JP3840464B2 - フッ素樹脂チューブ状物、定着ロール、定着ベルトおよび画像定着装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像定着装置の部材として好適なフッ素樹脂チューブ状物と、該フッ素樹脂チューブ状物を用いた定着ロールおよび定着ベルト、並びにこれらの定着ロールや定着ベルトを有する画像定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真複写機やレーザービームプリンターなどの画像定着装置では、感光体ドラムを均一に帯電する帯電工程、感光体ドラムに静電潜像を形成する露光工程、トナーによって静電潜像を可視化する現像工程、感光体ドラム上のトナーを転写材に転写する転写工程、転写材とトナーを定着させる定着工程、および転写工程後に感光体ドラム上に残ったトナーを清掃するクリーニング工程を経て画像を形成している。
【0003】
近年、電子写真方式の画像定着装置において、資源の有効利用を図る上で、装置の安定性の向上、高信頼性の確保、ランニングコストの低減が求められている。この対策の一つとして、ワックストナーの使用によって定着ロールや定着ベルトなどの定着部材表面への離型オイルの供給を省略することが検討されている。しかしながら、離型オイルの供給を止めると、ペーパーエッジや温度センサーの当接による定着部材の表層摩耗の進行が速くなる問題がある。また、複写機・レーザープリンターの高速化に伴って定着部材への負荷も増大しており、こうした理由からも定着部材寿命の確保が困難となっている。
【0004】
特に、カラー画像定着において用いられるソフトロール(定着ロール)は、摩耗に対する離型剤(離型オイル)の効果が顕著であり、シリコーンゴムやフッ素ゴムにより形成されるソフトロール表層は、離型剤を供給しないと、数百枚のプリント程度で傷や摩耗が発生する場合がある。このため、特許文献1や非特許文献1に記載されているように、芯金の回りにシリコーンゴム弾性体を形成したロールの最外層に、耐摩耗性を有する離型層としてテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)チューブを被覆した定着部材が提案されている。
【0005】
ところで、高画質のカラー定着画像を得るには、定着ロール表面が記録用紙表面の凹凸に追従し、未定着トナー画像全体に渡って均一に接触することが重要である。定着ロール表面が均一に接触しないと、未定着トナー画像内でトナー溶融の程度に不均一が生じ、定着画像の光沢ムラが発生し画質が低下する。PFAなどのフッ素樹脂は、シリコーンゴムやフッ素ゴムに比べて弾性率が大きく歪が生じ難いため、記録用紙表面の凹凸に追従し難い。そこで最外層をフッ素樹脂で構成するときは、なるべく薄層にしてロール表面が記録用紙表面の凹凸に追従し易くすることが重要である。
【0006】
また、高速でカラー画像の画像定着を行い、且つ消費電力を低く抑えるためには、ロールの熱容量を小さくすることが好ましく、加えて熱伝導性が良好であることが要求される。このような観点からも最外層のフッ素樹脂層はなるべく薄いことが望ましい。
【0007】
他方、画像定着装置としては、比較的長い定着ニップ部を確保するために、上記の如き定着ロールに代えて、定着ベルトを用いたベルト式定着装置もある。この定着ベルトは、薄い金属やポリイミドなどの耐熱性樹脂からなるベルト上に離型層を形成したものが一般的であるが、この場合も、ベルトの熱容量が小さいことが好ましく、また熱伝導性が良好であることが要求される。このため、このような定着ベルトに離型層としてフッ素樹脂層を形成する場合にも、なるべく薄層にすることが重要になる。
【0008】
一般に定着ロールや定着ベルトの表層として使用されているフッ素樹脂チューブとしては、上記の通りPFAからなるものが知られている。PFAは溶融成形が可能であることから、PFAからなるチューブも比較的成形性が良好であり、チューブ肉厚を30μm程度まで薄くすることは可能であるものの、20μm以下にすることは困難である。また、溶融成形で作製されたPFAチューブの引張強度は小さく、特に円周方向における引張強度が小さい。
【0009】
このため、試験的に肉厚が20μmのPFAチューブを作製しても、設定した肉厚よりも薄くなっていることもあり、わずかな荷重が掛かっただけで変形や破れが発生する。このような事情から、上記試験的に作製したPFAチューブを、例えば定着ロール表層として加工する際の取り扱いは、極めて困難である。また、このようなPFAチューブをソフトロールタイプの定着ロールの表層として使用した場合、定着ロールと他方の定着部材の間で形成されるニップ部での定着ロール表面の変形によって、PFAチューブ自体が塑性変形する。この塑性変形によって定着ロールの表層シワが発生し、定着画像にこのシワ跡が出てしまうという問題がある。さらにこのPFAチューブを定着ロールの表層として使用した場合、定着ニップ部で紙詰まりが発生し易くなる。定着ニップ部で紙詰まりが生じると、詰まった用紙に折れが発生し、この折れ部に負荷が集中するために、折れ部と接触している定着ロール表面のPFAチューブ表層に変形や破れが発生し易いという問題がある。
【0010】
さらなる高画質化、省エネルギー化のためには、厚みが20μm以下のフッ素樹脂離型層(表層)が望まれているが、そのような薄肉フッ素樹脂チューブにおいて、定着ロール表層として十分な強度を有するものはなかった。
【0011】
こうした事情を受けて、本発明者等は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を用いたフッ素樹脂チューブの開発を進めてきた。PTFEは極めて優れた耐熱性や離型性を有するため、上述の定着ロールや定着ベルトの最表層に好適な素材である。
【0012】
PTFEは溶融粘度が高く、一般の熱可塑性樹脂のように溶融押出成形ができない。そのため、通常は、PTFE粉末とナフサ、キシレンのような液状潤滑剤を均一に混和して得られるペースト状混和物をチューブ状に押出し、次いで液状潤滑剤を抽出あるいは乾燥により除去するといった所謂ペースト押出法により成形されている。ところが、このペースト押出法による場合、チューブを薄肉化しようとすると押出圧力が大きくなり、変肉(厚みムラ)が生じたり、外観が悪化したりするため、薄肉化に限界がある。特に外径がφ10mm以上のチューブにおいてはチューブ肉厚を20μm以下にすることは極めて困難である。
【0013】
この他、フッ素樹脂チューブの製法として、例えば、特許文献2には、金属線状体上にフッ素樹脂塗料を塗布して焼付け、皮膜を形成させたのち、この皮膜線状体を少なくともフッ素樹脂皮膜が該線状体への密着性を失うまで引伸ばし、その後金属線状体を引抜くことを特徴とする薄肉のフッ素樹脂チューブの製造方法が開示されている。しかしこの方法では、肉厚の均一性が得られ難く、また得られるチューブの耐摩耗性や強度は著しく低く、さらに表面の平滑性なども不十分であるという問題があった。
【0014】
また、特許文献3には、0.02〜0.4重量%のパーフルオロアルキルビニルエーテルまたはヘキサフルオロプロピレンを含む変性PTFEからなり、内径寸法を肉厚寸法で除した値が300以上であることを特徴とする薄肉のフッ素樹脂チューブが開示されている。しかしこの方法でも、肉厚を薄くするほどピンホールの発生や強度の低下が顕著であり、実質的に肉厚20μm以下のチューブを得ることが困難であること、比較的大口径(例えば内径が60mm以上)のチューブの製造が困難であること、およびPTFEを変性させることにより耐熱性が低下すること、といった問題があった。
【0015】
他方、本発明者等も、極薄のPTFEフィルムを巻回積層接着してなる薄肉のフッ素樹脂チューブ状物を開発し、既に特許出願を済ませている(特願2002−191221号)。このフッ素樹脂チューブ状物では、ピンホールを発生させること無く、肉厚20μm以下とすることができ、さらに引張強度を、チューブ円周方向・軸方向共に80N/mm2以上とすることが可能である。よって、画像定着装置の定着ロールや定着ベルトの最表層として、好適に使用することができる。
【0016】
【特許文献1】
特公昭58−43740号公報
【特許文献2】
特開昭50−136367号公報
【特許文献3】
特開平4−296332号公報
【非特許文献1】
電子写真学会誌、電子写真学会、平成6年、第33巻、第1号、p.57〜65
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者等の開発した上記フッ素樹脂チューブ状物によって、上述の試験的に作製した肉厚:20μm程度のPFAチューブからなる表層において生じていた表層シワや表層変形、表層破れの抑制は達成できた。しかしながら、このフッ素樹脂チューブ状物でも、例えば画像定着装置を長時間運転した場合には、上記PFAチューブからなる表層に生じていた上記の問題が生じる場合があり、この点において未だ改善の余地を残していた。
【0018】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、定着ロールや定着ベルトの表層として用いた場合に、優れた耐久性を発揮し得るフッ素樹脂チューブ状物と、該フッ素樹脂チューブ状物を用いた定着ロールおよび定着ベルト、並びに該定着ロールまたは該定着ベルトを有する画像定着装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成し得た本発明のフッ素樹脂チューブ状物の第1の態様は、ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂を構成要素に含むチューブ状物であって、最大肉厚が20μm以下であり、円周方向およびチューブ軸方向での引張弾性率が、いずれも900N/mm2以上であるところに要旨を有するものである。このフッ素樹脂チューブ状物は、平面視のいずれの方向についても、引張弾性率が500N/mm2以上のフッ素樹脂膜を2回以上巻回積層して形成できる。
【0020】
また、本発明のフッ素樹脂チューブ状物の第2の態様は、ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂を構成要素に含むチューブ状物であって、最大肉厚が20μm以下であり、円周方向およびチューブ軸方向での5%伸張時の引張応力が、いずれも15N/mm2以上であるところに要旨が存在する。このフッ素樹脂チューブ状物は、平面視のいずれの方向についても、5%伸張時の引張応力が20N/mm2以上のフッ素樹脂膜を2回以上巻回積層して形成できる。
【0021】
以下、特に断らない限り、ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂を単に「フッ素樹脂」と称する。
【0022】
さらに、本発明のフッ素樹脂チューブ状物は、第1の態様、第2の態様を問わず、以下の構成を有するものであることが推奨される。上記チューブ状物は、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることが望ましい。また、上記チューブ状物は、内面に接着性向上のための表面処理が施されているものであることが好ましい。
【0023】
なお、本明細書でいう「表面粗さ(Ra)」は、全てJIS B 0601の規定に準じて求められるRa(算術平均粗さ)を意味する。
【0024】
また、上記の各フッ素樹脂チューブ状物を表層に有する定着ロールおよび定着ベルト、並びに該定着ロールまたは該定着ベルトを有する画像定着装置も本発明に包含される。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明者等が先に開発した特願2002−191221号に係るフッ素樹脂チューブ状物を表層に有する定着ロールを画像定着装置に用い、これを長時間運転した場合などに発生し得る表層シワや表層変形、表層破れを抑制すべく検討を重ねた結果、フッ素樹脂チューブ状物の円周方向およびチューブ軸方向について、特定の性質を高めることで、これらが達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0026】
本発明のフッ素樹脂チューブ状物は、最大肉厚が20μm以下であり、円周方向およびチューブ軸方向での引張弾性率がいずれも900N/mm2以上である(第1の態様)か、または円周方向およびチューブ軸方向での5%伸張時の引張応力(以下、「5%引張応力」という)がいずれも15N/mm2である(第2の態様)。本発明では、上記引張弾性率または上記5%引張応力のいずれかが、上記下限値を満足していればよいが、両特性を満足していることがより好ましい。
【0027】
なお、本明細書でいう引張弾性率、5%引張応力、および引張強度(後述する)は、株式会社オリエンテック製「RTC−1210A」を使用し、短冊状試験片(巾10mm)を用いて、チャック間距離:50mm、試験速度:100mm/minの条件で引張試験を実施することにより求められる値である。フッ素樹脂チューブ状物の引張試験を実施する場合には、該チューブ状物を切り開いて試験片を作成する。
【0028】
引張弾性率Em(N/mm2)は引張試験の際に得られた引張応力−ひずみ曲線の初荷重点より立ち上がった最初の直線部分から、下式
Em=Δσ/Δε
を用いて求められる値である。 [ Δσ:直線上の二点間の元(引張り前)の平均断面積による応力の差、Δε:同じ二点間のひずみの差 ]。
【0029】
5%引張応力は、引張試験の際に得られた引張応力−ひずみ曲線の初荷重点より、チャック間距離(50mm)の5%の距離を伸長した点における元(引張り前)の平均断面積当たりの応力である。
【0030】
第1の態様においてチューブ軸方向の引張弾性率が上記下限値を下回るか、または第2の態様においてチューブ軸方向の5%引張応力が上記下限値を下回ると、このフッ素樹脂チューブ状物を定着ロールや定着ベルトの表層に用いた場合、通紙に伴って軸方向に表層が伸びてしまうため、円周方向に表層シワが入り易くなる。同様に、第1の態様において円周方向の引張弾性率が上記下限値を下回るか、または第2の態様において円周方向の5%引張応力が上記下限値を下回ると、このフッ素樹脂チューブ状物を定着ロールや定着ベルトに用いた場合、通紙に伴って円周方向に表層が伸びてしまうため、チューブ軸方向に表層シワが入り易くなる。第1の態様において、円周方向およびチューブ軸方向の引張弾性率は、共に900N/mm2以上であることが好ましく、1000N/mm2以上であることがより好ましい。また、第2の態様において、円周方向およびチューブ軸方向の5%引張強度は、共に15N/mm2以上であることが好ましく、20N/mm2以上であることがより好ましい。
【0031】
上記フッ素樹脂チューブ状物の厚みは、最大肉厚で20μm以下、好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。上述の通り、定着ロールや定着ベルトの表層に用いられるフッ素樹脂チューブ状物においては、薄肉化が求められており、かかる要求に対応するためである。すなわち、厚みが大きすぎるとフッ素樹脂チューブ状物を表層に用いた定着ロールや定着ベルトでは、記録用紙表面の凹凸に追従し難くなり、熱容量も大きくなる。
【0032】
また、フッ素樹脂チューブ状物の厚みが余り小さすぎると、表層としての強度が不十分となったり、フッ素樹脂チューブ状物の製造時、および定着ロールや定着ベルトの製造時の取り扱い性が損なわれる。よって、フッ素樹脂チューブ状物の厚みは、最大肉厚で2μm以上であることが好ましく、4μm以上であることがより好ましく、5μm以上であることがさらに好ましい。
【0033】
本発明のフッ素樹脂チューブ状物では、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下であることが好ましく、0.4μm以下であることがより好ましく、0.3μm以下であることがさらに好ましい。表面粗さをこのようにすることで、印刷時のトナーの離型性を高めたり、用紙上のトナーへの圧しムラを抑制できるため、印刷画像の画質を高めることができる。
【0034】
上記フッ素樹脂チューブ状物は、フッ素樹脂膜を2回以上巻回積層して形成されるものである。
【0035】
第1の態様のフッ素樹脂チューブ状物を得るには、平面視のいずれの方向においても、引張弾性率が500N/mm2以上、より好ましくは700N/mm2の上記フッ素樹脂膜を用いればよい。
【0036】
また、第2の態様のフッ素樹脂チューブ状物は、平面視のいずれの方向においても、5%引張応力が20N/mm2以上、より好ましくは30N/mm2以上の上記フッ素樹脂膜を用いることで得ることができる。
【0037】
上記の引張弾性率または5%引張応力を有するフッ素樹脂膜は、例えば、以下のようにして得ることができる。
【0038】
フッ素樹脂膜に用いるフッ素樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)系フッ素樹脂が挙げられる。PTFE系フッ素樹脂を用いることにより、引張弾性率や5%引張応力に加えて、耐磨耗性、耐熱性、離型性などに優れたフッ素樹脂膜を得ることができる。
【0039】
PTFE系フッ素樹脂としては、代表的にはPTFE(テトラフルオロエチレンの重合体)が挙げられるが、フッ素樹脂膜が上記の引張弾性率または5%引張応力を確保できるのであれば、テトラフルオロエチレン以外のモノマーが共重合された共重合体であったり、PTFEに他のフッ素樹脂が混合されたブレンド物であっても構わない。
【0040】
PTFE系フッ素樹脂が一部共重合成分を有する場合のテトラフルオロエチレン以外のモノマーとしては、エチレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニルフルオライド、ビニリデンフルオライド、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテルなどのエチレン系不飽和単量体などが挙げられる。
【0041】
また、PTFEに混合可能なフッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)などが例示できる。
【0042】
以下、PTFE系フッ素樹脂の中でも、特に好適なPTFEを例にとり、フッ素樹脂膜の作製方法を説明する。なお、PTFE系フッ素樹脂が上述の共重合体やブレンド物の場合にも、後述の手法が採用可能である。
【0043】
PTFEを構成素材とするフッ素樹脂膜(以下、「PTFE膜」という)を得る方法としては、PTFEの棒材などを薄く削り取る所謂スカイビング法が一般的であるが、この方法では厚みが20μm以下の膜を得ることは困難である。また、引張弾性率や5%引張応力を上記下限値以上に制御することも容易ではない。
【0044】
上記の如き特性値を有するPTFE膜の形成法としては、例えば、延伸多孔質PTFEフィルムに熱プレスを施すことにより、空孔を潰して空孔率が極めて小さいか、または実質的に空孔を含有しない構造とする方法が採用できる。
【0045】
ここで、延伸多孔質PTFEフィルムとは、PTFEのファインパウダー(結晶化度90%以上)を成形助剤と混合して得られるペーストを成形し、該成形体から成形助剤を除去した後、高温[PTFEの融点(約327℃)未満の温度、例えば300℃程度]高速度で延伸、さらに必要に応じて焼成することにより得られるものである。
【0046】
延伸の際、MD方向(延伸多孔質PTFEフィルム製造時の長手方向)またはTD方向(MD方向に直交する方向)の一軸方向のみに延伸すれば、一軸延伸多孔質PTFEフィルムが得られ、MD方向およびTD方向の二軸方向に延伸すれば二軸延伸多孔質PTFEフィルムが得られる。
【0047】
一軸延伸多孔質PTFEフィルムでは、ノード(折り畳み結晶)が延伸方向に直角に細い島状となっており、このノード間を繋ぐようにすだれ状にフィブリル(折り畳み結晶が延伸により解けて引き出された直鎖状の分子束)が延伸方向に配向している。そして、フィブリル間、またはフィブリルとノードとで画される空間が空孔となった繊維質構造となっている。また、 二軸延伸多孔質PTFEフィルムでは、フィブリルが放射状に広がり、フィブリルを繋ぐノードが島状に点在していて、フィブリルとノードとで画された空間が多数存在するクモの巣状の繊維質構造となっている。
【0048】
上記PTFE膜では、二軸延伸多孔質PTFEフィルムを原料に用いる。二軸延伸多孔質PTFEフィルムは、二軸方向(MD方向およびTD方向)に延伸されているため、一軸延伸フィルムよりも異方性が小さく、MD方向、TD方向のいずれにおいても、優れた特性(強度など)を確保することができる。一軸延伸フィルムでは、TD方向の引張弾性率と5%伸張時の引張応力をフッ素樹脂膜に要求される前記値以上とすることが困難である。
【0049】
上記延伸多孔質PTFEフィルムでは、その空孔率が5〜95%であることが好ましく、40〜90%であることがより好ましい。なお、上記空孔率は、JIS K 6885の規定に準じて測定される延伸多孔質PTFEフィルムの見掛け密度ρ(g/cm3)と、該フィルムを構成するPTFEの密度(2.2g/cm3)から、下式
空孔率(%)=100×(2.2−ρ)/2.2
を用いて求められる値である。
【0050】
また、延伸多孔質PTFEフィルムの好適な厚みは、PTFE膜の所望厚みや延伸多孔質PTFEフィルムの空孔率などに応じて変動するが、例えば、3〜500μmであることが好ましく、5〜200μmであることがより好ましい。なお、本明細書でいう延伸多孔質PTFEフィルムやフッ素樹脂膜(PTFE膜)の厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、テクノロック社製1/1000mmダイヤルシックネスゲージ)で測定した平均厚さ(本体バネ荷重以外の荷重をかけない状態で測定した値)である(以下、同じ)。
【0051】
PTFE膜の引張弾性率や5%引張応力は、上記延伸多孔質PTFEフィルム製造時の延伸倍率と焼成条件を調整することで制御できる。PTFE膜においてこれらの特性値を確保するには、延伸倍率をMD方向、TD方向共に900〜5000%、より好ましくは2500〜5000%とし、且つ焼成温度を370〜385℃、より好ましくは375〜380℃とすることが推奨される。焼成時間は、焼成温度によって異なるが、例えば370℃では15〜30分、385℃では3〜5分とすることが推奨される。上記延伸倍率は、延伸前のPTFE成形体の長さを100%としたときの値である。
【0052】
延伸多孔質PTFEフィルムからPTFE膜を製造するに当たっては、まず、延伸多孔質PTFEフィルムを、その融点未満の温度で圧縮(加圧)して、圧延フィルムを得る(第1圧縮工程)。この場合の圧縮温度は、PTFEの融点未満であれば特に制限されないが、通常、1℃以上低い温度であり、100℃以上低い温度であることがより好ましい。圧縮温度がPTFEの融点以上の場合には、PTFE膜の収縮が大きくなるため、好ましくない。
【0053】
第1圧縮工程における圧縮条件は、該工程後の圧延フィルムの空孔率が、圧縮前の延伸多孔質PTFEフィルムの50%以下、より好ましくは20%以下、さらに好ましくは10%以下となる条件とする。圧縮力は、通常、面圧で0.5〜60N/mm2であり、1〜50N/mm2であることがより好ましい。この工程で用いる圧縮装置としては、フィルムを圧縮できる装置であれば特に限定されないが、カレンダーロール装置やベルトプレス装置など、ロール間またはベルト間を通して圧縮する形式の装置が好適である。このような装置を用いれば、延伸多孔質PTFEフィルムがロール間やベルト間に挟み込まれる際に、該フィルム内部や該フィルムの層間に存在する空気が、外部に押出され易いため、得られるPTFE膜でのボイド(例えば、走査型電子顕微鏡を用いて2000倍の倍率で表面を観察した際に確認できる程度のボイド)やシワの発生を抑制することができる。
【0054】
次に、第1圧縮工程で得られた圧延フィルムを、PTFEの融点以上の温度で圧縮(加圧)する(第2圧縮工程)。この場合の圧縮温度は、PTFEの融点以上であれば特に制限されないが、通常、1〜100℃以上高い温度であり、20〜80℃高い温度であることがより好ましい。このような温度にすることで、PTFE膜の表面平滑性を高めることができる。なお、圧縮温度は、圧力を開放する時点では、PTFEの融点よりも低い温度まで冷却されていることが望ましい。PTFEの融点以上の温度で圧力を開放すると、PTFE膜の収縮が大きくなる他、シワが入り易くなるため、好ましくない。
【0055】
第2圧縮工程における圧縮条件としては、得られるフッ素樹脂膜の空孔率が5%以下、より好ましくは1%以下となる条件とすることが好ましい。具体的には、圧縮力を、面圧で0.01〜50N/mm2とすることが一般的であり、0.1〜40N/mm2とすることがより好ましい。この工程で用いる圧縮装置としては、フィルムを挟み込んで圧縮加工できる装置であれば特に限定されないが、一定時間の加熱および加圧が可能なホットプレス装置やベルトプレス装置が好適である。
【0056】
なお、本発明のフッ素樹脂チューブ状物に用いるフッ素樹脂膜を、このような手法で作製する場合に、空孔が僅かに残存することもあり得るが、最終製品であるフッ素樹脂チューブ状物において、特性上問題とならない範囲で空孔が残存していてもよい。具体的には、上記の如く、5%以下、好ましくは1%以下の空孔が残存していても構わない。空孔率が0%のフッ素樹脂膜が最も好ましい。
【0057】
なお、延伸多孔質PTFEフィルムを圧縮しながら、PTFEの融点以上の温度をかけた後、圧力を保持した状態で、PTFEの融点以下の温度まで冷却することが可能な装置を用いれば、1パスでPTFE膜を得ることもできる。この方法によれば、圧縮開始時点から、延伸多孔質PTFEフィルムにPTFEの融点以上の温度をかけても、延伸多孔質PTFEフィルムにかけられた圧力が開放される前にPTFEの融点より低い温度まで冷却できるため、製造されるPTFE膜では収縮が殆ど起こらない。例えば、ベルトプレス装置を用いれば、延伸多孔質PTFEフィルムがベルト間で圧縮された状態で、PTFEの融点以上の温度をかけた後、該融点よりも低い温度まで冷却することにより、収縮を抑制しつつPTFE膜を製造することができる。また、ベルトプレス装置であれば、延伸多孔質PTFEフィルムがベルト間に挟み込まれる際に、該フィルム内部や該フィルムの層間に存在する空気が、外部に押出されるため、得られるPTFE膜での上記程度のボイドやシワの発生を抑制することもできる。しかもこのベルトプレス装置は、PTFE膜の連続生産も可能とするため、好ましく採用し得る。
【0058】
上記第1圧縮工程の実施に当たっては、PTFE膜のボイドを少なくするために、上記の圧縮操作を2段階以上で行うことも好ましい。
【0059】
また、第2圧縮工程では、ホットプレス装置を用いる場合、表面が平滑な耐熱性フィルムを熱プレス板と圧延フィルムの間に介在させて加熱圧縮してもよい。ベルトプレス装置を用いる際にも、ベルトとフィルム(延伸多孔質PTFEフィルムまたは圧延フィルム)の間に表面が平滑な耐熱性フィルムを介在させて加熱圧縮することもできる。耐熱性フィルムとしては、ポリイミドフィルムなどが好適である。この方法によれば、PTFE膜の表面粗さ(Ra)を耐熱性フィルムの表面粗さ(Ra)と同等にすることができる。よって、ホットプレス装置の熱プレス板表面や、ベルトプレス装置のベルト表面をあまり平滑にできない場合に有効である。
【0060】
例えば、第2圧縮工程で使用するホットプレス装置の熱プレス板を鏡面処理して、表面粗さ(Ra)を0.1μm以下としておけば、上述の耐熱性フィルムを使用せずに、PTFE膜の表面粗さ(Ra)を0.1μm以下とすることができる。他方、ホットプレス装置の熱プレス板の表面粗さ(Ra)が比較的大きい場合でも、上述の耐熱性フィルムとして、表面粗さ(Ra)が0.01μm以下のものを使用すれば、PTFE膜の表面粗さ(Ra)を0.01μm以下とすることが可能である。
【0061】
PTFE膜の表面粗さ(Ra)を0.1μm以下とすることができれば、PTFE膜を巻回積層して得られるフッ素樹脂チューブ状物の表面粗さ(Ra)を上述の好ましい上限値以下とすることができる。PTFE膜の表面粗さ(Ra)が上記上限値を超えると、フッ素樹脂チューブ状物成形時の膜の収縮などにより、フッ素樹脂チューブ状物の表面粗さ(Ra)が上述の好ましい上限値を超えることがある。また、表面粗さ(Ra)が上記上限値を超えるPTFE膜から得られるフッ素樹脂チューブ状物を定着ロールの表層材に使用した場合に、下地弾性層などの影響により、表層材の表面が粗くなることがある。
【0062】
上述の熱プレス法によれば、スカイビング法では困難であったPTFE薄膜(例えば厚み:20μm以下)を容易に得ることができる。例えば、空孔率:80%、厚み:40μmの延伸多孔質PTFEフィルムを、カレンダーロール(ロール温度:70℃)で、空孔率:2%、厚み:12μmまで圧延し(第1圧縮工程)、その後、ベルトプレス装置で、プレス板温度:320〜400℃、圧力:10.0N/mm2、送り速度:0.5〜2.0m/min、プレス時間:0.5〜10minの条件でプレスする(第2圧縮工程)ことにより、空孔率:0%、厚み:10μmのPTFE膜を得ることができる。また、空孔率:85%、厚み:9μmの延伸多孔質PTFEフィルムに対して、上記と同様の加工を行うことで、空孔率:0%、厚み:2μmのPTFE膜を得ることができる。
【0063】
さらに、上記熱プレス法では、1枚の延伸多孔質PTFEフィルムから、単独のPTFE膜を得ることができる他、2〜100枚、好ましくは2〜20枚の延伸多孔質PTFEフィルムを積層して、積層PTFE膜とすることもできる。
【0064】
このようにして得られるPTFE膜の厚みは、0.1μm以上、好ましくは0.5μm以上、さらに好ましくは1μm以上であって、10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下、さらに好ましくは2μm以下であることが推奨される。また、このPTFE膜は、比重が2.0以上であり、走査型電子顕微鏡による表面観察(倍率:2000倍)では、ボイド、ピンホール、フィブリル構造は観察されない。さらにこのPTFE膜は、目視による外観は均一な透明フィルムであり、ボイド、ピンホール、フィブリル構造の存在に起因する白色不透明部や白筋などは観察されない。
【0065】
なお、このような手法によって、上記PTFE膜の如きフッ素樹脂膜は、平面視のいずれの方向についても、引張弾性率または5%引張応力が上記範囲内となるようにすることができるが、かかる引張弾性率または5%引張応力は、平面視の全ての方向について測定する必要はなく、代替手法として、MD方向に平行な方向(以下、単に「MD方向」という)、TD方向に平行な方向(以下、単位「TD方向」という)の両方向について測定することで確認することができる。
【0066】
上記PTFE膜の如きフッ素樹脂膜から本発明のフッ素樹脂チューブ状物を製造するには、該フッ素樹脂膜を巻回積層する。巻回積層時の各層の接着は、熱融着法でもよく、接着剤層を介して行う方法であってもよい。
【0067】
熱融着法の場合には、例えば、金属製の円柱(SUSなど)を芯金とし、この周りにフッ素樹脂膜を所定回数巻回した後、フッ素樹脂の融点以上で加熱焼成して、巻回積層された各層間を熱融着させる。その後芯金を取り外すことにより、フッ素樹脂チューブ状物を得ることができる。
【0068】
また、接着剤層を介して接着させる方法では、片面に接着剤を塗布などしたフッ素樹脂膜を、接着剤塗布面側を内側にして上記芯金の周りに所定回数巻回し、必要に応じて加熱して、巻回積層された各層間を接着させる。その後芯金を取り外すことにより、フッ素樹脂チューブ状物を得ることができる。
【0069】
このような手法を用いて得られるフッ素樹脂チューブ状物では、各層間に空気の噛み込みなどはなく、完全に各層同士が接着した状態となっており、その接着強度は、層間剥離時にフッ素樹脂膜の凝集破壊がおこる程度である。
【0070】
なお、予めフッ素樹脂膜の片面あるいは両面に従来公知のコロナ放電処理やケミカルエッチング処理、エキシマレーザー処理などの表面処理を施しておくことで、熱融着法の場合や、接着剤層を介して接着させる方法であって加熱を実施する場合に、より少ない加熱時間で十分な層間接着強度を得ることが可能であり、フッ素樹脂チューブ状物の熱劣化を抑制することができる。これらの処理は、フッ素樹脂膜の両面に施した方が接着性改善効果は大きいが、フッ素樹脂膜の外面を処理することにより、フッ素樹脂膜表面が荒れてフッ素樹脂チューブ状物の表面粗さ(Ra)が低下する場合には、フッ素樹脂膜内面の接着部分にのみ処理を行うことが推奨される。
【0071】
また、芯金とフッ素樹脂チューブ状物との剥離性を高めるために、サンドブラスト加工などにより芯金の表面を粗面化しておくことも好ましい。
【0072】
巻回方法は、フッ素樹脂膜をチューブ状に積層できる方法であれば特に限定されないが、例えばのり巻き状に巻回する方法や、帯状のフッ素樹脂膜を螺旋状に巻回する方法などが挙げられる。
【0073】
帯状のフッ素樹脂膜を螺旋状に巻回する方法を、図1を用いて説明する。図1において、1は帯状フッ素樹脂膜を、2は芯金(芯棒)を表している。また、3は芯金に対する巻回相当長さを示している。この巻回相当長さ3を芯金2の外径で除した値が巻回数となる。
【0074】
図1に示すように、帯状フッ素樹脂膜1を芯金2に対して傾斜した状態に置き、この状態で芯金2に帯状フッ素樹脂膜1を巻回することにより、フッ素樹脂膜を螺旋巻して形成したチューブ状物を得ることができる。
【0075】
また、複数枚のフッ素樹脂膜を順次巻回してもよい。例えば、1枚目のフッ素樹脂膜を芯金に1回以上巻回した後、このフッ素樹脂膜の上に、2枚目のフッ素樹脂膜を1回以上巻回してフッ素樹脂チューブ状物を形成してもよい。
【0076】
なお、本発明のフッ素樹脂チューブ状物では、フッ素樹脂膜を巻回積層して形成する関係上、該チューブ状物の外表面にはフッ素樹脂膜の端部が存在するため、この膜端部により段差が生じる。また、フッ素樹脂膜の巻き始め端部(先端部)と巻き終わり端部(終端部)の位置が、チューブ状物の円周方向の同じ位置で無い場合は、膜端部を境にしてチューブ状物の厚みに差が生じる。
【0077】
例えば、フッ素樹脂膜を「n〜n+1」(nは1以上の整数)の巻回数で巻回した場合には、チューブ状物外面を形成する最表面のフッ素樹脂膜の端部の位置を境にして、チューブ状物の肉厚がn層分の領域(薄肉部)とn+1層分の領域(厚肉部)が形成される。フッ素樹脂膜先端部と終端部について、チューブ状物円周方向での位置を完全に合わせることで、こうしたチューブ状物の厚み差は無くすことができるが、実生産ではバラツキが生じ得るため、フッ素樹脂膜先端部と終端部の位置ずれが発生して上記厚み差が生じてしまう。
【0078】
本発明者等の検討によれば、上記厚み差が大きい場合には、フッ素樹脂チューブ状物を表層材に使用した定着ロールや定着ベルトを有する画像定着装置では、画像定着工程時に、該チューブ状物の薄肉部に当たる部分と厚肉部に当たる部分との間で表面温度の差が大きくなり、目視で確認できるほどの色差や光沢差が印刷画像に生じる場合のあることが判明している。
【0079】
よって、本発明では、フッ素樹脂膜の巻回数を2以上、より好ましくは3以上とすることで、フッ素樹脂チューブ状物における上記厚み差を小さくすることとしている。この場合には、上述の薄肉部に当たる部分と厚肉部に当たる部分との間での表面温度差を低減することができ、印刷画像における色差や光沢差を目視で確認できない程度にまで抑え得る。フッ素樹脂膜の巻回数の上限は特に制限されないが、例えば100回とすることが好ましく、より好ましい上限は30回、さらに好ましい上限は20回である。
【0080】
また、フッ素樹脂膜端部に基づくフッ素樹脂チューブ状物表面の段差によっても、印刷画像にライン状の跡が発生する場合がある。このライン状の跡の発生を抑えるには、フッ素樹脂チューブ状物の製造に、厚みの薄いフッ素樹脂膜を用いることが効果的である。例えば、厚みが20μm以下、さらには15μm以下、特には10μm以下のフッ素樹脂膜を用いれば、印刷画像に発生するライン状の跡をかなり減少させることができる。例えば、厚みが2μm以下のフッ素樹脂膜を用いた場合には、印刷画像におけるライン状の跡は、目視では、ほぼ観察できなくなる。
【0081】
なお、フッ素樹脂膜の厚みが薄くしても、巻回数を増加させてチューブ状物の肉厚をある程度高めることで、定着部材(定着ロールまたは定着ベルト)の寿命を確保することができる。例えば、PTFE膜厚:6μm、巻回数:3.5のPTFEチューブ状物(肉厚:約18〜24μm)と、PTFE膜厚:1.7μm、巻回数:12.5のPTFEチューブ状物(肉厚:約20.4〜22.1μm)は、ほぼ同等の耐久性を有している。ただし、フッ素樹脂膜の巻回数は、少ない方が製造コストの面で有利である。このように、本発明のフッ素樹脂チューブ状物では、その肉厚を決定するに当たり、フッ素樹脂膜の厚みと巻回数とを任意に組み合わせることができる。
【0082】
本発明のフッ素樹脂チューブ状物は優れた引張強度を有しており、具体的には、円周方向、チューブ軸方向のいずれにおいても、その引張強度が、通常80N/mm2以上であり、より好ましくは100N/mm2である。また、優れた光線透過率も有しており、例えば、波長が500nmの光について、分光光度計(例えば島津製作所製「UV−240」)で測定される透過率が、好ましくは35〜95%である。光線透過率が低すぎる場合には、フッ素樹脂膜がボイドを含んでいることがあり、この場合、ボイドの存在により画像定着時において熱伝導ムラが生じ得るため、トナーの溶融ムラを引き起こすことがある。また、光線透過率が低すぎる場合には、ボイドや表面のシワに起因して、チューブ表面の表面粗さ(Ra)が上述の上限値を超えることがある。この場合にはトナーの離型性や用紙上のトナーへの圧しムラが生じることがあり、画質低下が引き起こされるおそれがある。
【0083】
定着ロールや定着ベルトの表層材としての用途を考慮して、上記フッ素樹脂チューブ状物の内面には、接着性向上のための表面処理が施されていることが好ましい。このような表面処理としては、従来公知のコロナ放電処理、ケミカルエッチング処理、エキシマレーザー処理などが挙げられる。例えば、テトラH(潤工社製)を用いてフッ素樹脂チューブ状物内面にケミカルエッチングを施した後、常法に従って定着ロールや定着ベルトの表層に用いることができる。この場合、ケミカルエッチングが施された面は、着色や微細なひび割れが発生する場合があるが、定着ロールや定着ベルトの表層として使用するに当たっては、支障はない。
【0084】
定着ロールの回転方向に対する上記フッ素樹脂チューブ状物の取り付け方向は、厚肉部から薄肉部への順でニップ部に入っていく方向と、薄肉部から厚肉部の順でニップ部に入っていく方向の二種類がある。印刷画像に発生するシームライン跡や、定着ロール表層の薄肉部と厚肉部に対応する色差、光沢差が発生する場合では、どちらの方向についてもほぼ同程度となるが、表層の剥離に対する有利性の観点から、厚肉部から薄肉部の順でニップ部に入っていく方向とする方が好ましい。
【0085】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に述べる。ただし、下記実施例は本発明を制限するものではなく、前・後記の趣旨を逸脱しない範囲で変更実施をすることは、全て本発明の技術的範囲に包含される。
【0086】
<作製例1 フッ素樹脂膜の作製>
作製例1−1
PTFEファインパウダー(旭硝子株式会社製「フルオンCD123」)から常法に従い、厚み:0.2mm、幅:150mmの未焼成テープを作製した。すなわち、PTFEファインパウダーに成形助剤を混合してペーストとし、これを押出し、ロール圧延した後、成形助剤を乾燥除去する手法を採用した。
【0087】
この未焼成テープを、2軸延伸機を用い、延伸温度:300℃、延伸速度:50%/秒の条件で、まずMD方向に20倍(1900%)に延伸し、次いでTD方向に26倍(2500%)延伸した。次いで四辺を固定した状態で、375℃で15分焼成を行い、延伸多孔質PTFEフィルム(空孔率:80%、厚み:7.5μm)を得た。
【0088】
上記延伸多孔質PTFEフィルムを、カレンダーロール装置を用い、ロール温度:70℃、線圧:8N/mm2、送り速度:6.0m/minの条件で圧縮し(第1圧縮工程)、空孔率:2%、厚さ:1.7μmで白濁色の圧延フィルムを得た。この圧延フィルムを2枚のポリイミドフィルム(宇部興産社製「ユーピレックス20S」)の間に挟み、ホットプレス装置で、プレス板温度:400℃、面圧:10N/mm2の条件で5分間熱プレスした後、面圧を保持したまま60分間かけて室温まで冷却し(第2圧縮工程)、PTFE膜を得た。得られたPTFE膜の構造および特性を表1に示す。
【0089】
作製例1−2
延伸多孔質PTFE膜を製造する際の延伸倍率を、MD方向:10倍(900%)、TD方向:15倍(1400%)に変更した他は、作製例1−1と同様にしてPTFE膜を作製した。得られたPTFE膜の構造および特性を表1に示す。
【0090】
作製例1−3
PTFEファインパウダー(旭硝子株式会社製「フルオンCD123」)から作製例1−1と同様にして、厚み:0.1mm、幅:150mmの未焼成テープを作製した。この未焼成テープを、2軸延伸機を用い、延伸温度:300℃、延伸速度:20%/秒の条件で、まずMD方向に15倍(1400%)に延伸し、次いでTD方向に15倍(1400%)延伸した。次いで四辺を固定した状態で、360℃で5分焼成を行い、延伸多孔質PTFEフィルムを得た。得られた延伸多孔質PTFEフィルムを用い、作製例1−1と同様にしてPTFE膜を得た。得られたPTFE膜の構造および特性を表1に示す。
【0091】
作製例1−4
作製例1−1と同様にして得られた未焼成テープを、2軸延伸機を用い、延伸温度:300℃、延伸速度:50%/秒の条件で、まずMD方向に14倍(1300%)に延伸し、次いでTD方向に35倍(3400%)延伸した。次いで四辺を固定した状態で、360℃で5分焼成を行い、延伸多孔質PTFEフィルムを得た。得られた延伸多孔質PTFEフィルムを用い、作製例1−1と同様にしてPTFE膜を得た。得られたPTFE膜の構造および特性を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】
表1中、「斜め方向」は、MD方向に対して+45°の方向を意味している。
【0094】
<作製例2 フッ素樹脂チューブ状物の作製>
作製例2−1
作製例1−1で得られたPTFE膜の片面にコロナ放電処理(条件:50W/m2・min)を施した。その後、このPTFE膜を芯金(SUS304製円柱、外径:26.2mm、幅:500mm)に巻き付けた。巻き付けは、PTFE膜のコロ放電処理面が内側となるように、且つMD方向が芯金の円周方向となるように、のり巻き状に6.1ラップ[6回(6層)巻回し、さらに最表面にあるPTFE膜端部から円周長さの0.1倍分だけが7層目を形成している状態]巻き付けた。その後、芯金の円柱軸方向のフィルム端部をリング状ストッパーで固定した。これを400℃のオーブンに入れて30分焼成し、冷却後にストッパーを外し、芯金を抜いて、最大肉厚が10.5μm(7層部厚み:10.5μm、6層部厚み:9.0μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0095】
作製例2−2
PTFE膜のTD方向が芯金の円周方向となるように巻き付けた他は、作製例2−1と同様にして、最大肉厚が10.5μm(7層部厚み:10.5μm、6層部厚み:9.0μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0096】
作製例2−3
作製例1−2で得られたPTFE膜を用いたこと、およびコロナ放電処理後の芯金への巻回を2.1ラップとしたこと以外は、作製例2−1と同様にして、最大肉厚が15.0μm(3層部厚み:15.0μm、2層部厚み:10.0μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0097】
作製例2−4
PTFE膜のTD方向が芯金の円周方向となるように巻き付けた他は、作製例2−3と同様にして、最大肉厚が15.0μm(3層部厚み:15.0μm、2層部厚み:10.0μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0098】
作製例2−5
コロナ放電処理後のPTFE膜の、芯金への巻回を1.5ラップとした以外は、作製例2−3と同様にして、最大肉厚が10.0μm(2層部厚み:10.0μm、1層部厚み:5.0μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0099】
作製例2−6
PTFE膜を芯金(SUS304製円柱、外径:30.7mm、幅:500mm)に巻付ける以外は、作製例2−1と同様にして、最大肉厚が10.5μm(7層部厚み:10.5μm、6層部厚み:9.0μm)、内径:30.8mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0100】
作製例2−7
作製例1−3で得られたPTFE膜を用いた以外は、作製例2−1と同様にして、最大肉厚が9.8μm(7層部厚み:9.8μm、6層部厚み:8.4μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0101】
作製例2−8
作製例1−3で得られたPTFE膜を用いた以外は、作製例2−2と同様にして、最大肉厚が9.8μm(7層部厚み:9.8μm、6層部厚み:8.4μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0102】
作成例2−9
作製例1−4で得られたPTFE膜を用いた以外は、作製例2−1と同様にして、最大肉厚が10.5μm(7層部厚み:10.5μm、6層部厚み:9.0μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0103】
作製例2−10
作製例1−4で得られたPTFE膜を用いた以外は、作製例2−2と同様にして、最大肉厚が10.5μm(7層部厚み:10.5μm、6層部厚み:9.0μm)、内径:26.3mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0104】
作製例2−11
作製例1−3で得られたPTFE膜を用いた以外は、作製例2−6と同様にして、最大肉厚が9.8μm(7層部厚み:9.8μm、6層部厚み:8.4μm)、内径:30.8mmのフッ素樹脂チューブ状物を得た。得られたフッ素樹脂チューブ状物の構造および特性を表2に示す。
【0105】
【表2】
【0106】
表2中、「円周方向」および「軸方向」は、夫々フッ素樹脂チューブ状物の円周方向および軸方向を意味している。
【0107】
<作製例3 定着ロールの作製>
作製例3−1
作製例2−1で得られたフッ素樹脂チューブ状物の片側端部をクリップで閉じ、その内部に25℃のNa/ナフタレン錯塩溶液(潤工社製「テトラH」)を注いで10秒保持した後、該溶液をチューブ状物から排出した。続いて、メタノール、水、メタノールの順に、Na/ナフタレン錯塩溶液と同様にフッ素樹脂チューブ状物内に注いで各10秒保持し、排出する操作を行った。その後、このフッ素樹脂チューブ状物の内外面にエアを吹き付けて乾燥させた。
【0108】
乾燥後のフッ素樹脂チューブ状物内面にプライマー(東レダウコーニング社製「DY39−051」)を塗布し、内径:26.7mmのロール成形用金型の内壁に添装した。さらにフッ素樹脂チューブ状物の内部中央にアルミニウム芯軸(外径:25.5mm、胴長:410mm)を配し、フッ素樹脂チューブ状物とアルミニウム芯軸との間にシリコーンゴム(信越化学社製「KE−1356」)を注入し、130℃で30分熱硬化させ、さらに200℃で4時間2次硬化させて、フッ素樹脂チューブ状物を表層に有する定着ロールを得た。
【0109】
作製例3−2〜3−9
表3に示すフッ素樹脂チューブ状物を用いた他は、作製例3−1と同様にして、フッ素樹脂チューブ状物を表層に有する定着ロールを得た。
【0110】
【表3】
【0111】
<評価>
上記作製例3−1〜3−9で得られた定着ロールを、富士ゼロックス社製カラープリンター「DocuPrintC2220」に搭載して通紙評価を行い、通紙に伴う定着ロール表層でのシワの発生と、そのシワ跡の印刷画像への影響を調べた。通紙評価の結果の表記基準を表4に、評価結果を表5に示す。
【0112】
【表4】
【0113】
【表5】
【0114】
引張弾性率および5%引張応力が、円周方向、軸方向共に好適な値であるフッ素樹脂チューブ状物(作製例2−1〜2−5)を表層材に用いた定着ロール(作製例3−1〜3−5)では、通紙枚数が非常に多い段階でも、表層の状態が良好で、印刷画像への悪影響が抑えられており、長期間の使用に耐え得る耐久性を有していることを示している。これに対し、引張弾性率および5%引張応力が、円周方向および/または軸方向について、好適な値を示さないフッ素樹脂チューブ状物(作製例2−7〜2−10)を表層材に用いた定着ロール(作製例3−6〜3−9)では、通紙枚数が比較的少ない段階で表層の状態が悪化している。
【0115】
また、作製例3−3の定着ロールと、作製例3−5の定着ロールを用いた場合の印刷画像での光沢ムラの有無を調べ、これらに用いたフッ素樹脂チューブ状物(作製例2−3および2−5)の肉厚の厚み差による影響を調べた。その結果、作製例3−5の定着ロールを用いて得られた印刷画像では、この定着ロールの原料フッ素樹脂チューブ状物(作製例2−5)におけるフッ素樹脂膜の巻回数が2回を下回っているため、このチューブ状物内で、最も厚い部分での厚みが、最も薄い部分の約2倍となっており、これに起因する光沢ムラが生じた。これに対し、作製例3−3の定着ロールを用いて得られた印刷画像では、この定着ロールの原料フッ素樹脂チューブ状物(作製例2−3)におけるフッ素樹脂膜の巻回数が2回以上であり、このチューブ状物内での厚み差が小さくなっているため、上記のような光沢ムラは発生しなかった。
【0116】
<作製例4 定着ベルトの作製>
作製例4−1
ポリイミドワニス(宇部興産社製「UワニスS」)を芯金(SUS304製円柱、外径:30.0mm、幅:500mm)の外壁に塗布し、この芯金を内径31.0mmのダイスの中心に通して、余剰なポリイミドワニスを掻き落とし、芯金上にポリイミドワニスの塗布膜を得た。次いで300℃で30分間加熱した後、芯金を取外し、厚さ50μm、外径30.0mm、長さ400mmのポリイミドチューブを得た。得られたポリイミドチューブの外表面をコロナ放電処理(条件:100W/m2・min)した後、プライマー(東レダウコーニング社製「DY39−012」)を約2μmの厚みで塗布し、芯金(SUS304製円柱、外径:29.9mm、幅:500mm)をポリイミドチューブの中空に挿入した。
【0117】
作製例2−6で得られたフッ素樹脂チューブ状物に、作製例3−1と同様にして内面処理とプライマー処理を施した後、ロール成形用金型(SUS304、内径:31.2mm、幅:500mm)の内壁に添装した。このロール成形用金型中空部の中心に上記のポリイミドチューブが被せられた芯金を挿入し、フッ素樹脂チューブ状物とポリイミドチューブとの間にシリコーンゴム(信越化学社製「KE−1356」)を注入し、130℃で30分熱硬化させ、さらに200℃で4時間2次硬化させた後に、ロール成形用金型と芯金を取り外して最大肉厚が65μm(ポリイミド層、シリコーンゴム層、フッ素樹脂層)、外径:31.2mm、長さ343mmのフッ素樹脂チューブ状物を表層に有する定着ベルトを得た。
【0118】
作製例4−2
作製例2−11で得られたチューブを用いた以外は、作製例4−1と同様にして、最大肉厚が65μm(ポリイミド層、シリコーンゴム層、フッ素樹脂層)、外径:31.2mm、長さ343mmのフッ素樹脂チューブ状物を表層に有する定着ベルトを得た。
<評価>
富士ゼロックス社製カラープリンター「DocuPrintC2220」の定着ユニットを取出して台座に固定し、定着ロールシャフトに取り付けられたギアと外部モーターの軸に取り付けられたギアを噛み合わせて、モーターの駆動を定着ロールに伝え、定着ユニットの定着ロールと定着ベルトがニップした状態で回転駆動できるベンチ評価機を作製した。このベンチ評価機に作製例4−1、4−2で得られたベルトを搭載して、室温で48rpm(定着ロール基準)の回転駆動を連続で加えた時の、定着ロール表層でのシワの発生と、そのシワ跡の印刷画像への影響を調べた。連続駆動評価の結果の表記基準を表6に、評価結果を表7に示す。
【0119】
【表6】
【0120】
【表7】
【0121】
引張弾性率および5%引張応力が、円周方向、軸方向共に好適な値であるフッ素樹脂チューブ状物(作製例2−6)を表層材に用いた定着ベルト(作製例4−1)では、駆動時間が非常に長い段階でも、表層の状態が良好であり、長期間の使用に耐え得る耐久性を有していることを示している。これに対し、引張弾性率および5%引張応力が、円周方向および軸方向について、好適な値を示さないフッ素樹脂チューブ状物(作製例2−11)を表層材に用いた定着ロール(作製例4−2)では、駆動時間が比較的短い段階で表層の状態が悪化している。
【0122】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、高画質や消費電力の低減を達成し得る画像定着装置の定着ロールや定着ベルトの表層材として用いた場合に、表層シワや表層変形、表層破れの発生を高度に抑制可能な、耐久性に優れたフッ素樹脂チューブ状物を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】芯金に対して、帯状のフッ素樹脂膜を螺旋状に巻回する方法を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1 帯状フッ素樹脂膜
2 芯金
3 巻回相当長さ
Claims (12)
- ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂としてのポリテトラフルオロエチレンを構成要素に含むチューブ状物であって、
最大肉厚が20μm以下であり、
円周方向およびチューブ軸方向での引張弾性率が、いずれも900N/mm2以上であることを特徴とするフッ素樹脂チューブ状物。 - ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂膜を巻回したチューブ状物であって、
最大肉厚が20μm以下であり、
円周方向およびチューブ軸方向での引張弾性率が、いずれも900N/mm 2 以上であることを特徴とするフッ素樹脂チューブ状物。 - 上記チューブ状物は、ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂膜を2回以上巻回積層して形成されるものであり、且つ
該フッ素樹脂膜は、平面視のいずれの方向についても、引張弾性率が500N/mm2以上である請求項1又は2に記載のフッ素樹脂チューブ状物。 - ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂としてのポリテトラフルオロエチレンを構成要素に含むチューブ状物であって、
最大肉厚が20μm以下であり、
円周方向およびチューブ軸方向での5%伸張時の引張応力が、いずれも15N/mm2以上であることを特徴とするフッ素樹脂チューブ状物。 - ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂膜を巻回したチューブ状物であって、
最大肉厚が20μm以下であり、
円周方向およびチューブ軸方向での5%伸張時の引張応力が、いずれも15N/mm 2 以上であることを特徴とするフッ素樹脂チューブ状物。 - 上記チューブ状物は、ポリテトラフルオロエチレン系フッ素樹脂膜を2回以上巻回積層して形成されるものであり、且つ
該フッ素樹脂膜は、平面視のいずれの方向についても、5%伸張時の引張応力が20N/mm2以上である請求項4又は5に記載のフッ素樹脂チューブ状物。 - 上記チューブ状物は、表面粗さ(Ra)が0.5μm以下である請求項1〜6のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブ状物。
- 上記チューブ状物は、内面に接着性向上のための表面処理が施されているものである請求項1〜7のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブ状物。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブ状物を表層に有するものであることを特徴とする定着ロール。
- 請求項1〜8のいずれかに記載のフッ素樹脂チューブ状物を表層に有するものであることを特徴とする定着ベルト。
- 請求項9に記載の定着ロールを有するものであることを特徴とする画像定着装置。
- 請求項10に記載の定着ベルトを有するものであることを特徴とする画像定着装置。
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