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JP3848805B2 - 受信装置 - Google Patents

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JP3848805B2
JP3848805B2 JP30641699A JP30641699A JP3848805B2 JP 3848805 B2 JP3848805 B2 JP 3848805B2 JP 30641699 A JP30641699 A JP 30641699A JP 30641699 A JP30641699 A JP 30641699A JP 3848805 B2 JP3848805 B2 JP 3848805B2
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信一 小畑
弘晃 白根
英治 山本
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧縮フォーマットで符号化された音声・音響(オーディオ)信号を復号する多重化オーディオデータ復号装置に係り、特に、多チャンネルが多重化されたディジタル放送の受信装置として用いるに好適な多重化オーディオデータ復号装置及び受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディジタルオーディオ信号の圧縮方式として標準的に用いられるものには、MPEG(Moving Picture Experts Group) Audioや、ATSC(United States Advanced Television Systems Committee)において採用されたAC−3と呼ばれる方式などが知られている。これらの方式は、いずれも、時間軸上の情報を周波数軸上のデータに変換し、周波数帯域に分けてマスキング効果等の心理聴覚特性を利用、あるいはオーディオチャネル間の相関を利用して情報圧縮する技術に基づいている。
【0003】
これらの方式を用いて圧縮されたオーディオビットストリームを復号(デコード)する方法としては、DSP(Digital Signal Processor)を基調としたものが、例えば、AC−3フォーマット対応のオーディオデコーダとして、”Design And Implementation of AC-3 Coders、Vol.41, No.3、 August 1995”に記載されている。DSPは、一般のマイクロコントローラと同様に、ソフトウエアプログラムコードを逐次解釈して内蔵レジスタのデータを加工し、結果をメモリに蓄える形式なので、ハードウエアによる実現形式に比較して、複数フォーマットのデコードアルゴリズムを各々デコード処理コードとして持つことができ、また変更に対する柔軟度もあるため、コストと使い勝手の両面で有利であると考えられている。さらに、高速の乗算器などの専用ハードウエアや複数本のデータバスを具備してデータの流れを円滑にするなどの工夫を施すことにより、計算速度向上を図っていることに特徴がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般にDSPを基調とするオーディオデコーダは、デコード処理手順をプログラムコードとして内蔵ROMに記憶されている。これは、プログラムコードが読出し専用であり、アクセスサイクルでの損失を避ける(通常のDSPは1命令/1サイクル)為にも、DSPに直結する必要があるからである。
【0005】
一方、オーディオデコーダをディジタル放送受信機の一部としてとらえた場合、そのサービスの内容や放送衛星,通信衛星,地上波や有線ケーブルなどサービス供給側の通信路事情により圧縮率や音質に対する条件は多様であり、それぞれ最適な符号化フォーマットが選択されているので、受信側で複数のフォーマットに対応させる必要がある。
【0006】
ここで、1つのDSPチップで複数種類の圧縮符号化フォーマットに対応させるためには、各フォーマット毎にプログラムコードを内蔵ROMとして確保する必要がある。また、プログラムコードのみならずフォーマット毎に専用の定数テーブルも内蔵ROMとして必要となる。従って、回路規模の点で、DSPを含むオーディオデコーダを集積化することが困難であるという問題があった。また、処理対象のフォーマット数が増えた場合や仕様変更を行う場合には、オーディオデコーダの内蔵ROMは、容易に変更できないので柔軟性が低下するという問題もあった。
【0007】
本発明の目的は、デジタル放送において、複数のフォーマットで圧縮されたオーディオデータに対応可能な受信装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、例えば、特許請求の範囲に開示された技術思想を用いればよりよい。
【0009】
かかる構成により、複数種類のデコード処理コードは、読出し専用メモリに格納されているため、処理対象のフォーマット数が増えた場合や仕様変更を行う場合にも読出し専用メモリの変更により、容易に対応でき、柔軟性を向上し得るものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図を用いて、本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置の構成及び動作について説明する。
【0015】
最初に、図10を用いて、本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置の全体構成について説明する。
【0016】
本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置は、デマルチプレクサ10と、オーディオデコーダ20と、ディジタル/アナログ変換器(DAC)30と、ユーザインターフェース(I/F)40と、外部CPU50と、外部ROM60とから構成されている。デマルチプレクサ10と、オーディオデコーダ20と、ユーザインターフェース(I/F)40と、外部CPU50と、外部ROM60とは、データバスDBにより接続されており、コマンドやデータの入出力が可能となっている。
【0017】
デマルチプレクサ10は、複数のプログラム(番組)が多重されたMPEGトランスポートストリーム(TS)から、ユーザが指定したプログラムに対応するデータを抽出して、オーディオデコーダ20に出力する。
【0018】
ここで、図2を用いて、MPEGトランスポートストリーム(TS)の階層構造について説明する。なお、ここでは、オーディオデータを例にして説明する。
【0019】
図2(a)は、デマルチプレクサ10の入力となるMPEG TSを示しており、188バイト固定長のTSパケットから成る。
【0020】
TSパケットは、図2(b)に示すように、ヘッダであるパケットID(PID)及びTS_hと、データ部分であるペイロードから構成されている。PIDは、プログラム番号とそのデータの内容を選択すれば、一意的に決まるものである。従って、例えば、外部CPU50からデマルチプレクサ10に対して、プログラム#jのオーディオデータと指定することで、デマルチプレクサ10はそれに対応するTSパケットのみを抽出し、処理の対象とすることができる。
【0021】
TSパケットのデータ部分(ペイロード)は、図2(c)に示すPES(Packetized Elementary Stream)パケットの一部である。換言すると、複数のTSパケットのペイロードが集まって、PESパケットを構成する。
【0022】
PESパケットは、図2(d)に示すように、PESヘッダと、データ部分であるペイロードから構成される。PESヘッダ(PES_h)には、ストリームIDや、表示タイムスタンプ(PTS:Presentation Time Stamp)や、PES_hが含まれる。ストリームIDは、PESの内容に関する記述であって、オーディオの場合はストリームIDに符号化フォーマットが対応している。PESは、ペイロードにオーディオアクセスユニットを複数持つことができ、PTSは、ヘッダ後の最初のオーディオアクセスユニットが表示されるべき時刻を示している。ペイロードには、データ部分であるオーディオアクセスユニットが含まれている。
【0023】
オーディオアクセスユニットは、図2(e)に示すように、各種パラメータを含むオーディオヘッダ(Audio_h)と、データ部分である1オーディオフレーム分の符号化音声データから構成されている。ヘッダのパラメータとしては、サンプリング周波数や、ビットレートや、フレーム長等が含まれている。オーディオアクセスユニットが連続したものが、オーディオエレメンタリストリーム(ES)である。デマルチプレクサ10の出力は、図2(e)に示したオーディオアクセスユニットの連続であるところのオーディオエレメンタリストリーム(ES)である。
【0024】
次に、図10に戻り、オーディオデコーダ20の構成について説明する。
【0025】
オーディオデコーダ20は、フレーム同期回路21と、ディジタルシグナルプロセッサ(DSP)22と、PCM出力インターフェース(I/F)回路23と、インターフェース(I/F)回路24と、内蔵RAM25とから構成されている。
【0026】
フレーム同期回路21は、デマルチプレクサ10から入力したオーディオエレメンタリストリーム(ES)から、処理の単位となるオーディオアクセスユニットの区切り,すなわち、符号化された所定のサンプル数からなるオーディオフレームのデータの区切りを、周期的に現れるビットパターンから判別する。
【0027】
DSP22は、オーディオアクセスユニットのヘッダ情報から適宜必要なデータを抽出し、符号化データをデコードする。デコード処理は内蔵RAM25に予め書込まれたデコード処理プログラムコードに従い、内蔵RAM25内を中間データの保管あるいは入出力データのバッファとして用いながら行う。
【0028】
内蔵RAM25には、複数種のデコード処理プログラムコードが予め書込まれているが、デコード処理プログラムコードの書き込みは、インターフェース(I/F)24を介して、外部CPU50によって行われる。
【0029】
DSP22によってデコードされた結果は、PCM(Pulse Code Modulation)オーディオデータであり、PCM出力インタフェース回路23から時系列サンプルデータとしてディジタル/アナログ変換器(DAC)30へ送られ、アナログオーディオ信号として出力される。
【0030】
外部CPU50は、オーディオデコーダ20およびデマルチプレクサ10を含む多重化オーディオデータ復号装置のシステム制御するものであり、制御手順は外部ROM60内のCPU命令コード領域60Aに格納されている。
【0031】
外部ROM60は、CPU命令コード領域60Aの他に、複数のデコード処理コード#1,#2,…,#Nを格納するデコード処理コード領域60B1,60B2,…,60BNを有している。
【0032】
ユーザインタフェース(I/F)回路40は、ユーザのチャンネル変更に基づくプログラム変更や、メディア変更等の指令を受け、外部CPU50にその指令を送る。外部CPU10は、符号化フォーマット変更を検知すると、外部ROM60内のコード領域60B1,60B2,…,60BNに格納されている適当なデコード処理コード#1,#2,…,#Nを、オーディオデコーダ20内の内部RAM52に転送する。
【0033】
転送処理は、インターフェース(I/F)24を介して行われ、バッファリングやアドレス変換もなされる。
【0034】
ここで、図3を用いて、本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置に用いる内部RAM回路25のメモリ配置について説明する。図3は、内部RAM25内の領域分割を模式的に表している。
【0035】
内部RAM回路25は、デコード処理コード領域25a,ワーク領域25b,レジスタ領域等25cから構成されている。図10に示した外部ROM60のデコード処理コード領域60B1,60B2,…,60BNに格納されているデコード処理コード#1,#2,…,#Nの内、外部CPU50によって転送されてきたデコード処理コードは、デコード処理コード領域25aに格納される。ワーク領域25bおよびレジスタ領域25cは、DSP22がデコード処理を行う際に用いる領域である。各領域25a,25b,25cの境界は符号化フォーマットにより可変であり、例えば、処理コードが短いフォーマットの場合にはワーク領域25bを広く設定することができる。
【0036】
DSP22は、転送されたデータのエラーチェックを行い、到来したオーディオESに対して、内部RAM25のデコード処理コード領域25aに格納されているデコード処理コードを用いて、デコード処理を行う。
【0037】
次に、図4及び図5を用いて、本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置におけるプログラム切替処理について説明する。
【0038】
図4は、本実施形態によるプログラム切替処理をアルゴリズム主体として表しており、図5は、本実施形態によるプログラム切替処理を構成ブロック間の信号授受を主体として表している。なお、図4及び図5において、同一符号は同一の処理ステップを示している。
【0039】
ステップS1において、プログラム切替処理が開始される。例えば、利用者が、リモコン等を用いてプログラムの切替を行うと、プログラム切替指令は、図10に示したユーザI/F40を介して、外部CPU50に転送され、外部CPU50によるプログラム切替処理が開始される。なお、以下の説明では、利用者が、プログラム#kを選択したものとする。
【0040】
次に、ステップS2において、外部CPU50は、プログラム番号#kに相当するプログラムマップテーブル(PMT)のパケットID(PID)を、デマルチプレクサ10に送る。PMTは、デマルチプレクサ10に格納されている。
【0041】
次に、ステップS3において、デマルチプレクサ10は、所望(本例ではオーディオ)のパケットのPIDをフィルタリングする。ここで、得られたPMTには、プログラム番号#kに属するビデオ,オーディオおよび付帯データを含むトランスポートストリーム(TS)パケットのPIDがその属性とともに書かれており、デマルチプレクサ10は、このPIDをフィルタリングする。
【0042】
次に、ステップS4において、デマルチプレクサ10は、付帯データの中に含まれている時間軸の基準を示すPCR(Program Clock Reference)を運ぶパケットから、基準時刻を取り出し、この基準時刻を設定する。
【0043】
次に、ステップS5において、デマルチプレクサ10は、オーディオのPES(Packetized Elementary Stream)パケットのヘッダ部分からストリーム(Stream)IDを取得して、外部CPU50及びオーディオデコーダ20に送る。
【0044】
次に、ステップS6において、外部CPU50は、プログラム切替後のオーディオ符号化フォーマットを知り、現在のフォーマットからの変更の有無を判定し、変更がなければステップS9にジャンプするが、変更が有る場合にはステップS7に進む。
【0045】
そして、変更がある場合には、ステップS7において、外部CPU50は、プログラム切替後のオーディオ符号化フォーマットに対応するデコード処理コードを外部ROM60のデコード処理コード領域60B1,…,60BNから読み出して、オーディオデコーダ20に転送する。転送されたデコード処理コードは、内部RAM25のデコード処理コード領域25aに格納される。
【0046】
次に、ステップS8において、オーディオデコーダ20のDSP22は、転送されたデコード処理コードの転送エラーを確認するために、エラーチェックを行う。エラーチェックの方法としては、例えば、CRC(Cyclic Redundancy Check)コードあるいはテストデータを実際にデコードさせて期待値との比較をするなどの方法を用いる。エラーがある場合には、オーディオデコーダ20は、外部CPU50に対して再送要求を行い、再送されたデコード処理コードの再度チェックを行う。
【0047】
エラーチェックが完了すると、ステップS9において、DSP22は、チェック完了信号を、外部CPU50に返し、外部CPU50はデマルチプレクサ10にこれを伝達する。
【0048】
一方、デマルチプレクサ10は、ステップS3,S4に引き続いて、ステップS5において、PESヘッダから表示タイムスタンプ(PTS)を取得する。
【0049】
次に、ステップS11において、デマルチプレクサ10は、PTSが指示するオーディオアクセスユニットの先頭の時間に基づいて、デコード時刻を設定する。
【0050】
次に、ステップS12において、デマルチプレクサ10は、内部のシステムタイムコード(STC)を用いて、設定されたデコード時刻(PTS時刻)になるのを監視し、PTS時刻が到来するまで、デマルチプレクサ10は、内部のバッファに入力するストリームを蓄積して、ストリームを止める。
【0051】
さらに、PTS時刻になった時点で、ステップS13において、デマルチプレクサ10は、オーディオデコーダ20のステップS9の処理で送られてくる転送エラーのチェック完了を確認する。
【0052】
チェックが完了していなければ、次のPTSとオーディオアクセスユニットの組に関してステップS11に戻り、PTS時刻待ちを行う。
【0053】
それに対して、チェックが完了していれば、ステップS14において、デマルチプレクサ10は、オーディオエレメンタリストリーム(ES)を、オーディオデコーダ20に供給する。
【0054】
次に、ステップS15において、オーディオデコーダ20のフレーム同期回路21は、入力したオーディオESに対して、フレーム(アクセスユニット)同期処理を行う。
【0055】
次に、ステップS16において、DSP22は、内部RAM回路25に格納されているデコード処理コードを用いて、デコード処理を開始する。
【0056】
以上説明したように、本実施形態においては、オーディオデコーダの外部に接続された外部ROMに、複数種類の符号化フォーマットに対するデコード処理コードを格納するようにしている。そして、入力されるオーディオストリームの符号化フォーマットに応じて、外部ROMに格納された符号化フォーマットに対応する1種類のデコード処理コードを読み出して、オーディオデコーダの内部RAMのコード領域に格納するようにしている。DSPは、内部RAMに格納されたデコード処理コードを用いて、デコード処理を行うようにしている。ここで、外部ROMは、容量が十分大きく取れるので、対応フォーマットを増やした場合にもコスト増大を招くことがないものである。
【0057】
また、処理対象フォーマットの追加および仕様変更に対しても、DSPを含むオーディオデコーダを変更することなく、外部ROMの変更により容易に対応することができる。
【0058】
なお、外部ROMの変更方法としては、新しいデコード処理コードの書き込まれている外部ROMのチップに交換することにより行うことができる。また、別の方法としては、外部ROMとして、書換可能なフラッシュROMを使用する場合には、新しいデコード処理コードをフラッシュROMに書き込むことにより行える。なお、この際、新しいデコード処理コードは、ディスク等の記憶媒体から読み出すようにしてもよく、また、ネットワークからダウンロードするようにしてもよいものである。
【0059】
ここで、以上説明した本実施形態における多重化オーディオデータ復号装置を応用した例を図10に示す。
【0060】
図10は、多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ放送を受信するための受信装置であり、100は放送信号を受ける外部アンテナ、110は受けた放送信号の選局を行うチューナ、120は、選局された放送信号に対し、誤り訂正などの処理を行い、デマルチプレクサ10に出力する誤り訂正(FEC)回路、130はDAC30のアナログオーディオ信号を出力するスピーカである。
【0061】
以上のように、符号化フォーマットが変更される放送の受信装置として、本発明を適用することができる次に本発明の他の実施形態による多重化オーディオデータ復号装置の構成及び動作について説明する。
【0062】
最初に、図6を用いて、本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置の全体構成について説明する。なお、図10と同一符号は、同一部分を示している。
【0063】
本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置は、図10に示した多重化オーディオデータ復号装置の構成に加えて、ビデオデコーダ70と、A/Vデコードメモリ80と、デジタルアナログ変換器35を備えている。
【0064】
デマルチプレクサ10の出力は、オーディオデコーダ20とともに、ビデオデコーダ70に入力する。オーディオデコーダ20及びビデオデコーダ70は、共通のA/Vデコードメモリ80に時分割でアクセスすることが可能な構成になっている。A/Vデコードメモリ80は、大容量(メガバイト単位)の外部のメモリチップとして実現されるため、ビデオデコード用に必要な容量を除いてもオーディオデコードに割り当てる容量は十分に有している。
【0065】
ここで、図7を用いて、本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置に用いるA/Vデコードメモリ80の内部のアロケーションについて説明する。
【0066】
A/Vデコードメモリ80には、ビデオデコードに必要なストリームバッファ領域80aおよびフレームバッファ等のワーク領域80bが設けられ、さらに、放送受信機としてインタフェース実現のためのグラフィック表示用バッファ80cが設けられている。
【0067】
また、A/Vデコードメモリ80には、オーディオデコーダ20がアクセス可能なオーディオデコード用ワーク領域80dを備えている。オーディオデコード用ワーク領域80dには、対応する全ての符号化フォーマットに対するデコード処理プログラムコードを保管するデコード処理コード領域80d1,…,80dNが割り当てられている。
【0068】
デコード処理コード領域80d1,…,80dNには、図6に示した外部ROM60のデコード処理コード領域60B1,…,60BNに格納されているデコード処理コード#1,…,#Nが転送された上で、格納される。
【0069】
ここで、図8に示すフローチャートを用いて、本実施形態によるデコード処理コードの格納処理について説明する。
【0070】
ステップS21において、外部CPU50は、外部ROM60のデコード処理コード領域60B1,…,60BNに格納されているデコード処理コード#1,…,#Nを、オーディオデコーダ20のインターフェース(I/F)回路を介して、A/Vデコードメモリ80に転送する。
【0071】
次に、ステップS22において、オーディオデコーダ20のDSP22は、A/Vデコードメモリ80に格納されたデコード処理コードの転送エラーのチェックをする。転送エラーのチェックは、N個のフォーマットを纏めたCRCチェックにより行う。
【0072】
次に、図9を用いて、本実施形態による多重化オーディオデータ復号装置におけるプログラム切替処理について説明する。
【0073】
図9は、本実施形態によるプログラム切替処理をアルゴリズム主体として表している。なお、図4及び図5と同一符号は、同一の処理ステップを示している。
【0074】
本実施形態におけるプログラム切替処理は、図4のフローチャートに示したプログラム切替処理におけるステップS7に代えてステップS7’とするとともに、図4におけるステップS8,S9,S13が削除されたものであるため、その相違点について説明する。
【0075】
ステップS6における判定で、外部CPU50が、プログラム切替後のオーディオ符号化フォーマットが現在のフォーマットからの変更がある場合には、ステップS7’において、DSP22は、A/Vデコードメモリ80のデコード処理コード領域80d1,…,80dNから切替後のデコード処理コードを、内部メモリ25に転送する。
【0076】
一般に、A/Vデコードメモリ80は、ビデオデコード処理に耐え得る伝送帯域幅を有するので、1種類のデコード処理コードを転送するのに要する時間は、外部ROM11からの転送時に比べて十分短くすることができる。
【0077】
また、転送の信頼性は、デコード時のアクセスにおいて確認されているため、再度の転送エラーチェックは不要となる。
【0078】
以上説明したように、本実施形態においては、オーディオデコーダの外部に接続されたA/Vデコードメモリに、外部ROMから複数種類の符号化フォーマットに対するデコード処理コードを格納するようにしている。そして、入力されるオーディオストリームの符号化フォーマットに応じて、A/Vデコードメモリに格納された符号化フォーマットに応じた1種類のデコード処理コードを読み出して、オーディオデコーダの内部RAMのコード領域に格納するようにしている。
【0079】
DSPは、内部RAMに格納されたデコード処理コードを用いて、デコード処理を行うようにしている。ここで、A/Vデコードメモリは、容量が十分大きく取れるので、対応フォーマットを増やした場合にもコスト増大を招くことがないものである。
【0080】
また、処理対象フォーマットの追加および仕様変更に対しても、DSPを含むオーディオデコーダを変更することなく、外部ROMの変更により容易に対応することができる。
【0081】
さらに、1種類のデコード処理コードを転送するのに要する時間を短縮することができる。
【0082】
また、転送の信頼性は、デコード時のアクセスにおいて確認されているため、再度の転送エラーチェックは不要となる。
【0083】
ここで、以上説明した本実施形態における多重化オーディオデータ復号装置を応用した例を図11ないし13に示す。
【0084】
図11は、多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ放送を受信するための受信装置であり、100は放送信号を受ける外部アンテナ、110は受けた放送信号の選局を行うチューナ、120は、選局された放送信号に対し、誤り訂正などの処理を行い、デマルチプレクサ10に出力する誤り訂正(FEC)回路、130はDAC30のアナログオーディオ信号を出力するスピーカ、140はDAC35のアナログビデオ信号を出力するモニタである。
【0085】
以上のように、符号化フォーマットが変更される放送の受信装置として、本発明を適用することができる。
【0086】
また、図12は、多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ放送を受信して記録再生する記録再生装置内蔵受信装置であり、150は放送信号を記録/再生するための記録装置であり、再生された信号をデマルチプレクサ10に出力する。なお、図11の外部アンテナ100、チューナ110、誤り訂正回路120は省略している。
【0087】
以上のように、符号化フォーマットが変更される放送を受信して記録再生するための記録再生装置内蔵受信装置として、本発明を適用することもできる。
【0088】
また、図13は、多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ通信装置であり、170はインターネットなどの外部回線、160は外部回線を受けるモデムであり、モデムからの外部情報をデマルチプレクサ10に出力する。
【0089】
以上のように、符号化フォーマットが変更される通信を受けるための通信装置として、本発明を適用することもできる。
【0090】
本発明によれば、デジタル放送において、複数のフォーマットで圧縮されたオーディオデータに対応可能な受信装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置に入力するMPEGトランスポートストリーム(TS)の階層構造の説明図である。
【図3】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置に用いる内部RAM回路のメモリ配置の説明図である。
【図4】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置におけるプログラム切替処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置におけるプログラム切替処理の信号授受の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置の全体構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置に用いるA/Vデコードメモリ80の内部のアロケーションの説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による多重化オーディオデータ復号装置におけるデコード処理コードの格納処理のフローチャートである。
【図9】本発明の他の実施形態による多重化オーディオデータ復号装置におけるプログラム切替処理を説明するフローチャートである。
【図10】本発明の多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ放送を受信するための受信装置を示すブロック図である。
【図11】本発明の多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ放送を受信するための受信装置を示すブロック図である。
【図12】本発明の多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ放送を受信して記録再生する記録再生装置内臓受信装置を示すブロック図である。
【図13】本発明の多重化オーディオデータ復号装置を組み込んだ通信装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
10…デマルチプレクサ
20…オーディオデコーダ
22…DSP
25…内部RAM
50…外部CPU
60…外部ROM
70…ビデオデコーダ
80…A/Vデコードメモリ

Claims (4)

  1. 第1の符号化フォーマットで圧縮された第1の音声データと前記第1の音声データが前記第1の符号化フォーマットで圧縮されていることを示す第1のID情報とを含む第1の番組データと、第2の符号化フォーマットで圧縮された第2の音声データと前記第2の音声データが前記第2の符号化フォーマットで圧縮されていることを示す第2のID情報とを含む第2の番組データとを受信する受信部と、
    前記第1又は第2の番組データの選択の指示を行う選択指示部と、
    前記選局指示部により選局された前記第1又は第2の番組データを復調する復調部と、
    前記復調部により復調された前記番組データを分離する分離部と、
    前記分離部により分離された前記番組データを復号する復号部と、
    前記復号部の外部に配置された、前記第1の符号化フォーマットに対応した第1の復号プログラムとを前記第2の符号化フォーマットに対応した第2の復号プログラムとを記憶する復号プログラム記憶部と、
    少なくとも前記復号部と前記復号プログラム記憶部とを制御する制御部とを備え、
    前記制御部は、前記選局指示部により前記第1の番組データが選択されると、前記第1のID情報を用いて前記復号プログラム記憶部に記憶された前記第1の復号プログラムを読み出し、前記読み出された第1の復号プログラムを用いて前記第1の音声データを復号し、前記選局指示部により前記第2の番組データが選択されると、前記第2のID情報を用いて前記復号プログラム記憶部に記憶された前記第2の復号プログラムを読み出し、前記読み出された第2の復号プログラムを用いて前記第2の音声データを復号することを特徴とする受信装置。
  2. 請求項1記載の受信装置において、
    前記第1又は第2のID情報は、前記第1又は第2の番組データのPESパケットに含まれることを特徴とする受信装置。
  3. 請求項2記載の受信装置において、
    前記第1又は第2のID情報は、前記PESパケットに含まれるストリームIDであることを特徴とする受信装置。
  4. 第1のフォーマットで圧縮された第1のオーディオデータを含む第1の番組データと、第2のフォーマットで圧縮された第2のオーディオデータを含む第2の番組データと、前記第1のフォーマットに関する第1のフォーマット情報と、前記第2のフォーマットに関する第2のフォーマット情報とを受信し、前記第1又は第2の番組データを選択するチューナと、
    前記第1又は第2の番組データのデコード処理を行う制御部と、
    前記制御部には含まれないように配置された、前記第1及び第2のフォーマットにそれぞれ対応した第1及び第2のプログラムを記憶するメモリとを備え、
    前記制御部は、前記チューナにより前記第1の番組データが選択されると、前記第1のフォーマット情報を用いて前記メモリに記憶された前記第1のプログラムを読み出し、前記読み出された第1のプログラムを用いて前記第1のオーディオデータを復号し、前記チューナにより前記第2の番組データが選択されると、前記第2のフォーマット情報を用いて前記メモリに記憶された前記第2のプログラムを読み出し、前記読み出された第2のプログラムを用いて前記第2のオーディオデータを復号することを特徴とする受信装置。
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