JP3873085B2 - Calcium phosphate porous sintered body and method for producing the same - Google Patents
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Description
【0002】
【発明が属する技術分野】
【0003】
本発明は、骨や歯の置換材、修復材、薬剤徐放性基材、骨もしくは軟骨組織等の培養容器あるいは誘導容器として利用できるリン酸カルシウム系多孔質焼結体とその製造方法に関し、さらに詳しくは、生体との親和性や骨形成に必要な細胞侵入性、強度などの特性が優れている多孔質構造を持つリン酸カルシウム系多孔質焼結体とその製造方法に関する。
【従来の技術】
【0004】
歯科、脳外科、形成外科、整形外科などで、人工骨、人工歯、骨類の補填などに用いられる材料(以下「骨補填材」という)としては、毒性がなく、機械的強度が十分で、生体組織と親和性が高く結合しやすいと共に、生体内で自然に消滅し、新生骨と自然に置きかえられるものが好ましい。
【0005】
このような観点から、リン酸カルシウム化合物からなる多孔質構造の骨補填材が用いられる。
【0006】
多孔質構造を持つ骨補填材の製造方法として、原料粉末と熱分解物質を混合し、所定の形状に成形した後、加熱して熱分解物質の除去と原料粉末の焼結を行う方法が知られている(特開昭60−21763号公報、特開昭60−16879号公報)。
【0007】
しかしながら、これらの従来公知の製造方法では、気孔を形成するために添加した熱分解物質が必ずしも満遍なく接触するとは限らず、したがって、形成された気孔の大部分は独立した気孔となり易い。また、形成された隣接気孔同士が接しており、連続していたとしても、各気孔の連通する部分(以下「連通部」又は「連通部分」という)の断面積が小さくなる。このような気孔構造では、生体内に補填しても、各気孔内に満遍なく骨生成に必要な細胞(骨芽細胞等)を侵入させることが困難である。
【0008】
そこで、連通部の断面積を大きくする目的で、可燃性の球状粒子の表面をバインダーで被覆し、この粒子の集合物を成形型内に収納して加圧し、各粒子の表面部分とその周囲に隣接配置される他の粒子の表面とを接触固定した後、同粒子間に存在する隙間部分に、リン酸カルシウム系粉末を懸濁させたスラリーを充填し、これを乾燥して、固化した後、加熱して、可燃性の球状粒子およびバインダーを熱分解して除去し、しかる後、焼結する方法が知られている(特開平7−291759号公報)。
【0009】
この方法で製造される多孔質構造の骨補填材は、十分な連通部の断面積を持っている。
【0010】
しかしながら、可燃性の球状粒子を加圧により接触固定する方法において、加圧する圧力を制限し、スプリングバックによる多孔質構造の破壊については、一応考慮はされているものの、乾燥時に固定された可燃性球状粒子の寸法変化はほとんど生じないにもかかわらず、スラリーから水分が除かれ粉体の充填状態が変化する際に大きな収縮が生じるために、多孔質体を構成する骨格部分に破壊が生じ易いという問題は考慮されていない。
さらに、固定された可燃性球状粒子が熱分解され除去されるに至る温度上昇過程において固定された可燃性球状粒子は大きな熱膨張を起こすが、原料粉末の充填体からなる多孔質体を構成する骨格部分にはあまり熱膨張が生じず、そのため、熱膨張差が大きくなり、その結果、多孔質体を構成する骨格部分に破壊が生じ易いという問題も、考慮されていない。
【0011】
さらに、可燃性球状粒子やバインダーが熱分解する際に大量のガスが発生し、外部に逃げ切れず、その圧力によって多孔質体の内部に亀裂が生じるという問題についても考慮されていない。
【0012】
それゆえ、このような従来方法では、十分な機械的強度を発現することは困難である。
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、従来技術の上記問題を解決すべくなされたものであり、機械的強度が十分で、生体親和性が高く、大半の気孔が満遍なく連通状態にあり、かつ大半の気孔内に骨芽細胞等が侵入しやすい多孔質構造を持つリン酸カルシウム系多孔質焼結体およびその製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の解決手段は、請求項1〜12に記載されたリン酸カルシウム系多孔質焼結体とその製造方法である。
【発明の実施の形態】
【0015】
本発明によるリン酸カルシウム系多孔質焼結体は、ほぼ球状の気孔が多孔質焼結体のほぼ全体にわたって連通している。その気孔率は、50%以上85%以下(好ましくは50〜70%)である。かつ、気孔間の連通部分の平均的な直径は、35μm以上(好ましくは35〜70μm)である。気孔径は、80μm以上で150μmより小さい範囲(好ましくは80〜140μm)である。三点曲げ強さは、5MPa以上(好ましくは10MPa以上)である。
【0016】
とくに、気孔率が50〜70%、気孔径が80〜140μm、三点曲げ強さが10Mp以上という3条件のうち、2条件を同時に満たすことがさらに好ましく、3条件を全て満たせば特に好ましい。その理由は、強度が向上し骨補填材として利用できる範囲が広がることと、気孔径が小さくなるので薬剤徐放性基材として薬剤を長期にわたり放出しやすくなることである。
【0017】
気孔率の測定方法
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の気孔率は以下の方法で測定する。あらかじめ、被測定物のリン酸カルシウム系多孔質焼結体と同一組成を有する焼結体を作成し、真密度計を用いて測定し真密度(ρ*)を求める。被測定物のリン酸カルシウム系多孔質焼結体を直方体ももしくは円柱に加工し、その寸法を測定し計算により体積を求める。さらに、重量を測定し、重量を体積で除してその密度(ρ)を求める。これらの値を用いて、気孔率(P)は、次の式により算出される。
【0018】
P=1−ρ/ρ*
また、リン酸カルシウム系多孔質焼結体を樹脂中に包埋し、これを研磨して顕微鏡等で観察し、画像解析により気孔部分の面積(Ap)および気孔部分の面積を測定した部分の面積(Am)を求める。これらの値を用いて、気孔率(P) は、次式により算出される。
【0019】
P=Ap/Am
気孔径の測定方法
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の気孔径は以下の方法で測定する。リン酸カルシウム系多孔質焼結体を樹脂中に包埋し、これを研磨して顕微鏡等で観察し、画像解析によりほぼ球状の気孔面積を求める。ここで測定する気孔数は精度上多いほど良いが、一般に300個以上の気孔について測定を行えば良い。ここで求められる気孔面積はほぼ球状の気孔の一部を通過する平面での断面であり、気孔の直径ではないために、三次元的な補正を行う。
【0020】
補正の方法として、Johnson−Saltkov法を用いる。Johnson−Saltkov法では、観測される気孔の面積から、直接気孔の直径分布が得られるが、平均的な気孔径としては、気孔体積の累積分布において総気孔体積の50%を占める気孔径を算出する。
【0021】
本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体は、上記のような構成上の特徴を持つために、機械的強度が十分で、生体組織と親和性が高く結合しやすいと共に、生体内で自然に消滅し、新生骨と自然に置きかえられる特性を持っている。
【0022】
また、薬剤徐放性基材として用いられる場合にも、薬剤を十分に保持しうる大量の気孔と、薬剤を徐々に放出するのに有効な、気孔間の連通部を有しており、かつ、十分な強度を保有している。
【0023】
ここで、気孔率を50%以上85%以下とした理由を述べる。
【0024】
気孔率が50%未満では、隣接する気孔間にできる連通部の断面積が小さくなり、あるいは、独立した気孔が過度に多く存在するようになり、骨補填材として用いられる場合、本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体の内部に十分な量の骨芽細胞等を取り込むことが困難となり、薬剤徐放性基材として用いられる場合、薬剤を十分に保持しうる気孔が確保しがたくなる。気孔率は55%以上が好ましい。
【0025】
気孔率が90%を超えると、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の強度が著しく低下する。気孔率は85%以下が好ましい。特に強度を大きくしたり徐放剤用基材とする場合には70%以下が好ましい。
【0026】
また、気孔間の連通部の平均的な直径を35μm以上としたのは、35μm未満であると、骨形成に必要な細胞侵入性が得られないためである。気孔間の連通部の平均的な直径の上限は特に限定されない。連通部の平均的な直径は50μm以上が好ましい。
【0027】
なお、気孔間の連通部の平均的な直径は、水銀圧入法で測定する。また、連通部の直径が大きすぎて水銀圧入法が適用できない場合、多孔質焼結体の断面部を顕微鏡で観察し連通部の直径を観測して、気孔間の連通部の平均的な直径を面積平均径として算出する。
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の気孔径を80μm以上としたのは、80μm未満では、気孔間の連通部分の平均的な直径を35μm以上とすることが困難であるためである。気孔径の上限は150μmより小さい範囲である。気孔径も実施可能である。好ましい気孔径は、80〜140μmである。特に好ましくは80〜120μmである。
【0028】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の三点曲げ強さを5MPa以上としたのは、5MPa未満では、本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体の所望の用途において、機械的強度が不十分なためである。三点曲げ強さの上限は特に限定されないが、50MPa程度の強度も実施可能である。
【0029】
本発明による好ましいリン酸カルシウム系焼結体においては、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分が緻密化したリン酸カルシウム系焼結体からなり、その表面部分が、微細な凹凸、もしくはリン酸カルシウム系の多孔質焼結体より成る層を有する。それにより、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の比表面積が0.1m2/g以上になっている。
【0030】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体が骨補填材などの用途に使用される場合、骨生成を助ける薬剤を吸着させることが一般的である。その際、十分な吸着量を得るためには、比表面積を0.1m2/g以上(とくに0.2m2/g以上)とすることが望ましい。この観点から、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分が緻密化したリン酸カルシウム系焼結体からなり、その表面部分が、適度な微細な凹凸、もしくはリン酸カルシウム系の多孔質焼結体より成る層を有する。そのような表面部分の構造により、比表面積は増加するが、著しい強度の低下は起こらない。そのため、良好な骨補填材を得ることができる。
【0031】
さらに、骨補填材用途の場合、リン酸カルシウム多孔質焼結体の骨格部分の表面に微細な凹凸(気孔も含む)が存在すると、そこに破骨細胞や骨芽細胞などがとりついて活動しやすくなり、ひいては、生体内で自然に消滅し、新生骨と自然に置きかえられやすくなる。リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分の表面が、適度に微細な凹凸、もしくは、リン酸カルシウム系の多孔質焼結体より成る層を有すると、微細な凹凸が補填骨について効果的に機能する。比表面積の上限は特に限定されないが、100m2/g程度の比表面積も実施可能である。
【0032】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体は、例えば、CaHPO4、Ca3(PO4)2、Ca5(PO4)3OH、Ca4O(PO4)2、Ca10(PO4)6(OH)2、CaP4O11、Ca(PO3)2、Ca2P2O7、Ca(H2PO4)2、Ca2P2O7、Ca(H2PO4)2・H2O等を主成分とする多孔質焼結体であり、リン酸カルシウムと称される1群の化合物からなる多孔質焼結体を含む。
【0033】
また、このリン酸カルシウム系多孔質焼結体を構成する、リン酸カルシウムと称される1群の化合物は、そのCa成分の一部が、Sr、Ba、Mg、Fe、Al、Y、La、Na、K、Ag、Pd、Zn、Pb、Cd、Hおよび、この他の希土類から選ばれる一種以上で置換されてもよい。また、(PO4)成分の一部 が、VO4、BO3、SO4、CO3、SiO4などから選ばれる一種以上で置換されても良い。さらに、(OH)成分の一部が、F、Cl、O、CO3、I、Brから選ばれる一種以上で置換されても良い。
【0034】
なお、これらのリン酸カルシウムと称される1群の化合物は、通常の結晶体のほかに、同型固溶体、置換型固溶体、侵入型固溶体のいずれかであっても良く、非化学量論的欠陥を含むものであっても良い。
【0035】
前述のリン酸カルシウム系多孔質焼結体は、後述のリン酸カルシウム系多孔質焼結体の製造方法により提供される。
【0036】
たとえば、そのような製造方法の好適な例は、リン酸カルシウム系粉末および架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリーを調整する工程と、このスラリーに起泡剤を添加し攪拌および/または気体導入により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリーとする工程と、泡沫状態のスラリーに架橋剤および/または架橋開始剤を添加して混合し、型内に導入して架橋重合により硬化し成形体とする工程と、この成形体を乾燥し、焼結する工程を含むものである。なお、前述のスラリー中には、分散剤、整泡剤、増粘剤などを添加してもよい。
【0037】
架橋重合により硬化し得る有機物質は、ポリビニルアルコール、メタクリル酸メチル、メチルセルローズ等のほか、種々の架橋重合性を有する物質を用いることが可能である。特に、アミノ基を含む線状、分枝状、ブロック状形態を有するポリマーは、カチオン性に富み、原料粉末の分散にも寄与して良好なスラリーを作製することができ、かつ後述する架橋剤と併用して良好な架橋重合体を得ることができるために好ましい。
【0038】
架橋剤は選択された架橋重合性物質を架橋する物であれば任意のものを使用することができる。特に、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のような、アミノ基を持つ架橋重合性を有する有機物質を用いる場合には、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、グルセロールポリグリシジルエーテル、ポリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等のエポキシ基を2以上持つエポキシ化合物を用いることが好ましい。
【0039】
起泡剤としては、陰イオン性、陽イオン性、両イオン性、ノニオン性の界面活性剤を用いることができる。ただし、特に架橋重合性を有する有機物質にポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、プロピレンイミン等のようにアミノ基を含む線状、分岐状、ブロック状形態のポリマーを選択した場合、陰イオン性界面活性剤を用いると、そのイオン性の違いから、イオンコンプレックスを形成し、起泡操作が困難になる場合があり、この場合には、陰イオン界面活性剤を使用することは望ましくない。
【0040】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分が緻密化したリン酸カルシウム系焼結体からなり、その表面部分が微細な凹凸もしくはリン酸カルシウム系の多孔質焼結体より成る層を有し、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の比表面積が0.1m2/g以上であるリン酸カルシウム系多孔質焼結体は、次に説明する方法によって製造できる。
【0041】
たとえば、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の、緻密化したリン酸カルシウム系焼結体より成る骨格部分の表面を、酸によりエッチングし、骨格部分の表面に微細な凹凸を設ける。緻密化したリン酸カルシウム系焼結体の骨格部分の表面は酸によるエッチングを受けて、粒界部分が溶解し、その結果、微細な凹凸が骨格部分の表面に形成される。エッチングに用いる酸は、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸などのほか、各種酸を用いることができる。また、エッチング液のpHは特に規定しない。酸の種類、濃度によりエッチング速度が異なるため、条件を調節する。ただし、ここで述べた方法では、過度にエッチングを行うと、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の強度が低下するため、リン酸カルシウム系多孔質焼結体を構成する結晶粒子の大きさによっても異なるが、結晶粒子径が1μmの場合、0.3m2/g以下とすることが望ましい。
【0042】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の製造方法は、次のようなエッチング法を採用するのが好ましい。すなわち、酸によるエッチング工程が、酸流路内に流路を遮るように設置されたリン酸カルシウム系多孔質焼結体の気孔内に酸を流通させる工程から成るのが好ましい。酸中にリン酸カルシウム系多孔質焼結体を浸漬した場合、多孔質焼結体表面部分はエッチングが著しいが、多孔質焼結体内部のエッチングはあまり進行しないが、本発明のようなエッチング工程を採用すれば、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の内部まで均一にエッチングを施すことが容易である。
【0043】
なお、酸エッチングの後、イオン交換水などを流通させ十分に酸を洗い流し、さらに、乾燥後に熱処理を施して、表面に吸着残存している酸成分を除去する工程を設けることが更に望ましい。
【0044】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の製造方法の別の好ましい形態においては、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分の表面に、新たにリン酸カルシウム系粉末を含むスラリーを付着させ、乾燥し、焼結する。このようにして、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分の表面にリン酸カルシウム系焼結体の層を設ける。その新たに設けたリン酸カルシウム系焼結体の層は、リン酸カルシウム系粉末の組成によっても異なるが、その焼結温度により多孔質にも緻密質にもすることができる。多孔質の場合、内部に緻密な骨格部分を含んでいるために、強度の低下を引き起こすことなく、骨格部分の表面にリン酸カルシウム系の多孔質焼結体より成る層を設けることができ、本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体の比表面積を増やすことができる。緻密質の場合、スラリーはエッジ形状を持つ連通部分に付着しにくいために、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の断面形状が円形に近くなる。このために、連通部分の平均的な直径を著しく小さくすることなく、機械的強度の向上をはかることができる。
【0045】
リン酸カルシウム系粉末は、例えば、CaHPO4、Ca3(PO4)2、Ca5(PO4)3OH、Ca4O(PO4)2、Ca10(PO4)6(OH)2、CaP4O11、Ca(PO3)2、Ca2P2O7、Ca(H2PO4)2、Ca2P2O7、Ca(H2PO4) 2・H2O等を主成分とする粉末であり、リン酸カルシウムと称される1群の化合物からなる粉末も含む。
【0046】
また、このリン酸カルシウム系粉末を構成する。リン酸カルシウムと称される1群の化合物は、そのCa成分の一部が、Sr、Ba、Mg、Fe、Al、Y、La、Na、K、Ag、Pd、Zn、Pb、Cd、H、および、この他の希土類から選ばれる一種以上で置換されても良い。また、(PO4)成分の一部が、VO4、BO3、SO4、CO3、SiO4から選ばれる一種以上で置換されても良 い。さらに、(OH)成分の一部が、F、Cl、O、CO3、I、Brから選ばれる一種以上で置換されても良い。
【0047】
なお、これらのリン酸カルシウムと称され1群の化合物は、通常の結晶体のほかに、同型固溶体、置換型固溶体、侵入型固溶体のいずれであっても良く、非化学量論的欠陥を含むものであっても良い。
【0048】
なお、本発明によるリン酸カルシウム系多孔質焼結体の表面部分に、骨生成を促進する薬剤や他の効果をもつ薬剤を吸着させることも可能である。さらに、気孔の内部に骨生成を促進する薬剤や他の効果をもつ薬剤を包含させることも可能である。
【0049】
また、本発明によるリン酸カルシウム系多孔質焼結体の表面部分を、コラーゲンなどの蛋白質を含む生体親和性の高い有機物質で被覆して使用することもできる。
【0050】
更に又、本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体の生分解特性は、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の骨格部分を構成する結晶粒子の制御、あるいは、粒子間境界に炭酸イオンなど析出させることにより、制御することが可能である。例えば、骨新生に必要な期間、多くの場合2ヶ月間から5年間の間に徐々に分解する、生分解特性を付与することができる。
【0051】
本発明の好ましい製造方法の一形態では、先ず、リン酸カルシウム系粉末および架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させたスラリーを調整する。ここで、ボールミル等を用いて原料粉末を分散し、架橋重合により硬化し得る有機物質を溶媒に分散または溶解させてスラリーとする。このスラリーに起泡剤を添加し撹拌および/または気体導入により所定の容積まで起泡し、泡沫状態のスラリーとする。次いで、泡沫状態のスラリーに架橋剤および/または架橋開始剤を添加して混合し、型内に導入して架橋重合により硬化し成形体とする。起泡後、架橋重合により流動性を失うまでの間に、隣接する泡間の接触部分から泡同士の三重点(陵部)、四重点(頂点部分)に向けて原料粉末や溶媒などの排出が起こり、スラリーが流動性を失う時点と前後して、接触部分の液膜が壊れ、気孔間の連通部分が形成される。
【0052】
この成形体を乾燥し、焼結して、リン酸カルシウム系多孔質焼結体とする。その際、乾燥は、加湿下で実施することが望ましい。急激な水分の減少により成形体内部と外部の寸法差が生じ、亀裂が発生することを防止するためである。焼結は、800℃以上1300℃以下で実施することが好ましい。
【0053】
気孔間の連通が本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体全体に満遍なく起こるようにするには、気孔率を50%以上とすることが好ましい。満遍なく気孔が連通する条件は、パーコレーション現象が絡んでおり、ある気孔率から劇的に連通部分が多くなるが、気孔率50%以上では、安定してリン酸カルシウム系多孔質焼結体全体に連通が満遍なく起こるようにしやすい。
【0054】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の気孔率は、主としてスラリー中への気体の導入量、乾燥による収縮、焼結による収縮によって決まるが、乾燥収縮および焼結収縮を予め求めておけば、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の気孔率は、スラリー中への気体の導入量で制御できる。
【0055】
リン酸カルシウム系多孔質焼結体の気孔径は、起泡剤として添加する界面活性剤の種類や濃度、スラリーの粘弾性や、架橋重合により泡沫状のスラリーが流動性を失うまでの時間により制御できる。
【0056】
従って、本発明によるリン酸カルシウム系多孔質焼結体の製造方法によれば、生体内に補填したときに各気孔内に満遍なく骨芽細胞等を侵入させることが可能な骨補填材を容易に製造することができる。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0058】
実施例1
先ず、原料粉末として水酸アパタイト粉末100重量部、溶媒としてイオン交換水80重量部、架橋重合性を有する有機物質としてポリエチレンイミン(固形分60%、数平均分子8000〜10500)12重量部を用いて、それらをボールミルで24時間混合してスラリーを作製した。上記組成のスラリーをそれぞれ、288g(実施例1−1)、224g(実施例1−2)、160g(実施例1−3)容器に量り取り、これらに起泡剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル(非イオン性界面活性剤)を1.2g、0.9g、0.7g添加し、機械的な撹拌によりそれぞれ300cm3になるまで起泡し、泡沫状のスラリーとした。これに、架橋剤としてエポキシ化合物(ソルビトールポリグリシジルエーテル)をそれぞれ6.0g、4.7g、3.3g添加して、十分に撹拌し、型内に導入して、静置し、架橋重合により流動性を失いハンドリング可能な程度まで強度が発現した時点で脱型した。脱型後、加湿乾燥機および乾燥機を使用して十分に乾燥し、焼結を1200℃で行った。
【0059】
このようにして得られた水酸アパタイト多孔質焼結体は、それぞれ気孔率が55%、65%、75%、それぞれ平均気孔径が100μm、120μm、140μm、それぞれ連通部分の平均的な直径が38μm、42μm、50μmであった。また、それぞれ三点曲げ強さは、20MPa、15MPa、9MPaであり、骨補填材用途として十分な強度を持っていた。
【0060】
実施例1−3の試料の比表面積をBET1点法で測定したところ、0.10m2/gであった。
【0061】
実施例2
実施例1−3の方法で作製された水酸アパタイト多孔質焼結体を流路中に流れを遮るように設置し、この流路中に、pH5.5に調製された希塩酸を水酸アパタイト多孔体1cm2あたり50cm3/分の流量で5時間流した。この水酸アパタイト多孔質焼結体を100℃で乾燥した後、1000℃で熱処理した。
【0062】
この試料をSEMにて観察したところ、水酸アパタイト多孔質焼結体の緻密化した骨格部分の表面に約1μmの結晶が認められた。その結晶周囲の粒界部分がおおよそ1μm程度の深さでエッチングされていた。
【0063】
この水酸アパタイト多孔質焼結体は、気孔率が75%で、平均気孔径が140μmであり、連通部分の平均的な直径は55μmであった。また、三点曲げ強さは、8MPaであり、骨補填材用途として十分な強度を持っていた。
【0064】
この試料の比表面積をBET1点法で測定したところ、0.20m2/gであった。
このように、酸エッチングにより著しい強度の低下を引き起こすことなく、水酸アパタイト多孔質焼結体の緻密化した骨格部分の表面に微細な凹凸構造を設けて、比表面積を増加することができた。
【0065】
実施例3
原料粉末として水酸アパタイト粉末50g、溶媒としてイオン交換水100g、バインダとしてポリエチレンイミン(固形分60%、数平均分子量8000〜10500)1gを用いて、それらをボールミルで5時間混合して、スラリーを作製した。
【0066】
このスラリーに、実施例1−3の方法で作製された水酸アパタイト多孔質焼結体を浸漬し、余分なスラリーを脱液した後、エアーブローにより更に脱液を実施して、乾燥した。
【0067】
この工程を3回繰り返し、水酸アパタイト多孔質焼結体の骨格部分の表面に水酸アパタイト粉末成形体が付着したものを作製した。
【0068】
これを1200℃で焼結したところ、気孔率は70%で、平均気孔径は140μmで、連通部分の平均的な直径は46μmであった。また、三点曲げ強さは、13MPaであり、骨補填材用途として十分な強度を持っていた。
【0069】
この試料の骨格部分をSEMで観察したところ、骨格部分の表面に新たに追加された緻密な水酸アパタイト焼結体の層が観察された。
【0070】
このような方法で、実施例1の機構構造を大きく変化させることなく、より強度の高いリン酸カルシウム系多孔質焼結体を作成できた。
【0071】
実施例4
原料粉末として水酸アパタイト粉末50g、溶媒としてイオン交換水100g、バインダとしてポリエチレンイミン(固形分60%、数平均分子量8000〜10500)1gを用いて、それらをボールミルで5時間混合して、スラリーを作製した。
【0072】
このスラリーに、実施例1−3の方法で作製された水酸アパタイト多孔質焼結体を浸漬し、余分なスラリーを脱液した後、エアーブローにより更に脱液を実施して乾燥した。
【0073】
この工程を3回繰り返し、水酸アパタイト多孔質焼結体の骨格部分の表面に水酸アパタイト粉末成形体が付着したものを作製した。
【0074】
これを1000℃で焼結したところ、気孔率が72%、平均気孔径が140μm、連通部分の平均的な直径は48μmであった。また、三点曲げ強さは、9MPaであり、骨補填材用途として十分な強度を持っていた。
【0075】
この試料の骨格部分の断面をSEMで観察したところ、骨格部分の表面に新たに形成された多孔質の水酸アパタイト焼結体の層が観察された。
【0076】
この試料の比表面積をBET1点法で測定したところ、0.5m2/gであった。
【0077】
このように水酸アパタイト多孔質焼結体の骨格部分の表面に新たに多孔質のアパタイト焼結体の層を設けることにより、強度の低下を引き起こすことなく、水酸アパタイト多孔質焼結体の比表面積を増加することができた。
【0078】
前述の実施例1〜4のリン酸カルシウム系多孔質焼結体により構成された人工骨材は、十分な断面積を持つ連通部分により互いに接続された気孔が全体にわたり分布している。したがって、この人工骨材は、生体内において十分に骨芽細胞等を侵入させ、新生骨を形成することができる。
【0079】
なお、各原料やその添加量、焼結等の条件は、実施例1〜4に具体的に述べたものに限るものではない。
【発明の効果】
【0080】
本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体により構成された人工骨材は、十分な断面積を持つ連通部分により互いに接続された気孔が全体にわたり分布している。したがって、この人工骨材は生体内において十分に骨芽細胞等を侵入させ、新生骨を形成することができる。
【0081】
また、本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体は、高い気孔率でかつ互いに連通した気孔を有し、また、リン酸カルシウム系多孔質焼結体の比表面積を大きくすることが可能であり、薬剤徐放性基材として有用である。
【0082】
また、本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体は、生体骨中で見られる血管侵入のためのフォルクマン管、及び栄養成分補給に必要なハーバース管の役割を代替しうる気孔と連通孔を有しているため、生体内においては骨組織、軟骨組織等を材料内部とその周囲に誘導するための組織誘導容器として、また、生体外においては骨組織、軟骨組織等を材料内部で培養する組織培養容器として利用できる。
【0083】
さらに、生体内部で組織誘導し、あるいは、生体外部で組織培養した本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体を用いて、患部の補填などを実施することが可能である。
【0084】
本発明のリン酸カルシウム系多孔質焼結体の製造方法によれば、本発明の前述のリン酸カルシウム系多孔質焼結体を容易に製造することができる。[0002]
[Technical field to which the invention belongs]
[0003]
The present invention relates to a calcium phosphate-based porous sintered body that can be used as a bone or tooth replacement material, a restoration material, a drug sustained-release base material, a culture vessel or induction vessel for bone or cartilage tissue, and a method for producing the same. Relates to a calcium phosphate-based porous sintered body having a porous structure having excellent properties such as affinity to a living body, cell penetration required for bone formation, and strength, and a method for producing the same.
[Prior art]
[0004]
As a material used for artificial bones, artificial teeth, bones, etc. in dentistry, brain surgery, plastic surgery, orthopedic surgery, etc. (hereinafter referred to as `` bone replacement material ''), it is not toxic and has sufficient mechanical strength. It is preferable to have a high affinity with a living tissue and easily bind to the living tissue, and which naturally disappears in the living body and can be naturally replaced with new bone.
[0005]
From such a viewpoint, a bone grafting material having a porous structure made of a calcium phosphate compound is used.
[0006]
As a method for manufacturing a bone grafting material having a porous structure, a raw material powder and a pyrolytic substance are mixed, formed into a predetermined shape, and then heated to remove the pyrolytic substance and sinter the raw powder. (Japanese Patent Laid-Open Nos. 60-21863 and 60-16879).
[0007]
However, in these conventionally known production methods, the pyrolysis substance added to form pores does not always come into uniform contact, and therefore, most of the formed pores tend to be independent pores. Further, even if the formed adjacent pores are in contact with each other and are continuous, the cross-sectional area of the portion where each pore communicates (hereinafter referred to as “communication portion” or “communication portion”) becomes small. With such a pore structure, it is difficult to evenly infiltrate cells (osteoblasts and the like) necessary for bone formation into each pore even if they are compensated in the living body.
[0008]
Therefore, for the purpose of increasing the cross-sectional area of the communicating portion, the surface of the flammable spherical particles is coated with a binder, the aggregate of the particles is stored in a mold and pressed, and the surface portion of each particle and its surroundings After contacting and fixing the surface of other particles arranged adjacent to each other, the gap portion existing between the particles is filled with the slurry in which the calcium phosphate powder is suspended, dried, and solidified. A method is known in which flammable spherical particles and binder are thermally decomposed and removed by heating, and then sintered (Japanese Patent Laid-Open No. 7-291759).
[0009]
The porous bone substitute material manufactured by this method has a sufficient cross-sectional area of the communication portion.
[0010]
However, in the method of contacting and fixing flammable spherical particles by pressurization, the pressure to be applied is limited, and the destruction of the porous structure due to springback has been considered for the time being, but the flammability fixed at the time of drying In spite of almost no dimensional change of the spherical particles, large shrinkage occurs when moisture is removed from the slurry and the filling state of the powder is changed. Therefore, the skeleton part constituting the porous body is likely to be broken. The problem is not considered.
Further, the fixed combustible spherical particles undergo a large thermal expansion in the process of temperature rise until the fixed combustible spherical particles are thermally decomposed and removed, but constitute a porous body made of a raw material powder filler. The thermal expansion does not occur so much in the skeleton portion, and therefore the difference in thermal expansion becomes large, and as a result, the problem that the skeleton portion constituting the porous body easily breaks is not considered.
[0011]
Furthermore, the problem that a large amount of gas is generated when the combustible spherical particles and the binder are thermally decomposed, cannot escape to the outside, and the pressure causes cracks in the porous body is not considered.
[0012]
Therefore, it is difficult for such a conventional method to exhibit sufficient mechanical strength.
[Problems to be solved by the invention]
[0013]
The present invention has been made to solve the above-mentioned problems of the prior art, has sufficient mechanical strength, high biocompatibility, most of the pores are uniformly connected, and bone buds in most of the pores. An object of the present invention is to provide a calcium phosphate porous sintered body having a porous structure into which cells and the like easily enter, and a method for producing the same.
[Means for Solving the Problems]
[0014]
The solving means of the present invention is as follows.12The calcium phosphate porous sintered body described in 1) and a method for producing the same.
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[0015]
In the calcium phosphate porous sintered body according to the present invention, substantially spherical pores communicate with almost the entire porous sintered body. Its porosity is 50% or more85% Or less (preferably 50 to 70%). And the average diameter of the communication part between pores is 35 micrometers or more (preferably 35-70 micrometers). The pore diameter is in the range of 80 μm or more and smaller than 150 μm (preferably 80 to 140 μm). The three-point bending strength is 5 MPa or more (preferably 10 MPa or more).
[0016]
In particular, among the three conditions of porosity of 50 to 70%, pore diameter of 80 to 140 μm, and three-point bending strength of 10 Mp or more, two conditions are more preferably satisfied at the same time, and it is particularly preferable that all three conditions are satisfied. The reason is that the strength is improved and the range that can be used as a bone grafting material is widened, and the pore diameter is reduced, so that the drug is easily released as a drug sustained-release base material for a long period of time.
[0017]
Measuring method of porosity
The porosity of the calcium phosphate porous sintered body is measured by the following method. A sintered body having the same composition as the calcium phosphate porous sintered body of the object to be measured is prepared in advance, and measured using a true density meter to determine the true density (ρ *). The calcium phosphate porous sintered body of the object to be measured is processed into a rectangular parallelepiped or a cylinder, its dimensions are measured, and the volume is obtained by calculation. Further, the weight is measured, and the density (ρ) is obtained by dividing the weight by the volume. Using these values, the porosity (P) is calculated by the following equation.
[0018]
P = 1-ρ / ρ *
Further, the calcium phosphate porous sintered body is embedded in a resin, polished and observed with a microscope or the like, and the area of the pore portion (Ap) and the area of the portion measured by image analysis (the area of the pore portion ( Am). Using these values, the porosity (P) is calculated by the following equation.
[0019]
P = Ap / Am
Measuring method of pore diameter
The pore diameter of the calcium phosphate porous sintered body is measured by the following method. A calcium phosphate-based porous sintered body is embedded in a resin, polished, and observed with a microscope or the like, and a substantially spherical pore area is obtained by image analysis. Here, the number of pores to be measured is preferably as high as possible. However, in general, measurement may be performed for 300 or more pores. The pore area required here is a cross section in a plane passing through a part of a substantially spherical pore, and is not the diameter of the pore, so that three-dimensional correction is performed.
[0020]
The Johnson-Saltkov method is used as the correction method. In the Johnson-Saltkov method, the pore size distribution is obtained directly from the observed pore area, and the average pore size is calculated as the pore size that accounts for 50% of the total pore volume in the cumulative pore volume distribution. To do.
[0021]
Since the calcium phosphate porous sintered body of the present invention has the above-described structural characteristics, it has sufficient mechanical strength, has high affinity with living tissue, and is easily lost in vivo. However, it has the characteristic that it can be naturally replaced with new bone.
[0022]
In addition, when used as a drug sustained-release base, it has a large number of pores that can sufficiently hold the drug, and a communication part between the pores that is effective for gradually releasing the drug, and Possesses enough strength.
[0023]
Here, the porosity is 50% or more85Describe the reason why the percentage is less than or equal to%.
[0024]
When the porosity is less than 50%, the cross-sectional area of the communication portion formed between adjacent pores becomes small, or when there are too many independent pores and used as a bone filling material, the calcium phosphate of the present invention It becomes difficult to take in a sufficient amount of osteoblasts and the like inside the porous sintered body, and when used as a drug sustained-release base, it is difficult to secure pores that can sufficiently hold the drug. The porosity is preferably 55% or more.
[0025]
If the porosity exceeds 90%, the strength of the calcium phosphate porous sintered body is significantly reduced. The porosity is preferably 85% or less. In particular, when the strength is increased or the substrate for sustained release is used, 70% or less is preferable.
[0026]
Moreover, the reason why the average diameter of the communication part between the pores is set to 35 μm or more is that if it is less than 35 μm, the cell invasion necessary for bone formation cannot be obtained. The upper limit of the average diameter of the communication part between the pores is not particularly limited. The average diameter of the communication part is preferably 50 μm or more.
[0027]
In addition, the average diameter of the communication part between pores is measured by the mercury intrusion method. If the mercury intrusion method cannot be applied because the diameter of the communication part is too large, the cross-sectional part of the porous sintered body is observed with a microscope, the diameter of the communication part is observed, and the average diameter of the communication part between the pores Is calculated as an area average diameter.
The reason why the pore diameter of the calcium phosphate-based porous sintered body is set to 80 μm or more is that when it is less than 80 μm, it is difficult to set the average diameter of the communication portion between the pores to 35 μm or more. The upper limit of the pore diameter is in a range smaller than 150 μm. Pore diameter can also be implemented. A preferable pore diameter is 80 to 140 μm. Especially preferably, it is 80-120 micrometers.
[0028]
The reason why the three-point bending strength of the calcium phosphate porous sintered body is set to 5 MPa or more is that the mechanical strength is insufficient in the desired use of the calcium phosphate porous sintered body of the present invention if it is less than 5 MPa. is there. The upper limit of the three-point bending strength is not particularly limited, but a strength of about 50 MPa can be implemented.
[0029]
In a preferred calcium phosphate sintered body according to the present invention, the calcium phosphate porous sintered body is composed of a calcium phosphate sintered body in which the skeleton portion is densified, and the surface portion has fine irregularities or calcium phosphate porous sintered body. It has a layer consisting of a knot. As a result, the specific surface area of the calcium phosphate porous sintered body is 0.1 m.2/ G or more.
[0030]
When the calcium phosphate porous sintered body is used for applications such as a bone grafting material, it is common to adsorb a drug that aids bone formation. At that time, in order to obtain a sufficient amount of adsorption, the specific surface area is 0.1 m 2 / g or more (particularly 0.2 m2/ G or more). From this point of view, the calcium phosphate-based porous sintered body is composed of a dense calcium phosphate-based sintered body, and the surface portion of the layer is composed of moderately fine irregularities or a calcium phosphate-based porous sintered body. Have. Such a structure of the surface portion increases the specific surface area, but does not cause a significant decrease in strength. Therefore, a good bone filling material can be obtained.
[0031]
In addition, in the case of bone prosthetic materials, if there are fine irregularities (including pores) on the surface of the skeleton part of the calcium phosphate porous sintered body, osteoclasts and osteoblasts are easily attached to them. As a result, it naturally disappears in the living body and is easily replaced with new bone. When the surface of the skeleton part of the calcium phosphate porous sintered body has a moderately fine unevenness or a layer made of a calcium phosphate based porous sintered body, the fine unevenness effectively functions for the supplementary bone. The upper limit of the specific surface area is not particularly limited, but 100 m2A specific surface area of about / g can also be implemented.
[0032]
The calcium phosphate porous sintered body is, for example, CaHPO.Four, CaThree(POFour)2, CaFive(POFour)ThreeOH, CaFourO (POFour)2, CaTen(POFour)6(OH)2, CaPFourO11, Ca (POThree)2, Ca2P2O7, Ca (H2POFour)2, Ca2P2O7, Ca (H2POFour)2・ H2It is a porous sintered body mainly composed of O or the like, and includes a porous sintered body made of a group of compounds called calcium phosphate.
[0033]
In addition, a group of compounds called calcium phosphate constituting the calcium phosphate-based porous sintered body includes a part of the Ca component such that Sr, Ba, Mg, Fe, Al, Y, La, Na, K , Ag, Pd, Zn, Pb, Cd, H, and other rare earths may be substituted. Also, (POFour) Part of the component is VOFour, BOThree, SOFour, COThree, SiOFourIt may be substituted with one or more selected from the above. Furthermore, a part of the (OH) component is F, Cl, O, COThree, I, Br may be substituted with one or more selected from.
[0034]
In addition, a group of compounds called calcium phosphate may be any of the same type solid solution, substitution type solid solution, and interstitial type solid solution in addition to a normal crystal, and includes non-stoichiometric defects. It may be a thing.
[0035]
The aforementioned calcium phosphate porous sintered body is provided by a method for producing a calcium phosphate porous sintered body described later.
[0036]
For example, a suitable example of such a production method includes a step of preparing a slurry in which a calcium phosphate powder and an organic substance that can be cured by crosslinking polymerization are dispersed or dissolved in a solvent, and a foaming agent is added to the slurry and stirred. And / or foaming to a predetermined volume by introducing a gas to form a foamed slurry, and adding and mixing a crosslinking agent and / or a crosslinking initiator to the foamed slurry, introducing the mixture into a mold, and crosslinking It includes a step of curing by polymerization to form a molded body, and a step of drying and sintering the molded body. In addition, you may add a dispersing agent, a foam stabilizer, a thickener, etc. in the above-mentioned slurry.
[0037]
As the organic material that can be cured by cross-linking polymerization, it is possible to use polyvinyl alcohol, methyl methacrylate, methyl cellulose, and other materials having various cross-linking polymerization properties. In particular, a polymer having a linear, branched, or block form containing an amino group is rich in cationic properties, can contribute to the dispersion of the raw material powder, and can produce a good slurry. It is preferable because a good cross-linked polymer can be obtained in combination.
[0038]
Any crosslinking agent can be used as long as it crosslinks the selected crosslinked polymerizable substance. In particular, when an organic substance having an amino group such as polyacrylamide, polyethyleneimine, polypropyleneimine or the like is used, it is sorbitol polyglycidyl ether, polyglycerol polyglycidyl ether, pentaerythritol polyglycidyl ether, diester. It is preferable to use an epoxy compound having two or more epoxy groups, such as glycerol polyglycidyl ether, glycerol polyglycidyl ether, polymethylolpropane polyglycidyl ether.
[0039]
As the foaming agent, anionic, cationic, amphoteric, and nonionic surfactants can be used. However, when an organic substance having an amino group such as polyacrylamide, polyethyleneimine, propyleneimine or the like is selected as an organic substance having a crosslinkable polymer, an anionic surfactant should be used. If used, due to the difference in ionicity, an ion complex may be formed and the foaming operation may be difficult. In this case, it is not desirable to use an anionic surfactant.
[0040]
The calcium phosphate-based porous sintered body is composed of a calcium phosphate-based sintered body in which the skeleton portion is densified, and the surface portion has a layer made of fine irregularities or a calcium phosphate-based porous sintered body. The specific surface area of the bonded body is 0.1m2A calcium phosphate porous sintered body having a weight of at least / g can be produced by the method described below.
[0041]
For example, the surface of the skeleton portion of the calcium phosphate-based porous sintered body made of a densified calcium phosphate-based sintered body is etched with acid to provide fine irregularities on the surface of the skeleton portion. The surface of the skeleton portion of the densified calcium phosphate sintered body is subjected to etching with an acid, and the grain boundary portion is dissolved. As a result, fine irregularities are formed on the surface of the skeleton portion. As the acid used for etching, various acids can be used in addition to hydrochloric acid, sulfuric acid, nitric acid, phosphoric acid, acetic acid, citric acid and the like. Further, the pH of the etching solution is not particularly specified. Since the etching rate varies depending on the acid type and concentration, the conditions are adjusted. However, in the method described here, if the etching is excessive, the strength of the calcium phosphate-based porous sintered body is reduced, so it depends on the size of the crystal particles constituting the calcium phosphate-based porous sintered body, 0.3 m when the crystal particle size is 1 μm2/ G or less is desirable.
[0042]
It is preferable to employ the following etching method as a method for producing the calcium phosphate porous sintered body. That is, it is preferable that the etching step with an acid comprises a step of circulating the acid in the pores of the calcium phosphate porous sintered body installed so as to block the channel in the acid channel. When the calcium phosphate porous sintered body is immersed in an acid, the surface of the porous sintered body is significantly etched, but the etching inside the porous sintered body does not progress so much. If it is adopted, it is easy to uniformly etch the inside of the calcium phosphate porous sintered body.
[0043]
It is further desirable to provide a step of removing acid components adsorbed and remaining on the surface after acid etching by thoroughly washing away the acid by passing ion exchange water or the like and further performing heat treatment after drying.
[0044]
In another preferred embodiment of the method for producing a calcium phosphate porous sintered body, a slurry containing a calcium phosphate powder is newly attached to the surface of the skeleton portion of the calcium phosphate porous sintered body, dried and sintered. . In this way, the calcium phosphate-based sintered body layer is provided on the surface of the skeleton portion of the calcium phosphate-based porous sintered body. The newly provided layer of the calcium phosphate-based sintered body varies depending on the composition of the calcium phosphate-based powder, but can be made porous or dense depending on the sintering temperature. In the case of a porous material, since a dense skeleton portion is included therein, a layer made of a calcium phosphate-based porous sintered body can be provided on the surface of the skeleton portion without causing a decrease in strength. The specific surface area of the calcium phosphate porous sintered body can be increased. In the case of a dense material, the slurry is less likely to adhere to the communicating portion having an edge shape, so that the cross-sectional shape of the calcium phosphate porous sintered body is close to a circle. For this reason, it is possible to improve the mechanical strength without significantly reducing the average diameter of the communicating portion.
[0045]
The calcium phosphate powder is, for example, CaHPO.Four, CaThree(POFour)2, CaFive(POFour)ThreeOH, CaFourO (POFour)2, CaTen(POFour)6(OH)2, CaPFourO11, Ca (POThree)2, Ca2P2O7, Ca (H2POFour)2, Ca2P2O7, Ca (H2POFour)2・ H2It is a powder mainly composed of O or the like, and includes a powder made of a group of compounds called calcium phosphate.
[0046]
Further, this calcium phosphate powder is constituted. One group of compounds referred to as calcium phosphate has a portion of its Ca component comprising Sr, Ba, Mg, Fe, Al, Y, La, Na, K, Ag, Pd, Zn, Pb, Cd, H, and These may be substituted with one or more selected from other rare earths. In addition, a part of the (PO4) component is VOFour, BOThree, SOFour, COThree, SiOFourIt may be substituted with one or more selected from Furthermore, a part of the (OH) component is F, Cl, O, COThree, I, Br may be substituted with one or more selected from.
[0047]
The group of compounds called calcium phosphate may be any of the same type solid solution, substitution type solid solution, and interstitial type solid solution in addition to the usual crystal, and it contains non-stoichiometric defects. There may be.
[0048]
In addition, it is also possible to adsorb | suck the chemical | medical agent which accelerates | stimulates bone formation, and the chemical | medical agent with another effect to the surface part of the calcium-phosphate type porous sintered compact by this invention. Furthermore, it is possible to include a drug that promotes bone formation or a drug having other effects in the pores.
[0049]
Further, the surface portion of the calcium phosphate porous sintered body according to the present invention can be used by being coated with an organic substance having a high biocompatibility including a protein such as collagen.
[0050]
Furthermore, the biodegradation characteristics of the calcium phosphate porous sintered body of the present invention can be achieved by controlling the crystal particles constituting the skeleton of the calcium phosphate porous sintered body or by depositing carbonate ions or the like at the boundaries between the particles. It is possible to control. For example, biodegradation properties can be imparted that gradually degrade over a period required for bone formation, often between 2 months and 5 years.
[0051]
In one preferred form of the production method of the present invention, first, a slurry in which a calcium phosphate powder and an organic substance that can be cured by cross-linking polymerization are dispersed or dissolved in a solvent is prepared. Here, the raw material powder is dispersed using a ball mill or the like, and an organic substance that can be cured by cross-linking polymerization is dispersed or dissolved in a solvent to form a slurry. A foaming agent is added to the slurry and foamed to a predetermined volume by stirring and / or introducing gas to obtain a foamed slurry. Next, a crosslinking agent and / or a crosslinking initiator is added to the foamed slurry, mixed, introduced into a mold, and cured by crosslinking polymerization to obtain a molded body. After foaming and before loss of fluidity due to cross-linking polymerization, discharge of raw material powder and solvent from the contact part between adjacent foams toward the triple point (lung part) and four points (vertex part) between the foams Around the time when the slurry loses fluidity, the liquid film at the contact portion is broken, and a communication portion between the pores is formed.
[0052]
This molded body is dried and sintered to form a calcium phosphate porous sintered body. In that case, it is desirable to perform drying under humidification. This is to prevent the occurrence of cracks due to a dimensional difference between the inside and outside of the molded body due to a rapid decrease in moisture. Sintering is preferably performed at 800 ° C. or higher and 1300 ° C. or lower.
[0053]
In order to allow communication between pores to occur evenly throughout the calcium phosphate porous sintered body of the present invention, the porosity is preferably 50% or more. The condition that the pores communicate uniformly is the percolation phenomenon, and the number of communicating portions increases dramatically from a certain porosity. However, when the porosity is 50% or more, the entire calcium phosphate porous sintered body is stably communicated. Easy to make it happen evenly.
[0054]
The porosity of the calcium phosphate-based porous sintered body is mainly determined by the amount of gas introduced into the slurry, shrinkage due to drying, and shrinkage due to sintering. The porosity of the sintered material can be controlled by the amount of gas introduced into the slurry.
[0055]
The pore diameter of the calcium phosphate porous sintered body can be controlled by the type and concentration of the surfactant added as a foaming agent, the viscoelasticity of the slurry, and the time until the foamy slurry loses fluidity due to cross-linking polymerization. .
[0056]
Therefore, according to the method for producing a calcium phosphate porous sintered body according to the present invention, a bone filling material capable of evenly invading osteoblasts and the like into pores when filled in a living body is easily produced. be able to.
【Example】
[0057]
Hereinafter, the present invention will be described specifically by way of examples.
[0058]
Example 1
First, 100 parts by weight of hydroxyapatite powder as a raw material powder, 80 parts by weight of ion-exchanged water as a solvent, and 12 parts by weight of polyethyleneimine (solid content 60%, number average molecule 8000 to 10500) as an organic substance having a crosslinking polymerization property are used. Then, they were mixed with a ball mill for 24 hours to prepare a slurry. The slurry having the above composition was weighed into containers of 288 g (Example 1-1), 224 g (Example 1-2), and 160 g (Example 1-3), respectively, and polyoxyethylene lauryl ether ( 1.2 g, 0.9 g and 0.7 g of nonionic surfactant) are added and 300 cm each by mechanical stirring.ThreeFoamed until it became a foamy slurry. To this, 6.0 g, 4.7 g, and 3.3 g of an epoxy compound (sorbitol polyglycidyl ether) as a cross-linking agent were added, stirred sufficiently, introduced into the mold, allowed to stand, and cross-linked by polymerization. The mold was removed when the strength was developed to such an extent that the fluidity was lost and handling was possible. After demolding, it was sufficiently dried using a humidifying dryer and a dryer, and sintered at 1200 ° C.
[0059]
The thus obtained hydroxyapatite porous sintered body has a porosity of 55%, 65%, and 75%, respectively, and an average pore diameter of 100 μm, 120 μm, and 140 μm, respectively. They were 38 μm, 42 μm, and 50 μm. In addition, the three-point bending strengths were 20 MPa, 15 MPa, and 9 MPa, respectively, and had sufficient strength for use as a bone substitute material.
[0060]
When the specific surface area of the sample of Example 1-3 was measured by the BET one-point method, it was 0.10 m.2/ G.
[0061]
Example 2
The hydroxyapatite porous sintered body produced by the method of Example 1-3 was installed so as to block the flow in the flow path, and dilute hydrochloric acid adjusted to pH 5.5 was added in this flow path to the hydroxyapatite. 1cm porous body2Per 50cmThreeFor 5 hours at a flow rate of / min. The hydroxyapatite porous sintered body was dried at 100 ° C. and then heat-treated at 1000 ° C.
[0062]
When this sample was observed with an SEM, crystals of about 1 μm were observed on the surface of the dense skeleton portion of the hydroxyapatite porous sintered body. The grain boundary around the crystal was etched to a depth of about 1 μm.
[0063]
This hydroxyapatite porous sintered body had a porosity of 75%, an average pore diameter of 140 μm, and an average diameter of the communicating portion of 55 μm. Further, the three-point bending strength was 8 MPa, and the strength was sufficient for use as a bone filling material.
[0064]
When the specific surface area of this sample was measured by the BET single point method, it was 0.20 m.2/ G.
In this way, the specific surface area could be increased by providing a fine concavo-convex structure on the surface of the dense skeleton portion of the hydroxyapatite porous sintered body without causing a significant decrease in strength due to acid etching. .
[0065]
Example 3
Using 50 g of hydroxyapatite powder as a raw material powder, 100 g of ion-exchanged water as a solvent, and 1 g of polyethyleneimine (solid content 60%, number average molecular weight 8000 to 10500) as a binder, they are mixed in a ball mill for 5 hours to obtain a slurry. Produced.
[0066]
The hydroxide apatite porous sintered body produced by the method of Example 1-3 was immersed in this slurry, and the excess slurry was drained. Then, the slurry was further drained by air blow and dried.
[0067]
This process was repeated three times to prepare a hydroxyapatite powder compact adhered to the surface of the skeleton portion of the hydroxyapatite porous sintered body.
[0068]
When sintered at 1200 ° C., the porosity was 70%, the average pore diameter was 140 μm, and the average diameter of the communicating portion was 46 μm. Further, the three-point bending strength was 13 MPa, and the strength was sufficient for use as a bone filling material.
[0069]
When the skeleton portion of this sample was observed by SEM, a dense layer of a hydroxyapatite sintered body newly added to the surface of the skeleton portion was observed.
[0070]
By such a method, a calcium phosphate porous sintered body with higher strength could be created without greatly changing the mechanism structure of Example 1.
[0071]
Example 4
Hydroxyapatite powder 50g as raw material powder, ion exchange water 100g as solvent, polyethyleneimine (solid content 60%, number average molecular weight 8000-10500) 1g as a binder, they are mixed for 5 hours with a ball mill, and slurry is obtained. Produced.
[0072]
In this slurry, the hydroxyapatite porous sintered body produced by the method of Example 1-3 was immersed, and the excess slurry was drained. Then, the slurry was further drained by air blow and dried.
[0073]
This process was repeated three times to prepare a hydroxyapatite powder compact adhered to the surface of the skeleton portion of the hydroxyapatite porous sintered body.
[0074]
When sintered at 1000 ° C., the porosity was 72%, the average pore diameter was 140 μm, and the average diameter of the communicating portion was 48 μm. Further, the three-point bending strength was 9 MPa, and the strength was sufficient for use as a bone filling material.
[0075]
When the cross section of the skeleton portion of this sample was observed with an SEM, a porous hydroxyapatite sintered body layer newly formed on the surface of the skeleton portion was observed.
[0076]
When the specific surface area of this sample was measured by the BET 1-point method, 0.5 m2/ G.
[0077]
Thus, by providing a layer of a porous apatite sintered body on the surface of the skeleton portion of the hydroxyapatite porous sintered body, the strength of the hydroxyapatite porous sintered body is reduced without causing a decrease in strength. The specific surface area could be increased.
[0078]
In the artificial aggregate composed of the calcium phosphate porous sintered bodies of Examples 1 to 4 described above, pores connected to each other by communication portions having a sufficient cross-sectional area are distributed throughout. Therefore, this artificial bone material can sufficiently invade osteoblasts and the like in vivo to form new bone.
[0079]
In addition, conditions, such as each raw material, its addition amount, sintering, are not restricted to what was specifically described in Examples 1-4.
【The invention's effect】
[0080]
In the artificial bone composed of the calcium phosphate porous sintered body of the present invention, pores connected to each other by communication portions having a sufficient cross-sectional area are distributed throughout. Therefore, this artificial bone material can sufficiently invade osteoblasts and the like in vivo to form new bone.
[0081]
In addition, the calcium phosphate porous sintered body of the present invention has pores having high porosity and communicating with each other, and can increase the specific surface area of the calcium phosphate porous sintered body. Useful as a release substrate.
[0082]
The calcium phosphate porous sintered body of the present invention has pores and communication holes that can substitute for the role of the Volkmann tube for invasion of blood vessels found in living bones and the Habers tube necessary for nutritional component supplementation. Therefore, as a tissue induction container for guiding bone tissue, cartilage tissue, etc. in and around the material in vivo, and tissue for culturing bone tissue, cartilage tissue, etc. in the material in vitro It can be used as a culture container.
[0083]
Furthermore, it is possible to carry out supplementation of the affected area by using the calcium phosphate porous sintered body of the present invention, which is induced inside the living body or tissue-cultured outside the living body.
[0084]
According to the method for producing a calcium phosphate porous sintered body of the present invention, the aforementioned calcium phosphate porous sintered body of the present invention can be easily produced.
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