JP3876726B2 - 圧力センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケースに収納されたセンサ素子に対して基準圧力と測定圧力とを印加し、基準圧力と測定圧力との比較に基づいて圧力検出を行うようにした相対圧型の圧力センサに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の相対圧型の圧力センサ(以下、相対圧センサという)では、ケースと、該ケースに収納されたセンサ素子と、ケース内にてセンサ素子の一面側に設けられ大気圧等の一定の基準圧力となっている基準圧力室と、ケースに設けられセンサ素子の他面側に測定圧力を導入するための測定圧力導入部と、センサ素子の一面に電気的に接続されたワイヤとを備え、基準圧力と測定圧力との比較、例えば両圧力差に基づいて圧力検出を行うようにしている。
【0003】
そして、このような相対圧センサでは、センサ素子ならびにワイヤの腐食防止等のため、基準圧力室に面するセンサ素子の一面やセンサ素子とワイヤとの接続部に低弾性率のゲル材を塗布し、このゲル材を加熱硬化させ固めて保護材として使用している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の相対圧センサでは、ゲル材の熱膨張によりワイヤが切断されたり、ゲル材の塗布時にワイヤにゲル材が玉のように付着して硬化し、これが外部振動によって振動することでワイヤが切断されたりするという問題が生じる。
【0005】
また、ゲル材は水分を吸湿することはないが、透過はするため湿度によりセンサ素子に水分が吸湿し特性が変動する可能性がある。特に、より感度を上げるべくセンサ素子を微細化するにつれ、従来問題でないような水分であっても、センサ特性に大きな影響を与えるようになってくる。例えば、ダイアフラム式のセンサ素子においては、ダイアフラムの薄肉化に伴い、わずかな水分がダイアフラムの歪み特性に影響を与えるという問題が生じる。
【0006】
本発明は上記問題に鑑み、相対圧センサにおいて、ワイヤの切断を適切に防止するとともに、センサ素子への水分の影響を極力抑制することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、ゲル材の代わりに撥水性を有するオイル状の部材を用いてセンサ素子およびワイヤを保護することに着目してなされたものである。
【0008】
ただし、相対圧センサにおけるセンサ素子の一面側すなわち基準圧力室にオイル状の部材を設けるにあたっては、従来では基準圧力室は大気圧等の基準圧力に開放されているため、オイル状の部材が漏れないように封じ込める必要がある。本発明は、このような知見に基づいて創案されたものである。
【0009】
すなわち、請求項1に記載の発明では、ケース(10)と、ケースに収納されたセンサ素子(20)と、ケース内にてセンサ素子の一面側に設けられ一定の基準圧力となっている基準圧力室(14)と、ケースに設けられセンサ素子の他面側に測定圧力を導入するための測定圧力導入部(15)と、センサ素子の一面に電気的に接続されたワイヤ(30)とを備え、基準圧力と測定圧力との比較に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、基準圧力室には撥水性を有するオイル状の部材(40)が封入されており、このオイル状の部材によってセンサ素子の一面およびワイヤが包み込まれており、基準圧力室におけるケースの壁部には、オイル状の部材の漏れを防止しつつ、基準圧力室の内圧変動に伴い基準圧力室の体積を増減させる圧力調整手段(50、60)が設けられていることを特徴とする。
【0010】
それによれば、センサ素子の一面およびワイヤを包み込んで保護しているオイル状の部材は、硬化せず流動性があるため、温度が変化したり振動が加わってもワイヤの切断が発生しない。また、オイル状の部材は撥水性があるため、水分の透過は大幅に抑制できる。
【0011】
また、圧力調整手段によってオイル状の部材の漏れを防止することができ、しかも圧力調整手段によれば、基準圧力室の内圧変動に伴い基準圧力室の体積を増減させることができるため、基準圧力室内の内圧すなわち基準圧力を一定に維持することができる。そのため、センサ特性は確保される。
【0012】
よって、本発明によれば、相対圧センサにおいて、ワイヤの切断を適切に防止するとともに、センサ素子への水分の影響を極力抑制することができる。また、請求項1に記載の発明では、基準圧力室(14)の内壁には、当該内壁から突出する複数の隔壁部(16)が形成されていることを特徴とする。圧力センサが傾いたときなど、基準圧力室内のオイル状の部材が基準圧力室内の一方に偏在し、センサ素子がオイル状の部材から露出してしまう場合が起こる可能性がある。その点、本発明によれば、隔壁部によって基準圧力室内のオイル状の部材の移動を抑制することができるので、センサ素子を常にオイル状の部材によって封止しやすくでき、好ましい。
【0013】
また、請求項2に記載の発明では、上記請求項1に記載の圧力調整手段(50、60)は、ケース(10)の壁部に設けられ基準圧力室(14)から外部に通じる貫通孔(51、61)と、ケースの壁部に設けられ、ケースの外側から加わる外圧と貫通孔から加わる基準圧力室の内圧との圧力差によって変位する移動体(52、62)とを備えるものであることを特徴とする。
【0014】
それによれば、基準圧力室の外圧と内圧との差に応じて移動体が変位することで、基準圧力室の内圧変動に伴い基準圧力室の体積を適切に増減させることができる。
【0015】
また、請求項3に記載の発明では、上記請求項2に記載の移動体(52)は、貫通孔(51)の内部に設けられ上記の圧力差によって貫通孔内を摺動するものであることを特徴とする。
【0016】
それによれば、移動体は貫通孔の内壁と摺動しつつ変位するため、この移動体を境として貫通孔からオイル状の部材は漏れることが無くなり、適切な圧力調整手段を実現することができる。
【0017】
また、請求項4に記載の発明では、上記請求項2に記載の移動体は、ケース(10)の壁面の外側にて貫通孔(61)を覆うように設けられたベローズ体(62)であることを特徴とする。
【0018】
それによれば、貫通孔がベローズ体で覆われているからオイル状の部材の漏れを防止できると共に、ベローズ体の伸縮により基準圧力室の体積を適切に増減させることができる。つまり、適切な圧力調整手段を実現することができる。
【0022】
また、請求項5に記載の発明のように、上記オイル状の部材(40)としては、フッ素系オイルまたはシリコーン系オイルを採用することができる。これらのオイルは水に比べて表面張力が非常に小さく無極性であるため、水に対して濡れにくいという性質を持つ。
【0023】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図に示す実施形態について説明する。以下の各実施形態に示す圧力センサは相対圧センサであり、ガス圧センサや水位センサ等に適用される。また、説明の簡略化のため、各実施形態相互において同一部分には、図中、同一符号を付してある。
【0025】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る圧力センサS1の概略断面構成を示す図であり、図1において(a)は全体図、(b)は、(a)中の丸で囲んだA部の拡大図である。
【0026】
圧力センサS1は、金属や樹脂あるいはセラミック等を成形する等により形成されたケース10を備えている。このケース10は、図1中、下側に位置する第1のケース11と、上側に位置する第2のケース12とを組み付けて一体化したものである。
【0027】
第1のケース11の一端側には凹部13が形成されており、この凹部13の底部には、センサ素子20が接着等により固定され凹部13に収納されている。第2のケース12は、凹部13を覆うように第1のケース11に接着や溶接等により接合され固定されている。
【0028】
センサ素子20は例えばダイアフラムが形成された半導体基板を有する半導体ダイアフラム式のものであり、図1(a)では、センサ素子20の一面21と他面22がそれぞれ該ダイアフラムの一面側と他面側に相当するものである。そして、当該一面21と他面22とに印加される圧力差によりダイアフラムが歪み、この歪みに基づく電気信号が出力されるようになっている。
【0029】
このセンサ素子20は、例えば上記半導体基板を直接またはガラス台座等を介して第1のケース11に接着等により接合する。それにより、センサ素子20が第1のケース11に固定されている。
【0030】
ケース10において、凹部13は第2のケース12によって閉塞された部屋となっている。この部屋は、ケース10内にてセンサ素子20の一面21側に設けられた部屋であり、一定の内圧すなわち基準圧力となっている基準圧力室14として構成されている。
【0031】
一方、ケース10におけるセンサ素子20の他面22側すなわち第1のケース21には、センサ素子20の他面22側に測定圧力を導入するための測定圧力導入部15が形成されている。この測定圧力導入部15は、第1のケース10において突出して設けられた導入ポート15aと、この導入ポート15aとセンサ素子20の他面22側とを連通する導入孔15bとにより構成されている。
【0032】
本例では、閉塞された部屋である基準圧力室14は大気圧に維持されており、測定圧力導入部15には、ガス圧や水位変化に伴う圧力変化等といった測定部材からの測定圧力が導入されるようになっている。
【0033】
つまり、センサ素子20においては、一面21側は一定の基準圧力になっており、他面22側を受圧面として測定圧力が印加される。そして、基準圧力と測定圧力との比較、例えば両圧力の圧力差に基づいてセンサ素子20からの出力がなされ、圧力検出が行われるようになっている。
【0034】
また、センサ素子20の一面21側には、アルミや金等のワイヤボンディングにより形成されたワイヤ30の一端側が接続されている。このワイヤ30の他端側は、ケース10に配設されたリードフレーム等からなる図示しないターミナルに接続されている。これにより、センサ素子20の出力は外部に取り出されるようになっている。
【0035】
このような圧力センサS1において、本実施形態では、基準圧力室14内の全体に、撥水性を有するオイル状の部材40が封入されており、このオイル状の部材40によってセンサ素子20の一面21およびワイヤ30が包み込まれている。
【0036】
このオイル状の部材40は、例えばフッ素系オイルまたはシリコーン系オイル等を用いることができるが、一般的にオイルと呼ばれるものに限らず、水に濡れにくい性質すなわち撥水性を有するオイル状のものであれば良い。
【0037】
例えば、水の表面張力は70mN/mであるのに対し、フッ素オイルやシリコーンオイルの表面張力は20mN/m程度である。このようなオイル状の部材40は、水に比べて表面張力が非常に小さいので表面エネルギーが小さく極性が無いため、水に対し濡れにくい性質を持っている。
【0038】
さらに、ケース10における第2のケース12の壁面には、オイル状の部材40の漏れを防止しつつ、基準圧力室14の内圧変動に伴い基準圧力室14の体積を増減させる圧力調整手段50が設けられている。
【0039】
この圧力調整手段50は、ケース10における第2のケース12の壁部に設けられ基準圧力室14から外部に通じる貫通孔51と、第2のケース12の壁部に設けられケース10の外側から加わる外圧と貫通孔51から加わる基準圧力室14の内圧との圧力差によって変位する移動体52とからなる。
【0040】
本実施形態の圧力調整手段50においては、移動体52は、貫通孔51の内部に設けられ上記の圧力差によって貫通孔51の内面と接しつつ移動する、すなわち貫通孔51の内部を摺動するものである。
【0041】
具体的には、図1(b)に示すように、貫通孔51は、第2のケース12の壁部内に設けられた丸穴である空間部53と、この空間部53から基準圧力室14に通じ空間部53よりも径の小さい第1の孔54と、空間部53からケース10の外部に通じ空間部53よりも径の小さい第2の孔55とから構成されている。
【0042】
また、移動体52は、空間部53に収納された玉であり、当該玉の表面は空間部53の内面と接している。そして、この移動体52としての玉は、上記の圧力差によって空間部53内を摺動するようになっている。また、第2の孔55は、ストッパ56に対して貫通孔として形成されている。このストッパ56もケース10の一部を構成しており、金属や樹脂あるいはセラミック等から形成されている。
【0043】
このような圧力調整手段50においては、移動体52が空間部53の内面に接して空間部53の一方と他方とを遮断しているため、基準圧力室14内のオイル状の部材40が貫通孔51から漏れないようになっている。そして、上記圧力差が加わったときに移動体52が摺動することによって、貫通孔51内における移動体52の位置が変化するため、貫通孔51も含めた基準圧力室14の体積が増減するようになっている。
【0044】
この図1に示す圧力センサS1は、例えば次のようにして作ることができる。第1のケース11の凹部13内にセンサ素子20を固定し、ワイヤボンディング等を行ってワイヤ30を形成する。次に、凹部13にオイル状の部材40を注入し、第2のケース12を接合し固定する。
【0045】
また、第2のケース12における圧力調整手段50は、まず、ストッパ56を付けない状態で空間部53内に移動体52を投入し、その後、ストッパ56を接着や溶接等によって第2のケース12に固定することで形成することができる。このようにして上記圧力センサS1を製造することができる。
【0046】
なお、空間部53と移動体52は、オイル状の部材40が漏れずに移動体52が摺動するように、両者を精密に加工することが必要である。また、このことに関連して、空間部52を構成する第2のケース12と移動体52とは、熱膨張差が生じないように、同一もしくは同等の線膨張係数を有する材質であって線膨張係数の小さい金属や合成樹脂またはセラミック等を用いることが好ましい。
【0047】
そして、圧力センサS1においては、例えば、導入ポート15aを測定部材に挿入して導入ポート15aの部分を測定圧力下に置き、第2のケース12を大気圧下に置く。それにより、測定圧力導入部15は測定圧力環境に通じ、圧力調整手段15は大気圧環境に通じる。
【0048】
すると、センサ素子20の一面21側はオイル状の部材40を介して大気圧つまり一定の基準圧力となり、センサ素子20の他面22側は測定圧力を受圧する。そして、基準圧力と測定圧力との圧力差に応じてセンサ素子20から信号が出力され、この信号はワイヤ30から上記ターミナル等を介して外部に取り出されるようになっている。
【0049】
このような圧力センサS1によれば、センサ素子20の一面21およびワイヤ30を包み込んで保護しているオイル状の部材40は、従来のゲル材のように硬化するものではなく流動性を有する。そのため、温度が変化したり振動が加わってもワイヤ30の切断が発生しない。また、オイル状の部材40は撥水性があるため、水分の透過は大幅に抑制できる。
【0050】
また、圧力調整手段50によってオイル状の部材40の漏れを防止することができ、しかも圧力調整手段50によれば、温度変化等による基準圧力室14の内圧変動に伴い基準圧力室14の体積を増減させることができる。そのため、基準圧力室14内の内圧すなわち基準圧力を一定に維持することができ、センサ特性は確保される。
【0051】
よって、本実施形態によれば、相対圧センサである圧力センサS1において、ワイヤ30の切断を適切に防止するとともに、センサ素子20への水分の影響を極力抑制することができる。
【0052】
また、本実施形態では、圧力調整手段50を、上記貫通孔51と移動体52とを備えるものとしており、基準圧力室14の外圧と内圧との差に応じて移動体52が変位することで、基準圧力室14の内圧変動に伴い基準圧力室14の体積を適切に増減させることができる。
【0053】
特に、本実施形態の圧力調整手段50は、移動体52が上記圧力差によって貫通孔51の内壁と摺動しつつ変位する。そのため、この移動体52を境として貫通孔51からのオイル状の部材40の漏れを防止することができ、適切な圧力調整手段50が実現されている。
【0054】
ここで、このような貫通孔51内に摺動可能に設けられる移動体52としては、上記図1(b)に示すような玉形状のものに限定されない。例えば、貫通孔50の空間部53に応じた円柱または円筒形状のものであっても良い。また、移動体52の材質としてはゴム状のものを採用することも可能である。
【0055】
さらに、貫通孔51内を移動体52が摺動するという圧力調整手段50としては、次の図2に示すようなものでも良い。図2では、貫通孔51は一つの真っ直ぐな丸穴形状であり、この貫通孔50内には円筒状の移動体52が収納されている。
【0056】
この移動体52の外周面には、ゴム等からなるシール材としてのOリング52aが取り付けられており、このOリング52aと貫通孔51の内壁面とが接しつつ、移動体52は貫通孔51内を摺動可能となっている。このような図2に示す圧力調整手段50であっても上記と同様の作用効果を奏する。
【0057】
(第2実施形態)
図3は、本発明の第2実施形態に係る圧力センサの圧力調整手段60の概略断面構成を示す図である。本実施形態の圧力センサは、上記図1に示される圧力センサS1において圧力調整手段を変形したものであり、他の部分については同一である。
【0058】
本実施形態の圧力調整手段60も、上記同様、ケース10における第2のケース12の壁部に設けられ基準圧力室14から外部に通じる貫通孔61と、当該壁部に設けられケース10の外側から加わる外圧と貫通孔61から加わる基準圧力室14の内圧との圧力差によって変位する移動体62とを備える。
【0059】
ここにおいて、本実施形態では、移動体62は貫通孔61の外部に設けられた樹脂や金属等からなるベローズ体より構成されている。このベローズ体62は、一端側が開口部63、他端側が閉塞部64、中間部が蛇腹部65を構成しており、開口部63を第2のケース12に例えば溶着や接着等により固定している。
【0060】
そして、貫通孔61は、ケース10の壁面の外側にてベローズ体62によって覆われているため、基準圧力室14からのオイル状の部材40の漏れは防止することができる。また、このベローズ体62においては、その内面には貫通孔61から基準圧力室14の内圧が印加され、その外面には大気圧すなわち基準圧力が印加される。
【0061】
そのため、上記両圧力の差によって蛇腹部65が伸縮し、ベローズ体62の閉塞部64が変位するようになってる。それによって、ベローズ体62の体積を含む基準圧力室14の体積が増減することから、基準圧力室14内の内圧すなわち基準圧力を一定に維持することができ、センサ特性は確保される。
【0062】
よって、本実施形態においても、相対圧センサにおいて、ワイヤ30の切断を適切に防止するとともに、センサ素子20への水分の影響を極力抑制することができる。
【0063】
(第3実施形態)
図4は、本発明の第3実施形態に係る圧力センサS2の全体概略断面構成を示す図である。本実施形態は、上記図1に示す圧力センサS1において、基準圧力室14を構成するケース10の内壁に、当該内壁から突出する複数の隔壁部16を形成したことを相違点とするものであり、その他の部分は上記第1実施形態と同様である。
【0064】
本例では、複数個の隔壁部16は、基準圧力室14を構成する第1のケース11および第2のケース12の内壁から突出するもので、図4の紙面垂直方向に延びるストライプ形状をなしている。このような隔壁部16の作用効果は次のようである。
【0065】
基準圧力室14の全体にオイル状の部材40が封入されるが、完全に全体に封入することは難しく、部分的に空気が入り込む場合がある。この場合、圧力センサの取付方向によっては、圧力センサが傾いたときに基準圧力室14内のオイル状の部材が基準圧力室14内の一方に偏在する。
【0066】
すると、オイル状の部材40内の気泡が移動してセンサ素子20の一面に留まり、センサ素子20の一面がオイル状の部材40から露出してしまう場合が起こる可能性がある。
【0067】
その点、本実施形態によれば、隔壁部16によって基準圧力室14内のオイル状の部材40の移動すなわち気泡の移動を抑制することができるので、センサ素子20を常にオイル状の部材40によって封止しておくことが容易となり、好ましい。
【0068】
(他の実施形態)
なお、上記実施形態における圧力センサにおいては、基準圧力としては大気圧以外でも良く、例えば大気圧よりも高い圧力雰囲気あるいは低い圧力雰囲気の環境を基準圧力環境としても良い。要は、基準圧力は一定の圧力であれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧力センサの概略断面図であり、(a)は全体図、(b)は(a)中のA部拡大図である。
【図2】第1実施形態における圧力調整手段の変形例を示す概略断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る圧力センサの圧力調整手段の概略断面図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る圧力センサの全体概略断面図である。
【符号の説明】
10…ケース、14…基準圧力室、15…測定圧力導入部、16…隔壁部、
20…センサ素子、30…ワイヤ、40…オイル状の部材、
50…圧力調整手段、51、61…貫通孔、52…移動体、
62…ベローズ体。
Claims (5)
- ケース(10)と、
前記ケースに収納されたセンサ素子(20)と、
前記ケース内にて前記センサ素子の一面側に設けられ一定の基準圧力となっている基準圧力室(14)と、
前記ケースに設けられ前記センサ素子の他面側に測定圧力を導入するための測定圧力導入部(15)と、
前記センサ素子の一面に電気的に接続されたワイヤ(30)とを備え、
前記基準圧力と前記測定圧力との比較に基づいて圧力検出を行うようにした圧力センサにおいて、
前記基準圧力室には撥水性を有するオイル状の部材(40)が封入されており、このオイル状の部材によって前記センサ素子の一面および前記ワイヤが包み込まれており、
前記基準圧力室における前記ケースの壁部には、前記オイル状の部材の漏れを防止しつつ、前記基準圧力室の内圧変動に伴い前記基準圧力室の体積を増減させる圧力調整手段(50、60)が設けられており、
前記基準圧力室(14)の内壁には、当該内壁から突出する複数の隔壁部(16)が形成されていることを特徴とする圧力センサ。 - 前記圧力調整手段(50、60)は、前記ケース(10)の壁部に設けられ前記基準圧力室(14)から外部に通じる貫通孔(51、61)と、
前記ケースの壁部に設けられ、前記ケースの外側から加わる外圧と前記貫通孔から加わる前記基準圧力室の内圧との圧力差によって変位する移動体(52、62)とを備えるものであることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。 - 前記移動体(52)は、前記貫通孔(51)の内部に設けられ前記圧力差によって前記貫通孔内を摺動するものであることを特徴とする請求項2に記載の圧力センサ。
- 前記移動体は、前記ケース(10)の壁面の外側にて前記貫通孔(61)を覆うように設けられたベローズ体(62)であることを特徴とする請求項2に記載の圧力センサ。
- 前記オイル状の部材(40)は、フッ素系オイルまたはシリコーン系オイルであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一つに記載の圧力センサ。
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