JP3874987B2 - 車載用待ち受けコネクタの位置決め構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車載用待ち受けコネクタの位置決め構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車体側パネルに、車載ユニットを挿入可能な挿入開口が形成されたものとしては、例えば、図3及び図4に示すように、自動車のセンターコンソールボックスの前部とインストルメントパネルの前部との間にまたがって配置されるセンタークラスタパネル(車体側パネル)1の運転席の前方に位置して、メータユニット(車載ユニット)2を挿入可能な挿入開口3が形成されたものがある。
【0003】
そして、この挿入開口3内の上部には、後方向きの待ち受けコネクタ4Aが取付けられていると共に、上記メータユニット2の上部には、センタークラスタパネル1の挿入開口3に挿入するときに(図4(a)の矢印A参照)、図4(b)のように、待ち受けコネクタ4Aに結合する前向きのコネクタ4Bが取付けられている。
【0004】
上記のような車載用待ち受けコネクタの構造では、成型誤差や組み付け誤差等を吸収するために、メータユニット2の外面と挿入開口3の内面との間に比較的大きな隙間(遊び)を形成しておく必要があるので位置決めが無いことから、センタークラスタパネル1側の待ち受けコネクタ4Aに対するメータユニット2側のコネクタ4Bの結合が困難な場合がある。
【0005】
そこで、図5に示すように、メータユニット2の外面の左右位置にストレート状のガイドリブ2aを形成すると共に、センタークラスタパネル1の挿入開口3の内面の左右位置にストレート状のガイドレール溝3aを形成して、ガイドリブ2aをガイドレール溝3aに嵌め込んでメータユニット2を挿入開口3に挿入(矢印A参照)するときに位置決めガイドすることにより、センタークラスタパネル1側の待ち受けコネクタ4Aに対するメータユニット2側のコネクタ4Bの結合が容易となるような工夫がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、単なるストレート状のガイドリブ2aとガイドレール溝3aとによる位置決めガイド構造では、この位置決め精度が両コネクタの嵌合精度に比べて悪いために、挿入作業時にメータユニット2が傾くと、嵌合中のコネクタに過度な力が作用するおそれがある。
【0007】
また、センタークラスタパネル1側の待ち受けコネクタ4Aに対するメータユニット2側のコネクタ4Bの位置ずれを、待ち受けコネクタ4Aの変位で吸収するようにすれば、変位機構の付加によって待ち受けコネクタ4Aが大型化するおそれがある。
【0008】
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、嵌合中のコネクタに過度な力が作用しないと共に、待ち受けコネクタも大型化しないように工夫した車載用待ち受けコネクタの位置決め構造を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、車体側パネルに、車載ユニットを挿入可能な挿入開口が形成され、この挿入開口内に待ち受けコネクタが取付けられていると共に、上記車載ユニットに、車体側パネルの挿入開口に挿入するときに、待ち受けコネクタに結合するコネクタが取付けられている車載用待ち受けコネクタであって、
上記車載ユニットの外面の左右位置と車体側パネルの挿入開口の内面の左右位置とに、車載ユニットを挿入開口に挿入するときに位置決めガイドするガイドリブとガイドレール溝とが相対的に形成されて、このガイドレール溝の前側と後側とに、両コネクタの端子の嵌合直前から両コネクタの結合直後までの範囲で、上下方向の隙間が狭い遊び規制部が形成され、この前後の遊び規制部の間に上下方向の隙間が広い遊び部が形成されると共に、上記ガイドリブの中間部に、両コネクタの結合後にガイドリブの後部が遊び部に入ったときに、ガイドレール溝の前側の遊び規制部に嵌まったガイドリブの前部を支点としてガイドリブの後部が上下方向に遊び可能となるような細幅部が形成されていることを特徴とする車載用待ち受けコネクタの位置決め構造を提供するものである。
【0010】
請求項1の構成に加えて、請求項2のように、上記車載ユニットの外面の上下位置と車体側パネルの挿入開口の内面の上下位置との少なくとも一方に、車載ユニットを挿入開口に挿入するときに位置決めガイドするガイドリブとガイドレール溝とが相対的に形成されて、このガイドレール溝の前側と後側とに、両コネクタの端子の嵌合直前から両コネクタの結合直後までの範囲で、左右方向の隙間が狭い遊び規制部が形成され、この前後の遊び規制部の間に左右方向の隙間が広い遊び部が形成されると共に、上記ガイドリブの中間部に、両コネクタの結合後にガイドリブの後部が遊び部に入ったときに、ガイドレール溝の前側の遊び規制部に嵌まったガイドリブの前部を支点としてガイドリブの後部が左右方向に遊び可能となるような細幅部が形成されている構成とするのが好ましい。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、車体側パネルの挿入開口の内面のガイドレール溝(又はガイドリブ)に車載ユニットの外面のガイドリブ(又はガイドレール溝)を嵌め込んで、車載ユニットを挿入開口に挿入するときの位置決めガイドをする際に、ガイドリブとガイドレール溝とには、車体側パネルの待ち受けコネクタと車載ユニットのコネクタとの端子の嵌合直前から両コネクタの結合直後までの範囲で遊びを規制する規制部が形成されているから、この範囲での位置決め精度を両コネクタの嵌合精度と同等に設定することにより、挿入作業時に車載ユニットの傾きが少なくなるので、嵌合中のコネクタに過度な力が作用するおそれがなくなる。
【0012】
また、上記範囲以外では、遊びを積極的に持たせることにより、挿入作業が比較的にスムーズに行えて、車体パネル側の待ち受けコネクタに対する車載ユニット側のコネクタの結合が容易になる。
【0013】
さらに、両コネクタの結合後にガイドリブの後部が遊び部に入ったとき、ガイドレール溝の前側の遊び規制部に嵌まったガイドリブの前部を支点として、ガイドリブの後部が上下方向及び左右方向に遊び可能となるので、車体側パネルの待ち受けコネクタに対する車載ユニットのコネクタの位置ずれを、この遊びによる車載ユニットの変位で吸収できるので、待ち受けコネクタの変位吸収量が少なくなり、待ち受けコネクタが大型化しなくなってコンパクトになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。なお、従来技術と同一構成・作用の箇所は同一番号を付して詳細な説明は省略する。
【0015】
図1及び図2に示すように、コネクタ4Bを取付けたメータユニット2の外面の左右位置と下位置にストレート状のガイドリブ2bをそれぞれ形成すると共に、センタークラスタパネル1の待ち受けコネクタ4Aを取付けた挿入開口3の内面の左右位置と下位置にストレート状のガイドレール溝3bをそれぞれ形成している。なお、ガイドレール溝3bの後側の入口端には面取り部3fが形成され、ガイドリブ2bの前側の嵌め込み端には面取り部2fが形成されている。
【0016】
そして、基本的には、上記先行技術と同様に、各ガイドリブ2bを各ガイドレール溝3bに嵌め込んでメータユニット2を挿入開口3に挿入(矢印A参照)するときに位置決めガイドすることにより、センタークラスタパネル1側の待ち受けコネクタ4Aに対するメータユニット2側のコネクタ4Bの結合が容易となるようになっている。
【0017】
一方、上記各ガイドレール溝3bの前側(奥側)と後側(入口側)とには、両コネクタ4A,4Bの端子の嵌合直前から両コネクタ4A,4Bの結合直後までの範囲で、一定幅w1のガイドリブ2bがほぼ隙間無く嵌め込まれるように、上下方向の隙間t1が狭い遊び規制部3c,3dがそれぞれ形成されている。
【0018】
そして、左右位置の前後の遊び規制部3c,3dの間には、一定幅w1のガイドリブ2bの後部2dが入ったとき、上下方向B(図1及び図2(c)参照)に遊び可能なように、上下方向の隙間t2が広い遊び部3eが形成されると共に、下位置の前後の遊び規制部3c,3dの間には、一定幅w1のガイドリブ2bの後部2dが入ったとき、左右方向C(図1及び図2(c)参照)に遊び可能なように、左右方向の隙間t2が広い遊び部3eが形成されている。
【0019】
また、左右位置のガイドリブ2bの前部(奥側)2cと後部(入口側)2dの間の中間部には、両コネクタ4A,4Bの結合直後にガイドリブ2bの後部2dが遊び部3eに入ったとき、ガイドレール溝3bの前側の遊び規制部3cに嵌まったガイドリブ2bの前部2cを支点として、ガイドリブ2bの後部2dが上下方向Bに遊び可能となるように、幅w2が細い細幅部2eが形成されると共に、下位置のガイドリブ2bの前部(奥側)2cと後部(入口側)2dの間の中間部には、両コネクタ4A,4Bの結合直後にガイドリブ2bの後部2dが遊び部3eに入ったとき、ガイドレール溝3bの前側の遊び規制部3cに嵌まったガイドリブ2bの前部2cを支点として、ガイドリブ2bの後部2dが左右方向Cに遊び可能となるように、幅w2が細い細幅部2eが形成されている。
【0020】
上記のように車載用待ち受けコネクタの位置決め構造を構成すれば、センタークラスタパネル1の挿入開口3のガイドレール溝3bにメータユニット2のガイドリブ2bを嵌め込んで、メータユニット2を挿入開口3に挿入するときの位置決めガイドをする際に、ガイドリブ2bとガイドレール溝3bとには、挿入開口3の待ち受けコネクタ4Aとメータユニット2のコネクタ4Bとの端子の嵌合直前から両コネクタ4A,4Bの結合直後までの範囲で遊びを規制する規制部2c,2dと3c,3dが形成されているから、この範囲での位置決め精度を両コネクタ4A,4Bの端子の嵌合精度と同等に設定することにより、挿入作業時にメータユニット2の傾きが少なくなるので、嵌合中のコネクタに過度な力が作用するおそれがなくなって、両コネクタ4A,4Bの破損等の恐れを回避できる。
【0021】
また、上記範囲以外では、遊びを積極的に持たせることにより、挿入作業が比較的にスムーズに行えて、挿入開口3の待ち受けコネクタ4Aに対するメータユニット2のコネクタ4Bの結合が容易になる。
【0022】
さらに、両コネクタ4A,4Bの結合後にガイドリブ2bの後部2dが遊び部3eに入ったとき、ガイドレール溝3bの前側の遊び規制部3cに嵌まったガイドリブ2bの前部2cを支点として、ガイドリブ2bの後部2dが上下方向B及び左右方向Cに遊び可能となるので(図2(c)参照)、センタークラスタパネル1の待ち受けコネクタ4Aに対するメータユニット2のコネクタ4Bの位置ずれを、この遊びによるメータユニット2の変位で吸収できるので、待ち受けコネクタ4Bの変位吸収量が少なくなり、待ち受けコネクタ4Bが大型化しなくなってコンパクトになる。
【0023】
上記実施形態では、センタークラスタパネル1の挿入開口3にガイドレール溝3bを形成し、メータユニット2にガイドリブ2bを形成したが、逆に、センタークラスタパネル1の挿入開口3にガイドリブを形成し、メータユニット2にガイドレール溝を形成しても良い。また、挿入開口3とメータユニット2の左右位置と下位置にガイドレール溝3bとガイドリブ2bを形成したが、上位置にもガイドレール溝3bとガイドリブ2bを形成しても良い。
【0024】
また、上記実施形態では、図3及び図4の従来技術に対応させるために、センタークラスタパネル1の挿入開口3にメータユニット(車載ユニット)2を後方から挿入することを前提としたが、前方から挿入するものであっても良い。
【0025】
さらに、上記実施形態では、自動車のセンタークラスタパネル1の挿入開口3にメータユニット2を挿入するときの待ち受けコネクタ4A,4Bの位置決め構造であったが、カーラジオ、CDプレーヤー等のオーディオ、NAVI(ナビゲーション)、エアコン、ランプなどの各種ユニットや、フロントエンド、ドアなどの各種モジュールを挿入開口に挿入するときの待ち受けコネクタの位置決め構造等にも本発明が適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の車載用待ち受けコネクタの位置決め構造の斜視図である。
【図2】 位置決め手順であり、(a)はコネクタ結合前の断面図、(b)はコネクタの端子の嵌合直前の断面図、(c)はコネクタの結合後の断面図である。
【図3】 センタークラスタパネルとメータユニットの斜視図である。
【図4】 (a)はコネクタ結合前の断面図、(b)はコネクタ結合後の断面図である。
【図5】 先行技術の車載用待ち受けコネクタの位置決め構造の斜視図である。
【符号の説明】
1 センタークラスタパネル(車体側パネル)
2 メータユニット(車載ユニット)
2b ガイドリブ
2c 前部
2d 後部
2e 細幅部
3 挿入開口
3b ガイドレール溝
3c,3d 遊び規制部
3e 遊び部
4A 待ち受けコネクタ
4B コネクタ
Claims (2)
- 車体側パネルに、車載ユニットを挿入可能な挿入開口が形成され、この挿入開口内に待ち受けコネクタが取付けられていると共に、上記車載ユニットに、車体側パネルの挿入開口に挿入するときに、待ち受けコネクタに結合するコネクタが取付けられている車載用待ち受けコネクタであって、
上記車載ユニットの外面の左右位置と車体側パネルの挿入開口の内面の左右位置とに、車載ユニットを挿入開口に挿入するときに位置決めガイドするガイドリブとガイドレール溝とが相対的に形成されて、このガイドレール溝の前側と後側とに、両コネクタの端子の嵌合直前から両コネクタの結合直後までの範囲で、上下方向の隙間が狭い遊び規制部が形成され、この前後の遊び規制部の間に上下方向の隙間が広い遊び部が形成されると共に、上記ガイドリブの中間部に、両コネクタの結合後にガイドリブの後部が遊び部に入ったときに、ガイドレール溝の前側の遊び規制部に嵌まったガイドリブの前部を支点としてガイドリブの後部が上下方向に遊び可能となるような細幅部が形成されていることを特徴とする車載用待ち受けコネクタの位置決め構造。 - 上記車載ユニットの外面の上下位置と車体側パネルの挿入開口の内面の上下位置との少なくとも一方に、車載ユニットを挿入開口に挿入するときに位置決めガイドするガイドリブとガイドレール溝とが相対的に形成されて、このガイドレール溝の前側と後側とに、両コネクタの端子の嵌合直前から両コネクタの結合直後までの範囲で、左右方向の隙間が狭い遊び規制部が形成され、この前後の遊び規制部の間に左右方向の隙間が広い遊び部が形成されると共に、上記ガイドリブの中間部に、両コネクタの結合後にガイドリブの後部が遊び部に入ったときに、ガイドレール溝の前側の遊び規制部に嵌まったガイドリブの前部を支点としてガイドリブの後部が左右方向に遊び可能となるような細幅部が形成されている請求項1に記載の車載用待ち受けコネクタの位置決め構造。
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