display device or the like, there is an effect of improving display brightness and contrast without causing unnecessary scattering.
[0080]
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is an explanatory view showing a light scattering film of the present invention, wherein a left side is a plan view and a right side is a cross-sectional view.
FIG. 2 is an explanatory view showing a light scattering film of the present invention, with the left side being a plan view and the right being a cross-sectional view.
FIG. 3 is a graph showing an example of incident angle dependency of the light scattering film of the present invention.
FIG. 4 is an explanatory diagram for explaining the light scattering anisotropy of the light scattering film of the present invention.
FIG. 5 is an explanatory view showing an example of an optical system for producing a light scattering film having the structure shown in FIG. 1 by using a mask pattern.
6 is an explanatory view showing an example of an optical system for producing the light scattering film having the structure shown in FIG. 2 using a speckle pattern. FIG.
[Explanation of symbols]
1. Light scattering film
2. Illumination light incident from the scattering direction
3. Illumination light incident from the transmission direction
4 ... Plot of measured haze values
5 ... Sensitive material
6 ... UV light source
7. Collimate optical system
8 ... Parallel light
9 ... Mask original
10 ... Glass substrate
11 ... chrome pattern
12 ... Optical fiber
13 ... Laser light source
14 ... Laser light
15 ... ground glass
16 ... Beam expander
17 ... Collimator
Claims (9)
(B)構造単位中にエチレン性の不飽和結合を少なくとも1個以上含むラジカル重合性を有する化合物と、
(C)化学放射線によってラジカル種を発生する光重合開始剤と、
(D)エポキシ硬化剤からなり、
常温において、(B)ラジカル重合性を有する化合物の屈折率が(A)ビスフェノールA型エポキシ樹脂或いは臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂よりも低いことを特徴とする異方性光散乱フィルム用組成物。
(Rは、水素原子或いは臭素原子を示す。nは自然数を示す。)At least (A) a bisphenol A type epoxy resin or a brominated bisphenol A type epoxy resin represented by the general formula (I);
(B) a radically polymerizable compound containing at least one ethylenically unsaturated bond in the structural unit;
(C) a photopolymerization initiator that generates radical species by actinic radiation;
(D) consists of an epoxy curing agent,
A composition for anisotropic light-scattering films, characterized in that, at room temperature, the refractive index of the compound (B) having radical polymerizability is lower than that of (A) bisphenol A type epoxy resin or brominated bisphenol A type epoxy resin.
(R represents a hydrogen atom or a bromine atom. N represents a natural number.)
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