JP3846919B2 - Hydraulic control valve - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バルブボディーとバルブスプールとの同軸上での相対角変位により油圧の制御動作をなす回転式の油圧制御弁に関し、特に、油圧式の動力舵取装置において、操舵補助用のパワーシリンダへの送給油圧を舵輪操作に応じて制御すべく用いられる油圧制御弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧式の動力舵取装置は、舵取機構中に配した複動式の油圧シリンダ(パワーシリンダ)が発生する油圧力により舵取りを補助し、舵輪(ステアリングホィール)の操作に要する労力負担を軽減して、快適な操舵感覚を得ようとするものであり、前記パワーシリンダの両シリンダ室(送油先)と、エンジンにて駆動される油圧ポンプ(油圧源)及び作動油を収納する油タンク(排油先)との間に、舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じて油圧の給排制御を行う油圧制御弁を介装してなる。
【0003】
前記油圧制御弁としては、一般的に、舵輪の回転を直接的に利用する回転式の油圧制御弁が用いられている。これは、舵輪に連なる入力軸と舵取機構に連なる出力軸とをトーションバーを介して同軸的に連結し、一方の連結端に係合された筒形のバルブボディーの内側に、他方の連結端に一体的に形成したバルブスプールを同軸上での相対回転自在に嵌め合わせてなり、舵輪に操舵トルクが加えられたとき、前記トーションバーの捩れに伴ってバルブボディーとバルブスプールとの間に相対角変位を生ぜしめる構成となっている。
【0004】
バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上(前者の内周と後者の外周)には、軸長方向に延びる各複数の油溝が周方向に並設してあり、バルブボディーとバルブスプールとは、夫々の油溝が周方向に千鳥配置され、両側に相隣するもの同士が相互に連通するように位置決めされており、これらの油溝の夫々は、油圧源及び排油先に夫々連なる給油室及び排油室と、給油室の両側にて排油室との間に夫々位置し、送油先となるパワーシリンダの両シリンダ室に各別に連なる一対の送油室とを構成している。
【0005】
図10は、この種の油圧制御弁の動作説明図である。本図は、バルブボディー1及びバルブスプール2の嵌合部を直線展開したものであり、バルブボディー1の内周に並ぶ油溝4,4…は、パワーシリンダの両シリンダ室SR ,SL に各別の送油孔を介して接続され、一対の送油室12,13を交互に構成しており、またバルブスプール2の外周に並ぶ油溝5,5…は、油圧源たる油圧ポンプPに導油孔を介して接続された給油室10と、排油先たる油タンクTに排油孔を介して接続された排油室11とを交互に構成している。なお、図とは逆の構成、即ち、バルブボディー1側の油溝4,4…を給油室10及び排油室11とし、バルブスプール2側の油溝5,5…を送油室12,13とした構成もまた可能である。
【0006】
バルブボディー1側の油溝4,4…と、バルブスプール2側の油溝5,5…とは、夫々の両側にて等しい面積を有して連通しており、これらの連通部が前記相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部6,6…として作用し、この絞り面積の変化により、前記送油室12,13を経てシリンダ室SR ,SL に送給される油圧が制御される。
【0007】
図10(a)は、バルブボディー1とバルブスプール2との間に相対角変位が生じていない状態を示している。このとき、油圧ポンプPから給油室10に供給される油圧は、該給油室10の両側の絞り部6,6が等面積を有することから、相隣する送油室12,13に均等に振り分けられ、他側の絞り部6,6を経て排油室11,11に導かれて、これらに連なる油タンクTに還流する経路を辿ることになり、給油室10への供給油圧は、前記シリンダ室SR ,SL のいずれにも送給されず、パワーシリンダは何らの力も発生しない。
【0008】
図10(b)は、舵輪に操舵トルクが加わり、バルブボディー1とバルブスプール2との間に相対角変位が生じた状態を示している。このとき、給油室10の両側の絞り部6,6の内、一方(送油室12側)の絞り面積が増大し、他方(送油室13側)の絞り面積が減少する結果、前記給油室10への供給油圧は、絞り面積を増した絞り部6を経て、主として送油室12に導入されるようになり、該送油室12と他方の送油室13との間、及びこれら夫々に連なるシリンダ室SR ,SL 間に圧力差が生じ、前記パワーシリンダは、この圧力差に相当する油圧力(操舵補助力)を発生する。
【0009】
この際に生じる圧力差は、他側(送油室13側)の絞り部6での絞り面積の減少程度に依存し、この減少程度は前記相対角変位の大きさ、即ち、舵輪に加わる操舵トルクの大きさに対応する。従って、前記パワーシリンダが発生する操舵補助力は、舵輪に加わる操舵トルクに対応する向きと大きさとを有することになり、舵取りを補助することができる。なお、パワーシリンダの動作に伴って他方のシリンダ室SL から押し出される油は、他方の送油室13に還流し、該送油室13の一側(排油室11側)にて絞り面積を増した絞り部6を経て相隣する排油室11に導入され、該排油室11に接続された油タンクTに排出される。
【0010】
各絞り部6を臨むバルブスプール2側の角部には、周方向に所定の幅を有して面取り部(チャンファ7)が形成してある。このチャンファ7は、バルブスプール2側の油溝5の側面と油溝5,5間のランドの周面とが交叉する角部を、ランドの周面に対して所定の傾斜角度を有して斜めに切欠き、周方向に所定の幅を有して形成されており、バルブボディー1とバルブスプール2との相対角変位に対し、各絞り部6の絞り面積を緩やかに変化せしめる調整作用をなす。動力舵取装置における操舵補助力の望ましい増加特性は、舵輪に加わる操舵トルクに対して比例的に増加する特性ではなく、前記操舵トルクが小さい範囲では漸増し、所定の限界を超えると共に急増する特性であり、このような特性は、前記チャンファ7,7…の作用により達成される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
さて、以上の如き動作をなす油圧制御弁においては、特に、バルブボディー1とバルブスプール2との相対角変位が大きい場合、絞り面積を減じた絞り部6を作動油が通流する際に耳障りな流動音を伴ってキャビテーションが発生する問題があった。この流動音は、車室の内部が比較的静かな停止又は低速走行中に舵輪が大きく操作された場合に発生し、車室内部の静粛性を阻害するのみならず、運転者に無用な不安を与える不都合を招来することから、動力舵取装置用の油圧制御弁においては、前記流動音の低減が重要な課題となっている。
【0012】
前述した如く、絞り部6の絞り面積の増減は、給油室10の両側と排油室11の両側とにおいて、送油室12,13に対して逆に生じる。即ち、図10(b)に示す動作状態にあるとき、給油室10の両側においては、送油室12側の絞り部6の絞り面積が増加し、送油室13側の絞り部6の絞り面積が減少するのに対し、排油室11の両側においては、逆に送油室13側の絞り部6の絞り面積が増加し、送油室12側の絞り部6の絞り面積が減少する。
【0013】
このとき、前記流動音の原因となる作動油の流れは、絞り面積を減じた側の絞り部6,6、即ち、給油室10と送油室13との間の絞り部6、及び排油室11と送油室12との間の絞り部6において夫々生じるが、これらの流れにおけるキャビテーションの発生挙動には差異があるとされており、このような知見に従って流動音の低減を図った油圧制御弁が従来から種々提案されている。
【0016】
また特開平6-206555号公報には、作動油のキャビテーションによる流動音が、給油室10の両側の絞り部6,6よりも排油室11の両側の絞り部6,6に顕著に発生するとされ、後者に前者と同様の流れ形態を得るべく、図12に示す如く、排油室11の両側の絞り部6,6には、バルブスプール2側ではなく、バルブボディー1側の角部にチャンファ7,7を形成することにより流動音の低減を図った油圧制御弁が開示されている。
【0017】
同様の構成とした油圧制御弁は、特開平6-156292号公報にも開示されている。但し、この油圧制御弁は、特開平6-206555号公報におけるとは逆に、給油室10の両側の絞り部6,6がキャビテーションに対して不利であるとされ、これらの絞り部6,6において、バルブボディー1側の角部にチャンファ7,7を形成した構成となっている。
【0018】
また一方、特開昭60−203580号公報、及び米国特許3022772 号には、図10、図11及び図12に示す油圧制御弁と逆の構成、即ち、バルブボディー1側の油溝4,4…を給油室10及び排油室11とし、バルブスプール2側の油溝5,5…を送油室12,13とした構成において、作動油のキャビテーションに伴う流動音が、給油室10の両側の絞り部6,6よりも排油室11の両側の絞り部6,6に顕著に発生するとされ、図13に示す如く、給油室10の両側の絞り部6,6に対してのみチャンファ7,7を形成することにより流動音の低減を図った油圧制御弁が開示されている。
【0019】
この構成によれば、図13(b)に示す如く、バルブボディー1に対してバルブスプール2の相対角変位が生じたとき、排油室11の一側(送油室12側)のチャンファ7を有さない絞り部6は、早期に締切り状態となるのに対し、給油室10の同側(送油室13側)のチャンファ7を有する絞り部6は、所定の絞り面積を維持していることから、流動音の原因となる作動油の流れは、キャビテーションに対して好条件であるとされた給油室10と送油室13との間の絞り部6に集中し、流動音を低減し得ることとなっている。
【0020】
この油圧制御弁は、前記特開平6-206555号公報及び前記特開平6-156292号公報に開示されているように流れの形態に着目すると、特開平6-156292号公報と同じ、即ち、特開平6-206555号公報とは逆の流れ形態が得られることになる。
【0021】
このように、給油室10の両側と排油室11の両側とにおけるキャビテーションの発生挙動の差異に着目して流動音の低減を図った従来の提案は、キャビテーションの発生挙動に関する考え方が種々に異なるものとなっている。キャビテーションの発生挙動を明確にすべく本発明者等は、給油室10と排油室11との間を直線展開した模擬油路を外部からの観察可能に構成し、給油室10側の絞り面積を減じた場合と、排油室11側の絞り面積を減じた場合とにおけるキャビテーションの発生挙動を、流動音の測定データと目視での観察とにより比較する実験を行った。
【0022】
図14及び図15は、この実験の結果を示す図表であり、図14には、図10,図11及び図12に示す如く、給油室10及び排油室11をバルブスプール2側に設けた場合の結果が、また図15には、図13に示す如く、給油室10及び排油室11をバルブボディー1側に設けた場合の結果が夫々示されている。流動音の測定結果は、絞り面積の減少に伴って増加する絞り部の上流側油圧(kgf/cm2 )を横軸とし、測定された流動音の音圧レベル(dB)を縦軸として示してあり、またキャビテーションの観察結果は、目視での観察による相対評価となっている。
【0023】
図14においては、給油室10側の絞り面積を減じた場合の結果が(a)に、排油室11側の絞り面積を減じた場合の結果が(b)に夫々示されている。両者を比較した場合、流動音の測定データには、絞り部の上流側油圧が60kgf/cm2 以下の領域において顕著な差異が現れており、特に、(a)の場合に、上流側油圧が40kgf/cm2 以下での流動音の音圧レベルが20dB程度の低レベルに保たれるのに対し、(b)の場合には、上流側油圧が20kgf/cm2 を超える領域において、高圧域と同等の音圧レベル(40dB前後)を有する流動音が発生している。
【0024】
また目視での観察においても、(a)の場合、絞り部の絞り面積が十分に小さく、上流側油圧が高圧となるまでキャビテーションの発生が観察されないのに対し、(b)の場合、絞り部の絞り面積が比較的大きい段階にてキャビテーションの発生が観察された。これらのことから、図14に示す構成、即ち、給油室10及び排油室11をバルブスプール2側に設けた構成においては、給油室10側の絞り部での流れがキャビテーションの発生に対して有利であることがわかる。
【0025】
一方図15においては、図14とは逆に、排油室11側の絞り面積を減じた場合の結果が(a)に、給油室10側の絞り面積を減じた場合の結果が(b)に夫々示されている。両者の流動音の測定データを比較した場合、図14の場合ほど顕著ではないが、上流側油圧が30kgf/cm2 以下の領域において差異があり、(a)の場合の流動音が低レベルである。また、目視での観察においても、(a)の場合のキャビテーションの発生程度は、(b)の場合のそれよりも良好であった。これらのことから、図15に示す構成、即ち、給油室10及び排油室11をバルブボディー1側に設けた構成においては、排油室11側の絞り部での流れがキャビテーションの発生に対して有利であることがわかる。
【0026】
流動音の低減を図った従来の油圧制御弁をこの実験結果と比較した場合、特開平6-206555号公報に開示された油圧制御弁は、前記実験結果に対応するのに対し、特開昭60−203580号公報、米国特許3022772 号及び前記特開平6-156292号公報に開示された油圧制御弁は、前記実験結果と相反し、流動音の低減に対し有害なものとなっている。
【0027】
また、絞り部6における前記チャンファ7は、バルブスプール2側の角部に形成されるのが一般的であるが、バルブボディー1側の角部に形成される場合もある。このような場合のキャビテーションの発生挙動は、図14及び図15に示された絞りの状態の図を天地を逆にして見た場合に相当し、給油室10及び排油室11をバルブスプール2側に設けた構成においては、図15の結果から、排油室11側の絞り部がキャビテーションの発生に対して有利となり、給油室10及び排油室11をバルブボディー1側に設けた構成においては、図14の結果から、給油室10側の絞り部がキャビテーションの発生に対して有利となる結果が得られている。従って、バルブボディー1側にチャンファ7を形成した場合には、特開平6-206555号公報に開示された構成は、キャビテーションの発生に対して不利なものとなる。
【0028】
このように、流動音の低減のために従来からなされている提案は、夫々に固有の構成、具体的には、油圧源、排油先及び送油先とバルブボディー1及びバルブスプール2の嵌合周上に並ぶ油溝との連通態様と、各油溝間の絞り部におけるチャンファの形成態様との所定の組み合わせに対してのみ通用するに過ぎず、種々の構成の油圧制御弁全体に適用し得るものではない。
【0029】
更に、従来の提案は、絞り部6に設けられるチャンファ7の寸法(幅、傾斜角度)の変更を強いるものであるが、実際に必要となる寸法差はわずかなものであり、このような差を有する二種類のチャンファ7,7を交互に形成するために、多大の工数と高度の加工技術とを要する難点があった。
【0030】
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に並ぶ絞り部におけるキャビテーションを有効に抑制でき、流動音の大幅な低減を図れる油圧制御弁を、構成の如何に拘わらず、また加工の困難さを伴うことなく提供することを目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1発明に係る油圧制御弁は、筒形をなすバルブボディーの内側に同軸上での相対角変位可能にバルブスプールを嵌め合わせ、両者の嵌合周上に並設された各複数の油溝を千鳥配置し、バルブスプール側の油溝を油圧源と排油先とに交互に連通させる一方、これらの間のバルブボディー側の油溝を相異なる送油先に交互に連通させ、周方向に相隣する夫々の油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部を構成してなり、各絞り部を臨むバルブスプール側の角部に絞り面積調整用の面取り部を備える油圧制御弁において、前記油圧源に連なる油溝の両側の絞り部が前記排油先に連なる油溝の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するように、前記バルブスプール側の各油溝間のランドを周方向にオフセット配置してなることを特徴とする。
【0032】
この発明は、バルブスプール側の油溝を給油室及び排油室とし、各絞り部における絞り面積調整用の面取り部(チャンファ)をバルブスプール側に設けた構成を対象とし、バルブスプール側のランドを周方向にオフセット配置して、給油室の両側の絞り部が排油室の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するようになし、バルブボディーとバルブスプールとの相対角変位が生じたとき、図14に示す実験結果からキャビテーションに対して有利とされる給油室の両側の絞り部に作動油の流れを集中させて流動音を低減する。
【0033】
本発明の第2発明に係る油圧制御弁は、筒形をなすバルブボディーの内側に同軸上での相対角変位可能にバルブスプールを嵌め合わせ、両者の嵌合周上に並設された各複数の油溝を千鳥配置し、バルブスプール側の油溝を油圧源と排油先とに交互に連通させる一方、これらの間のバルブボディー側の油溝を相異なる送油先に交互に連通させ、周方向に相隣する夫々の油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部を構成してなり、各絞り部を臨むバルブボディー側の角部に絞り面積調整用の面取り部を備える油圧制御弁において、前記排油先に連なる油溝の両側の絞り部が前記油圧源に連なる油溝の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するように、前記バルブボディー側の油溝、又は前記バルブスプール側の各油溝間のランドを周方向にオフセット配置してなることを特徴とする。
【0034】
この発明は、バルブスプール側の油溝を給油室及び排油室とし、各絞り部のチャンファをバルブボディー側に設けた構成を対象とし、バルブボディー側の油溝又はバルブスプール側のランドのオフセット配置により、排油室の両側の絞り部が給油室の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するようになし、バルブボディーとバルブスプールとの相対角変位が生じたとき、図15に示す実験結果からキャビテーションに対して有利とされる排油室の両側の絞り部に作動油の流れを集中させて流動音を低減する。
【0035】
本発明の第3発明に係る油圧制御弁は、筒形をなすバルブボディーの内側に同軸上での相対角変位可能にバルブスプールを嵌め合わせ、両者の嵌合周上に並設された各複数の油溝を千鳥配置し、バルブボディー側の油溝を油圧源と排油先とに交互に連通させる一方、これらの間のバルブスプール側の油溝を相異なる送油先に交互に連通させ、周方向に相隣する夫々の油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部を構成してなり、各絞り部を臨むバルブスプール側の角部に絞り面積調整用の面取り部を備える油圧制御弁において、前記排油先に連なる油溝の両側の絞り部が前記油圧源に連なる油溝の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するように、前記バルブボディー側の各油溝間のランド、又は前記バルブスプール側の油溝を周方向にオフセット配置してなることを特徴とする。
【0036】
この発明は、バルブボディー側の油溝を給油室及び排油室とし、各絞り部のチャンファをバルブスプール側に設けた構成を対象とし、バルブボディー側のランド又はバルブスプール側の油溝のオフセット配置により、排油室の両側の絞り部が給油室の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するようになし、バルブボディーとバルブスプールとの相対角変位が生じたとき、図15に示す実験結果からキャビテーションに対して有利とされる排油室の両側の絞り部に作動油の流れを集中させて流動音を低減する。
【0037】
本発明の第4発明に係る油圧制御弁は、筒形をなすバルブボディーの内側に同軸上での相対角変位可能にバルブスプールを嵌め合わせ、両者の嵌合周上に並設された各複数の油溝を千鳥配置し、バルブボディー側の油溝を油圧源と排油先とに交互に連通させる一方、これらの間のバルブスプール側の油溝を相異なる送油先に交互に連通させ、周方向に相隣する夫々の油溝間に前記相対角変位に応じて絞り面積を変える絞り部を構成してなり、各絞り部を臨むバルブボディー側の角部に絞り面積調整用の面取り部を備える油圧制御弁において、前記油圧源に連なる油溝の両側の絞り部が前記排油先に連なる油溝の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するように、前記バルブボディー側の各油溝間のランド、又は前記バルブスプール側の油溝を周方向にオフセット配置してなることを特徴とする。
【0038】
この発明は、バルブボディー側の油溝を給油室及び排油室とし、各絞り部のチャンファをバルブボディー側に設けた構成を対象とし、バルブボディー側のランド又はバルブスプール側の油溝のオフセット配置により、給油室の両側の絞り部が排油室の両側の絞り部よりも大なる絞り面積を有するようになし、バルブボディーとバルブスプールとの相対角変位が生じたとき、図14に示す実験結果からキャビテーションに対して有利とされる給油室の両側の絞り部に作動油の流れを集中させて流動音を低減する。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、動力舵取装置の油圧回路と共に示す本発明の第1発明に係る油圧制御弁の横断面図である。
【0040】
図中1はバルブボディー、2はバルブスプールである。円筒形をなすバルブボディー1の内周面には、8本の油溝4,4…が周方向に等配をなして並設され、また、バルブボディー1の内径と略等しい外径を有する厚肉円筒形のバルブスプール2の外周面には、同様に、8本の油溝5,5…が周方向に等配をなして並設されている。
【0041】
バルブボディー1側の8本の油溝4,4…は、夫々等しい幅を有しているが、バルブスプール2側の8本の油溝5,5…は、図に明らかな如く、夫々の間のランドを周方向にオフセット配置することにより、1つおきに位置する4本の幅を拡げ、残りの4つの幅を逆に狭めて形成されている。なお、バルブスプール2における前記ランドのオフセット量は、バルブスプール2の中心角に直して数分〜十数分前後のわずかなものである。
【0042】
第1発明に係る油圧制御弁は、以上の如く構成されたバルブボディー1とバルブスプール2とを用い、バルブボディー1の内側にバルブスプール2を同軸上での相対回転自在に嵌め合わせ、これら両者を、バルブスプール2の内側に挿通されたトーションバー3により相互に連結して構成されている。バルブボディー1側の油溝4,4…とバルブスプール2側の油溝5,5…とは、前記トーションバー3に捩れが生じていない中立状態において、図示の如く周方向に千鳥配置され、夫々の両側に相隣するものと連通するように位置決めされている。
【0043】
以上の構成により、バルブボディー1側の油溝4,4…の夫々は、バルブスプール2側の油溝5,5…間のランドに対向し、また、バルブスプール2側の油溝5,5…の夫々は、バルブボディー1側の油溝4,4…間のランドに対向して、バルブボディー1とバルブスプール2との嵌合周上には、油溝4,4…の内側の8つの油室と、油溝5,5…の外側の8つの油室とが、夫々の間に連通部を有して交互に並んだ状態となる。
【0044】
バルブボディー1とバルブスプール2とは、これらを連結するトーションバー3の捩れの範囲内での相対角変位が可能であり、前記各油室間の連通部は、この相対角変位に応じて夫々の連通面積(絞り面積)を増減する絞り部として作用する。本発明に係る油圧制御弁においては、バルブスプール2側のランドが前述の如くオフセット配置され、広幅の4本の油溝5,5…と狭幅の4本の油溝5,5…とが形成されている。従って、バルブボディー1との嵌合周上に並ぶ前記絞り部の絞り面積は均等ではなく、広幅の油溝5,5…により形成された4つの油室の両側に位置する8か所の絞り部6a,6a…は、狭幅の油溝5,5…の外側の4つの油室の両側に位置する8か所の絞り部6b,6b…よりも大なる絞り面積を有することになる。
【0045】
このようにバルブスプール2側の油溝5,5…の外側に形成された8つの油室の内、1つおきに位置し、両側に広幅の絞り部6a,6aを有する4つの油室は、バルブボディー1の周壁を貫通する各別の導油孔を介して油圧源たる油圧ポンプPの吐出側に接続され、該油圧ポンプPの発生油圧が供給される給油室10,10…を構成している。これに対し、両側に狭幅の絞り部6b,6bを有する残りの4つの油室は、バルブスプール2を半径方向に貫通する各別の排油孔及びバルブスプール2内側の中空部を介して排油先となる油タンクTに接続され、該油タンクTへの排出油の通路となる排油室11,11…を構成している。
【0046】
一方、バルブボディー1側の油溝4,4…の内側に形成された8つの油室は、一側に広幅の絞り部6aを、他側に狭幅の絞り部6bを夫々有することになり、これらの内、前記給油室10,10…に周方向の同側にて相隣する4つの油室は、バルブボディー1の周壁を貫通する各別の導油孔を介して、油圧の送給先であるパワーシリンダSの一方のシリンダ室SR に接続され、このシリンダ室SR への送油室12,12…を構成しており、残りの4つは、前記パワーシリンダSの他方のシリンダ室SL に接続され、該シリンダ室SL への送油室13,13…を構成している。
【0047】
図2は、バルブボディー1とバルブスプール2との嵌合周上に並ぶ各室を直線展開して示す動作説明図である。前述した構成により、図の中央に示す給油室10の両側には、送油室12又は送油室13を経て排油室11に至る油路が夫々形成され、給油室10と送油室12,13とは広幅の絞り部6a,6aを介して連通し、また、送油室12,13と排油室11,11とは狭幅の絞り部6b,6bを介して連通する。
【0048】
図2(a)は、バルブボディー1とバルブスプール2との間に相対角変位が生じていない状態(中立状態)を示している。このとき、給油室10の両側の絞り部6a,6aは、相互に等しい絞り面積を有し、これらの絞り部6a,6aを介して連通する送油室12,13の他側の絞り部6b,6bもまた、相互に等しい絞り面積を有している。従って、油圧ポンプPから給油室10に供給される作動油は、両側の油路に均等に配分され、送油室12又は13を経て排油室11に達し、これら夫々に開口する排油孔を経てバルブスプール2内側の中空部に流れ込み、該中空部内にて合流して油タンクTに還流する。
【0049】
このとき、前記送油室12,13間、及びこれら夫々に接続されたパワーシリンダSの両シリンダ室SR ,SL 間に圧力差は発生せず、該パワーシリンダSはなんらの力も発生しない。またこのとき、前記油路の中途に介在する絞り部6a,6bは大なる絞り面積を保っており、油圧ポンプPと油タンクTとの間に大なる通流抵抗を有する部分が存在しないことから、前記油圧ポンプPの駆動負荷は小さく保たれる。
【0050】
これに対し、図示しない舵輪に操舵トルクが加えられた場合、バルブボディー1とバルブスプール2との間にトーションバー3の捩れを伴って相対角変位が生じ、給油室10と送油室12,13との間の絞り部6a,6a、及び送油室12,13と排油室11との間の絞り部6b,6bの絞り面積が変化する。
【0051】
この変化は、送油室12,13の両側において互いに逆向きに生じる。例えば、バルブボディー1に対するバルブスプール2の相対回転が図1における時計回りに生じた場合、バルブスプール2は、図2(b)中に白抜矢符にて示す向きに相対移動し、一方の送油室12の両側においては、給油室10側の絞り部6aの絞り面積が増大し、排油室11側の絞り部6bの絞り面積が減少するのに対し、他方の送油室13の両側においては、逆に、給油室10側の絞り部6aの絞り面積が減少し、排油室11側の絞り部6bの絞り面積が増大する。
【0052】
従って、給油室10に供給された作動油の大部分は、絞り面積を増した絞り部6aを経て送油室12に導入されて、該送油室12に連通するシリンダ室SR に送給されることとなり、送油室12への導入油の一部は、他側において絞り面積を減じた絞り部6bを経て排油室11に流出する。また、給油室10への供給油の一部は、絞り面積を減じた絞り部6aを経て送油室13に流出し、この流出油は、送油室13の他側において絞り面積を増した絞り部6bを経て排油室11に導入される。
【0053】
以上の如き動作状態においては、送油室12の内圧は給油室10と略等圧に保たれるのに対し、送油室13の内圧は、給油室10との間にて絞り面積を減じた絞り部6aの通流に伴う減圧分だけ低下することになり、送油室12,13間、及びこれら夫々に連通されたシリンダ室SR ,SL 間に圧力差が生じ、パワーシリンダSは、シリンダ室SR からSL に向かう油圧力(操舵補助力)を発生する。パワーシリンダSのこの動作に伴って、シリンダ室SL 内の封入油は押し出され、この押出し油は、該シリンダ室SL に接続された送油室13に還流し、前記給油室10からの流入油と合流して、送油室13の他側において絞り面積を増した絞り部6bを経て排油室11に導入され、バルブスプール2の中空部を経て油タンクTに排出される。
【0054】
以上の動作によりパワーシリンダSが発生する操舵補助力は、給油室10と送油室13との間の絞り部6a、及び排油室11と送油室12との間の絞り部6bにおける絞り面積の減少程度に依存する。この絞り面積の減少は、バルブボディー1とバルブスプール2との間の相対角変位に応じて生じ、この相対角変位は、バルブボディー1とバルブスプール2とを連結するトーションバー3に捩れを生ぜしめるべく舵輪に加わられた操舵トルクの大きさに対応する。
【0055】
一方、バルブボディー1に対するバルブスプール2の相対回転が図1における反時計回りに生じた場合、給油室10の両側の絞り部6a,6aと、排油室11の両側の絞り部6b,6bとに前述の場合と逆の面積変化が生じ、パワーシリンダSは、シリンダ室SL からSR に向かう操舵補助力を発生し、この大きさもまた舵輪に加わる操舵トルクの大きさに対応する。このようにして、舵輪に加わる操舵トルクの方向及び大きさに応じた操舵補助力が得られる。
【0056】
絞り部6a又は絞り部6bを臨むバルブスプール2側の角部には、チャンファ7,7…が形成してある。これらのチャンファ7,7…は、図2に示す如く、バルブスプール2側の油溝5の側面と油溝5,5間のランドの周面とが交叉する角部を、ランドの周面に対して所定の傾斜角度を有して斜めに切欠き、周方向に所定の幅を有して形成されており、バルブボディー1とバルブスプール2との相対角変位に対し、各絞り部6の絞り面積を緩やかに変化せしめるべく設けてあり、動力舵取装置における操舵補助力の望ましい増加特性、即ち、舵輪に加わる操舵トルクが小さい範囲においては操舵補助力が漸増し、操舵トルクが所定値を超えると共に急増する特性を実現する作用をなす。
【0057】
さて、図2(b)に示す動作状態において、給油室10に供給される作動油は、該給油室10の一側において絞り面積を減じた絞り部6aを経て一方の送油室13に流出し、また、他方の送油室12の他側にて絞り面積を減じた絞り部6bを経て排油室11に流出することになり、前述した如く、これらの流れにおいてキャビテーションが発生し、耳障りな流動音を伴う。
【0058】
図1及び図2に示す油圧制御弁は、バルブボディー1側の油溝4,4…を送油室12,13とし、またバルブスプール2側の油溝5,5…を給油室10及び排油室11とする一方、絞り部6a又は絞り部6bを臨むバルブスプール2側の角部にチャンファ7,7…を備えた構成となっており、この構成におけるキャビテーションの発生挙動は、前記図14に示す如くであり、油圧源たる油圧ポンプPに連なる給油室10の両側の絞り部6a,6a…での流れが、排油先たる油タンクTに連なる排油室11の両側の絞り部6b,6bでの流れよりもキャビテーションの発生に対して有利である。
【0059】
そして、図1及び図2に示す油圧制御弁においては、バルブスプール2側の各油溝5,5…間のランドが前述した如くオフセット配置され、給油室10の両側の絞り部6a,6aが排油室11の両側の絞り部6b,6bよりも大なる絞り面積を有するようになしてあり、この大小関係は、図2(b)に示す動作状態においても維持され、給油室10と送油室13との間の絞り部6aは、送油室12と排油室11との間の絞り部6bよりも大なる絞り面積を有する。従って、給油室10から排油室11への作動油の流れは、キャビテーションに対して好条件となる給油室10と送油室13との間の絞り部6aに集中することになり、キャビテーションの発生が有効に抑制され、該キャビテーションに伴う流動音を大幅に低減することができる。
【0060】
図3及び図4は、本発明の第2発明に係る油圧制御弁の動作説明図であり、図2におけると同様に、バルブボディー1とバルブスプール2との嵌合周上に並ぶ各室を直線展開して示してある。
【0061】
これらの図に示す油圧制御弁は、バルブボディー1側の油溝4,4…を送油室12,13とし、またバルブスプール2側の油溝5,5…を給油室10及び排油室11とする一方、絞り部6a及び絞り部6bの絞り面積調整用のチャンファ7,7…をバルブボディー1側の角部に備えた構成となっており、各絞り部6a,6bでの流れの形態は、前記図15に示す絞り部の状態を天地を逆として見た場合に対応し、キャビテーションの発生挙動は、図15に示す結果に相当するものとなり、排油先たる油タンクTに連なる排油室11の両側の絞り部6b,6bでの流れが、油圧源たる油圧ポンプPに連なる給油室10の両側の絞り部6a,6a…での流れよりもキャビテーションの発生に対して有利である。
【0062】
図3においては、バルブボディー1側の油溝4,4…が周方向にオフセット配置され、また図4においては、バルブスプール2側の各油溝5,5…間のランドが周方向にオフセット配置されており、いずれにおいても、排油室11の両側の絞り部6b,6bが給油室10の両側の絞り部6a,6aよりも大なる絞り面積を有するようになしてある。
【0063】
この大小関係は、図3(b)及び図4(b)に示す如く、バルブボディー1とバルブスプール2との間に相対角変位が生じた動作状態においても維持され、送油室12と排油室11との間の絞り部6bは、給油室10と送油室13との間の絞り部6aよりも大なる絞り面積を有する。従って、この動作状態において給油室10から排油室11への油流は、キャビテーションに対して好条件となる送油室12と排油室11との間の絞り部6bに集中することになり、キャビテーションの発生が有効に抑制され、該キャビテーションに伴う流動音を低減することができる。
【0064】
なお、図4におけるランドのオフセットは、図2におけるそれと逆方向になされており、オフセット方向のこの相違は、バルブボディー1とバルブスプール2とのいずれの側に前記チャンファ7,7…が形成されているかにより生じるものである。従って、チャンファ7,7…をバルブスプール2側に備える第1発明に係る油圧制御弁においても、図3におけると逆方向にバルブボディー1側の油溝4,4…をオフセットすることにより、バルブスプール2側のランドを前述の如くオフセットした図2の場合と同等の効果が得られるが、このような油溝4,4…のオフセットにより流動音の低減を図った構成は、本願出願人により先に提案されており(特願平6-323144号及びその国内優先出願である特願平7-176464号)、本発明の範囲には含まれない。
【0065】
図5及び図6は、本発明の第3発明に係る油圧制御弁の動作説明図であり、前記図2ないし図4と同様に、バルブボディー1とバルブスプール2との嵌合周上に並ぶ各室を直線展開して示してある。
【0066】
これらの図に示す油圧制御弁は、図1〜図4に示す油圧制御弁とは異なり、バルブボディー1側の油溝4,4…を給油室10及び排油室11とし、またバルブスプール2側の油溝5,5…を送油室12,13とした構成となっており、絞り面積調整用のチャンファ7,7…は、バルブスプール2側の角部に形成されている。この構成におけるキャビテーションの発生挙動は、前記図15に示す如くであり、排油室11の両側の絞り部6b,6bでの流れが、給油室10の両側の絞り部6a,6a…での流れよりもキャビテーションの発生に対して有利となる。
【0067】
図5においては、バルブボディー1側の各油溝4,4…間のランドが周方向にオフセット配置され、また図6においては、バルブスプール2側の油溝5,5…が周方向にオフセット配置されており、いずれにおいても、排油室11の両側の絞り部6b,6bが給油室10の両側の絞り部6a,6aよりも大なる絞り面積を有するようになしてある。
【0068】
この大小関係は、図5(b)及び図6(b)に示す如く、バルブボディー1とバルブスプール2との間に相対角変位が生じた動作状態においても維持され、送油室12と排油室11との間の絞り部6bは、給油室10と送油室13との間の絞り部6aよりも大なる絞り面積を有する。従って、この動作状態において給油室10から排油室11への油流は、キャビテーションに対して好条件となる送油室12と排油室11との間の絞り部6bに集中することになり、キャビテーションの発生が有効に抑制され、該キャビテーションに伴う流動音を低減することができる。
【0069】
図7及び図8は、本発明の第4発明に係る油圧制御弁の動作説明図であり、前記図2ないし図6と同様に、バルブボディー1とバルブスプール2との嵌合周上に並ぶ各室を直線展開して示してある。
【0070】
これらの図に示す油圧制御弁は、図5及び図6に示す油圧制御弁と同様、バルブボディー1側の油溝4,4…を給油室10及び排油室11とし、またバルブスプール2側の油溝5,5…を送油室12,13とした構成となっており、絞り面積調整用のチャンファ7,7…は、図5及び図6とは異なり、各絞り部6a,6bを臨むバルブボディー1側の角部に形成されている。この構成における各絞り部6a,6bでの流れの形態は、前記図14に示す絞り部の状態を天地を逆として見た場合に対応し、キャビテーションの発生挙動は、図14に示す結果に相当するものとなり、給油室10の両側の絞り部6a,6a…での流れが、排油室11の両側の絞り部6b,6bでの流れよりもキャビテーションの発生に対して有利となる。
【0071】
図7においては、バルブボディー1側の各油溝4,4…間のランドが周方向にオフセット配置され、また図8においては、バルブスプール2側の油溝5,5…が周方向にオフセット配置されており、いずれにおいても、給油室10の両側の絞り部6a,6aが排油室11の両側の絞り部6b,6bよりも大なる絞り面積を有するようになしてある。即ち、これらにおけるランド又は油溝のオフセットは、図5及び図6における夫々のオフセットと逆方向になされている。
【0072】
以上のオフセット配置により得られた絞り部6a,6bの大小関係は、図7(b)及び図8(b)に示す如く、バルブボディー1とバルブスプール2との間に相対角変位が生じた動作状態においても維持され、給油室10と送油室13との間の絞り部6aは、送油室12と排油室11との間の絞り部6bよりも大なる絞り面積を有する。従って、この動作状態において給油室10から排油室11への油流は、キャビテーションに対して好条件となる給油室10と送油室13との間の絞り部6aに集中することになり、キャビテーションの発生が有効に抑制され、該キャビテーションに伴う流動音を低減することができる。
【0073】
以上の如く本発明に係る油圧制御弁は、バルブボディー1側の油溝4,4…若しくは各油溝4,4…間のランド、又はバルブスプール2側の油溝5,5…若しくは各油溝5,5…間のランドのオフセット配置により、給油室10,10…の両側の絞り部6a,6a…の絞り面積と排油室11,11…の両側の絞り部6b,6b…の絞り面積との間に差異を生ぜしめ、流動音の低減効果を得ようとしたものであり、チャンファ7,7…の寸法調整を必要とする従来の油圧制御弁に比較した場合、加工の困難さが大幅に改善される。
【0074】
ところが、実際に必要となるオフセット量は、バルブボディー1の中心角に直して数分〜十数分程度のわずかな量であり、バルブボディー1又はバルブスプール2の加工時における芯出し誤差の影響を受ける。従って、バルブボディー1とバルブスプール2との嵌合部の全周に亘って見た場合、給油室10,10…の両側の絞り部6a,6a…の一部が、排油室11,11…の両側の絞り部6b,6b…の一部よりも小さい面積となる場合があり得る。逆に、バルブボディー1側の油溝4,4…とランド、及びバルブスプール2側の油溝5,5…とランドが等配をなして形成されている油圧制御弁においては、前述した芯出し誤差の影響により、意識的なオフセット配置がなされているかの如くなり、給油室10,10…の両側の絞り部6,6…の一部が排油室11,11…の両側の絞り部6,6…の一部よりも大きい面積となる場合があり得る。
【0075】
本発明に係る油圧制御弁は、以上の如き芯出し誤差の影響が生じている場合においても、従来の油圧制御弁との差別化が可能である。図9は、両者の相違点の説明図である。これらの図は、横軸に展開されたバルブボディー1とバルブスプール2との嵌合周上に並ぶ絞り部の絞り面積を図示するものであり、図中の○印は、オフセット配置がなされていない従来の油圧制御弁における絞り面積を、△印及び□印は、本発明に係る油圧制御弁の絞り面積を夫々示している。
【0076】
図9(a)は、芯出し誤差が存在しない理想的なバルブの場合を示しており、このとき、従来の油圧制御弁においては、前記嵌合周上に並ぶ絞り部が等しい絞り面積を有するのに対し、本発明に係る油圧制御弁においては、大きい絞り面積を有する絞り部(△印)と、同じく小さい絞り面積を有する絞り部(□印)とが交互に並ぶことになる。
【0077】
図9(b)及び(c)は、芯出し誤差が存在する場合を示している。芯出し誤差が存在する場合、バルブスプール2と嵌合するバルブボディー1の内周は、図中に破線にて示す如く、各一か所の小径部及び大径部を有する周期的な変化を示し、従来の油圧制御弁における絞り面積は、内径の変化線に沿って大小に変化する分布を示す。
【0078】
一方本発明の油圧制御弁における絞り面積は、図9(a)におけると同様に、オフセット配置がなされていない場合の絞り面積を大小両側に交互に偏倚させた分布となり、図9(c)に示す如く芯出し誤差が大きい場合には、△印にて示す絞り部の一部が、□印にて示す絞り部の一部よりも小さい絞り面積を有することがあるが、この場合においても、相隣する絞り部間の絞り面積に着目すると、交互に大小となる大小関係が嵌合周の全周に亘って周期的に現出しており、従来の油圧制御弁における絞り面積の分布とは明らかに異なる。このように本発明に係る油圧制御弁は、相隣する絞り部の絞り面積が交互に大小となる分布を示し、オフセット配置がなされていない構成において芯出し誤差の影響により現出する絞り面積の大小関係との区別が可能となる。
【0079】
なお以上の実施の形態においては、動力舵取装置のパワーシリンダへの送給油圧を制御する油圧制御弁としての使用例について述べたが、本発明の適用範囲はこれに限るものではなく、各種の油圧回路において油圧制御のために用いられる回転式の油圧制御弁全般への適用が可能である。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述した如く本発明に係る油圧制御弁においては、バルブボディーとバルブスプールとの嵌合周上に並ぶ複数の油溝により、油圧源に連なる給油室、排油先に連なる排油室、及びこれらの間にて送油先に連なる送油室を形成し、バルブボディー側又はバルブスプール側の油溝若しくは各油溝間のランドをオフセット配置し、給油室の両側の絞り部と排油室の両側の絞り部との間に絞り面積の差異を生ぜしめ、給油室から排油室に向かう作動油の流れがキャビテーションの発生に対して有利な絞り部に集中するようにしたから、煩雑な加工を要することなくキャビテーションの発生に伴う流動音を大幅に低減することができる等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1発明に係る油圧制御弁の模式的横断面図である。
【図2】第1発明に係る油圧制御弁の動作説明図である。
【図3】第2発明に係る油圧制御弁の動作説明図である。
【図4】第2発明に係る油圧制御弁の動作説明図である。
【図5】第3発明に係る油圧制御弁の動作説明図である。
【図6】第3発明に係る油圧制御弁の動作説明図である。
【図7】第4発明に係る油圧制御弁の動作説明図である。
【図8】第4発明に係る油圧制御弁の動作説明図である。
【図9】本発明に係る油圧制御弁と従来の油圧制御弁とにおける絞り面積の分布状態の説明図である。
【図10】従来の一般的な油圧制御弁の動作説明図である。
【図11】流動音の低減を図った従来の油圧制御弁の動作説明図である。
【図12】流動音の低減を図った従来の油圧制御弁の動作説明図である。
【図13】流動音の低減を図った従来の油圧制御弁の動作説明図である。
【図14】キャビテーションの発生挙動を調べた実験の結果を示す図表である。
【図15】キャビテーションの発生挙動を調べた実験の結果を示す図表である。
【符号の説明】
1 バルブボディー
2 バルブスプール
4 油溝
5 油溝
6a 絞り部
6b 絞り部
7 チャンファ
10 給油室
11 排油室
12 送油室
13 送油室
P 油圧ポンプ
S パワーシリンダ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a rotary hydraulic control valve that performs a hydraulic control operation by a relative angular displacement on the same axis between a valve body and a valve spool, and in particular, a power cylinder for steering assistance in a hydraulic power steering apparatus. The present invention relates to a hydraulic control valve used to control the hydraulic pressure supplied to the vehicle according to the steering wheel operation.
[0002]
[Prior art]
The hydraulic power steering device assists steering by the hydraulic pressure generated by a double-acting hydraulic cylinder (power cylinder) arranged in the steering mechanism, reducing the labor burden required to operate the steering wheel (steering wheel) In order to obtain a comfortable steering sensation, both cylinder chambers (oil feed destination) of the power cylinder, a hydraulic pump (hydraulic power source) driven by the engine, and an oil tank that stores hydraulic oil are stored. A hydraulic control valve that performs hydraulic pressure supply / discharge control in accordance with the direction and magnitude of the steering torque applied to the steered wheels is interposed between the oil discharge destination and the oil discharge destination.
[0003]
As the hydraulic control valve, a rotary hydraulic control valve that directly uses the rotation of the steering wheel is generally used. This is because the input shaft connected to the steering wheel and the output shaft connected to the steering mechanism are connected coaxially via a torsion bar, and the other connection is made inside the cylindrical valve body engaged with one connection end. A valve spool formed integrally with the end is fitted so as to be relatively rotatable on the same axis, and when a steering torque is applied to the steering wheel, the valve body and the valve spool are twisted together with the twist of the torsion bar. It has a configuration that causes relative angular displacement.
[0004]
On the fitting circumference of the valve body and the valve spool (the inner circumference of the former and the outer circumference of the latter), a plurality of oil grooves extending in the axial length direction are juxtaposed in the circumferential direction. The oil grooves are arranged in a zigzag manner in the circumferential direction, and are positioned so that the adjacent ones on both sides communicate with each other, and each of these oil grooves is connected to the hydraulic source and the oil discharge destination, respectively. A pair of oil supply chambers, which are located between the oil supply chamber and the oil discharge chamber, and the oil discharge chambers on both sides of the oil supply chamber, respectively, are connected to both cylinder chambers of the power cylinder that is the oil supply destination. Yes.
[0005]
FIG. 10 is an explanatory view of the operation of this type of hydraulic control valve. In this figure, the fitting part of the
[0006]
The
[0007]
FIG. 10A shows a state where no relative angular displacement occurs between the
[0008]
FIG. 10B shows a state in which a steering torque is applied to the steered wheel, and a relative angular displacement is generated between the
[0009]
The pressure difference generated at this time depends on the degree of reduction of the throttle area at the
[0010]
A chamfered portion (chamfer 7) having a predetermined width in the circumferential direction is formed at a corner on the
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
Now, in the hydraulic control valve that performs the operation as described above, particularly when the relative angular displacement between the
[0012]
As described above, the increase / decrease of the throttle area of the
[0013]
At this time, the flow of the hydraulic oil causing the flow noise is caused by the
[0016]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 6-206555 , Product It is said that the flow noise caused by the cavitation of fluid oil is more prominently generated in the
[0017]
A hydraulic control valve having the same configuration is also disclosed in Japanese Patent Laid-Open No. 6-156292. However, this hydraulic control valve is disclosed in JP-A-6-206555. In the news On the contrary, the
[0018]
On the other hand, Japanese Patent Laid-Open No. 60-203580 and US Pat. No. 3022772 disclose a configuration opposite to the hydraulic control valve shown in FIGS. 10, 11 and 12, that is,
[0019]
According to this configuration, as shown in FIG. 13B, when the relative angular displacement of the
[0020]
This hydraulic control valve ,in front Focusing on the flow form as disclosed in JP-A-6-206555 and JP-A-6-156292, the same as JP-A-6-156292, that is, JP-A-6-206555 News and Would give the opposite flow form.
[0021]
As described above, the conventional proposal for reducing the flow noise by paying attention to the difference in cavitation generation behavior on both sides of the
[0022]
14 and 15 are diagrams showing the results of this experiment. In FIG. 14, as shown in FIGS. 10, 11 and 12, an
[0023]
In FIG. 14, the result when the throttle area on the
[0024]
Also in visual observation, in the case of (a), the throttle area of the throttle part is sufficiently small, and the occurrence of cavitation is not observed until the upstream hydraulic pressure becomes high, whereas in the case of (b), the throttle part. Occurrence of cavitation was observed at a relatively large stage of the aperture area. Accordingly, in the configuration shown in FIG. 14, that is, in the configuration in which the
[0025]
On the other hand, in FIG. 15, contrary to FIG. 14, the result when the throttle area on the
[0026]
Comparison of the conventional hydraulic control valve that reduces flow noise with the results of this experiment , Special The hydraulic control valve disclosed in Kaihei 6-206555 corresponds to the above experimental results, whereas it is disclosed in JP-A-60-203580, US Pat. No. 3022772, and JP-A-6-156292. The hydraulic control valve is contrary to the experimental result and is harmful to the reduction of the flow noise.
[0027]
Further, the
[0028]
As described above, the proposals conventionally made for reducing the flow noise have their own configurations, specifically, fitting of the hydraulic source, the oil discharge destination and the oil supply destination, and the
[0029]
In addition, the conventional proposal is to change the dimensions (width, inclination angle) of the
[0030]
The present invention has been made in view of such circumstances, and a hydraulic control valve capable of effectively suppressing cavitation in the throttle portion arranged on the fitting periphery of the valve body and the valve spool and capable of greatly reducing the flow noise is provided. It is an object of the present invention to provide an image without any difficulty in processing regardless of the configuration.
[0031]
[Means for Solving the Problems]
The hydraulic control valve according to the first aspect of the present invention is configured such that a valve spool is fitted on the inner side of a cylindrical valve body so as to be capable of relative angular displacement on the same axis, and each of a plurality of them arranged in parallel on the fitting circumference of both. The oil grooves on the valve spool side are alternately communicated with the hydraulic pressure source and the oil discharge destination, while the oil grooves on the valve body side between them are alternately communicated with different oil supply destinations. A throttle part that changes the throttle area according to the relative angular displacement is formed between the oil grooves adjacent to each other in the circumferential direction, and a chamfer for adjusting the throttle area is formed at the corner on the valve spool side facing each throttle part. In the hydraulic control valve having a portion, the throttle portions on the valve spool side are arranged such that the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the hydraulic power source have a throttle area larger than the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the oil discharge destination. The land between each oil groove is offset in the circumferential direction. And wherein the door.
[0032]
The present invention is directed to a configuration in which an oil groove on the valve spool side is used as an oil supply chamber and an oil discharge chamber, and a chamfered portion (chamfer) for adjusting a throttle area in each throttle portion is provided on the valve spool side. Was placed offset in the circumferential direction so that the throttle parts on both sides of the oil supply chamber had a larger throttle area than the throttle parts on both sides of the oil discharge chamber, resulting in relative angular displacement between the valve body and the valve spool. At this time, the flow of hydraulic oil is concentrated on the throttle portions on both sides of the oil supply chamber, which is advantageous for cavitation from the experimental results shown in FIG.
[0033]
The hydraulic control valve according to the second aspect of the present invention is configured such that a valve spool is fitted on the inner side of a cylindrical valve body so as to be capable of relative angular displacement on the same axis, and each of the plurality is arranged in parallel on both fitting circumferences. The oil grooves on the valve spool side are alternately communicated with the hydraulic pressure source and the oil discharge destination, while the oil grooves on the valve body side between them are alternately communicated with different oil supply destinations. A throttle part that changes the throttle area according to the relative angular displacement is formed between the oil grooves adjacent to each other in the circumferential direction, and a chamfer for adjusting the throttle area is formed at the corner of the valve body facing each throttle part. In the hydraulic control valve having a portion, the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the oil drain destination have a throttle area larger than the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the hydraulic power source. Oil groove or land between each oil groove on the valve spool side In the circumferential direction characterized by being arranged offset.
[0034]
The present invention is directed to a configuration in which an oil groove on the valve spool side is used as an oil supply chamber and an oil discharge chamber, and a chamfer for each throttle portion is provided on the valve body side, and an oil groove on the valve body side or an offset of a land on the valve spool side FIG. 15 shows the arrangement in which the throttle portions on both sides of the oil discharge chamber have a larger throttle area than the throttle portions on both sides of the oil supply chamber, and relative angular displacement between the valve body and the valve spool occurs. From the experimental results, the flow of hydraulic oil is concentrated on the throttle parts on both sides of the oil discharge chamber, which is advantageous for cavitation, and the flow noise is reduced.
[0035]
A hydraulic control valve according to a third aspect of the present invention is configured such that a valve spool is fitted on the inner side of a cylindrical valve body so as to be capable of relative angular displacement on the same axis, and each of a plurality of them arranged in parallel on the fitting circumference of both. The oil grooves on the valve body side are alternately connected to the hydraulic pressure source and the oil discharge destination, while the oil grooves on the valve spool side between these are alternately connected to different oil supply destinations. A throttle part that changes the throttle area according to the relative angular displacement is formed between the oil grooves adjacent to each other in the circumferential direction, and a chamfer for adjusting the throttle area is formed at the corner on the valve spool side facing each throttle part. In the hydraulic control valve having a portion, the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the oil drain destination have a throttle area larger than the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the hydraulic power source. Land between each oil groove, or oil groove on the valve spool side In the circumferential direction characterized by being arranged offset.
[0036]
The present invention is directed to a configuration in which an oil groove on the valve body side is used as an oil supply chamber and an oil discharge chamber, and a chamfer of each throttle portion is provided on the valve spool side, and an offset of a land on the valve body side or an oil groove on the valve spool side FIG. 15 shows the arrangement in which the throttle portions on both sides of the oil discharge chamber have a larger throttle area than the throttle portions on both sides of the oil supply chamber, and relative angular displacement between the valve body and the valve spool occurs. From the experimental results, the flow of hydraulic oil is concentrated on the throttle parts on both sides of the oil discharge chamber, which is advantageous for cavitation, and the flow noise is reduced.
[0037]
A hydraulic control valve according to a fourth aspect of the present invention is configured such that a valve spool is fitted on the inner side of a cylindrical valve body so as to be capable of relative angular displacement on the same axis, and a plurality of valves are arranged in parallel on the fitting circumference of both. The oil grooves on the valve body side are alternately connected to the hydraulic pressure source and the oil discharge destination, while the oil grooves on the valve spool side between these are alternately connected to different oil supply destinations. A throttle part that changes the throttle area according to the relative angular displacement is formed between the oil grooves adjacent to each other in the circumferential direction, and a chamfer for adjusting the throttle area is formed at the corner of the valve body facing each throttle part. In the hydraulic control valve provided with a portion, the throttle body on the valve body side is arranged such that the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the hydraulic power source have a throttle area larger than the throttle portions on both sides of the oil groove connected to the oil discharge destination. Land between each oil groove, or oil groove on the valve spool side In the circumferential direction characterized by being arranged offset.
[0038]
The present invention is directed to a configuration in which an oil groove on the valve body side is used as an oil supply chamber and an oil discharge chamber, and a chamfer for each throttle portion is provided on the valve body side, and an offset of an oil groove on the valve body side or an oil groove on the valve spool side FIG. 14 shows the arrangement in which the throttle portions on both sides of the oil supply chamber have a larger throttle area than the throttle portions on both sides of the oil discharge chamber, resulting in relative angular displacement between the valve body and the valve spool. From the experimental results, the flow of hydraulic oil is concentrated on the throttle portions on both sides of the oil supply chamber, which is advantageous for cavitation, and the flow noise is reduced.
[0039]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail with reference to the drawings illustrating embodiments thereof. FIG. 1 is a cross-sectional view of a hydraulic control valve according to a first aspect of the present invention, shown together with a hydraulic circuit of a power steering apparatus.
[0040]
In the figure, 1 is a valve body and 2 is a valve spool. Eight
[0041]
The eight
[0042]
The hydraulic control valve according to the first aspect of the present invention uses the
[0043]
With the above configuration, each of the
[0044]
The
[0045]
In this way, among the eight oil chambers formed on the outer side of the
[0046]
On the other hand, the eight oil chambers formed inside the
[0047]
FIG. 2 is an operation explanatory view showing the chambers lined up on the fitting circumference of the
[0048]
FIG. 2A shows a state (neutral state) in which no relative angular displacement occurs between the
[0049]
At this time, both cylinder chambers S of the power cylinder S connected between the
[0050]
On the other hand, when a steering torque is applied to a steered wheel (not shown), a relative angular displacement is generated between the
[0051]
This change occurs in opposite directions on both sides of the
[0052]
Accordingly, most of the hydraulic oil supplied to the
[0053]
In the operation state as described above, the internal pressure of the
[0054]
The steering assist force generated by the power cylinder S as a result of the above operation is restricted by the
[0055]
On the other hand, when the relative rotation of the
[0056]
[0057]
In the operating state shown in FIG. 2B, the hydraulic oil supplied to the
[0058]
The hydraulic control valve shown in FIGS. 1 and 2 has
[0059]
In the hydraulic control valve shown in FIGS. 1 and 2, the lands between the
[0060]
3 and 4 are explanatory views of the operation of the hydraulic control valve according to the second aspect of the present invention. As in FIG. 2, the chambers arranged on the fitting periphery of the
[0061]
In the hydraulic control valves shown in these drawings, the
[0062]
3, the
[0063]
This magnitude relationship is maintained even in an operating state in which a relative angular displacement has occurred between the
[0064]
The land offset in FIG. 4 is in the opposite direction to that in FIG. 2, and this difference in the offset direction is that the
[0065]
5 and 6 are explanatory views of the operation of the hydraulic control valve according to the third aspect of the present invention, and are arranged on the fitting circumference of the
[0066]
Unlike the hydraulic control valves shown in FIGS. 1 to 4, the hydraulic control valves shown in these drawings are provided with
[0067]
5, the lands between the
[0068]
This magnitude relationship is maintained even in an operating state in which a relative angular displacement has occurred between the
[0069]
7 and 8 are explanatory views of the operation of the hydraulic control valve according to the fourth aspect of the present invention, and are arranged on the fitting periphery of the
[0070]
The hydraulic control valve shown in these drawings is similar to the hydraulic control valve shown in FIGS. 5 and 6, the
[0071]
In FIG. 7, the land between the
[0072]
As shown in FIGS. 7 (b) and 8 (b), a relative angular displacement occurs between the
[0073]
As described above, the hydraulic control valve according to the present invention includes the
[0074]
However, the amount of offset actually required is a slight amount of several minutes to tens of minutes or more, which is corrected by the central angle of the
[0075]
The hydraulic control valve according to the present invention can be differentiated from the conventional hydraulic control valve even when the influence of the centering error as described above occurs. FIG. 9 is an explanatory diagram of the difference between the two. These drawings illustrate the throttle areas of the throttle portions arranged on the fitting circumference of the
[0076]
FIG. 9A shows an ideal valve having no centering error. At this time, in the conventional hydraulic control valve, the throttle portions arranged on the fitting circumference have the same throttle area. On the other hand, in the hydraulic control valve according to the present invention, throttle portions (Δ mark) having a large throttle area and throttle portions (□ symbol) having a small throttle area are alternately arranged.
[0077]
FIGS. 9B and 9C show a case where a centering error exists. When there is a centering error, the inner circumference of the
[0078]
On the other hand, the throttle area in the hydraulic control valve of the present invention has a distribution in which the throttle area in the case where the offset arrangement is not arranged is biased alternately on both sides, as in FIG. 9A. As shown in the figure, when the centering error is large, a part of the diaphragm part indicated by △ may have a smaller diaphragm area than a part of the diaphragm part indicated by □. Paying attention to the throttle area between adjacent throttle parts, the magnitude relationship that alternately becomes larger and smaller appears periodically over the entire circumference of the fitting circumference, and the distribution of the throttle area in the conventional hydraulic control valve is Obviously different. As described above, the hydraulic control valve according to the present invention shows a distribution in which the throttle areas of adjacent throttle portions alternately increase and decrease, and the throttle area that appears due to the influence of the centering error in the configuration in which the offset arrangement is not made. It is possible to distinguish between large and small relationships.
[0079]
In the above embodiment, the example of use as a hydraulic control valve for controlling the hydraulic pressure supplied to the power cylinder of the power steering apparatus has been described, but the scope of application of the present invention is not limited to this, The present invention can be applied to all types of rotary hydraulic control valves used for hydraulic control in hydraulic circuits.
[0080]
【The invention's effect】
As described in detail above, in the hydraulic control valve according to the present invention, a plurality of oil grooves arranged on the fitting circumference of the valve body and the valve spool, an oil supply chamber connected to the hydraulic source, an oil discharge chamber connected to the oil discharge destination, In addition, an oil feed chamber connected to the oil feed destination is formed between them, the oil groove on the valve body side or the valve spool side or the land between each oil groove is arranged offset, and the throttle part and the oil drainage on both sides of the oil supply chamber Since there is a difference in throttle area between the throttle parts on both sides of the chamber, the flow of hydraulic oil from the oil supply chamber to the oil discharge chamber is concentrated in the throttle part that is advantageous for the occurrence of cavitation. The present invention has an excellent effect, for example, it is possible to greatly reduce the flow noise caused by the occurrence of cavitation without requiring special processing.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic cross-sectional view of a hydraulic control valve according to a first invention of the present invention.
FIG. 2 is an operation explanatory view of a hydraulic control valve according to the first invention.
FIG. 3 is an operation explanatory view of a hydraulic control valve according to a second invention.
FIG. 4 is an operation explanatory diagram of a hydraulic control valve according to a second invention.
FIG. 5 is an operation explanatory view of a hydraulic control valve according to a third invention.
FIG. 6 is an operation explanatory view of a hydraulic control valve according to a third invention.
FIG. 7 is an operation explanatory view of a hydraulic control valve according to a fourth invention.
FIG. 8 is an operation explanatory view of a hydraulic control valve according to a fourth invention.
FIG. 9 is an explanatory diagram of a distribution state of throttle areas in a hydraulic control valve according to the present invention and a conventional hydraulic control valve.
FIG. 10 is an operation explanatory diagram of a conventional general hydraulic control valve.
FIG. 11 is an operation explanatory diagram of a conventional hydraulic control valve for reducing flow noise.
FIG. 12 is an operation explanatory diagram of a conventional hydraulic control valve for reducing flow noise.
FIG. 13 is an operation explanatory diagram of a conventional hydraulic control valve that aims to reduce flow noise.
FIG. 14 is a chart showing the results of an experiment examining the occurrence behavior of cavitation.
FIG. 15 is a chart showing the results of an experiment examining the occurrence behavior of cavitation.
[Explanation of symbols]
1 Valve body
2 Valve spool
4 Oil groove
5 Oil groove
6a Aperture
6b Aperture
7 Chanfa
10 Refueling chamber
11 Oil discharge chamber
12 Oil transfer chamber
13 Oil transfer chamber
P Hydraulic pump
S Power cylinder
Claims (4)
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