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JP3844162B2 - 磁心入りコイル - Google Patents

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JP3844162B2
JP3844162B2 JP35197897A JP35197897A JP3844162B2 JP 3844162 B2 JP3844162 B2 JP 3844162B2 JP 35197897 A JP35197897 A JP 35197897A JP 35197897 A JP35197897 A JP 35197897A JP 3844162 B2 JP3844162 B2 JP 3844162B2
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magnetic
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はEL駆動回路の昇圧回路等のチョーク・コイルや、変圧器等の磁心入りコイルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の磁心入りコイルの例を二、三示すと、図5のものは、フェライト系の粉末磁性体を成形して磁心1の両端にフランジ3を設けた巻き枠を製作し、これに巻き線2を巻いたものである。
図6は、パーマロイ、珪素鋼板等の金属磁性材料板をプレス抜きしたI字形の磁心1に、巻き線2を巻いたものである。
図7はスピンドルモータ用のコイルで、うず電流損を低減するために、磁心1は厚さ0.3〜0.5mm程度の珪素鋼板の磁性板4を複数枚積層して作ったもので、これに巻き線2を施してあり、5は各層の磁性板4を半抜きして設けたピンで、半抜きピン5を上か下に重なっている磁性板4の半抜き穴にはめることで全部の磁性板4を揃えている。
図8は、同様にパーマロイや珪素鋼板の磁性板4を積層した磁心1に巻き線2を巻いた磁心入りコイルであるが、磁心の形状がC字形のものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の磁心入りコイルは、それぞれ次に述べる問題を持っている。すなわちフェライト系の粉末磁性体で磁心1を作る図5のものでは、粉末磁性材料の磁束密度が金属磁性材料より低いため、金属磁性材料の磁心と同程度の磁束を得るには体積を大きくせねばならず、小型化が妨げられる。また、粉末成形の製造コストも金属板をプレス抜きするのに比べて割高である。
【0004】
図6の、金属磁性材料板をプレス抜きして磁心1を作るものは、磁気特性や加工の容易さでは図5の粉末成形品に勝るが、下記のようにうず電流損の面で不利になる。単位時間、単位体積当たりの磁性体のうず電流損Weは次式で表される。
We=σt222
ここに、σは比例定数、tは板厚、fは磁界の周波数、Bは最大磁束密度である。
この式によればうず電流損は板厚が増えると急速に大きくなるから、これを押さえるには板厚を小さくするのが有効である。そこで図7のモータ用コイルでは、表面を絶縁した、1枚の厚さが薄い珪素鋼板の磁性板4を重ねたものを磁心1にしているのであるが、各磁性板4に半抜きピン5を設けて磁性板同士を結合するため板厚を減らすのに限度があって、前記のように0.3〜0.5mm以下にできず、更なる薄型化、小型化、高性能化が困難であった。本発明は磁心入りコイルに関するこれらの問題を解決することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明では、磁心入りコイルにおいて、表面に絶縁処理を施したパーマロイ、珪素鋼板等の金属磁性材料板を折り曲げて重ね合わせ、必要な磁束の得られる厚さにしたものを磁心にする。これは各磁性板が折り曲げ部でつながった一体構造であるから、前記のように別々の板を揃えるために各板に半抜きピンを設けたりする必要がなく、板厚を従来より大幅に薄くして磁心のうず電流損を低減することができる。加工上も順送プレス型により能率よく製作できる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。なお、前記の説明を含め、同種の部品や部分については同じ符号を用いることにする。
図1は本発明の磁心入りコイルの実施形態の一つで、巻き線を一部切り取って示してある。磁心1は先の図6のものと同様に形状が棒状のI字形であるが、図6のような単一片ではなく、表面を絶縁したパーマロイ、珪素鋼板等の磁性体薄板を折り曲げて3層に積層したものであり、これに巻き線2を施してある。磁性材料板の厚さは0.05〜015mm程度で、場合によってはそれ以下にもできる。これは従来の0.3〜0.5mmよりもずっと薄い。
【0007】
磁心1を展開した形状は図2のごとくで、両側に各層の連結部6、7があり、折り曲げ線8と折り曲げ線9では互いに逆方向に折り曲げる。これはI字形を横に並べてつないだ形状であるが、容易に分かるように、I字形磁心の展開形状はこの他にも例えばI字形を縦に積み重ねた形とし、積み重ねの境界を折り曲げ部とすることも可能であり、要は磁心の輪郭の一部に層間の連結部を設けるということである。
【0008】
このような構造の磁心1は、全体の厚さがある程度大きくとも、個々の磁性板4は厚さが薄く互いに絶縁されているから、前掲の式で計算されるうず電流損が小さくなる。通常、磁性材料板は素材の製造工程で表面が酸化されて絶縁層を生じるが、確実を期するためには表面処理して絶縁膜を形成する。
【0009】
図3は本発明の第2の実施形態で、同じく巻き線を一部切り取って示してあり、磁心1は先の図8のものに似て形状がC字形であるが、ここでも磁心1は磁性体の薄板材を折り曲げることにより磁性板4を3層に積層したもので、両端をC字形に湾曲させて巻き線2を施してある。磁心1の展開形状は図4のごとくで、中央部に各層の連結部6、7があり、折り曲げ線8と折り曲げ線9では互いに逆方向に折り曲げる。
【0010】
このようなC字形の磁心の場合、本発明に従って薄板材を曲げ加工して磁心1にしたものでは、前記のうず電流損の低減に加えて次の利点がある。磁心材料が方向性珪素鋼板の場合、磁気特性は方向性があって一様でなく、圧延方向に平行に磁界を加えた場合に比透磁率が最も高くてヒステリシス損が小さくなる。従って、例えば図8の従来のものでは、珪素鋼板を打ち抜いた磁心1のC字形と圧延方向10との関係が図示のようであると、巻き線部および反対側の空隙を含む磁心の部分では磁路が圧延方向10に平行であって具合がよいが、これらと直交して両側をつないでいる部分では、磁路が圧延方向に直角になって好ましくない。改良を図るとしても、C字形の配置を圧延方向に対し45゜傾けて特性を平均化する程度である。
【0011】
しかし本発明の場合は、図4の磁心1の展開形状の長手を珪素鋼板の圧延方向10に向ければ、図3の完成形状においてC型の磁路が全長に亘って圧延方向に沿ったものとなり、最も磁気特性の優れた磁心になる。そして板厚を薄くできることによるうず電流損の減少と上記ヒステリシス損の減少を合わせて鉄損を最小にする磁心が得られるのである。
【0012】
図7のモータ用コイルの場合も、図示は省くが、各磁性板4の外周の一部に隣接層との連結部を設けて連鎖状に展開した形を考えるなら、これを折り畳んで重ねることにより、半抜きピン5を用いることなく全体がつながった積層磁心を得られることが理解されよう。
上記の各実施形態の磁心を製作するのに、磁性材料板から図2、図4のような展開した形状のブランクを打ち抜き、これを曲げ加工して完成形状にすることはもちろん可能であるが、順送プレス型加工を用いれば帯材から直接に完成形状の磁心が得られ、非常に生産性よく製造できる。
【0013】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の磁心入りコイルは金属磁性材料の板材を折り曲げて積層した磁心を備えたものであって、粉末成形のものに比し小型化、薄型化が可能であり、積層構造であるから金属磁性材料の単一片の磁心よりもうず電流損が小さい。プレス抜きした磁性板を積層したものと比べても、磁心に半抜きピン等を設ける必要がないから板厚を従来よりも薄くできて、うず電流損がより小さくなり、さらに、磁路が湾曲しているものの場合、磁路の全長を素材の圧延方向に合わせることが可能で鉄損が減少する。本発明の磁心入りコイルは順送プレス型によって製造するのに適し、これによって小型、高性能の磁心入りコイルを廉価に提供できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による磁心入りコイルの一部を切りとった斜視図である。
【図2】図1の磁心入りコイルの磁心の展開図である。
【図3】本発明による別の磁心入りコイルの一部を切りとった斜視図である。
【図4】図3の磁心入りコイルの磁心の展開図である。
【図5】従来の磁心入りコイルの斜視図である。
【図6】従来の別の磁心入りコイルの斜視図である。
【図7】従来のモータ用コイルの斜視図である。
【図8】従来の別の磁心入りコイルの斜視図である。
【符号の説明】
1 磁心
2 巻き線
4 磁性板
5 半抜きピン
6、7 連結部
8、9 折り曲げ線
10 圧延方向

Claims (1)

  1. 磁心に巻き線を施した磁心入りコイルにおいて、
    磁心は表面が絶縁された金属磁性材料板を折り曲げて積層したもので、輪郭の一部に層間の連結部を設けてあり、両端が湾曲した形状であって、形状のほぼ中央部に前記層間の連結部を設けてあることを特徴とする磁心入りコイル。
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