JP3874049B2 - 天井一体化オーバーヘッドコンソールの取り付け構造 - Google Patents
天井一体化オーバーヘッドコンソールの取り付け構造 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の天井に取り付けられ、ガレージを開閉する無線機や携帯電話、サングラス等の小物を収容するオーバーヘッドコンソールに関し、特に、その取り付け構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のオーバーヘッドコンソールの天井への取り付け方法は、鉄板のプレス製品である自動車の屋根の裏側補強部材であるルーフクロスメンバーに、板金製品であるオーバーヘッドコンソールブラケットを固定する。次に、合成樹脂発泡材料からなる天井を自動車の屋根に取り付ける。その天井にはオーバーヘッドコンソールを嵌め込むための開口が設けられている。その開口に嵌め込むようにして合成樹脂からなるオーバーヘッドコンソールを下からあてがい、ねじによりオーバーヘッドコンソールブラケットにオーバーヘッドコンソールを固定していた。
【0003】
また、オーバーヘッドコンソールではないが、自動車用ランプを天井に固定する構造として、成形天井の裏面側に板状のプレートを配設し、そのプレートとランプのフランジ部との間で成形天井を挟着することにより、成形天井にランプを取り付ける構造が、特許第2855511号公報に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のオーバーヘッドコンソールの取り付け構造は、自動車の組立ラインに於けるオーバーヘッドコンソールの取り付けに手間が掛かるという問題点があった。天井はたとえば、1400×1000mmといった大きなものであり、この天井を屋根に取り付ける際に数ミリメータ程度の取り付け誤差が生じるのは良くあることである。この誤差は天井の開口の位置の誤差となり、オーバーヘッドコンソールブラケットにねじ止めするオーバーヘッドコンソールの位置との誤差となる。このため、狭い車室内でのオーバーヘッドコンソールの取り付けに手間取ったり、不具合を生ずることがあった。
【0005】
また、近年、自動車の組立工程において部品のモジュール化ということが盛んに要請されるようになってきている。部品のモジュール化とは部品を単品で自動車組み立てラインに供給するのではなく、できるだけ多くの部品を組み付けた(Sub Assyした)モジュールとして組み立てラインに提供し、ラインにおける組立工数を削減しようとするものである。従来のオーバーヘッドコンソールの取り付け構造はこの要請に応えるものではなかった。
【0006】
また、特許第2855511号の自動車用ランプの取り付け構造は重量の軽いランプと成形天井との組み合わせだからできることであり、比較的大きな部品であるオーバーヘッドコンソールと柔らかい発泡樹脂材の天井との組み合わせに適用することはできなかった。
【0007】
そこで、本発明は、大きなオーバーヘッドコンソールであっても天井に組み込むことができ、かつモジュール化した状態で車両の組立ラインに供給することができる天井一体化オーバーヘッドコンソールの取り付け構造を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成する本発明の天井一体化オーバーヘッドコンソールの取り付け構造は、ホルダーを備え車両の屋根の内側に固定されるオーバーヘッドコンソールと、そのオーバーヘッドコンソールの屋根側裏面を覆うルーフブラケットと、前記オーバーヘッドコンソールが嵌まり込む開口を有する天井とを備え、前記ルーフブラケットおよび前記オーバーヘッドコンソールは、ルーフブラケットをオーバーヘッドコンソールに固定するブラケット固定手段と、前記天井の前記開口の端縁近傍を挟み込む端縁部と、を備え、そのブラケット固定手段により、前記オーバーヘッドコンソールおよび前記ルーフブラケットの端縁部の間に前記天井の前記開口の端縁近傍を挟圧して固定し、天井とオーバーヘッドコンソールとを一体化してモジュールとし、さらにオーバーヘッドコンソールを前記屋根の内側に固定してモジュールを組み付けたことを特徴とする。
【0009】
ここで、ブラケット固定手段としては、たとえば、ルーフブラケットあるいはオーバーヘッドコンソールのいずれか一方に爪を形成し他方にその爪と係合可能な係合部を形成したものであったり、あるいは、ルーフブラケットにねじ孔を形成しオーバーヘッドコンソールに形成した孔からねじにより両者を固定するものであったり等々、ルーフブラケットをオーバーヘッドコンソールに固定するための手段のすべてをいう。
【0010】
このように形成すると、天井とオーバーヘッドコンソールがサブアシイされてモジュール化されており、自動車の組立ラインで車両の屋根に天井およびオーバーヘッドコンソールを組み付ける工数が大幅に低減するという効果を奏する。
また、天井とオーバーヘッドコンソールを一体化するという比較的精度を要する作業が、狭い車室内ではなく広い部品工場で行うことができるので作業性が向上する。
さらに、オーバーヘッドコンソールを屋根に直接固定するとともに、ルーフブラケットおよびオーバーヘッドコンソールの端縁部の全周で天井の荷重を支えることができるため、比較的大きな部品であるオーバーヘッドコンソールと柔らかい材質の天井との組み合わせに適用することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は自動車の天井とオーバーヘッドコンソールとを一体化してモジュール化した部品を下から見た斜視図である。発泡樹脂からなり、約1400×1000mmの大きさを有する天井1に、主としてポリプロプレンからなる合成樹脂で形成されたオーバーヘッドコンソール2が埋め込まれモジュール化されている。オーバーヘッドコンソール2には前方から、マップランプ21、サングラスを収納するサングラスホルダー22、小物を収納するホルダー23、ルームランプ24等が配設されている。
【0012】
図2は天井1とオーバーヘッドコンソール2とを分離した状態で上から見た斜視図である。天井1の中央にはオーバーヘッドコンソール2の底部が嵌まり込むための長方形の開口11が設けられている。天井1の上方には、ルーフブラケット3が配設されている。ルーフブラケット3は合成樹脂からなり、オーバーヘッドコンソール2の屋根側裏面を覆う部材である。オーバーヘッドコンソール2の端縁部25とルーフブラケット3の端縁部31とで天井1の開口11の端縁近傍12を挟み込み、オーバーヘッドコンソール2とルーフブラケット3とで天井1を挟圧して三者を一体化する。ルーフブラケット3をオーバーヘッドコンソール2に固定する構造については図2には図示していないので後に説明する。三者を一体化し天井1とモジュール化されたオーバーヘッドコンソール2は4本のボルト4により図示しない屋根のルーフクロスメンバーに締着される。
【0013】
図3は図1のA−A線横断面図である。この図面では自動車の屋根5も描かれている。オーバーヘッドコンソール2の左右の側壁にはそれぞれ爪41が形成され、その爪41がルーフブラケット3の係合部42に係合してルーフブラケット3をオーバーヘッドコンソール2に固定するようにしている。また、ルーフブラケット3の上壁の左右にねじ孔43が形成され、そのねじ孔43にオーバーヘッドコンソール2の上壁の孔を挿通してねじ44が絞め込まれ、オーバーヘッドコンソール2をルーフブラケット3に締着している。
【0014】
上記において、爪41とその係合部42、あるいはねじ孔43とねじ44はルーフブラケット3をオーバーヘッドコンソール2に固定するブラケット固定手段を構成している。図3ではブラケット固定手段として爪41とねじ44の両者を描いたが実際にはどちらか片方でよい。ブラケット固定手段として2つの方法が考えられることを示すために2つとも描いただけである。爪41による固定は爪41を押し込むだけでルーフブラケット3をオーバーヘッドコンソール2に固定でき、作業性に優れる利点がある。
【0015】
いずれにしても、爪41とその係合部42またはねじ孔43とねじ44によるブラケット固定手段により、ルーフブラケット3の端縁部31とオーバーヘッドコンソール2の端縁部25で天井1を挟圧し、天井1とオーバーヘッドコンソール2とを一体化しモジュール化している。
【0016】
図4は図1のB−B線縦断面図である。この図面では自動車の屋根5、ルーフクロスメンバー6、7およびフロントウインド8も描かれている。また、サングラスホルダー22およびホルダー23は開いた状態を想像線で示している。前後のルーフクロスメンバー6、7は屋根5の裏面にスポット溶接により固着されている。そのルーフクロスメンバー6、7にボルト4、4によりオーバーヘッドコンソール2が締着されている。ルーフブラケット3はねじ44等のブラケット固定手段によりオーバーヘッドコンソール2に固定され、ルーフブラケット3の端縁部31とオーバーヘッドコンソール2の端縁部25で天井1を挟圧し、天井1とオーバーヘッドコンソール2とを一体化しモジュール化している。
【0017】
自動車の組立ラインではウインド等が装着されていない状態で、一体化されモジュール化された天井1、オーバーヘッドコンソール2およびルーフブラケット3を車室内に搬入し、ボルト4でオーバーヘッドコンソール2の部分をルーフクロスメンバー6、7に締着し、天井1の周縁の端末固定処理を行う。したがって、実車での組み付け時に天井1の開口11とオーバーヘッドコンソール2の取り付け位置を合わせる必要がなく、モジュール化されているので実車での組付けが極めて容易になる。
【0018】
さらに、自動車の組立が完了した後にオーバーヘッドコンソール2の取り外しの必要が生じたときは、ねじ44を弛めるか爪41を押圧してルーフブラケット3とオーバーヘッドコンソール2との固定を解除する。次いで、ボルト4を弛めることにより、天井1とルーフブラケット3を屋根5側に残したまま、オーバーヘッドコンソール2を取り外すことができる。したがって、自動車が客先に提供された後のサービスに支障が生ずることもない。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、天井とオーバーヘッドコンソールとを一体化しモジュール化したものであるから、車両の組立ラインにおける天井およびオーバーヘッドコンソールの実車への組付けが極めて容易になるという優れた効果がある。
さらに、オーバーヘッドコンソールを屋根に直接固定したものであるから、大きなオーバーヘッドコンソールと柔らかい材質の天井との組み合わせに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の実施の形態を示し、自動車の天井とオーバーヘッドコンソールとを一体化してモジュール化した部品を下から見た斜視図である。
【図2】図2は天井1とオーバーヘッドコンソール2とを分離した状態で上から見た斜視図である。
【図3】図3は図1のA−A線横断面図である。
【図4】図4は図1のB−B線縦断面図である。
【符号の説明】
1 天井
2 オーバーヘッドコンソール
3 ルーフブラケット
4 ボルト
5 屋根
11 開口
12 端縁近傍
23 ホルダー
25 オーバーヘッドコンソールの端縁部
31 ルーフブラケットの端縁部
41 爪
42 係合部
43 ねじ孔
44 ねじ
Claims (1)
- ホルダーを備え車両の屋根の内側に固定されるオーバーヘッドコンソールと、そのオーバーヘッドコンソールの屋根側裏面を覆うルーフブラケットと、前記オーバーヘッドコンソールが嵌まり込む開口を有する天井とを備え、
前記ルーフブラケットおよび前記オーバーヘッドコンソールは、ルーフブラケットをオーバーヘッドコンソールに固定するブラケット固定手段と、前記天井の前記開口の端縁近傍を挟み込む端縁部と、を備え、
そのブラケット固定手段により、前記オーバーヘッドコンソールおよび前記ルーフブラケットの端縁部の間に前記天井の前記開口の端縁近傍を挟圧して固定し、天井とオーバーヘッドコンソールとを一体化してモジュールとし、さらにオーバーヘッドコンソールを前記屋根の内側に固定してモジュールを組み付けたことを特徴とする天井一体化オーバーヘッドコンソールの取り付け構造。
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