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JP3884570B2 - 基板処理装置 - Google Patents

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JP3884570B2
JP3884570B2 JP14858398A JP14858398A JP3884570B2 JP 3884570 B2 JP3884570 B2 JP 3884570B2 JP 14858398 A JP14858398 A JP 14858398A JP 14858398 A JP14858398 A JP 14858398A JP 3884570 B2 JP3884570 B2 JP 3884570B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体ウエハ、液晶表示装置用ガラス基板およびプラズマディスプレイパネル(PDP)用ガラス基板などの各種の被処理基板に対して処理を施すための基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
たとえば、液晶表示装置の製造工程においては、ガラス基板に対して熱処理などの処理を施すための基板処理装置が用いられる。この種の基板処理装置の中には、基板を収容して処理を施すための複数の基板処理室を上下に積層して構成された多段式処理部を備えているものがある。
【0003】
図5は、多段式処理部を備えた基板処理装置の構成例を簡略化して示す断面図である。基板処理装置は、清浄な気体を供給するための複数の清浄気体供給装置101が天面全域に配設されて、この複数の清浄気体供給装置101から多数の開口を有するグレーチング床102へ向かうダウンフローが形成されたクリーンルーム103内に設置されている。
【0004】
基板処理装置は、2つの多段式処理部104,105と、この2つの多段式処理部104,105の間に配置されて、多段式処理部104,105に対して基板Sを搬入/搬出するための搬送ロボット106とを備えている。
【0005】
多段式処理部104,105は、略直方体形状の外装カバー107を有している。外装カバー107内の下部には、ユニット載置台108が配置されており、このユニット載置台108上には、3つの処理チャンバ109(基板処理室)が上下に積層された状態に設けられている。外装カバー107は、その上面110が大きく開口されており、外装カバー107内に清浄気体供給装置101からのダウンフローを受け入れることができるようになっている。また、外装カバー107の搬送ロボット106に対向する面111には、外装カバー107内に対して基板Sを搬入/搬出するための搬出入口112が、それぞれの処理チャンバ109に対応して形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、通常、複数の清浄気体供給装置101の送風能力の制御は行われておらず、複数の清浄気体供給装置101の送風能力は一様ではない。そのため、清浄気体供給装置101への気体供給量の変化や、クリーンルーム103内における基板処理装置の配置によっては、搬送ロボット106が配置された搬送空間113の気圧が外装カバー107内の気圧よりも高くなったり、逆に、外装カバー107内の気圧が搬送空間113の気圧よりも低くなったりする。
【0007】
外装カバー107内の気圧が搬送空間113の気圧よりも高い場合、外装カバー107内に流入したダウンフローは、搬出入口112を介して搬送空間113へ流出する。すると、この外装カバー107内から搬送空間113へ向かう気流によって、処理チャンバ109内で基板Sを上下動させるためのリフトピンの駆動機構や処理チャンバ109内に基板Sを搬入/搬出するための基板通過口114を開閉するシャッタ115の駆動機構など、外装カバー107内に収容されている駆動機構116から発生したパーティクルが搬送空間113に流れ込む。そして、この搬送空間113に流れ込んだパーティクルが、搬送ロボット106によって搬送される基板Sの表面に付着して、その基板Sを汚染するおそれがある。
【0008】
さらに、処理チャンバ109内を換気するために、基板通過口114が開放された状態で処理チャンバ109から強制的な排気を行う構成が採用されている場合には、外装カバー107から搬送空間113内に流れ込んだパーティクルが、処理チャンバ109内に吸い込まれて、処理チャンバ109内の基板Sを汚染するおそれがある。
【0009】
特に、処理チャンバ109が上下に積層されている場合には、搬送空間113内に形成されているダウンフローによって、搬送空間113内に流れ込んだパーティクルが、下方の処理チャンバ109内に入り込みやすい。
【0010】
そこで、この発明の目的は、上述の技術的課題を解決し、基板処理室の外部の基板通過口側の空間にパーティクルが持ち込まれて基板が汚染されるのを防止できる基板処理装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記の目的を達成するための請求項1記載の発明は、その全体に気体がダウンフローとして供給される環境に設置されて、基板を処理する基板処理装置であって、天面が閉塞され、側面に開口を有する外装カバーと、上記外装カバー内の空間を上下方向に分割して、複数の分割空間を形成する棚板と、上記複数の分割空間にそれぞれ収納されて、上下方向に積層された状態に設けられており、上記外装カバーの上記開口に対向する、基板が通過するための基板通過口を有し、基板を収容して処理を施すための複数の基板処理チャンバと、上記開口および上記基板通過口を介して、上記基板処理チャンバに対して基板を受け渡しするための基板搬送機構と、上記複数の基板処理チャンバの外部の上記基板通過口側の第1空間の気圧を、上記複数の基板処理チャンバと上記外装カバーとの間の空間であって、上記基板通過口側とは反対側の第2空間の気圧よりも高くする気圧調整手段とを含み、上記気圧調整手段は、上記第1空間に接続され、上記第1空間の気圧を上昇させる気圧上昇手段、および、上記第2空間に接続され、上記第2空間の気圧を降下させる気圧降下手段を有することを特徴とする基板処理装置である。
【0012】
なお、上記第1空間は、上記基板処理チャンバの外部の上記基板通過口側の空間であって、上記基板通過口を介して上記基板処理室に対して基板を受け渡しする際に、上記基板搬送機構によって搬送される基板が通過する搬送空間であってもよいし、あるいは、上記基板搬送機構と上記基板処理チャンバの間に設けられた中間室であってもよい。
【0013】
この構成によれば、第1空間(搬送空間または中間室)の気圧が第2空間の気圧よりも高くなる結果、基板処理装置内には、第1空間から第2空間に向かう気流が形成される。これにより、第2空間内や基板処理チャンバ周辺で発生するパーティクルが第1空間内に持ち込まれるのを防止できる。また、第1空間と第2空間との間の基板処理チャンバ周辺でパーティクルが発生しても、そのパーティクルが第1空間に持ち込まれるのを防ぐことができる。ゆえに、第1空間内に位置する基板(搬送空間内や中間室内を搬送される基板)が、第2空間側や基板処理チャンバ周辺から持ち込まれるパーティクルで汚染されるおそれをなくすことができる。
【0014】
また、第2空間側や基板処理チャンバ周辺から第1空間内にパーティクルが持ち込まれるおそれがないから、基板処理チャンバ内を換気するために、基板通過口が開放された状態で基板処理チャンバ内から強制的な排気を行う構成が採用されている場合であっても、第2空間側や基板処理チャンバ周辺から第1空間に持ち込まれたパーティクルが基板通過口を介して基板処理チャンバ内に吸い込まれるといったことはない。ゆえに、基板処理チャンバ内に収容された基板が、基板通過口から流入するパーティクルによって汚染されるおそれを少なくすることができる。
【0016】
上記気圧上昇手段は、請求項3に記載のように、上記第1空間の底面に形成された開口を閉塞する部材であってもよい。
【0017】
また、上記気圧上昇手段は、上記第1空間内に供給されるダウンフローの流量を調整して、上記第1空間の気圧を上昇させる供給流量調整手段であってもよい。
【0018】
さらに、上記気圧上昇手段は、上記第1空間内から流出する気体の流量を調整して、上記第1空間の気圧を上昇させる流出流量調整手段であってもよい。
【0021】
上記気圧降下手段は、請求項4に記載のように、上記第2空間内の気体を排気するための排気手段であってもよい。
【0023】
また、上記排気手段には、上記排気手段の排気流量を調節するための排気流量調整手段が含まれていてもよく、この場合、第2空間の気圧を精密に調整できるので、より正確に第1空間の気圧を第2空間の気圧よりも高くすることができる。
【0025】
また、複数の基板処理チャンバが上下に積層された状態に設けられている場合には、第2空間側や基板処理チャンバ周辺から第1空間にパーティクルが流れ込むと、その第1空間に流れ込んだパーティクルが第1空間に供給されるダウンフローで運ばれて、下方の基板処理チャンバ内に入り込みやすい。
【0026】
そこで、この発明を複数の基板処理チャンバを上下に積層して構成された装置に適用することにより、第2空間側や基板処理チャンバ周辺から第1空間へのパーティクルの流入を防止することができ、ひいては下方の基板処理チャンバ内にパーティクルが流入するおそれを少なくすることができる。
【0027】
請求項記載の発明は、上記第1空間と第2空間との間で流通する気体の方向を検出する検出手段と、この検出手段で得られた検出結果に基づいて、上記気圧調整手段の動作を制御する制御部とをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の基板処理装置である。
【0028】
この構成によれば、検出手段の検出結果に基づいて気圧調整手段の動作を制御することにより、第1空間から第2空間に向かう気流を確実に形成することができる。よって、第2空間側や基板処理チャンバ周辺から第1空間にパーティクルが流れ込むのを一層確実に防止できる
たとえば、気圧調整手段が上記気圧上昇手段としての上記供給流量調整手段を含む場合には、検出手段によって第2空間から第1空間に向けて気体が流れていると検出された場合に、供給流量調整手段の動作を制御して、第1空間に供給されるダウンフローの流量を多くすればよい。これにより、第1空間の気圧を上げることができ、第1空間と第2空間の間で流通し、基板処理チャンバの外部近傍を流れる気体の方向を、第1空間から第2空間に向かう方向に変更することができる。
【0029】
また、気圧調整手段が上記流出流量調整手段を含む場合には、検出手段によって第2空間から第1空間に向けて気体が流れていると検出された場合に、流出流量調整手段の動作を制御して、第1空間から流出する気体の流量を少なくすればよい。これにより、第1空間の気圧を上げることができ、第1空間と第2空間との間で流通し、基板処理チャンバの外部近傍を流れる気体の方向を、第1空間から第2空間に向かう方向に変更することができる。
【0030】
またさらに、気圧調整手段が上記排気手段を含む場合には、検出手段によって第2空間から第1空間に向けて気体が流れていると検出された場合に、排気手段の動作を制御して、たとえば、その排気流量を調整する排気流量調整手段を制御して、第2空間から排気される排気流量を多くすればよい。これにより、第2空間の気圧を下げることができ、第1空間と第2空間との間で流通し、基板処理チャンバの外部近傍を流れる気体の方向を、第1空間から第2空間に向かう方向に変更することができる。
【0031】
なお、請求項5に記載のように、上記第2空間は、各基板処理チャンバと上記外装カバーとの間の各空間を、各棚板と上記外装カバーとの間で連通して形成されていてもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の一実施形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を示す簡略化された平面図である。また、図2は、図1に示す基板処理装置の内部構成を示す簡略化された断面図である。この基板処理装置は、液晶表示装置用ガラス基板などの基板Sに対して処理を施すための装置であり、清浄な空気のダウンフローDFが形成されたクリーンルーム1内に設置されて使用される。この基板処理装置で実施される処理としては、たとえば、基板Sを加熱または冷却するための熱処理や、基板Sの表面を洗浄するための洗浄処理、基板Sの表面にフォトレジスト液などを塗布するための塗布処理、基板Sの表面にレジストパターンを形成するための現像処理、基板Sの表面に形成されたレジストパターン以外の部分を腐食させるエッチング処理などを例示することができる。
【0035】
クリーンルーム1の天面には、クリーンルーム1内に清浄な空気を供給するための複数の清浄気体供給装置11が全域に配設されている。この清浄気体供給装置11は、クリーンルーム1に向けて空気を送るための送風装置と、この送風装置からの送風を浄化するための浄化フィルタとを備えている。一方、クリーンルーム1の床12は、多数のグレーチング開口13が全域に形成されたグレーチング床であり、清浄気体供給装置11からクリーンルーム1内に供給される清浄な空気は、グレーチング開口13を介して、グレーチング床12の下方の空間14へ流出するようになっている。これにより、クリーンルーム1内には、清浄気体供給装置11からグレーチング床12へ向かう清浄な空気のダウンフローDFが形成されている。
【0036】
この基板処理装置は、それぞれ3つの処理チャンバ21を備えた処理部2,3と、この2つの処理部2,3の間に配置されて、処理部2,3に対して基板Sを搬入/搬出するための搬送ロボット4とを備えている。
【0037】
処理部2,3は、略直方体形状の外装カバー22を有している。外装カバー22内の下部には、ユニット載置台23が配置されており、このユニット載置台23の上方の空間は、ほぼ水平に延びた2枚の棚板24,25によって上下方向に沿って3段に分割されている。3つの処理チャンバ21は、外装カバー22内の3つの分割空間にそれぞれ収容されて、上下に積層された状態に設けられている。
【0038】
外装カバー22の搬送ロボット4に対向する側面22Aには、3つの処理チャンバ21に対向する部分に開口26がそれぞれ形成されているまた、各処理チャンバ21の搬送ロボット4に対向する面には、処理チャンバ21内に対して基板Sを搬入/搬出するためのスロット状の基板通過口27が形成されている。これにより、搬送ロボット4は、外装カバー22の開口26および基板通過口27を介して、各処理チャンバ21に対して処理対象の基板Sを搬入/搬出することができる。さらに、外装カバー22の天面は閉塞されており、清浄気体供給装置11からのダウンフローDFは、外装カバー22の天面から流入しないようになっている。
【0039】
各処理チャンバ21に形成された基板通過口27に関連して、基板通過口27を開閉するためのシャッタ28が設けられている。このシャッタ28は、たとえばエアシリンダを含む開閉駆動機構によって、基板通過口27を開放する開状態と基板通過口27を閉塞する閉状態とに開閉駆動されるようになっている。シャッタ28の開閉駆動機構は、処理チャンバ21の下方の駆動機構配置部29に設けられている。なお、この基板処理装置が基板Sに対して熱処理を施す装置である場合、駆動機構配置部29には、上記開閉駆動機構の他に、処理チャンバ21内に配置された熱処理プレートの上面に対して基板Sを近接/離間させるためのリフトピンの駆動機構などが備えられる。
【0040】
外装カバー22の底面には、外装カバー22の側面22Aに対向する側面22Bとユニット載置台23との間の隙間部30に臨むように、外装カバー22内の雰囲気を排気するための排気口31が形成されている。この排気口31は、排気管32を介して、工場内の排気用ユーティリティ配管または排気ブロアなどの排気設備に接続されている。また、排気管32の途中部には、排気流量調整手段としての排気ダンパ32aが介装されている。これにより、側面22Bとユニット載置台23との間の隙間部30、排気口31および排気管32を介して、側面22Bと処理チャンバ21との間の空間33の雰囲気を排気することができ、この空間33の気圧を下げることができる。また、排気ダンパ32aの開度を調整することにより排気口31および排気管32から排気される排気流量を調整することができる。
【0041】
搬送ロボット4は、位置固定された基部41と水平面内で回動可能な複数本のアーム42とを有する多関節式スカラーロボットであり、処理部2,3の側面22Aおよび処理部2,3を連結する一対の装置側板5に囲まれた搬送空間43内に配置されている。グレーチング床12の搬送空間43に臨む部分には、その全域を覆うように閉塞板44が配置されており、この閉塞板44上に搬送ロボット4が配設されている。すなわち、搬送空間43とグレーチング床12の下方の空間14とを連通するすべてのグレーチング開口13は、グレーチング床12上に配置された閉塞板44によって閉塞されている。
【0042】
外装カバー22の側面22Aの下部には、搬送ロボット4で搬送される基板Sよりも下方の位置に、搬送空間43とユニット載置台23の内部空間とを連通する流出口45が形成されている。この流出口45は、流出管46によってグレーチング床12の下方の空間14と連通されている。また、流出口45に関連して、流出口45を通過する空気の流量を調整するための流出調整板47が設けられており、流出口45からは流出調整板47の開度に応じた所定流量の気体の流出が行われるようになっている。なお、流出調整板47には図示しない駆動機構が接続されており、流出調整板47の開度を自由に設定することができる。
【0043】
以上の構成によれば、清浄気体供給装置11から搬送空間43にダウンフローDFが供給される一方、搬送空間43に臨むグレーチング開口13が閉塞板44によって閉塞されていることにより、搬送空間43からは、流出口45および流出管46を介して所定流量の気体の流出のみが行われる。これにより、搬送空間43は空間33に比べて高い気圧となり、その結果、この基板処理装置内には、搬送空間43から開口26を介して空間33に向かう気流が形成される。したがって、駆動機構配置部29から発生するパーティクルが搬送空間43に流れ込むのを防止できるから、搬送空間43内を搬送される基板Sが、駆動機構配置部29からのパーティクルで汚染されるおそれをなくすことができる。
【0044】
また、駆動機構配置部29から発生するパーティクルが搬送空間43内に流れ込むおそれがないから、基板Sの処理終了後に処理チャンバ21内を換気するために、基板通過口27が開放された状態で処理チャンバ21内から強制的な排気を行う構成が採用されていても、外装カバー22から搬送空間43に流れ込んだパーティクルが基板通過口27を介して処理チャンバ21内に吸い込まれるといったことはない。ゆえに、処理チャンバ21内に収容された基板Sが、基板通過口27から流入したパーティクルによって汚染されるおそれを少なくすることができる。
【0045】
さらに、搬送空間43に供給されるダウンフローDFの一部は、搬送ロボット4を通過して、搬送ロボット4の側方に形成された流出口45を介して流出される。したがって、搬送ロボット4から発生するパーティクルは、流出口45からの排気によって搬送空間43外に排出されるから、そのパーティクルによって搬送空間43内の基板Sが汚染されたり、処理チャンバ21内の基板Sが汚染されたりするおそれをなくすことができる。
【0046】
また、この実施形態においては、外装カバー22の上面は閉塞されており、外装カバー22の上方の清浄気体供給装置11から供給されるダウンフローDFが、外装カバー22内に流入しないようになっている。さらに、外装カバー22の底面に形成された排気口31が、排気管32を介して排気設備に接続されており、この排気設備の働きによって側面22Bと処理チャンバ21との間の空間33の雰囲気を排気できるようになっている。これにより、上記空間33(外装カバー22内)の気圧を下げることができ、搬送空間43から空間33に向かう気流を良好に形成することができる。ゆえに、駆動機構配置部29から発生するパーティクルが搬送空間43に流入するのをより確実に防止できる。
【0047】
図3は、この基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。この基板熱処理装置は、CPU、RAMおよびROMを含む制御部51を備えており、この制御部51によって清浄気体供給装置11、排気ダンパ32a、および流出調整板47の動作が制御されるようになっている。
【0048】
制御部51には、外装カバー22の側面22Bとユニット載置台23との間の隙間部30内に配設された風速センサ52が接続されている。この風速センサ52は、隙間部30を流れる空気の方向および速度を検出するためのものであり、制御部51には、風速センサ52によって検出される風向および風速を表す信号が入力される。
【0049】
制御部51は、風速センサ52からの入力信号に基づいて、清浄気体供給装置11、排気ダンパ32a、および流出調整板47の動作を制御する。具体的に説明すれば、制御部51は、隙間部30を排気口31に向けて流れる空気の速度が所定速度よりも小さい場合には、清浄気体供給装置11の送風能力を上げて、搬送空間43に供給されるダウンフローDFの流量を増すとともに、流出調整板47の開度を小さくして、流出口45から流出する空気の流量を減らしたり、排気ダンパ32aの開度を大きくして、排気口31から排気される空気の流量を増やしたりする。また、隙間部30を排気口31に向けて流れる空気の速度が所定速度よりも大きい場合には、清浄気体供給装置11の送風能力を下げて、搬送空間43に供給されるダウンフローDFの流量を減らすとともに、流出調整板47の開度を大きくして、流出口45から流出する空気の流量を増やしたり、排気ダンパ32aの開度を小さくして、排気口31から排気される空気の流量を減らしたりする。
【0050】
これにより、隙間部30を排気口31に向けて流れる空気の速度を所定速度に保つことができ、その結果、搬送空間43から空間33に向かう気流を確実に形成することができる。よって、駆動機構配置部29から発生するパーティクルが搬送空間43に流れ込むのを一層確実に防止できる。
【0051】
なお、搬送空間43から空間33内に向かう気流を確保するために、必ずしも清浄気体供給装置11、排気ダンパ32a、および流出調整板47のすべての動作が制御される必要はなく、いずれか1つのみの動作が制御されて、隙間部30を排気口31に向けて流れる空気の速度が所定速度に保たれてもよい。
【0052】
また、風速センサ52に代えて、隙間部30を流れる空気の方向および流量を検出できる風量センサや、隙間部30を流れる空気の方向のみを検出できる風向センサが採用されてもよい。この風向センサが採用された場合であっても、風向センサの出力信号に基づいて、隙間部30内に排気口31に向かう気流が形成されるように、清浄気体供給装置11、排気ダンパ32a、および流出調整板47の動作を制御することによって、風速センサ52を設けた構成とほぼ同様な効果を得ることができる。
【0053】
なお、風速センサ、風量センサ、または風向センサ等のセンサが配置される場所は、隙間部33である必要はなく、多段に上下に配置された処理チャンバ21同士の間の、たとえば棚板24,25の上面や下面であってもよい。この場合は、さらに精密に搬送空間43と空間33との間で流通する気体の風速、風量、または風向を検出することができる。
【0054】
この発明の一実施形態の説明は以上の通りであるが、この発明は、上述の一実施形態に限定されるものではない。たとえば、上述の実施形態においては、2つの処理部2,3の間に搬送空間43が形成された構成(図1参照)を例にとって説明したが、たとえば図4に示すように、2つの処理部2,3が隣接して配置され、この隣接した処理部2,3の一方側に搬送空間43が形成されていてもよい。この構成が採用される場合には、各処理部2,3ごとに搬送ロボット4が設けられるのが好ましく、こうすることによって、各処理部2,3にアクセスするために搬送ロボット4が長い距離を移動することがなく、搬送ロボット4から発生するパーティクルの量を減らすことができる。
【0055】
また、処理部の個数も2つには限定されず、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。3つ以上の処理部が備えられる場合には、搬送空間の周囲を取り囲むように処理部が配置されるとよい。こうすることによって、1つの搬送ロボット4によって各処理部に基板Sを搬入/搬出することができる。
【0056】
さらに、上述の実施形態においては、グレーチング床12上に閉塞板44を配置することによって、搬送空間43とグレーチング床12の下方空間14とを遮断しているが、たとえば、グレーチング床12の搬送空間43に臨む部分を、グレーチング開口13を有しない床板と交換することにより、搬送空間43とグレーチング床12の下方空間14とが遮断されてもよい。
【0057】
さらにまた、搬送空間43内の空気を排気するための流出口45は、必ずしも外装カバー22の側面22Aの下部に形成されている必要はなく、たとえば、グレーチング床12上に配置された閉塞板44に形成されていてもよい。また、グレーチング床12の搬送空間43に臨む部分が、グレーチング開口13を有しない床板と交換された場合には、その床板に流出口45が形成されてもよい。
【0058】
さらには、流出口45および流出調整板47に代えて、グレーチング床12が、その開口度を可変できるように構成されていてもよい。
【0059】
さらに、上述の実施形態においては、液晶表示装置用ガラス基板を処理するための装置を例にとったが、この発明は、フォトマスク用ガラス基板や半導体ウエハなど他の種類の基板を処理するための装置に適用することができる。
【0060】
また、上述の実施形態においては、処理部2,3の周囲を外装カバー22で取り囲む構成(図2参照)を例にとって説明したが、外装カバー22自体、外装カバーの天面、あるいはその側面を特に設ける必要はない。ただし、上述の実施形態の図2ような外装カバー22を設けたほうが、処理部2,3の気流の制御がより容易に行えるという利点がある。
【0061】
さらにまた、上述の実施形態においては、処理部2,3と搬送空間43とが隣接する構成(図2参照)を例にとって説明したが、たとえば、処理部2,3の外装カバー22のうちの開口26が形成された側面と搬送空間43との間において、開口26に対向する位置にそれぞれ基板通過用の開口が形成されたほぼ垂直な仕切板を設けて、中間室(上記開口26が形成された側面と仕切板との間の空間)を形成するようにしてもよい。この場合、中間室の気圧は空間33よりも高くなるように設定され、中間室は第1空間に相当することとなる。さらにこの場合、中間室の気圧は搬送空間43よりも高くするのが好ましい。このようにすれば、中間室から搬送空間43の方向に気流が形成されるので、たとえ、搬送空間43内のたとえば搬送ロボット4等でパーティクルが発生したとしても、処理部2、3側へパーティクルが流入することもなく、さらに処理部での基板の汚染を防止することができる。
【0062】
その他、特許請求の範囲に記載された技術的事項の範囲内で、種々の設計変更を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る基板処理装置の構成を簡略化して示す平面図である。
【図2】上記基板処理装置の内部構成を簡略化して示す断面図である。
【図3】上記基板処理装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】処理部および搬送空間の他の配置構成を示す平面図である。
【図5】従来の基板処理装置の構成を簡略化して示す断面図である。
【符号の説明】
S 基板
DF ダウンフロー
4 搬送ロボット(基板搬送機構)
11 清浄気体供給装置(気圧上昇手段)
12 グレーチング床(第1空間の底面)
13 グレーチング開口(第1空間の底面に形成された開口)
21 処理チャンバ
27 基板通過口
31 排気口(気圧降下手段)
32 排気管(気圧降下手段)
32a 排気ダンパ
33 空間(第2空間)
43 搬送空間(第1空間)
44 閉塞板(気圧上昇手段)
47 流出調整板(気圧上昇手段)
51 制御部
52 風速センサ(検出手段)

Claims (5)

  1. その全体に気体がダウンフローとして供給される環境に設置されて、基板を処理する基板処理装置であって、
    天面が閉塞され、側面に開口を有する外装カバーと、
    上記外装カバー内の空間を上下方向に分割して、複数の分割空間を形成する棚板と、
    上記複数の分割空間にそれぞれ収納されて、上下方向に積層された状態に設けられており、上記外装カバーの上記開口に対向する、基板が通過するための基板通過口を有し、基板を収容して処理を施すための複数の基板処理チャンバと、
    上記開口および上記基板通過口を介して、上記基板処理チャンバに対して基板を受け渡しするための基板搬送機構と、
    上記複数の基板処理チャンバの外部の上記基板通過口側の第1空間の気圧を、上記複数の基板処理チャンバと上記外装カバーとの間の空間であって、上記基板通過口側とは反対側の第2空間の気圧よりも高くする気圧調整手段とを含み、
    上記気圧調整手段は、上記第1空間に接続され、上記第1空間の気圧を上昇させる気圧上昇手段、および、上記第2空間に接続され、上記第2空間の気圧を降下させる気圧降下手段を有することを特徴とする基板処理装置。
  2. 上記第1空間と第2空間との間で流通する気体の方向を検出する検出手段と、この検出手段で得られた検出結果に基づいて、上記気圧調整手段の動作を制御する制御部とをさらに含むことを特徴とする請求項に記載の基板処理装置。
  3. 上記気圧上昇手段は、上記第1空間の底面に形成された開口を閉塞する部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載の基板処理装置。
  4. 上記気圧降下手段は、上記第2空間内の気体を排気するための排気手段であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理装置。
  5. 上記第2空間は、各基板処理チャンバと上記外装カバーとの間の各空間を、各棚板と上記外装カバーとの間で連通して形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の基板処理装置。
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