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JP3863788B2 - 内視鏡 - Google Patents

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JP3863788B2
JP3863788B2 JP2002026981A JP2002026981A JP3863788B2 JP 3863788 B2 JP3863788 B2 JP 3863788B2 JP 2002026981 A JP2002026981 A JP 2002026981A JP 2002026981 A JP2002026981 A JP 2002026981A JP 3863788 B2 JP3863788 B2 JP 3863788B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は操作部内に撮像ユニットを設け、挿入部を細径にするのに適した内視鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では挿入部先端に固体撮像素子を内蔵した電子内視鏡が一般的であるが、挿入部径が非常に細く、挿入部の先端に固体撮像素子が搭載できない内視鏡においては、特開平11−151200や特開平11−23983で示すような挿入部内には極細のガラス繊維を束ねたイメージガイドを内蔵させ、操作部内に設けた投影レンズを介して固体撮像素子に前記イメージガイドから伝達された観察画像を投影し、その固体撮像素子で電気信号に変換し、ビデオプロセッサを介してモニタに表示する内視鏡がある。
【0003】
また、医療製品の滅菌手段の1つとして高圧高温蒸気中に一定時間滅菌対象物を放置するオートクレーブ滅菌があり、ランニングコストの低さから内視鏡分野においてもそのニーズは高い。
【0004】
オートクレーブ滅菌に対して耐性を持たせるために挿入部先端に固体撮像素子を内蔵した電子内視鏡は特開平10−234649のように挿入部先端の対物レンズから操作部内に設けられた電装部品周りまで金属製のカバーで覆いその内部を気密封止することで、レンズ周りの水蒸気によるレンズ周りの曇りや固体撮像素子の電装部分の腐食、短絡を防いでいる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特開平11−151200や特開平11−23983に記載されているように、従来の可撓性(柔軟性)を有する挿入部内にその可撓性を保つことができるように(可撓性の)イメージガイドを内蔵し、操作部内に投影レンズと固体撮像素子を設けた電子内視鏡の構造の場合には、レンズ周りの空間や固体撮像素子の電装部分は気密封止されていないために、内視鏡をオートクレーブ滅菌にかけるとレンズ内で水蒸気付着による曇りや、電装部分における水蒸気付着による腐食、短絡が発生する可能性があった。
【0006】
また、特開平11−234649では挿入部内に気密封止用の金属製のインナーパイプを通しているため、挿入部が硬性である程度の径が許される腹腔鏡や胸腔鏡では採用できるが、消化管や気管支等で使用される挿入部に細さと挿入性のための柔軟性が要求されるいわゆる軟性内視鏡では、前記構造を適用することは難しい。
【0007】
(発明の目的)
本発明は上述した点に鑑みてなされたもので、挿入部の柔軟性(軟性)を損なうこと無く、かつ、挿入部の細径化が実現可能でオートクレーブ滅菌に耐性を有する内視鏡を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡は、操作部の基端から延出した長尺で軟性の挿入部の遠位端に設けた対物光学系と、前記対物光学系より入射した像を伝達するイメージガイドと、前記イメージガイドにより伝達された光学像を投影する投影光学系と、前記投影光学系で投影された光学像を光電変換する固体撮像素子と、前記固体撮像素子に電気的に接続される電装部と、前記固体撮像素子に光学像が結像するように固体撮像素子、投影光学系およびイメージガイドの出射端部の相対的な位置関係を固定可能な撮像ユニットと、前記イメージガイドにおける出射端部側外周面を覆うイメージガイド用パイプと、前記イメージガイド用パイプを挿通する孔が形成されたイメージガイド保持部材と、を備え、前記イメージガイド用パイプの外周面と前記イメージガイド保持部材における孔の内周面との間に形成された空間の少なくとも一部がろう付けによる気密封止により封止されたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
まず、本発明の実施の形態の説明に先立って、本発明の参考となる例について説明する。
(参考例)
図1ないし図4は本発明の参考例に係り、図1は当該参考例における内視鏡の外観を示し、図2は当該内視鏡における主要部の概略の構成を示し、図3は当該内視鏡における先端部の構成を示し、図4は当該内視鏡における操作部内に収納した撮像ユニット部の詳細な構成を示す。
【0010】
図1及び図2に示すように内視鏡1は、体腔内等に挿入される細長で可撓性を有する挿入部2と、この挿入部2の後端に設けられ、術者が把持する把持部3が設けられた操作部4と、この操作部4の側部からその基端が延出されたユニバーサルコード5と、このユニバーサルコード5の先端に設けられたコネクタ部6とから構成される。
【0011】
挿入部2はその先端(遠位端)に設けられた先端部7と、この先端部7の後端に湾曲自在に設けられた湾曲部8と、この湾曲部8の後端から操作部4の前端に至る長尺で可撓性を有する可撓部(軟性部)9とからなり、操作部4に設けた湾曲操作ノブ10を操作することにより、図示しない湾曲ワイヤを介して湾曲部8を湾曲することができ、屈曲した体腔内等にも挿入したり、所望とする方向に先端部7を向ける等ができるようにしている。
【0012】
図2に示すように挿入部2内には照明光を伝送するライトガイド11が挿通されており、このライトガイド11は操作部4、ユニバーサルコード5内を挿通され、コネクタ部6において突出するライトガイド口金12となり、このライトガイド口金12を図示しない光源装置に装着することにより、ライトガイド口金12の端面に光源装置から照明光が供給される。
【0013】
光源装置からの照明光はライトガイド11により伝送され、先端部7の照明窓部に取り付けられた先端面からさらに照明レンズ13を経て出射され、体腔内の患部等の被写体を照明する。
【0014】
照明された被写体は先端部における照明窓部に隣接して設けられた観察窓部に気密的に取り付けられた対物レンズ系14によりその光学像が結像される。この結像位置にはイメージガイド15の先端面(入射端面)が固定されている。そして、この先端面に結像された光学像はイメージガイド15によりその後端面(出射端面)に伝送される。
【0015】
このイメージガイド15の後端面は操作部4の把持部3の内側に収納した、気密構造にした撮像ユニット部16に取り付けられ、その後端面に伝送された光学像は中継光学系としての投影レンズ系(結像レンズ系)17により、固体撮像素子、例えば電荷結像素子(CCDと略記)18に投影(結像)される。
【0016】
このCCD18はその背面側に配置した電装部としての回路基板19と接続され、この回路基板19はハーメチックコネクタ20を介して信号ケーブル21と接続されている。この信号ケーブル21はユニバーサルコード5内を挿通されてコネクタ部6の電気コネクタ22に接続されている。
【0017】
この撮像ユニット部16は、図4を参照して後述するように、その内部を気密構造にして、オートクレーブ滅菌処理を行えるような構造にしている。
【0018】
上記電気コネクタ22は図示しない接続ケーブルを介して映像信号処理装置としてのビデオプロセッサと接続され、ビデオプロセッサからの駆動信号によりCCD18によって光電変換された撮像信号が読み出され、この撮像信号はビデオプロセッサ内部の映像処理回路により、映像信号に変換され、図示しないモニタに出力し、モニタの表示面にはCCD18で撮像した画像が内視鏡画像として表示されるようにしている。
【0019】
図3は先端部7における対物レンズ系14付近の構造を示す。
先端部7は略円柱形状の金属から先端部本体24で形成され、この先端部本体24の軸方向に設けた観察窓部(を形成する孔)には対物レンズ系14が気密的に取り付けられ、またその光軸上の結像位置にはイメージガイド15の先端部が金属製のパイプ25aを介して気密的に固定されている。
【0020】
イメージガイド15は極細のガラス繊維15aを多数束ねたものから構成され、その先端部及び後端部(図4参照)の両端部には金属製のパイプ25a、25bがそれぞれ外周を覆うように取り付けられ、パイプ25a、25bによりその内側を保護している。また、イメージガイド15における両端部を除く間のガラス繊維15aの束の外周は、軟性のシリコン樹脂等からなる軟性チューブ26で被覆されている。
【0021】
前記対物レンズ系14は、例えば2枚のレンズからなる前側レンズ群27aと1枚のレンズからなる後側レンズ27bで構成されている。前側レンズ群27aは、その外周面に金属を蒸着して、先端部本体24の観察窓部の孔に嵌入してその嵌合する部分(金属の蒸着部分)を孔の内周面にろう付けして気密接合している。
【0022】
後側レンズ27bも同じように外周面に金属を蒸着して、パイプ25aの内周面にろう付けして気密接合されている。
【0023】
また、ガラス繊維15aの先端部においてもその外周面に金属蒸着後、パイプ25aにろう付けし、気密接合されている。
さらに、パイプ25aと先端部本体24(の観察窓部の孔)も、ろう付けで気密に接合されている。
【0024】
このようにして、高圧高温蒸気中でのオートクレーブ滅菌を行った場合にも、蒸気が対物レンズ系14の内部の空間28内に侵入しないようにして(侵入した場合におこる曇りで)結像機能を劣化させるようなことを防止できる気密構造にしている。
【0025】
先端部本体24の後端には湾曲部8を形成する最先端の関節駒29がろう付け等で固着され、その後端は次段の関節駒29がリベット等で回動自在に連結され、複数の関節駒29(図2参照)により湾曲部8が形成されている。
また、図3に示すように関節駒29の外周は軟性の外装部材となるゴムチューブ30で覆われている。
【0026】
図4は把持部3内部に設けられた撮像ユニット部16を示す。この撮像ユニット部16は、イメージガイド15によってその出射端面(後端面)に伝達された光学像(内視鏡観察画像)を投影レンズ系17によってCCD18に投影し、電気信号に変換するものであるので、イメージガイドCCD接続ユニット部とも言える。
【0027】
イメージガイド15の後端部は前述のように金属製のパイプ25bで覆われ、このパイプ25b部分はイメージガイド保持部材32の中心に形成した孔部に挿入され気密的に接合されている。このイメージガイド15の軸延長上には観察画像が適切にフォーカスした投影像を形成するように投影レンズ系17を収納固定した投影レンズ枠33が投影レンズ保持部材34を介してイメージガイド保持部材32に気密的に固定される。
【0028】
さらにその軸延長上にCCD18を収納したCCD保持部材35が、CCD18の撮像面に投影レンズ系17により投影された観察画像がフォーカスするピント状態の位置に投影レンズ枠33に気密的に接続されている。
【0029】
また、CCD18の外周付近からその後方側は金属製で筒形状のシールド部材36で覆われている。そして、その内側には、CCD18の背面側に配置したプリント基板等の回路基板19がCCD18と接続された状態で収納され、さらに回路基板19の後方側には複数の導電性ピン37を、それらを互いに絶縁して気密保持するハーメチックコネクタ20が設けてあり、このハーメチックコネクタ20の外周面をシールド部材36に気密的に固定している。
【0030】
このハーメチックコネクタ20は円板形状の金属部材に複数設けた孔に各導電性ピン37を貫通するように通し、各孔における導電性ピン37の周囲に気密性の絶縁手段としてのガラス封止部材38を流し込んで気密封止したもので、このハーメチックコネクタ20における各導線性ピン37の内部側の端部は回路基板19とリード線等で接続され、また、外部側の端部は信号ケーブル21から延出している複数の信号線39と接続されている。
【0031】
この信号ケーブル21は操作部4、ユニバーサルコード5、コネクタ部6内部を通って電気コネクタ22(図2参照)に接続されている。そして、上述のように、図示しない接続ケーブルを介してビデオプロセッサに接続することで、観察画像の電気信号をビデオプロセッサに伝送できるようにしている。
【0032】
ちなみにイメージガイド15自体はオートクレーブに耐性があるため、挿入部2内を通っているイメージガイド15外周に金属のパイプで覆うような気密封止する構造は必要ない。
【0033】
ここで、各々の部材の接続方法を述べると、イメージガイド15の後端部(ガラス繊維15aの後端部)の外周は金属蒸着が施されて、パイプ25bにろう付けされて気密接合されている。パイプ25bとイメージガイド保持部材32は、その嵌合部分がろう付けによって気密接合されている。
【0034】
また、投影レンズ保持部材34とイメージガイド保持部材32,投影レンズ保持部材34と投影レンズ枠33,投影レンズ枠33とCCD保持部材35,CCD保持部材35とシールド部材36,ハーメチックコネクタ20とシールド部材36は各々の嵌合する部分(図4の嵌合部40,41,42,43,44)においてレーザ溶接(レーザ溶接部40′,41′,42′,43′,44′)によりそれぞれ気密接合されている。
【0035】
なお、照明レンズ13においても、例えばライトガイド11の先端面と照明レンズ13との間に隙間が存在するような場合には、対物レンズ系14とイメージガイド15の先端部との気密的にするのと同様に気密構造にしても良い。
【0036】
なお、内視鏡1を構成する各部材はオートクレーブ滅菌する際の温度に耐える特性を持った材質の部材が採用されている。
【0037】
次に本参考例おける主にオートクレーブ滅菌する場合の作用を説明する。 この内視鏡1は挿入部2が細いので、気管支等の検査の場合にも、患者に大きな苦痛を強いることなく使用できる。
【0038】
内視鏡検査を行う前にはこの内視鏡1を滅菌処理することが必要となり、この内視鏡1をオートクレーブ滅菌装置に入れ、内視鏡1をオートクレーブ滅菌処理、つまり高温高圧の水蒸気の環境中に所定時間さらす。
【0039】
この場合、内視鏡1のゴムチューブ30等の外装部材を通して蒸気がその内部に浸透するような状態となる。この場合、対物レンズ系14はその内部の空間28が気密構造にされているので、この空間28内に蒸気が入り込むことを防止することができる。
【0040】
また、軟性チューブ26を蒸気が浸透してもイメージガイド15はオートクレーブ雰囲気中に対する耐性を有しているので、支障ない。ライトガイドの場合も同様である。
【0041】
また、操作部4の外装部材を蒸気が浸透しても、撮像ユニット部16は、上述したようにその内部を気密構造にしているので、図4に示すようにイメージガイド15の後端面と投影レンズ系17との間の空間45、投影レンズ系17の内部の空間46、投影レンズ系17後端とCCD18との間の空間47,シールド部材36の内部の空間48を気密に保持できる。
従って、蒸気が侵入した場合の曇りによる撮像機能の劣化や回路部品が蒸気で特性劣化等することを防止できる。
【0042】
以上説明したように、本参考例によれば、前側レンズ群27aと後側レンズ27bとの間の空間28、イメージガイド15の後端と投影レンズ系17との間の空間45、投影レンズ系17の内部の空間46、投影レンズ系17後端とCCD18との間の空間47,シールド部材36の内部の空間48を気密に保持できる。
【0043】
従って、本参考例は以下の効果を有する。
本参考例によれば、、挿入部2の柔軟性と細さを損なうことなく、オートクレーブ滅菌等の高圧高温蒸気の環境にさらされても、上記空間28,45等に蒸気が侵入することを防止できるので、レンズ等が曇らず、また、電装部分を腐食させたり、短絡させることもなく、オートクレーブ滅菌により繰り返し内視鏡検査ができる内視鏡1を提供できる。
【0044】
次に、本発明の実施の形態について説明する。
(本発明の実施の形態)
次に本発明の実施の形態を図5を参照して説明する。本実施の形態は図2に示す内視鏡1において、撮像ユニット部16の代わりに図5に示す構造の撮像ユニット部(イメージガイドCCD接続ユニット部)16Bを採用したものである。
【0045】
つまり、この撮像ユニット部16Bは、(先端部7に設けた対物レンズ系14による光学像を入射端で受け)イメージガイド15の出射端に伝達された光学像を投影レンズ系17によってCCD18に投影し、電気信号に変換するものである。
【0046】
本実施の形態は、前記参考例における撮像ユニット部16において、イメージガイド保持部材32の代わりに、その内径をより大きくして、イメージガイド15を調整して固定可能な構造にしたイメージガイド保持部材51を採用すると共に、このイメージガイド保持部材51の前端からハーメチックコネクタ20に至る部分を(気密的カバーが可能な)金属製のカバー52で気密的に覆う構造にしたものである。以下、より詳細にその構成を説明する。なお、前記参考例と同じ構成部分は同じ符号を付け、その説明を省略する。
【0047】
イメージガイド15はその後端部に設けた金属製のパイプ25b部分がイメージガイド保持部材51により保持される。このイメージガイド保持部材51にはイメージガイド15の軸の中心の位置を調整するためのビス53とイメージガイド15の傾きを調整するビス54がそれぞれ取り付けられるねじ孔が、周方向に3箇所(3等分)位置に設けられている。このビス53,54によって、イメージガイド15は保持される。
【0048】
また、イメージガイド保持部材51におけるビス53,54の間の部分には、その内側に配置されるパイプ25bの外周面に連通するようにイメージガイド保持部材51を貫通する孔55が設けられている。
また、イメージガイド15の軸の延長上には投影レンズ系17が取り付けられた投影レンズ枠33が、イメージガイド15の後端面に伝送された光学像をフォーカス状態で投影できるれる位置に投影レンズ保持部材56を介して固定されている。
【0049】
投影レンズ保持部材56とイメージガイド保持部材51の接続部分でイメージガイド保持部材51のビス53,54,孔55の位置に開口するように、投影レンズ保持部材56には3つの孔57が空いている。
【0050】
投影レンズ枠33における投影レンズ系17の光軸上の投影位置にはCCD18を保持しているCCD保持部材35が固定されており、さらにその背面側には回路基板19,ハーメチックコネクタ20が配置され、CCD18,回路基板19の外周側は電波を遮断するための金属部材からなるシールド部材36で覆われている。
【0051】
イメージガイド保持部材51の前端付近から撮像ユニット部16Bの後端となるハーメチックコネクタ20の外周面に至る部分を覆うようにして金属部材からなるカバー52が撮像ユニット部16Bの略全体を覆うように設けられている。 この場合における各々の接続方法を述べると、ガラス繊維15aとパイプ25bはろう付けにより気密接合されている。
【0052】
パイプ25bとイメージガイド保持部材51はビス53,54でガラス繊維15aの芯調整や、傾き調整を行った後、孔57,55からろうを流すことで、孔55の内側のパイプ25b外周面とイメージガイド保持部材51内周面との隙間にろう58が充満して、このろう58よりも後方側が外部と遮断されて気密接合される。なお、この孔55よりも前側のビス54が取り付けられるネジ孔はビス54でイメージガイド15を調整固定した後、その頂部(上端)に孔57からろう58を流しこみ水密的に封止すうようにしている。
【0053】
また、カバー52とイメージガイド保持部材51,カバー52とハーメチックコネクタ20は各々の嵌合させた部分(嵌合部61,62)がレーザ溶接によってレーザ溶接部61′、62′が形成されて気密接合されている。
【0054】
また、カバー52の内側となり、前記参考例ではレーザ溶接で気密接合した部分は、接着剤での固定で済むようにしている。
【0055】
つまり、イメージガイド保持部材51と投影レンズ保持部材56,投影レンズ枠33と投影レンズ保持部材56,投影レンズ枠33とCCD保持部材35,CCD保持部材35とシールド部材36の各嵌合部40,41,42,43は接着剤で固定されている。
【0056】
本実施の形態のオートクレーブ滅菌処理した場合の作用を説明する。オートクレーブ滅菌処理した場合には、前記参考例で説明したうように操作部の外装部材を浸透して蒸気がその内部に侵入すると、撮像ユニット部16Bは蒸気中にさらされるような状態となる。
【0057】
この場合、撮像ユニット部16Bはその前端のイメージガイド15の固定部分付近及び、撮像ユニット部16Bの後端を除いてその外周面全体がカバー52で気密的におおわれている。
また、このカバー52の前端は嵌合部61のレーザ溶接部61′で気密に保持され、またその後端は嵌合部62のレーザ溶接部62′で気密に保持されている。
【0058】
また、撮像ユニット部16Bにおけるイメージガイド15の後端面はそのパイプ25b部分がイメージガイド保持部材51にろう58で気密にされているので、そのろう58部分よりも後端側のイメージガイド15の後端面側の空間等に蒸気が侵入することを防止できる。また、パイプ部分25bの外周位置よりも前側に設け、ビス54が取り付けられるネジ孔もろう58で気密的に封止されているので、そのネジ孔からカバー52の内部に蒸気が侵入することを防止できる。
【0059】
また、撮像ユニット部16Bにおける後端面はハーメチックコネクタ20で気密封止されているので、この部分より内側の空間にも蒸気が侵入することを防止できる。
【0060】
従って、本実施の形態は以下の効果を有する。
本実施の形態は前記参考例の効果を有すると共に、さらにイメージガイド15の後端(出射端)の固定位置の調整機能を設けたことにより、精度の良い画像調整が行える。
【0061】
なお、図5においては、イメージガイド保持部材51におけるビス53と54との間に気密封止用の孔55を設けているが、さらにビス54(つまり両ビス53,54)よりも前側の位置に気密封止用の孔55を設けた図6の変形例のようにして、その孔55にろう58を流し込んでその内側のパイプ25b外周面とイメージガイド保持部材51内周面との間をろう58で気密にするようにしても良い。
この場合には、図5のようにビス54のネジ孔をろう58で気密に封止する必要がない。その他は図5と同様の構成である。
【0062】
なお、前記参考例においても、イメージガイド保持部材32におけるパイプ25bが嵌合するように挿入される嵌合孔部分の例えば中央付近に外周から嵌合孔に連通する(図5の孔55に相当する)横孔を設けると共に、その部分の嵌合孔部分の孔径を大きくして前記横孔からろうを流し込んで、その内部を充満して気密にできるようにしても良い。
【0063】
[付記]
1.柔軟性を有する材料で構成された長尺の挿入部と、
前記挿入部の基端部に連結された操作部と、
前記挿入部の先端部に設けられて被検体の光学像を取得する対物光学系と、
前記挿入部の全長に亙って挿通され、前記対物光学系から出射された前記光学像を伝達する柔軟性を有するイメージガイドファイバ束と、
前記イメージガイドファイバ束の基端部を保持する筒状の金属材料で形成されたイメージガイド保持部材と、
前記操作部内に設けられて、前記イメージガイドファイバ束の基端面から出射された前記光学像を投影する投影光学系と、
前記投影光学系を内部に保持する筒状の金属部材で形成された投影光学系保持部材と、
前記投影光学系により投影された光学像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子を内部に保持する筒状の金属部材で形成された撮像素子保持部材と、
前記撮像素子に電気的に接続されて、前記撮像素子から出力された電気信号を処理する電子部品が実装された基板と、
その先端部で前記撮像素子保持部材と気密の状態に接続されるとともにその基端部が絶縁性を有する封止材料で気密の状態に封止され、前記基板を内部に収容する筒状の金属材料で形成された基板収容部材と、
前記挿入部の先端部に設けられ、前記対物光学系と前記イメージガイドファイバ束の先端部を気密の状態に接続する第1の気密接続部と、
前記投影光学系保持部材に設けられ、前記投影光学系保持部材に前記イメージガイド保持部材を気密の状態に接続する第2の気密接続部と、
前記投影光学系保持部材に設けられて前記投影光学系保持部材と前記撮像素子保持部材とを気密の状態に接続する第3の気密接続部と、
を具備したことを特徴とする内視鏡。
【0064】
2.前記第2および第3の気密接続手段は、前記投影光学系保持部材に対して前記イメージガイド保持部材および撮像素子保持部材がそれぞれ嵌合することで形成された第1および第2の嵌合部と、前記第1および第2の嵌合部をそれぞれ溶接して形成される第1および第2の溶接部からなることを特徴とする付記1に記載の内視鏡。
【0065】
3.柔軟性を有する材料で構成された長尺の挿入部と、
前記挿入部の基端部に連結された操作部と、
前記挿入部の先端部に設けられて被検体の光学像を取得する対物光学系と、
前記挿入部の全長に亙って挿通され、前記対物光学系から出射された前記光学像を伝達する柔軟性を有するイメージガイドファイバ束と、
前記イメージガイドファイバ束の基端部を保持する筒状の金属材料で形成されたイメージガイド保持部材と、
前記操作部内に設けられて、前記イメージガイドファイバ束の基端面から出射された前記光学像を投影する投影光学系と、
前記投影光学系を内部に保持する筒状の金属材料で形成された投影光学系保持部材と、
前記投影光学系の基端面から出射された前記光学像を撮像する撮像素子と、
前記撮像素子を内部に保持する筒状の金属材料で形成された撮像素子保持部材と、
前記撮像素子に電気的に接続されて、前記撮像素子から出力された電気信号を処理する電子部品が実装された基板と、
その基端部が絶縁性を有する封止材料で封止されて、前記基板を内部に収容する筒状の金属材料で形成された基板収容部材と、
前記挿入部の先端部で前記対物光学系と前記イメージガイドファイバ束を気密の状態に接続する第1の気密接続手段と、
前記中継光学系保持部材と前記撮像素子保持部材を内部に収容するとともに前記イメージガイド保持部材と前記基板収容部材とを気密の状態に接続する筒状の金属材料で形成された第2の気密接続手段と、
具備したことを特徴とする内視鏡。
【0066】
[付記4] 前記イメージガイド保持部材は、前記イメージガイドファイバ束の基端面と前記投影光学系の先端面との距離を調整可能とする調整手段を具備したことを特徴とする付記項2に記載の内視鏡。
【0067】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、挿入部を細径にでき、また、柔軟性を損なわない構造で、オートクレーブ滅菌を行ってもレンズ周りの空間や電装部に水蒸気が浸入せず、水蒸気による曇り、腐食等の発生を防止できる内視鏡を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の参考例となる内視鏡の外観図。
【図2】参考例となる内視鏡における主要部の概略の構成を示す全体図。
【図3】参考例となる内視鏡における挿入部の先端部の構成を示す断面図。
【図4】参考例となる内視鏡における操作部内に収納した撮像ユニット部の詳細な構成を示す断面図。
【図5】 本発明の実施の形態における撮像ユニット部の詳細な構成を示す断面図。
【図6】 本発明の実施の形態の変形例における撮像ユニット部の主要部の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡
2…挿入部
3…把持部
4…操作部
5…ユニバーサルコード
6…コネクタ部
7…先端部
8…湾曲部
11…ライトガイド
13…照明レンズ
14…対物レンズ系
15…イメージガイド
15a…ガラス繊維
16…撮像ユニット部(イメージガイドCCD接続ユニット部)
17…投影レンズ系
18…CCD
19…回路基板
20…ハーメチックコネクタ
21…信号ケーブル
24…先端部本体
25a、25b…パイプ
32…イメ−ジガイド保持部材
33…投影レンズ枠
34…投影レンズ保持部材
35…CCD保持部材
36…シールド部材
40′〜44′…レーザ溶接部

Claims (3)

  1. 操作部の基端から延出した長尺で軟性の挿入部の遠位端に設けた対物光学系と、
    前記対物光学系より入射した像を伝達するイメージガイドと、
    前記イメージガイドにより伝達された光学像を投影する投影光学系と、
    前記投影光学系で投影された光学像を光電変換する固体撮像素子と、
    前記固体撮像素子に電気的に接続される電装部と、
    前記固体撮像素子に光学像が結像するように固体撮像素子、投影光学系およびイメージガイドの出射端部の相対的な位置関係を固定可能な撮像ユニットと、
    前記イメージガイドにおける出射端部側外周面を覆うイメージガイド用パイプと、
    前記イメージガイド用パイプを挿通する孔が形成されたイメージガイド保持部材と、
    を備え、
    前記イメージガイド用パイプの外周面と前記イメージガイド保持部材における孔の内周面との間に形成された空間の少なくとも一部がろう付けによる気密封止により封止されたことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記イメージガイド保持部には、当該イメージガイド保持部材の外周面と前記空間とを連通する、少なくとも1つの、ろう付け用のろうの注入孔が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記イメージガイド保持部には、当該イメージガイド保持部材の外周面と前記空間とを連通する、少なくとも3つの、前記イメージガイドの中心軸位置を調整するためのビスが係合する調整用孔が形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡。
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