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JP3862235B2 - インク噴射記録ヘッド、その製造方法および記録装置 - Google Patents

インク噴射記録ヘッド、その製造方法および記録装置 Download PDF

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Description

本発明は、熱エネルギを利用してインク液滴を記録媒体に向けて飛翔させる形式のインク噴射記録ヘッド、その製造方法、インク噴射記録ヘッドチップの製造方法、このインク噴射記録ヘッドを用いる記録方法および記録装置に関するものである。
パルス加熱によってインクの一部を急速に気化させ、その膨張力によってインク液滴をオリフィスから吐出させる方式のインクジェット記録装置は、特許文献1および特許文献2等によって開示されている。
このパルス加熱の最も簡便な方法は発熱抵抗体にパルス通電することであり、その具体的な方法が、非特許文献1および非特許文献2で発表されている。これら従来の発熱抵抗体の共通する基本的構成は、薄膜抵抗体と薄膜導体を酸化防止層で被覆し、この上に該酸化防止層のキャビテーション破壊を防ぐ目的で、耐キャビテーション層を1〜2層被覆するというものであった。
この複雑な多層構造を抜本的に簡略化するものとして、特許文献3に記載のように、前記酸化防止層と耐キャビテーション層を不要とする発熱抵抗体を用いて印字する方法がある。この場合は、薄膜抵抗体がインクと直接接触しているため、パルス加熱によるインクの急激な気化とそれによるインクの吐出特性とが大幅に改善され、熱効率の大幅な改善と吐出周波数の向上を図ることができた。このような画期的な性能を実現できた最大の理由は、耐パルス性、耐酸化性、耐電食性に優れたCr−Si−SiOまたはTa−Si−SiO合金薄膜抵抗体とNi薄膜導体から構成される発熱抵抗体を用いたことにあり、如何なる保護層も必要としないことによる。
特開昭48−09622号公報 特開昭54−51837号公報 特開平06−071888号公報 特開昭59−138472号公報 日経メカニカル1992年12月28日号58ページ Hewlett-Packard-Journal,Aug.1988
このように従来技術に比較して、大幅に小さな投入エネルギでインク噴射が可能となったので、この発熱抵抗体を駆動用LSIチップ上のデバイス領域に近接して形成しても、もはや、LSIデバイスを加熱して温度上昇をもたらすこともなく、非常に簡単な構成のモノリシックLSIヘッドを実現することができるようになった。これについては、本願発明者が先に出願した特願平05−272452号明細書(特開平06−238901号公報参照)および特願平05−090123号明細書(特開平06−297714号公報参照)に記載の通りである。この新しい技術によって、多くのインク噴射ノズルを持つオンデマンド型インクジェットプリントヘッドが高密度に、しかも2次元的に集積化して製造することができるようになり、しかも、その駆動を制御する配線本数が大幅に削減できるので実装方法も非常に簡略化することができた。
さらに、保護層の不要な薄膜発熱抵抗体の優れた発泡消滅特性(本願発明者の出願に係る特願平05−272451号(特開平07−125212号)参照)を利用すれば、この発熱抵抗体面と垂直またはほぼ垂直方向にインク滴を吐出させる方式のサーマルインクジェットプリントヘッドにおいては、新しい駆動方法によってクロストークを大幅に低減できることが明らかとなった(特願平06−49202号(特願平7−50859号およびその公開公報の特開平7−304174号)参照)。このことは、個別インク通路の長さを短くしてインクの流路抵抗を小さくできることを示しており、吐出インクの補充時間の短縮、すなわち印字速度の大幅な向上も達成できた。
なお、特願平05−090123号(特開平06−297714号参照)ならびに本発明は、一見すると、特許文献4に記載のヘッド構造と類似のものと見られ易いが、構造的には大きな相達点がある。それは、特許文献4に記載の実施例の共通液室(本発明の共通インク通路)の幅(特許文献4のl寸法から決定される)が2〜850mmという範囲にあるのに対し、本発明の共通インク通路は同一基板に作られているインク溝と一体的につながっており、しかもこれら全てを含めた幅が0.2mm程度という桁違いに小さいものであるという違いである。
上に述べたように、新しい駆動方法(特願平06−49202号(特開平7−304174号)参照)を発明したことによってクロストークを大幅に低減できるようになり、印字速度の大幅な向上も達成することができた。そこで、この発明を大規模高集積密度の一体型サーマルインクジェットプリントヘッド(本発明者の発明になる特願平05−090123号(特開平06−297714号参照)に適用してその高性能化を図ったところ、ヘッドの構造面に若干の変更を加えることでこれが達成できると共に、製造技術的にも大幅な改善が行えることが明らかとなった。更に、保護層の不要な発熱抵抗体に加えてヘッド構成材料と製造法を改善することにより、従来技術での限界吐出口列密度を3倍以上にも高密度化できることも明らかとなった。また、インク吐出用オリフィスが2次元的大規模且つ高密度に集積して形成されているオリフィスプレ−トに対しても、正確にその表面層のみに撥水処理をほどこすことができ、オリフィスプレートに対するクリーニング作業の削除または大巾な削減を図ることもできることが明らかとなった。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、その第1の目的は、ノズル配列密度を従来技術の3倍以上として、数千ノズル以上/ヘッドという大規模な高集積ヘッド、例えば、1600dpiのヘッドを実現するとともに、その製造と組み立て実装方法についても容易に量産化できるインク噴射記録ヘッドを提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、上記第1の目的を達成するインク噴射記録ヘッドを用いる記録方法を提供することにある。
また、本発明の第3の目的は、上記第1の目的を達成するインク噴射記録ヘッドを実現し、しかも、このノズル列を高密度に2次元的に配列したヘッド基板を薄膜プロセスのみを用いて効果的に製造できるインク噴射記録ヘッドチップの製造方法およびこれを備えるインク噴射記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、オリフィスプレートの表面層のみを撥水処理できるインク噴射記録ヘッドチップおよびインク噴射記録ヘッドの製造方法を提供することにある。
また、本発明の第4の目的は、上記第1の目的を達成するインク噴射記録ヘッドを用いる記録装置およびヘッドクリーニングの削除または大巾な削減が可能な記録装置を提供することにある。
上記第3の目的を達成するために、本発明は、Si基板上に形成された薄膜抵抗体と薄膜導体とからなる複数個の発熱抵抗体と、この複数個の発熱抵抗体のそれぞれに対応して、前記Si基板上に形成された前記薄膜抵抗体の略垂直上方に設けられ、前記複数個の発熱抵抗体に順次パルス通電することによって前記発熱抵抗体と垂直または略垂直方向にインク滴を吐出する複数個の吐出口と、この複数個の吐出口のそれぞれに対応して前記Si基板上に設けられ、前記Si基板上に設けられた隔壁によって仕切られた複数個の個別インク通路とを備えるインク噴射記録ヘッドを製造する方法であって、前記Si基板の一方の面上に前記複数個の発熱抵抗体の各々と配線接続される駆動用集積回路を形成する工程と、前記Si基板の一方の面上に前記複数個の発熱抵抗体の各々の前記薄膜抵抗体と前記薄膜導体を形成する工程と、前記駆動用集積回路および前記複数個の発熱抵抗体が形成された前記Si基板上に前記隔壁を設ける工程と、前記駆動用集積回路および前記複数個の発熱抵抗体が形成された前記Si基板の前記一方の面に前記複数個の個別インク通路を連通するインク溝を形成する工程と、前記インク溝と前記Si基板の他方の面とを連通する少なくとも1個の連結穴を形成する工程とを含み、前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、前記駆動用集積回路、これに配線接続される前記複数個の発熱抵抗体および前記隔壁が形成された前記Si基板に前記インク溝および前記連結穴を形成するものであり、前記薄膜導体を形成する工程は、前記複数の薄膜導体として、前記駆動用集積回路と前記複数の薄膜抵抗体との間に前記複数の薄膜抵抗体にそれぞれ接続されるように、前記パルス通電するための複数の個別薄膜導体を形成し、前記インク溝と前記複数の薄膜抵抗体との間に前記複数の薄膜抵抗体の全てに接続されるように共通薄膜導体を形成するものであり、前記隔壁を設ける工程は、前記隔壁を、前記駆動用集積回路が形成された領域を覆うように設けるものであることを特徴とするインク噴射記録ヘッドの製造方法を提供するものである。
ここで、前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、同時に行われ、前記インク溝および前記連結穴を同時に形成するものであるのが好ましい
また、前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、前記Si基板にその両側の面から同時に行われ、前記インク溝および前記連結穴を同時に形成するものであるのが好ましい。
また、前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、前記Si基板にその両側の面から1回のエッチングで同時に行われ、前記インク溝および前記連結穴を同時に前記1回のエッチングで形成するものであるのが好ましい。
また、前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、Si異方性エッチングによって前記Si基板に前記インク溝および前記連結穴を形成するものであるのが好ましい。
また、前記インク溝を形成する工程は、前記駆動用集積回路を形成する工程において前記Si基板の前記一方の面に形成され、前記インク溝が配置される部分がエッチングにより除去されたSiO 層をマスクとして用いるものであるのが好ましい。
また、前記SiO 層は、前記発熱抵抗体の断熱層として機能するものであるのが好ましい。
また、前記隔壁を設ける工程は、前記隔壁の材料として、熱分解開始温度が400℃以上の耐熱性樹脂を用いるものであるのが好ましい。
また、前記隔壁を設ける工程は、前記Si基板の前記一方の面に耐熱性樹脂を積層した後、この耐熱性樹脂を反応性ドライエッチングすることにより、前記複数の個別インク通路を形成するための前記隔壁を形成するものであるのが好ましい。
また、前記駆動用集積回路を駆動する制御信号は、前記Si基板の長手方向の端から供給されるものであるのが好ましい。
また、前記連結穴を形成する工程は、前記連結穴を、前記Si基板に形成された1つの前記インク溝に間歇的に穿孔するものであるするものであるのが好ましい。
請求項1〜12のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
また、前記連結穴を形成する工程は、前記連結穴を、前記複数個の吐出口の数が100〜300個に対して1個の割合で、前記Si基板に形成された1つの前記インク溝に間歇的に穿孔するものであるのが好ましい。
また、前記連結穴の最小断面積は、前記インク溝の断面積であるのが好ましい。
また、前記インク溝の幅を100〜200μmの範囲とし、前記連結穴のサイズを300〜600μm×600〜1000μmの範囲とし、この連結穴が100〜300個の吐出口に対して1個の割合で穿たれるのが好ましい。
また、上記第1の目的を達成するために、本発明は、長尺のSi基板の一方の面に、その長手方向に沿って形成された薄膜発熱抵抗体列と、該薄膜発熱抵抗体列の複数の薄膜発熱抵抗体の各々と1対1に対応して、前記Si基板の前記一方の面の上方に設けられた複数のオリフィスと、前記複数のオリフィスの各々に対応して前記Si基板の前記一方の面上に設けられ、その各々が前記薄膜発熱抵抗体およびこれと1対1に対応する前記オリフィスに連通する複数の個別インク通路と、前記Si基板の前記一方の面に連続的に形成され、前記複数の個別インク通路の各々に接続される共通インク溝と、前記薄膜発熱抵抗体列が形成された前記Si基板の前記一方の面に、前記薄膜発熱抵抗体列に沿って、該薄膜発熱抵抗体列に対して前記共通インク溝と反対側に形成され、前記複数の薄膜発熱抵抗体の各々と配線接続された駆動用集積回路と、前記Si基板の他方の面側に装着され、インク供給路を有する実装フレームと、前記Si基板の前記一方の面側の前記共通インク溝と前記Si基板の前記他方の面側に装着される前記実装フレームの前記インク供給路とを連通するために、前記Si基板に形成された前記共通インク溝に間歇的にあけられた複数の連結穴と、を有し、前記共通インク溝および前記複数の連結穴は、前記駆動用集積回路、これに配線接続される前記複数の薄膜発熱抵抗体および前記隔壁が形成された前記Si基板に形成されたものであり、前記複数の薄膜発熱抵抗体の各々は、前記Si基板上に形成された薄膜抵抗体と薄膜導体とからなり、これらの複数の薄膜導体は、前記駆動用集積回路と前記複数の薄膜抵抗体との間に配設され、前記複数の薄膜抵抗体にそれぞれ接続され、前記パルス通電するための複数の個別薄膜導体と、前記インク溝と前記複数の薄膜抵抗体との間に配設され、前記複数の薄膜抵抗体の全てに接続される共通薄膜導体とを有し、前記隔壁は、前記駆動用集積回路が形成された領域を覆うように設けられたものであることを特徴とするインク噴射記録ヘッドを提供するものである。
ここで、前記共通インク溝および前記複数の連結穴は、前記Si基板にその両側の面から1回のSi異方性エッチングで同時に形成されたものであるのが好ましい。
また、前記Si基板と前記発熱抵抗体との間には、前記駆動用集積回路を形成する際に、前記Si基板の前記一方の面に形成され、前記発熱抵抗体の断熱層として機能するSiO層を有し、このSiO層は、前記駆動用集積回路を形成する際に前記Si基板の前記共通インク溝が配置される部分がエッチングにより除去され、前記共通インク溝を形成する際に、マスクとして用いられたものであるのが好ましい。
また、前記隔壁は、熱分解開始温度が400℃以上の耐熱性樹脂を用いて反応性ドライエッチングによって形成されたものであるのが好ましい。
また、前記連結穴の最小断面積は、前記共通インク溝の断面積であるのが好ましい。
また、前記インク溝の幅を100〜200μmの範囲とし、前記連結穴のサイズを300〜600μm×600〜1000μmの範囲とし、前記複数の連結穴は、前記複数個の吐出口の数が100〜300個に対して1個の割合で、前記Si基板に形成された1つの前記共通インク溝に間歇的に穿孔されたものであるのが好ましい。
ここで、前記駆動用集積回路を駆動する制御信号は、前記Si基板の長手方向の端から供給されるのが好ましい。
また、前記駆動用集積回路が、外部からの信号に応じて順次連続して前記各発熱抵抗体にパルス通電することによってインク吐出を連続的に行うのが好ましい。
また、前記オリフィスを複数個配列したオリフィス列が、前記Si基板上に少なくとも2列形成されているのが好ましい。
また、前記複数のオリフィスは、互いに平行な2列のオリフィス列を成し、この2列のオリフィス列の間に、1つの共通インク溝が形成され、この共通インク溝が、前記2列のオリフィス列に対応する複数の個別インク通路に接続されているのが好ましい。
また、前記複数の連結穴は、前記Si基板に形成された1つの共通インク溝に、前記オリフィスの数が300個以下に対して1個の割合で、好ましくは、前記オリフィスの数が100〜300個に対して1個の割合で、間歇的にあけられているのが好ましい。
また、前記オリフィスを複数個配列したオリフィス列が、少なくとも被記録媒体上の記録幅と同じ長さ分、形成されるのが好ましい。
また、本発明は、上記のインク噴射記録ヘッドの製造方法を用いて得られるインク噴射記録ヘッド、もしくは、上記のインク噴射記録ヘッドを搭載することを特徴とする記録装置を提供するものである。
ここで、前記共通インク溝は少なくとも1つ以上形成され、前記連結用インク孔は、前記共通インク溝1つに対して複数個間歇的にあけられているのが好ましい。
また、前記Si基板上の前記一方の面に、前記薄膜発熱抵抗体列と接続される駆動用集積回路が形成されているのが好ましい。
また、前記複数のオリフィスは、前記Si基板の前記一方の面の上方に設けられたオリフィス用フィルムにあけられ、前記複数の個別インク通路は、前記オリフィス用フィルムと、前記Si基板の前記一方の面と、これらの間に介在する耐水性被覆材製隔壁とで形成され、前記薄膜発熱抵抗体列を駆動する前記駆動用集積回路デバイス領域の全面が、前記個別インク通路を形成する前記隔壁によって被覆されているのが好ましい。
また、前記駆動用集積回路が、シフトレジスタ回路およびドライバ回路を有し、外部からの信号に応じて順次連続して前記各発熱抵抗体にパルス通電することによってインク吐出を連続的に行うのが好ましい。
また、前記オリフィスを複数個配列したオリフィス列が、前記Si基板上に少なくとも2列形成されているのが好ましい。
また、前記オリフィスを複数個配列したオリフィス列が、1または2列形成されている前記Si基板を、前記実装フレーム上に複数個並べて設けたのが好ましい。
また、前記オリフィスを複数個配列したオリフィス列が、少なくとも被記録媒体上の記録幅と同じ長さ分、形成されるのが好ましい。
また、前記薄膜発熱抵抗体列は、インクと直接接触するものであるのが好ましい。
また、上記第2の目的を達成するために、本発明は、上記で得られるインク噴射記録ヘッドを用いて、被記録媒体に記録するに際し、前記記録媒体を等速搬送させることを特徴とする記録方法を提供するものである。
また、上記第3の目的を達成するために、本発明は、Si基板上に形成された薄膜抵抗体と薄膜導体とからなる複数個の発熱抵抗体と、この複数個の発熱抵抗体のそれぞれに対応して、前記Si基板上に形成された前記薄膜抵抗体の略垂直上方に設けられ、前記複数個の発熱抵抗体に順次パルス通電することによって前記発熱抵抗体と垂直または略垂直方向にインク滴を吐出する複数個の吐出口と、この複数個の吐出口のそれぞれに対応して前記Si基板上に設けられ、前記Si基板上に設けられた隔壁によって仕切られた複数個の個別インク通路とを備えるインク噴射記録ヘッドチップを製造する方法であって、前記複数個の発熱抵抗体が形成された前記Si基板上に前記隔壁を設けた後に、この隔壁の上に、前記複数個の吐出口を形成すべきプレートを接着する工程と、この接着されたプレートにフォトエッチングを用いて前記複数の吐出口を穿孔する工程とを含むことを特徴とするインク噴射記録ヘッドチップの製造方法を提供するものである。
また、上記のインク噴射記録ヘッドチップの製造方法であって、前記Si基板上に駆動用LSIを形成する工程を含むのが好ましい。
また、上記のインク噴射記録ヘッドチップの製造方法であって、前記Si基板の表側面に前記複数個の個別インク通路を連通するインク溝を形成するとともに、このインク溝と前記Si基板の裏側面とを連通する少なくとも1個の連結穴を形成する工程を含むのが好ましい。
また、前記インク溝の幅を100〜200μmの範囲とし、前記連結穴のサイズを300〜600μm×600〜1000μmの範囲とし、この連結穴が100〜300個の吐出口に対して1個の割合で穿たれるのが好ましい。
また、前記インク溝および前記少なくとも1個の連結穴を形成する工程は、前記複数の吐出口を穿孔する工程に先立って行われるのが好ましい。
また、前記薄膜抵抗体が反応性スパッタ法によって形成されるCr−Si−SiOまたはTa−Si−SiO合金薄膜抵抗体であり、前記薄膜導体がスパッタ法によって形成されるNi薄膜導体であるのが好ましい。
また、前記Ni薄膜導体はスパッタ法および電気めっき法によって形成されるのが好ましい。
また、前記プレートへの前記吐出口の形成は、反応性ドライエッチング法によって行われるのが好ましい。
また、前記吐出口を形成すべき前記プレートは、耐熱性樹脂プレートであるのが好ましい。
また、前記プレートは、耐熱性樹脂プレートであり、前記プレートを接着する工程は、前記複数個の発熱抵抗体が形成された前記Si基板上に前記隔壁を設けた後に、この隔壁の上に前記耐熱性樹脂プレートを前記Si基板に貼付する工程であり、前記複数の吐出口を穿孔する工程は、前記耐熱性樹脂プレートの表面に金属薄膜を形成する工程と、前記金属薄膜のオリフィス相当部分をフォトエッチングする工程と、前記耐熱性樹脂プレートの前記金属薄膜エッチング部分を反応性ドライエッチングする工程とを有するものであるのが好ましい。
また、上記第3の目的を達成するために、本発明は、上記のインク噴射記録ヘッドチップの製造方法によって得られるインク噴射記録ヘッドチップを、前記複数個の個別インク通路を連通させるよう前記Si基板の表側面に設けられたインク溝と前記Si基板の裏側面とを連通する、前記Si基板に形成された連結穴の数と同数あるいはそれ以下のインク供給路を備えたフレームに固定し、配線実装して組み立てられることを特徴とするインク噴射記録ヘッドの製造方法を提供するものである。
また、上記第4の目的を達成するために、本発明は、上記のインク噴射記録ヘッド、あるいは、上記のインク噴射記録ヘッドの製造方法を用いて得られるインク噴射記録ヘッドを搭載することを特徴とする記録装置を提供するものである。
本発明によれば、ノズル配列密度を従来技術の3倍以上として、数千ノズル以上/ヘッドという大規模な高集積ヘッド、例えば、1600dpiのヘッドを実現するとともに、その製造と組み立て実装方法についても容易に量産化できるインク噴射記録ヘッドを提供することができる。
また、本発明によれば、上記のインク噴射記録ヘッドを用いる記録方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記第1の態様のインク噴射記録ヘッドを実現して、しかも、このノズル列を高密度に2次元的に配列したヘッド基板を薄膜プロセスのみを用いて効果的に製造できるインク噴射記録ヘッドチップの製造方法およびこれを備えるインク噴射記録ヘッドの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、オリフィスプレートの表面層のみを撥水処理できるインク噴射記録ヘッドチップおよびインク噴射記録ヘッドの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、上記のインク噴射記録ヘッドを用いる記録装置およびヘッドクリーニングの削除または大巾な削減が可能な記録装置を提供することができる。
また、本発明によれば、以下に示す多くの効果を得ることができる。
(1)駆動用LSIの製造中に形成されるSiO2 層を発熱抵抗体の断熱層として利用できると共に、インク溝形成時におけるフォトマスクとしても利用でき、工程数を削除できる。
(2)インク溝と連結穴が同時に形成でき、工程数を削減できる。
(3)オリフィスプレートの吐出口を該プレート接着後のフォトエッチングによって形成することにより、発熱抵抗体と吐出口の位置合わせが容易となり、1600dpiという従来技術の3倍以上の高集積密度のヘッドも製造可能となる。
(4)オリフィスプレートのフォトエッチングを反応性ドライエッチングとすることによって、円筒形状の吐出口とすることができ、温度によって印字濃度が変化せず、また、サテライトドロップも発生しないヘッドとすることができる(本発明者の出願に係る特願平06−21060号明細書(特開平7−227967号公報)、特願平06−156949号明細書(特開平8−20110号公報)参照)。
また、3〜10°傾斜させた円筒形状の吐出口とすることも可能で、これはラインヘッドのような長尺ヘッドを製造する上で不可欠な方法を提供できる(本発明者の出願に係る特願平05−318272号明細書(特開平7−171956号公報)参照)。
(5)狭いインク溝とこれに沿って設けられる比較的少ない連結穴は、ヘッド製造時におけるSiウエハの割れによる歩留低下を防ぐ。
(6)オリフィスプレートの表面層のみに撥水処理ができるので、ヘッドクリーニングの削除または大巾な削減が可能となる。
(7)Siウエハ上に薄膜プロセスのみを用いて数万〜数10万ノズルを一括して製造することができるので、大規模高集積密度のヘッドを安価に提供できる。
(8)従来技術のプリンタに不可欠であった種々の制御機構等(ヘッド温度の制御、駆動パルス巾制御、カラーバランス制御、等々)を削除できるプリンタを実現できる。
本発明の第1の態様のインク噴射記録ヘッドは、Si基板の第1面上に形成された薄膜抵抗体と薄膜導体からなる複数個の発熱抵抗体と、該発熱抵抗体を駆動するべく同一Si基板上に形成され、前記発熱抵抗体に接続された駆動用LSIと、前記複数個の発熱抵抗体に順次パルス通電することによって該発熱抵抗体と垂直またはほぼ垂直方向にインク滴を吐出する複数個の吐出口と、該複数個の吐出口のそれぞれに対応して該Si基板上に設けられた複数個の個別インク通路と、該個別インク通路の全てが連通するべく前記Si基板上に設けられた共通インク通路と、該共通インク通路の全長にわたって導通されるよう前記Si基板に設けられた1本のインク溝と、該インク溝が前記Si基板の第1面の裏面である第2面と連通するべく該Si基板の第2面に穿たれた少なくとも1個の連結穴とからなるSi基板のヘッドチップと、所定のインク供給路を有し、前記ヘッドチップを搭載する実装フレームとで構成される。
また、本発明の第3の態様のインク噴射記録ヘッドチップの製造方法は、上記第1の態様のインク噴射記録ヘッドを製造するに際し、
(1)Siウエハの第1面に駆動用LSIを形成する工程と、
(2)該Siウエハの第1面に薄膜抵抗体および薄膜導体を形成する工程と、
(3)該Siウエハの第1面に前記インク通路を構成する隔壁層を形成する工程と、
(4)該Siウエハの両面からSi異方性エッチングによって前記インク溝および連結穴を形成する工程と、
(5)該Siウエハの第1面にオリフィスプレートを接着する工程と、
(6)該オリフィスプレートにフォトエッチングによって前記吐出口を形成する工程と、(7)該Siウエハを切断してヘッドチップに分割する工程とによって達成され、
また、本発明の第4の態様のインク噴射記録ヘッドの製造方法は、さらに、
(8)こうして製造されたインク噴射記録ヘッドチップを前記実装フレームにダイボンディングし、配線実装して組み立てる工程によって達成される。
また、上記本発明は、前記Siウエハの結晶方位が(100)または(110)である単結晶Siウエハであることにより達成される。
また、前記薄膜抵抗体が反応性スパッタ法によって形成されるCr−Si−SiOまたはTa−Si−SiO合金薄膜抵抗体であり、前記薄膜導体が高速スパッタ法によって形成されるNi薄膜導体であること、或いは前記Ni薄膜導体は高速スパッタ法および電気めっき法によって形成されることによって効果的に達成される。
また、前記ヘッドチップの複数個分が同一Si基板上に並列に形成されたヘッドチップを同数のインク供給路を有するフレームにダイボンディングし、配線実装して組み立てることにより達成される。
また、前記隔壁層を耐熱性樹脂とし、その熱分解開始温度を400℃以上とすることにより達成される。
また、前記オリフィスプレートを耐熱性樹脂とし、フォトエッチングによる前記吐出口の形成を反応性ドライエッチング法とすること、或いは前記オリフィスプレートは、
(1)前記耐熱性樹脂プレートを前記Siウエハに貼付する工程と、
(2)前記耐熱性樹脂プレートの表面に金属薄膜を形成する工程と、
(3)前記金属薄膜のオリフィス相当部分をフォトエッチングする工程と、
(4)前記耐熱性樹脂プレートの前記金属薄膜エッチング部分を反応性ドライエッチングする工程と、
(5)前記金属薄膜の表面に、該金属薄膜を電極として撥水性被膜を形成する工程
を経て形成されることにより達成される。
また、前記インク溝の幅を100〜200μmの範囲、前記連結穴の穴径を300〜600μm×600〜1000μmの範囲とし、該連結穴が100〜300個の吐出口に対して1個の割合で穿たれていることにより達成される。
前記フレームを、該ヘッドチップの第2面に並ぶ複数の連結穴または連結穴列のそれぞれをカバーする如く設けられた複数個のフレーム側インク穴またはインク溝と、該フレーム側インク穴またはインク溝のそれぞれと連通する複数個のインク供給口とを有するものとすること、前記ヘッドチップの複数個分が同一フレーム上に実装されることによって達成される。
上記のような第3および第4の態様のプロセスで第1の態様のインク噴射ヘッドを製造することによって、以下に示すような作用を得ることができる。
(1)駆動用LSIの製造中に形成されるSiO2 層を発熱抵抗体の断熱層として利用できると共に、インク溝形成時におけるフォトマスクとしても利用でき、工程数を削除できる。
(2)インク溝と連結穴が同時に形成でき、工程数を削減できる。
(3)オリフィスプレートの吐出口を該プレート接着後のフォトエッチングによって形成することにより、発熱抵抗体と吐出口の位置合わせが容易となり、1600dpiという従来技術の3倍以上の高集積密度のヘッドも製造可能となる。
(4)オリフィスプレートのフォトエッチングを反応性ドライエッチングとすることによって、円筒形状の吐出口とすることができ、温度によって印字濃度が変化せず、また、サテライトドロップも発生しないヘッドとすることができる(本発明者の出願に係る特願平06−21060号明細書(特開平7−227967号公報)、特願平06−156949号明細書(特開平8−20110号公報)参照)。
また、3〜10°傾斜させた円筒形状の吐出口とすることも可能で、これはラインヘッドのような長尺ヘッドを製造する上で不可欠な方法を提供できる(本発明者の出願に係る特願平05−318272号明細書(特開平7−171956号公報)参照)。
(5)狭いインク溝とこれに沿って設けられる比較的少ない連結穴は、ヘッド製造時におけるSiウエハの割れによる歩留低下を防ぐ。
(6)オリフィスプレートの表面層のみに撥水処理ができるので、ヘッドクリーニングの削除または大巾な削減が可能となる。
(7)Siウエハ上に薄膜プロセスのみを用いて数万〜数10万ノズルを一括して製造することができるので、大規模高集積密度のヘッドを安価に提供できる。
(8)従来技術のプリンタに不可欠であった種々の制御機構等(ヘッド温度の制御、駆動パルス巾制御、カラーバランス制御、等々)を削除できるプリンタを実現できる。
以下、図面を用いて実施例1を説明する。
図1は、本発明になるインク噴射記録ヘッドの1ノズル列分の断面図であり、この断面図に示されているA−A’、B−B’、C−C’断面図の各々を図2の(a)、(b)、(c)に示す。インク吐出ノズル12の配列密度が400dpi(ドット/インチ)のヘッドを例に、その製造方法を以下に示す。
(1)の工程
Siウエハ1の第1面に駆動用LSIデバイス2を形成する。これには、(110)Siウエハ用に若干の変更が加えられた標準的なバイポーラLSI製造プロセスが適用される。なお、ここに言う標準的なバイポーラLSI製造プロセスとは、(100)Siウエハまたは(100)から約4度傾いたSiウエハ(4°OFF Siウエハ)に対して確立されているバイポーラLSI製造プロセスのことである。そして、インク溝14が配置される部分のSiO2 膜をフォトエッチングによって除去しておく。これは、Si異方性エッチングの時のフォトレジストとして用いるための準備である。
なお、このSiO2 膜は、LSI製造工程中に形成されているもので、熱酸化SiO2 膜、SOG膜(スピンオングラスSiO2 膜)、PSG膜(リン入りSiO2 膜)並びにAl多層配線用層間SiO2 膜等の積層膜からなっており、合計膜厚約2μmである。また、ここでは駆動用LSIデバイス2をバイポーラとする例を示したが、BiCMOS,PowerMOSとすることも可能であり、どれを選択するかは、ウエハの製造コストとチップサイズ、並びに製造歩留まり等を総合して決定される。
図1、図2に示される駆動用配線導体7は、次の(2)工程で形成される薄膜発熱抵抗体3を駆動するための配線であり、電源、グランドの他、データ、クロック、ラッチなどの駆動信号を伝えるための配線である。外部からはこの基板の片側に配線されている接続端子から各配線導体に信号などが入力されるようになっている。なお、スルーホール接続部6は、駆動用LSIデバイス2と各薄膜発熱抵抗体3とを個別配線導体4で接続するための接続点である。
(2)の工程
Siウエハ1に、スパッタ法でCr−Si−SiOまたはTa−Si−SiO合金薄膜抵抗体とNi金属薄膜とをスパッタ法で形成し、フォトエッチングで薄膜発熱抵抗体3、個別薄膜導体4、共通薄膜導体5を形成する。これらの形成方法については、本発明者の出願に係る特開平06−71888号公報、特願平05−90123号明細書(特開平6−297714号公報参照)、特願平05−272452号明細書(特開平7−125212号公報参照)等に詳しく記載したので省略するが、合金薄膜抵抗体は、酸素を含むアルゴン雰囲気中での反応性スパッタ法で、Ni金属薄膜は、高磁場中での高速スパッタ法で形成する。尚、これらのヒータとSiウエハの間には、上に述べたLSIの製造中に形成されている約2μm厚さのSiO2 層があり、これをヒータの断熱層として利用する。また、合金薄膜抵抗体の膜厚は、約0.1μm、Ni薄膜は約1μm、このヒータの抵抗値は、約300Ωである。
(3)の工程
前記Siウエハ1の第1面に20μm厚さのポリイミドを積層させ、有機ケイ素系レジストを用いたフォトドライエッチングによって隔壁8を形成する。この場合のエッチングは、ドライエッチング、特に、反応性ドライエッチング法の採用が微細化の点で優れている。この反応性ドライエッチングは、電子サイクロトロン共鳴によって励起させた酸素プラズマによって行ったが、垂直にきれいな形状で隔壁を形成することができ、個別インク通路9と共通インク通路10とが形成される。
ポリイミド材料による隔壁8の形成方法としては、感光性ポリイミドの塗布、露光、現像、硬化という方法を用いる方が簡単であるが、現時点では、その膜厚は10μm程度が限界であり、その厚膜化が待たれている。しかし、インク吐出ノズル12の配列密度が800dpiと超高密度の場合は隔壁8の厚さは10μm程度でも良く、現時点でも利用可能である。このように隔壁8の構成材料に耐熱性樹脂を用いる例は今まで例がない。
従来は、耐熱性の低い感光性レジスト材料を用いるのが通例であったため、発熱抵抗体の表面温度のパルス発熱(300℃以上)に耐え得るように、これから充分に離れた位置(約10μm)に隔壁を形成しなければならず、ノズルの配列密度は400dpiが従来技術の最大値となっていた。
これに対して、本願発明では、図4に例示するように、発熱抵抗体3の温度が300℃以上に上昇しても、隔壁材料として熱分解開始温度が400℃を超えるポリイミドのような耐熱性樹脂を用いる限り、信頼性の高い隔壁として使用できるのである。すなわち、800dpi(W=22μm、T=9μm、H=17μm)のヘッドに対し、フォトエッチングによる製造誤差を考えても充分に信頼性の高い隔壁が形成できるのである。そして、図5に示すように、一本のインク溝の両側に800dpiのノズル列を形成することによって、1600dpiの配列密度を持つフルカラー用ラインヘッドも製作可能となるのである。このためには、次に述べる(5)と(6)の工程のノズル形成プロセスが必須となることは言うまでもない。
(4)の工程
Siウエハ1の裏面に連結穴15のためのフォトレジストを形成し、ウエハの両面からSi異方性エッチングによってインク溝14と連結穴15とを同時に形成する。異方性エッチング液としては、ヒドラジン水溶液、KOH水溶液、エチレンジアミン水溶液等が利用でき、(110)Siウエハの場合は、図1に示すように、垂直にエッチングされるのが特徴である。一方、(100)または4°OFF Siウエハを利用する場合は、図6に示すように約55°の傾斜を持ってエッチングされるので、Si基板の開口面は、若干広くしておく必要がある。異方性エッチングは、このようにSi単結晶の(110)または(100)面と(111)面とのエッチング速さが極端に違う性質を利用したもので、通常の等方性エッチングでは、不可能な加工も出来るという特徴を持っている。本願発明は、発熱抵抗体3とSi基板1の間に設けなければならない断熱層として駆動用LSI製造工程中に形成されるSiO2 膜を利用し、しかも、それをそのまま異方性エッチング用レジストとしても用い、しかも、インク溝と連結穴とを一回のエッチングで同時に形成するところに大きな特徴がある。
なお、上記した異方性エッチング液は、Ni薄膜やポリイミド隔壁を若干エッチングする場合もあり、このためエッチング時間を極力短くしなければならないケースもある。この場合には、上記(1)または(2)の工程後、Siウエハの第1面を保護した状態で第2面にフォト異方性エッチングで深い連結穴15を形成しておく方法が有効となる。このようなウエハを(4)工程で両面から異方性エッチングを行うと、インク溝14の形成を連結穴15の追加エッチングの時間は、1/ 5〜1/ 10に短縮でき、実害のない加工ができる。
さて、インク溝14の幅は、Si基板1の強度低下、オリフィスプレート11のたわみおよびチップサイズなどの観点から狭い方がよいが、連結穴15の個数を少なくし、しかも、インク溝14との組合せによるインクの流路抵抗を大きくしないためには、広い方がよい。そして、共通インク通路10の流路抵抗よりは十分小さくすることも考慮すると、インク溝14の幅は、100〜200μmが適当である。そして、このインク溝14の断面積と同等の断面積を連結穴15の最小断面積とすると、連結穴15の基板面での穴径は(300〜600)μm×(600〜1000)μmの範囲とするのが適当である。これらに対する実際のインク吐出のデータについては後に述べる。
(5)の工程
オリフィスプレート11として、Siウエハ1の第1面に厚さ約60μmのポリイミドフィルム(厚さ約10μmのエポキシ接着層を含む)を接着硬化させる。このフィルムの厚さは、吐出インク量と密接に関係しており、ノズルの配列密度が300〜800dpiの範囲では、20〜80μmの範囲から選択するのが良い。
(6)の工程
このポリイミドフィルムに前記(3)の工程で説明したのと同じフォトドライエッチングで40μmφのインク吐出口12を400dpiの配列密度で発熱抵抗体3の真上に形成する。この反応性ドライエッチングは、20μmφのインク吐出口を800dpiの密度できれいな形状であけることができることを確認している。
なお、前記(5)と(6)の工程は、多くのノズル列を形成した薄いオリフィスプレートをインク通路の形成されている基板に位置合わせしながら接着する従来方法に比較し、格段の位置合わせ精度と製造歩留まりの向上が達成できることは改めて説明するまでもないことであろう。そして、800dpiあるいは1600dpiという大規模高集積密度のヘッド(図5参照)においては、この方法以外で製造することは不可能である。また、長尺のラインヘッドを製造する場合、本発明者の出願に係る特願平5−318272号明細書(特開平7−171956号公報参照)に記載の傾斜ノズル技術を利用すると容易に製造することが可能となる。すなわち、ドライエッチング装置内に設置する基板の傾きを3〜10゜傾斜させることで、インク吐出口を垂直方向から3〜10゜傾けてきれいに形成できる方法があり、これが利用できる。
(7)の工程
Siウエハ1を規定の寸法に切断してヘッドチップに分割する。
(8)の工程
前記ヘッドチップを所定のインク供給路を有するフレーム17にダイボンディングし、配線実装することによってプリントヘッドとして完成する。
このヘッドがA4フルカラー用ラインヘッドである場合の実装例を図3、図7、図8、図9に示す。なお、図3は、図7に示すD−D’断面図であり、図1に示すモノクロ用のヘッド基板(1、8、11)が、4色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)一体のヘッドチップ(1、8、11)としてフレーム17上にダイボンディングされている。
図3におけるヘッドチップ(1、8、11)の幅は約6.8mmであり、この中に約1.6mm間隔で4色のノズル列(図7参照)が配置されている。各色のインクは、フレーム17に設けられたインク供給パイプ19のインク供給穴18を通してフレーム17側のインク溝16に供給され、このインク溝16と平行して形成されているSi基板1内のインク溝14へは、これらと平行して間歇的にあけられているSi基板内の連結穴15を通して供給される。この連結穴15は100〜300個のインク吐出ノズルに対して1個の割合で形成されているが、そのサイズ等、詳細は後で説明する。
本実施例では400dpiの4色フルカラ−用ラインヘッドの例を示すが、単色または2〜3色のマルチカラ−用とか、ノズル数を少なくした走査型ヘッドを作れることは説明するまでもないであろう。
図3に示すA4フルカラーラインヘッドをオリフィスプレート11側から見た外観図を図7に、この側面図を図8に、図7のE−E’断面の拡大図を図9に示す。図7に示すように、A4フルカラーラインヘッドの4列に並ぶインク吐出ノズル列12が400dpiの密度で約210mmの長さで配置されている。これを半導体分野で現在実用されている5インチまたは6インチSi基板から製造するため、1/2サイズのラインヘッドチップ(1、8、11)を作り、対称に作られた2チップを中央部で突き合わせて1個のフレーム17上にダイボンディングして組み立てる。右側のヘッドを駆動する電源と信号線は、Si基板1の右端部からテープキャリア20によってフレーム17の裏側に固定されているコネクタ21に接続される。押え金具22はテープキャリア20の固定に利用される。Si基板1の右端部で配線とテープキャリア20とが一括ボンディングされている部分は樹脂モールドによって保護されているが、詳細な構造は省略した。また、コネクタ21の内部構造についても省略した。なお、左側のヘッドについては左端部で上記と同一の接続実装が行われていることは説明するまでもないことである。
この右半分と左半分のヘッドは、お互いにインクの供給と駆動を完全に独立して行うことも可能となっている。そして、中央部での突合せ位置における印字ドット位置の配列を乱すことなく、2個のヘッドチップを容易に加工、組み立てる方法として、前にも述べた本発明者の出願に係る特願平05−318272号明細書(特開平7−171956号公報参照)になる技術を適用することは言うまでもない。なお、テープキャリア20によって接続しなければならない電源、信号線の本数は5〜6本/各色なので、ヘッドチップ端面でギャングボンディングしなければならない端子密度は約4本/mmであり、接続実装技術としては容易なレベルである。
このようにして製作したラインヘッド31を用いたA4フルカラープリンタの一実施例の断面図を図10に示す。図10の詳細については、本発明者の出願に係る特願平06−90123号明細書(特開平6−297714号公報参照)、特願平06−65005号明細書(特開平7−266570号公報参照)、特願平06−100143号明細書(特開平7−304167号公報参照)、特願平06−137198号明細書(特開平8−1924号公報参照)に記載したので省略するが、プリヒーティングと真空吸着搬送によって、普通紙、再生紙に対しても滲みのない高品質のフルカラー印刷が20〜30ppmという超高速(従来技術の約100倍)で印刷乾燥することが可能となったのである。
以下、図10に示す構成のプリンタに種々の条件で製作したラインヘッドを実装し、印字評価した結果について説明する。なお、ヘッドの駆動条件は、ヒータへの投入エネルギ密度が2.5W/50μm□×1μSであり、本発明者の出願に係る特願平05−272451号明細書(特開平7−125212号公報参照)に記載のゆらぎ核沸騰を利用している。また、奇数列のノズルを0.2μSの時間差で順次駆動させ、その後で偶数列のノズルを同じく0.2μSの時間差で順次駆動、左半分と右半分のヘッドは同時に駆動させる方法を採用しており、約0.34msで1ライン分(3340ドット×4色)の印字が完了する。この駆動方法も、本発明者の出願に係る特願平05−231913号明細書(特開平7−81061号公報参照)に記載の吐出インク液滴が飛翔中に合体して印字品質を低下させることのないヘッド駆動方法、並びに特願平06−49202号(特開平7−304174号公報参照)に記載のクロストークのないヘッド駆動方法であり、高品質印字の可能な方法である。なお、記録紙の搬送速度は1ライン/0.7ms(インク吐出繰り返し周波数≒1.5KHz)としており、A4用紙で約15ppmの印刷速度に相当している。
試作評価した400dpiのA4フルカラーラインヘッドは、Si基板の厚さを400μm、(110)Si基板の場合のインク溝14の幅を100μm、連結穴15の幅を300μm、長さを600μmとし、いずれも深さは200μm強とした。(100)または4°OFF Si基板の場合は、インク溝14の開口幅を200μm、連結穴の開口幅を600μm、長さを1000μmとし、インク溝14と連結穴15の実質的な断面積を(110)Si基板の場合とほぼ同等としてインク液路としての流路抵抗をそろえて評価した。また、フレーム側インク溝16の幅は500μm、深さは2000μmとし、インク供給穴18は2500μmφとした。
この試作評価の主眼点は、本発明のヘッド構造でインクが円滑に供給できるかどうかを印字結果から評価することであり、特に、この実施例では、インク吐出繰り返し周波数が約1.5KHzと遅い場合の上記連結穴の最少値(1個の連結穴でカバーできる最大ノズル数)を明らかにするのが目的である。そこで、1個の連結穴でカバーできるノズル数を200個、300個、400個、となるように連結穴を均等にあけ、印字デューティを25%、50%、100%として印字させ、インク供給不良によってもたらされる印画濃度の低下を調べたところ表1に示す結果を得た。
Figure 0003862235
この結果とほとんど同じ結果を(100)Si基板のヘッドの場合も得ている。すなわち、この程度の断面積を持つインク溝14と連結穴15においては、300ノズルに対して1個の割合で連結穴を設ければ充分であること、この値は、インク吐出周波数を低くすれば余裕ができるが、高くすれば200〜250ノズル/連結穴程度にする必要があることを示している。
一方、図5に示す1600dpiのヘッドで上記と同じインク溝14と連結穴15とした場合、ノズル径を20μmφにして片側のノズル配列密度を800dpiとして評価したところ、インク吐出周波数が同じ1.5KHz(A4用紙で約4ppmの印刷速度)ではその印字結果は表1と同じ結果となった。これは、ノズルから吐出する単位時間当たりのインク量が、上記の400dpiヘッドと1600dpiヘッドで同じなので、当然の結果とも言えよう。また、この1600dpiヘッドを長期連続印字させた場合の印字品質を評価したところ、何らの品質劣化も認められなかった。このことは、隔壁材料にポリイミドという優れた耐熱性樹脂を用いたことと、保護層不要の発熱抵抗体を用いて隔壁を過加熱しないヘッドとしたこと、また、ヘッド温度の変化があっても印刷濃度が変化しないヘッドとなっていること、によることは明らかである。そして、このような1600dpiという超高密度で高集積ノズルのヘッドの製造についても、フォトドライエッチングを含む本発明のヘッド製造方法によって初めて可能となったのである。
なお、このラインヘッドを1.5KHzで印字する時は問題がないが、例えば、5KHzで高速印字する時には、フレームへのインク供給口18(19)の数は2個程度、10KHzでは3個程度に増やす方がインク供給が円滑となる。
次に、実施例2について説明する。
本発明のインク噴射記録ヘッドにおいては、インク吐出周波数が高くなると、1個の連結穴でカバーできるノズルの数が少なくなる。これを調べるために、前記実施例1と全く同一構造のヘッドであるが、ノズル数が512×4列のシリアルスキャンタイプのヘッドを作り、インク吐出周波数を10KHzとして印字させた場合の印字品質を評価した。前記実施例1が、2個のヘッドチップを1個のフレーム上に実装したのに対し、この実施例のヘッドは、1個のヘッドチップを1個のフレーム上に実装してあり、奇数列のノズルからの吐出を0.2μSおきに順次行い、引き続き偶数列のノズルからの吐出を0.2μSおきに行って、102μSで512ノズルの吐出が完了する。このヘッドについても、1個の連結穴15でカバーできるノズル数を100個、150個、200個となるように連結穴をあけ、同じく印字デューティを25%、50%、100%として評価した。その結果を表2に示すが、連結穴を100ノズルに対し1個の割合で設ければ充分であることが分かる。
Figure 0003862235
ヘッドチップの製造、並びに組み立て中における破損を防ぐためには、チップの折り曲げ強度を極力低下させてはならない。このためには、チップに設けるインク溝は、極力狭く、連結穴も小さくて少ないことが良いことは明らかである。上に述べた実施例は、いくつか行った試作の中で最もバランスのとれたインク溝と連結穴のサイズであり、これを基にして連結穴の配置数の最適化を行った結果を示している。したがって、インク溝と連結穴をこれより大きくすると連結穴の配置数は若干少なくはなる。しかし、Si基板の強度低下などをもたらし、総合的には劣ることになる。
次に、実施例3について説明する。
Ni薄膜導体は、Al等の導体材料に比べ電気抵抗率が大きく、ラインヘッドのような規模の大きなヘッドを形成する場合、すなわち、共通薄膜導体の配線長が長くなる場合には、配線抵抗を大きくしないように、膜厚を増やさなければならない。
しかし、膜厚を増やす場合には、次のような問題が生ずる。
1.スパッタ法によりNi膜を形成する場合、成膜中の基板温度が高いこと、また、高速の原子やイオンが膜内に注入され体積膨張すること等により、形成されたNi膜中に圧縮応力が残留してしまう。このため、膜厚を大きくするに従って膜の応力も増加し、基板からの膜の剥離や基板の変形、破損を引き起こし易くなる。
2.スパッタ法で厚い膜を形成するには長時間かかる為、エネルギー消費の増加と生産性の低下を引き起こす。
3.膜形成後の導体パターンを形成する工程でのエッチング時間も膜厚に比例して長くなり、サイドエッチ量の増加によるパターン解像度の低下とフォトレジストの剥離による不良率の増加を引き起こす。
これらの問題点を解決するための具体的な実施例を以下に示す。なお、ここでは、Ni薄膜導体を厚くする工程のみを説明するが、その他は、実施例1と同じであるので省略する。
先ず、図11の(a)工程で示す約1μm厚さのSiO2 が形成されているSi基板1上に、(b)工程でCr- Si- SiO合金薄膜抵抗体3、Ni薄膜導体4a、5aを連続スパッタ法で形成する。なお、これらの薄膜の厚さは、各々0. 1μm、0. 1μmである。厚さ0. 1μmのNi薄膜導体の圧縮応力も、実用的には無視できるほどに十分小さい。
続いて、(c)工程では、上記2層膜上にフォトレジスト30を塗布し、露光現像後、形成されるべき導体以外の部分に硬化したフォトレジスト30が残るようにする。この時のフォトレジスト30の膜厚は、次工程で形成するNiメッキ薄膜導体4b、5bよりも厚く塗布する必要がある。本実施例では、膜厚2μmのNiメッキ薄膜導体4b、5bを形成するため、フォトレジスト30は、5μmの厚さとした。なお、フォトレジストとしては、東京応化製メッキ厚膜用レジストのPMERP−AR900を用いた。また、フォトレジストの代わりに、例えば日立化成製フォテックSR−3000のようなドライフィルムレジストを用いても、同様な工程を達成できることはいうまでもない。
次に、メッキの前処理として基板を5%塩酸中に10分間浸し、 Ni薄膜導体4a、5aの表面をライトエッチングする。ライトエッチング後は水洗を行う。
(d)工程では、フォトレジスト30の無い部分(導体部)にメッキによりNi薄膜導体4b、5bを形成する。本実施例のメッキ条件は、表3に示すようにスルファミン酸ニッケルを主体とするメッキ浴用いた。
Figure 0003862235
メッキ時間は4分間で、膜厚2μmのNi膜を形成することが出来た。なお、メッキ液としては硫酸ニッケルを主体とするワット浴や塩化ニッケルを主体とする塩化ニッケル浴等でも同様なNi膜を形成できることはいうまでもない。
次に、(e)工程で、フォトレジスト30を剥離する。このようにして形成したNi薄膜導体4b、5bは、導体部の幅40μmで、配線間隔は22μmである。
続いて、(f)工程では、Niのエッチング液である硝酸、酢酸、硫酸混合液に1分間漬けて0.1μm厚さのスパッタによるNi薄膜導体4a、5a全部とメッキによるNi薄膜導体4b、5bの表面層約0. 1μmをエッチングする。これにより、Ni導体部が形成される。本工程は、メッキ工程で生じたNi薄膜導体4b、5bのエッジ部のバリやヒゲといった欠陥をエッチングにより修正する工程でもある。
(g)工程では、フォトレジストを塗布し、Cr−Si−SiO合金薄膜抵抗体のパターンをエッチングにより形成する。エッチング液には5%フッ酸を用いた。なお、上記実施例に用いたCr−Si−SiO合金薄膜抵抗体に代えて、Ta−Si−SiO合金薄膜抵抗体を用いても、全く同様の結果を得られることは容易に理解されよう。このようにして、厚いNi薄膜導体を効率良く形成することができた。これ以降は、実施例1における(3)の工程に入る。
以下、図面を用い、オリフィスプレ−ト表面層のみに撥水性被膜をコ−トすることができる具体的な実施例を説明する。
図12(a)は、実施例1に示したヘッド製造方法を示す概略工程図である。この方法によって作られるヘッドのオリフィスプレート11は、耐熱性樹脂プレ−トのみで構成されていた。一方、本実施例のヘッドのオリフィスプレート11は、図13に示すように、この樹脂膜41の上に厚さ0.05〜1μmの望みの厚さの金属薄膜42と、この金属薄膜42の表面に強固に付着している厚さ0.01〜5μmの間の望みの厚さの撥水性被膜43とから構成されている。この具体的な製造方法は図12(b)、および次に示す通りである。
実施例1に示した(5)の工程の完了後、この上に0.1μmの厚さのNi薄膜42を高速スパッタ法で形成し、有機ケイ素系レジストを用いたフォトエッチングによってNi薄膜42にインク吐出口に相当する穴を形成する。そしてこのレジストを残したまま、電子サイクロトロン共鳴によって励起させた酸素プラズマによるドライエッチングによってポリイミドフィルム41に垂直にノズル穴12をあける。このノズル穴12は、任意の角度に傾斜させてあけることも可能であり、本発明者の出願に係る特願平05−318272号明細書(特開平7−171956号公報参照)に記載したように、図7に示すラインヘッドを組み立てる上で不可欠な実用技術となっている。このあと、有機ケイ素系レジストを除去し、Ni薄膜42を被めっき電極とするめっき法によって撥水性被膜43をこのNi薄膜42の表面のみに形成する。この撥水性被膜43をめっきによって形成する方法は、複合めっきとして古くから良く知られており、フッ素樹脂とかフッ化グラファイト微粒子をNiめっき液に分散させてめっきすると、その被膜は非常に優れた撥水性を示す。また、最近の研究では、接触角が180゜に近い超撥水性被膜を形成することも可能(化学46巻7号(1991)P477、他)と言われている。
ここでの試作評価では、フッ素樹脂(PTFE)と同等の約110゜の接触角を示す複合Niめっき被膜と、約140゜の接触角を示すフッ化グラファイト系の複合Niめっき被膜を被覆して評価した。その結果、吐出インク量のノズル間の差は認められず、インクのオリフィス面への付着もクリーニングが不必要と考えられる程度に低減することも確認できた。特に、フッ化グラファイト系の複合Niめっき被膜は、完全にクリーニングが不要となり、実際のプリンタを構成する上でクリーニングが削除できる大きな効果が得られた。
なお、図12(b)の工程において、金属薄膜があらかじめ形成されている二層構造のポリイミドフィルムを用いるとスパッタ工程が省略できることは明らかで、金属薄膜もNi以外の金属であっても差しつかえない。なぜならば、この金属がインクによって腐食する可能性があっても、その表面が複合Niめっき被膜で保護されるからである。
なお、樹脂膜41上に形成される金属薄膜42の厚さは、0.05μm〜1μm程度あれば、被めっき電極として充分使用することができ、また、この上にめっきによって形成する撥水性被膜43の厚さも、薄いものは100オングストローム程度(0.01μm)のものも開発されている。これは、撥水性のあるフッ素化合物の有機錯体からなるめっき液で、フッ素化合物と金属を有機リン酸によって結合する方法と言われている。このように、撥水性被膜は0.01〜5μmの厚さで望みの厚さのものがオリフィスプレートの表面層のみに被覆することができ、場合によっては接触角が180゜という、水が完全にはじかれる超撥水処理さえできるのである。また、フッ素樹脂微粒子を分散させたフッ素系電着塗装法によって金属薄膜42の表面に数μmの厚さで接触角が170°を越える超撥水性被膜を形成することも可能で、この場合も完全にヘッドのクリ−ニングが不要となることを確認している。
本発明になるインク噴射記録ヘッドの一実施例の1ノズル列分の断面図である。 図1のA−A’、B−B’、C−C’断面図である。 本発明になるA4フルカラー用ラインヘッドの一実施例の断面図である。 本発明になるインク噴射記録ヘッドの細部拡大断面図である。 本発明になる1600dpiフルカラーヘッドの一実施例の1色分のノズル列を示す断面図である。 他の実施例の1ノズル列分の断面図である。 本発明になるA4フルカラーラインヘッドの正面図である。 図7の側面図である。 図7のE−E’拡大断面図である。 本発明のヘッドの印字評価に用いた高速フルカラープリンタの断面図である。 本発明の発熱抵抗体と導体の製造工程を示す説明図である。 (a)本発明が適用されるヘッドの製造工程の一実施例と、(b)オリフィスプレ−ト形成工程の詳細を示す工程図である。 本発明になるオリフィスプレ−トのノズル付近の断面図である。
符号の説明
1.シリコン基板、2.駆動用LSIデバイス領域、3.薄膜発熱抵抗体、4.個別薄膜導体、5.共通薄膜導体(グランド)、6.スルーホール接続部、7.駆動用配線導体(電源、データ、クロック他)、8.隔壁、9.個別インク通路、10.共通インク通路、11.オリフィスプレート、12.インク吐出ノズル、13.吐出インク、14.インク溝、15.連結穴、16.フレーム側インク溝(または穴)、17.フレーム、18.インク供給口、19.インク供給パイプ、20.テープキャリア、21.コネクタ、22.押え金具、23.SiO2 層、31.A4フルカラーラインヘッド、32.プリヒータ、33.真空吸着搬送器、34.記録媒体、35,35′.第1排気スリット、36.第2排気スリット、37.ヘッドクリーナ、38.ヘッドキャップ、41.樹脂膜(耐熱性樹脂プレ−ト)、42.金属薄膜、43.撥水性被膜

Claims (21)

  1. Si基板上に形成された薄膜抵抗体と薄膜導体とからなる複数個の発熱抵抗体と、
    この複数個の発熱抵抗体のそれぞれに対応して、前記Si基板上に形成された前記薄膜抵抗体の略垂直上方に設けられ、前記複数個の発熱抵抗体に順次パルス通電することによって前記発熱抵抗体と垂直または略垂直方向にインク滴を吐出する複数個の吐出口と、
    この複数個の吐出口のそれぞれに対応して前記Si基板上に設けられ、前記Si基板上に設けられた隔壁によって仕切られた複数個の個別インク通路とを備えるインク噴射記録ヘッドを製造する方法であって、
    前記Si基板の一方の面上に前記複数個の発熱抵抗体の各々と配線接続される駆動用集積回路を形成する工程と、
    前記Si基板の一方の面上に前記複数個の発熱抵抗体の各々の前記薄膜抵抗体と前記薄膜導体を形成する工程と、
    前記駆動用集積回路および前記複数個の発熱抵抗体が形成された前記Si基板上に前記隔壁を設ける工程と、
    前記駆動用集積回路および前記複数個の発熱抵抗体が形成された前記Si基板の前記一方の面に前記複数個の個別インク通路を連通するインク溝を形成する工程と、
    前記インク溝と前記Si基板の他方の面とを連通する少なくとも1個の連結穴を形成する工程とを含み、
    前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、前記駆動用集積回路、これに配線接続される前記複数個の発熱抵抗体および前記隔壁が形成された前記Si基板に前記インク溝および前記連結穴を形成するものであり、
    前記薄膜導体を形成する工程は、前記複数の薄膜導体として、前記駆動用集積回路と前記複数の薄膜抵抗体との間に前記複数の薄膜抵抗体にそれぞれ接続されるように、前記パルス通電するための複数の個別薄膜導体を形成し、前記インク溝と前記複数の薄膜抵抗体との間に前記複数の薄膜抵抗体の全てに接続されるように共通薄膜導体を形成するものであり、
    前記隔壁を設ける工程は、前記隔壁を、前記駆動用集積回路が形成された領域を覆うように設けるものであることを特徴とするインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、同時に行われ、前記インク溝および前記連結穴を同時に形成するものである請求項1に記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、前記Si基板にその両側の面から同時に行われ、前記インク溝および前記連結穴を同時に形成するものである請求項1または2に記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、前記Si基板にその両側の面から1回のエッチングで同時に行われ、前記インク溝および前記連結穴を同時に前記1回のエッチングで形成するものである請求項1または2に記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  5. 前記インク溝を形成する工程および前記連結穴を形成する工程は、Si異方性エッチングによって前記Si基板に前記インク溝および前記連結穴を形成するものである請求項1〜4のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 前記インク溝を形成する工程は、前記駆動用集積回路を形成する工程において前記Si基板の前記一方の面に形成され、前記インク溝が配置される部分がエッチングにより除去されたSiO層をマスクとして用いるものである請求項1〜5のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  7. 前記SiO層は、前記発熱抵抗体の断熱層として機能するものである請求項6に記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  8. 前記隔壁を設ける工程は、前記隔壁の材料として、熱分解開始温度が400℃以上の耐熱性樹脂を用いるものである請求項1〜7のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  9. 前記隔壁を設ける工程は、前記Si基板の前記一方の面に耐熱性樹脂を積層した後、この耐熱性樹脂を反応性ドライエッチングすることにより、前記複数の個別インク通路を形成するための前記隔壁を形成するものである請求項1〜8のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  10. 前記駆動用集積回路を駆動する制御信号は、前記Si基板の長手方向の端から供給されるものである請求項1〜9のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  11. 前記連結穴を形成する工程は、前記連結穴を、前記Si基板に形成された1つの前記インク溝に間歇的に穿孔するものである請求項1〜10のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  12. 前記連結穴を形成する工程は、前記連結穴を、前記複数個の吐出口の数が100〜300個に対して1個の割合で、前記Si基板に形成された1つの前記インク溝に間歇的に穿孔するものである請求項1〜11のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  13. 前記連結穴の最小断面積は、前記インク溝の断面積である請求項1〜12のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  14. 前記インク溝の幅を100〜200μmの範囲とし、前記連結穴のサイズを300〜600μm×600〜1000μmの範囲とし、この連結穴が100〜300個の前記吐出口に対して1個の割合で間歇的に1つの前記インク溝に穿たれたものである請求項1〜13のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法。
  15. 長尺のSi基板の一方の面に、その長手方向に沿って形成された薄膜発熱抵抗体列と、
    該薄膜発熱抵抗体列の複数の薄膜発熱抵抗体の各々と1対1に対応して、前記Si基板の前記一方の面の上方に設けられた複数のオリフィスと、
    前記複数のオリフィスの各々に対応して前記Si基板の前記一方の面上に設けられ、その各々が前記薄膜発熱抵抗体およびこれと1対1に対応する前記オリフィスに連通する複数の個別インク通路と、
    前記Si基板の前記一方の面に連続的に形成され、前記複数の個別インク通路の各々に接続される共通インク溝と、
    前記薄膜発熱抵抗体列が形成された前記Si基板の前記一方の面に、前記薄膜発熱抵抗体列に沿って、該薄膜発熱抵抗体列に対して前記共通インク溝と反対側に形成され、前記複数の薄膜発熱抵抗体の各々と配線接続された駆動用集積回路と、
    前記Si基板の他方の面側に装着され、インク供給路を有する実装フレームと、
    前記Si基板の前記一方の面側の前記共通インク溝と前記Si基板の前記他方の面側に装着される前記実装フレームの前記インク供給路とを連通するために、前記Si基板に形成された前記共通インク溝に間歇的にあけられた複数の連結穴と、を有し、
    前記共通インク溝および前記複数の連結穴は、前記駆動用集積回路、これに配線接続される前記複数の薄膜発熱抵抗体および前記隔壁が形成された前記Si基板に形成されたものであり、
    前記複数の薄膜発熱抵抗体の各々は、前記Si基板上に形成された薄膜抵抗体と薄膜導体とからなり、これらの複数の薄膜導体は、前記駆動用集積回路と前記複数の薄膜抵抗体との間に配設され、前記複数の薄膜抵抗体にそれぞれ接続され、前記パルス通電するための複数の個別薄膜導体と、前記インク溝と前記複数の薄膜抵抗体との間に配設され、前記複数の薄膜抵抗体の全てに接続される共通薄膜導体とを有し、
    前記隔壁は、前記駆動用集積回路が形成された領域を覆うように設けられたものであることを特徴とするインク噴射記録ヘッド。
  16. 前記共通インク溝および前記複数の連結穴は、前記Si基板にその両側の面から1回のSi異方性エッチングで同時に形成されたものである請求項15に記載のインク噴射記録ヘッド。
  17. 前記Si基板と前記発熱抵抗体との間には、前記駆動用集積回路を形成する際に、前記Si基板の前記一方の面に形成され、前記発熱抵抗体の断熱層として機能するSiO層を有し、このSiO層は、前記駆動用集積回路を形成する際に前記Si基板の前記共通インク溝が配置される部分がエッチングにより除去され、前記共通インク溝を形成する際に、マスクとして用いられたものである請求項15または16に記載のインク噴射記録ヘッド。
  18. 前記隔壁は、熱分解開始温度が400℃以上の耐熱性樹脂を用いて反応性ドライエッチングによって形成されたものである請求項15〜17のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッド。
  19. 前記連結穴の最小断面積は、前記共通インク溝の断面積である請求項15〜18のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッド。
  20. 前記インク溝の幅を100〜200μmの範囲とし、前記連結穴のサイズを300〜600μm×600〜1000μmの範囲とし、前記複数の連結穴は、前記複数個の吐出口の数が100〜300個に対して1個の割合で、前記Si基板に形成された1つの前記共通インク溝に間歇的に穿孔されたものである請求項15〜19のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッド。
  21. 請求項1〜14のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドの製造方法を用いて得られるインク噴射記録ヘッド、もしくは、請求項15〜20のいずれかに記載のインク噴射記録ヘッドを搭載することを特徴とする記録装置。
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