JP3864692B2 - Correction of the sub-scan feed amount according to the print medium - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、印刷媒体上に画像の記録を行う印刷技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータの出力装置としては、インクをヘッドから吐出するインクジェットプリンタやレーザプリンタが普及している。特に、近年では、カラーインクを用いたカラープリンタも広く利用されている。インクの発色性は、印刷媒体の種類に大きく依存するので、プリンタメーカは、カラー印刷専用の各種の印刷媒体を供給している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
印刷媒体の種類は、インクの発色性のみでなく、印刷媒体の送り(以下、「紙送り」と呼ぶ)の精度に影響を与える。例えば、表面が滑り易い印刷媒体と、表面が滑り難い印刷媒体では、同じ紙送り動作を行っても、実際の送り量がかなり異なる場合がある。
【0004】
送り精度の良否は、画質の良否に大きな影響がある。しかし、従来は、印刷媒体の種類に応じた紙送りの精度に関しては、あまり考慮がなされていなかった。このような問題は、カラープリンタのみでなく、他の印刷装置においても共通する問題であった。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、印刷媒体の種類に応じた紙送りの精度を考慮して、画質を向上させることが可能な技術を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記目的を達成するために、本発明の印刷装置は、印刷媒体を間欠的に多数回の送りで移動させる送り機構と、前記送り機構に対して送り値を指令することによって、前記送り機構による前記印刷媒体の送りを制御する制御部と、を備える。前記制御部は、前記印刷装置での使用が予定されている複数種類の印刷媒体の中の最も滑り難い第1の印刷媒体に関する送り値の補正値をゼロに設定するとともに最も滑り易い第2の印刷媒体に関する送り値の補正値をゼロで無い値に設定することによって、前記第1と第2の印刷媒体に関する平均送り誤差δave がそれぞれゼロ近傍の値を取るように前記送り値を補正するとともに、前記補正された送り値を前記送り機構に指令することを特徴とする。
【0007】
このような印刷装置では、第1と第2の印刷媒体に関する平均送り誤差δave がゼロ近傍の値に調整されているので、これらの印刷媒体を用いたときの画質を向上させることが可能である。
【0008】
なお、前記第2の印刷媒体は、前記複数種類の印刷媒体の中で最も滑り易い印刷媒体を含むようにしてもよく、また、ロール紙を含むようにしてもよい。ここで、「ロール紙」とは、ロール状に巻かれた印刷媒体を意味している。
【0009】
最も滑り易い印刷媒体は、他の印刷媒体に比べて送り精度が低いのが普通である。また、ロール紙は、ロール紙のホルダ側に向かって逆向きに引っ張られる傾向があるので、やはり送り精度が低い。従って、これらの印刷媒体に関して、送り量の補正を行うようにすれば、送り誤差を補正して画質を向上できるという効果が大きい。
【0010】
前記制御部は、外部装置から前記印刷装置に与えられた印刷データに含まれる送り量データおよび送り補正値データに基づいて、前記補正された送り値を決定するようにしてもよい。
【0011】
このような構成では、外部装置(例えばホストコンピュータのプリンタドライバ)からは、正規の送り量データに加えて、印刷媒体の種類に応じた送り補正値データを印刷装置側に送れば良いので、外部装置側の負担が軽減される。
【0012】
なお、印刷装置は、インクを吐出して前記印刷媒体上にドットを形成するための印刷ヘッドを備え、前記印刷ヘッドは、少なくとも1色分のインクに関して、前記印刷媒体の送り方向に沿ってピッチk・D(kは1以上の整数、Dは前記送り方向における最小のドットピッチ)で配列されて同一のインクを吐出するN個(Nは2以上の整数)のノズルを有しているようにしてもよい。このとき、前記第1と第2の印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave は、前記送りをN×(k・D)以下の送り量で実行したときの平均誤差である。
【0013】
また、前記第1と第2の印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave は、約−0.5Dと約+0.5Dとの間にあることが好ましい。
【0014】
さらに、前記整数kが2以上の値であるときに、前記第1と第2の印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave に(k−1)を乗じた値(k−1)δave は、約−0.5Dと約+0.5Dとの間にあることが特に好ましい。
【0015】
整数kが2以上のとき(すなわちノズルピッチが2D以上のとき)には、隣接するラスタラインの間に(k−1)δave の送り誤差が累積される可能性がある。従って、この累積誤差(k−1)δave の値を約−0.5Dと約+0.5Dとの間の値に設定すれば、より画質を向上させることが可能である。
【0016】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、印刷装置、紙送り装置、および、それらの調整方法等の態様で実現することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.装置の全体構成:
B.副走査送り精度と画質劣化:
C.実施例における送り量補正:
D.変形例:
【0018】
A.装置の全体構成:
図1は、本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図である。このプリンタ20は、用紙スタッカ22と、図示しないステップモータで駆動される紙送りローラ24と、プラテン板26と、キャリッジ28と、キャリッジモータ30と、キャリッジモータ30によって駆動される牽引ベルト32と、キャリッジ28のためのガイドレール34とを備えている。キャリッジ28には、多数のノズルを備えた印刷ヘッド36が搭載されている。
【0019】
印刷用紙Pは、用紙スタッカ22から紙送りローラ24によって巻き取られてプラテン板26の表面上を副走査方向へ送られる。キャリッジ28は、キャリッジモータ30により駆動される牽引ベルト32に牽引されて、ガイドレール34に沿って主走査方向に移動する。主走査方向は、副走査方向に垂直である。
【0020】
図2は、プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図である。プリンタ20は、ホストコンピュータ100から供給された信号を受信する受信バッファメモリ50と、印刷データを格納するイメージバッファ52と、プリンタ20全体の動作を制御するシステムコントローラ54とを備えている。システムコントローラ54には、キャリッジモータ30を駆動する主走査駆動ドライバ61と、紙送りモータ31を駆動する副走査駆動ドライバ62と、印刷ヘッド36を駆動するヘッド駆動ドライバ63とが接続されている。
【0021】
主走査駆動ドライバ61と、キャリッジモータ30と、牽引ベルト32(図1)と、ガイドレール34は、主走査駆動機構を構成している。また、副走査駆動ドライバ62と、紙送りモータ31と、紙送りローラ24(図1)は、副走査駆動機構(または「送り機構」と呼ぶ)を構成している。
【0022】
ホストコンピュータ100のプリンタドライバ(図示せず)は、印刷を行うための印刷データを生成して、プリンタ20に転送する。転送された印刷データは、一旦、受信バッファメモリ50に蓄えられる。プリンタ20内では、システムコントローラ54が、受信バッファメモリ50から印刷データの中から必要な情報を読取り、これに基づいて、各ドライバ61,62,63に対して制御信号を送る。
【0023】
イメージバッファ52には、受信バッファメモリ50で受信された印刷データを色成分毎に分解して得られた複数の色成分のイメージデータが格納される。ヘッド駆動ドライバ63は、システムコントローラ54からの制御信号に従って、イメージバッファ52から各色成分のイメージデータを読出し、これに応じて印刷ヘッド36に設けられた各色のノズルアレイを駆動する。
【0024】
図3は、印刷ヘッド36の下面におけるノズル配列を示す説明図である。印刷ヘッド36の下面には、ブラックインクを吐出するためのブラックインクノズル群KD と、濃シアンインクを吐出するための濃シアンインクノズル群CD と、淡シアンインクを吐出するための淡シアンインクノズル群CL と、濃マゼンタインクを吐出するための濃マゼンタインクノズル群MD と、淡マゼンタインクを吐出するための淡マゼンタインクノズル群ML と、イエローインクを吐出するためのイエローインクノズル群YD とが形成されている。
【0025】
なお、各ノズル群を示す符号における最初のアルファベットの大文字はインク色を意味しており、また、添え字の「D 」は濃度が比較的高いインクであることを、添え字の「L 」は濃度が比較的低いインクであることを、それぞれ意味している。
【0026】
各ノズル群の複数のノズルは、副走査方向SSに沿って一定のノズルピッチk・Dでそれぞれ整列している。ここで、Dは副走査方向における最小のドットピッチ(すなわち、副走査方向の最高印刷解像度でのドットピッチ)であり、kは1以上の整数である。ドットピッチDは、例えば副走査方向の最高印刷解像度が720dpiのときには、1/720インチ(=35.3μm)である。整数kとしては、例えば4や6などの値が使用される。
【0027】
各ノズルには、各ノズルを駆動してインク滴を吐出させるための駆動素子としてのピエゾ素子(図示せず)が設けられている。印刷時には、キャリッジ28(図1)とともに印刷ヘッド36が主走査方向MSに移動しつつ、各ノズルからインク滴が吐出される。
【0028】
B.副走査送り精度と画質劣化:
図4は、送り誤差が無い場合の副走査とドット記録の様子を示す説明図である。この図では、説明の便宜上、印刷ヘッド36は1色分の7個のノズルのみを有するものとしている。このノズル群の副走査方向のノズルピッチk・Dは、ドットピッチDの4倍である。なお、印刷ヘッド36内において、丸の中に示されている数字0〜7は、ノズル番号を意味している。
【0029】
印刷媒体PMは、1回の主走査が終了するたびに、副走査駆動機構によって上方に一定の送り量L・D(Lは整数、Dはドットピッチ)で副走査送りされる。図4の例では、L=7である。なお、本明細書においては、1回分の主走査を「パス」とも呼ぶ。一定の送り量L・Dで副走査送りを行う場合には、整数Lとしては、整数Lを整数k(ノズルピッチを表す)で割ったときの余りが(k−1)になるような値を採用することが好ましい。
【0030】
「パス1」と記載された印刷媒体PM内において、丸で囲まれた数字は、1回目のパスにおいて記録対象となるラスタライン(「主走査ライン」とも呼ぶ)上のドット位置(「画素位置」とも呼ぶ)の記録を担当するノズル番号を表している。すなわち、パス1では、印刷ヘッド36が主走査方向に移動しつつ5番ないし6番ノズルからインクをそれぞれ吐出することによって、2本のラスタライン上のドット位置にドットを記録する。パス2に関しては、各ラスタラインのドット記録を担当するノズル番号が、正方形で囲まれた数字で表されており、また、パス3に関しては、六角形で囲まれた数字で、パス4に関しては八角形で囲まれた数字でそれぞれ表されている。パス2では、パス1で記録されたラスタラインの直ぐ上のラスタラインが記録される。また、パス3では、パス2で記録されたラスタラインの直ぐ上のラスタラインが記録される。このように、ほとんどのパスでは、その直前のパスで記録されたラスタラインの直ぐ上のラスタラインが記録されている。
【0031】
このように、図4の記録方式では、副走査送りが行われたびに印刷媒体PMが7ドット分ずつ上方にずれてゆき、各ノズルは、1回の主走査中にそれぞれのラスタライン上のすべてのドット位置を記録対象としてドット記録を実行する。なお、パス4の印刷媒体PMの右側に記されている「パス1」〜「パス4」の文字は、パス4までに記録されたドット位置が、それぞれどのパスで記録対象となったかを示している。
【0032】
図5は、送り誤差が存在する場合の副走査とドット記録の様子を示す説明図である。ここでは、各回の副走査送りの送り量Lが、一定のプラスの送り誤差δave を有しているものと仮定している。すなわち、図5のパス2では、図4の理想的な場合に比べて、印刷媒体PMが誤差δave だけ余分に上方に送られている。従って、パス2において記録されるラスタライン上のドット位置(四角で囲まれた数字で表されている)は、図4の場合に比べてやや上側にずれている。この結果、パス1で記録されるラスタラインと、パス2で記録されるラスタラインとは、やや重なり合っている。パス3とパス4においても、同様に、印刷媒体PMが誤差δave だけ余分に上方に送られるので、記録されるラスタライン上のドット位置は、δave ずつ上側にずれてゆく。
【0033】
なお、実際には、送り誤差は副走査送りのたびに異なる値を取るのが普通である。図5に示す送り誤差δave は、このような変動する送り誤差の平均値であると考えることができる。すなわち、図5は、各回の副走査送りが、平均送り誤差δave に等しい誤差を有しているような仮想的な場合を示している。
【0034】
図6(A)は、図5の各パスにおいて記録されるラスタラインの位置関係を示している。パス2において4番ノズルで記録されるラスタラインL5は、パス1において6番ノズルで記録されたラスタラインL6から(D−δave )だけ離れている。すなわち、これらのラスタラインL5,L6の間のピッチは、理想的なドットピッチD(すなわちラスタラインの理想ピッチ)よりも送り誤差δave だけ短い。このようなズレは、パス2とパス3の間、および、パス3とパス4の間においても同様に発生する。この結果、パス4において0番ノズルで記録されるラスタラインL3と、パス1において5番ノズルで記録されたラスタラインL2との間のピッチは(D+3δave )になり、ドットピッチDよりも3δave だけ大きい。換言すれば、パス1において記録されるラスタラインL2と、パス4において記録されるラスタラインL3との間には、3回分の送り誤差−3δave が累積されている。
【0035】
図6(B)は、送り誤差がマイナスの値−δave の場合を示している。この場合も、図6(A)と同様に、ラスタラインL2,L3の間の距離に、3回分の送り誤差−δave が累積されているが、その値の符号は図6(A)の場合と逆である。すなわち、これらの2本のラスタラインL2,L3の間のピッチは、ドットピッチDよりも3δave だけ小さい。
【0036】
図6(A),(B)から理解できるように、送り量が一定の副走査送り(「定則送り」と呼ぶ)を伴うインターレース印刷を実行すると、隣接するラスタライン間の累積送り誤差の最大値は、(k−1)δave になる場合が多い。ここで、kはノズルピッチを表す整数である。なお、「インターレース印刷」とは、整数kが2以上であって、1回のパスで記録されるラスタラインの間に記録されないラスタラインが挟まれるような印刷方式を意味する。
【0037】
図6(A)の場合には、ラスタラインL2,L3の間のピッチが理想的なピッチDよりも大きいので、この2本のラスタラインL2,L3の部分は、肉眼では色の薄い筋状の部分に見える。このような色の薄い筋状の部分(以下、「明バンディング」または「淡バンディング」と呼ぶ)は、画質劣化として観察される。
【0038】
一方、図6(B)の場合には、ラスタラインL2,L3の間のピッチが理想的なピッチDよりも小さいので、この2本のラスタラインL2,L3の部分は、肉眼では色の濃い筋状の部分に見える。このような色の濃い筋状の部分(以下、「暗バンディング」または「濃バンディング」と呼ぶ)も、画質劣化として観察される。
【0039】
このように、副走査送り量に誤差δave が存在すると、明バンディングや暗バンディングが発生する。従って、副走査送り機構は、その平均送り誤差δave がゼロ近傍の値をとるように調整されていることが好ましい。ここで、「ゼロ近傍の平均誤差δave 」とは、約−0.6D〜約+0.6D(Dは副走査方向の最高印刷解像度におけるドットピッチ)の範囲の値を意味している。なお、平均誤差δave としては、約−0.5D〜約+0.5Dの範囲の値であることが好ましい。また、図6(A),(B)から理解できるように、インターレース印刷では、隣接するラスタライン同士の間には、(k−1)δave だけずれることがある。そこで、このズレ量(k−1)δave が、ドットピッチDの約−0.5D〜約+0.5Dの範囲の値であることが特に好ましい。例えば、副走査方向の最高解像度が720dpiである場合には、平均送り誤差δave は、約−21μm〜約+21μmの範囲の値であれば良いが、約−18μm〜約+1μmの範囲の値であることが好ましく、特に、k=4の時には約−6μm〜約+6μmの範囲の値であることが好ましい。平均送り誤差δave がこのような範囲に収まっている場合には、送り誤差に起因するバンディングによる画質劣化を防止することが可能である。
【0040】
但し、平均送り誤差δave の値は、印刷媒体の種類に依存する。すなわち、印刷媒体には、比較的滑り易いものと、比較的滑り難いものとが存在する。滑り易い印刷媒体では、平均送り誤差δave がマイナスになる傾向にあり、一方、滑り難い印刷媒体では、平均送り誤差δave がプラスになる傾向にある。また、プリンタ20は、通常は複数種類の印刷媒体を使用可能である。そこで、以下に説明するように、印刷媒体の種類に応じて、送り量を適切に補正することによって、画質を向上させることができる。
【0041】
C.実施例における送り量補正:
図7は、ホストコンピュータ100(図2)の画面に表示されたプリンタドライバのユーザインタフェースを示す説明図である。ユーザは、このプリンタ20での使用が予定されている複数種類の印刷媒体(「印刷用紙」とも呼ぶ)の中から、実際に使用する印刷媒体を1つ選択することができる。ここで、「プリンタ20での使用が予定されている複数種類の印刷媒体」とは、このプリンタ20用として市販されている印刷媒体を意味している。
【0042】
図8は、比較例における3種類の印刷媒体に関する送り誤差δを示す説明図である。図8(A)には、普通紙と、光沢フィルムと、写真用紙の3種類の印刷媒体に関する送り誤差δの変動が示されている。送り誤差δは、副走査のたびに変動しているが、平均的な送り誤差はほぼ一定している。すなわち、平均送り誤差δave は、普通紙では約0μmであり、光沢フィルムでは約−8μm、写真用紙は約−15μmである。
【0043】
ところで、滑り難い印刷媒体が副走査駆動機構によって送られると、ほとんど滑りの無い状態で送られる。一方、滑り易い印刷媒体は滑りながら送られるので、滑る難い印刷媒体よりも送られる量が少なくなる。すなわち、印刷媒体が「より滑り易い」という文言は、送り誤差δの値がより小さいことを意味している。これから理解できるように、図8の3種類の印刷媒体の中では、普通紙が最も滑り難く、写真用紙が最も滑り易い。図8(B)は、これらの印刷媒体に関する累積送り誤差Σδを示している。
【0044】
なお、本明細書において、「送り誤差δ」は、ホストコンピュータ100からプリンタ20に与えられた副走査送り量データと、実際の送り量との差を意味している。例えば、図8(A)の送り誤差δの値は、ホストコンピュータ100からプリンタ20に対して7ドット分送ることを示す副走査送り量データが供給されたときに、実際の送り量が7D+δであったことを意味している。
【0045】
送り誤差δは、例えば一定の送り量で副走査送りを繰り返し実行した場合について測定される。なお、副走査送り量は、一般に、N×(k・D)以下の値となる。ここで、Nは副走査方向に沿って配列された1色分のノズルの個数、k・Dはノズルピッチである。この理由は、N×(k・D)を超える送り量で副走査送りを行うと、記録できないラスタラインが残ってしまうからである。但し、送り誤差δおよびその平均値δave の測定時には、プリンタ20で実行することが予定されている副走査送りを実際に実行して、送り誤差δの測定を行うことが好ましい。
【0046】
図8(A)の例では、プリンタ20での使用が予定されている複数種類の印刷媒体の中で、最も滑り難い普通紙の平均送り誤差δave がほぼ0になるように、副走査送り機構が調整されている。また、他の印刷媒体の平均送り誤差δave の値はマイナスである。写真用紙では、平均送り誤差δave の絶対値がかなり大きいので、バンディングが発生して画質を劣化させる。
【0047】
図9は、実施例における3種類の印刷媒体に関する送り誤差δを示す説明図である。この実施例では、後述するように、システムコントローラ54(図2)から副走査駆動ドライバ62に供給される送り量の指令値を補正することによって、写真用紙の実際の送り量を補正し、写真用紙の平均送り誤差δave を普通用紙とほぼ同じ約0μmにしている。この結果、普通紙で得られる画質を保ったままで、写真用紙で得られる画質を向上させることができる。
【0048】
図10は、実施例における送り量の補正方法を示す説明図である。図10(A)は、ホストコンピュータ100からプリンタ20に供給される印刷データのフォーマットを示している。印刷データは、印刷条件コマンド群と、各パス用の印刷コマンド群とを含んでいる。印刷条件コマンド群は、印刷解像度を示すコマンドや、印刷方向(単方向/双方向)を示すコマンドなどの他に、副走査送りの補正量を示す紙送り補正コマンドCFCを含んでいる。また、各パス用の印刷コマンド群は、送り量コマンドCLと、画素データコマンドCPとを含んでいる。送り量コマンドCLは、各パスの直前に行われる正規の副走査送り量L・D(図5)を示す。また、画素データコマンドCPは、各パスで記録されるドットの画素毎の記録状態を示す画素データPDを含んでいる。
【0049】
なお、図10(A)に示す各種のコマンドは、それぞれヘッダ部とデータ部とを有しているが、図10(A)では簡略化されて描かれている。また、これらのコマンド群は、各コマンド毎にホストコンピュータ100からプリンタ20に間欠的に供給される。但し、ホストコンピュータ100からプリンタ20に供給される印刷データは、図10(A)以外のフォーマットを取ることも可能である。
【0050】
図10(B)は、4種類の印刷媒体に関する紙送り補正量と、紙送り補正コマンドCFCの値と、副走査駆動ドライバ62に供給される送り指令値と、を示している。なお、図10(B)では、図9に示した3種類の印刷媒体に加えて、ロールタイプ写真用紙が追加されている。
【0051】
普通紙と光沢フィルムは、図8に示したように、送り補正をしない場合にも送り誤差δが比較的小さいので、紙送り補正量はゼロに設定されている。また、写真用紙の紙送り補正量δ1は、このプリンタ20における最小の紙送り補正量Δの2倍に設定されている。ここで、「最小の紙送り補正量Δ」は、紙送りモータ31の構造などから決まる最小の補正量である。ロールタイプ写真用紙の紙送り補正量δ2は、最小の紙送り補正量Δの3倍に設定されている。
【0052】
ロールタイプ写真用紙は、写真用紙がロール状に巻かれたものである。ロール状に巻かれた印刷媒体は、ロール側に(すなわち後ろ向きに)引っ張られる傾向にあり、送り誤差δave がよりマイナス側になる傾向にある。従って、紙送り補正量δ2も、それに応じて大きな値に設定されている。なお、ロールタイプの印刷媒体(以下、「ロール紙」と呼ぶ)の材質としては、写真用紙以外のものも利用可能である。この場合には、ロール紙の材質に応じて、それぞれ紙送り補正量が設定される。なお、紙送り補正量の値は、各印刷媒体毎に予め実験的に決定される。
【0053】
ホストコンピュータ100からプリンタ20に供給される紙送り補正コマンドCFCの値は、この紙送り補正量に応じて設定されている。より具体的には、紙送り補正コマンドCFCは、紙送り補正量に比例する値に設定されている。すなわち、シート状の写真用紙に対する紙送り補正コマンドCFCの値は2に設定されており、ロールタイプ写真用紙に対する紙送り補正コマンドCFCの値は3に設定されている。なお、普通紙や光沢フィルムを使用する場合には、紙送り補正が行われ無いので、紙送り補正コマンドCFC自体がプリンタ20側に供給されない。
【0054】
なお、紙送り補正コマンドCFCの値は、ユーザが図7に示したようなウィンドウにおいて印刷媒体の種類を選択すると、この選択に応じてプリンタドライバ内のコマンド生成部(図示せず)が決定する。なお、プリンタドライバ内には、各印刷媒体と、紙送り補正コマンドCFCの値との対応関係が予め登録されている。
【0055】
システムコントローラ54は、この紙送り補正コマンドCFCと、送り量コマンドCL(正規の送り量L・Dを示す)とに基づいて、副走査駆動ドライバ62に送り指令値を供給する。図10(B)の右端の欄には、この送り指令値が示されている。すなわち、システムコントローラ54は、普通紙や光沢フィルム上に印刷を行う場合には、送り量コマンドCLで表されている正規の送り量L・Dをそのまま送り指令値として副走査駆動ドライバ62に供給する。一方、写真用紙やロールタイプ写真用紙の場合には、正規の送り量L・Dに、紙送り補正量δ1,δ2を加えた値を、送り指令値として副走査駆動ドライバ62に供給する。
【0056】
以上のように、本実施例では、写真用紙などの滑り易い印刷媒体に関しては、平均送り誤差δave がゼロ近傍の値を取るように送り値をプリンタ20内で補正し、補正された送り値を副走査駆動ドライバ62に指令するようにしたので、送り誤差に起因するバンディングを防止することができ、これによって画質を向上させることができる。また、普通紙などのような滑り難い印刷媒体に関しては、送り量の補正を行わないので、これらの印刷媒体における画質を悪化させることが無く、滑り易い印刷媒体での画質を向上させることができるという利点がある。
【0057】
また、ホストコンピュータ100側のプリンタドライバは、ユーザによって選択された印刷媒体の種類に応じて、予め登録されている紙送り補正コマンドCFC(図10)をプリンタ20側に供給するだけで良い。従って、プリンタドライバ側の負担をあまり増加させること無く、画質を向上させることが可能である。
【0058】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0059】
D1.変形例1:
上記実施例では、副走査送り量として一定の値を採用する「定則送り」を行うプリンタについて説明したが、副走査送り量として異なる複数の値を採用する「変則送り」を行うプリンタについても、本発明を適用することが可能である。
【0060】
D2.変形例2:
上記実施例では、カラーインクジェットプリンタについて説明したが、本発明は、モノクロプリンタにも適用可能であり、また、インクジェット方式以外のプリンタにも適用可能である。本発明は、一般に、印刷媒体上に画像の記録を行う印刷装置に適用可能であり、例えばファクシミリ装置やコピー機にも適用することが可能である。
【0061】
D3.変形例3:
上記実施例では、ノズルピッチを表す整数kが4の場合について説明したが、この整数kは1以上の任意の整数を取りうる。但し、k=1の時には、ノズルピッチがドットピッチDに等しいので、図6において説明したような送り誤差の累積の問題は発生しない。従って、本発明は、特に整数kが2以上の場合に適用した場合に顕著な効果が得られる。
【0062】
D4.変形例4:
上記実施例では、図8に示したように、プリンタ20で利用可能な複数種類の印刷媒体の中で最も滑り易い印刷媒体(写真用紙やロールタイプ写真用紙)に関して送り誤差δが大きいので、これらの印刷媒体に関して紙送り補正を行っていた。しかし、送り機構の調整の仕方によっては、最も滑り難い印刷媒体(例えば普通紙)の送り誤差δが大きなプラスの値を取り、最も滑り易い印刷媒体の送り誤差がほぼゼロとなるような場合もある。このような場合には、例えば最も滑り難い印刷媒体である普通紙のみに関して紙送り補正を行うようにしてもよい。すなわち、本発明では一般に、少なくとも1つの特定の印刷媒体に関して紙送り補正を行うようにすれば良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのカラーインクジェットプリンタ20の主要な構成を示す概略斜視図。
【図2】プリンタ20の電気的な構成を示すブロック図。
【図3】印刷ヘッド36の下面におけるノズル配列を示す説明図。
【図4】送り誤差が無い場合の副走査とドット記録の様子を示す説明図。
【図5】送り誤差が存在する場合の副走査とドット記録の様子を示す説明図。
【図6】送り誤差δave がプラスの場合とマイナスの場合とにおけるラスタラインのズレを示す説明図。
【図7】プリンタドライバのユーザインタフェースを示す説明図。
【図8】比較例における印刷媒体の送り誤差δを示す説明図。
【図9】実施例における印刷媒体の送り誤差δを示す説明図。
【図10】実施例における送り量の補正方法を示す説明図。
【符号の説明】
20…カラーインクジェットプリンタ
22…用紙スタッカ
24…紙送りローラ
26…プラテン板
28…キャリッジ
30…キャリッジモータ
31…紙送りモータ
32…牽引ベルト
34…ガイドレール
36…印刷ヘッド
50…受信バッファメモリ
52…イメージバッファ
54…システムコントローラ
61…主走査駆動ドライバ
62…副走査駆動ドライバ
63…ヘッド駆動ドライバ
100…ホストコンピュータ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a printing technique for recording an image on a printing medium.
[0002]
[Prior art]
As computer output devices, ink jet printers and laser printers that eject ink from a head have become widespread. In particular, in recent years, color printers using color inks have been widely used. Since the color development of ink greatly depends on the type of printing medium, printer manufacturers supply various types of printing media dedicated to color printing.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
The type of printing medium affects not only the color development of ink but also the accuracy of feeding the printing medium (hereinafter referred to as “paper feeding”). For example, an actual feed amount may be considerably different between a print medium with a slippery surface and a print medium with a less slippery surface even if the same paper feed operation is performed.
[0004]
The quality of the feeding accuracy has a great influence on the quality of the image quality. However, conventionally, little consideration has been given to the accuracy of paper feeding in accordance with the type of print medium. Such a problem is common to not only color printers but also other printing apparatuses.
[0005]
The present invention has been made to solve the above-described conventional problems, and provides a technique capable of improving image quality in consideration of paper feeding accuracy according to the type of print medium. Objective.
[0006]
[Means for solving the problems and their functions and effects]
In order to achieve the above object, a printing apparatus according to the present invention includes a feed mechanism that intermittently moves a print medium by a number of feeds, and a feed value that is commanded to the feed mechanism. A control unit that controls feeding of the print medium. The control unit sets the correction value of the feed value for the first print medium that is least slippery among the plurality of types of print media that are scheduled to be used in the printing apparatus to zero, and the second slippery second By setting the correction value of the feed value for the print medium to a non-zero value, the feed value is corrected so that the average feed error δave for the first and second print media takes a value close to zero, respectively. The corrected feed value is commanded to the feed mechanism.
[0007]
In such a printing apparatus, the average feed error δave for the first and second print media is adjusted to a value close to zero, so that it is possible to improve the image quality when these print media are used. .
[0008]
The second print medium may include a print medium that is most slippery among the plurality of types of print media, or may include roll paper. Here, “roll paper” means a printing medium wound in a roll shape.
[0009]
The most slippery print media usually has a lower feeding accuracy than other print media. Further, since the roll paper tends to be pulled in the opposite direction toward the holder side of the roll paper, the feeding accuracy is also low. Therefore, if the feed amount is corrected for these print media, the effect of correcting the feed error and improving the image quality is great.
[0010]
The control unit may determine the corrected feed value based on feed amount data and feed correction value data included in print data given from an external device to the printing apparatus.
[0011]
In such a configuration, an external device (for example, a printer driver of a host computer) can send feed correction value data corresponding to the type of print medium to the printing device in addition to the regular feed amount data. The burden on the device side is reduced.
[0012]
The printing apparatus includes a print head for ejecting ink to form dots on the print medium, and the print head has a pitch along the feeding direction of the print medium with respect to at least one color of ink. It has N nozzles (N is an integer of 2 or more) that are arranged at k · D (k is an integer of 1 or more and D is the minimum dot pitch in the feed direction) and eject the same ink. It may be. At this time, the average feed error δave relating to the first and second print media is an average error when the feed is executed with a feed amount of N × (k · D) or less.
[0013]
Also, the average feed error δave for the first and second print media is preferably between about −0.5D and about + 0.5D.
[0014]
Further, when the integer k is a value of 2 or more, a value (k−1) δave obtained by multiplying the average feed error δave related to the first and second printing media by (k−1) is about − Particularly preferred is between 0.5D and about + 0.5D.
[0015]
When the integer k is 2 or more (that is, when the nozzle pitch is 2D or more), a feed error of (k−1) δave may be accumulated between adjacent raster lines. Therefore, the image quality can be further improved by setting the cumulative error (k-1) δave to a value between about -0.5D and about + 0.5D.
[0016]
Note that the present invention can be realized in various aspects, and can be realized in aspects such as a printing apparatus, a paper feeding apparatus, and an adjustment method thereof.
[0017]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described in the following order based on examples.
A. Overall configuration of the device:
B. Sub-scan feed accuracy and image quality degradation:
C. Feed amount correction in the embodiment:
D. Variation:
[0018]
A. Overall configuration of the device:
FIG. 1 is a schematic perspective view showing a main configuration of a
[0019]
The printing paper P is taken up from the
[0020]
FIG. 2 is a block diagram showing an electrical configuration of the
[0021]
The main
[0022]
A printer driver (not shown) of the
[0023]
The
[0024]
FIG. 3 is an explanatory diagram showing the nozzle arrangement on the lower surface of the
[0025]
In addition, the capital letter of the first alphabet in the code | symbol which shows each nozzle group means an ink color, and subscript " D ”Indicates that the ink has a relatively high density, and the subscript“ L "" Means that the ink has a relatively low density.
[0026]
The plurality of nozzles of each nozzle group are aligned at a constant nozzle pitch k · D along the sub-scanning direction SS. Here, D is the minimum dot pitch in the sub-scanning direction (that is, the dot pitch at the maximum printing resolution in the sub-scanning direction), and k is an integer of 1 or more. The dot pitch D is, for example, 1/720 inch (= 35.3 μm) when the maximum print resolution in the sub-scanning direction is 720 dpi. For example, a value such as 4 or 6 is used as the integer k.
[0027]
Each nozzle is provided with a piezo element (not shown) as a drive element for driving each nozzle to eject ink droplets. At the time of printing, ink droplets are ejected from each nozzle while the
[0028]
B. Sub-scan feed accuracy and image quality degradation:
FIG. 4 is an explanatory diagram showing sub-scanning and dot recording when there is no feed error. In this figure, for convenience of explanation, the
[0029]
Each time one main scan is completed, the print medium PM is sub-scan fed by the sub-scan driving mechanism at a constant feed amount L · D (L is an integer, D is a dot pitch). In the example of FIG. 4, L = 7. In the present specification, one main scan is also referred to as “pass”. When sub-scan feed is performed with a constant feed amount L · D, the integer L is a value such that the remainder when the integer L is divided by the integer k (representing the nozzle pitch) is (k−1). Is preferably adopted.
[0030]
In the print medium PM described as “
[0031]
As described above, in the recording method shown in FIG. 4, the print medium PM is shifted upward by 7 dots each time the sub-scan feed is performed, and each nozzle moves on each raster line during one main scan. Dot recording is executed with all dot positions as recording targets. The characters “pass 1” to “pass 4” written on the right side of the print medium PM in
[0032]
FIG. 5 is an explanatory diagram showing the state of sub-scanning and dot recording when there is a feed error. Here, it is assumed that the feed amount L of each sub-scan feed has a certain positive feed error δave. That is, in
[0033]
In practice, the feed error usually takes a different value for each sub-scan feed. The feed error δave shown in FIG. 5 can be considered to be an average value of such feed errors that fluctuate. That is, FIG. 5 shows a virtual case where each sub-scan feed has an error equal to the average feed error δave.
[0034]
FIG. 6A shows the positional relationship of raster lines recorded in each pass of FIG. The raster line L5 recorded by the 4th nozzle in
[0035]
FIG. 6B shows a case where the feed error is a negative value −δave. In this case as well, as in FIG. 6A, the feed error −δave for three times is accumulated in the distance between the raster lines L2 and L3. The sign of the value is the case in FIG. 6A. And vice versa. That is, the pitch between these two raster lines L2 and L3 is smaller than the dot pitch D by 3δave.
[0036]
As can be understood from FIGS. 6A and 6B, when interlaced printing with sub-scan feed (referred to as “regular feed”) with a constant feed amount is executed, the maximum cumulative feed error between adjacent raster lines is obtained. The value is often (k−1) δave. Here, k is an integer representing the nozzle pitch. “Interlaced printing” means a printing method in which an integer k is 2 or more and a raster line that is not recorded is sandwiched between raster lines that are recorded in one pass.
[0037]
In the case of FIG. 6A, since the pitch between the raster lines L2 and L3 is larger than the ideal pitch D, the portions of the two raster lines L2 and L3 are in the form of light streaks with the naked eye. Looks to the part. Such light-colored streak-like portions (hereinafter referred to as “bright banding” or “light banding”) are observed as image quality deterioration.
[0038]
On the other hand, in the case of FIG. 6B, since the pitch between the raster lines L2 and L3 is smaller than the ideal pitch D, the portions of the two raster lines L2 and L3 are dark to the naked eye. It looks like a streak. Such dark streak portions (hereinafter referred to as “dark banding” or “dark banding”) are also observed as image quality degradation.
[0039]
As described above, when an error δave exists in the sub-scan feed amount, bright banding and dark banding occur. Therefore, it is preferable that the sub-scan feed mechanism is adjusted so that the average feed error δave takes a value near zero. Here, “average error δave near zero” means a value in a range of about −0.6D to about + 0.6D (D is a dot pitch at the maximum print resolution in the sub-scanning direction). The average error δave is preferably a value in the range of about −0.5D to about + 0.5D. Further, as can be understood from FIGS. 6A and 6B, in interlaced printing, there may be a shift of (k−1) δave between adjacent raster lines. Therefore, it is particularly preferable that the amount of deviation (k-1) δave is a value in the range of about −0.5D to about + 0.5D of the dot pitch D. For example, when the maximum resolution in the sub-scanning direction is 720 dpi, the average feed error δave may be a value in the range of about −21 μm to about +21 μm, but is a value in the range of about −18 μm to about +1 μm. In particular, when k = 4, a value in the range of about −6 μm to about +6 μm is preferable. When the average feed error δave is within such a range, image quality deterioration due to banding caused by the feed error can be prevented.
[0040]
However, the value of the average feed error δave depends on the type of print medium. That is, there are print media that are relatively slippery and media that are relatively difficult to slip. For a slippery print medium, the average feed error δave tends to be negative, whereas for a slippery print medium, the average feed error δave tends to be positive. The
[0041]
C. Feed amount correction in the embodiment:
FIG. 7 is an explanatory diagram showing the user interface of the printer driver displayed on the screen of the host computer 100 (FIG. 2). The user can select one print medium to be actually used from a plurality of types of print media (also referred to as “printing paper”) scheduled to be used in the
[0042]
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a feed error δ regarding three types of print media in the comparative example. FIG. 8A shows fluctuations in the feed error δ for three types of print media: plain paper, glossy film, and photographic paper. The feed error δ varies with each sub-scan, but the average feed error is almost constant. That is, the average feed error δave is about 0 μm for plain paper, about −8 μm for glossy film, and about −15 μm for photographic paper.
[0043]
By the way, when a print medium that is difficult to slip is fed by the sub-scanning drive mechanism, it is fed with almost no slip. On the other hand, since a slippery print medium is fed while sliding, the amount fed is less than a print medium that is difficult to slip. That is, the phrase “the print medium is more slippery” means that the value of the feed error δ is smaller. As can be understood from this, among the three types of print media in FIG. 8, plain paper is the least slippery and photographic paper is the most slippery. FIG. 8B shows the cumulative feed error Σδ for these print media.
[0044]
In this specification, “feed error δ” means a difference between the sub-scan feed amount data given from the
[0045]
The feed error δ is measured, for example, when the sub-scan feed is repeatedly executed with a constant feed amount. Note that the sub-scan feed amount is generally a value of N × (k · D) or less. Here, N is the number of nozzles for one color arranged along the sub-scanning direction, and k · D is the nozzle pitch. This is because when the sub-scan feed is performed with a feed amount exceeding N × (k · D), raster lines that cannot be recorded remain. However, when the feed error δ and its average value δave are measured, it is preferable that the feed error δ is measured by actually executing the sub-scan feed scheduled to be executed by the
[0046]
In the example of FIG. 8A, the sub-scan feed mechanism is set so that the average feed error δave of plain paper that is most difficult to slip among the plurality of types of print media scheduled to be used in the
[0047]
FIG. 9 is an explanatory diagram illustrating a feed error δ regarding three types of print media in the embodiment. In this embodiment, as will be described later, the actual feed amount of the photographic paper is corrected by correcting the command value of the feed amount supplied to the
[0048]
FIG. 10 is an explanatory diagram showing a feed amount correction method in the embodiment. FIG. 10A shows the format of print data supplied from the
[0049]
Note that the various commands shown in FIG. 10A each have a header portion and a data portion, but are simplified in FIG. 10A. These command groups are intermittently supplied from the
[0050]
FIG. 10B shows the paper feed correction amount for the four types of print media, the value of the paper feed correction command CFC, and the feed command value supplied to the
[0051]
As shown in FIG. 8, the plain paper and the glossy film have a relatively small feed error δ even when the feed correction is not performed, so the paper feed correction amount is set to zero. Further, the paper feed correction amount δ1 of the photographic paper is set to be twice the minimum paper feed correction amount Δ in the
[0052]
The roll type photographic paper is a photographic paper wound in a roll shape. A printing medium wound in a roll shape tends to be pulled toward the roll side (that is, backward), and the feed error δave tends to be more negative. Accordingly, the paper feed correction amount δ2 is also set to a large value accordingly. Note that materials other than photographic paper can be used as the material of the roll type print medium (hereinafter referred to as “roll paper”). In this case, the paper feed correction amount is set according to the material of the roll paper. Note that the value of the paper feed correction amount is experimentally determined in advance for each print medium.
[0053]
The value of the paper feed correction command CFC supplied from the
[0054]
The value of the paper feed correction command CFC is determined by a command generation unit (not shown) in the printer driver according to the selection when the user selects the type of print medium in the window as shown in FIG. . In the printer driver, the correspondence between each print medium and the value of the paper feed correction command CFC is registered in advance.
[0055]
The
[0056]
As described above, in this embodiment, for slippery print media such as photographic paper, the feed value is corrected in the
[0057]
Further, the printer driver on the
[0058]
D. Variation:
The present invention is not limited to the above-described examples and embodiments, and can be implemented in various modes without departing from the gist thereof. For example, the following modifications are possible.
[0059]
D1. Modification 1:
In the above-described embodiment, the printer that performs “regular feed” that employs a constant value as the sub-scan feed amount has been described. However, the printer that performs “variable feed” that employs a plurality of different values as the sub-scan feed amount, The present invention can be applied.
[0060]
D2. Modification 2:
In the above embodiment, a color ink jet printer has been described. However, the present invention can also be applied to a monochrome printer, and can also be applied to printers other than the ink jet system. The present invention is generally applicable to a printing apparatus that records an image on a print medium, and can also be applied to, for example, a facsimile machine and a copier.
[0061]
D3. Modification 3:
In the above embodiment, the case where the integer k representing the nozzle pitch is 4 has been described. However, this integer k can take any integer of 1 or more. However, since the nozzle pitch is equal to the dot pitch D when k = 1, the problem of accumulation of feed errors as described in FIG. 6 does not occur. Therefore, the present invention provides a remarkable effect particularly when applied to the case where the integer k is 2 or more.
[0062]
D4. Modification 4:
In the above embodiment, as shown in FIG. 8, the feed error δ is large with respect to the most slippery print medium (photo paper or roll type photo paper) among a plurality of types of print media usable in the
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic perspective view showing a main configuration of a
FIG. 2 is a block diagram showing an electrical configuration of the
3 is an explanatory diagram showing a nozzle arrangement on the lower surface of the
FIG. 4 is an explanatory diagram showing sub-scanning and dot recording when there is no feed error.
FIG. 5 is an explanatory diagram illustrating sub-scanning and dot recording when there is a feed error.
FIG. 6 is an explanatory diagram showing raster line misalignment between a case where the feed error δave is positive and a case where it is negative.
FIG. 7 is an explanatory diagram showing a user interface of a printer driver.
FIG. 8 is an explanatory diagram showing a feeding error δ of a printing medium in a comparative example.
FIG. 9 is an explanatory diagram illustrating a printing medium feeding error δ in the embodiment.
FIG. 10 is an explanatory diagram showing a feed amount correction method in the embodiment.
[Explanation of symbols]
20 ... Color inkjet printer
22 ... Paper stacker
24. Paper feed roller
26 ... Platen plate
28 ... Carriage
30 ... Carriage motor
31 ... Paper feed motor
32 ... Traction belt
34 ... Guide rail
36 ... Print head
50: Receive buffer memory
52 ... Image buffer
54 ... System controller
61 ... Main scanning driver
62 ... Sub-scanning driver
63: Head drive driver
100: Host computer
Claims (6)
前記印刷媒体を間欠的に多数回の送りで移動させる送り機構と、
前記送り機構に対して送り値を指令することによって、前記送り機構による前記印刷媒体の送りを制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記印刷装置での使用が予定されている複数種類の印刷媒体の中の最も滑り難い第1の印刷媒体に関する送り値の補正値をゼロに設定するとともに最も滑り易い第2の印刷媒体に関する送り値の補正値をゼロで無い値に設定することによって、前記第1と第2の印刷媒体に関する平均送り誤差δave がそれぞれゼロ近傍の値を取るように前記送り値を補正するとともに、前記補正された送り値を前記送り機構に指令することを特徴とする印刷装置。A printing apparatus for recording an image on a print medium,
A feed mechanism that intermittently moves the print medium by multiple feeds;
A control unit that controls feeding of the print medium by the feeding mechanism by instructing a feeding value to the feeding mechanism;
With
The control unit sets the correction value of the feed value for the first print medium that is least slippery among the plurality of types of print media that are scheduled to be used in the printing apparatus to zero, and the second slippery second By setting the correction value of the feed value for the print medium to a non-zero value, the feed value is corrected so that the average feed error δave for the first and second print media takes a value close to zero, respectively. The printing apparatus is configured to command the corrected feed value to the feed mechanism.
前記第2の印刷媒体は、ロール紙を含む、印刷装置。The printing apparatus according to claim 1,
The printing apparatus, wherein the second print medium includes roll paper.
前記制御部は、外部装置から前記印刷装置に与えられた印刷データに含まれる送り量データおよび送り補正値データに基づいて、前記補正された送り値を決定する、印刷装置。The printing apparatus according to claim 1 or 2,
The control unit, wherein the control unit determines the corrected feed value based on feed amount data and feed correction value data included in print data given to the printing device from an external device.
インクを吐出して前記印刷媒体上にドットを形成するための印刷ヘッドを備え、
前記印刷ヘッドは、少なくとも1色分のインクに関して、前記印刷媒体の送り方向に沿ってピッチk・D(kは1以上の整数、Dは前記送り方向における最小のドットピッチ)で配列されて同一のインクを吐出するN個(Nは2以上の整数)のノズルを有しており、
前記第1と第2の印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave は、前記送りをN×(k・D)以下の送り量で実行したときの平均誤差である、印刷装置。The printing apparatus according to claim 1, further comprising:
A print head for ejecting ink to form dots on the print medium;
The print heads are arranged at the same pitch k · D (k is an integer equal to or greater than 1 and D is the minimum dot pitch in the feed direction) along the feed direction of the print medium with respect to at least one color of ink. Having N nozzles (N is an integer of 2 or more) for discharging
The average feed error δave related to the first and second print media is an average error when the feed is executed with a feed amount of N × (k · D) or less.
前記第1と第2の印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave は、約−0.5Dと約+0.5Dとの間にある、印刷装置。The printing apparatus according to claim 4, wherein
The printing apparatus, wherein the average feed error δave for the first and second print media is between about −0.5D and about + 0.5D.
前記整数kは2以上の値であり、
前記第1と第2の印刷媒体に関する前記平均送り誤差δave に(k−1)を乗じた値(k−1)δave は、約−0.5Dと約+0.5Dとの間にある、印刷装置。The printing apparatus according to claim 5,
The integer k is a value equal to or greater than 2.
A value (k−1) δave, obtained by multiplying the average feed error δave for the first and second print media by (k−1), is between about −0.5D and about + 0.5D. apparatus.
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