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JP3848563B2 - 車両の車体前部構造 - Google Patents

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JP3848563B2
JP3848563B2 JP2001353796A JP2001353796A JP3848563B2 JP 3848563 B2 JP3848563 B2 JP 3848563B2 JP 2001353796 A JP2001353796 A JP 2001353796A JP 2001353796 A JP2001353796 A JP 2001353796A JP 3848563 B2 JP3848563 B2 JP 3848563B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両前方から他の車両等が衝突した際に、その衝撃を各部で分散させて受けることで車体前部の変形を抑えるようにした車両の車体前部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の車体前部構造としては、例えば、▲1▼特開昭61−37583号公報「自動車の車体前部構造」、▲2▼特開2000−95148「自動車の車体前部構造」に記載されたものが知られている。
【0003】
上記公報▲1▼の第1図には、フロントピラー1(符号については、同公報に記載されているものを使用した。以下同様。)の前部にダッシュアッパパネル2を取付け、このダッシュアッパパネル2とフロントピラー1のピラーインナパネル1aとに補強部材14を渡して取付けた車体前部構造が記載されている。
【0004】
上記公報▲2▼の図5には、サスペンションアッパブラケット7の後部にダッシュパネル4を取付けるとともにサスペンションアッパブラケット7の側方にダッシュサイドパネル6を取付け、このダッシュサイドパネル6の後部にフロントピラー5を取付け、このフロントピラー5の内側とダッシュパネル4の後部とにリーンフォースメント20を渡して取付けた車体前部構造が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記▲1▼では、例えば、ダッシュアッパパネル2の前部に取付けたカウルサイドパネル7から衝突の衝撃が伝わると、この衝撃はダッシュアッパパネル2から補強部材14とピラーインナパネル1aとに伝わるが、ダッシュアッパパネル2のカウルサイドパネル7を取付けている部分には大きな衝撃が伝わるためにこの部分(仮に「結合部」とする。)が後方(図の右方)に変形し、補強部材14とピラーインナパネル1aとで効率よく衝撃を受け止めることができない。上記した結合部が変形すると、フロントピラー1は、補強部材14との連結部分(ボルト16の位置)を中心にして反時計回りに回転することになり、フロントピラー1の後端部は車幅方向内側へ入り込む。
【0006】
このように、フロントピラー1が内側へ入り込めば、フロントピラー1に取付けるステアリング支持用ビームが変形し、ステアリングが大きく後退することが考えられる。
【0007】
上記▲2▼では、例えば、ダッシュサイドパネル6の前方(図の上方)から後方へ衝突の衝撃が伝わると、衝撃はダッシュサイドパネル6から直接にフロントピラー5に伝わるとともに、ダッシュサイドパネル6からサスペンションアッパブラケット7、ダッシュパネル4、リーンフォースメント20を介してフロントピラー5に伝わる。上記した衝撃の伝達経路のうち、ダッシュパネル4を介して伝達する方では、ダッシュパネル4から後方ではリーンフォースメント20によって剛性が高まるが、サスペンションアッパブラケット7とダッシュパネル4との連結部分では、例えば、ダッシュパネル7が変形して、ダッシュサイドパネル6前部からの衝撃を効率よく受けることができない。
【0008】
従って、ダッシュサイドパネル6からフロントピラー5に直接伝わる衝撃でフロントピラー5が後退するとともに、リーンフォースメント20がフロントピラー5の後退を妨げるため、フロントピラー5には車幅方向内側への力が作用することになり、車幅方向内側へ入り込む。
【0009】
そこで、本発明の目的は、車両の車体前部構造を改良することで、車両前方から他の車両等が衝突した際に、衝突の衝撃を各部で分散させて受けることで車体前部の変形を抑えることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1は、フロントサイドメンバの上部及びダッシュボードの前部に、前輪用ダンパの上端を取付けるダンパハウジングを取付け、ダッシュボードの上部にダッシュボードアッパパネルを取付け、このダッシュボードアッパパネルの両端後部にフロントピラーをそれぞれ取付けた車両において、ダンパハウジングの上部から車体後方へダッシュボードアッパサイドパネルを延ばし、このダッシュボードアッパサイドパネルの後端をダッシュボードアッパパネルに連結し、フロントピラーのインナパネルから車体前方斜め内方にガセット部材を延ばし、このガセット部材の前端をダッシュボードアッパパネルに連結し、フロントサイドメンバのガセット部材よりも後方に、車体前方からの衝突によって前端側が上方へ折れ曲がる屈曲点を有し、ガセット部材のダッシュボードアッパパネル側よりフロントピラー側を高位置とし、ダッシュボードアッパサイドパネルをダッシュボードアッパパネルを介してガセット部材に取付けたことを特徴とする。
【0011】
車体前部が衝突した際に、ダンパハウジングからダッシュボードアッパサイドパネルに伝わった衝撃を、ダッシュボードアッパパネルを介してフロントピラー及びガセット部材で分散させて受けることができ、車体前部の剛性を高めることができて、車体前部の変形を抑えることができる。
【0012】
また、ガセット部材のダッシュボードアッパパネル側よりフロントピラー側を高位置としたことで、ダンパハウジングの下部にフロントサイドメンバを設けた場合に、フロントサイドメンバにおけるガセット部材よりも後方の屈曲点でフロントサイドメンバが折れ曲がったときは、ガセット部材の後上方の向きに生じる衝撃を効率よく支えることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
図1は本発明に係る車体前部構造を採用した車両のボディの斜視図であり、車両10は、エンジン及びフロントサスペンションを支えるフロントボデー11と、このフロントボデー11の後部の左右に連結させたサイドボデー12,13と、これらのサイドボデー12,13の下部に渡したアンダボデー14と、サイドボデー12,13の上部に取付けたルーフ15とからなる。
【0014】
図2は本発明に係る車体前部の斜視図である。なお、白抜き矢印は車体前方を表す(以下同様)。また、図では車体右方の部材を説明し、車体左方の部材の説明を省略する。
フロントボデー11は、エンジン室と車室とを隔てるダッシュボード17の下部にフロントサイドメンバ18を取付け、フロントサイドメンバ18の上部及び上記ダッシュボード17の前部に、前輪用ダンパの上端を取付けるダンパハウジング21を取付け、このダンパハウジング21の側部上部にホイールハウスアッパメンバ23を取付け、上記ダッシュパネル17の上部にダッシュボードアッパパネル24を取付け、このダッシュボードアッパパネル24の上部に、フロントウインドを支持するウインドシールドパネル25を取付け、これらのダッシュボードアッパパネル24及びウインドシールドパネル25の端部後部にフロントピラー26を取付けたものである。
【0015】
また、フロントボデー11は、ダッシュボードアッパパネル24の剛性を高めるために、ダンパハウジング21の上部とダッシュボードアッパパネル24の前部とにダッシュボードアッパサイドパネル31を渡して取付け、フロントピラー26の剛性を高めるために、ダッシュボードアッパパネル24の後部とフロントピラー26のインナパネル32とにガセット部材33を渡して取付けた状態を示す。
【0016】
図3は本発明に係る車体前部を車室側から見た斜視図であり、ダッシュボードアッパパネル24とフロントピラー26とにガセット部材33を渡したことを示す。
ここで、35はステアリング支持用ステアリングハンガビーム(後で詳述する。)を取付けるハンガビーム取付部、36は右側のサイドシル、37は左側のフロントピラー、38は左側のサイドシル、41はタイヤハウス、42はフロアパネルである。
【0017】
図4(a),(b)は本発明に係る車体前部に備えるダッシュボードアッパサイドパネルの説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
(a)において、ダッシュボードアッパサイドパネル31は、ダンパハウジング21(図2参照)に取付けるために折曲げ成形した下部折曲げ部45と、ダッシュボードアッパパネル24(図2参照)に取付けるために折曲げ成形するとともにナット46,46を取付けた後部折曲げ部47とを備える。
【0018】
(b)において、ダッシュボードアッパサイドパネル31は、略台形状のプレートであり、台形の2つの斜辺をダンパハウジング21とダッシュボードアッパパネル24に渡して取付ける部材であり、ダッシュボードアッパパネル24の前後方向及び上下方向の剛性を高める。
【0019】
図5は本発明に係る車体前部に備えるガセット部材の説明図であり、(a)は斜視図、(b)は側面図である。
(a)において、ガセット部材33は、長手方向に延びる溝部又は山部を複数成形することで曲げ剛性を高めたストレート部51と、このストレート部51の両端部に形成した前端折曲げ部52及び後端折曲げ部53とからなり、前端折曲げ部52をダッシュボードアッパパネル24(図3参照)に取付け、後端折曲げ部53をフロントピラー26(図3参照)のインナパネル32(図3参照)に取付ける部材である。なお、52a,52a,53a,53bはボルトを通すボルト挿通穴である。
【0020】
(b)において、ガセット部材33は車体に取付けたときに後上がりとなる形状に成形した部材、即ちダッシュボードアッパサイドパネル31(図2参照)側より、フロントピラー26(図3参照)側を高位置として取付ける部材である。この理由については後述する。
【0021】
ガセット部材33は、側面視で、前端折曲げ部52のダッシュボードアッパパネル24(図3参照)への取付面52b上を通って上下方向に延ばした直線を直線52cとするときに、この直線52cと直交する直線54に対して中心線55を角度θだけ後上がりに成形した部材である。
【0022】
図6は本発明に係る車体前部構造の要部側面図であり、フロントサイドメンバ18の前部上部にダンパハウジング21を取付け、このダンパハウジング21の上部にダッシュボードアッパサイドパネル31を取付け、このダッシュボードアッパサイドパネル31の後部をダッシュボードアッパパネル24に取付け、このダッシュボードアッパパネル24にガセット部材33の前部を取付けた状態を示す。
【0023】
ダッシュボードアッパサイドパネル31は、ダンパハウジング21とダッシュボードアッパパネル24とに渡して取付けることで、ダッシュボードアッパパネル24を補強する役目をする。
【0024】
フロントサイドメンバ18は、車体前方からの衝突によって、後部の屈曲点56を支点として折れ曲がる。この屈曲点56を中心として半径Rの円弧57を描くときに、前述のガセット部材33は、中心線55がガセット部材33上で円弧57のほぼ接線となるようにしたものである。
【0025】
図7は本発明に係る車体前部の要部断面図であり、ダッシュボードアッパサイドパネル31及びガセット部材33を通る断面図である。なお、図中の上向きの白抜き矢印(side)は車体側方を表す。
ガセット部材33は、前端折曲げ部52を、ダッシュボードアッパパネル24にボルト61及びナット46でダッシュボードアッパサイドパネル31と共に取付け、後端折曲げ部53を、フロントピラー26のインナパネル32にボルト62及びナット63で取付けることでフロントピラー26の剛性を高める補強部材である。なお、ダッシュボードアッパサイドパネル31の後部折曲げ部47及びガセット部材33の前端折曲げ部52は、図2に示したウインドシールドパネル25に取付けてもよい。
【0026】
ダッシュボードアッパパネル24は、端部をフロントピラー26のインナパネル32の前部に連結し、このインナパネル32の車体側方にアウタパネル65を取付け、このアウタパネル65の内側に補強材66を取付け、アウタパネル65の外面前部にホイールハウスアッパメンバ23を取付ける。
フロントピラー26のインナパネル32は、内面後部にステアリング(不図示)を支持するステアリングハンガビーム67を取付けた部材である。
【0027】
以上に述べたダッシュボードアッパサイドパネル31及びガセット部材33の作用を次に説明する。
図8(a),(b)は本発明に係る車体前部構造の作用を説明する作用図であり、(a)において、車両の前方から車体前部に車両等が衝突して、フロントサイドメンバ18の前端に白抜き矢印のような衝撃による荷重が作用すると、フロントサイドメンバ18は、屈曲点56を支点にして矢印aのように上方へ折れ曲がる。
【0028】
この結果、ダンパハウジング21には矢印bの向きの荷重が作用し、ダッシュボードアッパサイドパネル31には矢印cの向きに荷重が作用し、ガセット部材33には矢印dの向き、即ち後上がりの荷重が作用する。
【0029】
従って、フロントサイドメンバ18の屈曲点56を中心とする円弧57にガセット部材33の中心線55が接するように且つガセット部材33を後上がりとしたことで、ガセット部材33に作用する荷重を、ガセット部材33の長手方向で効率的に受けることができる。
【0030】
上記した荷重の伝達を(b)の断面図で説明すると、ダッシュボードアッパサイドパネル31に矢印fの向きに伝わった荷重は、ダッシュボードアッパパネル24に矢印g及び矢印hの向きに伝わるとともに、ガセット部材33及びフロントピラー26にそれぞれ矢印j、矢印mの向きで伝わる。
【0031】
このように、ダッシュボードアッパサイドパネル31にダッシュボードアッパパネル24を介してガセット部材33及びフロントピラー26を連結する、特に、ダッシュボードアッパパネル24にフロントピラー26を、ダッシュボードアッパサイドパネル31から距離Dだけ車体側方へオフセットさせた状態で取付けるとともに、ダッシュボードアッパサイドパネル31の後部折曲げ部47をダッシュボードアッパパネル24を介してガセット部材33の前端折曲げ部52に取付位置を一致させて連結したことで、ダッシュボードアッパサイドパネル31に伝わった荷重をダッシュボードアッパパネル24を介してガセット部材33及びフロントピラー26の両方で受けることができるとともに、フロントピラー26の車幅方向への倒れを防止することができる。
【0032】
従って、フロントピラー26回り(即ち、車体前部)の剛性を高めることができ、しかも、フロントピラー26には、ほぼ車体後方のみに荷重が作用するため、ステアリングハンガビーム67は想像線で示すようにわずかに後退するにとどまる。
【0033】
図9(a),(b)は車体前部構造の比較例の作用を説明する作用図である。(a)は車体前部構造を示す断面図であり、図7に示した本実施の形態の車体前部構造からガセット部材33を取除いた例である。なお、符号は変更した。
即ち、(a)はダッシュボードアッパサイドパネル101の後部にダッシュボードアッパパネル102を取付け、このダッシュボードアッパパネル102の端部にフロントピラーインナパネル103を取付け、このフロントピラーインナパネル103の車体側方にフロントピラーアウタパネル104を取付け、このフロントピラーアウタパネル104の内側に補強材105を取付け、フロントピラーアウタパネル104の前部にホイールハウスアッパメンバ106を取付け、フロントピラーインナパネル103の後部にステアリングハンガビーム107を取付けた車体前部構造を示す。
フロントピラーインナパネル103、フロントピラーアウタパネル104及び補強材105は、フロントピラー108を構成する部材である。
【0034】
(b)において、ダッシュボードアッパサイドパネル101に矢印pの向きに衝突時の荷重が作用すると、この荷重によってダッシュボードアッパパネル102は車体後方へ大きく変形する。この結果、ダッシュボードアッパパネル102に連結したフロントピラー108の前部は、想像線で示す初期の状態から矢印qのように車体内側に入り込むと同時に、矢印rのように後退する(図ではダッシュボードアッパパネル102が大きく変形した後に、フロントピラーインナパネル103から剥がれた状態を示す)。
【0035】
従って、フロントピラーインナパネル103に取付けたステアリングハンガビーム107は車幅方向の中央を押し出すように変形しながら白抜き矢印のように大きく後退する。これによって、ステアリングハンガビーム107に取付けたステアリングも大きく後退することになる。
【0036】
以上の図2で説明したように、本発明は第1に、前輪用ダンパの上端を取付ける左右のダンパハウジング21(左側のダンパハウジングは不図示)の後部にダッシュボード17を渡し、このダッシュボード17の上部にダッシュボードアッパパネル24及びフロントウインド支持用ウインドシールドパネル25を取付け、ダッシュボードアッパパネル24及びウインドシールドパネル25の両端後部にフロントピラー26(一方のフロントピラーは不図示)をそれぞれ取付けた車両10(図1参照)において、ダンパハウジング21の上部から車体後方へダッシュボードアッパサイドパネル31を延ばし、このダッシュボードアッパサイドパネル31の後端をダッシュボードアッパパネル24又はウインドシールドパネル25に連結し、フロントピラー26のインナパネル32から車体前方斜め内方にガセット部材33を延ばし、このガセット部材33の前端をダッシュボードアッパパネル24又はウインドシールドパネル25に連結したことを特徴とする。
【0037】
車両の前方から他の車両等が車体前部に衝突した際に、ダンパハウジング21からダッシュボードアッパサイドパネル31に伝わった衝撃を、ダッシュボードアッパパネル24又はウインドシールドパネル25を介してフロントピラー26及びガセット部材33で分散させて受けることができ、車体前部の剛性を高めることができて、車体前部の変形を抑えることができる。従って、例えば、図8(b)で説明したように、フロントピラー26に取付けたステアリングハンガビーム67の後退を抑えることができる。
【0038】
本発明は第2に、図3及び図6で説明したように、ガセット部材33のダッシュボードアッパサイドパネル31側よりフロントピラー26側を高位置としたことを特徴とする。
【0039】
ダンパハウジング21の下部にフロントサイドメンバ18を設けた場合に、フロントサイドメンバ18におけるガセット部材33よりも後方の屈曲点56でフロントサイドメンバ18が折れ曲がったときは、ガセット部材33の後上方の向きに生じる衝撃による荷重を効率よく支えることができる。
【0040】
尚、本発明のダッシュボードアッパサイドパネル及びガセット部材は、左側のダンパハウジング及び左側のフロントピラーに取付けてもよい。
【0041】
【発明の効果】
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1の車両の車体前部構造は、ダンパハウジングの上部から車体後方へダッシュボードアッパサイドパネルを延ばし、このダッシュボードアッパサイドパネルの後端をダッシュボードアッパパネルに連結し、フロントピラーのインナパネルから車体前方斜め内方にガセット部材を延ばし、このガセット部材の前端をダッシュボードアッパパネルに連結し、フロントサイドメンバのガセット部材よりも後方に、車体前方からの衝突によって前端側が上方へ折れ曲がる屈曲点を有し、ガセット部材のダッシュボードアッパパネル側よりフロントピラー側を高位置とし、ダッシュボードアッパサイドパネルをダッシュボードアッパパネルを介してガセット部材に取付けたので、車体前部が衝突した際に、ダンパハウジングからダッシュボードアッパサイドパネルに伝わった衝撃を、ダッシュボードアッパパネルを介してフロントピラー及びガセット部材で分散させて受けることができ、車体前部の剛性を高めることができて、車体前部の変形を抑えることができる。
【0042】
また、ガセット部材のダッシュボードアッパパネル側よりフロントピラー側を高位置としたので、ダンパハウジングの下部にフロントサイドメンバを設けた場合に、フロントサイドメンバにおけるガセット部材よりも後方の屈曲点でフロントサイドメンバが折れ曲がったときは、ガセット部材の後上方の向きに生じる衝撃を効率よく支えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車体前部構造を採用した車両のボディの斜視図
【図2】本発明に係る車体前部の斜視図
【図3】本発明に係る車体前部を車室側から見た斜視図
【図4】本発明に係る車体前部に備えるダッシュボードアッパサイドパネルの説明図
【図5】本発明に係る車体前部に備えるガセット部材の説明図
【図6】本発明に係る車体前部構造の要部側面図
【図7】本発明に係る車体前部の要部断面図
【図8】本発明に係る車体前部構造の作用を説明する作用図
【図9】車体前部構造の比較例の作用を説明する作用図
【符号の説明】
10…車両、17…ダッシュボード、18…フロントサイドメンバ、21…ダンパハウジング、24…ダッシュボードアッパパネル、25…ウインドシールドパネル、26…フロントピラー、31…ダッシュボードアッパサイドパネル、32…フロントピラーのインナパネル、33…ガセット部材、56…屈曲点

Claims (1)

  1. フロントサイドメンバ(18)の上部及びダッシュボード(17)の前部に、前輪用ダンパの上端を取付けるダンパハウジング(21)を取付け、前記ダッシュボード(17)の上部にダッシュボードアッパパネル(24)を取付け、このダッシュボードアッパパネル(24)の両端後部にフロントピラー(26)をそれぞれ取付けた車両(10)において、
    記ダンパハウジング(21)の上部から車体後方へダッシュボードアッパサイドパネル(31)を延ばし、このダッシュボードアッパサイドパネル(31)の後端を前記ダッシュボードアッパパネル(24)に連結し、前記フロントピラー(26)のインナパネル(32)から車体前方斜め内方にガセット部材(33)を延ばし、このガセット部材(33)の前端を前記ダッシュボードアッパパネル(24)に連結し、
    前記フロントサイドメンバ(18)の前記ガセット部材(33)よりも後方に、車体前方からの衝突によって前端側が上方へ折れ曲がる屈曲点(56)を有し、
    前記ガセット部材(33)は、前記ダッシュボードアッパパネル(24)側よりフロントピラー(26)側を高位置とし、
    前記ダッシュボードアッパサイドパネル(31)を前記ダッシュボードアッパパネル(24)を介して前記ガセット部材(33)に取付けたことを特徴とする車両の車体前部構造。
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