JP3869964B2 - 画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真プロセス等を用いた複写機・ファクシミリ・プリンタ等の画像形成装置に関する。
【0002】
より詳しくは、電子写真感光体等の像担持体に可転写像を形成担持させ、その可転写像を像担持体から転写材(記録材)に接触式転写手段で静電転写させ、転写材に転写された可転写像を接触式定着手段で転写材に定着させる行程を有する画像形成装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
図4にそのような画像形成装置例の概略構成模型図を示した。本例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス利用のレーザビームプリンタである。
【0004】
1は像担持体としての回転ドラム型の電子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印の時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0005】
感光ドラム1はその回転過程において一次帯電装置(帯電器)2によりその周面が所定の極性・電位に一様に帯電処理される。一次帯電装置2は本例のものは感光ドラム1面に当接させて配設した接触帯電部材としての帯電ローラと、この帯電ローラに帯電バイアスを印加する電源(不図示)からなる。帯電ローラ2に所定の帯電バイアスが印加されることで、回転感光ドラム1面が所定の極性・電位例えばほぼ−700V(暗部電位VD)に接触帯電方式で一様に帯電処理される。
【0006】
次いで、その回転感光ドラム1の一様帯電処理面に画像露光装置としてのレーザスキャナ3により目的の画像情報パターンに対応のレーザビーム走査露光Lがなされることにより、感光ドラム1面のレーザビーム走査露光部分の帯電電位が例えば−150V(明部電位VL)に減衰して、非露光部分の上記−700Vの暗部電位VDとの電位コントラストにより感光ドラム1面に目的の画像情報パターンに対応した静電潜像が形成される。
【0007】
その静電潜像がトナー現像装置(現像器)4により可転写のトナー画像として現像される。現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法等が用いられる。レーザビームプリンタの場合はイメージ露光と反転現像との組み合わせで用いられることが多い。本例ではトナー現像装置4はネガトナーを用いた反転現像装置であり、感光ドラム1面に形成された静電潜像の明部電位VL部分(レーザビーム走査露光部分)にトナーが付着して静電潜像が反転現像される。
【0008】
5は転写帯電装置(転写帯電器)である。感光ドラム1面に圧接させて転写ニップ部位である転写部位Tを形成させた接触転写部材としての転写ローラ6と、この転写ローラに所定の転写バイアスを印加する電源7からなる。転写ローラ6に印加する転写バイアスはトナーの帯電極性とは逆極性にされる。本例では正の転写バイアス例えば+2〜3kVの転写バイアスを転写部位Tを転写材Pが通過している間転写ローラ6に印加している。
【0009】
転写材Pは給紙カセットCから給紙ローラ9と分離部材(不図示)との協動により1枚分離給紙され、レジストローラ10と転写前ガイド部材11を通って転写部位Tに導入される。レジストローラ10は給紙部からの給紙転写材の斜行修正をするとともに、感光ドラム側の画像形成と同期をとって適切なタイミングで転写材Pを転写部位Tに給送する。転写前ガイド部材11は転写材Pを転写部位Tに対して適切な挿入角度で進入させる役目をしている。この転写前ガイド部材11は導電性であり、バリスタ12を介してグランドGに接続されている。
【0010】
転写材Pは転写部位Tを挟持搬送され、その間転写ローラ6に転写バイアスが印加されることで転写材Pの裏面がトナーの帯電極性(負)とは逆極性の正に接触帯電されて転写部位Tにおいて感光ドラム1面側のトナー像が転写材Pの表面側に順次に静電転写されて行く。
【0011】
転写部位Tを出た転写材は感光ドラム1面から順次に分離されて定着装置(定着器)13に導入され、トナー像の定着処理を受け、画像形成物として排出搬送される。また、転写材分離後の感光ドラム1面はクリーニング装置8により転写残トナー等の残留付着物の除去を受けて清掃され繰り返して作像に供される。
【0012】
本例における定着装置13は例えば特開平4−44075〜44083号公報等に開示の、円筒状の定着フィルムを用いたフィルム加熱方式、加圧ローラ駆動式の加熱装置である。
【0013】
14と15は互いに上下に当接させて定着ニップ部(加熱ニップ部)Nを形成させた定着部材(加熱部材)と加圧部材である。
【0014】
定着部材14は、加熱体としてのヒータ14a、ステイホルダー14b、円筒状の耐熱性フィルム(定着フィルム)14c等から構成されている。加圧部材15は弾性加圧ローラである。
【0015】
ヒータ14aは例えば所謂セラミックヒータである。セラミックヒータは、アルミナ等の耐熱性・電気絶縁性・良熱伝導性・低熱容量のセラミック基板と、この基板面に形成具備させたAg/Pd等の通電発熱体のパターン層を基本構成とし、通電発熱体パターン層に給電回路から給電されることにより該通電発熱体パターン層が発熱してヒータ1が全体的に迅速に昇温し、その昇温が不図示の温度検知素子で検知され、その検知温度情報が温度制御回路に入力してヒータの温度が所定の温度に維持されるように給電回路が制御される。
【0016】
ステイホルダー14bは、ヒータ14aを保持し、ニップと反対方向への放熱を防ぐ部材であり、液晶ポリマー、フェノール樹脂、PPS、PEEK等により形成されている。本例のステイホルダー14bは横断面円弧状樋型の横長で、耐熱性、電気絶縁性で、高い加重に耐えられる部材であり、ヒータ14aはこのステイホルダー14bの下面のほぼ中央部に部材長手に沿って設けた溝部に加熱面側を下向きに露呈させて嵌入して固定支持させてある。
【0017】
定着フィルム14cは円筒状の耐熱性フィルムであり、ヒータ14aを含むステイホルダー14bに対して周長に余裕を持たせた形でルーズに外嵌させてあり、ステイホルダー14bは定着フィルム14cを内面から支える。
【0018】
定着フィルム14cは熱容量の小さなものであり、クイックスタートを可能にするために総厚100μm以下の厚みで耐熱性、熱可塑性を有するポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、PFA、PTFE、FEP等を基層としたフィルムである。また、長寿命の加熱定着装置を構成するために充分な強度を持ち、耐久性に優れたフィルムとして、総厚20μm以上の厚みが必要である。よって定着フィルム14cの総厚みとしては20μm以上100μm以下が最適である。さらにオフセット防止や記録材の分離性を確保するために表層には、PFA、PTFE、FEP、シリコーン樹脂等の離型性の良好な耐熱樹脂を混合ないし単独で被覆したものである。
【0019】
加圧部材としての弾性加圧ローラ15は、芯金と、その外側に設けたシリコンゴム等の耐熱性の弾性離型層からなる。
【0020】
この弾性加圧ローラ15は、不図示の軸受部材に保持させ、ステイホルダー14bの下面側に固定支持させたヒータ14aの下向きの加熱面に対して定着フィルム14cを挟ませて、不図示の加圧手段により長手方向両端部から加熱定着に必要な定着ニップ部Nを形成するべく十分に加圧されている。
【0021】
弾性加圧ローラ15は不図示の駆動手段により矢印の反時計方向に回転駆動される(加圧用回転体駆動方式)。この弾性加圧ローラ15の回転駆動による該ローラ15の外面と定着フィルム14cの外面との、定着ニップ部Nにおける圧接摩擦力で定着フィルム14cに回転力が作用して、該定着フィルム14cはその内面が定着ニップ部Nにおいてヒータ14aの下向き加熱面に密着して摺動しながら矢印の時計方向に弾性加圧ローラ15の回転周速度にほぼ対応した周速度をもってステイホルダー14bの外回りを従動回転状態になる。
【0022】
この場合、ステイホルダー14bの外回りを従動回転する円筒状の定着フィルム14cはその周長の定着ニップ部Nとその近傍部の定着フィルム部分以外の定着フィルム部分はテンションフリー(テンションが加わらない状態)の状態にある。
【0023】
定着フィルム14cはその内面側がヒータ14aおよびステイホルダー14bの外面の一部に摺擦しながら回転するため、ヒータ14aおよびステイホルダー14bと定着フィルム14cの間の摩擦抵抗を小さく抑える必要がある。このためヒータ14aおよびステイホルダー14bの表面に耐熱性グリース等の潤滑剤を少量介在させてある。これにより定着フィルム14cはスムーズに回転することが可能となる。
【0024】
また、定着フィルム14cにはその肉厚内に導電性層を具備させてあり、トナーを熱で転写材Pに定着するときに転写材Pからでる水蒸気でトナーが動くのを防止するために電源16からその導電性層にトナーの帯電極性と同極性、本例では負のトナー移動防止バイアスを印加している。
【0025】
而して、弾性加圧ローラ15が回転駆動され、それに伴って円筒状の定着フィルム14cがステイホルダー14bの外回りを従動回転状態になり、ヒータ14aに通電がなされて該ヒータ14aの発熱で定着ニップ部Nの温度が所定に立ち上がって温調された状態において、定着ニップ部Nに、未定着トナー像を担持させた転写材Pが導入され、定着ニップ部Nにおいて転写材Pの未定着トナー像担持面側が定着フィルム14cの外面に密着して定着フィルム14cと一緒に定着ニップ部Nを挟持搬送されていく。
【0026】
この転写材Pの挟持搬送過程において、ヒータ14aの熱が定着フィルム14cを介して転写材Pに付与され、転写材P上の未定着トナー像が熱と圧力をかけられることで定着される。
【0027】
転写材Pは定着ニップ部Nを通過すると定着フィルム14cの外面から曲率分離して排紙部へ搬送される。
【0028】
バリスタ12は転写材Pの汚れを防止する役目をする。即ち低湿度環境では転写材Pと転写前ガイド部材11との摩擦によって転写前ガイド部材11は帯電する。転写前ガイド部材11の電位はプラスであり、バリスタ12がない場合には1000Vくらいに達するのでトナーを引き付けて、転写前ガイド部材11にトナーが付着する。この付着したトナーが次の転写材に付着して汚れとなる。バリスタ12があると、転写前ガイド部材11の電位はバリスタ12の降伏電圧Vth1以上になるとバリスタ12に電流が流れて降伏電圧Vth1に保たれるので、トナーを充分に引き付ける電位には達しない。従って、転写材は汚れない。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来例の画像形成装置では高湿環境下で湿気を帯びて低抵抗化した転写材Pが図4のように定着装置13の定着ニップ部N、転写帯電装置5の転写部位T、転写前ガイド部材11の3者にかかっている状態(跨がって存在している状態)になると、転写帯電装置5の電流は低抵抗化した転写材Pを通して定着装置13の定着フィルム14cから負の電源16に流れる。
【0030】
図5にこの状態での等価回路を示す。Rlは定着装置13と転写部位Tとの間の転写材Pの抵抗、R2は転写ローラ6の抵抗、R3は転写部位Tと転写前ガイド部材11との間の抵抗、7は転写ローラ6に対する転写バイアス印加電源、16は定着フィルム14cに対するトナーオフセット防止バイアス印加電源である。
【0031】
転写バイアス印加電源7の電流は転写ローラ6の抵抗R2と定着フィルム14cと転写部位Tとの間の転写材Pの抵抗Rlを通して電源16に流れる。このとき、バリスタ12に印加される電圧はバリスタ12の降伏電圧より低いため、バリスタ12にはほとんど電流は流れない。
【0032】
そして、転写材Pの電位VPは転写ローラ6の抵抗R2に比べて定着フィルム14cと転写部位Tとの間の転写材Pの抵抗Rlが充分小さいときは負電位になる。
【0033】
ここでは感光ドラム1上のトナーの電位(=明部電位)はVL=−150Vとして説明する。上述したように、転写部位Tでの転写材Pの電位VPが負電位になり、感光ドラム1上のトナーの電位VLより小さくなると(例えばVL=一150V、VP=−200V)、転写材Pは感光ドラム1上のトナーを引き寄せることができなくなり、感光ドラム1上のトナー量に対する転写材P上のトナー量で示される転写効率は低下する。
【0034】
そこで本発明の目的は、定着部材に像オフセット防止用バイアスを供給していても、転写材Pが吸湿して低抵抗化したときの転写効率を低下させない画像形成装置を提供することである。
【0035】
【課題を解決するための手段】
本発明は下記の構成を特徴とする画像形成装置である。
【0036】
(1)帯電極性が負極性のトナーの像を担持する像担持体と
前記像担持体に接触して転写ニップ部を形成する転写部材と、前記転写部材に正極性の電圧を印加する転写バイアス印加電源を有し前記像担持体から転写材へトナー像を転写する転写帯電器と、
前記転写ニップ部へ転写材を導く導電性のガイド部材と、
定着部材と、前記定着部材と共に定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の導電性層に負極性の電圧を印加するトナーオフセット防止バイアス電源と、を有し、前記定着ニップ部で転写材上のトナー像を定着する定着器と、
を有し、前記ガイド部材と前記定着ニップ部間の距離が転写材の長さより短い画像形成装置において、
前記ガイド部材と前記転写ニップ部間の距離が前記転写ニップ部と前記定着ニップ部間の距離よりも短くなっており、カソードに正極性の電圧が印加された時に定電圧特性を示し、前記カソードに負極性の電圧が印加された時に略短絡状態を示す片方向定電圧素子が前記カソードを前記ガイド部材側にして前記ガイド部材と接地間に繋がっており、低抵抗の転写材が前記ガイド部材と前記定着ニップ部の両方に接触している時、接地から前記片方向定電圧素子及び転写材を介して前記トナーオフセット防止バイアス電源へ電流が流れることを特徴とする画像形成装置。
(2)前記定着部材はフィルムと前記フィルムの内周面に接触するように固定配置されたヒータを有し、前記定着ニップ部は前記フィルムを介して前記ヒータと前記加圧部材によって形成されており、前記導電性層は前記フィルムに設けられていることを特徴とする(1)に記載の画像形成装置。
【0042】
〈作 用〉
上記の構成において、片方向定電圧素子を転写部位での転写材の電位が負のときはグランドからこの素子と導電性のガイド部材を通して転写材に電流が流れ、転写部位での転写材の電位が正のときは定電圧特性を示す方向に挿入する。
【0043】
すると、転写部位での転写材の電位が負になろうとしてもグランドから電流が流れるため転写部位での転写材の電位は零ボルト付近にとどまる。
【0044】
このため、転写材Pが吸湿して低抵抗化しても、転写部位での転写材の電位(ほぼ0V)は像担持体上の可転写像の電位よりも高いために像担持体から転写材へ可転写像を引き寄せることができ、転写効率は低下しない。
【0045】
すなわち、導電性のガイド部材を片方向のみに定電圧特性を示す片方向定電圧素子で接地し、この素子を転写部位での転写材の電位が負のときはグランドからこの素子とガイド部材を通して転写材に電流が流れる方向に挿入することで、転写材が吸湿して低抵抗化しても像担持体から転写材へ可転写像を引き寄せることができ、転写効率は低下しない。
【0046】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の実施形態例に係る画像形成装置の概略構成模型図、図2は該装置の等価回路、図3は片方向定電圧素子の特性を示す図である。
【0047】
本例の画像形成装置は前述した図4のプリンタと同様に転写式電子写真プロセス利用のレーザビームプリンタである。
【0048】
本例のプリンタは図4のプリンタにおいて導電性の転写前ガイド部材11とグランドGとの間に介在させたバリスタ12を片方向定電圧素子17にしたものである。その他のプリンタ構成は図4のプリンタと同様であるので同じ構成部材・部分は同じ符号を付して再度の説明を省略する。
【0049】
ここでは、説明を容易にするために片方向定電圧素子17としてアバランシェタイプのダイオードを用いた場合について説明するが、図3の特性を示す素子であればなんでもよい。例えばツェナータイオードでもよい。
【0050】
転写前ガイド部材11は導電性であり、片方向定電圧素子17(アバランシェタイプのダイオード)を介してグランドGに接続さている。接続の方向はカソードが転写前ガイド部材11側である。
【0051】
図3の(a)図はアバランシェタイプのダイオード17のカソードに正電圧を印加した場合であり、その特性は(c)図の(a)領域である。電源の電圧Eを増加していくとアバランシェタイプダイオード17の電圧Vは増加する。そして、アバランシェタイプダイオード17の電圧Vが、アバランシェタイプのダイオードがアバランシェ降伏を起こす電圧Vthに達すると、電源の電圧Eを増加してもアバランシェタイプダイオードの電圧Vは電圧Vthより極端に大きくはならない。
【0052】
一方、(b)図はアバランシェタイプのダイオード17のカソードに負電圧を印加した場合であり、その特性は(c)図の(b)領域である。電源の電圧Eを増加していくとアバランシェタイプダイオードの電圧Vはほとんど増加せずに電流は急激に増加する。つまりほぼ短絡状態となる。
【0053】
次に、高湿環境下で転写材Pが吸湿して低抵抗化した時について説明する。転写材Pが図1のように定着装置13の定着ニップ部N、転写帯電装置5の転写部位T、転写前ガイド部材11の3者にかかっている状態になると、転写帯電装置5の電流は低抵抗化した転写材Pを通して定着フィルム14cから負の高圧電源16に流れる。ここまでは従来例と変わらない。
【0054】
この状態での等価回路を図2に示す。電流I1が流れると転写部位Tでの転写材Pの電位VPは負になる。VPが負になるとアバランシェタイプのダイオード17のカソードは負電圧を印加した状態になるため、グランドGからアバランシェタイプのダイオード17→抵抗R3→抵抗Rlを通して電源16に電流I2が流れる。転写部位Tでの転写材Pは抵抗R3を介してグランドGを短絡した状態となる。そして、抵抗R3は抵抗Rlに比べて充分小さいため、転写部位Tでの電位VPは零ボルトに近づく。このため、転写部位Tでの転写材Pの電位VP(ほぼ0V)は感光ドラム1上のトナーの電位VL(−150V)よりも高いために感光ドラム1からトナーを引き寄せることができ、転写効率は低下しない。
【0055】
片方向定電圧素子17はバリスタ12と同じ機能(転写材の汚れ防止)も同時にもつ。即ち、低湿度環境では転写材Pと転写前ガイド部材11との摩擦によって転写前ガイド部材11は帯電するが、転写前ガイド部材11の電位は 片方向定電圧素子17の降伏電圧Vth1以上になると 片方向定電圧素子17に電流が流れて降伏電圧Vth1に保たれるので、トナーを充分に引き付ける電位には達しない。従って、転写材は汚れない。
【0056】
本発明において、像担持体1は電子写真感光体に限られず、静電記録誘電体、磁気記録磁性体、カラー画像形成装置における中間転写体など任意であり、またそれらに対する可転写像の形成原理・プロセス手段も任意である。
【0057】
定着装置13も加熱体としてセラミックヒータ14aを用いたフィルム加熱方式の加熱装置に限られず、加熱体として電磁誘導発熱性部材を用いたもの、熱ローラ方式の加熱装置、圧力定着装置などその他の接触式定着手段を用いることができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、電子写真感光体等の像担持体に可転写像を形成担持させ、その可転写像を像担持体から転写材に接触式転写手段で静電転写させ、転写材に転写された可転写像を接触式定着手段で転写材に定着させる行程を有する画像形成装置について、定着部材に像オフセット防止用バイアスを供給していても、転写材が吸湿して低抵抗化したときの転写効率を低下させない画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態例に係る画像形成装置の概略構成模型図
【図2】 該装置の等価回路
【図3】 片方向定電圧素子(アバランシェタイプダイオード)の特性を示す図
【図4】 従来例の画像形成装置の概略構成模型図
【図5】 該装置の等価回路
【符号の説明】
1・・像坦持体(感光ドラム)、2・・一次帯電装置(帯電ローラ)、3・・画像露光装置(レーザスキャナ)、4・・現像装置、5・・転写帯電装置、6・・転写ローラ、7・・転写バイアス印加用の高圧電源、8・・クリーニング装置、C・・給紙カセット、P・・転写材、9・・給紙ローラ、10・・レジストローラ、11・・転写前ガイド部材(導電性)、12・・バリスタ、13・・定着装置、14・・定着部材、15・・加圧部材(弾性加圧ローラ)、16・・トナーオフセット防止バイアス印加用の高圧電源、17・・片方向定電圧素子
Claims (2)
- 帯電極性が負極性のトナーの像を担持する像担持体と
前記像担持体に接触して転写ニップ部を形成する転写部材と、前記転写部材に正極性の電圧を印加する転写バイアス印加電源を有し前記像担持体から転写材へトナー像を転写する転写帯電器と、
前記転写ニップ部へ転写材を導く導電性のガイド部材と、
定着部材と、前記定着部材と共に定着ニップ部を形成する加圧部材と、前記定着部材の導電性層に負極性の電圧を印加するトナーオフセット防止バイアス電源と、を有し、前記定着ニップ部で転写材上のトナー像を定着する定着器と、
を有し、前記ガイド部材と前記定着ニップ部間の距離が転写材の長さより短い画像形成装置において、
前記ガイド部材と前記転写ニップ部間の距離が前記転写ニップ部と前記定着ニップ部間の距離よりも短くなっており、カソードに正極性の電圧が印加された時に定電圧特性を示し、前記カソードに負極性の電圧が印加された時に略短絡状態を示す片方向定電圧素子が前記カソードを前記ガイド部材側にして前記ガイド部材と接地間に繋がっており、低抵抗の転写材が前記ガイド部材と前記定着ニップ部の両方に接触している時、接地から前記片方向定電圧素子及び転写材を介して前記トナーオフセット防止バイアス電源へ電流が流れることを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着部材はフィルムと前記フィルムの内周面に接触するように固定配置されたヒータを有し、前記定着ニップ部は前記フィルムを介して前記ヒータと前記加圧部材によって形成されており、前記導電性層は前記フィルムに設けられていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
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