JP3875311B2 - Pgaソケットモジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、PGAソケットモジュールに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータ内のマザーボードには、CPU(中央処理装置)としての機能を有する半導体パッケージが搭載されている。このような半導体パッケージとしては、現在のところ、片側面に多数のI/Oピンが立設されたPGA(ピングリッドアレイ)タイプが最も普及している。また、この種のPGAは、例えば各I/Oピンをマザーボード側のスルーホールに挿入した後にはんだ付けすることによって実装されるようになっている。
【0003】
ところで、パーソナルコンピュータのユーザーは、処理の高速化を目的としたパーソナルコンピュータのアップグレードを望む場合がある。この場合、既存のCPUをマザーボードから取り外して、新たに高機能なCPUを搭載することが必要になる。かかる場合の便宜を考慮した結果、近年ではPGA51を直接的に実装するのではなく、ソケット52を介して間接的にマザーボード53に実装することが一般的になってきている(図9参照)。なお、同図はアップグレード前の状態を示している。
【0004】
図9に示されるソケット52の下面には、マザーボード53側のスルーホールにはんだ付けされるソケット状ピン54が立設されている。ソケット状ピン54の上部には、PGA51のI/Oピン55を挿通させるための挿通穴が設けられている。かかる穴にI/Oピン55を挿通させる結果、マザーボード53側とPGA51側との電気的な接続が図られ、PGA51が動作可能な状態となる。
【0005】
図10にはアップグレード後の状態が示されている。同図においては、上側ソケット56及び下側ソケット57間に変換基板58を配置してなるモジュール66が介在されている。リジッドなプリント配線板からなる変換基板58には、多数のスルーホールが形成されている。それらのスルーホールのうちの約半数のものには、下側ソケット57側と変換基板58側とを電気的に接続するピン59が挿通されかつはんだ付けされている。また、前記スルーホールのうちの残りのものには、上側ソケット56の下面から突出するソケット状ピン60がはんだ付けされている。その結果、上側ソケット56の挿通穴には、高機能なPGA61のI/Oピン62が挿抜可能となっている。また、下側ソケット57の下面側には、ソケット52のソケット状ピン54の挿通穴に対して挿抜可能なソケット状ピン63が突設されている。
【0006】
そして、変換基板58において上側ソケット56の存在しない領域には、信号変換用のプログラムが格納されたIC64や、電圧を変換するための抵抗65等が実装されている。従って、このような構成にすると、PGA61をマザーボード53に適合させることができ、PGA61の本来の性能を充分に発揮できるようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図10のようなPGAソケットモジュール66を使用した場合、下側ソケット57と変換基板58と上側ソケット56とが必要になることから、必然的に全体が肉厚になる。すると、パーソナルコンピュータの筐体内へのモジュール66の収容が困難になってしまう。また、この場合には構成が複雑になる、高コストになる等の問題も生じる。
【0008】
一方、肉厚化等を回避すべくソケット56,57や変換基板58を使用せずにPGA61をそのまま搭載した場合には、信号等の変換がなされなくなり高速化を充分に図ることができなくなる。
【0009】
本発明は上記の課題を解決するためなされたものであり、その目的は、大型化、構成の複雑化、高コスト化を伴うことなく処理の高速化を達成することができるPGAソケットモジュールを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、複数の外部接続用ピンを備える変換基板の上面側に、PGAのI/Oピンが挿抜可能な複数のソケット状ピンを備えるソケットを配置してなるPGAソケットモジュールであって、前記変換基板としてのフレキシブルプリント配線板と、前記変換基板を貫通する第1のソケット状ピンと、前記変換基板の上面側に形成された導体回路のパッドに対して先端部がはんだ付けされている第2のソケット状ピンと、前記第2のソケット状ピンの真下に位置し、前記変換基板の下面からの前記第1のソケット状ピンの突出量と同程度に突出し、前記変換基板の下面側に形成されたブラインドバイアホールに基端部がかしめ付けされ、かつはんだ付けされている外部接続用ピンと、前記パッドと外部接続用ピンとの間に配置形成され、前記変換基板の内層に引き回される導体パターンと、を備えることを特徴とするPGAソケットモジュールをその要旨とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記変換基板において前記ソケットの側面よりも張り出した延出領域に湾曲可能部位を設けたことをその要旨とした。
【0013】
本発明の「作用」を説明する。
請求項1に記載の発明によると、PGAとマザーボードとの間を行き交う信号が変換基板において変換されることから、PGA本来の機能が充分に発揮されうる状態となり、処理の高速化が達成される。また、この構成によると変換基板の下面側にソケットが配置されていないので、従来の構成に比べてモジュール全体が肉薄になり小型化が達成される。さらに、下側ソケットがない分だけ構成的に簡単になり、それに伴って低コスト化も達成される。
【0014】
また、フレキシブルプリント配線板は概してリジッドなものより肉薄であるため、それを使用することはモジュール全体の肉薄化を図るうえで好適である。さらに、同配線板においてソケットの側面よりも張り出した延出領域があるときでも、そこを垂直方向に湾曲させることができる。従って、外形寸法を小さくすることができ、モジュール全体の小型化を図ることが可能となる。
【0015】
さらに、フレキシブルプリント配線板を貫通するソケット状ピンも外部接続用ピンとして使用することが可能となる。よって、外部接続用ピンの立設数を従来の半分程度に減少させることができる。ゆえに、ピン立て作業が容易になり、モジュールの製造容易化が図られる。また、フレキシブルプリント配線板にいわば多数の骨材が入った状態になることから、同配線板におけるソケット搭載部分の剛性が確実に向上する。よって、肉薄な配線板の使用が許容されるものとなり、さらなる全体の小型化を図ることができる。
【0016】
請求項2に記載の発明によると、PGAとマザーボードとの間を行き交う信号が変換基板において変換されることから、PGA本来の機能が充分に発揮されうる状態となり、処理の高速化が達成される。また、この構成によると変換基板の下面側にソケットが配置されていないので、従来の構成に比べてモジュール全体が肉薄になり小型化が達成される。さらに、下側ソケットがない分だけ構成的に簡単になり、それに伴って低コスト化も達成される。
【0017】
また、延出領域にある湾曲可能部位に沿って変換基板を湾曲させることにより、外形寸法を小さくすることができるため、モジュール全体の小型化を図ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態のPGAソケットモジュール1を図1〜図4に基づき詳細に説明する。
【0019】
図1,図2等に示されるように、この実施形態のPGAソケットモジュール1は、変換基板としてのフレキシブルプリント配線板(以下、FPCと略す。)2の上面側にソケット3を配置してなるものである。
【0020】
このFPC2は、矩形状をしたフレキシブルな多層板(本実施形態では6層板)である。同FPC2には、図1に示されるように多数のスルーホール4を略ロ字状に配置してなるスルーホール群THが形成されている。これらのスルーホール4は、一定のピッチで千鳥状に配置されている。前記スルーホール4にはソケット状ピン6が挿入されるようになっている。また、FPC2の下面側にはブラインドバイアホール5が多数形成されている。これらのブラインドバイアホール5には、外部接続用ピン7の基端部が挿入されるようになっている。
【0021】
なお、このFPC2は、ソケット3よりもいくぶん薄くなっている。従って、同FPC2は、延出領域18の付け根にある湾曲可能部位(図1の破線)B1 において湾曲されることができるようになっている。
【0022】
前記FPC2の上面側の各所には、外層導体回路の一部である矩形状の電子部品接続用のパッド8,9,10が形成されている。パッド8はDIP(デュアルインラインパッケージ)11を表面実装するためのものであって、FPC2における延出領域18に配置されている。パッド9はQFP(クアッドフラットパッケージ)12を表面実装するためのものであって、前記スルーホール群THによって囲まれた領域に配置されている。パッド10はチップ抵抗13を表面実装するためのものであって、FPC2における延出領域18に配置されている。なお、前記パッド10はFPC2の下面側にも形成されている。そして、前記電子部品11,12,13は、各パッド8,9,10に対していずれもはんだS1 を介して接合されている。
【0023】
図4に示されるように、このFPC2の外層や内層には、複数の導体回路14が形成されている。これらの導体回路14のうちのあるものは、隣接するスルーホール4のランド4aとソケット状ピン接続用パッド19との間をFPC2の上面側において電気的に接続している。また、導体回路14のうちの他のものは、前記スルーホール4と電子部品11〜13との間、前記ブラインドバイアホール5と電子部品11〜13との間、または電子部品11〜13同士の間を電気的に接続している。
【0024】
FPC2のブラインドバイアホール5には、図3(b)に示されるような構成を有する外部接続用ピン7の基端部がかしめ付けられ、かつはんだ付けされている。この外部接続用ピン7は、断面円形状をした導電性棒材21の基端部よりの位置にフランジ部22を設けてなるものである。同ピン7においてフランジ部22よりもさらに基端側の位置には、棒材21を潰すことで若干偏平状となったかしめ部23が形成されている。このかしめ部23は、ブラインドバイアホール5に対してピン7をプレスで圧入する際に塑性変形し、同ブラインドバイアホール5の内壁面に密着するようになっている。なお、前記導電性棒材21の形成材料としては銅や銅合金等がある。
【0025】
次に、ソケット3の構成について説明する。図1,図2等に示されるように、ソケット3は正方形状かつ枠状をした部材であって、その外形の大きさは被搭載物であるPGA24の大きさにほぼ等しい。ソケット3を構成する絶縁基板25は、QFP12の収容スペース確保、はんだ付けの容易化、放熱性向上等のための正方形状の中央孔26を備えている。この中央孔26の周囲には、断面円形状であって中央孔26よりも遙かに小径のピン挿通孔27が多数形成されている。
【0026】
図3(a)には、上記のようなピン挿通孔27に挿通される第1のソケット状ピン6が示されている。このピン6は、断面円形状をした導電性棒材28にフランジ部29を設けてなるものである。ピン6においてフランジ部29よりも基端部側の部分は、先端部側の部分に比べて太くなっている。この太軸部分には、軸線方向に沿って延びる挿通穴30が形成されている。この挿通穴30には、PGA24のI/Oピン31が挿抜されるようになっている。そして、上記のソケット状ピン6の基端部は、ピン挿通孔27の下面側開口から挿入されかつはんだ付けされている。なお、フランジ部29の下半分は絶縁基板25の下面側から突出している。また、フランジ部29の上半分はテーパ面になっており、当該部分は絶縁基板25に埋没している。フランジ部29よりも先端側は、細軸部分となっている。
【0027】
図3(c)に示される第2のソケット状ピン15は、第1のソケット状ピン6から細軸部分を省略した構造である。このソケット状ピン15も同様にピン挿通孔27の下面側開口から挿入されかつはんだ付けされている。
【0028】
図2に示されるように、マザーボード41にはあらかじめ固定ソケット42がはんだ付けによって脱着不能に固定されており、モジュール1はこの固定ソケット42の上面側に搭載された状態で使用される。このとき、第1のソケット状ピン6及び外部接続用ピン7は、固定ソケット42の有するソケット状ピン43の挿通穴に挿通される。なお、部品交換を行う際の便宜を図るため、当該接続部位にははんだ付けがなされない。
【0029】
一方、使用時においてPGA24は、モジュール1を構成するソケット3の上面側に搭載される。このとき、PGA24のI/Oピン31は、ソケット3の有するソケット状ピン6の挿通穴30に挿通される。そして、このときにはPGA24側とマザーボード41側とがモジュール1を介して電気的に接続される。従って、信号等はPGA24とマザーボード41との間を行き交うことが可能となる。その際、信号等がFPC2の電子部品11〜13によって適宜変換されることにより、PGA24本来の機能が充分に発揮される状態となる。
【0030】
次に、このPGAソケットモジュール1を製造する方法を簡単に紹介する。
まず、FPC2及びソケット3を作製する。FPC2は、ポリイミド絶縁基板を出発材料とし、サブトラクティブ法やアディティブ法等といった従来公知のパターン形成を行うことによって得ることができる。一方、ソケット3は、枠状の絶縁基板25にピン挿通孔27を透設した後、それらに対してソケット状ピン6,15を挿入することによって得られる。
【0031】
続く第1のピン立て工程では、FPC2のブラインドバイアホール5の下面側開口に対して、外部接続用ピン7の基端部をプレスで圧入する。すると、基端部にあるかしめ部23が塑性変形することにより、同ピン7がFPC2に対してかしめ付けられる。このとき各ピン7は、既にある程度強固に支持された状態(仮固定された状態)となる。
【0032】
続くはんだ印刷工程では、スルーホール4のランド4a、ブラインドバイアホール5のランド5a及びパッド19にクリームはんだを印刷する。クリームはんだの印刷は、例えばスクリーン印刷やそれ以外の手法によってなされる。前記クリームはんだとしては、例えば共晶はんだ(Pb:Sn=37:63,融点183℃)の粉末をベヒクルに分散させてなるもの等が使用される。
【0033】
続く第2のピン立て工程では、FPC2のスルーホール4の上面側開口に対し、ソケット状ピン6の細軸部分を挿通させる。このとき、第1のソケット状ピン6は、スルーホール4を貫通してFPC2の下面側から大きく突出した状態となる。また、第2のソケット状ピン15のフランジ部29の下面は、ソケット状ピン接続用パッド19の上面に相対した状態となる。
【0034】
続くリフロー工程では、ソケット3を上側に配置したFPC2をリフロー炉内にセットした後、クリームはんだが融点する温度付近まで炉内の温度を上昇させる。このような加熱の結果、溶融したはんだS1 によって、第1のソケット状ピン6がスルーホール4に接合され、第2のソケット状ピン15がパッド19に接合され、かつ外部接続用ピン7がブラインドバイアホール5に接合される。即ち、この方法によると、各ピン6,7,15が一括してはんだ付けされる。
【0035】
この後、電子部品11〜13をそれぞれのパッド8〜10に対して個別にはんだ付けすることにより、所望のPGAソケットモジュール1が完成する。このようにして作製されたモジュール1にPGA24を搭載したものを、マザーボード41の固定ソケット42に搭載すれば、PGA24を高速で動作させることができる。
【0036】
以下、本実施形態において特徴的な作用効果を列挙する。
(イ)このPGAソケットモジュール1では、PGA24とマザーボード41との間を行き交う信号が、変換基板としてのFPC2において変換されるようになっている。このため、PGA24の持つ本来の機能を充分に発揮することができ、処理の高速化を達成することができる。従って、このモジュール1を使用すれば、確実にマイクロコンピュータのアップグレードを図ることができる。
【0037】
(ロ)このモジュール1は、FPC2の上面側のみにソケット3を配置した構成を採っている。従って、変換基板の上下両面側にソケットを配置した従来の構成に比べて全体が肉薄になり、その分だけモジュール1の小型化を達成することができる。さらに、下側ソケットがなくなる分だけ構成的に簡単になり、それに伴って低コスト化も達成することができる。
【0038】
(ハ)また、FPC2はリジッドなプリント配線板よりも肉薄であるため、モジュール全体1の肉薄化に好適である。さらに、FPC2における延出領域18を垂直方向に湾曲させることができるため、それによっても外形寸法を小さくすることが可能である。このこともモジュール1全体の小型化に貢献している。なお、FPC2を湾曲させることは必ずしも必須ではなく、マイクロコンピュータの筐体側の収容スペースに応じて実施すればよい。
【0039】
(ニ)このモジュール1では、FPC2を貫通する第1のソケット状ピン6も外部接続用ピン2として使用することが可能である。よって、外部接続用ピン7の立設数を従来の半分程度に減少させることができる。ゆえに、ピン立て作業が容易になり、モジュール1の製造が容易になる。また、FPC2にいわば多数の骨材が入った状態になることから、FPC2におけるソケット3の搭載部分の剛性が確実に向上する。よって、肉薄なFPC2の使用を許容するものとなり、このことがさらなる全体の小型化に貢献する。
【0040】
(ホ)このモジュール1では、FPC2のブラインドバイアホール5に外部接続用ピン7の基端部をかしめ付けかつはんだ付けしたピン立て構造を採っている。よって、はんだ付けのみによるピン立て構造にした場合に比べて、確実にピン7の支持強度が向上する。また、支持強度の向上に伴ってピン7の相対的位置に狂いが生じにくくなるため、ピン7の位置精度も高くなる。よって、外部接続用ピン7をFPC2に対して直かに立設できるようになり、結果として下側のソケットが省略可能となる。
【0041】
(ヘ)本実施形態では、第1及び第2のピン立て工程を行った後に一括はんだ付けを行うことで、モジュール1を製造することを特徴としている。従って、ソケット状ピン6,15のはんだ付けと、外部接続用ピン7のはんだ付けとを別個に行ったときに発生する不具合もない。つまり、先に実施したはんだ付け部分のはんだS1 の再溶融が回避されるため、外部接続用ピン7の位置精度の悪化を確実に解消することができる。また、一括してはんだ付けを行う方法であると、別個にはんだ付けを行う方法に比べて、作業に要するトータルの時間も短くて済む。よって、PGAソケットモジュール1の生産性の向上を図ることができる。
【0042】
なお、本発明は例えば次のように変更することが可能である。
(1)図5に示される別例1のモジュール44のような構成としてもよい。ここでは、フランジ部29の下面側に細軸部分を突出してなる第2のソケット状ピン32が用いられている。同ピン32の細軸部分は、FPC2のスルーホール33の上面側開口に挿通され、かつそのランド部33aにはんだ付けされている。一方、同スルーホール33の下面側開口には、外部接続用ピン7のかしめ部23がかしめ付けられかつはんだ付けされている。また、スルーホール33内には絶縁体としてのプリプレグ34が介在されており、それによって製造過程における樹脂による穴埋まり等の防止が図られている。
【0043】
(2)図6に示される別例2のモジュール45のように、フレキシブル基材層35aとリジッド基材層35bとからなるFPC35を変換基板として使用してもよい。このモジュール45では、ソケット3の側面よりも張り出した延出領域18の付け根はフレキシブル基材層35aのみとなっており、当該部分がこのFPC35における湾曲可能部位B1 となっている。従って、このモジュール45では実施形態と比べて肉厚になるものの、外形寸法については小型化を図ることができる。
【0044】
(3)図7に示される別例3のように、延出部分18を両側に2つ設けたモジュール46としてもよい。この構成であると、FPC2を2箇所において湾曲させることができる。
【0045】
(4)図8に示される別例4のように、実施形態等に比較して延出部分18を長くしたモジュール47であってもよい。この構成であると、FPC2を湾曲させた場合に延出部分18をソケット3の上面にまで到らしめることができる。
【0046】
(5)変換基板として使用したFPC2は、6層板以外の多層板(例えば、2,3,4,5,7,8,9,10,11,12層板等)であってもよい。FPC2の構成簡略化や低コスト化や湾曲性を優先したい場合には層数を少なくすればよく、外形寸法の低減による小型化や高機能化を優先したい場合には層数を多くすればよい。
【0047】
(6)かしめ部23の形状は、図3(b)に示されたもののみに限定されるわけではなく、圧入時に塑性変形して穴部分の内壁面に密着しうるものであればどのようなものでもよい。
【0048】
ここで、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施形態によって把握される技術的思想をその効果とともに以下に列挙する。
(1) 請求項1において、前記外部接続用ピンの基端部には、偏平状に潰してなるかしめ部が設けられていることを特徴とするPGAソケットモジュール。この構成であると、第2のスルーホールに対してピンを確実にかしめ付けることができ、ピンの支持強度を向上させることができる。
【0049】
(2) 請求項1又は2,技術的思想1において、前記各ピンは一括はんだ付けによって接合されていることを特徴としたPGAソケットモジュール。この構成であると、ピンの支持強度や位置精度を向上させることができる。
【0050】
なお、本明細書中において使用した技術用語を次のように定義する。
「はんだ: 共晶はんだ等のように鉛及び錫を主成分として含むPb−Sn系のはんだをいうほか、Au系、In系、Bi系等のようなPbレスのはんだも含む。」
【0051】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、大型化、構成の複雑化、高コスト化を伴うことなく処理の高速化を達成することができるPGAソケットモジュールを提供することができる。
【0052】
上記の効果に加えて、ピン立て作業が容易になることによりモジュールの製造容易化を図ることができる。また、ソケット搭載部分の剛性向上によって肉薄な配線板の使用が許容されるものとなり、さらなる全体の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態のPGAソケットモジュールを示す概略分解斜視図。
【図2】同ソケットモジュールの概略側面図。
【図3】(a)は第1のソケット状ピンを示す斜視図、(b)は外部接続用ピンを示す斜視図、(c)は第2のソケット状ピンを示す斜視図。
【図4】同ソケットモジュールを示す要部拡大部分断面図。
【図5】別例1のソケットモジュールを示す要部拡大部分断面図。
【図6】別例2のソケットモジュールを示す概略側面図。
【図7】別例3のソケットモジュールを示す概略側面図。
【図8】別例4のソケットモジュールを示す概略側面図。
【図9】従来におけるPGAの搭載構造を示す概略側面図。
【図10】従来におけるPGAの搭載構造を示す概略側面図。
【符号の説明】
1,44,45,46,47…PGAソケットモジュール、2,35…変換基板としてのFPC、3…ソケット、6…第1のソケット状ピン、7…外部接続用ピン、15,45…第2のソケット状ピン、18…延出領域、24…PGA、31…I/Oピン、B1 …湾曲可能部位。
Claims (2)
- 複数の外部接続用ピンを備える変換基板の上面側に、PGAのI/Oピンが挿抜可能な複数のソケット状ピンを備えるソケットを配置してなるPGAソケットモジュールであって、
前記変換基板としてのフレキシブルプリント配線板と、前記変換基板を貫通する第1のソケット状ピンと、前記変換基板の上面側に形成された導体回路のパッドに対して先端部がはんだ付けされている第2のソケット状ピンと、前記第2のソケット状ピンの真下に位置し、前記変換基板の下面からの前記第1のソケット状ピンの突出量と同程度に突出し、前記変換基板の下面側に形成されたブラインドバイアホールに基端部がかしめ付けされ、かつはんだ付けされている外部接続用ピンと、前記パッドと外部接続用ピンとの間に配置形成され、前記変換基板の内層に引き回される導体パターンと、を備えることを特徴とするPGAソケットモジュール。 - 前記変換基板において前記ソケットの側面よりも張り出した延出領域に湾曲可能部位を設けたことを特徴とした請求項1に記載のPGAソケットモジュール。
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JPH09331124A (ja) | 1997-12-22 |
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