JP3869146B2 - 入力装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンピュータ等に使用される歪み検出素子を用いた入力装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の歪み検出素子を用いた入力装置は、図21に示すように、柔軟性を有するポリフエニレンエーテルの合成樹脂からなる操作部材51は、角柱型の操作部51aと、操作部51aの下部から互いに90度の角度を持って放射状に伸びる3個の板状の基部51b、51c,51dと、操作部51aの下部で3個の板状の基部51b、51c,51dを繋ぐ繋ぎ部51eとを備えており、この操作部材51は、コンピュータに使用されるキーボードの枠体50に、適宜手段によって取り付けられている。
そして、この操作部材51は、操作部51aをX1,X2方向、及びY1,Y2方向に倒すことにより、それぞれ基部51b、51c,51dが撓むようになっており、この撓み量は、操作部51aの倒し量に従って大きくなったり、小さくなったりする。
また、このような操作部材51の製造は、操作部材51の形状に合致した空間部と、基部51cの端部の位置に注入口C(図21参照)を設けた金型を用意し、この注入口Cから液状の合成樹脂を空間部に注入して、成形加工により操作部材51が製造されるようになっている。
【0003】
また、ポリエステル材からなるフレキシブル基板52の一面には、抵抗体からなる2個の歪み検出素子53、54と、歪み検出素子53、54に接続され、銀系の導電インクを印刷して形成されたリード線55、56とが設けられている。そして、このようなフレキシブル基板52の一部は、90度の角度に配置された基部51b、51cの上面に、歪み検出素子53、54が形成されていない側が接着剤にて直付けされており、一方の歪み検出素子53は基部51b上に、また、他方の歪み検出素子54は基部51c上に位置して取り付けられた状態となっている。
【0004】
そして、このような入力装置の操作は、操作部材51の操作部51aをX1方向に倒すと、基部51bの上面が伸びる方向に撓むと共に、基部51b上に配置された歪み検出素子53も伸びて抵抗値が高くなり、また、操作部51aをX2方向に倒すと、基部51b上面が縮む方向に撓むと共に、基板51b上に配置された歪み検出素子53も縮んで抵抗値が低くなる。
また、操作部51aをY1方向に倒すと、前記と同様の原理により歪み検出素子54の抵抗値は高くなり、更に、Y2方向に倒すと、歪み検出素子54の抵抗値は低くなる。
また、図22は従来の入力装置の電圧検出回路図を示し、歪み検出素子53と54の一端を接続してグランドGに接続し、歪み検出素子53の他端から端子Txに接続すると共に、歪み検出素子54の他端を端子Tyに接続し、回路側に設けられた分圧抵抗で分圧された電圧を取り出すような構成となっており、そして、上述した抵抗値の変化を電圧値の変化として検出し、電圧値の変化をコンピュータが読み取って、操作部51aのX1,X2,或いはY1,Y2の動きがカーソルの上下、左右の動きとなるようにカーソルを制御するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の入力装置は、操作部材51は、基部51cの端部を注入口Cとして、成形加工により形成されるものであるため、成型時、液体の合成樹脂の流れが悪く、特に、基部51b,51c,51dの均一な厚みのものが得られず、精度が悪いという問題がある。
また、操作部材2は、ポリフエニレンエーテルの合成樹脂で形成されているため、基部51bのクリープ特性が悪く、精度の良い撓みを得ることができない上に、耐熱性も悪く、温度の高い環境下では、使用できないという問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための第1の解決手段として、上下方向に柱状に延びる操作部と、一端が前記操作部の一方の端部に連結されると共に他端が平板状の基部に連結されて前記操作部の軸線に対して直交する方向に互いに所定の角度を有して放射状に延びる複数個の梁部とを有する操作部材と、前記梁部に配置された歪み検出素子とを備え、前記操作部材は、樹脂材料からなり前記操作部と前記梁部とが一体形成されていると共に、前記操作部の他方の端部から前記樹脂材料が注入されて形成されている構成とした。
また、第2の解決手段として、前記操作部材が、ガラス繊維入りの合成樹脂で形成された構成とした。
また、第3の解決手段として、 上下方向に柱状に延びる操作部と、一端が前記操作部の一方の端部に連結され、他端が前記操作部の軸線に対して直交する方向に延びる平板状の基部と、該基部に配置された歪み検出素子とを備え、前記操作部材は、樹脂材料からなり前記操作部と前記基部とが一体形成されていると共に、前記操作部の他方の端部から前記樹脂材料が注入されて形成されている構成とした。
また、第4の解決手段として、 前記操作部材が、ガラス繊維入りの合成樹脂で形成された構成とした。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の入力装置を図1〜図18に基づいて説明すると、何れも本発明の入力装置に係り、図1はその平面図、図2は図1の2−2線における断面図、図3は図1の3−3線における断面図、図4は操作部材にフレキシブル基板を組み合わせた平面図、図5は操作部材の平面図、図6は操作部材の下面図、図7は図5の7−7線における断面図、図8は操作部材の要部の斜視図、図9は操作部材の製造を示す説明図、図10はフレキシブル基板の平面図、図11はフレキシブル基板の配線を示す説明図、図12〜図16はフレキシブル基板の製造を示す説明図、図17は絶縁板の平面図、図18はシールド板の平面図、図19はその電圧検出回路図、図20は図19の電圧検出回路図を分かり易くした回路図である。
【0008】
本発明の歪み検出素子を用いた入力装置を図1〜図18に基づいて説明すると、比較的板厚の厚い金属板からなり、キーボードの枠体等を構成する取付板1は、切り起こしされた複数個の折り曲げ可能な舌片1aを設けている。
ポリフエニレンエーテル等の合成樹脂、或いはガラス繊維入りの合成樹脂(変形ポリフエニレンエーテル)の成型品からなる柔軟性を有する操作部材2は、特に、図5〜図8に示すように、内部に空洞部を設けた上下方向に柱状に延びる角柱型の操作部3と、一端が操作部3の下部(一方の端部)において連結され、操作軸3の軸線に対して直角方向に互いに90度の角度を持って十字状で放射状に延びる4個の梁部4a、4b,4c,4dと、この梁部4a、4b,4c,4dのそれぞれの他端に連結されて放射状に延び、前記梁部と共に上面が平坦状を成した板状の基部5a、5b,5c,5dと、操作部3の隅部に設けられ、隣り合う梁部4a、4b,4c,4d間を分離する三角状の孔6と、三角位置において前記基部の上面に設けられた窪み部7を有している。
【0009】
また、前記操作部材2は、図7に示すように、梁部4a、4b,4c,4dとの連結部から端部までの基部5a、5b,5c,5dの長さは、キーボードに組み込まれた部品等によって、取付板1への取付位置が規制されて異なると共に、基部5a、5b,5c,5dの長さに応じて、基部5a、5b,5c,5dのそれぞれに連結された梁部4a、4b,4c,4dの厚みを、梁部4a、4b,4c,4dの下面側に凹部8を設けることにより異ならしめている。
そして、この厚みは、基部5a、5b,5c,5dの長さが長い基部に連結された梁部は薄く、また、長さの短い基部に連結された梁部は厚くなるように形成されており、この実施例では、梁部4aの厚みが最も厚く、次に、梁部4bの厚みが厚く、次いで、同じ厚さに形成した梁部4c、4dとなっており、操作部3を挟んで対向して配置された一対の梁部4a、4bの厚みに比して、操作部3を挟んで対向して配置されたもう一対の梁部4c,4dの厚みを薄くした構成となっている。
【0010】
また、操作部3は、図1に示すように、矢印X1,X2、及びY1,Y2方向に倒すことができ、この倒れに基づいて、梁部4a、4b,4c,4dは撓んで、その上面側が延びたり縮んだりするようになっており、操作部3を一定の角度に倒した時、基部の長さが短いものは、長いものに比して梁部の撓みが大きくなることから、上述のように、基部5a、5b,5c,5dの長さによって梁部4a、4b,4c,4dの厚みを変えることにより、基部5a、5b,5c,5dの長さの違いによる梁部4a、4b,4c,4dの撓みの大きさを変えることができ、全体として梁部4a、4b,4c,4dの均一な撓みを得ることができる。
更に、梁部4a、4b,4c,4d間に設けた孔6の存在により、操作部3を倒した時、隣り合う梁部が互いに影響を受けることなく、それぞれの梁部が撓むことができるものである。
【0011】
また、梁部4a、4b,4c,4dは、図5、図6、図8に示すように、操作部3に結合された側の幅が広く、また、基部5a、5b,5c,5dに結合された側の幅が狭くなるような台形状に形成され、これによって、操作部3を倒した時に生じる、梁部における基部側に比して操作部3側の大きな撓みを抑制し、梁部全体として均一な撓みを得るようにしている。
また、前記操作部材2は、その下面に操作部3と対向する位置に凸部9を設けてあり、図2、図3に示すように、基部5a、5b,5c,5dの平坦状の下面を取付板1に載置して、取付板1に操作部材2が取り付けられた際、凸部9を取付板1に近接させることにより、操作部3を倒した時、凸部9が取付板1に当接して、操作部3が勢い大きく倒れるのを防止している。
なお、この実施例では、4個の孔6を設けて、十字状の梁部4a、4b,4c,4dを形成したもので示したが、例えば、90度の角度をもって形成された複数個の梁部4a、4cと、隣り合う梁部4aと4cとの間に孔6を設けた構成にしてもよい。
【0012】
また、このような操作部材2の製造は、図9に示すように、操作部材2の形状に合致した空間部10と、操作部3の上端部(他方の端部)の位置に、空間部10に通ずる注入口11を設けた金型12を用意し、この注入口11から液状の合成樹脂、或いはガラス繊維入りの合成樹脂を空間部10に注入して、成形加工により操作部材2が製造されるようになっている。
そして、このように、操作部3の上端部の位置から合成樹脂、或いはガラス繊維入りの合成樹脂を注入して操作部材2を成形加工すると、注入口11が操作部材2の略中心部に位置すると共に、比較的肉厚の操作部3から比較的薄肉の梁部4a、4b,4c,4d、及び基部5a、5b,5c,5dへと液状の合成樹脂が流れるようになり、このため、液状の合成樹脂の流れが良好となり、品質が一定し、精度の良好な操作部材2が得られ、しかも、各梁部4a、4b,4c,4d、及び、基部5a、5b,5c,5dでの繊維配向が均一化し、各梁において撓み特性の良好なものが得られる。
【0013】
また、ポリイミド等の絶縁材からなるフイルム状のフレキシブル基板13は、特に、図10〜図16に示すように、帯状部14と、帯状部14の側端から突出した矩形状の張り出し部15と、張り出し部15の位置に、張り出し部15と帯状部14に跨って形成された四角状の孔16と、孔16の周辺の位置で、帯状部14と張り出し部15に設けられた複数個のスルーホール17を有している。
そして、フレキシブル基板13の上面には、銀ペースト等を印刷して形成された導電パターン18が設けられ、また、フレキシブル基板13の下面には、銀ペースト等を印刷して形成された接続導体19が設けられている。
【0014】
更に、フレキシブル基板13上には、孔16を挟んで対向する位置に、両端がそれぞれ前記導電パターン18に接続された状態で、抵抗インクを印刷して形成した抵抗体からなる歪み検出素子20a、20b,20c,20dと、この歪み検出素子から大きく離れた位置に、両端がそれぞれ前記導電パターン18に接続された状態で、抵抗インクを印刷して形成された検出素子となる抵抗体21が設けられている。
そして、これらの歪み検出素子20a、20b,20c,20dと抵抗体21は、スルーホール17に形成された導体で、導電パターン18と接続導体19とが接続されることにより適宜に接続された状態となっている。
また、フレキシブル基板13の上面には、図16に示すように、歪み検出素子20a、20b,20c,20dと、抵抗体21と、これらを繋ぐ導電パターン18の一部を覆って保護するための絶縁材からなる被覆部22と、導電パターン18の外部への導出部を覆って保護するための絶縁材からなる被覆部23とが設けられ、また、フレキシブル基板13の下面には、孔16の周囲に位置する張り出し部15、帯状部14、及び接続導体19を覆うようにエポキシ系の絶縁材からなる被覆部24が設けられた構成となっている。
【0015】
そして、このようなフレキシブル基板13、及び歪み検出素子20a、20b,20c,20d等の製造方法を図12〜図16に基づいて説明すると、先ず、図12に示すように、フレキシブル基板13の上面に銀ペーストを印刷して、導電パターン18の一部を構成するランド部を形成すると共に、フレキシブル基板13にスルーホール17を設ける。
次に、図13に示すように、フレキシブル基板13の上面に銀ペーストを印刷して、導電パターン13の全体を形成すると共に、フレキシブル基板13に操作部3挿通用の孔16を設ける。
次に、図14に示すように、導電パターン13に接続された状態で、フレキシブル基板13の上面に抵抗インクを印刷して、歪み検出素子20a、20b,20c,20dと抵抗体21を形成する。
次に、図15の点線で示すように、フレキシブル基板13に下面に銀ペーストを印刷して、接続導体19を形成すると共に、スルーホール17に銀ペーストの導体を形成して、下面の接続導体19と上面の導電パターン18とを接続する。次に、図16に示すように、フレキシブル基板13の上面に絶縁材を印刷して、歪み検出素子20a、20b,20c,20d,抵抗体21、及び導電パターン13の一部を被覆する被覆部22を形成し、次いで、フレキシブル基板13に上面に絶縁材を印刷して、導電パターン13の導出部を被覆する被覆部23を形成し、最後に、フレキシブル基板13の下面にエポキシ系の絶縁材を印刷して、接続導体19を被覆する被覆部24を形成して、その製造が完了する。
【0016】
そして、本発明の入力装置の回路構成は、図19、図20に示すように、歪み検出素子20aと20bとが、また、歪み検出素子20cと20dとがそれぞれ直列に接続されると共に、直列接続された歪み検出素子20a及び20bと、直列接続された歪み検出素子20c及び20dとが並列に接続されている。
また、歪み検出素子20bと20dの接続部とグランドGとの間には、抵抗体21が設けられ、歪み検出素子20aと20cとの接続部から電圧Vが供給されて、分圧された電圧を端子T1,T2から取り出すと共に、端子T3から抵抗体21の抵抗値の変化による電圧を取り出すようになっている。
【0017】
ここで、歪み検出素子20a、20b、20c、20dの抵抗値は初期状態ですべて同じに形成されているため、端子T1の電圧と端子T2の電圧とは、何れも端子T3の電圧と電圧Vの中央値と丁度同じになる。
そして、例えば、歪み検出素子20aの抵抗値が減少し、歪み検出素子20bの抵抗値が増加すると、端子T1における電圧は上がる。
それによって、本装置が接続されている機器は、X軸方向にカーソルを移動させることができる。
同様に、歪み検出素子20c,20dの抵抗値が変化すると、端子T2における電圧が上がり、それによって、Y軸方向のカーソルを移動させることができる。 更に、操作軸3が軸方向に押圧された時、歪み検出素子20a〜20dの抵抗値変化に比べ、抵抗体21の抵抗値はあまり変化しないため、端子T3における電圧が変化し、これによって、Z軸方向の変化に対応したカーソルの制御を行うことができる。
【0018】
また、このように構成されたフレキシブル基板13は、図2〜図4に示すように、孔16に操作部材2の操作部3が挿通されて、エポキシ系の被覆部24に塗布されたエポキシ系の接着剤により、フレキシブル基板13が操作部材2の上面、即ち、梁部4a、4b,4c,4dと基部5a、5b,5c,5dの上面に接着されている。
そして、接着された際は、歪み検出素子20aは梁部4a上に、歪み検出素子20bは梁部4b上に、歪み検出素子20cは梁部4c上に、また、歪み検出素子20dは梁部4d上に、更に、抵抗体21は基部5d上に位置した状態で取り付けられている。
【0019】
なお、上記実施例では、4個の歪み検出素子20a、20b,20c,20dを使用したもので説明したが、2個の歪み検出素子20a、20cを用いるものでも良い。
また、絶縁材からなるフイルム状の絶縁板25は、図17に示すように、帯状部26と、帯状部26の側端部から突出して形成された張り出し部27と、この張り出し部27と帯状部26に跨って形成された孔28とを有している。
そして、この絶縁板25は、図2、図3に示すように、孔28に操作部材2の操作部3を挿通して、フレキシブル基板13上に載置され、接着剤で被覆部22、23に取り付けられている。
なお、絶縁板25は、接着剤による貼り付けによらず、単に、フレキシブル基板13上に載置するものでも良い。
そして、絶縁板25がフレキシブル基板13上に取り付けられた際は、絶縁板25により、歪み検出素子20a、20b,20c,20d,抵抗体21、及び導電パターン18の一部が被覆部22、23と共に覆われた状態となり、また、図2に示すように、帯状部26の一部が基部5cの端部から突出して、操作部3近傍の導電パターン18の導出部を覆うようになっている。
【0020】
また、金属板からなるアルミ箔等のシールド板29は、図18に示すように、帯状部30と、帯状部30の側端部から突出して形成された張り出し部31と、この張り出し部31と帯状部30に跨って形成された孔32と、帯状部30と張り出し部31とに設けられた3個の突片33とを有している。
そして、このシールド板29は、図1〜図3に示すように、孔30に操作部材2の操作部3を挿通して、絶縁基板25上に載置、或いは接着剤で絶縁基板25に取り付けられて、絶縁基板25の帯状部26の一部を除いて、ほぼ全面を覆うようにすると共に、突片33を操作部材2の窪み部7に位置させるようになっている。
なお、このシールド板29は、予め絶縁基板25に接着したものを、絶縁基板25と共に操作部3に挿通して、フレキシブル基板13上に取り付けるようにしても良い。
【0021】
そして、このように、操作部材2に、フレキシブル基板13、絶縁板25、シールド板29を取り付けたものを、図1〜図3に示すように、取付板1に載置した後、取付板1の舌片1aを操作部材2の窪み部7側に折り曲げ、シールド板29の突片33と共に操作部材2を押さえることにより、取り付けられるようになっている。
この時、操作部材2の基部5a、5b,5c,5dの平坦状の下面が取付板1上に載置されて、凸部9と取付板1との間に僅かな間隙が形成され、また、シールド板29は舌片1aと導通されて、シールド板29により、操作部材2上の導電パターン18と歪み検出素子20a、20b,20c,20dの上部を電気的にシールドするようになっている。
【0022】
そして、このような入力装置は次のように動作する。操作部材2の操作部3をX1方向に倒すと、梁部4aの上面は伸びる方向に撓むと共に、梁部4bの上面は縮む方向に撓むため、梁部4a上の歪み検出素子20aの抵抗値は増加する反面、梁部4b上の歪み検出素子20bの抵抗値は減少する。逆に、操作部材2の操作部3をX2方向に倒すと、梁部4aの上面は縮む方向に撓むと共に、梁部4bの上面は伸びる方向に撓むため、梁部4a上の歪み検出素子20aの抵抗値は減少する反面、梁部4b上の歪み検出素子20bの抵抗値は増加する。何れにせよ、端子T1の電圧に変化が生じて、本装置が接続されている機器は、X軸方向にカーソルを移動させることができる。
【0023】
また、操作部材2の操作部3をY1方向に倒すと、梁部4cの上面は伸びる方向に撓むと共に、梁部4dの上面は縮む方向に撓むため、梁部4c上の歪み検出素子20cの抵抗値は増加する反面、梁部4d上の歪み検出素子20dの抵抗値は減少する。逆に、操作部材2の操作部3をY2方向に倒すと、梁部4cの上面は縮む方向に撓むと共に、梁部4dの上面は伸びる方向に撓むため、梁部4c上の歪み検出素子20cの抵抗値は減少する反面、梁部4d上の歪み検出素子20dの抵抗値は増加する。何れにせよ、端子T2の電圧に変化が生じて、Y軸方向にカーソルを移動させることができる。
【0024】
また、操作部材2の操作部3を軸方向に押圧すると、操作部3は凸部9と取付板1との間の僅かな間隙で移動するため、抵抗体21の抵抗値がわずか変化し、これによって、端子T3における電圧が変化して、Z軸方向のカーソルの移動を行うようなっている。
このように、操作部3の移動によって、X,Y,Z軸方向にカーソルを移動するようになっていると共に、この操作部3の操作時における静電気は、シールド板29の存在により、シールド板29を介して取付板1に落ちて、操作部材2上に配設された導電パターン18、及び歪み検出素子20a、20b,20c,20dは、破壊することがない。
【0025】
なお、前記実施例では、梁部4a、4b,4c,4dの端部に基部5a、5b,5c,5dを設けたものを示したが、梁部4a、4b,4c,4dを削除し、操作部材2の操作部3に、十字状に基部5a、5b,5c,5dを連結したものでも良い。
【0026】
【発明の効果】
本発明の入力装置は、操作部3の上端部の注入口11として、操作部材2を成形加工すると、注入口11が操作部材2の略中心部に位置すると共に、比較的肉厚の操作部3から比較的薄肉の梁部4a、4b,4c,4d、及び基部5a、5b,5c,5dへと液状の合成樹脂が流れるようになり、このため、液状の合成樹脂の流れが良好となり、品質が一定し、精度の良好な操作部材2が得られ、しかも、各梁部4a、4b,4c,4d、及び、基部5a、5b,5c,5dでの繊維配向が均一化し、各梁において撓み特性の良好な入力装置を提供できる。
また、操作部材2をガラス繊維入りの合成樹脂で形成すると、梁部4a、4b,4c,4d、及び基部5a、5b,5c,5dのクリープ特性が良く、精度の良い撓みを得ることができる上に、耐熱性も良く、温度の高い環境下においても使用できると共に、広範囲の温度にいても、撓み特性の良好な入力装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の入力装置の平面図。
【図2】図1の2−2線における断面図。
【図3】図1の3−3線における断面図。
【図4】本発明の入力装置に係る操作部材とフレキシブル基板を組み合わせた平面図。
【図5】本発明の入力装置に係る操作部材の平面図。
【図6】本発明の入力装置に係る操作部材の下面図。
【図7】図5の7−7線における断面図。
【図8】本発明の入力装置に係る操作部材の要部の斜視図。
【図9】本発明の入力装置に係る操作部材の製造を示す説明図。
【図10】本発明の入力装置に係るフレキシブル基板の平面図。
【図11】本発明の入力装置に係るフレキシブル基板の配線を示す説明図。
【図12】本発明の入力装置に係るフレキシブル基板の製造を示す説明図。
【図13】本発明の入力装置に係るフレキシブル基板の製造を示す説明図。
【図14】本発明の入力装置に係るフレキシブル基板の製造を示す説明図。
【図15】本発明の入力装置に係るフレキシブル基板の製造を示す説明図。
【図16】本発明の入力装置に係るフレキシブル基板の製造を示す説明図。
【図17】本発明の入力装置に係る絶縁板の平面図。
【図18】本発明の入力装置に係るシールド板の平面図。
【図19】本発明の入力装置に係る電圧検出回路図。
【図20】図19の電圧検出回路図を分かり易くした回路図。
【図21】従来の入力装置の斜視図。
【図22】従来の入力装置係る電圧検出回路図。
【符号の説明】
1 取付板
1a 舌片
2 操作部材
3 操作部
4a 梁部
4b 梁部
4c 梁部
4d 梁部
5a 基部
5b 基部
5c 基部
5d 基部
6 孔
7 窪み部
8 凹部
9 凸部
10 空洞部
11 注入口
12 金型
13 フレキシブル基板
14 帯状部
15 張り出し部
16 孔
17 スルーホール
18 導電パターン
19 接続導体
20a 歪み検出素子
20b 歪み検出素子
20c 歪み検出素子
20d 歪み検出素子
21 抵抗体
22 被覆部
23 被覆部
24 被覆部
25 絶縁板
26 帯状部
27 張り出し部
28 孔
29 シールド板
30 帯状部
31 張り出し部
32 孔
33 突片
L 長さ
H 厚み
T1 端子
T2 端子
T3 端子
Claims (4)
- 上下方向に柱状に延びる操作部と、一端が前記操作部の一方の端部に連結されると共に他端が平板状の基部に連結されて前記操作部の軸線に対して直交する方向に互いに所定の角度を有して放射状に延びる複数個の梁部とを有する操作部材と、前記梁部に配置された歪み検出素子とを備え、前記操作部材は、樹脂材料からなり前記操作部と前記梁部とが一体形成されていると共に、前記操作部の他方の端部から前記樹脂材料が注入されて形成されていることを特徴とする入力装置。
- 前記操作部材が、ガラス繊維入りの合成樹脂で形成されたことを特徴とする請求項1記載の入力装置。
- 上下方向に柱状に延びる操作部と、一端が前記操作部の一方の端部に連結され、他端が前記操作部の軸線に対して直交する方向に延びる平板状の基部と、該基部に配置された歪み検出素子とを備え、前記操作部材は、樹脂材料からなり前記操作部と前記基部とが一体形成されていると共に、前記操作部の他方の端部から前記樹脂材料が注入されて形成されていることを特徴とする入力装置。
- 前記操作部材が、ガラス繊維入りの合成樹脂で形成されたことを特徴とする請求項3記載の入力装置。
Priority Applications (1)
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JP07183199A JP3869146B2 (ja) | 1998-04-07 | 1999-03-17 | 入力装置 |
Applications Claiming Priority (3)
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JP10-94609 | 1998-04-07 | ||
JP9460998 | 1998-04-07 | ||
JP07183199A JP3869146B2 (ja) | 1998-04-07 | 1999-03-17 | 入力装置 |
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JP2000047814A JP2000047814A (ja) | 2000-02-18 |
JP3869146B2 true JP3869146B2 (ja) | 2007-01-17 |
Family
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Family Applications (1)
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JP07183199A Expired - Lifetime JP3869146B2 (ja) | 1998-04-07 | 1999-03-17 | 入力装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP3869146B2 (ja) |
-
1999
- 1999-03-17 JP JP07183199A patent/JP3869146B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP2000047814A (ja) | 2000-02-18 |
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