JP3867738B2 - 映像信号伝送方法および重畳情報抽出方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、記録媒体に記録されている映像信号を再生して、複製を防止する情報とともに伝送し、伝送された映像信号を受信して別の記録媒体に記録するのを制限ないしは禁止する場合のように、映像信号に付加情報を重畳して出力し、これを受信して重畳された付加情報を抽出し、抽出した付加情報を用いて複製防止制御などを可能にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
VTR(ビデオテープレコーダ)が普及し、VTRで再生が可能な数多くのソフトウエアが提供されるようになってきている。また最近では、デジタルVTRやDVD(デジタルビデオディスク)の再生装置などが現実のものとなってきており、画質、音質の良い映像、音声を手軽に再生して視聴することができるようになってきている。
【0003】
しかし、一方で、このように豊富に提供されるようになったソフトウエアが無制限に複製されてしまうおそれがあるという問題があり、従来から種々の複製防止対策が施されている。
【0004】
例えば、アナログ映像信号についての複製を直接的に禁止する方法ではないが、記録装置としての例えばVTRと、映像を提供するモニタ受像機のAGC(オート・ゲイン・コントロール)の方式の相違、あるいはAPC(オート・フェイズ・コントロール)の特性の相違を利用して、実質的に複製を防止する方法がある。
【0005】
すなわち、例えば、VTRは、映像信号に挿入された擬似同期信号によりAGCを行い、モニタ受像機は、この擬似同期信号によらないAGC方式を採用するというように、AGCの方式の相違を利用する方法が前者の例で、オリジナルの記録媒体にアナログ映像信号を記録するときに、AGCのための同期信号としてレベルが極端に大きな擬似同期信号を挿入しておき、再生用VTRから記録用VTRに供給する映像信号に、AGCのための同期信号として、このレベルが極端に大きな擬似同期信号を挿入するものである。
【0006】
また、VTRでのAPCは、映像信号中のカラーバースト信号に短い時定数で追従するが、モニタ受像機のAPCは、比較的長い時定数で追従するというように、APCの特性の相違を利用する方法が後者の例で、オリジナルの記録媒体にアナログ映像信号を記録するときに、映像信号のカラーバースト信号の位相を部分的に反転させておき、再生用VTRから記録用VTRに供給する映像信号としてカラーバースト信号の位相が部分的に反転したものを出力するものである。
【0007】
以上のようにした場合、再生用VTRからのアナログ映像信号の供給を受けるモニタ受像機においては、擬似同期信号やAPCのために用いられるカラーバースト信号の部分的な位相の反転の影響を受けることなく、正常に映像が再生される。
【0008】
しかし、再生用VTRからの上述のように擬似同期信号が挿入された、または、カラーバースト信号の位相反転制御を受けたアナログ映像信号の供給を受けて、これを記録媒体に記録するVTRにおいては、入力信号に基づく利得制御、あるいは位相制御を正常に行うことができず、映像信号を正常に記録することができないようになる。したがって、記録された映像信号を再生しても、視聴可能な正常な映像が再生されることがないようにできる。
【0009】
このようにアナログ映像信号を扱う場合には、複製を禁止するのではなく、正常に視聴可能な再生映像が得られないようにするものであり、これはいわば消極的な複製防止制御である。
【0010】
これに対して、デジタル化された情報例えば映像信号を扱う場合には、複製防止符号、あるいは複製の世代制限符号などからなる複製防止制御信号を、デジタルデータとして映像信号に付加して記録媒体に記録しておくことにより、複製を禁止するなどの直接的な複製防止制御を行うようにしている。
【0011】
図22は、このデジタル化された情報を扱う場合の複製装置の基本的な構成図であり、デジタル再生装置110で再生されたデジタル情報を、デジタル伝送路101を通じてデジタル記録装置120に送り、複製可能なものは複製を実行し、複製不許可のものは複製を禁止するものである。
【0012】
デジタル再生装置110に装填されている記録媒体111には、デジタル主情報に加えて、付加情報としての複製防止制御情報が記録されている。この複製防止制御情報は、複製禁止、複製許可、世代制限などを制御内容として指示するものである。デジタル再生部112は、記録媒体111から情報を読み出して、デジタル主情報と共に複製防止制御情報を得、これをデジタル伝送路101を通じてデジタル記録装置120に送る。
【0013】
デジタル記録装置120の複製防止制御信号検出部122は、デジタル伝送路101を通じて受信した情報から複製防止制御信号を検出し、その制御内容を判別する。そして、この判別結果をデジタル記録部121に送る。
【0014】
デジタル記録部121は、複製防止制御信号検出部122からの複製防止制御信号の判別結果が、デジタル伝送路101を通じて入力されたデジタル情報の記録を許可するものであるときには、前記入力デジタル信号を記録に適したデジタル情報に変換し、記録媒体123に書き込んで記録を実行するようにする。一方、複製防止制御信号検出部122からの複製防止制御信号の判別結果が、複製禁止であるときには、デジタル記録部121は、前記入力デジタル情報の記録処理を行わないようにする。
【0015】
さらに、複製防止制御信号検出部122からの複製防止制御信号の判別結果が、第1世代の複製のみを許可するものであるときには、デジタル記録部121は、前記入力デジタル信号を記録に適したデジタル情報に変換し、記録媒体123に書き込んで記録を実行すると共に、付加情報としての複製防止制御信号を複製禁止(次世代の複製禁止)を指示するものに変更して、記録媒体123に記録するようにする。したがって、複製された記録媒体123を用いては、映像信号を複製することはできないようになる。
【0016】
このように、主情報信号と、付加情報としての複製防止制御信号をデジタル信号として、記録装置に供給するようにする、いわゆるデジタル接続の場合には、伝送されるデジタルデータに複製防止制御信号が含まれるので、この複製防止制御信号を用いて、記録装置において、複製禁止などの複製防止制御を確実に行うことができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図22のデジタル再生装置が、例えばデジタルVTRの場合には、再生した映像信号および音声信号をモニターするために、主情報信号である映像信号および音声信号のみをD/A変換回路113を通じてアナログ信号に変換して、通常はモニター受像機が接続されるアナログ出力端子114に導出するようにする。
【0018】
このように、デジタル情報の再生装置であっても、アナログ出力端子114に導出されるアナログ信号には、複製防止制御信号は含まれていない。このため、アナログ出力端子114にアナログVTRなどが接続されるアナログ接続の場合には、情報信号の複製が可能となってしまう。
【0019】
そこで、D/A変換された映像信号や音声信号に、複製防止制御信号を重畳付加することが考えられるが、D/A変換された映像信号や音声信号を劣化させずに、複製防止制御信号を付加し、記録装置において取り出して複製防止制御に用いることは難しい。
【0020】
したがって、従来は、アナログ接続の場合には、前述したVTRとモニタ受像機のAGCの方式の相違、あるいはAPCの特性の相違を利用する複製防止方法を用いて、消極的な複製防止を行うようにするしか方法がなかった。
【0021】
ところが、前述したVTRとモニタ受像機のAGCの方式の相違、あるいはAPCの特性の相違を利用する複製防止制御方法の場合、記録装置側のAGCの方式、APCの特性によっては、正常に映像信号の記録が行われてしまい、消極的な複製防止さえも、できない場合が発生する。また、モニタ受像機の再生画像が乱れるなどの問題が生じるおそれもあった。
【0022】
以上のような問題点を解決し、再生される映像、音声を劣化させることなく、アナログ接続、デジタル接続のいずれの場合にも有効な複製防止制御方式として、本出願人は、先に、複製防止制御信号をスペクトラム拡散し、このスペクトラム拡散した複製防止制御信号をアナログ信号の状態の映像信号に重畳して、映像信号をデジタル記録あるいはアナログ記録する方式を提案している(特願平7−339959号参照)。
【0023】
この方式においては、拡散符号として用いるPN(PseudorandomNoise)系列の符号(以下、PN符号という)を十分に早い周期で発生させて、これを複製防止制御信号に対して掛け合わせることによりスペクトラム拡散し、狭帯域、高レベルの複製防止制御信号を、映像信号や音声信号には影響を与えることのない広帯域、低レベルの信号に変換させる。そして、このスペクトラム拡散された複製防止制御信号をアナログ映像信号に重畳して記録媒体に記録するようにする。この場合、記録媒体に記録する映像信号は、アナログ、デジタルのどちらでも可能である。
【0024】
この方式においては、複製防止制御信号は、スペクトラム拡散されて広帯域、低レベルの信号として映像信号に重畳されるため、違法に複製しようとする者が、重畳された複製防止制御信号を映像信号から取り除くことは難しい。
【0025】
しかし、逆スペクトラム拡散することにより重畳された複製防止制御信号を検出し、利用することは可能である。したがって、映像信号とともに複製防止制御信号を確実に記録装置側に提供することができると共に、記録装置側において、複製防止制御信号を検出し、検出した複製防止制御信号に応じた複製制御を確実に行うことができる。
【0026】
ところが、前述のように、複製防止制御信号をスペクトラム拡散して映像信号に重畳する方式の場合、映像信号のノイズ除去システムを用いることにより、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が除去されたり、劣化したり、あるいは、付け替えられる場合がある。
【0027】
例えば、映像信号の画素間、フィールド間、フレーム間の相関性を利用して、映像信号のノイズを除去するノイズ除去システムの場合、隣接する水平走査線間、あるいは、隣接するフィールド間やフレーム間の映像信号どうしで差分を取り、得られた差分をノイズとして除去する。
【0028】
この場合、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された複製防止制御信号が差分として算出され、前述したように、除去される場合がある。また、除去された場合には、別のスペクトラム拡散された複製防止制御信号に付け替えられるなどのおそれがある。
【0029】
また、上述したノイズ除去システムが用いられた場合、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された複製防止制御信号の全部ではないが、映像信号に重畳された複製防止制御信号が部分的に除去されるなど複製防止制御信号が劣化する場合がある。この場合には、映像信号に重畳された正確な複製防止制御信号を抽出することができなくなり、複製防止制御信号に応じた複製防止制御ができなくなる。
【0030】
また、例えば、アスペクト比が16:9のいわゆる横長のワイドテレビ画像を、アスペクト比が4:3の標準のテレビ画像に変換する場合、あるいはその逆の場合のように、水平方向に、画素データを間引いたり、あるいは補間したりして画面の左右方向の拡大縮小を行うと、間引かれた映像信号に重畳されているスペクトラム拡散されている複製防止制御信号が消滅し、あるいは補間したデータによりスペクトラム拡散された複製防止制御信号が不連続になり、スペクトラム逆拡散により複製防止制御信号が復元できなくなるおそれがある。
【0031】
また、NTSC方式からPAL方式に変換する場合あるいはその逆の場合のように、走査線数の異なるテレビジョン方式間の方式変換を行う場合に、水平ライン単位で間引きや補間処理を行うが、この場合にも上述と同様の問題が生じるおそれがある。
【0032】
また、VTRでスローモーション再生や倍速再生などの変速再生を行うと、複数フィールド分の映像信号により1フィールド分の映像信号が再合成されるため、この再合成された映像信号においては、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が不連続になり、スペクトラム逆拡散により複製防止制御信号が復元できなくなるおそれがある。
【0033】
また、いわゆるカット編集が行われて、フィールド単位の映像信号が間引かれた場合にも、同様に、カット編集後の映像信号においては、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が不連続になり、スペクトラム逆拡散により複製防止制御信号が復元できなくなるおそれがある。
【0034】
また、従来のスペクトラム拡散では、複製防止制御信号などの付加情報として重畳できる情報量が少ないという問題もある。
【0035】
この発明は、以上のことにかんがみ、上記問題点を一掃し、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報を、確実に受信先に提供し、完全な付加情報を取り出すことができると共に、重畳できる付加情報量を多くすることができるようにする方法を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の記載の発明による映像信号伝送方法は、
スペクトラム拡散した付加情報を映像信号に重畳して伝送する伝送方法であって、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む複数個の拡散符号列を発生させる拡散符号生成工程と、
前記拡散符号生成工程で生成された前記複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を、同一データを持つチップが画面単位の時間軸方向である空間方向に整列するように、複数垂直区間に渡って反復させる拡散符号反復工程と、
前記拡散符号反復工程により発生する拡散符号列により、少なくとも前記反復区間の前記各1垂直区間内の区間においては同一内容のデータを持つように付加情報をスペクトラム拡散するスペクトラム拡散工程と、
前記スペクトラム拡散工程により生成されたスペクトラム拡散信号を前記映像信号に重畳する重畳工程とを備え、
前記付加情報が重畳される前記映像信号は、データ圧縮された映像信号がデコードされたものであって、
前記拡散符号反復工程では、前記複数個の拡散符号列を、前記データ圧縮された映像信号の、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されるフレームの検出タイミングに同期して切り替える
ことを特徴とする。
【0037】
また、請求項2に記載の発明による重畳情報抽出方法は、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を画面単位の時間軸方向である空間方向に複数垂直区間に渡って反復させた拡散符号列によりスペクトラム拡散を施すことで生成された付加情報が重畳された映像信号から、前記スペクトラム拡散された付加情報を抽出する重畳情報抽出方法であって、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む逆拡散用の複数個の拡散符号列を発生させる逆拡散符号生成工程と、
前記逆拡散符号生成工程で生成された前記複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を、同一データを持つチップが画面単位の時間軸方向である空間方向に整列するように、複数垂直区間に渡って反復させる逆拡散符号反復工程と、
前記逆拡散符号反復工程により発生する逆拡散用の拡散符号列により、前記映像信号に重畳されたスペクトラム拡散された前記付加情報を逆拡散して抽出するスペクトラム逆拡散工程とを備え、
前記付加情報を抽出する前記映像信号は、データ圧縮された映像信号がデコードされたものであって、
前記複数個の拡散符号列は、前記データ圧縮された映像信号の、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されるフレームの検出タイミングに同期して切り替える
ことを特徴とする。
【0040】
請求項1に記載の発明による映像信号伝送方法によれば、拡散符号反復工程により反復される複数水平区間においては垂直方向にチップが整列する。したがって、この複数水平区間内で、映像信号の水平ライン単位の相関を利用したノイズ除去が行われても、映像信号に重畳されているスペクトラム拡散信号は、差分として検出されないため、削除されてしまったり、劣化したりすることがない。
【0041】
また、同様に、アスペクト比の違いによる画面サイズの変換や、テレビジョン方式の違いによる走査線数の変換により、水平ライン単位の間引きや補間が行われても、重畳された付加情報は再現可能な状態で残り、確実に伝送される。
【0042】
また、拡散符号反復工程により反復される複数垂直区間においては、画面単位の時間軸方向である空間方向(以下、単に時間軸方向という)にスペクトラム拡散信号の同一のデータを持つチップが整列する。したがって、映像信号のフィールド間、フレーム間の相関性を利用したノイズ除去システムが用いられた場合に、フィールド間、フレーム間で差分を取っても、映像信号に重畳されているスペクトラム拡散信号は、差分として検出されないため、削除されたり、劣化することがない。また、変速再生やカット編集が行われても、同様にして、スペクトラム拡散信号は確実に伝送される。
【0043】
そして、請求項1の発明においては、複数水平区間ごと、または複数垂直区間ごとに異なる拡散符号によりスペクトラム拡散が行われることになるので、その異なる拡散符号を用いて異なる付加情報を重畳することが可能になり、重畳する付加情報量を多くすることが可能である。
【0044】
そして、この請求項1の発明に対応する請求項3に記載の重畳情報抽出方法によれば、付加情報のスペクトラム拡散時と同様にして、スペクトラム拡散された付加情報が重畳された区間に対応して、逆拡散用の拡散符号が生成される。この逆拡散用の拡散符号が用いられてスペクトラム逆拡散が行われることにより、付加情報がくり返し抽出される。
【0045】
したがって、前述にもしたように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去システムが用いられることにより、スペクトラム拡散された付加情報が除去されたり、劣化するようにされることがなく、また、映像信号の垂直方向の水平ライン単位の補間や間引きが行われた場合にも、映像信号に重畳された付加情報を確実に抽出することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながらこの発明の実施形態を適用した映像信号伝送方法、重畳情報抽出方法、映像信号出力装置、映像信号受信装置、映像信号記録媒体について説明する。
【0049】
以下に説明する映像信号出力装置は、DVD(デジタルビデオディスク)の記録再生装置(DVD装置と以下称する)に適用されたものとして説明する。また、説明を簡単にするため、音声信号系についての説明は省略する。
【0050】
[映像信号出力装置の第1の実施の形態]
図1は、この実施の形態の映像信号複製制御システムで用いられる映像信号出力装置(以下、単に出力装置という)10を説明するための図である。すなわち、出力装置10は、この第1の実施の形態において、DVD装置の再生系に相当する。
【0051】
図1において、記録媒体100は、デジタル化された映像信号、音声信号が記録され、かつ、付加情報として複製防止制御信号が記録されたもので、この例ではDVDである。複製防止制御信号は、ディスクの最内外のTOC(TableOf Contents)やディレクトリと呼ばれるトラックエリアに記録することもできるし、映像データや音声データが記録されるトラックに、記録エリアを別にして挿入記録することもできる。以下に説明する例は、後者の場合の例で、映像データを読み出したときに、複製防止制御信号も同時に読み出される場合である。
【0052】
また、複製防止制御信号は、第1世代の複製のみは許可するなどのような世代制限を内容とするものでもよいし、映像信号の複製の禁止または許可を示す信号でもよく、1ビットあるいは数ビットで構成されているものとして説明する。
【0053】
図1に示すように、この実施の形態の出力装置10は、読み出し部11、復号化部12、複製防止制御信号抽出部13、SS(SSはスペクトラム拡散の略、以下同じ)複製防止制御信号生成部14、同期分離部15、PN発生制御部16、PN発生部17、PN反復部18、加算部19、D/A変換回路191、192を備えている。
【0054】
読み出し部11は、記録媒体100を再生して得られる信号S1から再生映像信号成分S2を取り出し、これを復号化部12および複製防止制御信号抽出部13に供給する。
【0055】
復号化部12は、再生映像信号成分S2について復号化処理を行い、デジタル映像信号を形成し、これをD/A変換回路191に供給する。D/A変換回路191は、デジタル映像信号をD/A変換して、同期信号を有するアナログ映像信号S3を形成し、これを同期分離部15および加算部19に供給する。
【0056】
複製防止制御信号抽出部13は、再生映像信号成分S2に付加されている複製防止制御信号S4を抽出し、これをSS複製防止制御信号生成部14に供給する。
【0057】
一方、同期分離部15は、アナログ映像信号S3から水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを抜き出して、これをPN発生制御部16に供給する。
【0058】
PN発生制御部16は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを基準信号として用いて、PN符号を発生させる区間を示すPN発生イネーブル信号ENや、PN符号の発生開始タイミングを示すPN符号リセットタイミング信号RE(以下、リセット信号REと略称する)や、クロック信号CLKを生成する。
【0059】
図2は、この実施の形態のPN発生制御部16を説明するためのブロック図である。図2に示すように、この実施の形態のPN発生制御部16は、PN発生タイミング信号生成部161、PLLからなるPNクロック生成部162、タイミング信号生成部163を備え、PN発生タイミング信号生成部161およびタイミング信号生成部163には、同期分離部15からの水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vが供給され、PNクロック生成部162には同期分離部15からの水平同期信号Hが供給される。
【0060】
PN発生タイミング信号生成部161は、垂直同期信号Vを基準信号として用いて、図3(A)に示すような、スペクトラム拡散に用いる拡散用のPN符号列の繰り返し周期を決める垂直周期のリセット信号REを生成する。この例では、リセット信号REは、垂直同期信号Vの例えば前縁で立ち下がる垂直周期の信号である。
【0061】
PN発生タイミング信号生成部161は、また、この例の場合には、水平同期信号H(図3(B)参照)を基準信号として、PN発生イネーブル信号ENを生成する。この例では、PN発生イネーブル信号ENは、N(Nは1以上の整数)水平区間おきの1水平区間だけPN発生部17からPN符号を発生させるようにする信号として生成される。図3(C)では、1水平区間おきの1水平区間をPN発生区間とするように発生する。図3(C)に示すように、このイネーブル信号ENはローアクティブである。
【0062】
PNクロック生成部162は、PLLを用いて、水平同期信号Hに同期するPNクロックPNCLKを生成する。このPNクロックPNCLKは、拡散符号のチップ周期を決めるものである。
【0063】
また、タイミング信号生成部163は、垂直同期信号Vおよび水平同期信号Hに基づいて、この出力装置10で用いられる各種のタイミング信号を生成する。そして、PN発生制御部16において生成されたPN発生イネーブル信号EN、PN符号リセット信号REおよびPNクロック信号PNCLKは、PN発生部17に供給される。PN発生イネーブル信号ENおよびPNクロック信号PNCLKは、また、PN反復部18にも供給される。
【0064】
PN発生部17は、クロック信号PNCLKと、イネーブル信号ENと、PN符号リセットタイミング信号REとに応じてPN符号を発生する。すなわち、PN発生部17は、リセット信号REにより、この例では、垂直周期でリセットされ、予め決められた符号パターンのPN符号列PSをその先頭から生成する。そして、PN発生部17は、イネーブル信号ENによりPN符号発生可能状態(イネーブル状態)とされるときにのみ、クロック信号PNCLKに応じて、PN符号列PSを発生する。
【0065】
この例の場合には、前述もしたように、PN発生部17は、イネーブル信号ENがローレベルのときにPN符号を発生可能な状態にされるので、図3(C)に示すように、1つおきの水平区間でPN符号発生状態となり、クロックPNCLKの1クロックごとに1チップの割合でPN符号を発生する。この場合、1垂直区間内では、PN発生部17はリセットされないので、前記の1つおきの水平区間では、図3(D)に示すように、それぞれ異なるPN符号例PN11,PN12,PN13、…が生成される。しかし、PN発生部17は、リセット信号REにより、垂直区間の先頭でリセットされるので、各垂直区間では、同じように、1つおきの水平区間で、それぞれ異なるPN符号例PN11,PN12,PN13、…が生成されることになる。
【0066】
図4は、PN発生部17の構成例を示す図である。この例のPN発生部17は、15段のシフトレジスタを構成する15個のDフリップフロップREG1〜REG15と、このシフトレジスタの適宜のタップ出力を演算するイクスクルーシブオア回路EX−OR1〜EX−OR3とからなっている。そして、図4に示すPN発生部17は、上述したように、イネーブル信号EN、PNクロック信号PNCLK、PN符号リセットタイミング信号REに基づいて、M系列のPN符号列PSを発生する。
【0067】
この例の場合、PN発生部17に供給されるクロックPNCLKのクロック周波数は、例えば500kHzとされ、1垂直区間内の1つおきの水平区間のすべてでPN符号を発生させることで、1垂直区間内に、合計で4095チップ分のPN符号列を発生させることができる。
【0068】
こうして得られたPN発生部17からのPN符号列PSは、PN反復部18に供給され、また、PN発生制御部16からのイネーブル信号ENおよびクロックPNCLKも、このPN反復部18に供給される。
【0069】
図5は、このPN反復部18の構成例である。すなわち、このPN反復部18は、スイッチ回路181と、1水平区間内に入るPN符号のチップ数分の段数を有するシフトレジスタ182とで構成される。そして、スイッチ回路181の一方の入力端a側に前記PN符号列PSが供給され、他方の入力端b側に、シフトレジスタ182の出力が供給される。
【0070】
このスイッチ回路181の切り換え信号としてイネーブル信号ENが供給されており、イネーブル信号ENがローレベルでPN符号列PSが発生する区間では、スイッチ回路181は入力端a側に、イネーブル信号ENがハイレベルであるPN符号列PSが発生していない区間では、スイッチ回路181は入力端b側に、それぞれ切り換えられる。そして、クロックPNCLKは、シフトレジスタ182にシフトクロックとして供給される。
【0071】
したがって、PN発生部17で1つおきの水平区間で発生したPN符号列PN11,PN12,PN13…からなるPN符号列PSは、スイッチ回路181を通じてシフトレジスタ182にそれぞれ転送される。そして、残りの1つおきの水平区間では、PN発生部17からのPN符号列PSは途絶えるが、スイッチ回路181が入力端b側に切り替わるので、シフトレジスタ182は、前の水平区間で取り込んだ1水平区間分のPNPN符号列PN11,PN12,PN13…を、それぞれ反復して出力する。
【0072】
以上のようにして、この例の場合には、PN反復部18では、PN発生部17で1つおきの水平区間で発生したPN符号列が、それぞれ後続する次の水平区間で繰り返されて、図3(E)に示すように、前記1水平区間単位のPN符号列PN11,PN12,PN13…が2水平区間で連続する状態のPN符号列PSrが生成される。このPN反復部18からのPN符号列PSrは、SS複製防止制御信号生成部14に供給される。
【0073】
SS複製防止制御信号生成部14は、前述した複製防止制御信号抽出部13によって抽出された複製防止制御信号S4をPN符号列PSrを用いてスペクトラム拡散し、映像信号S3に重畳するスペクトル拡散された複製防止制御信号(以下、SS複製防止制御信号という)S5を形成する。
【0074】
このSS複製防止制御信号生成部14は、図示しないが、スペクトラム拡散する複製防止制御信号列を生成する複製防止制御信号列生成部と、生成した複製防止制御信号列とPN符号列PSrとを乗算してスペクトラム拡散する乗算部とを備えている。
【0075】
複製防止制御信号列生成部は、この例の場合には、PN符号列PSの発生タイミングに同期する1水平区間で完結、すなわち、ビットの区切りが生じ、かつ、次の反復区間である水平区間も同じビット内容となるように複製防止制御信号列を生成する。このタイミング制御のため、SS複製防止制御信号生成部14には、PN発生制御部16からのイネーブル信号ENが供給されている。複製防止制御信号列は、1水平区間当たり1ビット〜数ビットの低ビットの信号である。
【0076】
SS複製防止制御信号生成部14において形成されたSS複製防止制御信号S5は、D/A変換回路192に供給される。D/A変換回路192は、SS複製防止制御信号S5をアナログSS複製防止制御信号S5Aに変換し、加算部19に供給する。
【0077】
加算部19は、アナログ映像信号S3に対して、アナログSS複製防止制御信号S5Aを重畳し、出力映像信号S6Aを形成して、これを出力する。このように加算部19は、アナログ映像信号S3に対し、PN符号列PSrによりスペクトラム拡散された複製防止制御信号であるSS複製防止制御信号S5Aを重畳する重畳手段としての機能を有する。この場合、SS複製防止制御信号S5Aは、映像信号のダイナミックレンジより小さいレベルで重畳される。このように重畳することにより映像信号の劣化がほとんど生じないようにすることができる。
【0078】
なお、以上の例では、1つおきの1水平区間でPN符号列PN11,PN12,PN13,…を発生させ、それぞれを2水平区間に渡り繰り返すようにした場合であるが、イネーブル信号ENを図3(F)に示すような3水平周期で1水平区間だけローレベルになる信号として、図3(G)に示すように、2つおきの1水平区間でPN符号列PN11,PN12,PN13,…を発生させ、それぞれを図3(H)に示すように、3水平区間に渡り繰り返すようにすることもできる。
【0079】
以上のようにしてPN符号PSrを発生させ、このPN符号列PSrにより、少なくとも水平周期でビットの区切りを発生し、PN符号PSrの反復区間中は1水平区間当たりのビット内容が変わらない複製防止制御信号をスペクトラム拡散することにより、PN符号が反復する複数水平区間では垂直方向に同一データを持つチップが整列し、かつ、画面単位の時間軸方向にも同一データを持つ各チップが整列するスペクトラム拡散信号を生成することができる。
【0080】
図6は、この例におけるPN反復部18により発生されるPN符号PSrの発生状況、すなわち、映像信号に対するPN符号PSrのマッピングについて説明するための図である。前述にもしたように、この実施例においては、PN反復部18からのPN符号列PSrは、1垂直区間を1周期とし、かつ、複数水平区間は同じ1水平区間分のPN符号列を含むものとなるものである。
【0081】
図6は、説明の簡単のため、1垂直区間を2分割し、垂直区間の前半の128水平区間ではPN符号列PN11を繰り返して反復生成し、後半の128水平区間ではPN符号列PN12を繰り返して反復生成した場合として示してものである。図6の場合では、PN符号列PN11およびPN12は、それぞれ4チップを含むものとして示している。そして、このPN符号PSrは、垂直周期のリセット信号によりリセットされるので、すべての垂直区間でまったく同一のマッピング状態となる。
【0082】
この図6から分かるように、PN符号が反復する複数水平区間では垂直方向に同一データを持つチップが整列し、かつ、画面単位の時間軸方向にも同一データを持つ各チップが整列する。すなわち、水平方向には、別々のデータを持ったチップが発生するが、垂直方向のPN符号が反復する複数水平区間では同じデータを持ったチップが、また、時間軸方向も同じデータを持ったチップが、繰り返し並ぶことになる。そして、複製防止制御信号は、1水平区間単位の同じPN符号列PN11,PN12,…のそれぞれに対しては、1水平区間で完結するものとされるので、SS複製防止制御信号としては、概念的には、図6に示すように、この例の場合、PN符号が反復する複数水平区間内の垂直方向および時間軸方向に同じチップが形成された4つの平面ができ、合計8つの平面ができる。
【0083】
したがって、PN符号列PSrによりスペクトラム拡散された複製防止制御信号が映像信号に重畳された場合に、前述したように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去を行った場合、隣接する水平ライン間、隣接するフィールド間、隣接するフレーム間で差分を取っても、重畳されたSS複製防止制御信号が差分として検出されることがない。
【0084】
このため、この出力装置10や、この出力装置10からの映像信号の供給を受ける後述する記録装置などの装置において、あるいは、出力装置10とこの出力装置10からの映像信号の供給を受ける装置との間において、上述のような、映像信号の相関性を利用したノイズ除去や、水平方向あるいは時間軸方向の補間や間引きが行われた場合にも、スペクトラム拡散された複製防止制御信号(SS複製防止制御信号)を映像信号に重畳して確実に伝送し、後続する装置に提供することができる。
【0085】
また、複製防止制御信号は、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳されるため、映像信号に重畳されるSS複製防止制御信号が、映像信号を劣化させることもなく、また、簡単に映像信号からSS複製防止制御信号が取り除かれることもない。
【0086】
そして、この実施の形態によれば、複数水平区間ごとに異なるPN符号を用いるので、この異なるPN符号ごとに付加情報のビットを変更することができるので、全体として付加情報としてスペクトラム拡散して重畳して伝送できる情報量が増加するものである。
【0087】
図7は、複製防止制御信号と、映像信号との関係をスペクトルで示したものである。複製防止制御信号は、これに含まれる情報量は少なく、低ビットレートの信号であり、図7(a)に示されるように狭帯域の信号である。これにスペクトラム拡散を施すと、図7(b)に示すような広帯域幅の信号となる。このときに、スペクトラム拡散信号レベルは帯域の拡大比に反比例して小さくなる。
【0088】
このスペクトラム拡散信号、すなわち、SS複製防止制御信号S5Aを、加算部19で情報信号に重畳させるのであるが、この場合に、図7(c)に示すように、情報信号としての映像信号のダイナミックレンジより小さいレベルで、SS複製防止制御信号S5Aを重畳させるようにする。このように重畳することにより主情報信号の劣化がほとんど生じないようにすることができる。したがって、上述したように、SS複製防止制御信号が重畳された映像信号がモニター受像機に供給されて、映像が再生された場合に、SS複製防止制御信号の影響はほとんどなく、良好な再生映像が得られるものである。
【0089】
一方、後述するように、記録側でSS複製防止制御信号を検出するために、逆スペクトラム拡散を行うと、図7(d)に示すように、SS複製防止制御信号が再び狭帯域の信号として復元される。十分な帯域拡散率を与えることにより、逆拡散後の複製防止制御信号の電力が情報信号を上回り、検出可能となる。
【0090】
この場合、アナログ映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号は、アナログ映像信号と同一時間、同一周波数内に重畳されるため、周波数フィルタや単純な情報の置き換えでは削除および修正が不可能である。
【0091】
したがって、映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号が取り除かれることがなく、SS複製防止制御信号をモニタ受像機や記録装置などの装置に確実に提供することができる。
【0092】
このように、SS複製防止制御信号S5Aが重畳されたアナログ出力映像信号S6Aは、映像を表示するモニタ受像機や、後述する記録装置20に供給される。
【0093】
[映像信号記録装置の第1の実施の形態]
次に、前述した出力装置10からの映像信号S6Aの供給を受けて、映像信号を記録する記録装置20について説明する。
【0094】
図8は、この実施の形態の映像信号複製制御システムで用いられる映像信号記録装置(以下、単に記録装置という)20を説明するための図である。すなわち、記録装置20は、この第1の実施の形態において、DVD装置の記録系に相当する。
【0095】
記録装置20は、図8に示すように、符号化部21、書き込み部22、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された複製防止制御信号を検出する検出部(以下、SS複製防止制御信号検出部という)23、複製の許可、禁止などの制御を行う複製制御部24、同期分離部25、PN発生制御部26、PN発生部27、PN反復部28、A/D変換回路29を備えている。また、記録媒体200は、記録装置20により映像信号が書き込まれるDVDである。
【0096】
出力装置10から供給された映像信号S6Aは、A/D変換回路29により、デジタル映像信号S21に変換されて、符号化部21、SS複製防止制御信号検出部23、同期分離部25に供給される。
【0097】
符号化部21は、デジタル映像信号S21の供給を受けて、映像同期信号を除去したり、デジタル映像信号をデータ圧縮するなどの符号化処理を行って、記録媒体200へ供給する記録用のデジタル映像信号S22を形成し、書き込み部22に供給する。
【0098】
同期分離部25は、符号化処理される前のデジタル映像信号S21から、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを抜き出し、これをPN発生制御部26に供給する。
【0099】
この実施の形態において、記録装置20のPN発生制御部26は、図2を用いて前述した出力装置10のPN発生制御部16と同様に構成されたものである。このため、ここでは、PN発生制御部26は、図2に示した構成を有するものとして説明する。
【0100】
PN発生制御部26のPN発生タイミング信号生成部161は、垂直同期信号Vを基準信号として用い、前述した出力装置10に対応して、スペクトラム逆拡散に用いる逆拡散用のPN符号列のリセットタイミングを提供するPN符号リセットタイミング信号RE(以下、単にリセット信号REという)を生成すると共に、水平同期信号Hを基準信号として用いて、前述した出力装置10でのイネーブル信号ENに対応するイネーブル信号ENを生成する。ここで生成されるリセット信号REは、前述した出力装置10のPN発生制御部16において生成されるPN符号リセットタイミング信号REと同様の信号であり、映像信号の垂直区間の開始位置に対応するタイミングを提供する。
【0101】
PN発生制御部26のPNクロック生成部162は、水平同期信号Hに同期するPNクロック信号PNCLKを生成する。このクロック信号PNCLKは、前述の出力装置10において用いられたクロック信号PNCLKに対応する信号である。また、PN発生制御部26のタイミング信号生成部163は、水平同期信号Hに基づいて各種のタイミング信号を生成する。
【0102】
PN発生制御部26において生成されたリセット信号RE、イネーブル信号EN、クロック信号PNCLKは、PN発生部27に供給される。また、PN発生制御部26からのイネーブル信号ENおよびクロック信号PNCLKは、PN反復部28に供給される。
【0103】
PN発生部27は、図4に示した前述の出力装置10のPN発生部17と同様に構成され、また、PN反復部28も、図5に示した前述の出力装置10のPN反復部18と同様に構成される。したがって、PN反復部18からは、前述の出力装置10におけるスペクトラム拡散のときと全く同様のPN符号列PSrが得られ、これがSS複製防止制御信号検出部23に供給される。
【0104】
この実施の形態において、SS複製防止制御信号検出部23は、PN符号発生器や乗算回路を備え、スペクトラム逆拡散を行って、映像信号S21に重畳されている複製防止制御信号を取り出すスペクトラム逆拡散手段としての機能を有している。
【0105】
そして、SS複製防止制御信号検出部23は、SS複製防止制御信号が重畳されている各垂直区間の映像信号に対し、スペクトラム拡散時に用いられたPN符号列と同じPN符号列PSrである逆拡散用のPN符号列を用いて、スペクトラム逆拡散を行って、映像信号に重畳されている複製防止制御信号を取り出す。取り出された複製防止制御信号S23は、複製制御部25に供給される。
【0106】
複製制御部25は、複製防止制御信号S23をデコードして、記録装置20に供給された映像信号は、複製が禁止されたものか、複製が許可されているものかを判別する。そして、その判別結果に基づいて、書き込み制御信号S24を生成し、これを書き込み部22に供給することにより、映像信号S22の書き込みの許可、禁止などの複製防止制御を行う。
【0107】
書き込み部22は、書き込み制御信号S24が書き込みを許可するものである場合に、映像信号S22の記録媒体200への書き込みを行ない、書き込み制御信号S24が書き込みを禁止するものである場合には、映像信号S22を記録媒体200に書き込まないようにする。
【0108】
このように、この実施の形態の記録装置20は、出力装置10に対応して、SS複製防止制御信号が重畳された映像信号に対し、複製防止制御信号のスペクトラム拡散に用いられたPN符号列PSrと同じPN符号列を用いて逆スペクトラム拡散を行って映像信号に重畳された複製防止制御信号を取り出す。
【0109】
そして、この場合、前述したように、出力装置10から出力された映像信号には、PN符号が反復された複数水平区間では垂直方向に同一のデータとなると共に、時間軸方向に同一のデータとなるSS複製防止制御信号が重畳されている。このため、前述にもしたように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去が行われた場合にも、映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号が除去されることがない。また、画像の垂直方向や時間軸方向に、間引きや補間を行った場合にも、映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号が損なわれることがない。
【0110】
したがって、記録装置への入力の際に、変速再生が行われたり、いわゆるカット編集が行われたとしても、SS複製防止制御信号が劣化することはなく、SS複製防止制御信号が示す複製防止制御の制御内容が判別できなくなることはない。すなわち、記録装置20においては、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳されている複製防止制御信号を確実かつ正確に取り出し、取り出した複製防止制御信号に応じた複製防止制御を行うことができる。
【0111】
また、上述の第1の実施の形態の場合、出力装置10、記録装置20において、映像同期信号、この例では垂直同期信号を基準信号として用いて、PN符号リセットタイミング信号REを生成することで、出力装置10、記録装置20のそれぞれにおいて、垂直同期信号に対して同じタイミングでPN符号列を生成することができる。
【0112】
これにより、記録装置20においては、例えば、スライディング相関器等を用いて、映像信号に重畳されている複製防止制御信号をスペクトラム拡散しているPN符号列を検出し、同じタイミングで逆拡散用のPN符号列を生成するようにする位相制御を行う必要もないため、逆スペクトラム拡散による複製防止制御信号の抽出を迅速に行うことができる。
【0113】
また、前述したように、出力装置10、記録装置20においては、水平同期信号を基準信号として用いて、クロック信号PNCLKの周波数を決めるため、出力装置10、記録装置20の双方において、同じ周波数のクロック信号を確実に生成することができる。
【0114】
[映像信号出力装置の第1の実施の形態の変形例]
[第1の変形例]
上述の例では、PN発生部17は、1個のPN発生器で構成したが、PN発生部17を複数個のPN発生器で構成し、これら複数個のPN発生器を複数の垂直区間ごとに切り換えることにより、さらに重畳できる付加情報量を増加させることができる。
【0115】
図9は、その場合の映像信号に対するPN符号PSrのマッピング状況を説明するための図である。この図9の例では、時間軸方向の前部の複数垂直区間では、垂直周期でリセットされる1個のPN発生器からのPN符号列PN11,PN12を、前述したように、複数水平区間に渡って反復させて、垂直方向に、異なる2つのPN符号列PN11,PN12によりスペクトラム拡散した付加情報を重畳する。また、時間軸方向に後部の複数垂直区間では、他のPN発生器に切り換えて、そのPN発生器からのPN符号列PN21,PN22を、前述したのと同様にして、複数水平区間に渡って反復させて、これら垂直方向に、異なる2つのPN符号列PN21,PN22によりスペクトラム拡散した付加情報を重畳する。
【0116】
この場合に、複数のPN発生器の切り換えタイミングは、例えば復号化部12で得られるIピクチャー(Intra−coded picture)の検出タイミングに同期するようにされる。すなわち、この例の場合、映像信号は予測符号化を用いたMPEG方式などによりデータ圧縮されているが、Iピクチャーは、予測符号化を使わずに、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されて形成されたもので、動き補償予測が用いられて形成されるPピクチャー(Predictive−coded picture)やBピクチャー(Bidirectionally−coded picture)だけの場合には、再生画像の劣化が時間方向に伝播されてしまうのを防止するものであり、通常、一定の複数垂直周期で挿入される。
【0117】
そこで、このIピクチャーを復号化部12で検出したとき、その検出タイミング信号をPN発生制御部16に送るようにする。そして、PN発生制御部16がそのIピクチャの検出タイミングに応じてPN発生部17を構成する複数のPN発生器を順次切り換えるようにするものである。
【0118】
なお、アナログ映像信号の場合には、複数垂直区間ごとの垂直ブランキング期間内の特定の水平区間にPN発生器の切り換えタイミング情報を挿入しておくようにすることもできる。
【0119】
[第2の変形例]
前述の例では、PN発生部17は、垂直同期信号Vに同期する垂直周期のリセット信号REによりリセットするようにして、1垂直区間内で複数水平区間ごとをPN符号列の反復区間とするようにしたが、PN発生部17のリセット周期を複数垂直周期とすることにより、このリセット周期内で複数垂直区間をPN符号列の反復区間とする時間軸方向に、複数個のPN符号列による付加情報のスペクトラム拡散を行うようにすることができる。この例の場合は、PN発生部17は、1個のPN発生器で構成できる。
【0120】
この第2の変形例の場合の映像信号に対するPN符号PSrのマッピング状況を図10に示す。この例の場合には、前部の複数垂直区間には、そのすべての水平区間でPN符号列11を反復したものが発生する。そして、後部の複数垂直区間には、そのすべての水平区間でPN符号列12を反復したものが発生するものとなる。
【0121】
[第3変形例]
この第3の変形例の場合のPN発生制御の場合のタイムチャートを図12に示す。この例の場合には、PN発生部17は1個のPN発生器からなるが、そのリセットは、図12(A)に示すように、前述したIピクチャーの検出タイミング信号であって、複数垂直区間を1周期とする信号である。
【0122】
また、イネーブル信号ENは、垂直同期信号V(図12(B))に基づいて生成される1または複数垂直区間おきの1垂直区間だけローレベル(アクティブ)となる信号(図12(C))である。
【0123】
そして、PN発生器に対するPNクロックPNCLKは、図12Dに示すように、水平同期信号Hに同期した水平周期の信号である。なお、このPNクロックPNCLKは、複数水平周期の信号であってもよい。
【0124】
このように構成した場合には、PN発生部17からは、図12(E)に示すように、1または複数垂直区間おきの1垂直区間において、PN符号列P11,P12,…が発生し、PN反復部18からは、イネーブル信号ENの周期で決まる複数垂直区間に渡って、前記のPN符号列P11,P12,…のそれぞれが反復されたPN符号列PSrが得られる。
【0125】
したがって、この第3の変形例の場合の映像信号に対するPN符号PSrのマッピング状況は図11に示すようなものとなる。すなわち、この場合には、クロックPNCLKの周期である1水平区間あるいは複数水平区間にPN符号の1チップが割り当てられ、複製防止制御信号は、一つのPN符号当たりに1垂直周期で完結するデータとしてスペクトラム拡散される。そして、一つのPN符号列によりスペクトラム拡散された付加情報が複数垂直区間に渡り、反復されたものとなる。
【0126】
こうして、複数のPN符号列によりスペクトラム拡散された付加情報が、それぞれ複数垂直区間ごとに、時間軸方向に、配列されたようになる。したがって、付加情報は時間軸方向に情報量を増加させることができる。
【0127】
この第3の変形例の場合には、水平方向は同じデータを持つ1チップで構成されることになるので、画面サイズの変更により、画素単位の間引き、補間があったとしても、それに影響されることなく、付加情報を伝送することができる。
【0128】
[映像信号出力装置の第2の実施の形態]
図13は、この発明による映像信号出力装置の第2の実施の形態のブロック図であり、図1の第1の実施の形態と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
【0129】
第1の実施の形態では、一つのPN発生器からのPN符号列の一部を反復して使用することにより、複数水平区間あるいは複数垂直区間に渡る区間で、同じPN符号を発生するようにしたが、この第2の実施の形態では、複数個のPN発生器を設け、これをPN発生制御しながら、切り換えることにより、前述と同様のスペクトラム拡散を行う。さらに、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態では困難な態様であるが、複数個のPN符号を用いることにより実現できる態様もある。
【0130】
この第2の実施の形態では、2個のPN発生部32a、32bを設けると共に、これらからのPN符号列PNaおよびPNbを切り換え選択するスイッチ回路33を設ける。
【0131】
そして、同期分離部15からの水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vは、PN発生制御部31に供給される。このPN発生制御部31は、前記2個のPN発生部32aおよび32bのリセット信号REa,REb、イネーブル信号ENa,ENb、およびクロック信号PNCLKを生成して、これら2個のPN発生部32aおよび32bからのPN符号列PNaおよびPNbの発生を制御すると共に、スイッチ回路33を切り換える切換制御信号SWを生成する。
【0132】
そして、スイッチ回路33は、切り換え選択して得たPN符号列をSS複製防止制御信号生成部14に供給し、前述の第1の実施の形態と同様にして、複製防止制御信号抽出部13からの複製防止制御信号S4をスペクトラム拡散し、SS複製防止制御信号S5を生成する。そして、前述と同様にして、この信号S5をD/A変換器192でアナログ信号に変換して加算部19で映像信号S3に重畳して、出力信号S6Aとして出力する。
【0133】
この第2の実施の形態で、図6と同様の映像信号に対するPN符号のマッピングを行うには、図14に示すような信号を生成して、2個のPN発生部32aおよび32bを制御すると共に、スイッチ回路33を切り換え制御すればよい。
【0134】
すなわち、リセット信号REaおよびREbは、共に図14(A)に示すように水平周期の信号として、2個のPN発生部32aおよび32bを水平周期でリセットする。イネーブル信号ENaおよびENbは常時イネーブルの状態とする。そして、切換制御信号SWは、図14(B)に示すように、PN符号列PNaおよびPNbを、それぞれ繰り返す複数水平区間の長さごとに、交互にハイレベルとローレベルの状態が変わる信号とされる。
【0135】
これにより、2個のPN発生部32aおよび32bは、それぞれ1水平周期のPN符号列PNaおよびPNbを常時発生し、スイッチ回路33は、これを必要な複数水平区間ごとに交互に取り出して、図14(C)に示すような第1の実施の形態の場合と同様のPN符号列を発生させる。したがって、前述の第1の実施の形態の場合とまったく同様にして、図6に示したようなPN符号のマッピングを実現することができる。
【0136】
図9の場合のマッピングを行うには、更に2個のPN発生部を追加すればよい。
【0137】
また、図10の場合のマッピングを行うには、図14(B)の切換制御信号SWに変わって、複数垂直区間ごとにハイレベルとローレベルとを交互に繰り返す信号とすればよい。
【0138】
更に、図11の場合のマッピング行うには、図15に示すような信号を生成して、2個のPN発生部32aおよび32bを制御すると共に、スイッチ回路33を切り換え制御すればよい。
【0139】
すなわち、リセット信号REaおよびREbは、共に図15(A)に示すように垂直周期の信号として、2個のPN発生部32aおよび32bを垂直周期でリセットする。イネーブル信号ENaおよびENbは常時イネーブルの状態とする。そして、PNクロック信号PNCLKは、図15(C)に示すように、水平同期信号Hに同期した1水平周期あるいは複数水平周期のクロックとし、切換制御信号SWは、図15(C)に示すように、PN符号列PNaおよびPNbを、それぞれ反復させる複数垂直区間の長さごとに交互にハイレベルとローレベルの状態が変わる信号とされる。
【0140】
これにより、2個のPN発生部32aおよび32bは、それぞれ1垂直周期のPN符号列PNaおよびPNbを常時発生し、スイッチ回路33は、これを必要な複数垂直区間ごとに交互に取り出して、図15(D)に示すようなPN符号列を発生させる。したがって、前述の第1の実施の形態の場合とまったく同様にして、図11に示したようなPN符号のマッピングを実現することができる。
【0141】
なお、この図15の場合のPN発生部32aおよび32bのリセットは、前述したIピクチャーの検出タイミングを用いることができる。
【0142】
[映像信号記録装置の第2の実施の形態]
図16は、映像信号出力装置の第2の実施の形態に対応する記録装置の第2の実施の形態のブロック図を示すものである。
【0143】
この第2の実施の形態の記録装置40においても、図8に示した第1の実施の形態の記録装置20と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
【0144】
すなわち、この第2の実施の形態では、逆拡散用として2個のPN発生部42a、42bを設けると共に、これらからのPN符号列PNaおよびPNbを切り換え選択するスイッチ回路43を設ける。
【0145】
そして、同期分離部25からの水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vは、PN発生制御部41に供給される。このPN発生制御部41は、前記2個のPN発生部42aおよび42bのリセット信号REa,REb、イネーブル信号ENa,ENb、およびクロック信号PNCLKを生成して、これら2個のPN発生部42aおよび42bからのPN符号列PNaおよびPNbの発生を制御すると共に、スイッチ回路43を切り換える切換制御信号SWを生成する。
【0146】
このスイッチ回路43からは、スペクトラム拡散時に用いられたPN符号列と同じPN符号列が得られる。スイッチ回路43は、このPN符号列をSS複製防止制御信号検出部23に供給し、前述の第1の実施の形態と同様にして、スペクトル逆拡散により映像信号に重畳されている複製防止制御信号S23を復元する。そして、この復元した複製防止制御信号S23を複製制御部24に供給してデコードし、この複製制御部24からの書き込み制御信号S24により書き込み部22を制御する。
【0147】
[第2の実施の形態の場合の変形例]
第2の実施の形態の出力装置30および記録装置40を用いた場合には、第1の実施の形態では実現できない映像信号に対するPN符号のマッピングを行うことができる。
【0148】
すなわち、図17(A)に示すように、PN符号の発生方向が時間軸方向、すなわち、1ないし複数垂直区間当たりに1チップの割合でPN符号を発生させると共に、垂直方向に分割して異なる複数のPN系列のPN発生器からのPN符号を同様に発生させるものである。図17(A)で、「1、2、3、4…」は、例えばPN発生部32aから発生するチップ単位のPN符号列、「5、6、7、8…」は、PN発生部32bから発生するチップ単位のPN符号列である。
【0149】
この図17(A)のマッピングは、図18に示すような各種タイミング信号をPN発生制御部31から発生させればよい。
【0150】
すなわち、2個のPN発生部32a,32bからは、図18(A)に示すようなクロックPNCLKにより、図18(B),(C)に示すようなPN符号列PNa,PNbを順次発生させる。そして、PN発生制御部31は、さらに、図18(D)に示すように、1/2垂直周期ごとにPN符号列PNa,PNbを交互に選択するようにスイッチ回路33を制御する切換制御信号SWを生成する。これにより、図18(E)に示すような、図17(A)のマッピングとなるPN符号列をスイッチ回路33から得ることができる。
【0151】
次に、図17(B)のマッピングの例は、図18(D)に示した切換制御信号SWを、1/2水平区間ごとにした場合である。これにより、時間軸方向に発生する2個のPN符号列を、水平方向の別々の区間で複数個、発生させることができる。
【0152】
図17(C)のマッピングの例は、PN発生部32a,32bを共に、垂直周期でリセットすると共に、1水平周期あるいは複数水平周期で1チップを発生するようにしておき、これを1/2水平区間ごとにスイッチ回路33を切り換えるようにすることをより、実現できる。
【0153】
さらに、図19のマッピングの例は、図17(C)の例の場合にさらに、2個のPN発生部を追加して、4個のPN発生部を、それぞれ2個づつ、複数垂直区間ごとに切り換えて、前述の2個のPN発生部を用いたPN発生制御を行うことにより実現できる。
【0154】
以上説明した、複数のPN発生部を用いた実施の形態の場合には、垂直方向や時間軸方向に限らず、水平方向にもPN符号列を別の区間で発生することができ、より付加情報量を増加させることが可能になる。
【0155】
[第3の実施の形態]
この第3の実施の形態は、第1の実施の形態の図6の例の応用例の一つである。MPEG方式に限らず、映像信号をデジタル圧縮する場合には、1画面単位の映像信号を、画面の微小矩形領域に相当する小ブロックに分割するブロック符号化を行う場合が多い。また、DCT(離散コサイン変換)を行う場合も多い。
【0156】
ところで、DCTを採用した場合に、アナログ映像信号あるいはデジタル映像信号にスペクトラム拡散した付加情報を重畳したときに、それが高周波信号になると、データとして欠落したり、あるいは劣化してしまうおそれがある。
【0157】
この第3の実施の形態は、この点を考慮したものである。すなわち、この第3の実施の形態においては、DCTを施す前に、このDCTを施す単位となる各1ブロックには、スペクトラム拡散信号の1チップが割り当てられるようにPN符号列をマッピングするようにする。1ブロック以上のブロック、例えば4ブロック分であるマクロブロックが1チップに対応するようにしてもよい。このようにすれば、スペクトラム拡散信号は、DCTされたときには、そのDC成分(直流成分)に含まれることになり、データとして欠落したり、劣化するのを防止することができる。
【0158】
例えば、図20に示すように、映像信号は、8画素×8画素のブロックBKに分割され、そのブロックBK単位にDCT処理が施される。そこで、例えば、各ブロックBKの水平方向に含まれる8画素単位ごとのクロックを、PNクロック信号PNCLKとすると共に、このように水平方向に生成した1水平区間分のPN符号列を、第1の実施の形態で説明したようにして、ブロックBKの垂直方向の8水平区間分、反復させるようにする。これにより、1ブロックBKには、同一の1チップの情報が入ることになり、前述したように、データとして欠落したり、劣化するのを防止することができる。
【0159】
図21は、この第3の実施の形態の場合の付加情報の重畳回路部の例を示すブロック図である。
【0160】
入力端子1001を通じて入力されたアナログ映像信号は加算回路1002に供給されると共に同期分離回路1010に供給される。同期分離回路1010からの水平同期信号および垂直同期信号は、タイミング信号発生部1008に供給されると共に、図1のPN発生制御部16に対応するPN発生制御部1012に供給される。
【0161】
一方、タイミング信号発生部1008からのブロック化のタイミング信号が、PN発生制御部1012に供給される。このPN発生制御部1012からは、ブロックBKの水平方向の大きさである8画素ごとのクロック信号PNCLKと、ブロックBKの水平方向の大きさである8水平区間のうちの最初の水平区間でローレベルとなるイネーブル信号ENと、垂直周期のリセット信号REが発生し、SS複製防止制御信号生成部1011に供給される。これらクロック信号PNCLKおよびイネーブル信号ENは、ブロック化タイミング信号に同期していることは言うまでもない。
【0162】
SS複製防止制御信号生成回路1011は、図1の例のPN発生部17およびPN反復部18および複製防止制御信号生成部14の部分を備えており、これにおいては、ブロックBKの垂直方向の8水平区間内で反復するPN符号列が生成され、これに供給される複製防止制御信号を、前記PN符号列でスペクトラム拡散して、SS複製防止制御信号を生成する。そして、生成したSS複製防止制御信号を加算回路1002に供給する。この場合、図7を用いて説明したように、SS複製防止制御信号は、映像信号のダイナミックレンジよりも低いレベルで加算回路1002に供給する。
【0163】
加算回路1002では、映像信号に前記SS複製防止制御信号が重畳される。そして、このSS複製防止制御信号が重畳された映像信号がA/D変換器1003でデジタル信号に変換され、DCT処理部1004に供給される。DCT処理部1004では、タイミング信号発生部1008からのタイミング信号により、映像信号をブロックBK単位に分割し、DCT演算処理を行う。
【0164】
DCT処理部1004からの演算処理結果は、量子化部1005に供給されて量子化される。量子化部1005の出力は、動き補償回路1006を介してDCT処理部1004に供給されて、動き成分のDCT演算を行うようにする。量子化部1005の出力は、可変長符号化部1007でハフマン符号を用いた可変長符号化が行われて、例えば記録や伝送のために出力される。
【0165】
こうして伝送された、あるいは記録された圧縮データは、復号化を行ったときには、逆DCT演算の際に、直流成分にSS複製防止制御信号が含まれるため、このSS複製防止制御信号はアナログ映像信号に劣化なく重畳されて復元される。したがって、SS複製防止制御信号は確実に伝送され、複製制御が確実に実施される。
【0166】
なお、図21の例では、SS複製防止制御信号は、アナログ映像信号に重畳するようにしたが、A/D変換した後のデジタル映像信号に重畳することも、もちろん可能である。
【0167】
[その他の変形例]
前述の実施の形態において、出力装置10、30、記録装置20、40では、映像信号のすべての区間にSS複製防止制御信号を重畳するようにしたが、垂直ブランキング期間や水平ブランキング期間を除く、有効画面区間のみにSS複製防止制御信号を重畳するようにしてもよい。また、有効画面領域のすべてにSS複製防止制御信号を重畳するようにしなくてもよい。例えば、水平同期信号の前縁から数えて、何クロック目から、数10クロック分というように、水平同期信号に基づいて細かく設定することもできる。
【0168】
また、前述の実施の形態においては、出力装置10、30から記録装置20、40にはアナログ映像信号が供給されるアナログ接続の場合として説明したが、デジタル接続の場合にもこの発明を適用してもよい。
【0169】
すなわち、スペクトラム拡散された複製防止制御信号は、アナログ映像信号に重畳することもできるし、デジタル映像信号に重畳することもできる。
【0170】
また、記録装置20、40においては、SS複製防止制御信号検出部に供給する映像信号に対し、予めフィルタリングを行って、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が重畳されている低レベル部分の映像信号を取り出し、これをSS複製防止制御信号検出部に供給するようにしてもよい。
【0171】
また、前述の実施の形態においては、出力装置、記録装置は、ともにDVD装置として説明したが、これに限るものではなく、VTRや、デジタルVTR、ビデオディスクやビデオCDの出力装置、記録装置にこの発明を適用することも可能である。すなわち、アナログVTRなどのアナログ機器およびDVD装置などのデジタル機器のいずれにもこの発明を適用することができる。
【0172】
また、前述の実施の形態においては、記録媒体100に記録されている映像信号に付加されている複製防止制御信号を抽出して、これをPN符号を用いて、スペクトラム拡散し、記録装置20、40に供給する映像信号に重畳するようにしたが、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が予め重畳された映像信号が記録された記録媒体を用いるようにしてもよい。
【0173】
すなわち、記録媒体に記録する映像信号に対し、例えば、映像同期信号を基準にして、1水平区間内の区間を1周期とし、または、1垂直区間以内の区間を1周期とし、あるいは複数垂直区間内の区間を1周期とする拡散符号により、付加情報をスペクトラム拡散し、このスペクトラム拡散された付加情報を映像信号に重畳する。この場合に、スペクトラム拡散された付加情報は、所定の複数画素ごとに、または、所定の複数水平区間ごとに、あるいは所定の複数垂区間ごとに、異なるデータをもつチップが配列されるように映像信号に重畳されているものである。
【0174】
このようにして、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が予め重畳された映像信号が記録された記録媒体の場合には、複製防止制御信号の取り出し、PN符号の生成、スペクトラム拡散、スペクトラム拡散された複製防止制御信号の映像信号への重畳などの処理を出力装置において行う必要はない。すなわち、この場合、出力装置側においては、記録媒体に記録されている映像信号を再生して出力するだけでよい。
【0175】
この場合、記録装置側においては、前述した実施の形態の記録装置20と同様に、映像信号に重畳されているSS複製防止制御信号をスペクトラム拡散しているPN符号列と同じ符号パターンの逆拡散用のPN符号列を、映像信号に対してスペクトラム拡散時と同じタイミングで生成し、これを用いてスペクトラム逆拡散を行うことにより、映像信号に重畳された複製防止制御信号を取り出すことができる。
【0176】
このように記録媒体に記録された映像信号にスペクトラム拡散された複製防止制御信号が予め重畳されている場合には、記録装置側にスペクトラム逆拡散して複製防止制御信号を取り出す機能があれば、映像信号に予め重畳されている複製防止制御信号を取り出して有効に複製制御を行うことができる。
【0177】
また、出力装置に複製防止制御信号の発生部を設け、出力装置において発生させた複製防止制御信号を、PN符号列を用いてスペクトラム拡散し、映像信号に重畳して出力するようにしてもよい。
【0178】
この場合には、記録媒体にもともと複製防止制御信号が記録されていない場合、あるいは、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が重畳されていない場合にも、出力装置において生成され、映像信号に重畳される複製防止制御信号を用いて、記録装置側において複製制御を行うことができる。
【0179】
また、前述した実施の形態においては、複製防止制御装置として、DVD装置としての出力装置、記録装置の場合として説明いたが、これに限るものではない。例えば、この発明を放送局側のテレビジョン信号の出力装置に適用し、送信するテレビジョン信号にスペクトラム拡散した複製防止制御信号を重畳して送信する場合にも、この発明を適用することができる。そして、受信側においては、逆スペクトラム拡散を行って、映像信号に重畳されている複製防止制御信号列を取り出し、この複製防止制御信号に基づいて映像信号の複製防止制御を行うようにすることができる。
【0180】
もちろん、ケーブルテレビのように、ケーブルを介して映像信号を送受する場合の映像の出力装置、受信装置にもこの発明を適用することができる。
【0181】
また、前述の形態においては、付加情報として複製防止制御信号を重畳するようにしたが、映像信号に重畳する付加情報は複製防止制御信号に限るものではない。
【0182】
例えば、映像信号にその映像信号により再生される映像の著作権者を識別することができる著作権情報をスペクトラム拡散して重畳するようにしてもよい。この場合には、映像信号に重畳された著作権情報を逆スペクトラム拡散することにより取り出して、著作権者等を確認することができるため、著作権侵害の防止に役立つとともに、自己が著作権を有する映像が無断で使用された場合などにおいては、著作権侵害であることを容易に示すことができる。
【0183】
そして、前述したように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去や、映像信号により形成される水平方向の画素の間引きや補間、あるいは、時間軸方向のフィールド間引きや補間が行われた場合にも、著作権情報が除去されたり、劣化することがないので、確実に取り出して利用することができる。
【0184】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による映像信号伝送方法、重畳情報抽出方法および映像信号記録媒体によれば、映像信号には、水平方向および時間軸方向に同じデータとなるようにされた付加情報がくり返し重畳される。これにより、映像信号の相関性を利用したノイズ除去により、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報が除去されたり、劣化したりすることがない。
【0185】
また、映像信号に対して水平方向の間引きや補間、または時間軸方向の間引きや補間が行われ、映像信号が変化した場合でも、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報の変更を防止することができる。
【0186】
これによりスペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報を確実に伝送することができるとともに、受信側においては、受信した映像信号に重畳されているスペクトラム拡散された付加情報を確実に検出することができる。
【0187】
そして、この発明によれば、水平方向、垂直方向または時間軸方向に、それぞれ複数のPN符号列を生成して異なるデータを付加情報として重畳することができるので、重畳可能な付加情報量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による方法が適用された映像信号出力装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した映像信号出力装置のPN発生制御部の一例を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示した映像信号出力装置において生成されるPN符号発生タイミング信号の一例を説明するための図である。
【図4】図1に示した映像信号出力装置のPN発生部の一例の構成を説明するための図である。
【図5】図1に示した映像信号出力装置のPN反復部の一例の構成を説明するための図である。
【図6】図1に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図7】SS複製防止制御信号と映像信号の関係をスペクトルで示した図である。
【図8】この発明による方法が適用された映像信号記録装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図9】図1に示した映像信号出力装置を用いて生成されるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図10】図1に示した映像信号出力装置を用いて生成されるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図11】図1に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図12】図1に示した映像信号出力装置のPN発生制御の他の例を説明するためのブロック図である。
【図13】この発明による方法が適用された映像信号出力装置の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図14】図13に示した映像信号出力装置において生成されるPN符号発生タイミング信号の一例を説明するための図である。
【図15】図13に示した映像信号出力装置において生成されるPN符号発生タイミング信号の他の例を説明するための図である。
【図16】この発明による方法が適用された映像信号記録装置の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図17】図13に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図18】図13に示した映像信号出力装置のPN発生制御の一例を説明するためのブロック図である。
【図19】図1に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図20】画像圧縮方式によるブロック分割を説明するための図である。
【図21】圧縮画像データに、この発明を用いてSS複製防止制御信号を重畳する場合の回路の一例のブロック図である。
【図22】複製防止制御システムの従来の構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
10、30…映像信号出力装置、11…読み出し部、12…復号化部、13…複製防止制御信号抽出部、14…SS複製防止制御信号生成部、15…同期分離部、16…PN発生制御部、17…PN発生部、18…PN反復部、19…加算部、20、40…映像信号記録装置、21…符号化部、22…書き込み部、23…SS複製防止制御信号検出部、24…複製制御部、25…同期分離部、26…PN発生制御部、27…PN発生部、28…PN反復部、191、192…D/A変換回路、29…A/D変換回路、100…再生側記録媒体、200…記録側記録媒体、31、41…PN発生制御部、32a,32b,42a,4b…PN発生部、33、43…スイッチ回路
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば、記録媒体に記録されている映像信号を再生して、複製を防止する情報とともに伝送し、伝送された映像信号を受信して別の記録媒体に記録するのを制限ないしは禁止する場合のように、映像信号に付加情報を重畳して出力し、これを受信して重畳された付加情報を抽出し、抽出した付加情報を用いて複製防止制御などを可能にする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
VTR(ビデオテープレコーダ)が普及し、VTRで再生が可能な数多くのソフトウエアが提供されるようになってきている。また最近では、デジタルVTRやDVD(デジタルビデオディスク)の再生装置などが現実のものとなってきており、画質、音質の良い映像、音声を手軽に再生して視聴することができるようになってきている。
【0003】
しかし、一方で、このように豊富に提供されるようになったソフトウエアが無制限に複製されてしまうおそれがあるという問題があり、従来から種々の複製防止対策が施されている。
【0004】
例えば、アナログ映像信号についての複製を直接的に禁止する方法ではないが、記録装置としての例えばVTRと、映像を提供するモニタ受像機のAGC(オート・ゲイン・コントロール)の方式の相違、あるいはAPC(オート・フェイズ・コントロール)の特性の相違を利用して、実質的に複製を防止する方法がある。
【0005】
すなわち、例えば、VTRは、映像信号に挿入された擬似同期信号によりAGCを行い、モニタ受像機は、この擬似同期信号によらないAGC方式を採用するというように、AGCの方式の相違を利用する方法が前者の例で、オリジナルの記録媒体にアナログ映像信号を記録するときに、AGCのための同期信号としてレベルが極端に大きな擬似同期信号を挿入しておき、再生用VTRから記録用VTRに供給する映像信号に、AGCのための同期信号として、このレベルが極端に大きな擬似同期信号を挿入するものである。
【0006】
また、VTRでのAPCは、映像信号中のカラーバースト信号に短い時定数で追従するが、モニタ受像機のAPCは、比較的長い時定数で追従するというように、APCの特性の相違を利用する方法が後者の例で、オリジナルの記録媒体にアナログ映像信号を記録するときに、映像信号のカラーバースト信号の位相を部分的に反転させておき、再生用VTRから記録用VTRに供給する映像信号としてカラーバースト信号の位相が部分的に反転したものを出力するものである。
【0007】
以上のようにした場合、再生用VTRからのアナログ映像信号の供給を受けるモニタ受像機においては、擬似同期信号やAPCのために用いられるカラーバースト信号の部分的な位相の反転の影響を受けることなく、正常に映像が再生される。
【0008】
しかし、再生用VTRからの上述のように擬似同期信号が挿入された、または、カラーバースト信号の位相反転制御を受けたアナログ映像信号の供給を受けて、これを記録媒体に記録するVTRにおいては、入力信号に基づく利得制御、あるいは位相制御を正常に行うことができず、映像信号を正常に記録することができないようになる。したがって、記録された映像信号を再生しても、視聴可能な正常な映像が再生されることがないようにできる。
【0009】
このようにアナログ映像信号を扱う場合には、複製を禁止するのではなく、正常に視聴可能な再生映像が得られないようにするものであり、これはいわば消極的な複製防止制御である。
【0010】
これに対して、デジタル化された情報例えば映像信号を扱う場合には、複製防止符号、あるいは複製の世代制限符号などからなる複製防止制御信号を、デジタルデータとして映像信号に付加して記録媒体に記録しておくことにより、複製を禁止するなどの直接的な複製防止制御を行うようにしている。
【0011】
図22は、このデジタル化された情報を扱う場合の複製装置の基本的な構成図であり、デジタル再生装置110で再生されたデジタル情報を、デジタル伝送路101を通じてデジタル記録装置120に送り、複製可能なものは複製を実行し、複製不許可のものは複製を禁止するものである。
【0012】
デジタル再生装置110に装填されている記録媒体111には、デジタル主情報に加えて、付加情報としての複製防止制御情報が記録されている。この複製防止制御情報は、複製禁止、複製許可、世代制限などを制御内容として指示するものである。デジタル再生部112は、記録媒体111から情報を読み出して、デジタル主情報と共に複製防止制御情報を得、これをデジタル伝送路101を通じてデジタル記録装置120に送る。
【0013】
デジタル記録装置120の複製防止制御信号検出部122は、デジタル伝送路101を通じて受信した情報から複製防止制御信号を検出し、その制御内容を判別する。そして、この判別結果をデジタル記録部121に送る。
【0014】
デジタル記録部121は、複製防止制御信号検出部122からの複製防止制御信号の判別結果が、デジタル伝送路101を通じて入力されたデジタル情報の記録を許可するものであるときには、前記入力デジタル信号を記録に適したデジタル情報に変換し、記録媒体123に書き込んで記録を実行するようにする。一方、複製防止制御信号検出部122からの複製防止制御信号の判別結果が、複製禁止であるときには、デジタル記録部121は、前記入力デジタル情報の記録処理を行わないようにする。
【0015】
さらに、複製防止制御信号検出部122からの複製防止制御信号の判別結果が、第1世代の複製のみを許可するものであるときには、デジタル記録部121は、前記入力デジタル信号を記録に適したデジタル情報に変換し、記録媒体123に書き込んで記録を実行すると共に、付加情報としての複製防止制御信号を複製禁止(次世代の複製禁止)を指示するものに変更して、記録媒体123に記録するようにする。したがって、複製された記録媒体123を用いては、映像信号を複製することはできないようになる。
【0016】
このように、主情報信号と、付加情報としての複製防止制御信号をデジタル信号として、記録装置に供給するようにする、いわゆるデジタル接続の場合には、伝送されるデジタルデータに複製防止制御信号が含まれるので、この複製防止制御信号を用いて、記録装置において、複製禁止などの複製防止制御を確実に行うことができる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図22のデジタル再生装置が、例えばデジタルVTRの場合には、再生した映像信号および音声信号をモニターするために、主情報信号である映像信号および音声信号のみをD/A変換回路113を通じてアナログ信号に変換して、通常はモニター受像機が接続されるアナログ出力端子114に導出するようにする。
【0018】
このように、デジタル情報の再生装置であっても、アナログ出力端子114に導出されるアナログ信号には、複製防止制御信号は含まれていない。このため、アナログ出力端子114にアナログVTRなどが接続されるアナログ接続の場合には、情報信号の複製が可能となってしまう。
【0019】
そこで、D/A変換された映像信号や音声信号に、複製防止制御信号を重畳付加することが考えられるが、D/A変換された映像信号や音声信号を劣化させずに、複製防止制御信号を付加し、記録装置において取り出して複製防止制御に用いることは難しい。
【0020】
したがって、従来は、アナログ接続の場合には、前述したVTRとモニタ受像機のAGCの方式の相違、あるいはAPCの特性の相違を利用する複製防止方法を用いて、消極的な複製防止を行うようにするしか方法がなかった。
【0021】
ところが、前述したVTRとモニタ受像機のAGCの方式の相違、あるいはAPCの特性の相違を利用する複製防止制御方法の場合、記録装置側のAGCの方式、APCの特性によっては、正常に映像信号の記録が行われてしまい、消極的な複製防止さえも、できない場合が発生する。また、モニタ受像機の再生画像が乱れるなどの問題が生じるおそれもあった。
【0022】
以上のような問題点を解決し、再生される映像、音声を劣化させることなく、アナログ接続、デジタル接続のいずれの場合にも有効な複製防止制御方式として、本出願人は、先に、複製防止制御信号をスペクトラム拡散し、このスペクトラム拡散した複製防止制御信号をアナログ信号の状態の映像信号に重畳して、映像信号をデジタル記録あるいはアナログ記録する方式を提案している(特願平7−339959号参照)。
【0023】
この方式においては、拡散符号として用いるPN(PseudorandomNoise)系列の符号(以下、PN符号という)を十分に早い周期で発生させて、これを複製防止制御信号に対して掛け合わせることによりスペクトラム拡散し、狭帯域、高レベルの複製防止制御信号を、映像信号や音声信号には影響を与えることのない広帯域、低レベルの信号に変換させる。そして、このスペクトラム拡散された複製防止制御信号をアナログ映像信号に重畳して記録媒体に記録するようにする。この場合、記録媒体に記録する映像信号は、アナログ、デジタルのどちらでも可能である。
【0024】
この方式においては、複製防止制御信号は、スペクトラム拡散されて広帯域、低レベルの信号として映像信号に重畳されるため、違法に複製しようとする者が、重畳された複製防止制御信号を映像信号から取り除くことは難しい。
【0025】
しかし、逆スペクトラム拡散することにより重畳された複製防止制御信号を検出し、利用することは可能である。したがって、映像信号とともに複製防止制御信号を確実に記録装置側に提供することができると共に、記録装置側において、複製防止制御信号を検出し、検出した複製防止制御信号に応じた複製制御を確実に行うことができる。
【0026】
ところが、前述のように、複製防止制御信号をスペクトラム拡散して映像信号に重畳する方式の場合、映像信号のノイズ除去システムを用いることにより、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が除去されたり、劣化したり、あるいは、付け替えられる場合がある。
【0027】
例えば、映像信号の画素間、フィールド間、フレーム間の相関性を利用して、映像信号のノイズを除去するノイズ除去システムの場合、隣接する水平走査線間、あるいは、隣接するフィールド間やフレーム間の映像信号どうしで差分を取り、得られた差分をノイズとして除去する。
【0028】
この場合、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された複製防止制御信号が差分として算出され、前述したように、除去される場合がある。また、除去された場合には、別のスペクトラム拡散された複製防止制御信号に付け替えられるなどのおそれがある。
【0029】
また、上述したノイズ除去システムが用いられた場合、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された複製防止制御信号の全部ではないが、映像信号に重畳された複製防止制御信号が部分的に除去されるなど複製防止制御信号が劣化する場合がある。この場合には、映像信号に重畳された正確な複製防止制御信号を抽出することができなくなり、複製防止制御信号に応じた複製防止制御ができなくなる。
【0030】
また、例えば、アスペクト比が16:9のいわゆる横長のワイドテレビ画像を、アスペクト比が4:3の標準のテレビ画像に変換する場合、あるいはその逆の場合のように、水平方向に、画素データを間引いたり、あるいは補間したりして画面の左右方向の拡大縮小を行うと、間引かれた映像信号に重畳されているスペクトラム拡散されている複製防止制御信号が消滅し、あるいは補間したデータによりスペクトラム拡散された複製防止制御信号が不連続になり、スペクトラム逆拡散により複製防止制御信号が復元できなくなるおそれがある。
【0031】
また、NTSC方式からPAL方式に変換する場合あるいはその逆の場合のように、走査線数の異なるテレビジョン方式間の方式変換を行う場合に、水平ライン単位で間引きや補間処理を行うが、この場合にも上述と同様の問題が生じるおそれがある。
【0032】
また、VTRでスローモーション再生や倍速再生などの変速再生を行うと、複数フィールド分の映像信号により1フィールド分の映像信号が再合成されるため、この再合成された映像信号においては、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が不連続になり、スペクトラム逆拡散により複製防止制御信号が復元できなくなるおそれがある。
【0033】
また、いわゆるカット編集が行われて、フィールド単位の映像信号が間引かれた場合にも、同様に、カット編集後の映像信号においては、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が不連続になり、スペクトラム逆拡散により複製防止制御信号が復元できなくなるおそれがある。
【0034】
また、従来のスペクトラム拡散では、複製防止制御信号などの付加情報として重畳できる情報量が少ないという問題もある。
【0035】
この発明は、以上のことにかんがみ、上記問題点を一掃し、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報を、確実に受信先に提供し、完全な付加情報を取り出すことができると共に、重畳できる付加情報量を多くすることができるようにする方法を提供することを目的とする。
【0036】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の記載の発明による映像信号伝送方法は、
スペクトラム拡散した付加情報を映像信号に重畳して伝送する伝送方法であって、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む複数個の拡散符号列を発生させる拡散符号生成工程と、
前記拡散符号生成工程で生成された前記複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を、同一データを持つチップが画面単位の時間軸方向である空間方向に整列するように、複数垂直区間に渡って反復させる拡散符号反復工程と、
前記拡散符号反復工程により発生する拡散符号列により、少なくとも前記反復区間の前記各1垂直区間内の区間においては同一内容のデータを持つように付加情報をスペクトラム拡散するスペクトラム拡散工程と、
前記スペクトラム拡散工程により生成されたスペクトラム拡散信号を前記映像信号に重畳する重畳工程とを備え、
前記付加情報が重畳される前記映像信号は、データ圧縮された映像信号がデコードされたものであって、
前記拡散符号反復工程では、前記複数個の拡散符号列を、前記データ圧縮された映像信号の、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されるフレームの検出タイミングに同期して切り替える
ことを特徴とする。
【0037】
また、請求項2に記載の発明による重畳情報抽出方法は、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を画面単位の時間軸方向である空間方向に複数垂直区間に渡って反復させた拡散符号列によりスペクトラム拡散を施すことで生成された付加情報が重畳された映像信号から、前記スペクトラム拡散された付加情報を抽出する重畳情報抽出方法であって、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む逆拡散用の複数個の拡散符号列を発生させる逆拡散符号生成工程と、
前記逆拡散符号生成工程で生成された前記複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を、同一データを持つチップが画面単位の時間軸方向である空間方向に整列するように、複数垂直区間に渡って反復させる逆拡散符号反復工程と、
前記逆拡散符号反復工程により発生する逆拡散用の拡散符号列により、前記映像信号に重畳されたスペクトラム拡散された前記付加情報を逆拡散して抽出するスペクトラム逆拡散工程とを備え、
前記付加情報を抽出する前記映像信号は、データ圧縮された映像信号がデコードされたものであって、
前記複数個の拡散符号列は、前記データ圧縮された映像信号の、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されるフレームの検出タイミングに同期して切り替える
ことを特徴とする。
【0040】
請求項1に記載の発明による映像信号伝送方法によれば、拡散符号反復工程により反復される複数水平区間においては垂直方向にチップが整列する。したがって、この複数水平区間内で、映像信号の水平ライン単位の相関を利用したノイズ除去が行われても、映像信号に重畳されているスペクトラム拡散信号は、差分として検出されないため、削除されてしまったり、劣化したりすることがない。
【0041】
また、同様に、アスペクト比の違いによる画面サイズの変換や、テレビジョン方式の違いによる走査線数の変換により、水平ライン単位の間引きや補間が行われても、重畳された付加情報は再現可能な状態で残り、確実に伝送される。
【0042】
また、拡散符号反復工程により反復される複数垂直区間においては、画面単位の時間軸方向である空間方向(以下、単に時間軸方向という)にスペクトラム拡散信号の同一のデータを持つチップが整列する。したがって、映像信号のフィールド間、フレーム間の相関性を利用したノイズ除去システムが用いられた場合に、フィールド間、フレーム間で差分を取っても、映像信号に重畳されているスペクトラム拡散信号は、差分として検出されないため、削除されたり、劣化することがない。また、変速再生やカット編集が行われても、同様にして、スペクトラム拡散信号は確実に伝送される。
【0043】
そして、請求項1の発明においては、複数水平区間ごと、または複数垂直区間ごとに異なる拡散符号によりスペクトラム拡散が行われることになるので、その異なる拡散符号を用いて異なる付加情報を重畳することが可能になり、重畳する付加情報量を多くすることが可能である。
【0044】
そして、この請求項1の発明に対応する請求項3に記載の重畳情報抽出方法によれば、付加情報のスペクトラム拡散時と同様にして、スペクトラム拡散された付加情報が重畳された区間に対応して、逆拡散用の拡散符号が生成される。この逆拡散用の拡散符号が用いられてスペクトラム逆拡散が行われることにより、付加情報がくり返し抽出される。
【0045】
したがって、前述にもしたように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去システムが用いられることにより、スペクトラム拡散された付加情報が除去されたり、劣化するようにされることがなく、また、映像信号の垂直方向の水平ライン単位の補間や間引きが行われた場合にも、映像信号に重畳された付加情報を確実に抽出することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照しながらこの発明の実施形態を適用した映像信号伝送方法、重畳情報抽出方法、映像信号出力装置、映像信号受信装置、映像信号記録媒体について説明する。
【0049】
以下に説明する映像信号出力装置は、DVD(デジタルビデオディスク)の記録再生装置(DVD装置と以下称する)に適用されたものとして説明する。また、説明を簡単にするため、音声信号系についての説明は省略する。
【0050】
[映像信号出力装置の第1の実施の形態]
図1は、この実施の形態の映像信号複製制御システムで用いられる映像信号出力装置(以下、単に出力装置という)10を説明するための図である。すなわち、出力装置10は、この第1の実施の形態において、DVD装置の再生系に相当する。
【0051】
図1において、記録媒体100は、デジタル化された映像信号、音声信号が記録され、かつ、付加情報として複製防止制御信号が記録されたもので、この例ではDVDである。複製防止制御信号は、ディスクの最内外のTOC(TableOf Contents)やディレクトリと呼ばれるトラックエリアに記録することもできるし、映像データや音声データが記録されるトラックに、記録エリアを別にして挿入記録することもできる。以下に説明する例は、後者の場合の例で、映像データを読み出したときに、複製防止制御信号も同時に読み出される場合である。
【0052】
また、複製防止制御信号は、第1世代の複製のみは許可するなどのような世代制限を内容とするものでもよいし、映像信号の複製の禁止または許可を示す信号でもよく、1ビットあるいは数ビットで構成されているものとして説明する。
【0053】
図1に示すように、この実施の形態の出力装置10は、読み出し部11、復号化部12、複製防止制御信号抽出部13、SS(SSはスペクトラム拡散の略、以下同じ)複製防止制御信号生成部14、同期分離部15、PN発生制御部16、PN発生部17、PN反復部18、加算部19、D/A変換回路191、192を備えている。
【0054】
読み出し部11は、記録媒体100を再生して得られる信号S1から再生映像信号成分S2を取り出し、これを復号化部12および複製防止制御信号抽出部13に供給する。
【0055】
復号化部12は、再生映像信号成分S2について復号化処理を行い、デジタル映像信号を形成し、これをD/A変換回路191に供給する。D/A変換回路191は、デジタル映像信号をD/A変換して、同期信号を有するアナログ映像信号S3を形成し、これを同期分離部15および加算部19に供給する。
【0056】
複製防止制御信号抽出部13は、再生映像信号成分S2に付加されている複製防止制御信号S4を抽出し、これをSS複製防止制御信号生成部14に供給する。
【0057】
一方、同期分離部15は、アナログ映像信号S3から水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを抜き出して、これをPN発生制御部16に供給する。
【0058】
PN発生制御部16は、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを基準信号として用いて、PN符号を発生させる区間を示すPN発生イネーブル信号ENや、PN符号の発生開始タイミングを示すPN符号リセットタイミング信号RE(以下、リセット信号REと略称する)や、クロック信号CLKを生成する。
【0059】
図2は、この実施の形態のPN発生制御部16を説明するためのブロック図である。図2に示すように、この実施の形態のPN発生制御部16は、PN発生タイミング信号生成部161、PLLからなるPNクロック生成部162、タイミング信号生成部163を備え、PN発生タイミング信号生成部161およびタイミング信号生成部163には、同期分離部15からの水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vが供給され、PNクロック生成部162には同期分離部15からの水平同期信号Hが供給される。
【0060】
PN発生タイミング信号生成部161は、垂直同期信号Vを基準信号として用いて、図3(A)に示すような、スペクトラム拡散に用いる拡散用のPN符号列の繰り返し周期を決める垂直周期のリセット信号REを生成する。この例では、リセット信号REは、垂直同期信号Vの例えば前縁で立ち下がる垂直周期の信号である。
【0061】
PN発生タイミング信号生成部161は、また、この例の場合には、水平同期信号H(図3(B)参照)を基準信号として、PN発生イネーブル信号ENを生成する。この例では、PN発生イネーブル信号ENは、N(Nは1以上の整数)水平区間おきの1水平区間だけPN発生部17からPN符号を発生させるようにする信号として生成される。図3(C)では、1水平区間おきの1水平区間をPN発生区間とするように発生する。図3(C)に示すように、このイネーブル信号ENはローアクティブである。
【0062】
PNクロック生成部162は、PLLを用いて、水平同期信号Hに同期するPNクロックPNCLKを生成する。このPNクロックPNCLKは、拡散符号のチップ周期を決めるものである。
【0063】
また、タイミング信号生成部163は、垂直同期信号Vおよび水平同期信号Hに基づいて、この出力装置10で用いられる各種のタイミング信号を生成する。そして、PN発生制御部16において生成されたPN発生イネーブル信号EN、PN符号リセット信号REおよびPNクロック信号PNCLKは、PN発生部17に供給される。PN発生イネーブル信号ENおよびPNクロック信号PNCLKは、また、PN反復部18にも供給される。
【0064】
PN発生部17は、クロック信号PNCLKと、イネーブル信号ENと、PN符号リセットタイミング信号REとに応じてPN符号を発生する。すなわち、PN発生部17は、リセット信号REにより、この例では、垂直周期でリセットされ、予め決められた符号パターンのPN符号列PSをその先頭から生成する。そして、PN発生部17は、イネーブル信号ENによりPN符号発生可能状態(イネーブル状態)とされるときにのみ、クロック信号PNCLKに応じて、PN符号列PSを発生する。
【0065】
この例の場合には、前述もしたように、PN発生部17は、イネーブル信号ENがローレベルのときにPN符号を発生可能な状態にされるので、図3(C)に示すように、1つおきの水平区間でPN符号発生状態となり、クロックPNCLKの1クロックごとに1チップの割合でPN符号を発生する。この場合、1垂直区間内では、PN発生部17はリセットされないので、前記の1つおきの水平区間では、図3(D)に示すように、それぞれ異なるPN符号例PN11,PN12,PN13、…が生成される。しかし、PN発生部17は、リセット信号REにより、垂直区間の先頭でリセットされるので、各垂直区間では、同じように、1つおきの水平区間で、それぞれ異なるPN符号例PN11,PN12,PN13、…が生成されることになる。
【0066】
図4は、PN発生部17の構成例を示す図である。この例のPN発生部17は、15段のシフトレジスタを構成する15個のDフリップフロップREG1〜REG15と、このシフトレジスタの適宜のタップ出力を演算するイクスクルーシブオア回路EX−OR1〜EX−OR3とからなっている。そして、図4に示すPN発生部17は、上述したように、イネーブル信号EN、PNクロック信号PNCLK、PN符号リセットタイミング信号REに基づいて、M系列のPN符号列PSを発生する。
【0067】
この例の場合、PN発生部17に供給されるクロックPNCLKのクロック周波数は、例えば500kHzとされ、1垂直区間内の1つおきの水平区間のすべてでPN符号を発生させることで、1垂直区間内に、合計で4095チップ分のPN符号列を発生させることができる。
【0068】
こうして得られたPN発生部17からのPN符号列PSは、PN反復部18に供給され、また、PN発生制御部16からのイネーブル信号ENおよびクロックPNCLKも、このPN反復部18に供給される。
【0069】
図5は、このPN反復部18の構成例である。すなわち、このPN反復部18は、スイッチ回路181と、1水平区間内に入るPN符号のチップ数分の段数を有するシフトレジスタ182とで構成される。そして、スイッチ回路181の一方の入力端a側に前記PN符号列PSが供給され、他方の入力端b側に、シフトレジスタ182の出力が供給される。
【0070】
このスイッチ回路181の切り換え信号としてイネーブル信号ENが供給されており、イネーブル信号ENがローレベルでPN符号列PSが発生する区間では、スイッチ回路181は入力端a側に、イネーブル信号ENがハイレベルであるPN符号列PSが発生していない区間では、スイッチ回路181は入力端b側に、それぞれ切り換えられる。そして、クロックPNCLKは、シフトレジスタ182にシフトクロックとして供給される。
【0071】
したがって、PN発生部17で1つおきの水平区間で発生したPN符号列PN11,PN12,PN13…からなるPN符号列PSは、スイッチ回路181を通じてシフトレジスタ182にそれぞれ転送される。そして、残りの1つおきの水平区間では、PN発生部17からのPN符号列PSは途絶えるが、スイッチ回路181が入力端b側に切り替わるので、シフトレジスタ182は、前の水平区間で取り込んだ1水平区間分のPNPN符号列PN11,PN12,PN13…を、それぞれ反復して出力する。
【0072】
以上のようにして、この例の場合には、PN反復部18では、PN発生部17で1つおきの水平区間で発生したPN符号列が、それぞれ後続する次の水平区間で繰り返されて、図3(E)に示すように、前記1水平区間単位のPN符号列PN11,PN12,PN13…が2水平区間で連続する状態のPN符号列PSrが生成される。このPN反復部18からのPN符号列PSrは、SS複製防止制御信号生成部14に供給される。
【0073】
SS複製防止制御信号生成部14は、前述した複製防止制御信号抽出部13によって抽出された複製防止制御信号S4をPN符号列PSrを用いてスペクトラム拡散し、映像信号S3に重畳するスペクトル拡散された複製防止制御信号(以下、SS複製防止制御信号という)S5を形成する。
【0074】
このSS複製防止制御信号生成部14は、図示しないが、スペクトラム拡散する複製防止制御信号列を生成する複製防止制御信号列生成部と、生成した複製防止制御信号列とPN符号列PSrとを乗算してスペクトラム拡散する乗算部とを備えている。
【0075】
複製防止制御信号列生成部は、この例の場合には、PN符号列PSの発生タイミングに同期する1水平区間で完結、すなわち、ビットの区切りが生じ、かつ、次の反復区間である水平区間も同じビット内容となるように複製防止制御信号列を生成する。このタイミング制御のため、SS複製防止制御信号生成部14には、PN発生制御部16からのイネーブル信号ENが供給されている。複製防止制御信号列は、1水平区間当たり1ビット〜数ビットの低ビットの信号である。
【0076】
SS複製防止制御信号生成部14において形成されたSS複製防止制御信号S5は、D/A変換回路192に供給される。D/A変換回路192は、SS複製防止制御信号S5をアナログSS複製防止制御信号S5Aに変換し、加算部19に供給する。
【0077】
加算部19は、アナログ映像信号S3に対して、アナログSS複製防止制御信号S5Aを重畳し、出力映像信号S6Aを形成して、これを出力する。このように加算部19は、アナログ映像信号S3に対し、PN符号列PSrによりスペクトラム拡散された複製防止制御信号であるSS複製防止制御信号S5Aを重畳する重畳手段としての機能を有する。この場合、SS複製防止制御信号S5Aは、映像信号のダイナミックレンジより小さいレベルで重畳される。このように重畳することにより映像信号の劣化がほとんど生じないようにすることができる。
【0078】
なお、以上の例では、1つおきの1水平区間でPN符号列PN11,PN12,PN13,…を発生させ、それぞれを2水平区間に渡り繰り返すようにした場合であるが、イネーブル信号ENを図3(F)に示すような3水平周期で1水平区間だけローレベルになる信号として、図3(G)に示すように、2つおきの1水平区間でPN符号列PN11,PN12,PN13,…を発生させ、それぞれを図3(H)に示すように、3水平区間に渡り繰り返すようにすることもできる。
【0079】
以上のようにしてPN符号PSrを発生させ、このPN符号列PSrにより、少なくとも水平周期でビットの区切りを発生し、PN符号PSrの反復区間中は1水平区間当たりのビット内容が変わらない複製防止制御信号をスペクトラム拡散することにより、PN符号が反復する複数水平区間では垂直方向に同一データを持つチップが整列し、かつ、画面単位の時間軸方向にも同一データを持つ各チップが整列するスペクトラム拡散信号を生成することができる。
【0080】
図6は、この例におけるPN反復部18により発生されるPN符号PSrの発生状況、すなわち、映像信号に対するPN符号PSrのマッピングについて説明するための図である。前述にもしたように、この実施例においては、PN反復部18からのPN符号列PSrは、1垂直区間を1周期とし、かつ、複数水平区間は同じ1水平区間分のPN符号列を含むものとなるものである。
【0081】
図6は、説明の簡単のため、1垂直区間を2分割し、垂直区間の前半の128水平区間ではPN符号列PN11を繰り返して反復生成し、後半の128水平区間ではPN符号列PN12を繰り返して反復生成した場合として示してものである。図6の場合では、PN符号列PN11およびPN12は、それぞれ4チップを含むものとして示している。そして、このPN符号PSrは、垂直周期のリセット信号によりリセットされるので、すべての垂直区間でまったく同一のマッピング状態となる。
【0082】
この図6から分かるように、PN符号が反復する複数水平区間では垂直方向に同一データを持つチップが整列し、かつ、画面単位の時間軸方向にも同一データを持つ各チップが整列する。すなわち、水平方向には、別々のデータを持ったチップが発生するが、垂直方向のPN符号が反復する複数水平区間では同じデータを持ったチップが、また、時間軸方向も同じデータを持ったチップが、繰り返し並ぶことになる。そして、複製防止制御信号は、1水平区間単位の同じPN符号列PN11,PN12,…のそれぞれに対しては、1水平区間で完結するものとされるので、SS複製防止制御信号としては、概念的には、図6に示すように、この例の場合、PN符号が反復する複数水平区間内の垂直方向および時間軸方向に同じチップが形成された4つの平面ができ、合計8つの平面ができる。
【0083】
したがって、PN符号列PSrによりスペクトラム拡散された複製防止制御信号が映像信号に重畳された場合に、前述したように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去を行った場合、隣接する水平ライン間、隣接するフィールド間、隣接するフレーム間で差分を取っても、重畳されたSS複製防止制御信号が差分として検出されることがない。
【0084】
このため、この出力装置10や、この出力装置10からの映像信号の供給を受ける後述する記録装置などの装置において、あるいは、出力装置10とこの出力装置10からの映像信号の供給を受ける装置との間において、上述のような、映像信号の相関性を利用したノイズ除去や、水平方向あるいは時間軸方向の補間や間引きが行われた場合にも、スペクトラム拡散された複製防止制御信号(SS複製防止制御信号)を映像信号に重畳して確実に伝送し、後続する装置に提供することができる。
【0085】
また、複製防止制御信号は、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳されるため、映像信号に重畳されるSS複製防止制御信号が、映像信号を劣化させることもなく、また、簡単に映像信号からSS複製防止制御信号が取り除かれることもない。
【0086】
そして、この実施の形態によれば、複数水平区間ごとに異なるPN符号を用いるので、この異なるPN符号ごとに付加情報のビットを変更することができるので、全体として付加情報としてスペクトラム拡散して重畳して伝送できる情報量が増加するものである。
【0087】
図7は、複製防止制御信号と、映像信号との関係をスペクトルで示したものである。複製防止制御信号は、これに含まれる情報量は少なく、低ビットレートの信号であり、図7(a)に示されるように狭帯域の信号である。これにスペクトラム拡散を施すと、図7(b)に示すような広帯域幅の信号となる。このときに、スペクトラム拡散信号レベルは帯域の拡大比に反比例して小さくなる。
【0088】
このスペクトラム拡散信号、すなわち、SS複製防止制御信号S5Aを、加算部19で情報信号に重畳させるのであるが、この場合に、図7(c)に示すように、情報信号としての映像信号のダイナミックレンジより小さいレベルで、SS複製防止制御信号S5Aを重畳させるようにする。このように重畳することにより主情報信号の劣化がほとんど生じないようにすることができる。したがって、上述したように、SS複製防止制御信号が重畳された映像信号がモニター受像機に供給されて、映像が再生された場合に、SS複製防止制御信号の影響はほとんどなく、良好な再生映像が得られるものである。
【0089】
一方、後述するように、記録側でSS複製防止制御信号を検出するために、逆スペクトラム拡散を行うと、図7(d)に示すように、SS複製防止制御信号が再び狭帯域の信号として復元される。十分な帯域拡散率を与えることにより、逆拡散後の複製防止制御信号の電力が情報信号を上回り、検出可能となる。
【0090】
この場合、アナログ映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号は、アナログ映像信号と同一時間、同一周波数内に重畳されるため、周波数フィルタや単純な情報の置き換えでは削除および修正が不可能である。
【0091】
したがって、映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号が取り除かれることがなく、SS複製防止制御信号をモニタ受像機や記録装置などの装置に確実に提供することができる。
【0092】
このように、SS複製防止制御信号S5Aが重畳されたアナログ出力映像信号S6Aは、映像を表示するモニタ受像機や、後述する記録装置20に供給される。
【0093】
[映像信号記録装置の第1の実施の形態]
次に、前述した出力装置10からの映像信号S6Aの供給を受けて、映像信号を記録する記録装置20について説明する。
【0094】
図8は、この実施の形態の映像信号複製制御システムで用いられる映像信号記録装置(以下、単に記録装置という)20を説明するための図である。すなわち、記録装置20は、この第1の実施の形態において、DVD装置の記録系に相当する。
【0095】
記録装置20は、図8に示すように、符号化部21、書き込み部22、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された複製防止制御信号を検出する検出部(以下、SS複製防止制御信号検出部という)23、複製の許可、禁止などの制御を行う複製制御部24、同期分離部25、PN発生制御部26、PN発生部27、PN反復部28、A/D変換回路29を備えている。また、記録媒体200は、記録装置20により映像信号が書き込まれるDVDである。
【0096】
出力装置10から供給された映像信号S6Aは、A/D変換回路29により、デジタル映像信号S21に変換されて、符号化部21、SS複製防止制御信号検出部23、同期分離部25に供給される。
【0097】
符号化部21は、デジタル映像信号S21の供給を受けて、映像同期信号を除去したり、デジタル映像信号をデータ圧縮するなどの符号化処理を行って、記録媒体200へ供給する記録用のデジタル映像信号S22を形成し、書き込み部22に供給する。
【0098】
同期分離部25は、符号化処理される前のデジタル映像信号S21から、水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vを抜き出し、これをPN発生制御部26に供給する。
【0099】
この実施の形態において、記録装置20のPN発生制御部26は、図2を用いて前述した出力装置10のPN発生制御部16と同様に構成されたものである。このため、ここでは、PN発生制御部26は、図2に示した構成を有するものとして説明する。
【0100】
PN発生制御部26のPN発生タイミング信号生成部161は、垂直同期信号Vを基準信号として用い、前述した出力装置10に対応して、スペクトラム逆拡散に用いる逆拡散用のPN符号列のリセットタイミングを提供するPN符号リセットタイミング信号RE(以下、単にリセット信号REという)を生成すると共に、水平同期信号Hを基準信号として用いて、前述した出力装置10でのイネーブル信号ENに対応するイネーブル信号ENを生成する。ここで生成されるリセット信号REは、前述した出力装置10のPN発生制御部16において生成されるPN符号リセットタイミング信号REと同様の信号であり、映像信号の垂直区間の開始位置に対応するタイミングを提供する。
【0101】
PN発生制御部26のPNクロック生成部162は、水平同期信号Hに同期するPNクロック信号PNCLKを生成する。このクロック信号PNCLKは、前述の出力装置10において用いられたクロック信号PNCLKに対応する信号である。また、PN発生制御部26のタイミング信号生成部163は、水平同期信号Hに基づいて各種のタイミング信号を生成する。
【0102】
PN発生制御部26において生成されたリセット信号RE、イネーブル信号EN、クロック信号PNCLKは、PN発生部27に供給される。また、PN発生制御部26からのイネーブル信号ENおよびクロック信号PNCLKは、PN反復部28に供給される。
【0103】
PN発生部27は、図4に示した前述の出力装置10のPN発生部17と同様に構成され、また、PN反復部28も、図5に示した前述の出力装置10のPN反復部18と同様に構成される。したがって、PN反復部18からは、前述の出力装置10におけるスペクトラム拡散のときと全く同様のPN符号列PSrが得られ、これがSS複製防止制御信号検出部23に供給される。
【0104】
この実施の形態において、SS複製防止制御信号検出部23は、PN符号発生器や乗算回路を備え、スペクトラム逆拡散を行って、映像信号S21に重畳されている複製防止制御信号を取り出すスペクトラム逆拡散手段としての機能を有している。
【0105】
そして、SS複製防止制御信号検出部23は、SS複製防止制御信号が重畳されている各垂直区間の映像信号に対し、スペクトラム拡散時に用いられたPN符号列と同じPN符号列PSrである逆拡散用のPN符号列を用いて、スペクトラム逆拡散を行って、映像信号に重畳されている複製防止制御信号を取り出す。取り出された複製防止制御信号S23は、複製制御部25に供給される。
【0106】
複製制御部25は、複製防止制御信号S23をデコードして、記録装置20に供給された映像信号は、複製が禁止されたものか、複製が許可されているものかを判別する。そして、その判別結果に基づいて、書き込み制御信号S24を生成し、これを書き込み部22に供給することにより、映像信号S22の書き込みの許可、禁止などの複製防止制御を行う。
【0107】
書き込み部22は、書き込み制御信号S24が書き込みを許可するものである場合に、映像信号S22の記録媒体200への書き込みを行ない、書き込み制御信号S24が書き込みを禁止するものである場合には、映像信号S22を記録媒体200に書き込まないようにする。
【0108】
このように、この実施の形態の記録装置20は、出力装置10に対応して、SS複製防止制御信号が重畳された映像信号に対し、複製防止制御信号のスペクトラム拡散に用いられたPN符号列PSrと同じPN符号列を用いて逆スペクトラム拡散を行って映像信号に重畳された複製防止制御信号を取り出す。
【0109】
そして、この場合、前述したように、出力装置10から出力された映像信号には、PN符号が反復された複数水平区間では垂直方向に同一のデータとなると共に、時間軸方向に同一のデータとなるSS複製防止制御信号が重畳されている。このため、前述にもしたように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去が行われた場合にも、映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号が除去されることがない。また、画像の垂直方向や時間軸方向に、間引きや補間を行った場合にも、映像信号に重畳されたSS複製防止制御信号が損なわれることがない。
【0110】
したがって、記録装置への入力の際に、変速再生が行われたり、いわゆるカット編集が行われたとしても、SS複製防止制御信号が劣化することはなく、SS複製防止制御信号が示す複製防止制御の制御内容が判別できなくなることはない。すなわち、記録装置20においては、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳されている複製防止制御信号を確実かつ正確に取り出し、取り出した複製防止制御信号に応じた複製防止制御を行うことができる。
【0111】
また、上述の第1の実施の形態の場合、出力装置10、記録装置20において、映像同期信号、この例では垂直同期信号を基準信号として用いて、PN符号リセットタイミング信号REを生成することで、出力装置10、記録装置20のそれぞれにおいて、垂直同期信号に対して同じタイミングでPN符号列を生成することができる。
【0112】
これにより、記録装置20においては、例えば、スライディング相関器等を用いて、映像信号に重畳されている複製防止制御信号をスペクトラム拡散しているPN符号列を検出し、同じタイミングで逆拡散用のPN符号列を生成するようにする位相制御を行う必要もないため、逆スペクトラム拡散による複製防止制御信号の抽出を迅速に行うことができる。
【0113】
また、前述したように、出力装置10、記録装置20においては、水平同期信号を基準信号として用いて、クロック信号PNCLKの周波数を決めるため、出力装置10、記録装置20の双方において、同じ周波数のクロック信号を確実に生成することができる。
【0114】
[映像信号出力装置の第1の実施の形態の変形例]
[第1の変形例]
上述の例では、PN発生部17は、1個のPN発生器で構成したが、PN発生部17を複数個のPN発生器で構成し、これら複数個のPN発生器を複数の垂直区間ごとに切り換えることにより、さらに重畳できる付加情報量を増加させることができる。
【0115】
図9は、その場合の映像信号に対するPN符号PSrのマッピング状況を説明するための図である。この図9の例では、時間軸方向の前部の複数垂直区間では、垂直周期でリセットされる1個のPN発生器からのPN符号列PN11,PN12を、前述したように、複数水平区間に渡って反復させて、垂直方向に、異なる2つのPN符号列PN11,PN12によりスペクトラム拡散した付加情報を重畳する。また、時間軸方向に後部の複数垂直区間では、他のPN発生器に切り換えて、そのPN発生器からのPN符号列PN21,PN22を、前述したのと同様にして、複数水平区間に渡って反復させて、これら垂直方向に、異なる2つのPN符号列PN21,PN22によりスペクトラム拡散した付加情報を重畳する。
【0116】
この場合に、複数のPN発生器の切り換えタイミングは、例えば復号化部12で得られるIピクチャー(Intra−coded picture)の検出タイミングに同期するようにされる。すなわち、この例の場合、映像信号は予測符号化を用いたMPEG方式などによりデータ圧縮されているが、Iピクチャーは、予測符号化を使わずに、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されて形成されたもので、動き補償予測が用いられて形成されるPピクチャー(Predictive−coded picture)やBピクチャー(Bidirectionally−coded picture)だけの場合には、再生画像の劣化が時間方向に伝播されてしまうのを防止するものであり、通常、一定の複数垂直周期で挿入される。
【0117】
そこで、このIピクチャーを復号化部12で検出したとき、その検出タイミング信号をPN発生制御部16に送るようにする。そして、PN発生制御部16がそのIピクチャの検出タイミングに応じてPN発生部17を構成する複数のPN発生器を順次切り換えるようにするものである。
【0118】
なお、アナログ映像信号の場合には、複数垂直区間ごとの垂直ブランキング期間内の特定の水平区間にPN発生器の切り換えタイミング情報を挿入しておくようにすることもできる。
【0119】
[第2の変形例]
前述の例では、PN発生部17は、垂直同期信号Vに同期する垂直周期のリセット信号REによりリセットするようにして、1垂直区間内で複数水平区間ごとをPN符号列の反復区間とするようにしたが、PN発生部17のリセット周期を複数垂直周期とすることにより、このリセット周期内で複数垂直区間をPN符号列の反復区間とする時間軸方向に、複数個のPN符号列による付加情報のスペクトラム拡散を行うようにすることができる。この例の場合は、PN発生部17は、1個のPN発生器で構成できる。
【0120】
この第2の変形例の場合の映像信号に対するPN符号PSrのマッピング状況を図10に示す。この例の場合には、前部の複数垂直区間には、そのすべての水平区間でPN符号列11を反復したものが発生する。そして、後部の複数垂直区間には、そのすべての水平区間でPN符号列12を反復したものが発生するものとなる。
【0121】
[第3変形例]
この第3の変形例の場合のPN発生制御の場合のタイムチャートを図12に示す。この例の場合には、PN発生部17は1個のPN発生器からなるが、そのリセットは、図12(A)に示すように、前述したIピクチャーの検出タイミング信号であって、複数垂直区間を1周期とする信号である。
【0122】
また、イネーブル信号ENは、垂直同期信号V(図12(B))に基づいて生成される1または複数垂直区間おきの1垂直区間だけローレベル(アクティブ)となる信号(図12(C))である。
【0123】
そして、PN発生器に対するPNクロックPNCLKは、図12Dに示すように、水平同期信号Hに同期した水平周期の信号である。なお、このPNクロックPNCLKは、複数水平周期の信号であってもよい。
【0124】
このように構成した場合には、PN発生部17からは、図12(E)に示すように、1または複数垂直区間おきの1垂直区間において、PN符号列P11,P12,…が発生し、PN反復部18からは、イネーブル信号ENの周期で決まる複数垂直区間に渡って、前記のPN符号列P11,P12,…のそれぞれが反復されたPN符号列PSrが得られる。
【0125】
したがって、この第3の変形例の場合の映像信号に対するPN符号PSrのマッピング状況は図11に示すようなものとなる。すなわち、この場合には、クロックPNCLKの周期である1水平区間あるいは複数水平区間にPN符号の1チップが割り当てられ、複製防止制御信号は、一つのPN符号当たりに1垂直周期で完結するデータとしてスペクトラム拡散される。そして、一つのPN符号列によりスペクトラム拡散された付加情報が複数垂直区間に渡り、反復されたものとなる。
【0126】
こうして、複数のPN符号列によりスペクトラム拡散された付加情報が、それぞれ複数垂直区間ごとに、時間軸方向に、配列されたようになる。したがって、付加情報は時間軸方向に情報量を増加させることができる。
【0127】
この第3の変形例の場合には、水平方向は同じデータを持つ1チップで構成されることになるので、画面サイズの変更により、画素単位の間引き、補間があったとしても、それに影響されることなく、付加情報を伝送することができる。
【0128】
[映像信号出力装置の第2の実施の形態]
図13は、この発明による映像信号出力装置の第2の実施の形態のブロック図であり、図1の第1の実施の形態と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
【0129】
第1の実施の形態では、一つのPN発生器からのPN符号列の一部を反復して使用することにより、複数水平区間あるいは複数垂直区間に渡る区間で、同じPN符号を発生するようにしたが、この第2の実施の形態では、複数個のPN発生器を設け、これをPN発生制御しながら、切り換えることにより、前述と同様のスペクトラム拡散を行う。さらに、この第2の実施の形態では、第1の実施の形態では困難な態様であるが、複数個のPN符号を用いることにより実現できる態様もある。
【0130】
この第2の実施の形態では、2個のPN発生部32a、32bを設けると共に、これらからのPN符号列PNaおよびPNbを切り換え選択するスイッチ回路33を設ける。
【0131】
そして、同期分離部15からの水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vは、PN発生制御部31に供給される。このPN発生制御部31は、前記2個のPN発生部32aおよび32bのリセット信号REa,REb、イネーブル信号ENa,ENb、およびクロック信号PNCLKを生成して、これら2個のPN発生部32aおよび32bからのPN符号列PNaおよびPNbの発生を制御すると共に、スイッチ回路33を切り換える切換制御信号SWを生成する。
【0132】
そして、スイッチ回路33は、切り換え選択して得たPN符号列をSS複製防止制御信号生成部14に供給し、前述の第1の実施の形態と同様にして、複製防止制御信号抽出部13からの複製防止制御信号S4をスペクトラム拡散し、SS複製防止制御信号S5を生成する。そして、前述と同様にして、この信号S5をD/A変換器192でアナログ信号に変換して加算部19で映像信号S3に重畳して、出力信号S6Aとして出力する。
【0133】
この第2の実施の形態で、図6と同様の映像信号に対するPN符号のマッピングを行うには、図14に示すような信号を生成して、2個のPN発生部32aおよび32bを制御すると共に、スイッチ回路33を切り換え制御すればよい。
【0134】
すなわち、リセット信号REaおよびREbは、共に図14(A)に示すように水平周期の信号として、2個のPN発生部32aおよび32bを水平周期でリセットする。イネーブル信号ENaおよびENbは常時イネーブルの状態とする。そして、切換制御信号SWは、図14(B)に示すように、PN符号列PNaおよびPNbを、それぞれ繰り返す複数水平区間の長さごとに、交互にハイレベルとローレベルの状態が変わる信号とされる。
【0135】
これにより、2個のPN発生部32aおよび32bは、それぞれ1水平周期のPN符号列PNaおよびPNbを常時発生し、スイッチ回路33は、これを必要な複数水平区間ごとに交互に取り出して、図14(C)に示すような第1の実施の形態の場合と同様のPN符号列を発生させる。したがって、前述の第1の実施の形態の場合とまったく同様にして、図6に示したようなPN符号のマッピングを実現することができる。
【0136】
図9の場合のマッピングを行うには、更に2個のPN発生部を追加すればよい。
【0137】
また、図10の場合のマッピングを行うには、図14(B)の切換制御信号SWに変わって、複数垂直区間ごとにハイレベルとローレベルとを交互に繰り返す信号とすればよい。
【0138】
更に、図11の場合のマッピング行うには、図15に示すような信号を生成して、2個のPN発生部32aおよび32bを制御すると共に、スイッチ回路33を切り換え制御すればよい。
【0139】
すなわち、リセット信号REaおよびREbは、共に図15(A)に示すように垂直周期の信号として、2個のPN発生部32aおよび32bを垂直周期でリセットする。イネーブル信号ENaおよびENbは常時イネーブルの状態とする。そして、PNクロック信号PNCLKは、図15(C)に示すように、水平同期信号Hに同期した1水平周期あるいは複数水平周期のクロックとし、切換制御信号SWは、図15(C)に示すように、PN符号列PNaおよびPNbを、それぞれ反復させる複数垂直区間の長さごとに交互にハイレベルとローレベルの状態が変わる信号とされる。
【0140】
これにより、2個のPN発生部32aおよび32bは、それぞれ1垂直周期のPN符号列PNaおよびPNbを常時発生し、スイッチ回路33は、これを必要な複数垂直区間ごとに交互に取り出して、図15(D)に示すようなPN符号列を発生させる。したがって、前述の第1の実施の形態の場合とまったく同様にして、図11に示したようなPN符号のマッピングを実現することができる。
【0141】
なお、この図15の場合のPN発生部32aおよび32bのリセットは、前述したIピクチャーの検出タイミングを用いることができる。
【0142】
[映像信号記録装置の第2の実施の形態]
図16は、映像信号出力装置の第2の実施の形態に対応する記録装置の第2の実施の形態のブロック図を示すものである。
【0143】
この第2の実施の形態の記録装置40においても、図8に示した第1の実施の形態の記録装置20と同一部分には、同一符号を付してその説明は省略する。
【0144】
すなわち、この第2の実施の形態では、逆拡散用として2個のPN発生部42a、42bを設けると共に、これらからのPN符号列PNaおよびPNbを切り換え選択するスイッチ回路43を設ける。
【0145】
そして、同期分離部25からの水平同期信号Hおよび垂直同期信号Vは、PN発生制御部41に供給される。このPN発生制御部41は、前記2個のPN発生部42aおよび42bのリセット信号REa,REb、イネーブル信号ENa,ENb、およびクロック信号PNCLKを生成して、これら2個のPN発生部42aおよび42bからのPN符号列PNaおよびPNbの発生を制御すると共に、スイッチ回路43を切り換える切換制御信号SWを生成する。
【0146】
このスイッチ回路43からは、スペクトラム拡散時に用いられたPN符号列と同じPN符号列が得られる。スイッチ回路43は、このPN符号列をSS複製防止制御信号検出部23に供給し、前述の第1の実施の形態と同様にして、スペクトル逆拡散により映像信号に重畳されている複製防止制御信号S23を復元する。そして、この復元した複製防止制御信号S23を複製制御部24に供給してデコードし、この複製制御部24からの書き込み制御信号S24により書き込み部22を制御する。
【0147】
[第2の実施の形態の場合の変形例]
第2の実施の形態の出力装置30および記録装置40を用いた場合には、第1の実施の形態では実現できない映像信号に対するPN符号のマッピングを行うことができる。
【0148】
すなわち、図17(A)に示すように、PN符号の発生方向が時間軸方向、すなわち、1ないし複数垂直区間当たりに1チップの割合でPN符号を発生させると共に、垂直方向に分割して異なる複数のPN系列のPN発生器からのPN符号を同様に発生させるものである。図17(A)で、「1、2、3、4…」は、例えばPN発生部32aから発生するチップ単位のPN符号列、「5、6、7、8…」は、PN発生部32bから発生するチップ単位のPN符号列である。
【0149】
この図17(A)のマッピングは、図18に示すような各種タイミング信号をPN発生制御部31から発生させればよい。
【0150】
すなわち、2個のPN発生部32a,32bからは、図18(A)に示すようなクロックPNCLKにより、図18(B),(C)に示すようなPN符号列PNa,PNbを順次発生させる。そして、PN発生制御部31は、さらに、図18(D)に示すように、1/2垂直周期ごとにPN符号列PNa,PNbを交互に選択するようにスイッチ回路33を制御する切換制御信号SWを生成する。これにより、図18(E)に示すような、図17(A)のマッピングとなるPN符号列をスイッチ回路33から得ることができる。
【0151】
次に、図17(B)のマッピングの例は、図18(D)に示した切換制御信号SWを、1/2水平区間ごとにした場合である。これにより、時間軸方向に発生する2個のPN符号列を、水平方向の別々の区間で複数個、発生させることができる。
【0152】
図17(C)のマッピングの例は、PN発生部32a,32bを共に、垂直周期でリセットすると共に、1水平周期あるいは複数水平周期で1チップを発生するようにしておき、これを1/2水平区間ごとにスイッチ回路33を切り換えるようにすることをより、実現できる。
【0153】
さらに、図19のマッピングの例は、図17(C)の例の場合にさらに、2個のPN発生部を追加して、4個のPN発生部を、それぞれ2個づつ、複数垂直区間ごとに切り換えて、前述の2個のPN発生部を用いたPN発生制御を行うことにより実現できる。
【0154】
以上説明した、複数のPN発生部を用いた実施の形態の場合には、垂直方向や時間軸方向に限らず、水平方向にもPN符号列を別の区間で発生することができ、より付加情報量を増加させることが可能になる。
【0155】
[第3の実施の形態]
この第3の実施の形態は、第1の実施の形態の図6の例の応用例の一つである。MPEG方式に限らず、映像信号をデジタル圧縮する場合には、1画面単位の映像信号を、画面の微小矩形領域に相当する小ブロックに分割するブロック符号化を行う場合が多い。また、DCT(離散コサイン変換)を行う場合も多い。
【0156】
ところで、DCTを採用した場合に、アナログ映像信号あるいはデジタル映像信号にスペクトラム拡散した付加情報を重畳したときに、それが高周波信号になると、データとして欠落したり、あるいは劣化してしまうおそれがある。
【0157】
この第3の実施の形態は、この点を考慮したものである。すなわち、この第3の実施の形態においては、DCTを施す前に、このDCTを施す単位となる各1ブロックには、スペクトラム拡散信号の1チップが割り当てられるようにPN符号列をマッピングするようにする。1ブロック以上のブロック、例えば4ブロック分であるマクロブロックが1チップに対応するようにしてもよい。このようにすれば、スペクトラム拡散信号は、DCTされたときには、そのDC成分(直流成分)に含まれることになり、データとして欠落したり、劣化するのを防止することができる。
【0158】
例えば、図20に示すように、映像信号は、8画素×8画素のブロックBKに分割され、そのブロックBK単位にDCT処理が施される。そこで、例えば、各ブロックBKの水平方向に含まれる8画素単位ごとのクロックを、PNクロック信号PNCLKとすると共に、このように水平方向に生成した1水平区間分のPN符号列を、第1の実施の形態で説明したようにして、ブロックBKの垂直方向の8水平区間分、反復させるようにする。これにより、1ブロックBKには、同一の1チップの情報が入ることになり、前述したように、データとして欠落したり、劣化するのを防止することができる。
【0159】
図21は、この第3の実施の形態の場合の付加情報の重畳回路部の例を示すブロック図である。
【0160】
入力端子1001を通じて入力されたアナログ映像信号は加算回路1002に供給されると共に同期分離回路1010に供給される。同期分離回路1010からの水平同期信号および垂直同期信号は、タイミング信号発生部1008に供給されると共に、図1のPN発生制御部16に対応するPN発生制御部1012に供給される。
【0161】
一方、タイミング信号発生部1008からのブロック化のタイミング信号が、PN発生制御部1012に供給される。このPN発生制御部1012からは、ブロックBKの水平方向の大きさである8画素ごとのクロック信号PNCLKと、ブロックBKの水平方向の大きさである8水平区間のうちの最初の水平区間でローレベルとなるイネーブル信号ENと、垂直周期のリセット信号REが発生し、SS複製防止制御信号生成部1011に供給される。これらクロック信号PNCLKおよびイネーブル信号ENは、ブロック化タイミング信号に同期していることは言うまでもない。
【0162】
SS複製防止制御信号生成回路1011は、図1の例のPN発生部17およびPN反復部18および複製防止制御信号生成部14の部分を備えており、これにおいては、ブロックBKの垂直方向の8水平区間内で反復するPN符号列が生成され、これに供給される複製防止制御信号を、前記PN符号列でスペクトラム拡散して、SS複製防止制御信号を生成する。そして、生成したSS複製防止制御信号を加算回路1002に供給する。この場合、図7を用いて説明したように、SS複製防止制御信号は、映像信号のダイナミックレンジよりも低いレベルで加算回路1002に供給する。
【0163】
加算回路1002では、映像信号に前記SS複製防止制御信号が重畳される。そして、このSS複製防止制御信号が重畳された映像信号がA/D変換器1003でデジタル信号に変換され、DCT処理部1004に供給される。DCT処理部1004では、タイミング信号発生部1008からのタイミング信号により、映像信号をブロックBK単位に分割し、DCT演算処理を行う。
【0164】
DCT処理部1004からの演算処理結果は、量子化部1005に供給されて量子化される。量子化部1005の出力は、動き補償回路1006を介してDCT処理部1004に供給されて、動き成分のDCT演算を行うようにする。量子化部1005の出力は、可変長符号化部1007でハフマン符号を用いた可変長符号化が行われて、例えば記録や伝送のために出力される。
【0165】
こうして伝送された、あるいは記録された圧縮データは、復号化を行ったときには、逆DCT演算の際に、直流成分にSS複製防止制御信号が含まれるため、このSS複製防止制御信号はアナログ映像信号に劣化なく重畳されて復元される。したがって、SS複製防止制御信号は確実に伝送され、複製制御が確実に実施される。
【0166】
なお、図21の例では、SS複製防止制御信号は、アナログ映像信号に重畳するようにしたが、A/D変換した後のデジタル映像信号に重畳することも、もちろん可能である。
【0167】
[その他の変形例]
前述の実施の形態において、出力装置10、30、記録装置20、40では、映像信号のすべての区間にSS複製防止制御信号を重畳するようにしたが、垂直ブランキング期間や水平ブランキング期間を除く、有効画面区間のみにSS複製防止制御信号を重畳するようにしてもよい。また、有効画面領域のすべてにSS複製防止制御信号を重畳するようにしなくてもよい。例えば、水平同期信号の前縁から数えて、何クロック目から、数10クロック分というように、水平同期信号に基づいて細かく設定することもできる。
【0168】
また、前述の実施の形態においては、出力装置10、30から記録装置20、40にはアナログ映像信号が供給されるアナログ接続の場合として説明したが、デジタル接続の場合にもこの発明を適用してもよい。
【0169】
すなわち、スペクトラム拡散された複製防止制御信号は、アナログ映像信号に重畳することもできるし、デジタル映像信号に重畳することもできる。
【0170】
また、記録装置20、40においては、SS複製防止制御信号検出部に供給する映像信号に対し、予めフィルタリングを行って、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が重畳されている低レベル部分の映像信号を取り出し、これをSS複製防止制御信号検出部に供給するようにしてもよい。
【0171】
また、前述の実施の形態においては、出力装置、記録装置は、ともにDVD装置として説明したが、これに限るものではなく、VTRや、デジタルVTR、ビデオディスクやビデオCDの出力装置、記録装置にこの発明を適用することも可能である。すなわち、アナログVTRなどのアナログ機器およびDVD装置などのデジタル機器のいずれにもこの発明を適用することができる。
【0172】
また、前述の実施の形態においては、記録媒体100に記録されている映像信号に付加されている複製防止制御信号を抽出して、これをPN符号を用いて、スペクトラム拡散し、記録装置20、40に供給する映像信号に重畳するようにしたが、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が予め重畳された映像信号が記録された記録媒体を用いるようにしてもよい。
【0173】
すなわち、記録媒体に記録する映像信号に対し、例えば、映像同期信号を基準にして、1水平区間内の区間を1周期とし、または、1垂直区間以内の区間を1周期とし、あるいは複数垂直区間内の区間を1周期とする拡散符号により、付加情報をスペクトラム拡散し、このスペクトラム拡散された付加情報を映像信号に重畳する。この場合に、スペクトラム拡散された付加情報は、所定の複数画素ごとに、または、所定の複数水平区間ごとに、あるいは所定の複数垂区間ごとに、異なるデータをもつチップが配列されるように映像信号に重畳されているものである。
【0174】
このようにして、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が予め重畳された映像信号が記録された記録媒体の場合には、複製防止制御信号の取り出し、PN符号の生成、スペクトラム拡散、スペクトラム拡散された複製防止制御信号の映像信号への重畳などの処理を出力装置において行う必要はない。すなわち、この場合、出力装置側においては、記録媒体に記録されている映像信号を再生して出力するだけでよい。
【0175】
この場合、記録装置側においては、前述した実施の形態の記録装置20と同様に、映像信号に重畳されているSS複製防止制御信号をスペクトラム拡散しているPN符号列と同じ符号パターンの逆拡散用のPN符号列を、映像信号に対してスペクトラム拡散時と同じタイミングで生成し、これを用いてスペクトラム逆拡散を行うことにより、映像信号に重畳された複製防止制御信号を取り出すことができる。
【0176】
このように記録媒体に記録された映像信号にスペクトラム拡散された複製防止制御信号が予め重畳されている場合には、記録装置側にスペクトラム逆拡散して複製防止制御信号を取り出す機能があれば、映像信号に予め重畳されている複製防止制御信号を取り出して有効に複製制御を行うことができる。
【0177】
また、出力装置に複製防止制御信号の発生部を設け、出力装置において発生させた複製防止制御信号を、PN符号列を用いてスペクトラム拡散し、映像信号に重畳して出力するようにしてもよい。
【0178】
この場合には、記録媒体にもともと複製防止制御信号が記録されていない場合、あるいは、スペクトラム拡散された複製防止制御信号が重畳されていない場合にも、出力装置において生成され、映像信号に重畳される複製防止制御信号を用いて、記録装置側において複製制御を行うことができる。
【0179】
また、前述した実施の形態においては、複製防止制御装置として、DVD装置としての出力装置、記録装置の場合として説明いたが、これに限るものではない。例えば、この発明を放送局側のテレビジョン信号の出力装置に適用し、送信するテレビジョン信号にスペクトラム拡散した複製防止制御信号を重畳して送信する場合にも、この発明を適用することができる。そして、受信側においては、逆スペクトラム拡散を行って、映像信号に重畳されている複製防止制御信号列を取り出し、この複製防止制御信号に基づいて映像信号の複製防止制御を行うようにすることができる。
【0180】
もちろん、ケーブルテレビのように、ケーブルを介して映像信号を送受する場合の映像の出力装置、受信装置にもこの発明を適用することができる。
【0181】
また、前述の形態においては、付加情報として複製防止制御信号を重畳するようにしたが、映像信号に重畳する付加情報は複製防止制御信号に限るものではない。
【0182】
例えば、映像信号にその映像信号により再生される映像の著作権者を識別することができる著作権情報をスペクトラム拡散して重畳するようにしてもよい。この場合には、映像信号に重畳された著作権情報を逆スペクトラム拡散することにより取り出して、著作権者等を確認することができるため、著作権侵害の防止に役立つとともに、自己が著作権を有する映像が無断で使用された場合などにおいては、著作権侵害であることを容易に示すことができる。
【0183】
そして、前述したように、映像信号の相関性を利用したノイズ除去や、映像信号により形成される水平方向の画素の間引きや補間、あるいは、時間軸方向のフィールド間引きや補間が行われた場合にも、著作権情報が除去されたり、劣化することがないので、確実に取り出して利用することができる。
【0184】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明による映像信号伝送方法、重畳情報抽出方法および映像信号記録媒体によれば、映像信号には、水平方向および時間軸方向に同じデータとなるようにされた付加情報がくり返し重畳される。これにより、映像信号の相関性を利用したノイズ除去により、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報が除去されたり、劣化したりすることがない。
【0185】
また、映像信号に対して水平方向の間引きや補間、または時間軸方向の間引きや補間が行われ、映像信号が変化した場合でも、スペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報の変更を防止することができる。
【0186】
これによりスペクトラム拡散されて映像信号に重畳された付加情報を確実に伝送することができるとともに、受信側においては、受信した映像信号に重畳されているスペクトラム拡散された付加情報を確実に検出することができる。
【0187】
そして、この発明によれば、水平方向、垂直方向または時間軸方向に、それぞれ複数のPN符号列を生成して異なるデータを付加情報として重畳することができるので、重畳可能な付加情報量を増加させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による方法が適用された映像信号出力装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示した映像信号出力装置のPN発生制御部の一例を説明するためのブロック図である。
【図3】図1に示した映像信号出力装置において生成されるPN符号発生タイミング信号の一例を説明するための図である。
【図4】図1に示した映像信号出力装置のPN発生部の一例の構成を説明するための図である。
【図5】図1に示した映像信号出力装置のPN反復部の一例の構成を説明するための図である。
【図6】図1に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図7】SS複製防止制御信号と映像信号の関係をスペクトルで示した図である。
【図8】この発明による方法が適用された映像信号記録装置の一実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図9】図1に示した映像信号出力装置を用いて生成されるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図10】図1に示した映像信号出力装置を用いて生成されるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図11】図1に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図12】図1に示した映像信号出力装置のPN発生制御の他の例を説明するためのブロック図である。
【図13】この発明による方法が適用された映像信号出力装置の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図14】図13に示した映像信号出力装置において生成されるPN符号発生タイミング信号の一例を説明するための図である。
【図15】図13に示した映像信号出力装置において生成されるPN符号発生タイミング信号の他の例を説明するための図である。
【図16】この発明による方法が適用された映像信号記録装置の他の実施の形態を説明するためのブロック図である。
【図17】図13に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図18】図13に示した映像信号出力装置のPN発生制御の一例を説明するためのブロック図である。
【図19】図1に示した映像信号出力装置において用いられるPN符号の発生状況(マッピング)について説明するための概念図である。
【図20】画像圧縮方式によるブロック分割を説明するための図である。
【図21】圧縮画像データに、この発明を用いてSS複製防止制御信号を重畳する場合の回路の一例のブロック図である。
【図22】複製防止制御システムの従来の構成を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
10、30…映像信号出力装置、11…読み出し部、12…復号化部、13…複製防止制御信号抽出部、14…SS複製防止制御信号生成部、15…同期分離部、16…PN発生制御部、17…PN発生部、18…PN反復部、19…加算部、20、40…映像信号記録装置、21…符号化部、22…書き込み部、23…SS複製防止制御信号検出部、24…複製制御部、25…同期分離部、26…PN発生制御部、27…PN発生部、28…PN反復部、191、192…D/A変換回路、29…A/D変換回路、100…再生側記録媒体、200…記録側記録媒体、31、41…PN発生制御部、32a,32b,42a,4b…PN発生部、33、43…スイッチ回路
Claims (2)
- スペクトラム拡散した付加情報を映像信号に重畳して伝送する伝送方法であって、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む複数個の拡散符号列を発生させる拡散符号生成工程と、
前記拡散符号生成工程で生成された前記複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を、同一データを持つチップが画面単位の時間軸方向である空間方向に整列するように、複数垂直区間に渡って反復させる拡散符号反復工程と、
前記拡散符号反復工程により発生する拡散符号列により、少なくとも前記反復区間の前記各1垂直区間内の区間においては同一内容のデータを持つように付加情報をスペクトラム拡散するスペクトラム拡散工程と、
前記スペクトラム拡散工程により生成されたスペクトラム拡散信号を前記映像信号に重畳する重畳工程とを備え、
前記付加情報が重畳される前記映像信号は、データ圧縮された映像信号がデコードされたものであって、
前記拡散符号反復工程では、前記複数個の拡散符号列を、前記データ圧縮された映像信号の、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されるフレームの検出タイミングに同期して切り替える
ことを特徴とする映像信号伝送方法。 - 垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を画面単位の時間軸方向である空間方向に複数垂直区間に渡って反復させた拡散符号列によりスペクトラム拡散を施すことで生成された付加情報が重畳された映像信号から、前記スペクトラム拡散された付加情報を抽出する重畳情報抽出方法であって、
垂直同期信号に同期して、1垂直周期を発生開始タイミングとして、1水平区間内の区間当たりに複数チップまたは1垂直区間内の区間当たりに複数チップを含む逆拡散用の複数個の拡散符号列を発生させる逆拡散符号生成工程と、
前記逆拡散符号生成工程で生成された前記複数個の拡散符号列を切り替えると共に、それぞれの前記拡散符号列を、同一データを持つチップが画面単位の時間軸方向である空間方向に整列するように、複数垂直区間に渡って反復させる逆拡散符号反復工程と、
前記逆拡散符号反復工程により発生する逆拡散用の拡散符号列により、前記映像信号に重畳されたスペクトラム拡散された前記付加情報を逆拡散して抽出するスペクトラム逆拡散工程とを備え、
前記付加情報を抽出する前記映像信号は、データ圧縮された映像信号がデコードされたものであって、
前記複数個の拡散符号列は、前記データ圧縮された映像信号の、1フレーム分の映像信号がそのまま符号化されるフレームの検出タイミングに同期して切り替える
ことを特徴とする重畳情報抽出方法。
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