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JP3852130B2 - コンバイン - Google Patents

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JP3852130B2
JP3852130B2 JP12288096A JP12288096A JP3852130B2 JP 3852130 B2 JP3852130 B2 JP 3852130B2 JP 12288096 A JP12288096 A JP 12288096A JP 12288096 A JP12288096 A JP 12288096A JP 3852130 B2 JP3852130 B2 JP 3852130B2
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隆夫 秋山
正美 大崎
純二 土居原
正実 松井
亮 澤村
靖 井原
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Iseki and Co Ltd
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、圃場内の植立穀稈を脱穀して選別するコンバインに関する。
【0002】
【従来の技術、及び発明が解決しようとする課題】
脱穀済排稈をカッタ装置やノッタ装置等の排稈処理装置へ搬送する排稈搬送装置の排稈チェンを、排稈搬送時における搬送詰まりによる掃除やメンテナンス時等に、その後部側を支点として前部側を上動させて搬送通路を開放させるものにおいて、従来では、この排稈チェンを扱胴カバーの押圧によって排稈を挟持搬送する挟持位置に保持させ、該カバーの開扉によって挟持位置の保持を解除することにより、排稈チェンの前部側を開口して搬送詰り等の掃除を行うようにしているものが一般的であった。
【0003】
しかし、このような手段により排稈チェンを挟持位置に保持させるものでは、扱胴カバーの締め付けが緩みその押圧が不充分となった場合等には、挟持位置が保持されず排稈チェンによる搬送能力が低下して搬送詰まりを起し易い恐れがあった。また、掃除等を行う際に、排稈チェンの挟持解除位置をオイルダンパー等によって保持させる手段が必要でありコスト高となっていた。
【0004】
この発明は、脱穀済排稈を挟持搬送する排稈搬送装置を、排稈の挟持位置とこの挟持位置を解除する挟持解除位置とに、単一のレバー操作により切り替え保持させる。また、保守点検や清掃を容易にしようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、脱穀装置1のフィードチェン2によって挟持搬送される脱穀済排稈を受け継いで後方の排稈処理装置3へ搬送する排稈搬送装置4を設けたコンバインにおいて、この排稈搬送装置4の排稈チェン5を巻き掛けるチェンフレーム6を、搬送排稈の挟持位置Aと挟持解除位置Bとに上下動可能に設けると共に、これら各位置A,Bに切り替えて保持しうる切替レバー7を設け、前記脱穀装置1のフィードチェン2を張設したチェンフレーム49を、脱穀装置1の入口側壁50下部においてフィードチェン2側の端部に設けたチェン回動支軸51を支点として、脱穀装置1の本体から外方に向けて開閉可能に構成し、前記チェンフレーム49の外側にフィードチェン2関係の防護を行うチェンカバー55を設け、該チェンカバー55の下側には、脱穀装置1内において選別風を送風する唐箕2 5の吸気と防護を行う唐箕カバー前56aを設け、前記フィードチェン2を張設したチェンフレーム49を外方に向けて開くと、前記チェンカバー55及び唐箕カバー前56aが外方に向けて開くように構成したことを特徴とするコンバインの構成とする。
【0006】
【作用、及び発明の効果】
上記の構成により、排稈搬送装置4における排稈チェン5を巻き掛けたチェンフレーム6を、切替レバー7の操作により、例えば後部側を支軸としてその前部側を下動させて排稈チェン5を挟持位置Aに保持したときは、フィードチェン2より受け継いだ脱穀済排稈を排稈処理装置3へ搬送させる。次に、切替レバー7の操作により、チェンフレーム6を上動させて排稈チェン5を挟持解除位置Bに保持したときは、排稈チェン5の搬送通路が開放されて排稈の排稈処理装置3への搬送を不能とする。
【0007】
このように、単一の切替レバー7の操作によりチェンフレーム6を下動又は上動させることによって、排稈チェン5を挟持位置Aに保持して排稈を挟持搬送させる状態と、挟持解除位置Bに保持して排稈の挟持解除による搬送不能の状態とに切り替えることができるから、例えば従来の如く、扱胴カバーの押圧によって挟持位置Aを保持させるもののように、該カバーの締め付け緩み等により排稈の搬送能力が低下して搬送詰まりを起すというような不具合を防止することができると共に、挟持解除位置Bを保持させるためのオイルダンパー等も不要となりコスト低減を図ることができる。また、排稈チェン5の挟持位置Aにおける排稈の挟持力等を扱胴カバーの開扉に関係なく単独で調整することができるから、この挟持力等の調整を的確且つ容易に行うことができる。
また、フィードチェン2を張設したチェンフレーム49を外方に向けて開くと、前記チェンカバー55及び唐箕カバー前56aが外方に向けて開くように構成したので、保守点検作業が容易となる。そして、保守点検作業が容易となることで、脱穀装置1全体の機能低下を防止できて、安定した脱穀性能を保持することができるようになる。
【0008】
【実施例】
以下に、この発明の実施例をコンバインについて図面に基づき説明する。
コンバインの車台8の下部側に土壌面を走行する左右一対の走行クローラ9を設けた走行装置10を配設し、該車台8上に、フィードチェン2に挟持して供給される穀稈を脱穀し、この脱穀された穀粒を選別回収して一時貯留する穀粒タンクから穀粒を機外へ排出する排出筒11を備えた脱穀装置1を載設する。この脱穀装置1の前方側に立毛穀稈を分草する分草体12と、分草された穀稈を引き起こす引起部13と、引き起こした穀稈を刈り取る刈刃部14と、刈り取った穀稈を後方側へ搬送して該フィードチェン2へ受け渡しする搬送部15とを設けた刈取装置16を、土壌面に対して上下昇降自在となるよう該車台8の前端部へ装架する。該脱穀装置1の一側にコンバインの操作制御を行う操作装置17と、この操作のための操作席17aとを設け、これらの各装置10,1,16,17等に
よって車体18を構成する。
【0009】
該脱穀装置1は、上部側に脱穀室19と処理室20を下部側に選別室21を各々配置し、該脱穀室19には穀稈を脱穀処理する扱胴22を入口側となる前部から出口側となる後部に向けて軸架内装すると共に、処理室20には、その前半部分に還元された二番物を前方に送りながら選別室21へ漏下させる撹拌胴と、後半部分に脱穀物を再処理する処理胴を連接した撹拌処理胴23を扱胴22と平行して軸架内装する。穀稈の搬送通路に沿って穀稈を挟持搬送する該フィードチェン2と、扱胴22の略下半部を包囲する扱網19aと、この扱網19aの出口側端部に脱穀排塵物を排出する脱穀排塵口19bとを設けて構成する。
【0010】
該選別室21には、脱穀処理されて扱網19aから漏下した脱穀物を揺動移送しながら選別を行う縦長の揺動選別棚24を、該扱胴22の軸方向に沿ってその入口側部を上手側として出口側に向け架設すると共に、この揺動選別棚24の上手側下方に羽根の回転により選別風を起風する唐箕25を配設し、該揺動選別棚24と唐箕25によって選別された一番穀粒を収容して横送り集穀する一番螺旋26と、二番物を収容して横送り集積する二番螺旋27とを各々揺動選別棚24の下方に配置して構成する。
【0011】
該揺動選別棚24の下手側上方にシロッコファン等により脱穀排塵を機外へ排塵する排塵ファン28を、上部カバー28aと下部ガイド28bによりファン排塵口29を形成して設け、このファン排塵口29を、脱穀装置1の出口側壁30に装架した、相対する多数の円盤刃3a,3bによって排稈を裁断処理して機外へ排出する排稈処理装置3の適宜位置に開口して構成する。
【0012】
前記脱穀室19の出口側仕切板31を隔てて脱穀済排稈を後方側の排稈処理装置3へ搬送する排稈搬送装置4を配設する。この排稈搬送装置4は、排稈の株元側寄りをチェンにより挟持搬送する株元側排稈チェン5aを巻き掛け保持する株元側チェンフレーム6aと、穂先側寄りを起立式のラグにより係合搬送する穂先側排稈チェン5bを巻き掛け保持する穂先側チェンフレーム6bとによって構成される排稈チェン5及びチェンフレーム6を、平面視適宜間隔に略平行配置させると共に、前記フィードチェン2の終端部近傍の内側位置から後側つまり該排稈処理装置3の右側位置へ向けて斜設して構成する。
【0013】
該両チェンフレーム6a,6bの前部側と後部側の適宜位置を、前連結板32aと後連結板32bによって連結すると共に、この後連結板32bから後方へ向け突設した回動アーム33を、脱穀装置1の側壁の一側から後方側へ向けて延長した排稈支持主フレーム34の後端部に固着した回動支軸35に回動可能に支承する。該主フレーム34の後端部から更に、該両チェンフレーム6a,6bの前端部を支持させる排稈支持副フレーム36を脱穀室19の出口側仕切板31に近接する位置まで延長配置して構成する。
【0014】
前記扱胴21を軸架する扱胴軸37の、該出口側仕切板31の外側に軸止した駆動側プーリ38からベルト39を介して動力を伝達する従動側プーリ40と、該株元側排稈チェン5aを駆動する株元駆動スプロケット41とを、一対のベベルギヤを内装したギヤケース42を介して伝動可能に連結すると共に、このギヤケース42を株元側チェンフレーム6aの前端部に固着したケース取付板43に取り付けて構成する。
【0015】
該排稈支持副フレーム36は前端部を逆L字状に下方側へ適宜長さ折曲し、この折曲下端部にU字状の切替支持受金44を固着し、この切替支持受金44の下部側に、該排稈チェン5により脱穀済排稈の搬送を可能とする挟持位置Aと、この挟持位置Aによる搬送を解除する挟持解除位置Bとに切り替える切替レバー7の支軸7aを回動可能に軸承して構成する。
【0016】
該ケース取付板43上面から、係止軸45を固定金45aによって該切替支持受金44位置まで突設し、この係止軸45を、該切替レバー7の支軸7aから上部側に上下二段に設けた係止溝の下段係止溝7b側に係止させたときは、切替支持受金44上端に設けた保持溝44aとの間で挟持させて排稈チェン5を挟持位置Aに保持し、該下段係止溝7bから係止軸45を切替レバー7の回動により離脱させて排稈チェン5を上方に持ち上げ上段係止溝7cに係止軸45を係止させたときは、排稈チェン5を挟持解除位置Bに保持させるよう構成する。
【0017】
該株元側チェンフレーム6aの後連結板32b近傍に該穂先側排稈チェン5bを駆動するための穂先駆動スプロケット46を、該株元側排稈チェン5aによって駆動可能に配置すると共に、株元側チェンフレーム6aの後端部に株元側排稈チェン5aの張力調節と藁稈の巻き付きを防止するチェン支持板47を調節可能に配設する。該排稈チェン5には、株元及び穂先とも排稈の搬送通路に摺接させて排稈を挟持及び係合させる排稈挟持杆48を、排稈の搬送量に対して上下動させて調圧可能に配置構成する。
【0018】
刈取装置16で刈り取られ搬送部15から脱穀装置1へ供給された穀稈は、フィードチェン2の挟持搬送により脱穀処理が行われ、脱穀処理の終了により脱穀装置1から排出された脱穀済み排稈は、排稈搬送装置4へ引き継いで後方の排稈処理装置3へ搬送される。
このような脱穀済排稈の搬送を行うときは、株元側チェンフレーム6aから突出させた係止軸45を切替支持受金44上端に設けた保持溝44aに保持させ、この保持された係止軸45を切替レバー7の回動により下段係止溝7bに挟持係止させる。この係止により両排稈チェン5a,5bを挟持位置Aに保持し、排稈チェン5と排稈挟持杆48とによる搬送通路によって排稈を排稈処理装置3へ挟持搬送させる。
【0019】
次に、脱穀済排稈の排稈処理装置3への搬送を中止させるときは、切替レバー7を回動させて下段係止溝7bを係止軸45から離脱させて排稈チェン5の前部側を後部側の回動支軸35回りに上動させ、切替レバー7の上段係止溝7cに係止軸45を係止させる。この係止により両排稈チェン5a,5bを挟持解除位置Bに保持し、排稈チェン5と排稈挟持杆48とによる搬送通路を開放して排稈の排稈処理装置3への搬送を中止させる。
【0020】
このように、単一の切替レバー7の操作によりチェンフレーム6を下動又は上動させることによって、排稈チェン5を挟持位置Aと挟持解除位置Bとに簡単容易に且つ的確に切り替え保持させることができるから、排稈搬送装置4の構成を簡素化しうると共に、安定した性能を維持させることができる。
また、排稈搬送装置4の排稈チェン5前部側を後部側の回動支軸35回りに下動又は上動させることにより、従来の如く、排稈チェン5とチェンフレーム6を別のフレームに装架して下動又は上動させるものに比べ、排稈チェン5のチェンフレーム6自体を後部側の回動支軸35により上下動させているため、排稈詰まり等によって排稈チェン5を挟持位置Aから挟持解除位置Bに切り替える際に、排稈が搬送通路一杯に詰まっていても回動支軸35から下方側に下がる部分が殆どないから、排稈挟持杆48による抵抗が少なく円滑に排稈チェン5の前部側を上動させて排稈通路を開放することができる。
【0021】
なお、排稈チェン5自体を回動支軸35によって回動させるため、排稈搬送ライン上で平行に排稈チェン5が下動又は上動するから構成上精度の確保が容易であると共に、排稈チェン5を下動又は上動させるための別の上下動用フレームを必要としないからコスト低減が可能である。
また、図6に示す如く、脱穀装置1のフィードチェン2を張設したチェンフレーム49を、脱穀装置1の入口側壁50下部においてフィードチェン2側の端部に設けたチェン回動支軸51を支点として、脱穀装置1の本体から外方に向けて開閉可能に構成すると共に、このチェンフレーム49の内側に脱穀装置1の左側壁52の切りかぎ部をカバーする側壁補助板53と、脱穀室19の扱網19a上部の穀稈を案内する穀稈案内板54とを、また外側にフィードチェン2関係の防護を行うチェンカバー55と、このカバー55の下側に唐箕25関係の吸気と防護を行う唐箕カバー前56aとを各々一体的に連設構成する。
【0022】
このフィードチェン2関係を外側へ開放するときは、まずフィードチェン2に穀稈を挟持する穀稈挟持杆2aを備えた扱胴カバー57を開扉し、次にフィードチェン2終端部を本体側のチェン駆動軸58から離脱させながら、チェンフレーム49と共に側壁補助板53,穀稈案内板54,チェンカバー55,唐箕カバー前56aを開放させる。なお、56bは固定の唐箕カバー後、59は唐箕25を駆動する唐箕プーリ、60は脱穀装置1の各部を駆動する脱穀駆動プーリ、61はそのベルトを示す。
【0023】
このように、フィードチェン2と共にチェンカバー55と唐箕カバー前56aとを同時に外方へ開放することによって、刈取装置16から脱穀装置1への穀稈の引き継ぎ時に、唐箕カバー前56aの内側に落下堆積した藁屑や揺動選別棚24上の藁屑等を、フィードチェン2を開放するだけの簡単な操作で容易に除去することができるから、この除去をタイムリーに行うことにより、選別性能の低下と駆動部への藁屑の巻き付き等を防止して、安定した脱穀性能を保持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 排稈搬送装置の排稈挟持位置の切替作用関係を示す側面図。
【図2】 排稈搬送装置の全体構成を示す斜視図。
【図3】 排稈搬送装置の排稈挟持位置の切替装置関係を示す部分斜視図。
【図4】 排稈搬送装置の配置関係を示す脱穀装置の概略平断面図。
【図5】 排稈搬送装置の配置関係を示す脱穀装置の概略側断面図。
【図6】 フィードチェン関係の外側への開放状態を示す脱穀装置の斜視図。
【図7】 コンバインの全体を示す斜視図。
【符号の説明】
1 脱穀装置
2 フィードチェン
3 排稈処理装置
4 排稈搬送装置
5 排稈チェン
6 チェンフレーム
7 切替レバー
25 唐箕
49 チェンフレーム
50 入口側壁
51 チェン回動支軸
55 チェンカバー
56a 唐箕カバー前
A. 挟持位置
B. 挟持解除位置

Claims (1)

  1. 脱穀装置のフィードチェンによって挟持搬送される脱穀済排稈を受け継いで後方の排稈処理装置へ搬送する排稈搬送装置)を設けたコンバインにおいて、この排稈搬送装置の排稈チェンを巻き掛けるチェンフレームを、搬送排稈の挟持位置と挟持解除位置とに上下動可能に設けると共に、これら各位置A,Bに切り替えて保持しうる切替レバーを設け、前記脱穀装置(1)のフィードチェン(2)を張設したチェンフレーム(49)を、脱穀装置(1)の入口側壁(50)下部においてフィードチェン(2)側の端部に設けたチェン回動支軸(51)を支点として、脱穀装置(1)の本体から外方に向けて開閉可能に構成し、前記チェンフレーム(49)の外側にフィードチェン(2)関係の防護を行うチェンカバー(55)を設け、該チェンカバー(55)の下側には、脱穀装置(1)内におい
    て選別風を送風する唐箕(25)の吸気と防護を行う唐箕カバー前(56a)を設け、前記フィードチェン(2)を張設したチェンフレーム(49)を外方に向けて開くと、前記チェンカバー(55)及び唐箕カバー前(56a)が外方に向けて開くように構成したことを特徴とするコンバイン。
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