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JP3875099B2 - 粒状洗剤組成物 - Google Patents

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Description

技術分野
本発明は、スプーンで使用するに好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物に関する。
背景技術
1987年に始まった粉末洗剤のコンパクト化は、スプーンによる計量方法と併せて、使用者の使い勝手を大幅に改善し、また輸送効率の向上や流通・家庭における置き場体積の減少等に大きな利点をもたらしたことで、短期間の内に地球規模で普及した。
粉末洗剤のコンパクト化技術は、近年集中的に取り組まれているが、その技術課題の主眼は、『いかにコンパクト化するか』と言ったことに置かれており、コンパクト洗剤における粉末物性向上化の検討は、製造上の適合性やコンパクト化によって生じるケーキング性等の問題を解決することに置かれており(ネガティヴな課題の解決)、粒状洗剤組成物の粉末物性を格段に向上させることで、消費者の使用感や使い勝手を向上させる等の試み(ポジティヴな価値の提案)は、ほとんどなされていなかった。
例えば、従来の粉末洗剤においてはスプーンでの掬い取り動作に対して、スプーンの掬い取り部に洗剤が充填されるに従って洗剤からの応力が大きくなるため、この操作を片手で行おうとすると箱が動いてしまい、掬い取りにくいばかりか、箱から洗剤をこぼしてしまうなどの問題があった。
また、掬い取った後スプーン計量を行う動作では、ある程度スプーンを傾けた後に突然洗剤粒子が流れ落ちるなど、スプーンからの洗剤粒子の流れ出しが連続的でないために計量目盛りに洗剤を合わせ難いばかりか、計量目盛りに合わせる為に何度も掬い取り動作をすることによりスプーン掬い取り部への洗剤粒子の充填構造が変化し正確な計量を行うことが困難であった。
さらに、洗剤を洗濯機に投入する際には、洗剤粒子の流れ出しが連続的でない洗剤は、塊として投入されることが多く、その結果、注水前に洗剤を投入し、更に低浴比及び弱攪拌の洗濯を行った場合には、機械力がかからない注水時に洗剤が凝集し、さらに攪拌力が弱いために洗剤凝集体が分散しきれず、水不溶性無機物が衣料に残留する不都合が発生しやすいといった問題を抱えていた。
発明の開示
高密度粒状洗剤組成物においては、スプーン型計量器を用いて高密度粒状洗剤組成物を計量し、洗濯機に投入するという操作を簡便に行うためには、粒状洗剤組成物を掬い易く、かつ、計量線に粒状洗剤組成物を合わせ易い(以下、計量し易さという)ことが望ましい。また、水不溶性無機物が衣料に残留する不都合を低減するために、洗剤を洗濯機に投入する際に均一に分配し易い(以下、振りまき易さという)ことが望ましい。さらに、さらさらした粉の感じは使用者にとって快いものである。
従って、本発明は、粒状洗剤組成物の粉末物性を格段に向上させることで、洗濯機に塊として投入されにくい為に、洗濯後の衣類への粒状洗剤組成物の溶け残りが格段に低減されたものであり、また、使用者がスプーン等の計量器を用いて洗剤を使用する際に容易に計量操作できるといった、消費者の使用感の高いスプーン計量で使用するに好適な簡易計量性および分配性を有する高密度粒状洗剤組成物を提供すること、ならびに該粒状洗剤組成物を提供するための製造方法を提供することにある。
本発明者らは、掬い易さと、計量し易さおよび振りまき易さを両立させる粒状洗剤組成物を得る目的で、流動性時間をはじめ、嵩密度、平均粒径、粒度分布、微粉率、球形度および粉体層の引っ張り強度等の粒状洗剤組成物の粉末物性を種々変化させた100以上にのぼる試料について、スプーンでの掬い易さと、計量し易さおよび振りまき易さを調べてみた。
その結果、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、一定量の粒状洗剤組成物が流出するのに要する時間(流動時間)のような、従来から用いられている流動性指標の最適化だけで本願の課題解決をはかることは、到底困難であることが明らかとなった。このことは、これらの流動性指標は、微粉体の流れはじめから流れ終わりまでというある一定時間内での粉末物性を表しているに過ぎず、微小な時間内で刻々と変化する粒状洗剤組成物の複雑な流動挙動変化を表わすことが出来ていないこと等に原因がある。
そこで本発明者らは、先に得られた種々の洗剤試料のデータ解析を進める一方で、使用者の『掬う。』『計る。』『振りまく。』と言った、洗剤の計量から投入までの動作の解析を詳細に行うことで、新たに、現実場面により則した粉末物性指標である、掬い易さを表す指標としての進入圧(P)、計量し易さとしてのΔ落下率(D)、および振りまき易さを表す指標としての粉粒体落下速度分散(V)の導入を果たした。
そこで、先ず、振りまき易さを表す指標である粉粒体落下速度分散(V)と、粒状洗剤組成物の溶け残り性との関係を調べ、粉粒体落下速度分散(V)をある一定値以下とすることで粒状洗剤組成物の溶け残りの発生を低減できる条件を見出した。
続いて、上記振りまき易さに加え、掬い易さ、および計量し易さを両立させる条件を求めるべく、掬い易さを表す指標としての進入圧(P)と、計量し易さとしてのΔ落下率(D)の2軸の操作因子を変化させながら検討を加えたところ、進入圧(P)と、Δ落下率(D)の両者が共に小さいことが重要であり、かつ両者が特定の範囲内(K値)の関係となった場合に上記課題についての現実的な解決手段が与えられることが分かった。
その結果、商品価値として『片手でこぼさず掬えて、一発計量!溶け残りも低減。』とも表現できる、今までにない利便性と、かつてないサラサラとした触感を兼ね備えたスプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物が得られることを見い出した。
また、該スプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物について、その製造方法を検討したところ、本発明の操作因子である粉粒体落下速度分散(V)と、進入圧(P)およびΔ落下率(D)の制御は、それぞれ粒状洗剤組成物の製造にあたって、粒度調整、粒子形状調整および粒子間付着力調整からなる粉末物性調整操作を行うことで達成しうることが判明した。
特に、該粒状洗剤組成物の平均粒径、粒度分布(ロジンラムラー分布の分布指数)、粒径125μm以下の微粉率、球形度、および粉体層の引っ張り強度の各調整因子について、最低限満たすことが好ましい操作範囲に調整し、かつ上記項目の群から選ばれるいずれか2つ以上の調整因子について、より好ましい範囲に特化させる調整を行うことで、極めて容易に目的とするスプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物が得られることを見い出し、本発明を完成した。
即ち、本発明は、
〔1〕界面活性剤、水不溶性無機物及び水溶性塩類を含有する嵩密度が500g/L以上の粒状洗剤組成物であって、粉粒体落下速度分散Vが1.0以下であって、且つ進入圧Pが80gf/cm以下、Δ落下率Dが14%以下であり、さらに式(1)に示す指数Kが30〜230である、スプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物、
K=P×exp(0.135×D) (1)
〔但し、Pは進入圧(gf/cm)、DはΔ落下率(%)を示す〕
〔2〕界面活性剤、水不溶性無機物及び水溶性塩類を含有する嵩密度が500g/L以上の粒状洗剤組成物の製造方法であって、該粒状洗剤組成物を構成する洗剤粒子の粉粒体落下速度分散Vが1.0以下、進入圧Pが80gf/cm以下、Δ落下率Dが14%以下、及び前記〔1〕に記載の式(1)に示す指数Kが30〜230に、粒度調整、粒子形状調整及び粒子間付着力調整を行う、スプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物の製造方法
に関する。
発明を実施するための最良の形態
本発明における洗剤粒子とは、界面活性剤、水不溶性無機物及び水溶性塩類を含有してなる粒子である。そして粒状洗剤組成物は、洗剤粒子を含有し、更に必要に応じて洗剤粒子以外に別途添加された洗剤成分(例えば、ビルダー顆粒、蛍光染料、酵素、香料、消泡剤、漂白剤、漂白活性化剤等)を含有する組成物を意味する。また、洗剤物品とは、粒状洗剤組成物を容器に封入し、スプーン型計量器を備えた物品を意味する。また、本発明において水不溶性無機物とは、25°Cの水100gに対する溶解度が0.5g未満の無機物であり、水溶性塩類とは、25°Cの水100gに対する溶解度が0.5g以上且つ分子量1千未満のものである。
1.本発明の粒状洗剤組成物について
(1)界面活性剤
本発明の粒状洗剤組成物中に配合される界面活性剤の含有量は、洗浄力、及び粒状洗剤組成物が所望の粉末物性を得る等の点より、粒状洗剤組成物の好ましくは10〜60重量%、より好ましくは15〜50重量%、更に好ましくは20〜45重量%である。界面活性剤は、陰イオン界面活性剤及び/又は非イオン界面活性剤を含有し、必要に応じて陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤を含有しても良い。
陰イオン界面活性剤として、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩又はそのエステル、アルキル又はアルケニルエーテルカルボン酸塩、脂肪酸塩、アルキルリン酸塩等が挙げられる。陰イオン界面活性剤の含有量は、洗浄力の点で、好ましくは粒状洗剤組成物の1〜50重量%、より好ましくは5〜30重量%である。
非イオン界面活性剤として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグリコシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド、プルロニック型非イオン性界面活性剤等が挙げられる。洗浄力の点で、炭素数10〜18、好ましくは12〜14のアルコールのエチレンオキシドの付加物、もしくはエチレンオキシドとプロピレンオキシドの混合付加物であって、アルキレンオキシド平均付加モル数5〜30、好ましくは6〜15のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
非イオン界面活性剤の含有量は、洗浄力の点から粒状洗剤組成物の1〜50重量%が好ましく、より好ましくは5〜30重量%、更に好ましくは5〜15重量%である。
陽イオン界面活性剤として、アルキルトリメチルアンモニウム塩等が、両性界面活性剤として、カルボベタイン型、スルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
(2)水不溶性無機物
本発明の粒状洗剤組成物には水軟化剤、製剤化の為の助剤(吸油基剤や表面皮膜剤)の目的で、水不溶性無機物が好ましくは組成物中に3〜60重量%、より好ましくは5〜50重量%、更に好ましくは10〜45重量%、特に好ましくは15〜40重量%、最も好ましくは15〜37重量%、中でも好ましくは20〜35重量%含有される。
水不溶性無機物として、例えば、結晶性アルミノ珪酸塩、非晶質アルミノ珪酸塩、二酸化珪素、水和珪酸化合物、パーライト、ベントナイト等の粘土化合物等が挙げられ、洗浄能力や洗剤の未溶解残留物の発生を促さない等の理由から、結晶性アルミノ珪酸塩が好ましい。結晶性アルミノ珪酸塩として好適なものは、A型ゼオライト(例えば、商品名:「トヨビルダー」;東ソー(株)社製、「ゼオライト4Aパウダー」;ゼオビルダー社製、「Zeolite」;日本ビルダー社製、「VEGOBOND」;コンディア社製等)であり、金属イオン封鎖能及び経済性の点でも好ましい。ここで、A型ゼオライトの、JIS K 5101法による吸油能の値は40mL/100g以上であることが好ましい。その他、P型(例えば、商品名:「Doucil A24」、「ZSE064」等;いずれもCrosfield社製;吸油能60〜150mL/100g)、X型(例えば、商品名:「WessalithXD」;Degussa社製;吸油能80〜100mL/100g)、国際公開第98/42622号パンフレットに記載のハイブリッドゼオライトも好適な結晶性アルミノ珪酸塩として挙げられる。
非晶質アルミノ珪酸塩としては、長期間の保存を経ても高い溶解性を維持する(変質しない)観点から、SiO/Al(モル比)が好ましくは4.0以下、より好ましくは3.3以下のものが好ましく、特開平5−5100号公報第4欄第34行〜第6欄第16行(特に第4欄第43〜49行の吸油担体)や特開平6−179899号公報第12欄第12行〜13欄第17行、第17欄第34行〜第19欄第17行に記載の性質を持つものが挙げられ、中でも、水銀ポロシメータ(島津製作所(株)製「SHIMADZU製ポアサイザ9320」)で測定される孔径0.015〜0.5μmの容積が0〜0.7mL/g、孔径0.5〜2μmの容積が0.30mL/g以上のものが好適である。
(3)水溶性塩類
本発明の粒状洗剤組成物には、洗浄力向上の為、水溶性塩類が好ましくは3〜60重量%、より好ましくは5〜55重量%、更に好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは30〜45重量%含有される。
水溶性塩類としては炭酸塩、炭酸水素塩、硫酸塩、亜硫酸塩等の無機塩、及び、クエン酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等の有機酸塩を例示することができる。
(4)その他の成分
本発明の粒状洗剤組成物には、金属イオン封鎖能や固体粒子汚れの分散能等の点で、カルボン酸基及び/又はスルホン酸基を有するカチオン交換型ポリマーの配合が好適であり、特に、分子量が1千〜8万のアクリル酸−マレイン酸コポリマーの塩、ポリアクリル酸塩や特開昭54−52196号公報に記載の分子量が8百〜百万、好ましくは5千〜20万のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸塩が配合される。該カチオン交換型ポリマーは、洗浄力の点から粒状洗剤組成物の好ましくは0.5〜12重量%、より好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜7重量%、特に好ましくは2〜5重量%含有される。
アルカリ剤として非晶質または結晶質の珪酸塩も好ましい基剤である。該珪酸塩は、粒状洗剤組成物の、好ましくは0.5〜40重量%、より好ましくは3〜30重量%含有される。
本発明においては、常温で液体である非イオン界面活性剤が保存時に粒子から染み出して粉体層の引っ張り強度が増加したり、保存時にケーキングし易くなることを防止するために、融点45〜100℃、分子量1千〜3万の水溶性非イオン性有機化合物(以下、融点上昇剤という)、又はこの水溶液を配合することができる。本発明で用いることのできる融点上昇剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を挙げることができる。
また、同様の染み出し防止の目的で、カルボン酸基又はリン酸基を有する陰イオン界面活性剤(但し、硫酸基又はスルホン酸基をさらに有するものを除く。)を配合することができる(以下、ゲル化剤という)。具体的には、脂肪酸塩、ヒドロキシ脂肪酸塩、アルキルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤等が挙げられる。特に、炭素数10〜22の脂肪酸もしくはヒドロキシ脂肪酸のナトリウム、カリウムのアルカリ金属塩、アルカノールアミン等のアミン塩から選ばれる1種以上が溶解性の点で好ましいものとして挙げられる。
該融点上昇剤及び該ゲル化剤を総称して染み出し防止剤という。染み出し防止剤は、非イオン界面活性剤成分100重量部に対し好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜75重量部、さらに好ましくは20〜75重量部、特に好ましくは30〜75重量部の割合で配合することができる。また、染み出し防止剤として、融点上昇剤とゲル化剤の混合物を用いると、染み出し防止効果や耐ケーキング性をさらに向上させることができる。この場合、融点上昇剤のゲル化剤に対する重量比は好ましくは10/1〜1/10、より好ましくは8/1〜1/8、さらに好ましくは3/1〜1/3、中でも好ましくは3/1〜3/4である。
また、洗浄力の向上の観点から非イオン界面活性剤の配合は好ましい態様であるが、上記と同様の観点から、非イオン界面活性剤は、陰イオン界面活性剤と併用して用いることが好ましい。陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の重量比は、陰イオン界面活性剤/非イオン界面活性剤は、19/1〜1/19が好ましく、19/1〜4/16がより好ましく、19/1〜7/13がより好ましく、19/1〜10/10がさらに好ましい。
本発明の粒状洗剤組成物は、カルボキシルメチルセルロース、ポリエチレングリコール、及びポリビニルアルコール等の分散剤、又はポリビニルピロリドン等の色移り防止剤、過炭酸塩等の漂白剤、特開平6−316700号公報記載の化合物及びテトラアセチルエチレンジアミン等の漂白活性化剤、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、リパーゼ等の酵素、ビフェニル型、スチルベン型蛍光染料、消泡剤、酸化防止剤、青味付剤、香料等を配合できる。尚、酵素、漂白活性化剤、消泡剤等が別途粒状化された粒子群は、アフターブレンドしても良い。
2.粉末物性について
本発明の粒状洗剤組成物は、スプーン計量で使用するのに好適な簡易計量性、分配性に優れたものである。この優れた簡易計量性、分配性等の特性は、以下に述べる粉末物性を有することによって発現される。なお、以下に述べる粉末物性はすべて温度25±5℃、湿度40±10%の恒温室の中で測定を行った場合のものである。
(1)進入圧(P)
本発明において、スプーン型計量器による掬い易さの指標として進入圧Pを用いる。進入圧Pは、規定の容器に充填された粒状洗剤組成物に対して、垂直方向に一定速度で規定のアダプターを進入させ、単位長さまで進入させた際に生じる応力を表している。該進入圧は、使用者がスプーンを粒状洗剤組成物に挿入した際に生じる応力と関係があり、該進入圧が低い粒状洗剤組成物であるほど、スプーンで粒状洗剤組成物を掬う際に、箱が動き難く片手でも操作容易であり、また、粒状洗剤組成物をこぼすなどの心配が低減されたものとなる。
上記の理由から、本発明の高密度粒状洗剤組成物の進入圧Pは80gf/cm以下、より好ましくは60gf/cm以下、更に好ましくは40gf/cm以下、特に好ましくは30gf/cm以下とされる。
進入圧Pは、以下の様に測定する。
被験粒状洗剤組成物をJIS K 3362により規定されたホッパーを用いて直径5.0cm、容積100mlとなる金属製円筒状容器に充分量注入し、容器上部からはみ出した部分を静かに擦り切って粉体表面を水平にする。応力測定装置に、内径3.0cm、高さ3.5cmであって内部が空洞である厚さ1.5mmの金属製の円筒状アダプターを装着し、2.0cm/min.の速度で前記の容器に注入した粉体に鉛直方向に進入させる。円筒状アダプターを1.0cm進入した際の円筒状アダプターと洗剤間に生じる最大応力を進入圧P(gf/cm)と定義する。なお、応力測定装置としては、例えばFUDOH社製のRHEOTECUなどを用いることができる。円筒状アダプターとしては、例えば、RHEOTECH社製の粘稠度測定用アダプターを用いることができる。
(2)Δ落下率(D)
本発明において、粒状洗剤組成物のスプーン型計量器の計量線への合わせ易さ、およびスプーン型計量器からの粒状洗剤組成物の計量性を表す指数として、Δ落下率Dを用いる。Δ落下率Dは、ホッパーからの流動時間を用いた流動性の指標等に比べて、スプーン計量に際しての粒状洗剤組成物の流動性の善し悪しをより正確に示す指数である。
ここで導入したΔ落下率Dとは、測定試料を充填した第2図に示した保持部材2について、一定の角速度をもって漸次傾斜させて落下する粉粒体の重量を経時的に測定を行い、得られた測定試料の全重量に対する、保持部材2の傾斜角度θにおける落下重量の比を角度θにおける落下率(%)と定義し、同様に測定された基準粉体の落下率(%)との差を角度範囲内で平均値として求めたもののことである。
測定例を第3図に示す。ここで、第3図の粒状洗剤組成物Aは、基準粉体(ガラスビーズ)の落下挙動により近く、より僅かな傾斜角度においてもスプーンに充填された粒状洗剤組成物が落下することを示しており、一方、粒状洗剤組成物Bは、僅かな傾斜角度ではスプーンに充填された粒状洗剤組成物が落下せず、ひとたび落下が起これば、多くの粒状洗剤組成物が一度に落下しやすい傾向にあり、非常に計量しずらいことが分かる。
上記の理由から、本発明の粒状洗剤組成物のΔ落下率Dは14%以下、より好ましくは12%以下、更に好ましくは11%以下、特に好ましくは10%以下、特に好ましい中でもより好ましくは9%以下、特に好ましい中でも更に好ましくは8%以下とされる。
Δ落下率(D)は以下の様に測定する。
第1図に示すような「粉粒体の流動特性測定装置」を用いて粉粒体の流動特性測定実験を行う。この装置の詳細は、特願平10−374973号の段落番号0011〜0016に記載されている。粉粒体の流動特性測定装置1は、保持部材2によって保持される粉粒体3の流動特性を測定するもので、その保持部材2の支持機構4、傾斜装置5、傾斜測定装置6、重量測定装置7、及び演算装置8を備えている。その支持機構4は、ベース11上に設けられる支柱12により水平軸中心に回転可能に支持される回転部材13を有し、その回転部材13の先端に取り付けられる挟み込み具(図示せず)に保持部材2が着脱可能とされている。その保持部材2は、第2図(2)に示すように、円柱体を端面視形状が1/4円になるように分割した形状を有し、xx’=yy’=zz’=4cm、xy=xz=x’y’=x’z’=5cm、∠yxz=∠y’x’z’=90°であり、上部開口が粉粒体の流出部2aとされた中空体(上記寸法は、内部系を表す)である。また、演算装置8に出力装置9が接続されている。
その傾斜装置5は、そのベース11上に設けられるモータ16の回転を巻きかけ電動機構17、減速機構18を介して上記回転部材13に伝達し、その回転部材13を回転させることで、上記支持機構4により支持された保持部材2を設定した速度で漸次傾斜させることができる。その傾斜により、保持部材2に保持された粉粒体3を流出部2aから落下させることができる。そのモータ16は速度調整装置(図示せず)に接続され、その回転速度を変化させることで保持部材2の傾斜速度を調節できる。
重量測定装置として天秤を用い、そこからA/Dコンバータを用いて、演算装置に重量値を取り込む。天秤の精度は0.01gfオーダーのものを用いる。例えば、研精工業(株)製の電磁式はかりHF−2000などを用いることができる。A/Dコンバータはそれを通して演算装置に取り込まれた値のSN比が0.05以下(ここでいうSN比とは、Δ落下率の測定に用いる測定試料の全重量に対応するシグナルに対するノイズの比の値である)となるようなものを用いる。
前記装置を用いての使用方法は、特願平10−259360号(特開2000−074811号公報)の段落番号0017〜0019に記載の方法に準じて保持部材を漸次傾斜させて落下する粉粒体の重量を時系列に測定してΔ落下率を求める。即ち、流出部2aは重量測定装置7の受け皿20に対して20cmの高さになるように保持部材2を備え付けたうえで、保持部材2の角度を0°に調整する。次に、測定試料を流出部2aの上方10cmの高さから漏斗を用いて流出部2aに充分量注入し、その後流出部2aからはみ出している試料を静かに擦り切って除去する。保持部材2を1秒間に6.0°の角速度で回転させ、保持部材2の角度θが0°から180°となるまで回転させる。その間、重量測定装置7にて80分の1秒ごとに試料(粉粒体3)の落下重量の測定を行い、その時のθと落下重量を逐次記録する。
そして、測定試料の全重量に対する、保持部材2の傾斜角度θにおける落下重量の比を角度θにおける落下率(%)と定義し、これをY(θ)とする。次に基準粉体についても同様に落下率(%)を求め、これをX(θ)とする。ただし、ノイズの低減を行うために、以下のデータ処理を行って保持部材2の傾きθに対する落下率を定義する。
角度θにおける落下率は、角度(θ−2.9325)°から角度θまでの計40点分の落下重量の測定値の平均値を角度θにおける落下重量とし、測定試料の全重量に対する、角度θにおける落下重量の比を角度θにおける落下率(%)と定義する。
ここで、落下率の差すなわちX(θ)−Y(θ)を50°≦θ≦110°について求め、その値の平均値をΔ落下率D(%)と定義する。また、基準粉体としては、20℃における比重2.5、屈折率1.52、球形度120〜130であるガラスビーズをJIS Z 8801に規定される篩を用いて425−500μmに分級し、充分に清浄乾燥したものを用いる。ガラスビーズとしては、例えば、IUCHI社製ガラスビーズBZ−04を用いることができる。
また、上記データ処理によって得られる落下率データのノイズの振れ幅が1.5%以下となるようなA/Dコンバータを用いる。
(3)粉粒体落下速度分散(V)
本発明の粒状洗剤組成物は、水不溶性無機物が衣料に残留する不都合を低減するために、洗剤を洗濯機に投入する際に均一に投入し易い(振りまきやすい)ことが重要な要件である。粉粒体落下速度分散Vは、ホッパーからの流動時間を用いた流動性の指標等に比べて、スプーンを傾けて粒状洗剤組成物を投入する際の流動性の善し悪しをより正確に示す指数である。
ここで導入した粉粒体落下速度分散Vとは、Δ落下率(D)の測定と同様に、測定試料を充填した第2図に示した保持部材2について、一定の角速度をもって漸次傾斜させて落下する粉粒体の重量を経時的に測定を行い、得られた各単位時間(単位角度とも言える)あたりの粉粒体落下重量(粉粒体落下速度という)を求め、測定範囲内における該粉粒体落下速度の数学的分散値を求めたものである。具体的には、第4図に示したように、傾斜角度θに対して、連続的に一定量の粉粒体が落下している第4−1図のような場合は、粉粒体落下速度は一定であり、粉粒体落下速度分散Vは0となる。一方、傾斜角度θに対して、粉粒体の落下が不連続的である第4−2図、4−3のような場合は、落下速度に変動が表れ、特に第4−3図のようにVが大きいほど、不連続性が大きく、振りまいたときに一カ所に塊って投入されやすいことを示している。
即ち、振りまきやすさ(分配性)の観点から、本発明の高密度粒状洗剤組成物の粉粒体落下速度分散Vは、1.0以下、好ましくは0.9以下、より好ましくは0.8以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.4以下とされる。
粉粒体落下速度分散Vは以下のようにして測定する。
Δ落下率の測定に用いたのと同一の「粉粒体の流動特性測定装置」を用いて粉粒体の流動特性測定実験を行う。具体的な操作は、前記のΔ落下率の測定の場合と同様に、流出部2aは重量測定装置7の受け皿部分20に対して20cmの高さとなるように保持部材2を備え付けたうえで、保持部材2の角度θを0°に調整する。次に、測定試料を流出部2aの上方10cmの高さから漏斗を用いて流出部2aに充分量注入し、その後流出部2aからはみ出している試料を静かに擦り切って除去する。保持部材2を1秒間に6.0°の角速度で回転させ、保持部材2の角度θが0°から180°となるまで回転させる。その間、重量測定装置7にて80分の1秒ごとに試料の落下重量の測定を行い、その時のθと落下重量を逐次記録する。
そして、保持部材2の傾斜角度θにおける落下率の微分値を角度θにおける落下速度(%/deg.)と定義し、これをv(θ)とする。ただし、ノイズの低減を行うために、以下のデータ処理を行って保持部材の傾きθに対する落下率、落下速度を定義する。
角度θにおける落下率は、角度(θ−2.9325)°から角度θまでの計40点分の落下重量の測定値の平均値を角度θにおける落下重量とし、測定試料の全重量に対する、角度θにおける落下重量の比を角度θにおける落下率(%)と定義する。
角度θにおける落下速度は、角度(θ−0.675)°から(θ+0.675)°までの計19点に関して横軸に角度、縦軸に先述の落下率(%)をプロットし、最小2乗法を用いて得られる直線の傾きの値(%/deg.)と定義する。また、前記最小2乗近似直線の傾きの値は、JIS Z 8901に準じて求めることができる。
ここで保持部材2の傾斜角度θ(°)に対して試料粉体の落下速度v(θ)(%/deg.)を測定し、試料粉体の落下率Y(θ)が1%から99%の間となるθに対してv(θ)の値の数学的分散を計算し、これを粉粒体落下速度分散Vと定義する。
即ち、
V=(nΣ(v(θ))−(Σv(θ)))/n
(nはY(θ)が1%から99%の間となるデータの総数)
と表すことができる。
(4)指数K
本発明においては、スプーン型計量器を用いて、粒状洗剤組成物を掬い取り、計量するという一連の動作のし易さを総合的に表す指数として式(1)に示す指数Kを導入する。
K=P×exp(0.135×D) 式(1)
(但し、Pは進入圧(gf/cm)、DはΔ落下率(%)を示す)
本発明者らは、進入圧PとΔ落下率Dの種々異なる粒状洗剤組成物を用いて、進入圧PとΔ落下率の2軸の操作因子を変化させながら掬い易さと計量のし易さとの関係を調べたところ、両者がある範囲内の関係となった場合に、『片手でこぼさず掬えて、一発計量!』とも表現できる、今までにない利便性と、かつてないサラサラとした触感を兼ね備えたスプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物が得られることを見出したが、この指数Kは、該好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物が得られる進入圧PとΔ落下率Dの関係を表現した指数である。
上述の理由から、本発明の粒状洗剤組成物の指数Kは、30〜230とされ、より好ましい掬い易さと計り易い粉末物性を得る観点から、230以下、好ましくは200以下、より好ましくは170以下、更に好ましくは150以下、より更に好ましくは130以下、特に好ましくは110以下、特に好ましい中でもより好ましくは100以下とされる。また、工業的および経済性の観点から30以上とされる。
本発明の粒状洗剤組成物は、前記(1)〜(4)に示された粉末物性を有するため、スプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する。
また、以上の粉末物性は、前記粒状洗剤組成物を構成する洗剤粒子の粒度調整、粒子形状調整及び粒子間付着力調整を含む粉末物性調整操作を行うことにより達成することができる。以下に粉末物性の調整因子について詳述する。
3.粉末物性の調整因子について
前記の進入圧(P)、Δ落下率(D)、粉粒体落下速度分散(V)及び指数Kをそれぞれ所望の値としたスプーン計量で使用するに好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物を得るためには、粒度調整因子として、平均粒径、粒度分布(ロジンラムラー分布の分布指数)および粒径125μm以下の微粉率を、粒子形状調整因子として球形度を、粒子間付着力調整因子として粉体層の引っ張り強度を調整因子として挙げることが出来るが、これらの調整因子を調整することは、進入圧(P)、Δ落下率(D)、粉粒体落下速度分散(V)、物性指数Kのうちのいずれかの粉末物性、もしくは複数の粉末物性に影響を及ぼすものである。ここで特記すべきことは、これらの調整因子は互いに補完できるものであり、上記の中のある因子がもし充分に望ましい値でない場合も、他の因子が特に優れている粒状洗剤組成物は、前記の粉末物性について望ましい値に達成することが可能である。以下、調整因子について個別に述べる。
(1)粒度調整因子
(1−1)平均粒径
本発明の高密度粒状洗剤組成物は、掬い易さ、計量性に優れ、かつ振りまき易いものである。
「掬い易さ」とはスプーン型の計量器を用いて粒状洗剤組成物を掬う際に、計量器が粒子群内に進入していく時の抵抗が小さいことを意味する。抵抗を小さくするためには、粒子群の平均粒径を小さくすることによって、計量器が進入する際に粒子が移動し易くする事が重要である。ただし、平均粒径が小さくなりすぎると粒子同士の凝集力が高くなり、流動性が悪化する。そこで、本発明の高密度粒状洗剤組成物の平均粒径(e)は、掬い易く、かつ良好な流動性を得るために、好ましくは200〜500μm、より好ましくは220〜450μm、より好ましくは220〜400μm、より好ましくは220〜370μm、さらに好ましくは220〜340μmに調整する。
平均粒径(e)は、JIS Z 8801に規定の篩を用いて求める。例えば、目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μmである9段の篩と受け皿を用い、ロータップマシーン(HEIKO SEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を10分間振動して篩い分けを行った後、受け皿、125μm、180μm、250μm、355μm、500μm、710μm、1000μm、1400μm、2000μmの順番に受け皿および各篩上に重量頻度を積算していくと、積算の重量頻度が50%以上となる最初の篩の目開きをaμmとし、またaμmよりも一段大きい篩の目開きをbμmとした時、受け皿からaμmの篩までの重量頻度の積算をc%、またaμmの篩上の重量頻度をd%とした場合、
式:e(平均粒径)=10
Figure 0003875099
にしたがって求めることができる。
なお、用いる篩は測定粉体の粒度分布を正確に見積もることが出来るように適宜調整する。
(1−2)粒度分布
Δ落下率Dおよび粉粒体落下速度分散Vを小さくするためには、充填率の値は小さい方がよい。粉体の充填率に関しては、粉体の様々な因子が影響を及ぼすが、中でも重要な因子は、粉体の粒度分布である。粒径の分布が狭い粉体ほど、充填率の値は低く、Δ落下率や粉粒体落下速度分散Vは小さくなる。
粉体の粒度分布の広さを表す指数として、ロジンラムラー分布の分布指数Zが挙げられる。Zの値が大きいものほど粒度分布が狭い。
本発明の粒状洗剤組成物のロジンラムラー分布の分布指数Zは、良好な計量線への合わせ易さ、振りまき易さを得るために、好ましくは2.0以上、より好ましくは2.2以上、より好ましくは2.4以上、より好ましくは2.6以上、より好ましくは2.8以上、より好ましくは3.0以上、特に好ましくは3.2以上とされる。
ロジンラムラー分布の分布指数Zは、JIS Z 8801に規定の篩を用いて求める。例えば、目開きが2000μm、1400μm、1000μm、710μm、500μm、355μm、250μm、180μm、125μmである9段の篩と受け皿を用い、ロータップマシーン(HEIKO SEISAKUSHO製、タッピング:156回/分、ローリング:290回/分)に取り付け、100gの試料を10分間振動して篩い分けを行った後、篩の目開きをXとし、また各篩上の積算篩上重量%をYとし、logXに対してlog・log(100/Y)をプロットした時の最小2乗近似直線の傾きの値とする。ただし、Yが5%以下およびYが95%以上となる点は上記プロットからは除外する。
なお、用いる篩は測定粉体の粒度分布を正確に見積もることが出来るように適宜調整する。
なお、各篩上の積算篩上重量%Yは、それぞれの篩の径以上の篩上の粒子の重量頻度を合計することにより、求めることができる。また、前記最小2乗近似直線の傾きの値は、JIS Z 8901に準じて求めることができる。
(1−3)微粉率
Δ落下率および粉粒体落下速度分散Vを小さくするためには、微粉率の値を小さくすることが有効である。本発明において、微粉率とは粒状洗剤組成物中の粒径125μm以下の粒子の重量%を指す。本発明の粒状洗剤組成物の微粉率は、好ましくは10%以下、より好ましくは8%以下、更に好ましくは6%以下、特に好ましくは4%以下に調整する。
また、洗剤投入時に起こり得る問題として、微粉の粉立ちを挙げることができる。洗剤投入時に微粉が空気中に漂うことにより、使用者がむせたりして不快な思いをすることがある。本発明の粒状洗剤組成物の発塵量Fは50CPM以下、好ましくは20CPM以下、より好ましくは10CPM、特に好ましくは5CPM、最も好ましくは0CPMとされる。発塵量低減のためには、粒径125μm以下の微粉の量を低減することが重要である。
発塵量(F)は以下のように定義される。
内径が1.7cmで開口部が開閉可能なろうとに各粉体を100ml入れ、無風の部屋に設置して40cmの高さから各粉体を落下させる。その際に粉体の落下地点の中心から水平方向に10cm離れた場所に設置したレーザー式発塵量測定器を用いて粉体落下時点から1分間に計測された計測数を発塵量F(CPM)と定義する。レーザー式発塵量測定器としては、例えば柴田科学機械工業株式会社のレーザー粉塵計ダストメイトLD−1型などを用いることができる。
(2)粒子形状調整因子
(2−1)球形度(C)
スプーン型の計量器が粒状洗剤組成物中に進入する際に粒子が移動し易くなるためには、粒径を小さくするだけでなく、粒子を球形に近づけることも効果的である。また、球形に近い粒子は計量し易さ、振りまき易さにも優れる。そこで、本発明の粒状洗剤組成物の球形度Cは、好ましくは100〜150、より好ましくは100〜145、より好ましくは100〜140、最も好ましくは100〜135に調整する。
粒状洗剤組成物の球形度Cは、以下のようにして測定する。
顕微鏡を用いて粒子像を撮影し、撮影した粒子画像に関して、その粒子画像の面積に対する、前記粒子画像に外接する円の面積の比を測定し、その値に100を乗じた値がその粒子の球形度である。粒度分布を正確に反映するように500個以上の粒子を選定し、その全ての粒子に関して上記の測定を行い、その平均値をもってその粒状洗剤組成物の球形度Cとする。上記測定において、顕微鏡としては、例えばKEYENCE社製デジタルマイクロスコープVH−6300を用いることができる。また、球形度の測定には例えばNikon社製画像解析システムLUZEX 2Dなどを用いることができる。
(3)粒子間付着力調整因子
(3−1)粉体層の引っ張り強度(T)
Δ落下率Dや粉粒体落下速度分散Vを小さくするためには、粒子同士の相互作用力を低減することが最も直接的である。粉体の相互作用力の指数として、粉体層同士の相互作用力である粉体層の引っ張り強度を用いることができる。本発明の粒状洗剤組成物の粉体層の引っ張り強度Tは粒子同士の相互作用を低減し、Δ落下率を小さくするために、好ましくは30mN以下、より好ましくは20mN以下、より好ましくは15mN以下、より好ましくは10mN以下、より好ましくは5mN以下、特に好ましくは2mN以下に調整する。
粉体層の引っ張り強度(T)は、粉体の付着力および凝集力の大きさを表すものであり、例えばホソカワミクロン社製のCOHETESTER MODEL CT−IIを用いることによって求めることができる。 COHETESTERとは、円筒状で、中心で水平方向に2分割されるセルに試料粉体を注入し、鉛直方向に荷重を一定時間、均一に負荷した後、荷重を取り除き、セルを左右に牽引した際の応力を測定することによって粉体層同士の付着力および凝集力の大きさのみを摩擦力を検出することなく測定することのできる機械である。
粉体層の断面積が10.0cmとなるように試料粉体を注入し、その上に1.00kgの荷重を均一に負荷する。10分間の後に荷重を取り除き、水平方向に引っ張った際の応力の最大値を粉体層の引っ張り強度T(mN)とする。
(4)その他の粉末物性
(4−1)粒子の表面状態
粒子同士の相互作用力を低減し、Δ落下率Dや粉粒体落下速度分散Vを小さくするためには、粒子の表面状態も無視することはできない。粒子表面が平滑な粒子は粒子間に働く摩擦力が小さいため、Δ落下率や粉粒体落下速度分散は小さくなる。
(4−2)嵩密度
JIS K 3362によって測定される本発明の粒状洗剤組成物の嵩密度は、500g/L以上という高密度であり、輸送効率の向上や使用者の簡便性の点から、500g/L以上、好ましくは600g/L以上、より好ましくは700g/L以上である。又、粒子間に適度の空隙を確保すること及び粒子間接触点数の増加を抑制することで分散性を低下させないこと等の点から、好ましくは1200g/L以下とされる。
(4−3)流動性
本発明の粒状洗剤組成物の流動性は、流動時間として好ましくは7.0秒以下、より好ましくは6.5秒以下、更に好ましくは6.0秒以下、特に好ましくは5.5秒以下、特に好ましい中でもより好ましくは5.0秒以下とされる。流動時間は、JIS K 3362により規定された嵩密度測定用のホッパーから、100mLの粉末が流出するのに要する時間とする。
4.製造法について
高密度の粒状洗剤組成物を得る方法としては特許庁公報:周知・慣用技術集(衣料用粉末洗剤:日本国特許庁、平成10年.3.26発行)第5章に開示されている製法がある。しかしながら本発明のスプーンで使用するに好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物を得るためにはこれらの通常の方法且つ条件での製造だけでは得られず、前記したような粒度調整、粒子形状調整及び粒子間付着力調整を行うことにより、所望の粉末物性を有する粒状洗剤組成物を得ることができる。ここで、粒度としては、粒状洗剤組成物の平均粒径は好適な範囲に調整し、粒度分布はシャープにすることが好ましく、また125μm未満の微粉は少なくすることである。粒子形状としては、球形度は100に近づける、即ち球形に近づける調整を行うことである。また、粒子間付着力としては、粒子間に相互作用が少なくなるように、粉体層の引っ張り強度は下げる調整を行うことである。
ここで『調整を行う』とは、配合組成、および造粒および/または造粒後の後処理について、その方法および条件の選択を行なうことで、所望の粉末物性を得ることを言う。即ち、配合処方および造粒の方法かつ条件を選択する(粒子設計を行う)ことで各種の調整因子の調整を行い、特別な造粒後の後処理を行うことなしに本発明の粒状洗剤組成物を得る場合や、通常の方法且つ条件で得られた粒状洗剤組成物について、造粒後の後処理において各種の調整因子の調整を行い、本発明の粒状洗剤組成物を得る場合、またはこれらの組み合わせがある。
本発明の粒状洗剤組成物を容易に得る好ましい方法(配合組成、および造粒および/または造粒後の後処理について、その方法および条件を容易に見出す方法)としては、該粒状洗剤組成物の平均粒径、粒度分布(ロジンラムラー分布の分布指数)、粒径125μm以下の微粉率、球形度、および粉体層の引っ張り強度の各調整因子について、最低限満たすことが好ましい操作範囲(「最低限範囲」という。平均粒径、粒度分布(ロジンラムラー分布の分布指数)並びに微粉率がそれぞれ200〜500μm、2.0以上、10%以下であり、粒子形状を示す球形度が100〜150であり、粒子間付着力を示す粉体層の引っ張り強度が30mN以下)に調整し、この場合、上記項目の群から選ばれるいずれか2つ以上の調整因子については、より好ましい範囲(「特別好適範囲」という。平均粒径、粒度分布並びに微粉率がそれぞれ220〜450μm、2.6以上、6%以下であり、粒子形状を示す球形度が100〜145であり、粒子間付着力を示す粉体層の引っ張り強度が15mN以下)に調整を行う製造方法である。ここで、特別好適範囲に調整する調整因子としては、最低限範囲内にあって、特別好適範囲にもっとも離れている因子を選択して調整することが効率的である。また、ここで各調整操作の途中または終了時に、その都度粉粒体落下速度分散V、進入圧P,Δ落下率DおよびK値を測定または算出し、それらの1つ以上がV≦1.0、P≦80gf/cm、D≦14%および30≦K≦230の範囲を満足しないとき、上記調整操作を繰り返すことが好ましい。また、ある調整因子が特別好適範囲の中にあっても、さらに好適な範囲に収める調整を行うことも有力な方法である。
尚、前記の最低限範囲と特別好適範囲は、前記の範囲に限定されるものでなく、各調整因子について前記した各好適範囲から選択され、ある好適範囲を最低限範囲とした場合、さらに好適な範囲を特別好適範囲とすることができる。
また、本発明の粒状洗剤組成物を得る方法(配合組成、および造粒および/または造粒後の後処理について、その方法および条件)を見出した後では、粒状洗剤組成物の実生産にあたって、その途中工程で都度粉粒体落下速度分散V、進入圧P,Δ落下率DおよびK値、ならびに各調整因子について測定または算出することなどなしに、実施できる。
次に各調整因子の調整方法について説明するが、本発明の粒状洗剤組成物を得る製造法は下記の製造法等に限定されるものではない。
(1)平均粒径の調整方法
粒状洗剤組成物の平均粒径を調整し、粒度分布をシャープにすることが好ましい。平均粒径の調整方法としては、篩による分級や風力分級といった粗粒や微粉を何らかの方法で処理する工程を行うことが好ましい。また、粗粒が多く平均粒径が大きい粒状洗剤組成物に関しては、予め粉砕を行い、必要に応じて分級操作を組み合わせる等の方法がある。また、予め平均粒径と粒度分布の調整されたベース顆粒に液状の界面活性剤を担持させるといった製造法は平均粒径と粒度分布の調整に有効である。
(2)球形度の調整方法
球形度の調整に関しては、粒子製造工程及び得られた洗剤粒子を塑性変形させたり、粒子の角を削るといった球形化処理を施す方法や、別の方法として、洗剤原料にできるだけ球形度の良好な顆粒、例えば噴霧乾燥顆粒を使用し、且つその形状を維持したまま造粒するといった方法がある。具体的な方法として特公昭41−563号公報記載の円筒状整粒室の底面部に回転体を設けて高速に回転するようにし、側壁は静止状態或は回転体と反対方向に回転させる方法、特開平2−232300号公報記載の放射状の突起を有する回転テーブルを用いて周方向の力により連続造粒する方法、特開昭62−598号公報記載の容器内で壁面に沿う気体旋回流に粒状洗剤組成物を同伴させて機壁と接触、衝突させる方法、WO95/26394号記載の容器回転型混合機内で生じる粒子同士の接触による剪断力を利用して球形度を高める方法がある。また、予め球形度の制御された噴霧乾燥粒子に液状の界面活性剤を担持させるといった製造法も有効な方法として挙げられる。
(3)粒度分布の調整方法
平均粒径の調整方法と同様である。また、一旦分級した粒子を適宜ブレンドすることにより調整できる。
(4)微粉率の調整方法
平均粒径の調整方法と同様に、篩による分級や風力分級等により微粉を除去する工程を行う。また粉砕工程を有する製法においては、微粉率が増加する傾向があり、細心の注意を払うことが好ましい。
(5)粉体層の引っ張り強度の調整方法
粉体層の引っ張り強度に関しては、洗剤粒子同士の付着力を低減することが好ましい。付着力の低減方法として▲1▼粒子表面の機械的処理、▲2▼活性剤の染み出し抑制の為の化学的処理が挙げられる。機械的処理法としては、微粉体(一般的には超微粉体)で粒子表面を被覆したり、更にはWO95/26394号記載の装置を用いて、粒子間に弱い剪断力を作用させて粒子表面の粗さ(凹凸)を小さくする方法がある。また、平均粒径、粒度分布、球形度を調整することにより粒子の接触点数を低減する方法もある。化学的処理法としては、液状活性剤の融点上昇剤の添加や液状活性剤とラメラ配向をとり得る陰イオン界面活性剤の添加による方法があり、また、水溶性のポリマー等で表面をコーティングする方法もある。
(6)粒子の表面状態の調整方法
粉体層の引っ張り強度の調整法と同様に、微粉体(一般的には超微粉体、好ましくは粒径5μm以下で粒度分布のシャープなもの)で粒子表面を被覆したり、さらには上述のような粒子間に弱い剪断力を作用させて粒子表面を平滑化する方法がある。
5.洗剤物品について
本発明により、本発明の粒状洗剤組成物を収容した容器と、該粒状洗剤組成物の計量に用いるスプーン型計量器とを備えてなる洗剤物品が提供される。本発明の洗剤物品は、スプーン型計量器による掬い易さと、計量し易さ及び振りまき易さを両立させたものであり、スプーン型計量器を用いた操作において使用者にさらさらした粉の感じを与えるものである。
また、スプーン以外の計量器で計量される高密度洗剤物品、例えば、特公平7−116480号公報に記載の計量器内蔵容器入り超濃縮粒状洗剤製品、または特開昭53−43710号公報に記載のボトル入り洗剤等においても、好適に用いることができる。
実施例
調整例1
直鎖アルキル(炭素数10〜13)ベンゼンスルホン酸カリウム14部、アルキル(炭素数14〜16)硫酸ナトリウム8部、ポリオキシエチレン(EO平均付加モル数8)アルキル(炭素数12〜14)エーテル1部、石鹸(炭素数14〜20)7部、4A型ゼオライト10部、1号珪酸ナトリウム1部、炭酸ナトリウム5部、炭酸カリウム16部、芒硝1.1部、亜硫酸ナトリウム1.5部、ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量1万)2部、ポリエチレングリコール(平均分子量8500)2部、蛍光染料(チノパールCBS−X0.2部、ホワイテックスSA0.1部)を水と混合して固形分48重量%のスラリーを調製した(温度65℃)。これを向流式噴霧乾燥装置を用いて嵩密度約320g/Lの粒子を得た。揮発分(105℃、2時間の減量)は3%であった。
次に、上記粒子50kg/H、炭酸ナトリウム(重灰)4kg/H、結晶性珪酸塩粉末(SKS−6の解砕品、平均粒径27μm)1kg/H、上記ポリオキシエチレンアルキルエーテルを3kg/Hの能力で連続ニーダー(栗本鉄工所(株)製)に連続的に添加した。ニーダー排出口に2軸式押出し機(ペレッターダブル:不二パウダル製)を設置して、直径約3mmの円柱状ペレットを得た。このペレット100部に対して、解砕助剤として粉末ゼオライト(平均粒径約3μm)5部を加えつつ、14℃の冷風を通気しながら目開き1.5mmのスクリーンを取り付けたフィッツミル(ホソカワミクロン製)により解砕造粒を行った。
得られた粒状洗剤組成物について、各種の物性(平均粒径、粒度分布、微粉率、球形度、粉体層引張強度、進入圧、Δ落下率、K値、落下速度分散、発塵量)を測定した結果を表1に示す。これらの物性の測定は、前記の各項において記載した方法により行った(以下の各調整例により得られた粒状洗剤組成物の物性の測定についても同様である)。
調整例2
調整例1の粒状洗剤組成物をフィッツミルで再度粉砕し、その後、篩により850μm以上の粗粒子を除去した。さらに流動層により微粉を低減させた。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例3
調整例2の粒状洗剤組成物を円筒直径400mm、円筒長さ600mm、容積75.4Lのドラム型混合機に、20kg、容積充填率で30%を投入した。また、微粉体として結晶性アルミノケイ酸塩0.3kgを同時に投入した。ドラム型混合機を、フルード数0.3の回転数37rpmで粉温を45℃から55℃の間に保ちながら30分間表面処理を行った。最終粉温は51℃であった。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調製例4
以下の方法に従い粒状洗剤組成物を得た。
次の様にして先ずベース顆粒を調製した。
水480kg、硫酸ナトリウム222kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液120kg、ゼオライト300kgからなるスラリーを噴霧乾燥に付して、得られた噴霧乾燥粒子をベース顆粒とした。このベース顆粒は、平均粒径250μm、嵩密度650g/L、担持能25mL/100g、粒子強度450kg/cm、組成(重量比):ゼオライト/ポリアクリル酸Na/硫酸Na/水=50/8/37/5であった。
次に、界面活性剤組成物を調製した。上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル18重量部(5.4kg)とポリエチレングリコール2重量部(0.6kg)とパルミチン酸8重量部(2.4kg)を混合し80℃に調整した。
レディデミキサー(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に上記記載のベース顆粒25重量部(9kg)と結晶性アルカリ金属ケイ酸塩30(9kg)と無定形アルミノケイ酸塩7重量部(2.1kg)を投入し、主軸(回転数:60rpm)とチョッパー(回転数:3000rpm)の回転を開始した。尚、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこへ上記記載の界面活性剤組成物28重量部(8.4kg)を3分間で投入し、8分後攪拌を停止した。
次に、結晶性アルミノケイ酸塩10重量部(3kg)を投入し、60秒間攪拌を行い排出した後に、1410μmの篩で粗粒子を除いた。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例5
調整例4の粒状洗剤組成物を以下の様に調整した。上記粒状洗剤組成物を篩により125μm以下の粒子と500μm以上の粒子を除去した。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例6
調整例5の粒状洗剤組成物を円筒直径400mm、円筒長さ600mm、容積75.4Lのドラム型混合機に、20kg、容積充填率で30%を投入した。また、微粉体として結晶性アルミノケイ酸塩0.3kgを同時に投入した。ドラム型混合機を、フルード数0.3の回転数37rpmで30分間表面処理を行った。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例7
調整例6の造粒物に酵素造粒物(ノボノルディクス社製のSavinase 18T type W)を粒状洗剤組成物100重量部中に2重量部となるように添加し粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例8
以下の方法に従い粒状洗剤組成物を得た。
次の様にして先ずベース顆粒を調製した。
水480kg、硫酸ナトリウム120kg、炭酸ナトリウム150kg、40重量%のポリアクリル酸ナトリウム水溶液120kg、ゼオライト252kgからなるスラリーを噴霧乾燥に付して、得られた噴霧乾燥粒子をベース顆粒とした。このベース顆粒は、平均粒径270μm、嵩密度580g/L、担持能55mL/100g、粒子強度250kg/cm2、組成(重量比):ゼオライト/ポリアクリル酸Na/炭酸Na/硫酸Na/水=42/8/25/20/5であった。
レディデミキサー(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に上記記載のベース顆粒80重量部(24kg)を投入し、主軸(回転数:60rpm)の回転を開始した。なお、チョッパーは回転させず、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、80℃の界面活性剤組成物20重量部(ポリオキシエチレンアルキルエーテル17重量部とポリエチレングリコール1重量部とパルミチン酸Na1重量部と水1重量部の混合物:6kg)を2分間で投入し、その後5分間攪拌を行い粒状洗剤組成物を得た。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例9
調整例8の粒状洗剤組成物を以下の様に調整した。上記粒状洗剤組成物を篩により125μm以下の粒子と500μm以上の粒子を除去した。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例10
調整例8の粒状洗剤組成物25kgと結晶性アルミノケイ酸塩0.8kgを上記レディゲミキサー内に投入し、主軸(回転数:120rpm)及びチョッパー(回転数:3600rpm)の回転を1分間行い排出した後に、710μmの篩で粗粒子を除いた。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例11
調整例10の粒状洗剤組成物を円筒直径400mm、円筒長さ600mm、容積75.4Lのドラム型混合機に、15kg、容積充填率で30%を投入した。また、微粉体として結晶性アルミノケイ酸塩0.3kgを同時に投入した。ドラム型混合機を、フルード数0.3の回転数37rpmで、20分間表面処理を行った。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
調整例12
調整例8と同じベース顆粒を調製した。
レディデミキサー(松坂技研(株)製、容量130L、ジャケット付)に上記記載のベース顆粒78重量部(23.4kg)を投入し、主軸(回転数:60rpm)の回転を開始した。なお、チョッパーは回転させず、ジャケットに80℃の温水を10L/分で流した。そこに、80℃の界面活性剤組成物22重量部(直鎖アルキル(炭素数10〜13)ベンゼンスルホン酸ナトリウム10重量部とポリオキシエチレンアルキルエーテル8.5重量部とポリエチレングリコール1重量部とパルミチン酸Na1重量部と水1.5重量部の混合物:6.6kg)を2分間で投入し、その後10分間攪拌を行い粒状洗剤組成物を得た。
さらに、得られた粒状洗剤組成物25kgと結晶性アルミノケイ酸塩0.8kgを上記レディゲミキサー内に投入し、主軸(回転数:120rpm)及びチョッパー(回転数:3600rpm)の回転を1分間行った。
得られた粒状洗剤組成物を、円筒直径400mm、円筒長さ600mm、容積75.4Lのドラム型混合機に、20kg、容積充填率で30%を投入した。また、微粉体として結晶性アルミノケイ酸塩0.3kgを同時に投入した。ドラム型混合機を、フルード数0.3の回転数37rpmで30分間表面処理を行った。
上記粒状洗剤組成物を篩により125μm以下の粒子と500μm以上の粒子を除去した。得られた粒状洗剤組成物の物性を表1に示す。
Figure 0003875099
ここで、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、花王(株)製、商品名:エマルゲン108KM、(エチレンオキサイド平均付加モル数:8.5、アルキル鎖の炭素数:12〜14、融点:18℃)を、ポリエチレングリコールとしては、花王(株)製、商品名:K−PEG6000(平均分子量:8500、融点:60℃)を、パルミチン酸としては花王(株)製、商品名:ルナックP−95を、パルミチン酸Naとしては上記パルミチン酸を苛性ソーダにて中和したものを用いた。
結晶性アルミノケイ酸塩としては、ゼオビルダー社製、商品名:ゼオライト4Aパウダー(平均粒径:3.5μm)を、無定形アルミノケイ酸塩としては、特開平9−132794号公報記載の調整例2を平均粒径8μmに粉砕したものを、結晶性アルカリ金ケイ酸塩としてはクラリアント社製のNa−SKS−6を23μmに粉砕したものを用いた。
第7図は各調整例のΔ落下率、進入圧をプロットし、また、発明の範囲を表したものである。本発明に従い粒度調整因子である平均粒径、粒度分布、および微粉率、粒子形状調整因子である球形度、および、粒子間付着力の調整因子である粉体層引張強度を調整することにより、発明品が得られることを示している。例えば、調整例1はV=1.67、P=98、D=18.0、K=1120の粒状洗剤組成物(比較品)であるが、後工程として、粉砕、分級、及び粒子の表面処理を行うことによって平均粒径を小さく、粒度分布をシャープに、微粉率を少なく、粒子の形状を球に近づけることができる。これによって、調整例3のように、V=0.84、P=34、D=9.6、K=124と大きく粉末物性が向上し、本発明での所望の粒状洗剤組成物を得ることができるのである。また、調整例4の粒状洗剤組成物(比較品)は後工程として分級を行うことによって、微粉率、平均粒径、粒度分布をそれぞれより好適な範囲に調整することで調整例5のような発明品を得ることができる。また、さらに粒子の表面処理を行い粒子形状を改善することにより、さらに優れた粉末物性の粒状洗剤組成物が得られる(調整例6,7)。調整例8及び9では、平均粒径、粒度分布、微粉率、球形度は充分に好適な範囲内であり、Pの値は良好であるが、粒子同士の付着力が高いためにV及びDの値が高くなっている。そこで、表面改質工程を行って粒子間の付着力を低減させることによって、非常に優れた粉末物性の粒状洗剤組成物が得られ(調整例10)、更に球形度の一層の改善によってさらに優れた粉末物性の粒状洗剤組成物が得られる(調整例11)。また、調整例12のように全ての粉末物性調整工程を連続で行い、一度で発明品を得ることもできるのである。
試験例
以下に述べる試験は全て25±5℃、湿度40±10%の恒温室の中で行った。
試験例1
各調整例により得られた洗剤組成物について、スプーンを用いて粒状洗剤組成物を掬い取る際の箱の動きにくさの度合いを以下のように評価した。
高さ52mm、縦幅150mm、横幅91mmで肉厚0.9mmの紙製の箱にJIS K 3362により規定されたホッパーを用いて箱の底面とホッパー開口部の距離が100mmとなるような高さから充分量の試料を注入した。その後、箱の高さから上部にはみ出した試料を箱中の試料の充填状態が変化しないように静かにすり切って除去した。その後試料を充填した箱の外周部分に静かにおもりをつけ、総重量が637gとなるように調整する。上記調整を行った箱を試料の充填状態が変わらないように、また箱の底面に洗剤粒子が付着しないように留意しながら、第5図(1)に示す装置に設置した。
該装置はスプーン型計量器22を用いて洗剤の計量を行う工程を模倣したものであり、モーター25によって回転する軸26に取り付けられたスプーン型計量器22が回転し、試料の充填された箱21から試料を掬いとる事ができる。
スプーン型計量器22は第6図に示すような形状を有するプラスチック製の計量器であり、回転軸と同図のように接続されている。
箱21が置かれている台は平滑かつ清浄なガラスの板23であり、その下に設置されたジャッキ24により台の高さを任意に調節することができる。台の表面は完全に水平になるように設置する。
第5図(2)の様にスプーン型計量器22の開口部が試料面と平行に向き合った状態を基準とし、ここから回転した角度をθとした。第5図(3)に示す様にθ=90°の時にスプーン型計量器22の開口部が箱21の内部に進入する距離をy、スプーン型計量器22の開口部の長さをxとし、
(y/x)×100
をスプーン進入率q(%)とした。
θ=0°からθ=180°までスプーン型計量器22を19.3°/sec.の角速度で回転させ、その際にスプーンと試料の間に生じる力によって箱21が移動する距離z(mm)を測定した。
スプーン進入率qを2%刻みで変えて上記実験を行い、z<3mmとなるqのうちで最も大きなqを臨界進入率Q(%)とした。
上記実験を各調整例により得られた洗剤組成物について行い、臨界進入率の値からスプーンを用いて粒状洗剤組成物を掬い取る際の箱の動きにくさの度合いについて、下記の様に点数付けを行った。
1:Qが105%以上
2:Qが100%以上、105%未満
3:Qが95%以上、100%未満
4:Qが90%以上、95%未満
5:Qが90%未満
各々の洗剤組成物についてその結果を表2に示す。
Figure 0003875099
試験例2
各調整例により得られた洗剤組成物について、スプーンを用いて粒状洗剤組成物を掬い取った際の一発計量性(すり切り性)を以下のように評価した。
試験例1と同様に試料を紙箱に充填し、第5図の装置に設置した。本測定ではq=102%とし、また、箱21は移動しないようにガラス板23に固定した。θ=0°の位置から19.3°/sec.の角速度でスプーン型計量器22を回転させ、θ=α(90°<α<180°)で停止させた。その後ジャッキ24を動かしてガラス板23及びそれに固定された箱21を1mm/sec.の速さで静かに下に降ろし、スプーン型計量器22と箱21内の試料が完全に離れた状態にした。ここでスプーン型計量器22に入った試料の状態を観察し、以下の基準で写真判定を行った。
A:山盛りになっている(スプーン型計量器の内部容積に対して約107%以上の体積の試料が入っている)
B:すり切り一杯になっている(スプーン型計量器の内部容積に対して約93%以上、かつ約107%未満の体積の試料が入っている)
C:少量しか入っていない(スプーン型計量器の内部容積に対して約93%未満の体積の試料が入っている)
停止角度αを2°刻みで変えて上記実験を行い、判定結果がBとなったαの中で最も小さな値をα’とし、180°からα’を引いた値を臨界すり切り角度Sとした。
上記実験を各調整例により得られた洗剤組成物について行い、臨界すり切り角度Sの値からスプーンを用いて粒状洗剤組成物を掬い取った際の一発計量性について、下記の様に点数付けを行った。
1:Sが45°未満
2:Sが45°以上、50°未満
3:Sが50°以上、55°未満
4:Sが55°以上、60°未満
5:Sが60°以上
各々の洗剤組成物についてその結果を表3に示す。
Figure 0003875099
試験例3
各調整例により得られた粒状洗剤組成物について、スプーンを用いた計量のし易さを以下のように評価した。
粒状洗剤組成物を縦10cm、横15cm、高さ10cmの箱に1000mL入れた。縦5.0cm、横3.5cm、深さ3.0cmの計量部を持ち、柄の長さが5.5cmであるスプーン型計量器を用いて、前記の箱から粒状洗剤組成物を掬い取り、できるだけ正確に計量部の底から2.5cmの高さにある計量線に粒状洗剤組成物を合わせる操作を10秒以内という制限付きで行い、計量された粒状洗剤組成物の重量を測定した。
上記測定を10回行い、10回分の測定値の標準偏差をσ、平均値をEとした際に、σ/Eの値が小さい粒状洗剤組成物ほど正確に計量できることとなる。
掬い方および計量の仕方に個人差がある事を考慮し、10人のパネラーに上記実験を行ってもらい、10人分のσ/Eの平均値を求めた。各々の調整例についてその結果を表4に示す。
Figure 0003875099
試験例4
次に、各調整例により得られた洗剤組成物について、洗濯機への均一な投入のし易さを以下のように評価した。
粒状洗剤組成物を前記スプーンに掬い取り、約40mLとなるよう計量した。水平な台の上に置かれた直径50cmの円状の紙の上に、スプーンに計量された粒状洗剤組成物をそのスプーンを用いて、紙の50cm程度上方からなるべく均一に散布されるように留意して落下させた。均一な投入の具合を下記評価基準で目視判定した。
1:ほぼ均一に散布されている。
2:およそ20%以内の部分が塊として存在する。
3:およそ20〜40%程度の部分が塊として存在する。
4:およそ40〜60%程度の部分が塊として存在する。
5:ほぼ全てが塊として存在している。
粒状洗剤組成物の塊が多く存在しているものほど、溶け残りの起き易い条件となる。
上記実験および判定を10人のパネラーがそれぞれ10回行い、計100回分の判定値の平均値を求めた。その結果を表5に示す。
Figure 0003875099
試験例5
各調整例により得られた粒状洗剤組成物について、パネラー10人に粒状洗剤組成物の粉の様子について感想を聞いたところ、調整例1、2、4、8、9により得られた粒状洗剤組成物に関しては、流れにくい、計量がしにくい等と答え、特に調整例1に関しては、掬うときにガリガリする、粉立ちして鼻につく等と答えたのに対し、調整例3、5〜7、10〜12により得られた粒状洗剤組成物に関しては、粉が掬い易い、サラサラしていて気持ちがいい、とほとんどのパネラーが答え、全員が調整例3、5〜7、10〜12により得られた粒状洗剤組成物が優れていると答えた。
以上より、粉末物性を格段に向上させることで、商品の魅力を充分に高めることができたことが明らかとなった。
試験例6
次に、調整例4と6により得られた粒状洗剤組成物について実際に洗濯機で洗濯を行った場合の溶け残りの様子を次のように評価した。
日立(株)製、全自動洗濯機「水かえま洗科 NW−8P5」の洗濯槽に木綿の黒いTシャツ4.0kgを投入し、その上から粒状洗剤組成物26.7gをスプーン型計量器を用いてなるべく均一に散布されるように留意して落下させた。
その後、5℃の水道水40Lを5分かけて注入し、弱水流での洗濯10分、すすぎ1回、脱水4分の工程で洗濯を行った。洗濯全工程が終了した時点で洗濯したTシャツを取り出し、Tシャツへの洗剤の溶け残りの具合を下記評価基準で目視判定した。
〔評価基準〕
1:凝集物がない。
2:凝集物が殆どない(直径3mm程度の塊が1〜5個認められる)。
3:凝集物が少量残留している(直径6mm程度の塊が認められ、直径3〜10mmの塊が10個以下認められる)。
4:凝集物が多量に残留している(直径6mmを越える塊が多数認められる) 上記実験及び判定を各粒状洗剤組成物についてそれぞれ10回行い、10回分の判定値の平均値を求めた。その結果、調整例4により得られた粒状洗剤組成物は平均値が2.7、調整例6により得られた粒状洗剤組成物は平均値が1.1であった。
試験例7
日本及び海外において販売されている洗剤組成物31種の商品について、落下速度分散、進入圧、Δ落下率、K値を求めたデータを表6に示す。また、第8図に上記31種商品のプロットを示す。多くの商品は粉粒体落下速度分散の値が1.0より大きい為、振りまきにくく、且つ洗濯時の溶け残りが発生しやすい。また、粉粒体落下速度分散の値が1.0以下であっても、商品11を除いては、Δ落下率が14%より大きいため、計算時のすり切り性(一発計量性)が満足なものでなく、また、進入圧が80gf/cmより大きいものは洗剤組成物をスプーン型計量器で掬う際に箱が動きやすい。商品11は、粉粒体落下速度分散が0.84、進入圧が54gf/cm、Δ落下率が13.6%、K値が339である。この商品について、試験例1および試験例2を行った結果、試験例1(スプーン型計量器で洗剤組成物を掬う際の箱の動きにくさ)及び試験例2(一発計量性)の判定値がいずれも3であったが、実際に10人のパネラーに触れてもらったところ、商品11は、調整例3、5〜7、10〜12に比べるとスプーン型計量器で洗剤組成物をはかりとる一連の動作において見劣りするという意見が大勢を占めた。落下速度分散の値が1.0以下であるものは振りまき易いため、洗濯時の溶け残りが発生しにくく、さらに進入圧の値が80gf/cm以下、かつΔ落下率が14%以下、さらにK値が230以下のものは掬い易く、かつ容易に計量可能であるが、これらを満足するスプーンで使用するに好適な『片手でこぼさず掬えて、一発計量!溶け残りも低減』とも表現できる、簡易計量性および分配性を有する商品は存在していない。
Figure 0003875099
産業上の利用可能性
本発明により、使用者がスプーン型計量器を用いて洗剤を掬い取る際に掬い易く、容易に計量でき、かつ洗濯機に洗剤を振りまきやすいために洗濯後の溶け残りの衣類への残留が格段に低減された極めて消費者の使用感の高い、さらさら感を有する粒状洗剤組成物及び該粒状洗剤組成物を収容した洗剤物品が提供される。
以上に述べた本発明は、明らかに同一性の範囲のものが多数存在する。そのような多様性は発明の意図及び範囲から離脱したものとはみなされず、当業者に自明であるそのような全ての変更は、以下の請求の範囲の技術範囲内に含まれる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、粉粒体の流動特性測定装置の概略図である。なお、図中、2は保持部材、2aは流出部、3は粉粒体、7は重量測定装置、20は受け皿を示す。
第2図の(1)は、粉粒体の流動特性測定装置の保持部材を漸次傾斜させて粉粒体を落下させる状態を示す概略図で、第2図の(2)は、保持部材の斜視図である。
第3図は、Δ落下率Dの測定例を示す図である。
第4図は、粉粒体落下速度分散を表すモデル図である。(4−1)、(4−2)及び(4−3)はそれぞれ粉粒体落下速度分散Vを0、0.5及び2.0の場合を示す。
第5図は、粉粒体の粉末物性測定装置の概略図である。(1)は該装置の側面図(左図)と該装置の平面図(右図)である。(2)は軸26を中心にスプーン型計量器22を回転させる状態を示す概略図、(3)は(2)の段階から90°回転させた場合のスプーン型計量器22の状態を示している。
第6図は、スプーン型計量器22の拡大図である。
第7図は、本発明の各調整例のΔ落下率、進入圧をプロットし、本発明で規定される範囲との関係を表したものである。
第8図は、本発明で規定される範囲を日本及び海外において販売されている粒状洗剤組成物31種の商品のプロットである。

Claims (3)

  1. 界面活性剤、水不溶性無機物及び水溶性塩類を含有する嵩密度が500g/L以上の粒状洗剤組成物であって、粉粒体落下速度分散Vが1.0以下であって、且つ進入圧Pが80gf/cm以下、Δ落下率Dが14%以下であり、さらに式(1)に示す指数Kが30〜230である、スプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物。
    K=P×exp(0.135×D) (1)
    〔但し、Pは進入圧(gf/cm)、DはΔ落下率(%)を示す〕
  2. 界面活性剤、水不溶性無機物及び水溶性塩類を含有する嵩密度が500g/L以上の粒状洗剤組成物の製造方法であって、該粒状洗剤組成物を構成する洗剤粒子の粉粒体落下速度分散Vが1.0以下、進入圧Pが80gf/cm以下、Δ落下率Dが14%以下、及び請求項1に記載の式(1)に示す指数Kが30〜230に、粒度調整、粒子形状調整及び粒子間付着力調整を行う、スプーン計量に好適な簡易計量性および分配性を有する粒状洗剤組成物の製造方法。
  3. 粒状洗剤組成物を構成する洗剤粒子の粒度を示す平均粒径、粒度分布(ロジンラムラー分布の分布指数)並びに粒径125μm以下の微粉率をそれぞれ200〜500μm、2.0以上、10%以下であり、粒子形状を示す球形度が100〜150であり、粒子間付着力を示す粉体層の引っ張り強度が30mN以下であり、且つ、該洗剤粒子の平均粒径、粒度分布(ロジンラムラー分布の分布指数)、粒径125μm以下の微粉率、球形度、および粉体層の引っ張り強度からなる群より選ばれるいずれか2つ以上が以下の範囲であり、
    平均粒径:220〜450μm
    粒度分布(ロジンラムラー分布の分布指数):2.6以上
    粒径125μm以下の微粉率:6%以下
    球形度:100〜145
    粉体層の引っ張り強度:15mN以下
    且つ、該洗剤粒子の粉粒体落下速度分散Vが1.0以下、進入圧Pが80gf/cm以下、Δ落下率Dが14%以下、及び請求項1に記載の式(1)に示す指数Kが30〜230に、粒度調整、粒子形状調整及び粒子間付着力調整を行う、請求項2に記載の粒状洗剤組成物の製造方法。
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