JP3853025B2 - Aluminum nitride powder and method for producing the same - Google Patents
Aluminum nitride powder and method for producing the same Download PDFInfo
- Publication number
- JP3853025B2 JP3853025B2 JP13311197A JP13311197A JP3853025B2 JP 3853025 B2 JP3853025 B2 JP 3853025B2 JP 13311197 A JP13311197 A JP 13311197A JP 13311197 A JP13311197 A JP 13311197A JP 3853025 B2 JP3853025 B2 JP 3853025B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- aluminum nitride
- nitride powder
- water
- phosphoric acid
- acid compound
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Glanulating (AREA)
- Ceramic Products (AREA)
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流動性及び耐水性に優れ、イオン性成分の溶出性の低い窒化アルミニウム粉末及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
窒化アルミニウム粉末は熱伝導性、機械的強度及び電気絶縁性に優れた特性を持った物質として知られており、構造用材料、機能用材料等多方面に使用されつつある。しかし、同時に窒化アルミニウム粉末は加水分解しやすいという性質も有しており、大気中の水分でさえも容易に分解し、下記(1)式に従って水酸化アルミニウムとアンモニアを生成し、窒化アルミニウム粉末の特性を失ってしまうという問題点がある。
【0003】
AlN+3H2O→Al(OH)3+NH3 ・・・・・ (1)
従って、高温用炉材等の構造用材料として使用する際、成形時に使用するバインダーが水系の場合、加水分解し窒化アルミニウム粉末の本来の特性を失うため、引火、発火性、かつ有害な有機溶剤を使用せざるを得ない。また、白板、メタライズ基板等の機能材料も加水分解による性能劣化が問題となる。また、半導体デバイス、IC等の半導体素子はパッケージで外部より保護されている。そのパッケージに、高分子材料が使用されており、高分子材料自身は熱伝導性が低いため、半導体素子を使用した回路から発生した熱を外部に放散・除去を行うため、熱伝導性に優れた無機微粒子(シリカ、窒化ほう素、窒化アルミニウム等)を樹脂用のフィラーとして使用している。近年、より高い熱伝導性を有する窒化アルミニウムがフィラーとして用いられるようになってきた。樹脂用のフィラーとして使用した場合も大気中の水分がフィルムを透過し、窒化アルミニウム粉末が加水分解を受けて、熱伝導性の低下や樹脂の劣化をもたらす。このように上記用途に窒化アルミニウム粉末を使用する際には、加水分解の進行を抑制する性質(以下、耐水性と記す)を付与する必要がある。
【0004】
そこで従来から窒化アルミニウム粉末に耐水性を付与する検討がなされている。例えば、窒化アルミニウム粉末の表面被覆剤に重合性モノマーを使用する方法(特開平1−179711号公報)、有機系珪素カップリング剤を使用し、シロキサン結合を有するもの(特開平7−33415号公報)、ヒドロキシル基、アミン基、カルボキシル基によるもの(特開平3−261665号公報、特開平6−345538号公報)、また窒化アルミニウム粉末を若干の酸素を含む雰囲気で焼成することによるα−アルミナを形成したもの(特開平4−175209号公報)等が開示されている。しかしながらこれらの方法では、充分な耐水性を得ることができない。
【0005】
本発明者らは水の存在下で窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物で処理し、特定量の燐酸化合物を窒化アルミニウム表面に含有させることにより、優れた耐水性を有する窒化アルミニウム粉末を得ることができた(特願平8−11371号公報、特願平8−286780号公報)。しかし、多方面で更に高い耐水性を有する窒化アルミニウム粉末が求められると同時に、溶出するイオン性成分の低減の要望もある。
【0006】
また、特願平8−286780号公報記載の方法で優れた耐水性が得られるが、燐酸化合物による処理により表面状態が変化し、未処理のものと比べると流動性が著しく低下してしまう。そのため、耐水性窒化アルミニウムは流動性が悪いために、樹脂との混練時、窒化アルミニウム粉末が凝集体を形成し樹脂に均一に分散させることが困難である。例えば、そのため、窒化アルミニウム粉末を樹脂と混練する際、篩で分級しながら混練することが必要となり、工程が増えコストアップにつながっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は▲1▼更に優れた耐水性の付与▲2▼イオン性成分の溶出の抑制▲3▼優れた流動性の付与にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、窒化アルミニウム粉末の表面に特定量の燐酸化合物を有する窒化アルミニウムが優れた耐水性を有することを知見し、更に検討した結果、特定量の燐酸化合物を窒化アルミニウム粉末の表面に含有させ且つ、特定の流動性改良剤を含有させることにより、▲1▼更に優れた耐水性の付与▲2▼イオン性成分の溶出の抑制▲3▼優れた流動性の付与という目的を達成できることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
即ち、本発明は流動性改良剤を含有し、且つ燐酸化合物で処理された窒化アルミニウム粉末であって、該窒化アルミニウム粉末に対して該燐酸化合物がP2O5換算で0.1〜10重量%含有することを特徴とする流動性及び耐水性に優れ、イオン性成分の溶出性の低い窒化アルミニウム粉末、及び水の存在下、窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物で処理し、流動性改良剤を混合することを特徴とする窒化アルミニウム粉末の製造方法に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で用いる窒化アルミニウム粉末は、製法による差異は認められず、通常用いられる窒化アルミニウム粉末が使用できる。例えば、有機アルミニウム化合物とアンモニアを反応さた後、加熱する気相反応法、アルミナと炭素の混合物を窒素中で加熱するアルミナ還元法、アルミニウムと窒素で反応させる直接窒化法等で製造した窒化アルミニウム粉末がいずれも好適に使用可能である。その中でも樹脂との馴染みが良く、多量に樹脂に充填することが可能である気相反応法により得られる窒化アルミニウム粉末を使用するのが好ましい。
【0011】
本発明でいう燐酸化合物で処理された窒化アルミニウム粉末とは、窒化アルミニウム粉末表面に燐酸化合物を含有する窒化アルミニウム粉末であって、窒化アルミニウム粉末表面のアルミニウムの少なくとも一部が燐酸アルミニウム結合(Al−O−P)を形成している窒化アルミニウム粉末をいい、その周辺の結合状態が特定されるものではない。おそらくは、この燐酸アルミニウムの層が耐水性の層であると本発明者らは考えており、Al−O−P結合の多少により、高温耐水性、長時間耐水性等の性能を付与できることを実験的に確認している。
【0012】
また、本発明では窒化アルミニウム粉末の表面に存在する燐酸化合物(燐酸アルミニウム)のP2O5換算で含有量を特定することによって、窒化アルミニウムに優れた耐水性を付与することができる。
【0013】
この耐水性窒化アルミニウム粉末は、燐酸化合物をP2O5換算で0.1〜10重量%の範囲で含有する必要があり、好ましくは、0.3〜8重量%、更に好ましくは、0.5〜6重量の範囲が好適である。耐水性窒化アルミニウム粉末のP2O5含有量が0.1重量%未満では、所望の耐水性を得ることができず、また、10重量%を超えると、所望の耐水性と流動性は得られるが、窒化アルミニウムの酸素含有量が高くなり窒化アルミニウム粉末本来の特性である熱伝導性を損なう。また、未反応の燐酸化合物が多くなるため、溶出性の燐酸化合物が増加し、溶出性のイオン性成分の増加につながるので好ましくない。
【0014】
本発明の窒化アルミニウム粉末の燐酸化合物での処理とは、燐酸化合物と窒化アルミニウム粉末を接触させる操作をいい、例えば窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物溶液に分散させることや窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物溶液に練り込みペースト状にすること等が挙げられる。燐酸化合物と窒化アルミニウムが接触する操作であれば、どのような方法でもよい。
【0015】
本発明でいう燐酸化合物とは、窒化アルミニウム粉末表面のアルミニウムと反応して燐酸アルミニウム結合(Al−O−P結合)を形成し、最終的には窒化アルミニウム粉末を燐酸アルミニウム層で被覆する能力を有する燐酸化合物を意味し、例えば、オルト燐酸、メタ燐酸、ピロ燐酸、ポリ燐酸、ホスホン酸等の無機燐酸化合物やメチルアシッドホスフェート、エチルアシッドホスフェート、ブチルアシッドホスフェート、2−エチルヘキシルアシッドホスフェート、ラウリルアッシドホスフェート、パルミチルアッシドホスフェート、ステアリルアシッドホスフェート、オレイルアシッドホスフェート、フェニルアシッドホスフェート、ノニルフェニルアシッドホスフェート等の酸性燐酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルピロホスフェート等のピロ燐酸又はポリ燐酸のモノ若しくはジアルキル、アルケニル又はアリールエステル類、メチレンホスホン酸、アミノメチレンホスホン酸等のホスホン酸類及びそのエステル類等の有機燐酸化合物等がその例として挙げられる。また、二種類以上の燐酸化合物の混合物でもかまわない。
【0016】
本発明では燐酸化合物を溶液として用いる。その際、上記の燐酸化合物を水または水と有機溶剤に溶解したものを用いる。用いる水としては、純水でも市水でもよい。また、有機溶剤としては、燐酸化合物が溶解するものなら何でもよいが、水の存在が必要なことから水溶性であることが好ましい。例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、テトラヒドロキシフラン(THF)等が挙げられる。このような水溶性の有機溶剤に溶けない燐酸化合物の場合、水溶性の有機溶剤と共にヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の非水溶性の有機溶剤を併用してもよい。
ここで用いる燐酸化合物の濃度は、特に限定されるものではないが、濃度が0.01重量%以下では、所望の耐水性が得られないので好ましくない。
【0017】
窒化アルミニウム粉末に対する燐酸化合物の使用量は、窒化アルミニウム粉末100重量部に対して0.03〜200重量部の範囲が好ましく、更に好ましくは0.3〜100重量部、最も好ましくは0.3〜60重量部が好適である。窒化アルミニウム粉末100重量部に対して0.03重量部未満では、所望の耐水性を得ることができず、また、200重量部を超えると、所望の耐水性及び流動性は得られるが、窒化アルミニウムの酸素含有量が高くなり窒化アルミニウム本来の特性である熱伝導性を損なうので好ましくない。また、未反応の燐酸化合物が多くなるため、溶出性の燐酸化合物が増加し、溶出性のイオン性成分の増加につながるので好ましくない。
【0018】
窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物で処理する際に水が存在することが、本発明では重要なポイントとなる。というのは、水が存在することにより窒化アルミニウム粉末の表面を強制的に加水分解し、燐酸化合物と反応する活性点である水酸化アルミニウムを発生させる。この活性点の増加により燐酸アルミニウム結合(燐酸アルミニウムの層)の形成を促進するので、高い耐水性が得られる。このことについては、発明者らは実験的に確認している。水の使用量は窒化アルミニウム粉末100重量部に対して1重量部以上必要である。窒化アルミニウム粉末100重量部に対して1重量部未満では活性点が増加しないため耐水性の層の形成を促進されず、高い耐水性は得られないので好ましくない。また、耐水性の層の形成は、非常に速いので水による加水分解が進行し、窒化アルミニウム粉末本来の特性を損なうことはない。
【0019】
窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物で処理する温度は、燐酸化合物や水の使用量等の条件により一概にはいえないが、0〜100℃の範囲が好ましく、更に好ましくは18〜50℃が好適である。処理する温度が0℃未満では、窒化アルミニウム表面が加水分解しにくいので、燐酸化合物との反応する活性点が増加しないため、燐酸化合物との反応が進行しないので、所望の耐水性が得らない、また、処理する温度が100℃を超えると、耐水性は得られるが、窒化アルミニウム粉末と燐酸化合物の反応が進行し過ぎて窒化アルミニウム粉末本来の特性を損なってしまうので好ましくない。
【0020】
窒化アルミニウム粉末と燐酸化合物を処理する時間は、燐酸化合物の濃度、使用量、温度等により一概にはいえないが1〜120分が好ましく、更に好ましくは、5〜60分が好適である。
【0021】
上記の燐酸化合物の処理に加えて、更に流動性改良剤の混合を行うことで、窒化アルミニウム粉末への▲1▼更に優れた耐水性の付与▲2▼イオン性成分の溶出の抑制▲3▼優れた流動性の付与という目的を達成することができる。著しい性能向上の理由としては、燐酸アルミニウムの層を有する窒化アルミニウム粉末の表面に流動性改良剤の粒子が存在するためと推測している。おそらく、燐酸化合物を有する窒化アルミニウム粉末表面に流動性改良剤の粒子が存在することより、未反応の燐酸化合物の溶出が抑制されることによって、燐酸化合物の溶出による耐水性の低下が抑えられ、結果として、耐水性の向上とイオン性成分の溶出の抑制をもたらすと考えてよい。
【0022】
本発明でいう流動性改質剤としてはシリカ、アルミナ、チタニア、窒化ほう素及び表面に親油性基を有する無機粉末等が挙げられる。また、2種類以上の流動性改質剤の混合物でもかまわない。これらの流動性改質剤の粒径は1μm以下が好ましい。
【0023】
本発明の表面に親油性基を有する無機粉末とは、無機粉末の表面を樹脂、シリコンオイル、シリコーンやフッ素化合物等で被覆して、無機粉末の表面を親油性基で覆われた無機粉末のことを意味する。例えば、表面に親油性基を有するシリカ(以下、撥水性シリカと記す)等が挙げられる。
【0024】
特に、流動性改質剤として表面に親油性基を有する無機粉末を用いた場合、窒化アルミニウムの耐水性、流動性が著しく改善され、更にイオン性成分の溶出を抑制する効果も大きい。その上、窒化アルミニウムと表面に親油性基を有する無機粉末が混合することで、樹脂との馴染みも他のものより向上するので、樹脂への分散性も著しく向上する。
【0025】
流動性改良剤として表面に親油性基を有する無機粉末を用いる場合、混合の際に分散剤として有機溶剤を用いると、他の方法と比較すると耐水性の向上及びイオン性成分の溶出抑制の効果が非常に大きい。分散剤を用いて表面に親油性基を有する無機粉末を混合する方法が他の方法に類を見ない程に耐水性の向上及びイオン性成分の溶出抑制の効果をもたらす理由としては、おそらく有機溶剤により無機粉末表面の親油性の被覆剤が溶出し、この親油性の被覆剤が窒化アルミニウム表面を覆うため窒化アルミニウム表面をすきまなく被覆することとなり、流動性改良剤の粒子が窒化アルミニウム表面に存在するだけのものよりも耐水性の向上とイオン性成分の溶出の効果が大きくなる、と推測している。無機粉末表面にどのような親油性の被覆剤を含有するものでも同様の効果が得られるが、特に、無機粉末の表面をシリコンオイルで被覆した無機粉末が有用である。ここで用いる分散剤としての有機溶媒は水溶性のものならば、何でもよく、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、テトラヒドロキシフラン(THF)等が挙げられる。また、ヘプタン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、クロロホルム等の非水溶性の有機溶剤を併用してもよい。
【0026】
分散剤を用いた表面に親油性基を有する無機粉末の混合は、燐酸化合物処理の後でも燐酸化合物処理の際のいつでもよく、均一に混合することができればいつ行ってもよい。
燐酸化合物で処理の後に混合する方法としては、窒化アルミニウム粉末又は表面に親油性基を有する無機粉末をスラリーとして、ミキサーやボールミル等を用いて均一に混合する方法等がある。
【0027】
燐酸化合物で処理の際に混合する方法としては、予め分散剤で表面に親油性基を有する無機粉末をスラリー又はペースト状にして混合する方法と分散剤が含まれている燐酸化合物溶液中の表面に親油性基を有する無機粉末をそのまま添加し、混合する方法等がある。前者の方が分散剤の使用量が少量でよく、低コストで製造できる。特に、オルト燐酸等の無機燐酸の水溶液で窒化アルミニウム粉末を処理し、流動性改良剤として表面に親油性基を有する無機粉末を用いる場合、均一に混合するために分散剤として有機溶媒を用いて流動性改良剤をスラリー又はペースト状にする必要がある。
【0028】
分散剤を使用しない場合、流動性改良剤の混合は、燐酸化合物処理の後でも、燐酸化合物処理の際に行ってもよく、流動性改良剤が均一に窒化アルミニウム粉末と混合できればよい。
燐酸化合物処理の後、流動性改良剤を混合する方法としては、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー等を用いて、粉体同士を混合する方法とボールミルを用いて、粉砕混合する方法がある。後者の方法の方が性能の向上の効果が大きい。
【0029】
燐酸化合物処理の際に流動性改良剤を混合する方法としては、窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物溶液に分散させてスラリーに流動性改良剤を分散させる方法、窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物溶液に練り込みペースト状に流動性改良剤を練り込む方法や、前もって流動性改良剤を燐酸化合物溶液に分散させた後、窒化アルミニウム粉末を燐酸化合物で処理する方法等がある。また、流動性改良剤を溶媒でスラリー又はペースト状にしてから混合してもかまわない。
【0030】
燐酸化合物での処理及び流動性改良剤の混合を行った窒化アルミニウムのスラリーを濾過し、過剰の燐酸化合物を取り除くため、水または有機溶媒で洗浄を行った後、乾燥、粉砕する。この濾過〜乾燥を繰り返すことにより、より高純度の流動性及び耐水性に優れ、イオン性成分の溶出性の低い窒化アルミニウム粉末が得られる。また、燐酸化合物で処理及び流動性改良剤の混合を行った窒化アルミニウム粉末のスラリーをそのままスプレードライを用いて乾燥する方法、また上記したように濾過してそのケーキを乾燥する方法等いずれの方法でも構わない。
窒化アルミニウムスラリーの濾過は、ヌッチェ、遠心濾過機等を使用する。また、濾過を行わずそのまま乾燥を行ってもよい。
【0031】
所定量の燐酸化合物及び流動性改良剤を用いて窒化アルミニウム粉末をペースト状にして処理を行った場合は、そのまま乾燥し、粉砕することで所望の流動性及び耐水性に優れ、イオン性成分の溶出性の低い窒化アルミニウム粉末を得ることができる。この方法により流動性及び耐水性に優れ、イオン性成分の溶出性の低い窒化アルミニウム粉末を低コストで多量に製造することができる。
【0032】
乾燥方法としては、濾過したケーキ、スラリーやペーストを80〜300℃で3〜24時間乾燥させる。用いる乾燥機には、熱風乾燥機、蒸気乾燥機等を用いるのが好ましい。
【0033】
粉砕には、ジェットミル、サンプルミル、ボールミル等を用いる。また、ここでいう粉砕は、二次粒子を一次粒子にすることであり、被覆表面を破壊するものではない。
【0034】
以上のような方法で得た流動性及び耐水性に優れ、イオン性成分の溶出性の低い窒化アルミニウム粉末に対し、以下の方法で更にイオン性成分の溶出を抑制することができる。つまり、イオン性成分の溶出を抑制する方法としては、150〜600℃で加熱処理することにより燐酸アルミニウム結合(Al−O−P)の生成を促進させる方法や洗浄により溶出性のイオン性成分の除去をする方法等がある。また、加熱処理と洗浄を組み合わせることにより効果的にイオン性成分の溶出を抑制することができる。これらのイオン性成分の溶出を抑制する方法を用いることにより、更に高純度の流動性及び耐水性に優れ、イオン性成分の溶出性の低い窒化アルミニウム粉末が得られる。
【0035】
【実施例】
以下、本発明を実施例をもって説明する。%及び部は特記しないかぎり重量基準で表す。
実施例1
2.4%オルト燐酸水溶液56.8部(オルト燐酸1.4部、水55.4部)に予め、窒化アルミニウム粉末に対して2%の撥水性シリカをメタノールでスラリーにして加え、オルト燐酸水溶液中に分散させた。次に前記のオルト燐酸水溶液に窒化アルミニウム粉末(平均粒径1μm)100部を加え、5Lのニーダーで練り込みペースト状とし、30℃で30分間処理を行った。この混合物を120℃、8時間乾燥し、乾燥後、ジェットミルで粉砕し、窒化アルミニウム粉末を得た。
【0036】
得られた窒化アルミニウム粉末の評価試験は下記の方法で行った。
・窒化アルミニウム粉末の表面の燐含有量
窒化アルミニウム粉末1.5gを水酸化ナトリウム水溶液中で、加熱溶解し、中和後、比色分析を行い、耐水性窒化アルミニウム粉末表面の燐含有量を測定した。
・窒化アルミニウム粉末の耐水性試験
純水100gを100℃まで加熱し、100℃に達した純水中に窒化アルミニウム粉末1gを分散させ、分散後の分散液のpH変化を経時的に測定した。
・電気伝導率の測定
耐水性試験を行った分散液を濾過し、その濾液の電気伝導率を測定することで、溶出イオン性成分の評価を行った。
・また、安息角を測定することで、流動性の評価を行った。
・窒化アルミニウム粉末の溶出性テスト
テフロンコーティングをしたステンレス製容器に純水100gと窒化アルミニウム粉末12.5gを入れて容器を密閉した。これを120℃で24時間加熱し、冷却後濾過し、その濾液のpH及び電気伝導率を測定した。
これらの評価結果を表1に示す。
【0037】
実施例2〜3
撥水性シリカの添加量を5%、10%に変更した以外は実施例1と同様の方法で窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0038】
実施例4
2.4%オルト燐酸水溶液を6.8%オルト燐酸水溶液60.5部(オルト燐酸4.1部、水56.4部)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0039】
実施例5
2.4%オルト燐酸水溶液を15.8%オルト燐酸水溶液69.7部(オルト燐酸11部、水58.7部)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で窒化アルミニウム粉末のを得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0040】
実施例6〜7
流動性改良剤をアルミナ、窒化ほう素に変更した以外は、実施例1と同様の方法で窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0041】
実施例8
容量5Lのガラス製容器に13%ピロ燐酸水溶液230部(ピロ燐酸30部、水200部)を入れ、このピロ燐酸水溶液に窒化アルミニウム粉末(平均粒径1μm)100部を加えて水溶液中に分散させ、処理温度80℃で15分間処理を行い窒化アルミニウム粉末のスラリーを得た。更に、窒化アルミニウム粉末に対して2%の撥水性シリカをメタノールでスラリーにし、窒化アルミニウム粉末のスラリーに分散させた。このスラリーを濾過し、過剰のピロ燐酸水溶液を取り除くため200部の水で洗浄を行った後、120℃、3時間、乾燥し、乾燥後、ジェットミルで粉砕し窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0042】
実施例9
容量5Lのガラス製容器にイソプロパノール/純水=9/1(重量比)の割合のものを250部とエチルアシッドホスフェート30部を混合し、この混合液に窒化アルミニウム粉末(平均粒径1μm)100部を加え分散させ、処理温度50℃で30分間処理を行った(窒化アルミニウム粉末/エチルアシッドホスフェート/水=100部/30部/25部)。更に、窒化アルミニウム粉末に対して2%の撥水性シリカを分散させた。このスラリーを濾過し、過剰のエチルアシッドホスフェートを取り除くため、1000部のイソプロパノールで洗浄した。これを80℃、5時間乾燥した後、ジェットミルで粉砕し、窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0043】
実施例10
5Lのニーダーで2.4%オルト燐酸水溶液56.8部(オルト燐酸1.4部、水55.4部)に窒化アルミニウム粉末(平均粒径1μm)100部を加え、練り込みペースト状とし、30℃で30分間処理を行った。この混合物を120℃、8時間乾燥し、乾燥後、ジェットミルで粉砕し、耐水性窒化アルミニウム粉末を得た。更に、この耐水性窒化アルミニウム粉末に対して撥水性シリカを2%添加し、アルミナ製のボールを容量1Lの磁製ポットに入れ、120回転で1時間混合粉砕を行い、窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0044】
実施例11
2.4%オルト燐酸水溶液56.8部(オルト燐酸1.4部、水55.4部)に予め、窒化アルミニウム粉末に対して2%の撥水性シリカをメタノールでスラリーにして加え、オルト燐酸水溶液中に分散させた。次に前記のオルト燐酸水溶液に窒化アルミニウム粉末(平均粒径1μm)100部を加え、5Lのニーダーで練り込みペースト状とし、30℃で30分間処理を行った。この混合物を120℃、8時間乾燥し、更に300℃で5時間加熱処理をした後、ジェットミルで粉砕し、窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0045】
実施例12〜13
撥水性シリカの添加量を3%、4%に変更した以外は実施例11と同様の方法で窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0046】
実施例14〜16
実施例11〜13で得た窒化アルミニウム粉末を100℃の純水で洗浄し、濾過乾燥後、ジェットミルで粉砕し、窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0047】
比較例1
実施例1の撥水性シリカを除いた他は実施例1と同様に行った。
【0048】
得られた耐水性窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0049】
比較例2〜3
実施例4及び5の撥水性シリカを除いた他は実施例1と同様に行った。
得られた耐水性窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0050】
比較例4
2.4%オルト燐酸水溶液を21.5%オルト燐酸水溶液77.1部(オルト燐酸16.6部、水60.5部)に変更した以外は、実施例1と同様の方法で窒化アルミニウム粉末を得た。
得られた耐水性窒化アルミニウム粉末の燐含有量、耐水性、溶出イオン性成分及び流動性の評価を実施例1と同様に行い、その結果を表1に示す。
【0051】
実施例17〜32
珪素樹脂100部に対し、アルミナ粒子とシリカ粒子をそれぞれ150部及び実施例1〜16の操作で得た窒化アルミニウム粉末100部を混合し、ニーダーで10分間混練して、窒化アルミニウム含有の珪素樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、150メッシュのストレーナーを通して押し出し成形したが、ストレーナーを通らない程の凝集物は認められなかった。
【0052】
比較例5〜7
比較例1〜3の操作で得た耐水性窒化アルミニウム粉末を用いた以外は実施例17と同様の方法で窒化アルミニウム含有の珪素樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物を、150メッシュのストレーナーを通して押し出し成形したが、ストレーナーを通らない凝集物が認められた。
【0053】
【表1】
【0054】
【発明の効果】
本発明によって得られる窒化アルミニウム粉末は、非常に高い耐水性を有し、更に、イオン性成分の溶出も抑制できる。また、優れた流動性を付与でき、凝集体を形成することがないので、樹脂への混練の際樹脂中に均一に分散することができる。
また、放熱が要求される電子部品の封止材、電子部品の接着材料や積層基板の成形材料等の樹脂材料用のフィラーとして有用である。また、耐水性が非常に高く、イオン性成分の溶出が少ないので、高温耐湿下でも使用でき、従来技術より信頼性の高い製品を得ることができる。
さらに、高温用炉材等の構造用材料として使用する際、成形時にバインダーとして水系のものを使用しても、加水分解しないので、窒化アルミニウム粉末の本来の特性を失うことがない。すなわち、本発明の窒化アルミニウム粉末を用いれば、引火性、且つ有害な有機溶媒をバインダーとして用いる必要がなく、安価な水が使用できるので、環境面の改善と安価なコストで高温炉材等を製造できる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an aluminum nitride powder that is excellent in fluidity and water resistance and has low elution of ionic components, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Aluminum nitride powder is known as a material having excellent thermal conductivity, mechanical strength, and electrical insulation, and is being used in various fields such as structural materials and functional materials. However, at the same time, aluminum nitride powder has the property of being easily hydrolyzed, and even water in the atmosphere is easily decomposed to produce aluminum hydroxide and ammonia according to the following formula (1). There is a problem that characteristics are lost.
[0003]
AlN + 3H 2 O → Al (OH) 3 + NH 3 (1)
Therefore, when used as a structural material such as high-temperature furnace materials, if the binder used at the time of molding is aqueous, it will hydrolyze and lose the original characteristics of the aluminum nitride powder. Must be used. Further, functional materials such as white plates and metallized substrates also have a problem of performance deterioration due to hydrolysis. Further, semiconductor elements such as semiconductor devices and ICs are protected from the outside by a package. The package uses a polymer material, and the polymer material itself has low thermal conductivity, so heat generated from circuits using semiconductor elements is dissipated and removed to the outside, so it has excellent thermal conductivity. Inorganic fine particles (silica, boron nitride, aluminum nitride, etc.) are used as fillers for resins. In recent years, aluminum nitride having higher thermal conductivity has been used as a filler. Even when used as a filler for resin, moisture in the air permeates the film, and the aluminum nitride powder is hydrolyzed, resulting in a decrease in thermal conductivity and deterioration of the resin. Thus, when using aluminum nitride powder for the above-mentioned use, it is necessary to impart a property of suppressing the progress of hydrolysis (hereinafter referred to as water resistance).
[0004]
Thus, studies have been made to impart water resistance to aluminum nitride powder. For example, a method of using a polymerizable monomer as a surface coating agent for aluminum nitride powder (JP-A-1-179711), an organic silicon coupling agent having a siloxane bond (JP-A-7-33415) ), Hydroxyl group, amine group, carboxyl group (JP-A-3-261665, JP-A-6-345538), or α-alumina produced by firing aluminum nitride powder in an atmosphere containing some oxygen. What is formed (Japanese Patent Laid-Open No. 4-175209) is disclosed. However, these methods cannot provide sufficient water resistance.
[0005]
The present inventors have been able to obtain an aluminum nitride powder having excellent water resistance by treating the aluminum nitride powder with a phosphoric acid compound in the presence of water and containing a specific amount of the phosphoric acid compound on the surface of the aluminum nitride. (Japanese Patent Application No. 8-11371, Japanese Patent Application No. 8-286780). However, there is a demand for aluminum nitride powder having higher water resistance in various fields, and at the same time, there is a demand for reduction of ionic components that are eluted.
[0006]
Moreover, although excellent water resistance can be obtained by the method described in Japanese Patent Application No. 8-286780, the surface state is changed by the treatment with the phosphoric acid compound, and the fluidity is remarkably lowered as compared with the untreated one. For this reason, since the water-resistant aluminum nitride has poor fluidity, it is difficult for the aluminum nitride powder to form aggregates and uniformly disperse in the resin when kneaded with the resin. For example, when kneading aluminum nitride powder with a resin, it is necessary to knead while classifying with a sieve, which increases the number of processes and leads to an increase in cost.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
The object of the present invention is to (1) provide superior water resistance, (2) suppress elution of ionic components, and (3) provide excellent fluidity.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the present inventors have found that aluminum nitride having a specific amount of phosphoric acid compound on the surface of the aluminum nitride powder has excellent water resistance, and as a result of further investigation, the specific amount of phosphoric acid compound Is added to the surface of the aluminum nitride powder and a specific fluidity improver is added, so that (1) more excellent water resistance is provided, (2) the elution of ionic components is suppressed, and (3) excellent fluidity. The inventors have found that the purpose of providing can be achieved, and have completed the present invention.
[0009]
That is, the present invention is an aluminum nitride powder containing a fluidity improver and treated with a phosphoric acid compound, wherein the phosphoric acid compound is added to the aluminum nitride powder. 2 O 5 Treated with a phosphoric acid compound in the presence of water and aluminum nitride powder having excellent fluidity and water resistance, characterized by containing 0.1 to 10% by weight in terms of conversion and low elution of ionic components In addition, the present invention relates to a method for producing an aluminum nitride powder characterized by mixing a fluidity improver.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The aluminum nitride powder used in the present invention is not different depending on the production method, and a commonly used aluminum nitride powder can be used. For example, aluminum nitride produced by reacting an organoaluminum compound with ammonia and then heating it, an alumina reduction method in which a mixture of alumina and carbon is heated in nitrogen, a direct nitridation method in which aluminum and nitrogen are reacted, etc. Any powder can be suitably used. Among them, it is preferable to use an aluminum nitride powder obtained by a gas phase reaction method which is well-familiar with the resin and can be filled in the resin in a large amount.
[0011]
The aluminum nitride powder treated with a phosphoric acid compound referred to in the present invention is an aluminum nitride powder containing a phosphoric acid compound on the surface of the aluminum nitride powder, and at least a part of the aluminum on the surface of the aluminum nitride powder is bonded with an aluminum phosphate bond (Al- This refers to the aluminum nitride powder forming OP), and the bonding state around it is not specified. Probably, the present inventors consider that this aluminum phosphate layer is a water-resistant layer, and it has been experimentally confirmed that performance such as high-temperature water resistance and long-term water resistance can be imparted by some Al—O—P bonds. Have confirmed.
[0012]
In the present invention, the phosphoric acid compound (aluminum phosphate) P present on the surface of the aluminum nitride powder is used. 2 O 5 By specifying the content in terms of conversion, excellent water resistance can be imparted to the aluminum nitride.
[0013]
This water-resistant aluminum nitride powder contains phosphoric acid compound P 2 O 5 It is necessary to contain in the range of 0.1 to 10% by weight in terms of conversion, preferably 0.3 to 8% by weight, and more preferably 0.5 to 6% by weight. P of water resistant aluminum nitride powder 2 O 5 If the content is less than 0.1% by weight, the desired water resistance cannot be obtained, and if it exceeds 10% by weight, the desired water resistance and fluidity can be obtained, but the oxygen content of aluminum nitride is not sufficient. It becomes high and the thermal conductivity which is the original characteristic of the aluminum nitride powder is impaired. Further, since the amount of unreacted phosphoric acid compound increases, the eluting phosphoric acid compound increases, leading to an increase in the eluting ionic component, which is not preferable.
[0014]
The treatment of the aluminum nitride powder of the present invention with a phosphoric acid compound refers to an operation in which the phosphoric acid compound and the aluminum nitride powder are brought into contact. For example, the aluminum nitride powder is dispersed in the phosphoric acid compound solution or the aluminum nitride powder is kneaded into the phosphoric acid compound solution. For example, it may be made into a paste. Any method may be used as long as the phosphoric acid compound and aluminum nitride are in contact with each other.
[0015]
The phosphoric acid compound referred to in the present invention reacts with aluminum on the surface of the aluminum nitride powder to form an aluminum phosphate bond (Al—O—P bond), and finally has the ability to coat the aluminum nitride powder with an aluminum phosphate layer. Inorganic phosphoric acid compounds such as orthophosphoric acid, metaphosphoric acid, pyrophosphoric acid, polyphosphoric acid, phosphonic acid, methyl acid phosphate, ethyl acid phosphate, butyl acid phosphate, 2-ethylhexyl acid phosphate, lauryl acid Acid phosphates such as phosphate, palmityl acid phosphate, stearyl acid phosphate, oleyl acid phosphate, phenyl acid phosphate, nonyl phenyl acid phosphate, di-2-ethylhexyl pyrophosphate Mono- or dialkyl pyrophosphoric acid or polyphosphoric acid over preparative like, alkenyl or aryl esters, methylene phosphonic acid, organic phosphoric compounds such as phosphonic acids and esters thereof such as aminomethylene phosphonic acid and the like as an example. Also, a mixture of two or more types of phosphoric acid compounds may be used.
[0016]
In the present invention, a phosphoric acid compound is used as a solution. At that time, the above phosphoric acid compound dissolved in water or water and an organic solvent is used. The water used may be pure water or city water. The organic solvent is not particularly limited as long as it dissolves the phosphoric acid compound, but is preferably water-soluble because it requires the presence of water. For example, methanol, ethanol, isopropanol, butanol, tetrahydroxyfuran (THF) and the like can be mentioned. In the case of a phosphoric acid compound that is insoluble in such a water-soluble organic solvent, a water-insoluble organic solvent such as hexane, heptane, benzene, and toluene may be used in combination with the water-soluble organic solvent.
The concentration of the phosphoric acid compound used here is not particularly limited, but a concentration of 0.01% by weight or less is not preferable because desired water resistance cannot be obtained.
[0017]
The amount of the phosphoric acid compound used with respect to the aluminum nitride powder is preferably in the range of 0.03 to 200 parts by weight, more preferably 0.3 to 100 parts by weight, most preferably 0.3 to 100 parts by weight with respect to 100 parts by weight of the aluminum nitride powder. 60 parts by weight is preferred. If the amount is less than 0.03 part by weight based on 100 parts by weight of the aluminum nitride powder, the desired water resistance cannot be obtained, and if it exceeds 200 parts by weight, the desired water resistance and fluidity can be obtained. This is not preferable because the oxygen content of aluminum becomes high and the thermal conductivity, which is the original characteristic of aluminum nitride, is impaired. Further, since the amount of unreacted phosphoric acid compound increases, the eluting phosphoric acid compound increases, leading to an increase in the eluting ionic component, which is not preferable.
[0018]
The presence of water when the aluminum nitride powder is treated with the phosphoric acid compound is an important point in the present invention. This is because the presence of water forcibly hydrolyzes the surface of the aluminum nitride powder to generate aluminum hydroxide, which is an active site that reacts with the phosphoric acid compound. This increase in the active points promotes the formation of aluminum phosphate bonds (aluminum phosphate layer), so that high water resistance can be obtained. The inventors have experimentally confirmed this. The amount of water used is 1 part by weight or more with respect to 100 parts by weight of the aluminum nitride powder. If the amount is less than 1 part by weight relative to 100 parts by weight of the aluminum nitride powder, the active sites do not increase, so formation of a water-resistant layer is not promoted, and high water resistance cannot be obtained. In addition, since the formation of the water-resistant layer is very fast, hydrolysis with water proceeds and the original characteristics of the aluminum nitride powder are not impaired.
[0019]
The temperature at which the aluminum nitride powder is treated with the phosphoric acid compound cannot be generally determined depending on the conditions such as the amount of the phosphoric acid compound and water used, but is preferably in the range of 0 to 100 ° C, more preferably 18 to 50 ° C. . If the treatment temperature is less than 0 ° C., the surface of the aluminum nitride is not easily hydrolyzed, so that the active sites that react with the phosphoric acid compound do not increase, and the reaction with the phosphoric acid compound does not proceed, so the desired water resistance cannot be obtained. In addition, when the treatment temperature exceeds 100 ° C., water resistance can be obtained, but the reaction between the aluminum nitride powder and the phosphoric acid compound proceeds excessively and the original characteristics of the aluminum nitride powder are impaired.
[0020]
The time for treating the aluminum nitride powder and the phosphoric acid compound is not generally determined depending on the concentration, amount of use, temperature, etc. of the phosphoric acid compound, but is preferably 1 to 120 minutes, and more preferably 5 to 60 minutes.
[0021]
In addition to the above-mentioned treatment of the phosphoric acid compound, by further mixing a fluidity improver, (1) imparting better water resistance to the aluminum nitride powder (2) suppression of elution of ionic components (3) The purpose of imparting excellent fluidity can be achieved. It is speculated that the reason for the remarkable performance improvement is that the fluidity improver particles exist on the surface of the aluminum nitride powder having the aluminum phosphate layer. Presumably, the presence of flow improver particles on the surface of the aluminum nitride powder having a phosphoric acid compound suppresses the elution of the unreacted phosphoric acid compound, thereby suppressing a decrease in water resistance due to the elution of the phosphoric acid compound, As a result, it may be considered that the water resistance is improved and the elution of the ionic component is suppressed.
[0022]
Examples of the fluidity modifier in the present invention include silica, alumina, titania, boron nitride, and inorganic powder having a lipophilic group on the surface. Also, a mixture of two or more fluidity modifiers may be used. The particle size of these fluidity modifiers is preferably 1 μm or less.
[0023]
The inorganic powder having a lipophilic group on the surface of the present invention is an inorganic powder in which the surface of the inorganic powder is coated with resin, silicon oil, silicone, fluorine compound, etc., and the surface of the inorganic powder is covered with a lipophilic group. Means that. Examples thereof include silica having a lipophilic group on the surface (hereinafter referred to as water-repellent silica).
[0024]
In particular, when an inorganic powder having a lipophilic group on the surface is used as a fluidity modifier, the water resistance and fluidity of aluminum nitride are remarkably improved, and the effect of suppressing elution of ionic components is great. In addition, by mixing the aluminum nitride and the inorganic powder having a lipophilic group on the surface, the familiarity with the resin is improved as compared with the others, so that the dispersibility in the resin is also significantly improved.
[0025]
When using an inorganic powder having a lipophilic group on the surface as a fluidity improver, if an organic solvent is used as a dispersant during mixing, the water resistance is improved and the elution suppression of ionic components is suppressed compared to other methods. Is very big. The reason why the method of mixing an inorganic powder having a lipophilic group on the surface using a dispersant has an effect of improving water resistance and suppressing the elution of ionic components is unlike any other method. The lipophilic coating on the surface of the inorganic powder is eluted by the solvent, and the lipophilic coating covers the surface of the aluminum nitride so that the surface of the aluminum nitride is completely covered. It is speculated that the effects of improving water resistance and elution of ionic components will be greater than those that only exist. The same effect can be obtained regardless of what lipophilic coating agent is contained on the surface of the inorganic powder. In particular, an inorganic powder in which the surface of the inorganic powder is coated with silicon oil is useful. Any organic solvent can be used as the dispersant used here, and examples thereof include methanol, ethanol, isopropanol, butanol, and tetrahydroxyfuran (THF). Further, a water-insoluble organic solvent such as heptane, hexane, benzene, toluene or chloroform may be used in combination.
[0026]
The inorganic powder having a lipophilic group on the surface using a dispersant may be mixed at any time after the phosphoric acid compound treatment or at the time of the phosphoric acid compound treatment, and may be carried out whenever it can be uniformly mixed.
As a method of mixing after the treatment with a phosphoric acid compound, there is a method of mixing aluminum nitride powder or inorganic powder having a lipophilic group on the surface as a slurry, using a mixer, a ball mill, or the like.
[0027]
As a method of mixing in the treatment with the phosphoric acid compound, there are a method in which an inorganic powder having a lipophilic group on the surface is previously mixed with a dispersant in a slurry or paste form, and a surface in a phosphoric acid compound solution containing the dispersing agent. There is a method in which an inorganic powder having a lipophilic group is added as it is and mixed. The former requires a small amount of dispersant and can be produced at low cost. In particular, when an aluminum nitride powder is treated with an aqueous solution of an inorganic phosphoric acid such as orthophosphoric acid and an inorganic powder having a lipophilic group on the surface is used as a fluidity improver, an organic solvent is used as a dispersant for uniform mixing. It is necessary to make the fluidity improver into a slurry or paste.
[0028]
When the dispersant is not used, the fluidity improver may be mixed after the phosphoric acid compound treatment or at the time of the phosphoric acid compound treatment, as long as the fluidity improver can be uniformly mixed with the aluminum nitride powder.
As a method of mixing the fluidity improver after the phosphoric acid compound treatment, there are a method of mixing powders using a Henschel mixer, a V blender or the like, and a method of pulverizing and mixing using a ball mill. The latter method is more effective in improving performance.
[0029]
As a method of mixing the fluidity improver during the phosphoric acid compound treatment, a method of dispersing the aluminum nitride powder in the phosphoric acid compound solution and dispersing the fluidity improving agent in the slurry, a paste in which the aluminum nitride powder is kneaded into the phosphoric acid compound solution There are a method in which a fluidity improver is kneaded in a state, a method in which a fluidity improver is dispersed in a phosphoric acid compound solution in advance, and then an aluminum nitride powder is treated with a phosphoric acid compound. Further, the fluidity improver may be mixed in a slurry or paste form with a solvent.
[0030]
The aluminum nitride slurry that has been treated with the phosphoric acid compound and mixed with the fluidity improver is filtered, washed with water or an organic solvent, and then dried and pulverized to remove excess phosphoric acid compound. By repeating this filtration to drying, an aluminum nitride powder having higher purity fluidity and water resistance and low ionic component elution is obtained. In addition, any method such as a method of directly drying a slurry of aluminum nitride powder treated with a phosphoric acid compound and mixing a fluidity improver using spray drying, or a method of filtering and drying the cake as described above It doesn't matter.
For the filtration of the aluminum nitride slurry, a Nutsche, a centrifugal filter or the like is used. Moreover, you may dry as it is, without filtering.
[0031]
When a predetermined amount of phosphoric acid compound and fluidity improver are used to paste aluminum nitride powder into a paste, it is dried and pulverized as it has excellent fluidity and water resistance. An aluminum nitride powder with low elution can be obtained. By this method, it is possible to produce a large amount of aluminum nitride powder having excellent fluidity and water resistance and low elution of ionic components at low cost.
[0032]
As a drying method, the filtered cake, slurry or paste is dried at 80 to 300 ° C. for 3 to 24 hours. As the dryer to be used, a hot air dryer, a steam dryer or the like is preferably used.
[0033]
For the pulverization, a jet mill, a sample mill, a ball mill or the like is used. Moreover, the pulverization here is to make secondary particles into primary particles, and does not destroy the coating surface.
[0034]
With respect to the aluminum nitride powder having excellent fluidity and water resistance obtained by the above method and low elution of the ionic component, elution of the ionic component can be further suppressed by the following method. That is, as a method for suppressing elution of ionic components, a method of promoting the formation of aluminum phosphate bonds (Al—O—P) by heat treatment at 150 to 600 ° C. There is a method of removing. Moreover, elution of an ionic component can be effectively suppressed by combining heat treatment and cleaning. By using a method for suppressing the elution of these ionic components, an aluminum nitride powder that is further excellent in high-fluidity fluidity and water resistance and has low elution properties of the ionic components can be obtained.
[0035]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described with reference to examples. % And parts are expressed on a weight basis unless otherwise specified.
Example 1
To 56.8 parts of 2.4% orthophosphoric acid aqueous solution (1.4 parts of orthophosphoric acid and 55.4 parts of water), 2% water-repellent silica was added to aluminum nitride powder as a slurry with methanol, and orthophosphoric acid was added. Dispersed in an aqueous solution. Next, 100 parts of aluminum nitride powder (average particle size 1 μm) was added to the above orthophosphoric acid aqueous solution, kneaded with a 5 L kneader, and treated at 30 ° C. for 30 minutes. This mixture was dried at 120 ° C. for 8 hours, dried, and then pulverized with a jet mill to obtain aluminum nitride powder.
[0036]
The evaluation test of the obtained aluminum nitride powder was performed by the following method.
・ Phosphorus content on the surface of aluminum nitride powder
1.5 g of aluminum nitride powder was dissolved by heating in an aqueous sodium hydroxide solution, neutralized and then subjected to colorimetric analysis, and the phosphorus content on the surface of the water-resistant aluminum nitride powder was measured.
・ Water resistance test of aluminum nitride powder
100 g of pure water was heated to 100 ° C., 1 g of aluminum nitride powder was dispersed in pure water that reached 100 ° C., and the pH change of the dispersion after dispersion was measured over time.
・ Measurement of electrical conductivity
The dispersion subjected to the water resistance test was filtered, and the electrical conductivity of the filtrate was measured to evaluate the eluted ionic component.
・ Fluidity was also evaluated by measuring the angle of repose.
・ Elution test of aluminum nitride powder
100 g of pure water and 12.5 g of aluminum nitride powder were placed in a Teflon-coated stainless steel container, and the container was sealed. This was heated at 120 ° C. for 24 hours, cooled and then filtered, and the pH and electrical conductivity of the filtrate were measured.
These evaluation results are shown in Table 1.
[0037]
Examples 2-3
Aluminum nitride powder was obtained in the same manner as in Example 1 except that the amount of water-repellent silica added was changed to 5% and 10%.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0038]
Example 4
An aluminum nitride powder was prepared in the same manner as in Example 1 except that the 2.4% orthophosphoric acid aqueous solution was changed to 60.5 parts (orthophosphoric acid 4.1 parts, water 56.4 parts). Got.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0039]
Example 5
The aluminum nitride powder was prepared in the same manner as in Example 1 except that the 2.4% orthophosphoric acid aqueous solution was changed to 69.7 parts of the 15.8% orthophosphoric acid aqueous solution (11 parts of orthophosphoric acid and 58.7 parts of water). Obtained.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0040]
Examples 6-7
Aluminum nitride powder was obtained in the same manner as in Example 1 except that the fluidity improver was changed to alumina or boron nitride.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0041]
Example 8
Into a glass container having a capacity of 5 L, 230 parts of a 13% pyrophosphoric acid aqueous solution (30 parts of pyrophosphoric acid, 200 parts of water) are added, and 100 parts of aluminum nitride powder (average particle size 1 μm) is added to the aqueous pyrophosphoric acid solution and dispersed in the aqueous solution. Then, a treatment was performed at a treatment temperature of 80 ° C. for 15 minutes to obtain an aluminum nitride powder slurry. Further, 2% water-repellent silica was slurried with methanol in the aluminum nitride powder and dispersed in the aluminum nitride powder slurry. The slurry was filtered, washed with 200 parts of water to remove excess pyrophosphoric acid aqueous solution, dried at 120 ° C. for 3 hours, dried, and then pulverized with a jet mill to obtain aluminum nitride powder.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0042]
Example 9
In a glass container with a capacity of 5 L, 250 parts of isopropanol / pure water = 9/1 (weight ratio) and 30 parts of ethyl acid phosphate were mixed, and this mixture was mixed with aluminum nitride powder (average particle size 1 μm) 100. The mixture was dispersed for 30 minutes at a treatment temperature of 50 ° C. (aluminum nitride powder / ethyl acid phosphate / water = 100 parts / 30 parts / 25 parts). Further, 2% water-repellent silica was dispersed in the aluminum nitride powder. The slurry was filtered and washed with 1000 parts isopropanol to remove excess ethyl acid phosphate. This was dried at 80 ° C. for 5 hours and then pulverized with a jet mill to obtain an aluminum nitride powder.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0043]
Example 10
In a 5 L kneader, 56.8 parts of 2.4% orthophosphoric acid aqueous solution (1.4 parts of orthophosphoric acid, 55.4 parts of water) were added 100 parts of aluminum nitride powder (average particle size 1 μm), and kneaded into a paste. The treatment was performed at 30 ° C. for 30 minutes. This mixture was dried at 120 ° C. for 8 hours, dried, and then pulverized with a jet mill to obtain water-resistant aluminum nitride powder. Further, 2% of water-repellent silica was added to the water-resistant aluminum nitride powder, an alumina ball was put in a magnetic pot having a capacity of 1 L, and mixed and pulverized at 120 rpm for 1 hour to obtain an aluminum nitride powder. .
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0044]
Example 11
To 56.8 parts of 2.4% orthophosphoric acid aqueous solution (1.4 parts of orthophosphoric acid and 55.4 parts of water), 2% water-repellent silica was added to aluminum nitride powder as a slurry with methanol, and orthophosphoric acid was added. Dispersed in an aqueous solution. Next, 100 parts of aluminum nitride powder (average particle size 1 μm) was added to the above orthophosphoric acid aqueous solution, kneaded with a 5 L kneader, and treated at 30 ° C. for 30 minutes. This mixture was dried at 120 ° C. for 8 hours, further heat-treated at 300 ° C. for 5 hours, and then pulverized with a jet mill to obtain aluminum nitride powder.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0045]
Examples 12-13
Aluminum nitride powder was obtained in the same manner as in Example 11 except that the amount of water-repellent silica added was changed to 3% and 4%.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0046]
Examples 14-16
The aluminum nitride powder obtained in Examples 11 to 13 was washed with 100 ° C. pure water, filtered and dried, and then pulverized with a jet mill to obtain aluminum nitride powder.
The obtained aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0047]
Comparative Example 1
The same procedure as in Example 1 was performed except that the water-repellent silica in Example 1 was omitted.
[0048]
The obtained water-resistant aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0049]
Comparative Examples 2-3
The same procedure as in Example 1 was performed except that the water-repellent silica of Examples 4 and 5 was omitted.
The obtained water-resistant aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0050]
Comparative Example 4
An aluminum nitride powder was prepared in the same manner as in Example 1 except that the 2.4% orthophosphoric acid aqueous solution was changed to 77.1 parts of a 21.5% orthophosphoric acid aqueous solution (16.6 parts of orthophosphoric acid, 60.5 parts of water). Got.
The obtained water-resistant aluminum nitride powder was evaluated for phosphorus content, water resistance, eluted ionic components and fluidity in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 1.
[0051]
Examples 17-32
150 parts of alumina particles and silica particles and 100 parts of aluminum nitride powder obtained by the operations of Examples 1 to 16 were mixed with 100 parts of silicon resin, and kneaded for 10 minutes with a kneader to obtain an aluminum nitride-containing silicon resin A composition was obtained.
The resulting resin composition was extruded through a 150-mesh strainer, but no agglomerates were found that did not pass through the strainer.
[0052]
Comparative Examples 5-7
A silicon resin composition containing aluminum nitride was obtained in the same manner as in Example 17 except that the water-resistant aluminum nitride powder obtained by the operations of Comparative Examples 1 to 3 was used.
The obtained resin composition was extruded through a 150-mesh strainer, but aggregates that did not pass through the strainer were observed.
[0053]
[Table 1]
[0054]
【The invention's effect】
The aluminum nitride powder obtained by the present invention has very high water resistance, and can also suppress elution of ionic components. In addition, since excellent fluidity can be imparted and no aggregate is formed, it can be uniformly dispersed in the resin during kneading into the resin.
Further, it is useful as a filler for resin materials such as a sealing material for electronic components that require heat dissipation, an adhesive material for electronic components, and a molding material for laminated substrates. In addition, since the water resistance is very high and the ionic components are hardly eluted, the product can be used even under high temperature and humidity resistance, and a product with higher reliability than the prior art can be obtained.
Furthermore, when used as a structural material such as a high-temperature furnace material, even if an aqueous material is used as a binder at the time of molding, it does not hydrolyze so that the original characteristics of the aluminum nitride powder are not lost. That is, if the aluminum nitride powder of the present invention is used, it is not necessary to use a flammable and harmful organic solvent as a binder, and inexpensive water can be used. Can be manufactured.
Claims (6)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13311197A JP3853025B2 (en) | 1997-03-25 | 1997-05-23 | Aluminum nitride powder and method for producing the same |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7187197 | 1997-03-25 | ||
JP9-71871 | 1997-03-25 | ||
JP13311197A JP3853025B2 (en) | 1997-03-25 | 1997-05-23 | Aluminum nitride powder and method for producing the same |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10324510A JPH10324510A (en) | 1998-12-08 |
JP3853025B2 true JP3853025B2 (en) | 2006-12-06 |
Family
ID=26412992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13311197A Expired - Lifetime JP3853025B2 (en) | 1997-03-25 | 1997-05-23 | Aluminum nitride powder and method for producing the same |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3853025B2 (en) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2703346A1 (en) * | 2011-04-28 | 2014-03-05 | Tokuyama Corporation | Method for producing water-resistant aluminum nitride |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6216265B2 (en) * | 2014-03-04 | 2017-10-18 | 日東電工株式会社 | Aluminum nitride powder, resin composition, thermally conductive molded body, method for producing aluminum nitride powder, method for producing resin composition, and method for producing thermally conductive molded body |
CN112142474A (en) * | 2020-09-28 | 2020-12-29 | 西华大学 | Preparation method of water-based tape casting high-thermal-conductivity aluminum nitride ceramic substrate |
-
1997
- 1997-05-23 JP JP13311197A patent/JP3853025B2/en not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2703346A1 (en) * | 2011-04-28 | 2014-03-05 | Tokuyama Corporation | Method for producing water-resistant aluminum nitride |
EP2703346A4 (en) * | 2011-04-28 | 2014-10-29 | Tokuyama Corp | Method for producing water-resistant aluminum nitride |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10324510A (en) | 1998-12-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4124388B2 (en) | Surface-modified filler, method for producing the same and use thereof | |
CN1834016B (en) | Process for producing fine alpha-alumina particles | |
EP1546250A2 (en) | Organosilicon compounds and blends for treating silica | |
JP3714506B2 (en) | High thermal conductive resin composition having excellent water resistance | |
JP3714502B2 (en) | High thermal conductive resin composition | |
CN101835711A (en) | Zirconium dioxide powder and zirconium dioxide dispersion | |
JP3853025B2 (en) | Aluminum nitride powder and method for producing the same | |
JP3821633B2 (en) | Resin composition containing magnesium oxide particles having high acid resistance and high hydration resistance | |
KR101327922B1 (en) | Organized ultra-fine aluminum hydroxide and preparation method thereof | |
EP0612830A1 (en) | Improved thermally and oxidatively stable solid lubricants | |
JP3396510B2 (en) | Method for producing aluminum nitride powder having excellent water resistance | |
JP2019210166A (en) | LOW-SODA α-ALUMINA POWDER AND PRODUCTION METHOD THEREOF | |
JP3776325B2 (en) | Method for producing magnesium hydroxide flame retardant coated with silane coupling agent | |
JP2001031843A (en) | Silica filler and epoxy resin composition | |
JP3420901B2 (en) | Water resistant aluminum nitride powder | |
JPS62207770A (en) | Aluminum nitride powder for manufacturing sintered body | |
JPH09202608A (en) | Water-resistant aluminum nitride powder | |
JP2817960B2 (en) | Aluminum nitride powder with excellent water resistance | |
JPH10203809A (en) | Aluminum nitride powder improved in fluidity | |
KR100373561B1 (en) | Magnesia powder and its manufacturing method | |
JP2675149B2 (en) | Surface treatment method for aluminum nitride powder | |
CN115413290B (en) | Modified metal oxide particle material and method for producing same | |
JP2004217441A (en) | Spherical aluminum nitride powder and its manufacturing method | |
JP3916301B2 (en) | Quicklime composition and method for producing slaked lime | |
JPH03199115A (en) | Spherical monodispersion beta-sic particle and its production |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060606 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060728 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20060822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20060905 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110915 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120915 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150915 Year of fee payment: 9 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |