JP3881144B2 - Tapered slot antenna - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動体通信機器,小型情報端末,その他の無線装置に利用可能なテーパードスロットアンテナ(Tapered Slot Antenna)に関し、より詳細には、D面の交差偏波成分を低減したテーパードスロットアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
図10は、従来のテーパードスロットアンテナの一例を示す斜視図である。このテーパードスロットアンテナ100は、基板120と、その基板120上に設けられた金属膜130と、から構成されている。
【0003】
前記基板120は、ポリイミドなどの誘電体材料からなり、厚さは10〜100μmである。また、前記金属膜130は、銅を主たる材料として構成されており、その厚さは2〜20μmである。その金属膜130には、スロットラインのスロット幅が傾きをもって広くなるテーパー部14が形成されている。なお、15はアンテナの開口部である。
【0004】
このテーパードスロットアンテナ100は、アンテナの面に対して平行な方向(スロットラインの進行方向)に電波を放射する。
【0005】
テーパードスロットアンテナの構造がスロットラインと同様であることから、マイクロスロットラインのように裏面に接地導体を必要としないので、ユニプレーナー構造の給電線や整合回路との一体化が容易である。また、テーパードスロットアンテナは、使用可能な周波数帯域幅が広く、また利得も高いので、移動体通信機器、小型情報端末、その他の無線装置に利用されている。
【0006】
ところが、上記テーパードスロットアンテナ100は、D面の交差偏波成分が−6〜−9dBと高い。なお、テーパードスロットアンテナの面の呼び方について説明すると、図11に示すように、テーパードスロットアンテナでは、電磁波を放射する方向を含みかつ基板120に平行な面をE面、基板120に垂直な面をH面、前記E面および前記H面と45°の角度をなす面はD面と呼ばれている。また、交差偏波とは、電磁波の偏波面がアンテナの偏波方向と直交する偏波のことである。
【0007】
テーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分を低減する方法は、「P.R.Acharya,J.Johansson,and E.L.Kollberg,“Slotline antenna for millimeter and sub millimeter wavelength" ,Proc.20th Eur.Microwave Conf., Budapest, Hungary, pp353−358, Sep.1990」で報告されている。この報告では、テーパードスロットアンテナのテーパー形状をBLTSA(Broken Linearly Tapered Slot Antenna)と呼ばれる傾きの異なる3本の直線で構成することにより、D面の交差偏波成分を−11dBまで低減できたと説明されている。
【0008】
ところが、上記報告では、なぜBLTSAにするとD面の交差偏波成分を低減できるか、また、どのような条件のときにD面の交差偏波成分が低減されるかに関しては何ら説明されていない。したがって、この報告に基づいて、D面の交差偏波成分を低減したテーパードスロットアンテナを作ることは困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のテーパードスロットアンテナではD面の交差偏波成分が高いため、用途によっては問題になる。例えば、2つのテーパードスロットアンテナの開口部を同じ方向に向けながら直交させて配置し、2つの偏波成分を独立して受信するシステムでは、D面の交差偏波成分が高いと異なる偏波に対しても感度を持ってしまうため、2つの偏波成分がうまく分離できない問題がある。また、テーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分が高くなる理由についても明らかになっていない。
【0010】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、テーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分が高くなる理由を明らかにし、そのD面の交差偏波成分を低減できるテーパードスロットアンテナを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために、請求項1に係るテーパードスロットアンテナは、基板と、前記基板上に設けられている金属膜と、前記基板上にスロットラインのスロット幅が傾きをもって広くなるように形成されているテーパー部とを有し、前記テーパー部の開口部から電界を放射するテーパードスロットアンテナにおいて、前記開口部から放射される電界の前記基板に垂直な成分に対して逆の位相をもつ電界を生じさせる電界発生手段を備え、前記電界発生手段は、前記金属膜の電磁波の放射方向に平行な両側端に周期的に形成された複数の溝からなるコルゲート構造および前記金属膜の前記コルゲート構造と前記テーパー部との間に形成された電磁波の放射方向と平行な線状のスリットであり、前記コルゲート構造は前記テーパー部から0.65波長以内の位置に形成され、かつ、前記コルゲート構造の溝の深さは、0.15波長以上であることを特徴としている。
【0012】
すなわち、本発明のテーパードスロットアンテナでは、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分に対して逆の位相をもつ電界を前記テーパー部から0.65波長以内で生じさせることにより、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分を打ち消すようになっている。後述するように、本発明の発明者らの考察によると、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分がD面の交差偏波成分を高くしている。したがって、この成分を打ち消し合う成分を生じさせることによりD面の交差偏波成分を低減できることとなる。
【0016】
また、本発明のテーパードスロットアンテナでは、金属膜の電磁波の放射方向に平行な両側端に溝の深さを0.15波長以上とするコルゲート構造を形成すると共にそのコルゲート構造とテーパー部との間に電磁波の放射方向と平行に線状のスリットを形成する。このコルゲート構造によってD面の交差偏波成分を低減でき、コルゲート構造が形成されているために基板端部で強くなる電界の強度をスリットを形成することによって抑制できることになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のテーパードスロットアンテナの実施の形態について、〔本発明の概略〕、〔実施の形態1〕、〔実施の形態2〕の順で、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0018】
〔本発明の概略〕
本発明の発明者らの研究による、テーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分が高くなる理由を図10および図12を用いて説明する。なお、図12は、図10に示した従来のテーパードスロットアンテナ100を開口部15側から見た図である。
【0019】
テーパードスロットアンテナ100から電磁波が放射される場合、その電磁波はスロットラインの伝送モードTから自由空間のモードFへと移り変わっていく。図10および図12に、このモードの移り変わりの様子を模式的に示す。
【0020】
図12に示すように、伝送モードTの電界は、基板120に垂直な成分T1,T3,T4,T6と、基板120に水平な成分T2,T5に分離することができる。このように、スロットラインの伝送モードTには基板に垂直な成分T1,T3,T4,T6も含まれるため、この成分が自由空間に放射されて交差偏波成分となる。
【0021】
この基板120に垂直な成分は、E面(図12では水平方向)やH面(図12では垂直方向)に対してはその配置の対称性が高いため、放射電界同士が打ち消し合う。
【0022】
例えば、E面で観察すると、成分T1と成分T4(または成分T3と成分T6)は大きさが等しく向きが逆であり、観測点からの距離も等しいので、放射電界を打ち消し合う。また、H面で観察すると、成分T1と成分T3(または成分T4と成分T6)は大きさが等しく向きが逆であり、観測点からの距離も等しいので、放射電界を打ち消し合う。このためE面,H面においては、交差偏波成分がそれ程高くないので問題にならない。
【0023】
ところが、D面(図12では斜め45°方向)においては、この基板120に垂直な成分の対称性が崩れているので、交差偏波成分が高くなる。
【0024】
そこで、本発明のテーパードスロットアンテナでは、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分を打ち消し合うような電界成分を意図的に生じさせるようにしてD面の交差偏波成分を低減する。
【0025】
〔実施の形態1〕
図1に、本発明の実施の形態1に係るテーパードスロットアンテナを示す。図1(a)は本発明のテーパードスロットアンテナの斜視図であり、図1(b)は本発明のテーパードスロットアンテナの上面図である。
【0026】
図1に示すように、テーパードスロットアンテナ10は、基板12と、その基板12上に設けられた金属膜13と、から構成されている。
【0027】
基板12は、ポリイミド(例えば、商品名:カプトン)などの誘電体材料からなり、厚さは10〜100μmである。また、金属膜13は、銅を主たる材料として構成されており、その厚さは2〜20μmである。この金属膜13には、スロットラインのスロット幅が傾きをもって広くなるテーパー部14が形成されている。なお、15はアンテナの開口部である。
【0028】
基板12の両端の金属膜13の部分には、コルゲート構造16が形成されている。テーパードスロットアンテナの端部にコルゲート構造を形成することにより、基板端部の電界の位相や強度を制御できることが、本発明者らによって報告されている(IEEE MTT−S IMS Dig. pp.533−536 1998)。このコルゲート構造16により、開口部15から放射される電界の基板に垂直な成分を打ち消し合うような電界成分を意図的に生じさせることができる。
【0029】
図2に、前記テーパードスロットアンテナ10の一部拡大図を示す。この図に示すように、コルゲート構造16は、金属膜13を周期的に矩形状に取り除くことにより形成される複数の溝17からなる。図中のdは溝17の深さ、wは溝17の幅、pは溝17の周期である。また、Lは開口部15からアンテナ端部までの長さである。
【0030】
このテーパードスロットアンテナ10は、アンテナの面に対して平行な方向(スロットラインの進行方向)に電波を放射し、移動体通信機器、小型情報端末、その他の無線装置に利用することができる。
【0031】
さて、D面の交差偏波成分を低減するためのパラメータを決めるために実験を行った。この実験のために、基板12となる50μmのカプトン上に、金属膜13となる5μmの銅を積層した。そして、アンテナの基本構造を、アンテナ長を20mm、開口部の長さを5mmとし、d4cw04,d5cw04,d5cw08の3種類のアンテナを用意した。
【0032】
開口部から基板端までの長さLに関しては、頭にd4が付くアンテナd4cw04では2mm(0.4波長)、頭にd5が付くアンテナd5cw04とd5cw08とでは2.5mm(0.5波長)とした。また、溝の幅wおよび周期pに関しては、最後にcw04が付くアンテナd4cw04とd5cw04とでは幅を0.2mm(0.04波長),周期を0.4mm(0.08波長)、最後にcw08が付くアンテナd5cw08とでは幅を0.4mm(0.08波長),周期を0.8mm(0.16波長)とした。
【0033】
そして、上記3つのアンテナd4cw04,d5cw04,d5cw08のコルゲート構造の溝の深さDを変化させて、D面の交差偏波成分の強度を測定した。なお、測定は60GHz(波長5mm)で行った。この実験の結果を図3(a)に示す。この図では、縦軸はD面の交差偏波成分の強度を表し、単位はdBである。また、横軸は溝の深さdを表し、単位は波長である。
【0034】
溝の深さdが0(ゼロ)〜0.04波長のときは、3つのアンテナともD面の交差偏波成分の強度が−10dBより高い。溝の深さdが0.04〜0.12波長のときは、3つのアンテナともD面の交差偏波成分の強度が急激に低くなり、アンテナd4cw04では−17.5dBと最も低い。溝の深さdが0.12〜0.2波長のときは、3つのアンテナともD面の交差偏波成分の強度がまた−10dBより高くなる。
【0035】
図3(a)から分かるように、溝の深さdが0.06〜0.1波長のときにD面の交差偏波成分が特に低減される。したがって、実施の形態1に係るテーパードスロットアンテナ10においては、コルゲート構造16の溝の深さを0.04〜0.12波長、好ましくは0.06〜0.1波長とする。これにより、テーパードスロットアンテナ10では、D面の交差偏波成分は低減される。つまり、このようなコルゲート構造16により、基板端部の電界の位相を反転させ強度を強くし、開口部15から放射される電界の基板に垂直な成分と逆の位相を持つ電界をテーパー部14近傍で生じさせ、D面の交差偏波成分を低減することができる。
【0036】
次に、開口部から基板端までの長さLの最適な値を決めるための実験を行った。この実験のために、基板12となる50μmのカプトン上に、金属膜13となる5μmの銅を積層した。そして、アンテナの基本構造を、アンテナ長を20mm、開口部の長さを5mmとし、アンテナの両端に溝の深さdを0.4mm(0.08波長)、幅wを0.2mm(0.04波長)、周期pを0.4mm(0.08波長)とするコルゲート構造を形成した。
【0037】
そして、このアンテナの開口部から基板端までの長さLを変化させて、D面の交差偏波成分の強度を測定した。なお、測定はやはり60GHz(波長5mm)で行った。この実験の結果を図3(b)に示す。この図でも、縦軸はD面の交差偏波成分の強度を表し、単位はdBである。また、横軸は溝の深さdを表し、単位は波長である。なお、比較のために、基板の端部にコルゲート構造が形成されていない従来のテーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分の強度を点線で表し、本発明のテーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分の強度を実線で表す。
【0038】
本発明のテーパードスロットアンテナにおいては、D面の交差偏波成分の強度が、開口部から基板端までの長さLが0.3〜0.4波長のときに徐々に低くなり、0.4波長付近で約−17.5dBと最低値となって、開口部から基板端までの長さLが0.4〜0.7波長のときに徐々に高くなる。ところが、従来のテーパードスロットアンテナにおいては、開口部から基板端までの長さLが変化してもD面の交差偏波成分の強度は略一定である。また、本発明のテーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分の強度は、開口部から基板端までの長さLの値に関わらず、従来のテーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分の強度よりも低い。
【0039】
図3(b)から分かるように、開口部から基板端までの長さLが0.6波長以下のときにD面の交差偏波成分が低減される。
【0040】
ところで、一般にテーパードスロットアンテナの放射電界は、テーパー部からおよそ0.4波長程度外側に広がっている。また、逆相の電界を用いて打ち消し合うようにするには少なくとも0.25(1/4)波長以内の距離にコルゲート構造16を設ける必要があると考えられる。したがって、図1に示すコルゲート構造16を、テーパー部14から0.65波長以内に設ければ良いと考えられる。
【0041】
図3(b)に示す結果は、上記条件を立証したものとなっており、従って、実施の形態1のテーパードスロットアンテナ10では、テーパー部14からコルゲート構造16までの長さL(開口部から基板端までの長さ)を0.65波長以内とする。図3(b)に示すように、長さLが0.3波長以下になると特性が劣化してしまうので、長さLの下限は0.3となる。これにより、テーパードスロットアンテナ10では、D面の交差偏波成分は低減される。
【0042】
この2つの実験から、テーパードスロットアンテナ10の端部に形成されているコルゲート構造16の溝17の深さdを0.04〜0.12波長、好ましくは0.06〜0.1波長とし、開口部15から基板端までの長さLを0.65波長以内とすると、開口部15から放射される電界の基板12に垂直な成分を打ち消し合うような電界成分を最適に生じさせることができ、D面の交差偏波成分を最も低減できることとなる。
【0043】
次に、実施の形態1の発明を適用したテーパードスロットアンテナを形成し、E面,H面,D面それぞれの指向性を測定する実験を行った。この実験のためには、基板12となる50μmのポリイミド上に、金属膜13となる5μmの銅を積層した。そして、アンテナ長を20mm、開口部の長さを5mm、開口部から基板端までの長さLを2.5mm(0.5波長)とした。また、アンテナの端部に溝の深さdを0.4mm(0.08波長)、幅wを0.2mm(0.04波長)、周期pを0.4mm(0.08波長)とするコルゲート構造を形成した。また、このアンテナの設計周波数を60GHzとした。
【0044】
図4(a)にE面の指向性、図4(b)にH面の指向性、図4(c)にD面の指向性、図4(d)にD面の交差偏波成分の指向性を示す。この図では、縦軸は相対強度を表し、単位はdBである。また、横軸はアンテナの放射角度を表し、単位は度である。比較のために、基板の端部にコルゲート構造が形成されていない従来のテーパードスロットアンテナの指向性を図5に示す。図4と同様に、図5(a)にE面の指向性、図5(b)にH面の指向性、図5(c)にD面の指向性、図5(d)にD面の交差偏波成分の指向性を示す。
【0045】
図5(d)に示すように従来のテーパードスロットアンテナではD面の交差偏波成分が−9dBと高いのに対して、図4(d)に示すように本発明のテーパードスロットアンテナではD面の交差偏波成分が−13dBと低くなっている。
【0046】
このように、上記実施の形態1のテーパードスロットアンテナ10では、開口部15から基板端までの長さLを0.65波長以内とし、溝17の深さdを0.04〜0.12波長、好ましくは0.06〜0.1波長とするコルゲート構造を基板12の両端に形成することにより、開口部15から放射される電界の基板12に垂直な成分を打ち消し合うような電界成分を意図的に生じさせることができ、D面の交差偏波成分を低減できる。
【0047】
なお、実施の形態1においては、コルゲート構造16の溝17の形状を矩形状としたが、上述した効果を得ることができるのであれば、矩形以外の形状を用いることが可能であることはいうまでもない。
【0048】
〔実施の形態2〕
図6に、本発明の実施の形態2に係るテーパードスロットアンテナを示す。図6(a)は本発明のテーパードスロットアンテナの斜視図であり、図6(b)は本発明のテーパードスロットアンテナの上面図である。
【0049】
図6に示すように、テーパードスロットアンテナ20は、基板22と、その基板22上に設けられた金属膜23とからなる。
【0050】
前記金属膜23には、コルゲート構造16とテーパー部14との間に線状のスリットS1,S2が形成されている。なお、コルゲート構造16の溝の深さと線状のスリットS1,S2を設けたこと以外の構成については、上記実施の形態1に係るテーパードスロットアンテナ10と同じであるので、その説明は省略する。
【0051】
図7に、前記テーパードスロットアンテナ20の一部拡大図を示す。この図に示したように、コルゲート構造16は、前記金属膜23を周期的に矩形状に取り除くことにより形成される複数の溝17からなる。また、このコルゲート構造16の溝17とテーパー部14の間に、電磁波の放射方向および基板22の端部に略平行に、スリットS1,S2が形成されている。
【0052】
上記実施の形態1に係るテーパードスロットアンテナ10では、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分を打ち消し合うような電界成分を意図的に生じさせているため、基板端部での電界の強度が強くなる。このように基板端部での電界の強度が強くなると、アンテナを複数配置するアンテナアレイのような構成では、隣接するアンテナ間のクロストークが高くなってしまう。
【0053】
そこで、この実施の形態2に係るテーパードスロットアンテナ20では、このコルゲート構造16とテーパー部14の間に線状のスリットS1,S2を形成することにより、基板端部での電界の強度を抑制する。なお、基板端部の電界強度を抑制するためには、溝の深さが0.15波長以上のコルゲート構造を基板端部に設ければ良いことが本発明者らの研究によって明らかにされている。
【0054】
図8は、図6のテーパードスロットアンテナ20を開口部15側から見た図である。Tはスロットラインの伝送モード、Gはスリットに生じる電界である。図中のT3は伝送モードTにより生じる電界の基板22に垂直な成分、G1,G2は電界Gにより生じる電界の基板22に垂直な成分である。ここでは、一方のスリットS1,S2について説明するが、他方のスリットS1,S2においても同じような現象が起きることになる。
【0055】
この図から分かるように、成分T3と成分G1は打ち消し合い、成分T3と成分G2は強め合う。ところが、成分T3と成分G1は空間的に近接しているため同じ位相を打ち消し合うが、成分T3と成分G2は空間的に離れているため位相にずれが生じて完全には強め合わない。このため、基板端部での電界の強度を抑制することができ、D面の交差偏波成分を低減することができる。
【0056】
なお、このスリットは上述した機能を満たすものであるならば、複数本でも良く、また電磁波の放射方向と厳密に平行でなくても良い。また同様の効果を得られる構造であれば、上述したスリットに限らずその他のパターンやその組み合わせでも良い。また、スリットの本数や太さおよび組み合わせかたは、使用するアンテナに応じて適したものにしても良い。さらに、コルゲート構造16の溝17の形状を矩形状としたが、同様の効果を得ることができるのであれば、矩形以外の形状を用いることが可能であることはいうまでもない。
【0057】
次に、実施の形態2の発明を適用したテーパードスロットアンテナを形成し、E面,H面,D面それぞれの指向性を測定する実験を行った。この実験のためには、基板12となる50μmのポリイミド上に、金属膜13となる5μmの銅を積層した。そして、アンテナ長を20mm、開口部の長さを5mm、開口部から基板端までの長さLを2.5mm(0.5波長)とした。また、アンテナの端部に溝の深さdを0.8mm(0.16波長)、幅wを0.2mm(0.04波長)、周期pを0.4mm(0.08波長)とするコルゲート構造を形成した。さらに、コルゲート構造とテーパー部の間に、基板端から1.2mm(0.24波長)〜1.5mm(0.3波長)の間に幅0.3mm(0.06波長)の線状のスリットS2と、基板端から1.8mm(0.36波長)〜2.0mm(0.4波長)の間に幅0.2mm(0.04波長)の線状のスリットS1を形成した。また、このアンテナの設計周波数を60GHzとした。
【0058】
図9(a)にE面の指向性、図9(b)にH面の指向性、図9(c)にD面の指向性、図9(d)にD面の交差偏波成分の指向性を示す。この図では、縦軸は相対強度を表し、単位はdBである。また、横軸はアンテナの放射角度を表し、単位は度である。
【0059】
図5(d)に示したように従来のテーパードスロットアンテナではD面の交差偏波成分が−9dBと高いのに対して、図9(d)に示すように本発明のテーパードスロットアンテナではD面の交差偏波成分が−13.2dBと低くなっている。
【0060】
このように、上記実施の形態2のテーパードスロットアンテナ20では、基板22の両端に溝17の深さdを0.15波長とするコルゲート構造を形成すると共に、コルゲート構造16とテーパー部14の間に線状のスリットを形成することにより、開口部15から放射される電界の基板12に垂直な成分を打ち消し合うような電界成分を意図的に生じさせることができ、かつ基板端部での電界の強度が強くなってしまうことを防止できる。また、このテーパードスロットアンテナ20をアンテナアレイに用いる場合、隣接するアンテナ間のクロストークを低くすることが可能であるため、アンテナを複数配置するアンテナアレイのような構成にも好適に用いることができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のテーパードスロットアンテナ(請求項1)では、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分に対して逆の位相をもつ電界を前記テーパー部から0.65波長以内で生じさせることにより(電界発生手段)、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分を打ち消す合うような電界を意図的に発生させることができるから、D面の交差偏波成分を低減できる。
【0063】
また、本発明のテーパードスロットアンテナ(請求項1)では、電界発生手段として、溝の深さを0.15波長とするコルゲート構造を金属膜の電磁波の放射方向に平行な両側端に形成すると共に、コルゲート構造とテーパー部の間に電磁波の放射方向に平行な線状のスリットを形成することにより、開口部から放射される電界の基板に垂直な成分を打ち消し合うような電界成分を意図的に生じさせることができると共に、基板端部での電界の強度が強くなってしまうことを防止できるから、D面の交差偏波成分を低減できると共にアンテナアレイのような構成に用いたときも隣接するアンテナ間にクロストークが発生しなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るテーパードスロットアンテナの構成図である。
【図2】図1のテーパードスロットアンテナの一部拡大図である。
【図3】D面の交差偏波成分を低減するためのパラメータを得る実験の結果の説明図である。
【図4】実施の形態1の発明を適用したテーパードスロットアンテナのE面,H面,D面の指向性の説明図である。
【図5】従来のテーパードスロットアンテナのE面,H面,D面の指向性の説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係るテーパードスロットアンテナの構成図である。
【図7】図6のテーパードスロットアンテナの一部拡大図である。
【図8】図6のテーパードスロットアンテナの電界分布を表す説明図である。
【図9】実施の形態2の発明を適用したテーパードスロットアンテナのE面,H面,D面の指向性の説明図である。
【図10】従来のテーパードスロットアンテナの斜視図である。
【図11】テーパードスロットアンテナのE面,H面,D面の概念説明図である。
【図12】テーパードスロットアンテナのD面の交差偏波成分が高くなる理由を説明するための原理説明図である。
【符号の説明】
10,20 テーパードスロットアンテナ
12,22 基板
13,23 金属膜
14 テーパー部
15 開口部
16 コルゲート構造
17 溝
S1,S2 スリット
T 伝送モード
F 自由空間のモード[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a tapered slot antenna that can be used in mobile communication devices, small information terminals, and other wireless devices, and more particularly to a tapered slot antenna with reduced cross-polarization components in the D plane. .
[0002]
[Prior art]
FIG. 10 is a perspective view showing an example of a conventional tapered slot antenna. The
[0003]
The
[0004]
The
[0005]
Since the structure of the tapered slot antenna is the same as that of the slot line, a ground conductor is not required on the back surface unlike the micro slot line, so that it is easy to integrate with a uniplanar structure feeder line and matching circuit. Further, the tapered slot antenna has a wide usable frequency bandwidth and a high gain, and is therefore used in mobile communication devices, small information terminals, and other wireless devices.
[0006]
However, the
[0007]
A method of reducing the cross polarization component of the D-plane of the tapered slot antenna is described in “PR Acharya, J. Johansson, and EL Kollberg,“ Slotline antenna for milliliter and submillimeter wave length ”, Proc. Microwave Conf., Budapest, Hungary, pp 353-358, Sep. 1990 ”. In this report, it is explained that the cross-polarization component of the D-plane can be reduced to -11 dB by configuring the tapered shape of the tapered slot antenna with three straight lines with different inclinations called BLTSA (Broken Linearly Tapered Slot Antenna). ing.
[0008]
However, in the above report, there is no explanation as to why BLTSA can reduce the cross polarization component of the D plane and under what conditions the cross polarization component of the D plane can be reduced. . Therefore, based on this report, it is difficult to make a tapered slot antenna in which the cross polarization component of the D plane is reduced.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the conventional tapered slot antenna has a high cross-polarization component in the D plane, which may cause a problem depending on the application. For example, in a system in which the openings of two tapered slot antennas are arranged orthogonally while being directed in the same direction and two polarization components are received independently, if the cross polarization component of the D plane is high, the polarization is different. There is a problem that the two polarization components cannot be separated well because they have sensitivity. Also, the reason why the cross polarization component of the D-plane of the tapered slot antenna becomes high is not clear.
[0010]
The present invention has been made in view of the above points, and clarifies the reason why the cross polarization component of the D-plane of the tapered slot antenna is increased, and a tapered slot antenna capable of reducing the cross-polarization component of the D plane is provided. The purpose is to provide.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a tapered slot antenna according to
[0012]
That is, in the tapered slot antenna of the present invention, an electric field having an opposite phase to the component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from the opening is generated within 0.65 wavelength from the taper. The component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from is canceled out. As will be described later, according to the consideration of the inventors of the present invention, the component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from the opening increases the cross polarization component of the D plane. Therefore, by generating a component that cancels this component, the cross polarization component of the D plane can be reduced.
[0016]
Also, In the tapered slot antenna of the present invention, a corrugated structure having a groove depth of 0.15 wavelength or more is formed on both side ends parallel to the electromagnetic wave radiation direction of the metal film, and an electromagnetic wave is formed between the corrugated structure and the tapered portion. A linear slit is formed in parallel with the radial direction. This corrugated structure can reduce the cross polarization component of the D plane, and since the corrugated structure is formed, the strength of the electric field that becomes stronger at the edge of the substrate can be suppressed by forming a slit.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of a tapered slot antenna according to the present invention will be described in detail in the order of [Outline of the present invention], [Embodiment 1], and [Embodiment 2] with reference to the accompanying drawings.
[0018]
[Outline of the Invention]
The reason why the cross polarization component of the D-plane of the tapered slot antenna is increased by the study of the inventors of the present invention will be described with reference to FIGS. 12 is a view of the conventional
[0019]
When electromagnetic waves are radiated from the
[0020]
As shown in FIG. 12, the electric field in the transmission mode T can be separated into components T1, T3, T4, T6 perpendicular to the
[0021]
The components perpendicular to the
[0022]
For example, when observed on the E plane, the component T1 and the component T4 (or the component T3 and the component T6) are equal in magnitude and opposite in direction, and the distance from the observation point is also equal, so the radiated electric fields cancel each other. When observed on the H plane, the component T1 and the component T3 (or the component T4 and the component T6) are equal in magnitude and opposite in direction, and the distance from the observation point is also equal, so the radiated electric fields cancel each other. For this reason, there is no problem in the E and H planes because the cross polarization component is not so high.
[0023]
However, since the symmetry of the component perpendicular to the
[0024]
Therefore, in the tapered slot antenna of the present invention, the cross polarization component of the D plane is reduced by intentionally generating an electric field component that cancels out the component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from the opening.
[0025]
[Embodiment 1]
FIG. 1 shows a tapered slot antenna according to
[0026]
As illustrated in FIG. 1, the tapered
[0027]
The board |
[0028]
[0029]
FIG. 2 shows a partially enlarged view of the tapered
[0030]
The tapered
[0031]
An experiment was conducted to determine parameters for reducing the cross polarization component of the D plane. For this experiment, 5 μm copper serving as the
[0032]
Regarding the length L from the opening to the substrate edge, the antenna d4cw04 with d4 at the head is 2 mm (0.4 wavelength), and the antennas d5cw04 and d5cw08 with the head d5 are 2.5 mm (0.5 wavelength). did. Regarding the groove width w and period p, the antennas d4cw04 and d5cw04 with cw04 at the end have a width of 0.2 mm (0.04 wavelength), a period of 0.4 mm (0.08 wavelength), and finally cw08. The antenna d5cw08 with a width of 0.4 mm (0.08 wavelength) and a period of 0.8 mm (0.16 wavelength).
[0033]
Then, the depth D of the corrugated structure of the three antennas d4cw04, d5cw04, and d5cw08 was changed, and the intensity of the cross polarization component on the D plane was measured. The measurement was performed at 60 GHz (
[0034]
When the depth d of the groove is 0 (zero) to 0.04 wavelength, the intensity of the cross polarization component of the D plane is higher than −10 dB for all three antennas. When the groove depth d is 0.04 to 0.12 wavelength, the intensity of the cross-polarized wave component on the D-plane suddenly decreases for all three antennas, and is lowest at -17.5 dB for the antenna d4cw04. When the groove depth d is 0.12 to 0.2 wavelengths, the intensity of the cross polarization component of the D plane is also higher than −10 dB for all three antennas.
[0035]
As can be seen from FIG. 3A, the cross-polarized wave component of the D plane is particularly reduced when the groove depth d is 0.06 to 0.1 wavelength. Therefore, in the tapered
[0036]
Next, an experiment was performed to determine an optimum value of the length L from the opening to the substrate edge. For this experiment, 5 μm copper serving as the
[0037]
And the length L from the opening part of this antenna to the board | substrate edge was changed, and the intensity | strength of the cross polarization component of D surface was measured. The measurement was also performed at 60 GHz (
[0038]
In the tapered slot antenna of the present invention, the intensity of the cross polarization component of the D plane gradually decreases when the length L from the opening to the substrate end is 0.3 to 0.4 wavelength, and 0.4 It becomes a minimum value of about -17.5 dB in the vicinity of the wavelength, and gradually increases when the length L from the opening to the substrate end is 0.4 to 0.7 wavelength. However, in the conventional tapered slot antenna, the intensity of the cross polarization component on the D plane is substantially constant even when the length L from the opening to the substrate end changes. In addition, the intensity of the cross polarization component of the D plane of the tapered slot antenna of the present invention is the value of the cross polarization component of the D plane of the conventional tapered slot antenna regardless of the value of the length L from the opening to the substrate end. Lower than strength.
[0039]
As can be seen from FIG. 3B, the cross polarization component of the D plane is reduced when the length L from the opening to the substrate end is 0.6 wavelengths or less.
[0040]
By the way, generally, the radiation field of the tapered slot antenna spreads outward by about 0.4 wavelength from the tapered portion. In addition, it is considered that the
[0041]
The result shown in FIG. 3B proves the above condition. Therefore, in the tapered
[0042]
From these two experiments, the depth d of the
[0043]
Next, an experiment was conducted in which a tapered slot antenna to which the invention of
[0044]
FIG. 4A shows the directivity of the E plane, FIG. 4B shows the directivity of the H plane, FIG. 4C shows the directivity of the D plane, and FIG. 4D shows the cross polarization component of the D plane. Show directivity. In this figure, the vertical axis represents relative intensity, and the unit is dB. The horizontal axis represents the radiation angle of the antenna, and the unit is degrees. For comparison, FIG. 5 shows the directivity of a conventional tapered slot antenna in which the corrugated structure is not formed at the end of the substrate. 4A, FIG. 5A shows the directivity of the E surface, FIG. 5B shows the directivity of the H surface, FIG. 5C shows the directivity of the D surface, and FIG. 5D shows the D surface. The directivity of the cross polarization component of
[0045]
As shown in FIG. 5 (d), in the conventional tapered slot antenna, the cross polarization component of the D plane is as high as −9 dB, whereas in the tapered slot antenna of the present invention as shown in FIG. 4 (d), the D plane. The cross polarization component of -13 dB is as low as -13 dB.
[0046]
As described above, in the tapered
[0047]
In the first embodiment, the shape of the
[0048]
[Embodiment 2]
FIG. 6 shows a tapered slot antenna according to
[0049]
As shown in FIG. 6, the tapered
[0050]
In the
[0051]
FIG. 7 shows a partially enlarged view of the tapered
[0052]
In the tapered
[0053]
Therefore, in the tapered
[0054]
FIG. 8 is a view of the tapered
[0055]
As can be seen from this figure, the component T3 and the component G1 cancel each other, and the component T3 and the component G2 strengthen each other. However, although the component T3 and the component G1 are spatially close to each other, they cancel out the same phase. However, since the component T3 and the component G2 are spatially separated, a phase shift occurs and the components T3 and G1 are not completely intensified. For this reason, the strength of the electric field at the edge of the substrate can be suppressed, and the cross polarization component of the D plane can be reduced.
[0056]
Note that a plurality of slits may be provided as long as they satisfy the above-described functions, and the slits may not be strictly parallel to the electromagnetic wave radiation direction. In addition, as long as the same effect can be obtained, the slit is not limited to the above-described slit, and other patterns and combinations thereof may be used. Further, the number, thickness, and combination of slits may be suitable for the antenna used. Furthermore, although the shape of the
[0057]
Next, an experiment was conducted in which a tapered slot antenna to which the invention of
[0058]
9 (a) shows the directivity of the E plane, FIG. 9 (b) shows the directivity of the H plane, FIG. 9 (c) shows the directivity of the D plane, and FIG. 9 (d) shows the cross polarization component of the D plane. Show directivity. In this figure, the vertical axis represents relative intensity, and the unit is dB. The horizontal axis represents the radiation angle of the antenna, and the unit is degrees.
[0059]
As shown in FIG. 5 (d), in the conventional tapered slot antenna, the cross polarization component of the D plane is as high as −9 dB, whereas in the tapered slot antenna of the present invention as shown in FIG. The cross polarization component of the surface is as low as −13.2 dB.
[0060]
As described above, in the tapered
[0061]
【The invention's effect】
As described above, in the tapered slot antenna of the present invention (Claim 1), an electric field having an opposite phase to the component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from the opening is 0.65 wavelength from the tapered portion. (Electric field generating means), it is possible to intentionally generate an electric field that cancels out a component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from the opening. Can be reduced.
[0063]
The tapered slot antenna of the present invention (claims) 1 ), As a means for generating an electric field, a corrugated structure having a groove depth of 0.15 wavelength is formed at both ends parallel to the radiation direction of the electromagnetic wave of the metal film, and the electromagnetic wave is radiated between the corrugated structure and the tapered portion. By forming a linear slit parallel to the direction, it is possible to intentionally generate an electric field component that cancels out a component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from the opening, and at the edge of the substrate. Since the strength of the electric field can be prevented from being increased, the cross polarization component of the D plane can be reduced, and crosstalk does not occur between adjacent antennas when used in a configuration such as an antenna array.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a configuration diagram of a tapered slot antenna according to a first embodiment of the present invention.
2 is a partially enlarged view of the tapered slot antenna of FIG. 1. FIG.
FIG. 3 is an explanatory diagram of a result of an experiment for obtaining a parameter for reducing a cross polarization component of a D plane.
4 is an explanatory diagram of directivities on the E, H, and D planes of the tapered slot antenna to which the invention of
FIG. 5 is an explanatory diagram of directivities on the E, H, and D planes of a conventional tapered slot antenna.
FIG. 6 is a configuration diagram of a tapered slot antenna according to a second embodiment of the present invention.
7 is a partially enlarged view of the tapered slot antenna of FIG. 6. FIG.
8 is an explanatory diagram showing an electric field distribution of the tapered slot antenna of FIG.
9 is an explanatory diagram of directivities on the E, H, and D planes of a tapered slot antenna to which the invention of
FIG. 10 is a perspective view of a conventional tapered slot antenna.
FIG. 11 is a conceptual explanatory diagram of an E plane, an H plane, and a D plane of a tapered slot antenna.
FIG. 12 is a principle explanatory diagram for explaining the reason why the cross polarization component of the D-plane of the tapered slot antenna increases.
[Explanation of symbols]
10,20 Tapered slot antenna
12,22 substrate
13,23 Metal film
14 Taper part
15 opening
16 Corrugated structure
17 Groove
S1, S2 slit
T transmission mode
F Free space mode
Claims (1)
前記開口部から放射される電界の前記基板に垂直な成分に対して逆の位相をもつ電界を生じさせる電界発生手段を備え、
前記電界発生手段は、前記金属膜の電磁波の放射方向に平行な両側端に周期的に形成された複数の溝からなるコルゲート構造および前記金属膜の前記コルゲート構造と前記テーパー部との間に形成された電磁波の放射方向と平行な線状のスリットであり、前記コルゲート構造は、前記テーパー部から0.65波長以内の位置に形成され、かつ、前記コルゲート構造の溝の深さは、0.15波長以上であることを特徴とするテーパードスロットアンテナ。A substrate, a metal film provided on the substrate, and a tapered portion formed so that a slot width of the slot line is inclined and widened on the substrate, and an electric field is formed from the opening of the tapered portion. In a tapered slot antenna that radiates
Electric field generating means for generating an electric field having an opposite phase to a component perpendicular to the substrate of the electric field radiated from the opening,
The electric field generating means is formed between a corrugated structure composed of a plurality of grooves periodically formed on both side edges parallel to the electromagnetic wave radiation direction of the metal film and between the corrugated structure of the metal film and the tapered portion. The corrugated structure is formed at a position within 0.65 wavelength from the tapered portion, and the groove depth of the corrugated structure is 0. A tapered slot antenna having 15 or more wavelengths .
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