JP3858601B2 - 車両における開口部のシール構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両のフロントドアまたはリアドアの周縁部に装着されるウエザストリップを用いて、車両本体と前記フロントドアまたは前記リアドアとの間をシールするようにした車両における開口部のシール構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のシール構造では、車両のフロントドアあるいはリアドアの周縁に取着されて、これらドアと車両本体との間をシールするドアウエザストリップが用いられている。そして、前記フロントドアに取着されるフロントドアウエザストリップとしては、例えば図6及び図7に示すものがある。なお、図6は同ウエザストリップの側面図であり、図7の(a)は図6の7a−7a線断面図、(b)は図6の7b−7b線断面図、(c)は図6の7c−7c線断面図である。
【0003】
図6に示すように、このフロントドアウエザストリップ100は、ほぼ直線状に延びる複数(この例では3本)の押出成形部、すなわち、第1の押出成形部101、第2の押出成形部102、及び第3の押出成形部103とを備えている。そして、それら各押出成形部101〜103の端縁同士が複数(この例では3個)の型成形部104で接続されている。ここで、第1の押出成形部101は、図示しないフロントドアにおける上部及び前方側部の略上半分に、第2の押出成形部102は、同ドアにおける前方側部の略下半分に、そして第3の押出成形部103は、同ドアにおける下部及び後方側部にほぼ対応するように形成されている。
【0004】
また、図7(a)〜(c)に示すように、同フロントドアウエザストリップ100は、その各押出成形部101〜103において、基部105と中空状のシール部106と、同シール部106から外方に向かって突出する背面シール107とを共通して備えている。なお、図示はしていないが、前記各型成形部104においても、これに接続される押出成形部101〜103の基部105とシール部106と背面シール107とのそれぞれに連続する基部とシール部と背面シールとを備えている。
【0005】
また、第1の押出成形部101には、その背面シール107の中程から外方に向かって突出するシールリップ108が一体形成されている。ただし、同シールリップ108は、第2の押出成形部102及び第3の押出成形部103には形成されておらず、第1の押出成形部101と第2の押出成形部102とを接続する型成形部104において、シールリップ108の長さが連続的に徐変されている。
【0006】
このようなフロントドアウエザストリップ100は、前記フロントドアを開状態から閉状態に移行させると、そのシール部106が前記車両本体の開口縁部110に接触した状態で弾性変形する。このようにして、前記車両本体と前記フロントドアとの間において、車室の内外がフロントドアウエザストリップ100を介して、気密及び水密にシールされるようになる。
【0007】
ところで、前記型成形部104は、そのシール部の厚さを薄くするには自ずと限界があり、同シール部が押出成形部101〜103のシール部106に比べて肉厚になりがちであった。これにより、同型成形部104のシール部の剛性が大きくなって、前記フロントドアを閉じる際のドア閉力に対して、型成形部104のシール部による反力、すなわちフロントドアを閉状態から開状態へと移行する方向に作用する力が大きくなる。この結果、フロントドアを閉める際の抵抗が大きくなって、そのドアを閉める際のフィーリングが低下するおそれがあった。特に、図6及び図7に示したフロントドアウエザストリップ100のように、型成形部104を複数備える場合には、ドアを閉める際のフィーリングの低下はより顕著なものとなる。
【0008】
なお、図6において、前側の2ヶ所の型成形部104を廃止し、可変押出成形により、各押出成形部101〜103を1本にしてドアの閉まり性をよくしたものも提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、それらのフロントドアウエザストリップにおいて、図6及び図7に示したものを例にとると、前記フロントドアを閉めるべくシール部106と開口縁部110とを接触させると、フロントドアウエザストリップ100のシール部106は、例えば図7中に破線で示した態様で、その全体が中心線mに対して一方向側に傾倒しながら弾性変形するようになっている。このため、シール部106と開口縁部110との接触部で滑り摩擦が生じ、フロントドアを閉める際にさらなる抵抗が生じることとなり、その閉める際のドア閉力が高くなるとともに、ドア閉時のフィーリングがさらに低下するという問題がある。また、中空状のシール部106の側壁部分と開口縁部110との平面的な圧接のため、へたり等によりシール性が低下するおそれがある。
【0010】
なお、前記フロントドアの場合に限らず、前記リアドアの場合にあっても、こうした実情は概ね共通したものとなっている。
本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的としては、フロントドアあるいはリアドアを閉める際のフィーリングを向上させるとともに、シール部の移動を防止して、へたり等を抑制し、シール性を向上させることのできる車両における開口部のシール構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、車両における開口部のシール構造に係る本願請求項1に記載の発明は、車両のフロントドアの周縁部に装着される基部と、同基部に一体的に形成されて、前記フロントドアの閉状態で車両本体の開口縁部に弾性的に当接する中空状のシール部とを備えたウエザストリップ、及び前記フロントドアの上部及び側部の少なくとも一部に装着され、前記ウエザストリップとは別に形成されたシール部材を用いて、前記車両本体と前記フロントドアとの間をシールする車両における開口部のシール構造において、前記ウエザストリップは、前記フロントドアにおける前記車両本体の開口縁部の一部をなすセンタピラー部側上部の角部に対応する部分が型成形法により成形された型成形部からなり、それ以外の部分は、押出成形法により連続的に形成された押出成形部からなるものであり、前記開口縁部には、その少なくとも一部の縁部に沿うように凸部を設け、前記ウエザストリップの押出成形部は、その前方側部の前記フロントドアのベルトライン部に対応する部分の近傍における断面形状が徐変するように形成され、前記フロントドアの閉状態において、前記フロントドアのベルトライン部の近傍よりも下方部分における前記シール部の弾性変形量を、それ以外の部分よりも小さく設定し、前記フロントドアのベルトライン部の近傍よりも下方部分における前記シール部の高さを、それ以外の部分よりも低く設定し、前記フロントドアのベルトライン部の近傍よりも下方部分に対応する前記車両本体の開口縁部における前記凸部の突出高さをそれ以外の部分よりも低く設定し、前記シール部が前記凸部により同凸部の頂部に対してその両方向に押し広げられながら弾性変形するようにしたことを要旨とするものである。
【0012】
この本願請求項1に記載の発明では、各ドアを閉める際に、ウエザストリップのシール部が、車両の開口縁部に形成した凸部の頂部に対してその両方向に押し広げられながら弾性変形されるため、シール部と開口縁部との間に滑り摩擦力が生じにくくなる。この結果、各ドアを閉める際のドア閉力を抑制することができるとともに、そのフィーリングを向上することができる。また、シール部の変形態様が大きく傾動せず、シール部がその取付位置において圧縮方向での変形のため、シール部の移動に伴うシール性の低下が防止され、シール性を向上させることができる。
【0014】
ここで、先の図7に示したように、従来のウエザストリップ100にあっては、シール性、遮音性等を向上するためにシールリップ108を形成することがある。しかしながら、同シールリップ108は、その高さが比較的大きく、しかも、長手方向の両端部においてその高さが徐変するように形成されるため、可変口金を用いた可変押出成形法においても、シールリップ108を形成するのに高度な技術が要求されていた。
【0015】
これに対して本願請求項1に記載の発明では、シールリップと同等の役割を果たすシール部材を、ウエザストリップとは別に形成することで、ウエザストリップにシールリップを形成する必要がなくなる。このため、ウエザストリップにおける型成形部以外の部分が、その断面形状を大きく変化させることなく、可変口金を用いた可変押出成形法により容易に形成される。加えて、シール性の要求度合の異なるウエザストリップのベルトライン部近傍の上方部分と下方部分とを滑らかに連続させることが可能となる。なお、各ドアのベルトライン部近傍よりも下方部分に求められるシール性は、その他の部分に比べて小さいため、このようにシール部の弾性変形量を小さくしてもシール性に支障を生じない。また、シール部の高さ、あるいは各ドアの周縁部における凸部の突出高さを前述のように設定することで、ベルトライン部の近傍よりも下方部分におけるシール部の弾性変形量が小さくなる。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
以下に、本発明のシール構造を具体化した第1の実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。なお、図2は、右側のフロントドアに装着されるフロントドアウェザストリップを車室内側から見た正面図であり、図3(a)〜(d)は、図2の、それぞれ3a―3a線、3b―3b線、3c―3c線、3d―3d線における拡大断面図である。
【0024】
図1に示すように、このシール構造が採用される車両10の車両本体11には、そのフロント側側部に一対のフロントドア12、リア側側部に一対のリアドア13(図1では共に左側のドアのみ図示)がそれぞれ開閉可能に支持されている。そして、前記車両本体11には、フロントドア12に対応した位置にフロントドア用開口部14、リアドア13に対応した位置にリアドア用開口部15が形成されており、これら開口部14,15の間には、それらの開口縁部の一部をなすセンタピラー部16が形成されている。
【0025】
前記フロントドア12は、ドア本体部12aと同ドア本体部12aの上部にて逆U字状に設けられたドアサッシュ部12b等とを備えている。また、フロントドア12には、その車内側の周縁部17にウエザストリップとしてのフロントドアウエザストリップ(以下、単に「ウエザストリップ」という)20が図示しない両面接着テープやクリップを介して装着されている。そして、フロントドア12を開状態(図1に示した状態)から閉状態へと移行させて前記フロントドア用開口部14を塞ぐと、ドアウエザストリップ20の後述する中空状のシール部24がフロントドア用開口部14の開口縁部18に弾性的に当接するようになっている。これにより、フロントドア12が閉じられた状態で車両10の車室内外が気密及び水密にシールされるようになっている。
【0026】
また、ドアウエザストリップ20は、例えば、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)等の弾性材料から形成されている。そして、図2に示すように、このウエザストリップ20は、全体として環状に形成されており、型成形法により略L字形に形成された1つの型成形部21と、それ以外の部分であって、可変口金を用いた可変押出成形法により連続的に形成された押出成形部22とから構成されている。ここで、型成形部21は、前記ドアサッシュ部12bの後方上部、すなわち、前記センタピラー部16側上部の角部に対応するように形成されている。
【0027】
図3に示すように、押出成形部22は、前記フロントドア12の周縁部17に装着される基部23と、同基部23に一体的に形成された中空状のシール部24とを基本的に備えている。また、図示はしないが、前記型成形部21にも、押出成形部22の基部23及びシール部24に連続するように形成された基部とシール部とを備えている。すなわち、このドアウエザストリップ20は、基部とシール部とを基本的な構成要素として備え、全周に亘ってほぼ同一の基部23及びシール部24を備えた断面形状となるように形成されている。
【0028】
また、ドアウエザストリップ20の押出成形部22において、その基部23内には中空状の肉盗み部25が形成されている。また、押出成形部22において、その前方側部(図2中にAで示した部分)以外のシール部24の外面に背面リップ26が外方に向かって突出するように形成されている。なお、背面リップ26は、押出成形部22の前記前方側部の両端部近傍において、その高さが徐変するように形成されている。このようなドアウエザストリップ20を用いることで、フロントドア12を閉じると、シール部24が前記フロントドア用開口部14の開口縁部18の全周に亘って弾性的に当接し、車室の内外が気密及び水密にシールされるようになる。
【0029】
本実施形態では、前記開口縁部18における前方部分以外の縁部に沿うように凸部19(図3参照)を形成している。そして、図3(a)、(c)、(d)に示すように、フロントドア12を閉じた状態において、前記凸部19が形成されている部分では、ドアウエザストリップ20のシール部24が凸部19の頂部19aに対してその両方向に押し広げられながら圧縮する方向に弾性変形するようにしている。
【0030】
また、前記フロントドア12のドア本体部12aとドアサッシュ部12bとの接続部であるベルトライン部L1の近傍よりも下方部分に対応するシール部24の前記凸部19の侵入方向vにおける高さH2,H3を、その上方部分に対応するシール部24の高さH1,H4よりも小さく設定している。
【0031】
また、シール部24の高さHを前述のように変更するため、押出成形部22の断面形状を、図2中でB及びDにて示した前記ベルトライン部L1に対応する部分の近傍で徐変するようにしている。すなわち、Bで示した部分では、ドアウエザストリップ20の断面形状が、図3(a)で示したものから図3(b)に示したものへと徐々に変化するようになっている。また、Dで示した部分では、その断面形状が図3(c)で示したものから図3(d)で示したものへと徐々に変化するようになっている。
【0032】
さらに、図2中でCで示した部分は、押出成形部22が大きく曲げられることとなるため、シール部24がつぶれやすく、シール性が不足がちになりやすい。このようなシール性の低下を抑制するため、この部分が大きく曲げられた状態でも、フロントドア12の閉状態において、車両本体11のフロントドア用開口部14の開口縁部18における凸部19により、シール部24が所定量だけ弾性変形されるようになっている。つまり、図2中のCで示した部分のシール部24は、他の部分に比べて若干高くなるように形成されている。また、このシール部24の高さは、前記前方側部から前記下辺部側に向かって徐々に大きくなり、屈曲部の中央で最大となって、また徐々に小さくなっている。しかも、このCで示した部分は、その断面形状が図3(b)で示したものから図3(d)で示したものへと徐変されている。
【0033】
また、図3(a)に示すように、前記フロントドア12には、そのドアサッシュ部12bの少なくとも一部にドアウエザストリップ20とは別に形成されたシール部材30を設けている。同シール部材30は、ドアサッシュ部12bに設けられたリテーナ33に装着される基部31と、前記開口縁部18に弾性的に当接するリップ部32とを備えている。
【0034】
次に、ウエザストリップ20の製造手順について簡単に説明する。なお、かかる製造に使用する装置等については、ここでは図示を省略する。
先ず、押出成形機を用いて前記押出成形部22の断面形状を有する弾性材料を所定の開口部を有するダイより押出す。このとき、可変押出機構により押出成形部22に対し上述した特徴を有してなる各種断面形状を付与せしめる。その後、金型装置を用いて、押出成形部22の両端部を接続するように型成形部21を成形する。
【0035】
従って、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)このシール構造に用いるドアウエザストリップ20は、型成形部21を1つのみ備える。このため、フロントドア12を閉める際、型成形部21のシール部による反力、すなわちフロントドア12を閉状態から開状態へと移行させる方向に作用する力の増大が抑制される。また、開口縁部18には、その縁部に沿うよう凸部19を設け、フロントドア12の閉状態では、ドアウエザストリップ20のシール部24が凸部19の頂部19aに対してその両方向に押し広げられながら圧縮方向に弾性変形するようにした。これにより、シール部24は、その取付位置から大きく移動しないで変形し、また、シール部24と開口縁部18との間に滑り摩擦力が生じにくくなる。これらの結果、フロントドア12を閉める際のドア閉力の低下及びドア閉時のフィーリングを向上することができる。
【0036】
(2)従来では、シール性、遮音性等を向上するため、ドアウエザストリップにシールリップを形成することがある。しかしながら、同シールリップは、その大きさが比較的大きく、しかも、長手方向の両端部においてその高さが徐変するように形成されているため、可変口金を用いた可変押出成形法においても、同シールリップを形成するのに高度な技術が要求されていた。これに対して、このシール構造では、フロントドア12のドアサッシュ部12bの少なくとも一部にドアウエザストリップ20とは別に形成されたシール部材30を装着した。このため、ドアウエザストリップ20に前記シールリップを形成する必要がなくなる。これにより、ドアウエザストリップ20における押出成形部22の断面形状の変化が小さくなり、ドアウエザストリップ20を、可変口金を用いた可変押出成形法により容易に形成することができる。
【0037】
(3)このシール構造では、フロントドア12のベルトライン部L1の近傍よりも下方部分におけるシール部24の高さH2,H3を、ベルトライン部L1の近傍よりも上方部分におけるシール部24の高さH1,H4よりも低く設定した。このため、ベルトライン部L1の近傍よりも下方部分におけるシール部24の弾性変形量を小さくすることができて、フロントドア12を閉める際にシール部24と開口縁部18との間で生じる滑り摩擦力をより小さくすることができる。この結果、フロントドア12を閉める際のフィーリングをより向上することができる。なお、フロントドア12のベルトライン部L1近傍よりも下方部分に求められるドアウエザストリップ20のシール性は、ベルトライン部L1の上方部分に求められるシール性に比べて小さいため、このようにシール部24の高さHを小さくしてもそのシール性に支障を生じない。
【0038】
(4)このシール構造では、ドアウエザストリップ20におけるベルトライン部L1に対応する部分の近傍でその断面形状を徐変するようにした。このため、シール部24の高さHを徐変することにより、シール性の要求の高い前記上方部分とシール性の要求が比較的低い前記下方部分との断面形状を滑らかに連続させることができる。この結果、ドアウエザストリップ20におけるこれら両部分に段差が生じたりすることなく、シール部24によるベルトライン部L1近傍のシール性を良好に保つことができる。
【0039】
(第2の実施の形態)
つぎに、本発明の第2の実施形態について、前記第1の実施形態と異なる部分を中心に、図1、図4及び図5を参照して説明する。なお、図4は、右側のリアドアドアに装着されるリアドアウェザストリップを車室内側から見た正面図であり、図5(a)〜(d)は、図4の、それぞれ5a―5a線、5b―5b線、5c―5c線、5d―5d線における拡大断面図である。なお、図4及び図5において、先に示した図2及び図3と同一の構成については同一の符号を付している。
【0040】
本第2の実施形態のシール構造では、車両本体とリアドアとの間に設けられるリアドアウエザストリップを用いて車室の内外をシールする点で、前記第1の実施形態と異なる。
【0041】
本実施形態のシール構造で用いられるリアドアウエザストリップ(以下、単に「ウエザストリップ」という)40は、図1で示したリアドア13の車内側の周縁部において、図示しない両面接着テープやクリップを介して装着されている。同リアドア13は、ドア本体部13aと同ドア本体部13aの上部にて逆U字状に設けられたドアサッシュ部13b等とを備えている。そして、リアドア13を開状態から閉状態へと移行させて前記リアドア用開口部15を塞ぐと、ドアウエザストリップ40の後述するシール部44がリアドア用開口部15の開口縁部58に弾性的に当接するようになっている。これにより、リアドア13が閉じられた状態で車両10の車室内外がシールされるようになっている。
【0042】
図4に示すように、このウエザストリップ40は、全体として環状に形成されており、型成形法により略L字形に形成された1つの型成形部41と、それ以外の部分であって、可変口金を用いた可変押出成形法により連続的に形成された押出成形部42とから構成されている。ここで、型成形部41は、前記ドアサッシュ部の前方上部、すなわち、前記センタピラー部16(図1参照)側上部の角部に対応するように形成されている。
【0043】
図5に示すように、押出成形部42は、前記リアドア13の周縁部57に装着される基部43と、同基部43に一体的に形成された中空状のシール部44とを基本的に備えている。また、図示はしないが前記型成形部41にも押出成形部42の基部43及びシール部44に連続するように形成された基部とシール部とを備えている。すなわち、このドアウエザストリップ40は、基部とシール部とを基本的な構成要素として備え、全周に亘ってほぼ同一の基部43及びシール部44を備えた断面形状となるように形成されている。
【0044】
また、ドアウエザストリップ40の押出成形部42において、その基部43内には中空状の肉盗み部45が形成されている。また、押出成形部42において、その前方下部(図4中にEで示した部分)以外のシール部44の外面に背面リップ46が外方に向かって突出するように形成されている。なお、背面リップ46は、押出成形部42の前記前方下部の両端部近傍において、その高さが徐変するように形成されている。このようなドアウエザストリップ40を用いることで、リアドア13を閉じると、シール部44が前記リアドア用開口部15の開口縁部58の全周に亘って弾性的に当接し、車室の内外が気密及び水密にシールされるようになる。
【0045】
本実施形態では、前記開口縁部58における前方下部以外の縁部に沿うように凸部59を形成している。そして、図5(a)、(b)、(d)に示すように、リアドア13を閉じた状態において、前記凸部59が形成されている部分では、ドアウエザストリップ40のシール部44が凸部59の頂部59aに対してその両方向に押し広げられながら圧縮方向に弾性変形するようにしている。
【0046】
また、リアドア13のドア本体部13aとドアサッシュ部13bとの接続部であるベルトライン部L2の近傍よりも下方部分に対応するシール部44の前記凸部59の侵入方向における高さH7,H8を、その上方部分に対応するシール部44の高さH5,H6よりも小さく設定している。
【0047】
また、シール部44の高さHを前述のように変更するため、押出成形部42の断面形状を、図4中でF及びGにて示した前記ベルトライン部L2に対応する部分の近傍で徐変するようにしている。すなわち、Fで示した部分では、ドアウエザストリップ40の断面形状が、図5(b)で示したものから図5(c)に示したものへと徐々に変化するようになっている。また、Gで示した部分では、その断面形状が図5(d)で示したものから図5(a)で示したものへと徐々に変化するようになっている。
【0048】
さらに、図4中のIで示した部分のシール部44は、他の部分に比べて若干高くなるように形成されている。また、このシール部44の高さは、前記センタピラー部16側からリア側に向かって徐々に大きくなり、屈曲部の中央で最大となって、また徐々に小さくなっている。しかも、このIで示した部分は、その断面形状が図5(c)で示したものから図5(d)で示したものへと徐変されている。
【0049】
また、図5(a)に示すように、前記リアドア13には、そのドアサッシュ部13bの少なくとも一部にドアウエザストリップ40とは別に形成されたシール部材30を設けている。
【0050】
従って、本実施の形態によれば、前記第1実施の形態における(1)〜(4)に記載の効果に準じた効果を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】
以上詳述したように、本願請求項1に記載の発明によれば、フロントドアのドア閉時において中空状のシール部と開口縁部との間に滑り摩擦力を生じにくくすることができる。この結果、ドアを閉める際のドア閉力の低下及びドア閉時のフィーリングを向上することができる。また、ドア閉時におけるシール性を向上させることもできる。
【0057】
また、ウエザストリップにおける型成形部以外の部分を、可変口金を用いた可変押出成形法により容易に形成することができる。加えて、シール性の要求度合の異なるウエザストリップのベルトライン部近傍の上方部分と下方部分とを滑らかに連続させることができる。また、ベルトライン部の近傍よりも下方部分におけるシール部の弾性変形量を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態のシール構造が採用される車両の部分斜視図。
【図2】図1のフロントドアウェザストリップを示す正面図。
【図3】(a)〜(d)は、図2の、それぞれ3a―3a線、3b―3b線、3c―3c線、3d―3d線における拡大断面図。
【図4】第2の実施形態で用いられるリアドアウエザストリップの正面図。
【図5】(a)〜(d)は、図4の、それぞれ5a―5a線、5b―5b線、5c―5c線、5d―5d線における拡大断面図。
【図6】従来のフロントドアウエザストリップの正面図。
【図7】(a)〜(c)は、図6の、それぞれ7a―7a線、7b―7b線、7c―7c線における拡大断面図。
【符号の説明】
10…車両、11…車両本体、12…フロントドア、13…リアドア、14…フロントドア用開口部、15…リアドア用開口部、16…センタピラー部、17,57…周縁部、18,58…開口縁部、19,59…凸部、19a,59a…頂部、20…フロントドアウエザストリップ、21,41…型成形部、22,42…押出成形部、23,43…基部、24,44…シール部、25,45…肉盗み部、30…シール部材、40…フロントドアウエザストリップ、T1〜T8…シール部の弾性変形量、H1〜H8…シール部の高さ、h…凸部の突出高さ、L1,L2…ベルトライン部。
Claims (1)
- 車両(10)のフロントドア(12)の周縁部(17)に装着される基部(23)と、同基部(23)に一体的に形成されて、前記フロントドア(12)の閉状態で車両本体(11)の開口縁部(18)に弾性的に当接する中空状のシール部(24)とを備えたウエザストリップ(20)、及び前記フロントドア(12)の上部及び側部の少なくとも一部に装着され、前記ウエザストリップ(20)とは別に形成されたシール部材(30)を用いて、前記車両本体(11)と前記フロントドア(12)との間をシールする車両における開口部のシール構造において、
前記ウエザストリップ(20)は、前記フロントドア(12)における前記車両本体(11)の開口縁部(18)の一部をなすセンタピラー部(16)側上部の角部に対応する部分が型成形法により成形された型成形部(21)からなり、それ以外の部分は、押出成形法により連続的に形成された押出成形部(22)からなるものであり、前記開口縁部(18)には、その少なくとも一部の縁部に沿うように凸部(19)を設け、前記ウエザストリップ(20)の押出成形部(22)は、その前方側部の前記フロントドア(12)のベルトライン部(L1)に対応する部分の近傍における断面形状が徐変するように形成され、前記フロントドア(12)の閉状態において、前記フロントドア(12)のベルトライン部(L1)の近傍よりも下方部分における前記シール部(24)の弾性変形量を、それ以外の部分よりも小さく設定し、前記フロントドア(12)のベルトライン部(L1)の近傍よりも下方部分における前記シール部(24)の高さを、それ以外の部分よりも低く設定し、前記フロントドア(12)のベルトライン部(L1)の近傍よりも下方部分に対応する前記車両本体(11)の開口縁部(18)における前記凸部(19)の突出高さをそれ以外の部分よりも低く設定し、前記シール部(24)が前記凸部(19)により同凸部(19)の頂部に対してその両方向に押し広げられながら弾性変形するようにしたことを特徴とする車両における開口部のシール構造。
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