JP3738629B2 - 携帯型電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、個人識別機能を有する携帯型電子機器に関するものであり、とくに個人情報として、指紋を検出することにより、個人識別を行うことが可能な携帯型電子機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図17は、D.Inglis他、``A Robust、 1.8V 250μW Direct-Contact 500dpi Fingerprint Sensor''、IEEE International Solid-State Circuit Conference、 SA 17.7、 pp284-285、1998に示された、指紋入力センサの原理を示す素子断面図であり、図18は指紋入力センサの構造を示す図である。
【0003】
図17において、91はセンサ面にあてられた指、92はセンサ面、93センサ面92の下方に位置する複数の感知素子、94は指紋の凸部分と感知素子との距離、95は指紋の凹部分と感知素子との距離である。
図18において、96は指紋照合センサチップ全体、97は指紋感知エリアである。
【0004】
次に動作について説明する。
図17において、指91がセンサ面92にあてられると、感知素子93と指紋表面との間の距離に応じた静電容量が生じる。
指紋の凸部分と感知素子との距離94は指紋の凹部分と感知素子との距離95よりも短いため、大きな静電容量を有する。
これら静電容量の値を電気的に読み出すことにより指紋の凹凸を電気信号に変換して取り出す事ができる。
【0005】
次に、図18において、感知素子を96のように二次元アレイ状に並べ、縦横にスキャンすることにより、指紋の感知エリア97に置かれた指紋の凹凸を画像としてとらえることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の指紋照合センサは、ワンチップのソリッドステート指紋照合センサとして小型の機器に容易に組み込む事ができるが、全体のサイズの小型化が求められる一方で表示部、操作部の大型化が求められている携帯型電子機器に指紋を検出するための面積を十分に確保することができなかった。
本願発明は上述のような問題を解決するためになされたものであり、携帯型電子機器本来の操作性を損なう事無く指紋照合センサを設けた携帯用電子機器を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る携帯型電子機器は、第1の検出面と、第1の検出面の下方に位置し、第1の検出面に指を乗せたとき、第1の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を一次元に配列した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、第2の検出面の下方に位置し、第2の検出面に指を乗せたとき、第2の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を第1のライン状センサの感知素子の配列方向とは垂直に一次元に配列した第2のライン状センサを備えたセンサ部と、第1のライン状センサおよび第2のライン状センサ上であって第2のライン状センサの感知素子の配列方向に沿って指を動かすことにより、第1のライン状センサで検出される異なる複数の指紋の凹凸情報を第2のライン状センサで検出される指紋の凹凸情報の変化に基づき繋ぎあわせることにより指紋画像を生成する画像処理部と、前記画像処理部により生成された指紋画像の一部である部分指紋画像と予め用意された指紋画像との一致する部分を調べる指紋照合部、前記指紋照合部により一致する部分が有ると判断された部分指紋画像を記憶する一致度記憶部、前記一致度記憶部に記憶された部分指紋画像を1つの指紋画像となるように合成する一致度合成部、および前記一致度合成部により合成した指紋画像と前記予め用意された指紋画像とが一致するかどうかを判定する照合判定部を有する登録照合部とを備えた指紋照合センサを携帯型電子機器本体に設けたものである。
【0008】
この発明に係る携帯型電子機器は、第1の検出面と、第1の検出面の下方に位置し、第1の検出面に指を乗せたとき、第1の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を一次元に配列した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、第2の検出面の下方に位置し、第2の検出面に指を乗せたとき、第2の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を2次元に配列したアレイ状センサを備えたセンサ部と、第1のライン状センサおよびアレイ状センサ上で指を動かすことにより、第1のライン状センサで検出される異なる複数の指紋の凹凸情報をアレイ状センサで検出される指紋の凹凸情報の変化に基づき繋ぎあわせることにより指紋画像を生成する画像処理部と、前記画像処理部により生成された指紋画像の一部である部分指紋画像と予め用意された指紋画像との一致する部分を調べる指紋照合部、前記指紋照合部により一致する部分が有ると判断された部分指紋画像を記憶する一致度記憶部、前記一致度記憶部に記憶された部分指紋画像を1つの指紋画像となるように合成する一致度合成部、および前記一致度合成部により合成した指紋画像と前記予め用意された指紋画像とが一致するかどうかを判定する照合判定部を有する登録照合部とを備えた指紋照合センサを携帯型電子機器本体に設けたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は実施の形態1の携帯電子機器を示す図である。
携帯型電子機器としては、例えば携帯電話、携帯PCなど種々のものがあるが、ここでは携帯型電子機器として携帯電話を例にし、指紋照合センサを携帯電話に設けたものを例に説明を行う。
図において、24、26は携帯型電子機器本体に対応する携帯電話本体であり携帯電話本体24、26はそれぞれ例えば液晶画面といった表示画面を有する。
25、27は携帯電話本体24、26のそれぞれに設けられた指紋照合センサのセンサ部である。
【0014】
センサ部25は第1の検出面と、第1の検出面の下方に位置し、第1の検出面に指を乗せたとき、第1の検出面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化する感知素子を一次元に配列した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、第2の検出面の下方に位置し、第2の検出面に指を乗せたとき、第2の検出面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化する感知素子を第1のライン状センサの長手方向と垂直に一次元に配列した第2のライン状センサを備えたものである。
【0015】
普通人間の指の表面には指紋が形成されており、指紋の凸部は第1の検出面、第2の検出面に接触するものの、指紋の凹部は第1の検出面、第2の検出面には接触しない。
従って、各感知素子を指紋の凹凸の間隔よりも短い間隔で配列すると第1のライン状センサにより第1の検出面上に位置する指紋の凹凸情報の一部を検出することができる。
また第2のライン状センサは、第1のライン状センサ同様、第2の検出面上に位置する指紋の凹凸情報を検出するとともに、第2の検出面上の長手方向に沿って指を動かすことにより検出される指紋の凹凸情報の変化から指の動き(移動速度)を検出する。
【0016】
センサ部27は上述した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、第2の検出面の下方に位置し、第2の検出面に指を乗せたとき、第2の検出面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化する感知素子を2次元に配列したアレイ状センサを備えたものである。
アレイ状センサは、第2の検出面上に位置する指紋の凹凸情報を検出するとともに、第2の検出面上で指を動かすことにより検出される指紋の凹凸情報の変化から指の動き(移動速度、移動する方向)を検出する。
【0017】
図2は実施の形態1の携帯型電子機器による指紋照合の動作を説明するための図である。
図3は図1(a)に示す指紋照合センサの動作を説明するためのブロック図である。
図2において、1は検出の対象となる指であり、この指1の指紋が指紋の登録、照合を行う対象となる。
2は第1のライン状センサに対応するライン状センサである。
3は第2のライン状センサに対応するエンコーダである。
ライン状センサ2、エンコーダ3によりセンサ部25を構成し、センサ部25、後述する画像処理部100、登録指紋データ200、登録照合部300により指紋照合センサを構成する。
9はエンコーダで捉えた指の移動速度情報、10は本指紋照合センサにより最終的に得られる二次元の指紋画像である。
100は指を動かすことによりライン状センサ2で検出される異なる複数の指紋の凹凸情報を上記エンコーダにより検出された上記指の動きに基づき繋ぎあわせることにより指紋画像を生成する画像処理手段に対応する画像処理部である。
200は登録指紋データ、300は画像処理部100により生成された指紋画像と登録指紋データ200との一致の度合いを調べることにより指紋の照合を行ったり、画像処理部100により生成された指紋画像そのものを登録指紋データとして登録する登録照合手段に対応する登録照合部である。
【0018】
次に図1(a)に示す携帯電話における指紋照合の動作について説明する。
ユーザーは指1をエンコーダ3上であって、その長手方向に沿う方向に動かすと同時に、指1を一次元のライン状センサ2上でスライドさせる。
このとき、一次元のライン状センサ2においては、一定間隔の時間毎(例えば内部クロックの周期毎)に一次元のライン状センサ2上に位置する指紋の凹凸情報である指紋画像の一部(指紋画像情報と称す)が取り込まれる。
同時にエンコーダ3では、一次元のライン状センサ2の指紋情報の取り込みサイクルに同期して指紋画像情報を検出するとともに、指紋画像情報の変化を計算することにより指の移動速度を計測し、移動速度情報9を得る。
【0019】
図2(c)において、一次元のライン状センサ2は、その長手方向と直交する方向にスライドさせた指から指紋画像情報を時系列的に取り込み、エンコーダ3はスライドさせた指の速度情報を時系列的に取り込む。
画像処理手段100は、エンコーダで捉えた指の移動速度情報9を用いて、一次元のライン状センサ2で捉えた時系列的な指紋画像情報10を重ね合わせ、二次元の指紋画像を再構成する。
図3において、9はエンコーダで捉えた指の移動速度情報、22は一次元のライン状センサ2でとらえた指紋画像情報10を時系列に配列した指紋画像情報列、23は指紋画像情報列22の各指紋画像情報10を移動速度情報9に基づき繋ぎ合わせることにより得られる指紋画像である。
【0020】
画像処理部100は図2(d)において、一次元のライン状センサ2でとらえた時系列の指紋画像情報10はエンコーダで捉えた指の動き、移動速度情報9に基づいた間隔で、この図では縦方向にあたる時間方向に並べられる。
一方隣り合う指紋画像情報10において移動速度情報9が大きいものに対しては、近傍の情報を用いて平均値計算によって画素を補間した指紋画像情報を生成した後、この指紋画像情報を該当する指紋画像情報の間に入れて繋ぎ合わせることにより、最終的に二次元の指紋画像23を再構成する。
【0021】
得られた指紋画像23登録照合部300により予め用意された指紋登録データ200に登録された指紋画像との一致の度合いを調べることにより指紋の照合が行われる。
指紋の照合が行われ、指紋登録データ200に登録された指紋画像と一致すると判断すると、所定の操作が行われるようにし、そうでない場合は携帯電話の機能を使えなくするまたは携帯電話の一部の機能のみ使えるように構成すれば、装置のセキュリティを高くすることができる。
【0022】
図1の携帯電話では、センサ部25に一次元のライン状センサ2を用いることにより、長手方向に限っては二次元のアレイ状センサよりもはるかに低いコストでより分解能が高いものを構成することができる。
更に一次元のライン状センサ2の面積は指の面積(特に指紋の面積)よりも十分小さいので、実装面積も大きく削減することができる。
本実施の形態の携帯型電子機器は限られた実装面積の中で、機器本来の使用の簡便性を損なう事無く、指紋照合センサを実装することを可能にする。
【0023】
ここではエンコーダは一次元のライン状指紋照合センサと同一構造のライン状センサを指紋照合センサの長手方向と直交する方向にT字型に設置する方法で実現しているが、これ以外にも十字型に設置する、あるいはL字型に設置する等、様々な方法による実現が可能である(図示せず)。
【0024】
例えば、ライン状センサ2、エンコーダ3の取り込みサイクルを1/1000000(sec)とし、指のスライドの速度を15(mm/sec)とすると、1サイクルで15×1000/1000000=0.015(μm)動く。
通常大人の指紋を捉えるための二次元アレイ状センサの必要分解能は50(μm)と言われているため、十分に所望の分解能を実現することができる。また分解能に余裕があるために、指の動く速さの不均一さを補正するための、例えば平滑化等の処理を精度良く行うことができる。
このような手法により、二次元のアレイ状センサよりもはるかに低いコストでより分解能が高いものを構成することができる。
【0025】
図4は図1(b)に示す携帯型電子機器の動作を説明するための図である。
図4(a)、(b)は指をなぞるときの動作をそれぞれ横方向、上方向から見たときの図である。
図4(c)、(d)は指紋照合センサにより指紋画像が得られる動作を説明するための図である。
図4において、11は検出の対象となる指であり、この指11の指紋が指紋の照合、登録を行う対象となる。
12は第1のライン状センサに対応するライン状センサである。
13はアレイ状センサに対応するエンコーダである。
エンコーダ13は指の動き(特に動く方向、移動速度)を検出するものである。
21はエンコーダ13で捉えた指の動き(指の動く速度に対応する移動速度情報、指の移動方向情報)を有する移動情報である。
一次元のライン状センサ12、エンコーダ13によりセンサ部30を構成し、センサ部30、画像処理部100、登録指紋データ200、登録照合部300により指紋照合センサを構成する。この場合において画像処理部100はエンコーダ13により得られる指の動き(特に動く方向、移動速度)に基づき一次元のライン状センサ12より得られる指紋画像情報20を繋ぎ合わせるものである。
23は指紋照合センサにより得られる指紋画像である。
【0026】
次に動作について説明する。
図4(a)、(b)において、ユーザーは指11を一次元のライン状センサ12上で、一次元のライン状センサ12と略直交する方向にスライドさせながら指紋画像を取り込む。その際にエンコーダ13は一次元のライン状センサ12の指紋画像情報の取り込みサイクルに同期して指紋画像情報を取り込みながら、取り込んだ情報の変化を計測することにより指の移動速度、移動する方向を計測する。
【0027】
図4(c)において、一次元のライン状センサ12は、その長手方向と略直交する方向にスライドさせた指から指紋情報を時系列的に取り込み、エンコーダ13はスライドさせた指の速度情報と移動方向情報を時系列的に取り込む。
図4(d)において画像処理手段100は、エンコーダ13で捉えた指の移動情報19を用いて、一次元のライン状センサ12で捉えた時系列的な指紋の凹凸情報である指紋画像情報20を繋ぎ合わせ、指紋画像を再構成する。
【0028】
エンコーダ13で指の移動速度情報だけでなく、移動方向情報も捉える事ができる場合は、指のスライドと直交する方向、この図では横方向のずれを考慮し、隣り合う指紋画像情報20を紙面左右方向にずらしながら、近傍の情報を用いて平均値計算によって画素を補間し、最終的に二次元の指紋画像23を再構成する。
エンコーダ13は感知素子を二次元のアレイ状に設けているので、例えば指をスライドさせる際にスライド方向から左右へずれが生じた場合でも、そのずれを考慮して二次元の指紋画像を再構成することが可能である。
【0029】
このように、本発明に係わる携帯型電子機器は、実装面積の中で、機器本来の使用の簡便性を損なう事無く、指紋照合センサを実装することが可能となる。
【0030】
図5は本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図であり、より具体的には図5(a)は二次元アレイ状センサ部を有する指紋照合センサを携帯電話に搭載したものを示す図であり、図5(b)は指紋照合センサの動作を説明するためのブロック図である。
【0031】
図において、30は携帯電話本体29のそれぞれに設けられた指紋照合センサのセンサ部である。
センサ部30は第1の検出面と、第1の検出面の下方に位置し、第1の検出面に指を乗せたとき、第1の検出面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化する感知素子を2次元に配列したアレイ状センサであり、センサ部30の第1の検出面は一度に必要な指紋画像の取り込みを行うことのできる程度の面積を有している。
センサ部30は例えば、携帯電話本体の表示画面と入力ボタンとの間に配置されている。
図5(a)においてに示すように、指紋を検出するセンサ部30に対応する二次元アレイ状センサ25を携帯電話本体に設けてもよい。
二次元アレイ状センサ25は指をその上に乗せることにより、感知素子により検出される静電容量の変化を画像処理部100により指紋画像に変換するものである。
このように構成することにより、上述に説明したように指紋の凹凸情報を繋ぎ合わせる処理が必要なくなるため、正確な指紋画像を一度に取り込むことができる。
【0032】
図5においては、二次元アレイ状センサを構成する感知素子は例えば50(μm)ピッチで縦に300個、横に300個配置されるため、感知領域だけで理論的には15×15(mm2)の実装面積を必要とする。実際には素子のモールド部分や信号取り出し線の面積も含めて20×20(mm2)程度の大きさになる。
なお、図1(a)、図1(b)においては前述の通常二次元アレイ状センサと比して、半分以下の面積でセンサ部25、27を実装する事が可能である。
【0033】
実施の形態2.
実施の形態2の携帯型電子機器は、センサ部を携帯型電子機器の表示画面の一部に設けたことを特徴とするものである。
図6は実施の形態2の携帯型電子機器を示す図である。
図において、32、35、38は携帯型電子機器本体に対応する携帯電話本体であり、携帯電話本体32、35、38のそれぞれは表示画面を有する表示器を備え、表示画面を構成する透明電極の一部は表示画面表面に指を乗せたとき、表示画面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化するものであって、これを一次元のライン状に並べたもの、またはアレイ状に並べたものである。
【0034】
図6(a)では表示画面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化する透明電極を一次元のライン状に並べたものが2つ有り、それぞれ長手方向が直交し、一方をライン状センサ、他方をエンコーダとしたセンサ部33設けたものである。
図6(b)では表示画面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化する透明電極を一次元のライン状に並べたものと、アレイ状に並べたものがあり、一次元のライン状に並べたものをライン状センサ、アレイ状に並べたものをエンコーダとしたセンサ部35を設けたものである。
図6(b)では表示画面と乗せた指との間の距離に基づき静電容量が変化する透明電極をアレイ状に並べたものをセンサ部39としたものである。
【0035】
33は表示画面上に一体形成された二次元のアレイ状センサ、36は表示画面上に一体形成された一次元のライン状センサと一次元のライン状エンコーダ、39は表示画面上に一体形成された、一次元のライン状センサと二次元の小型エンコーダである。
このように表示画面の一部をセンサ部とすることにより、表示画面とは別にセンサ部を設ける必要が無くなるため、指紋照合センサを有する携帯電話の小型化に寄与する。
【0036】
実施の形態3.
図7は実施の形態3の携帯電子機器を示す図である。
図7において、41は指紋照合センサを搭載する携帯電話本体、42は表示画面上に形成されたライン状センサとエンコーダとを有するセンサ部、43は表示画面上に一体形成された携帯型電子機器本体の入力ボタン(この例では携帯電話の入力ボタン)である。
45は指紋照合センサを搭載する携帯電話本体、46は表示画面上に一体形成された、一次元のライン状センサ、アレイ状のエンコーダを有するセンサ部、47は表示画面上に一体形成された携帯型電子機器本体の入力ボタン(この例では携帯電話の入力ボタン)である。
49は指紋照合センサを搭載する携帯電話本体、50は表示画面上に一体形成されたライン状センサ、エンコーダを有するセンサ部、51は表示画面上に一体形成された携帯型電子機器本体の入力ボタン(この例では携帯電話の入力ボタン)である。
【0037】
このように、本実施の形態の携帯型電子機器は、センサ部を含め、入力ボタン等の入力インターフェースを表示インターフェースと一体化して構成することにより、携帯電話の筐体が入出力兼用インターフェースとすることが可能となるとともに、表示画面の一部または全部を二次元アレイ状センサ、一次元のライン状センサ、エンコーダとすることにより、これらを設けるための容積を必要としないので、指紋照合センサを搭載する携帯電話をより小型にすることができる。
このように、本発明に係わる携帯型電子機器は、限られた実装面積の中で、機器本来の使用の簡便性を損なう事無く、指紋照合センサを実装することを可能にする。
【0038】
実施の形態4.
図8は実施の形態4の携帯型電子機器を示す図である。
図8において53、55は携帯型電子機器に対応する携帯電話本体である。
54、56は一次元のライン状センサと、一次元のライン状のエンコーダとを備えたセンサ部であり、センサ部54、56それぞれ携帯電話本体53、55の側面に設けられている。
【0039】
センサ部54は一次元のライン状センサと、一次元のライン状のエンコーダで組み合わされており、エンコーダの長手方向と携帯電話本体の側面の長手方向が同じであり、エンコーダの長手方向に指をスライドさせることにより指紋情報を入力するため、エンコーダの長さを十分に確保する事ができるので、エンコーダによる検出精度を高くすることができる。
一方、センサ部56は一次元のライン状センサと、エンコーダで組み合わされており、一次元のライン状センサの長手方向と携帯電話本体の側面の長手方向が同じであり、エンコーダの長手方向に指をスライドさせることにより指紋情報を入力するため、一次元のライン状センサの長さを十分に確保する事ができるので、一度に取り込むことができる指紋画像情報の大きさを十分に確保することができるので、得られる指紋画像もこれに応じて大きくなり、画像の照合の精度を高くすることが可能となる。
このように、実施の形態の携帯型電子機器は、センサ部を側面に設けたので、限られた実装面積の中で、機器本来の使用の簡便性を損なう事無く、指紋照合センサを実装することを可能にする。
【0040】
実施の形態5.
図9、10は本実施の形態の携帯電子機器を示す図である。
図において、57は指紋照合センサを搭載する携帯電話本体、58は携帯電話本体57のバッテリーを備えたバッテリーパック、59は携帯電話本体57の背面に設置されたセンサ部である。
63は携帯電話上の電極端子、65は携帯電話のバッテリー上の電極端子である。
【0041】
図において、指紋照合センサを搭載する携帯電話本体57の背面(つまり携帯電話の入力ボタンが位置する面に対向する面)にはバッテリーパック58が搭載されている。
指紋照合センサのセンサ部59をバッテリーパック58の奥に搭載し、指紋取り込み時はバッテリーパック58を図9(b)または図10(d)のようにスライドさせることによりセンサ部59が表出するように構成している。
【0042】
このように構成することにより、携帯型電子機器の表面実装面積を省くとともに、普段使用しない指紋照合センサのセンサ部59を保護し、さらにバッテリーパック58をスライドさせることにより形成されるすき間を指置きガイドとなる様にすれば、ユーザーはより指紋を取り易くなる。
【0043】
図9において、携帯電話本体57の裏面にはバッテリーとの電極端子63が搭載されている。
また、バッテリーパック58側にも電極端子65が搭載されている。
これらの電極端子63、65はバッテリーパックのスライドの際にも携帯型電子機器に必要な電力を滞り無く供給するように、長いレール状の構造を持つ。
【0044】
また、指紋の取り込みを行わない状態には図9(a)、図10(c)に示すようにバッテリーパック58が携帯電話57に嵌め合わされた状態になっている。
指紋の取り込みを行うときには、図9(b)、図10(d)に示すようにセンサ部59が表出する程度までバッテリーパック57をスライドさせる。
この状態において、電極端子63と電極端子65とは互いに接触した状態となるように予め設計されており、携帯電話57には必要な電力が供給される。
また、バッテリー交換時には、図10(e)に示すようにバッテリーパック57を携帯電話57から取り外せばよい。
本実施の形態の携帯型電子機器は上述のように構成されているので、限られた実装面積の中で、機器本来の使用の簡便性を損なう事無く、指紋照合センサを実装することを可能にする。
【0045】
実施の形態6.
図11〜図14は本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
本実施の形態の携帯型電子機器の指紋照合センサは指の位置、移動方向、移動速度、移動量、設置面積、設置面積の変化率等を計測し、計測した情報に基づき所定の動作を行うように構成したものである。
図において、75は指紋を取り込むユーザーの指、76は指紋照合センサのセンサ部であり、センサ部76は2次元のアレイ状センサとしたものである。
77はセンサ部76の感知範囲領域、78はセンサ部76により取り込まれた二次元の指紋画像である。
【0046】
79は指紋を取り込むユーザーの指、80は指紋照合センサのセンサ部であり、センサ部80は2次元アレイ状センサである。
82は感知範囲領域76に置かれた指の画像である。
86は感知範囲領域76に置かれた指の画像である。
90は感知範囲領域76に置かれた指の画像である。
【0047】
次に動作について説明する。
図11(a)において、ユーザーは指紋を取り込むために指75をセンサ部76に置く。
センサ部はその感知範囲領域77全体に置かれた指紋画像を取り込み、図11(b)に示すように二次元の指紋画像78を得る。
【0048】
図12(a)において、ユーザーはボタンの代わりに指79を立ててセンサ部80に置く。
センサ部76はその感知範囲領域77全体で指紋画像を取り込み、図12(b)に示すような二次元の画像82を得て、指の置かれた位置を求め、その位置のボタンが押された事に相当する応答を行う。
【0049】
図13(a)に示すように、ユーザーはカーソルスクロールポインタの代わりに指83を立ててセンサ部76に置き、センサ部の感知領域範囲内77内の所定の方向に移動させる。
センサ部76はその感知範囲領域77全体で指紋画像を取り込み、図13(b)に示すように時系列的に二次元の画像86を得て、指の移動した方向、速度を求め、カーソルスクロールやメニュースクロールが行われた事に相当する応答を行う。
【0050】
図14(a)において、ユーザーはパソコンで使われるマウスボタンの代わりに指87を立てて指紋照合センサ88を軽く叩く。
指紋照合センサはその感知範囲領域77全体で指紋画像を取り込み、図14(b)に示すように二次元の画像90を得て、指の置かれた位置と面積の変化または変化率に基づいてボタンがクリック押された事に相当する応答を行う。
【0051】
このように、通常の指紋取画像の取得モードでは、指紋の取得を行う。
一方指紋照合センサを通常の指紋取得以外の目的、例えば上述の動作を検知し、検知すれば、これに携帯電子機器の機能の一部を行わせるための動作に対応づけることにより、携帯型電子機器の使い勝手をよくするインターフェースとして使う事もできる。
このように、本発明に係わる携帯型電子機器は、指紋照合センサを指紋入力デバイスだけではなく、例えばメニュースクロールやカーソルの移動等のポインティングデバイス、ボタンのオンオフ等に用いることにより、携帯型電子機器使用上の簡便な入力インターフェースとして用いることを可能にする。
【0052】
実施の形態7.
本実施の形態の携帯型電子機器は、センサ部により一度に取り込むことができる指紋画像が小さい場合(例えば指紋画像を取り込むライン状センサの長手方向の長さが小さい場合、またはアレイ状センサの面積が小さい場合など)であっても、指紋の照合を正確に行えるようにしたことを特徴とする。
図15は本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図であり、具体的には登録照合部300のより具体的な構成を説明するための図である。
図において、301は画像処理部100により得られた指紋の一部分の画像である部分指紋画像が登録された指紋画像(登録指紋データ200)との一致する部分を調べる指紋照合部、302は指紋照合部301により一致すると判断された部分指紋画像を記憶する一致度記憶部、303は一致度記憶部302により記憶された部分指紋画像を合成しより1つの指紋画像を生成する一致度合成部、304は合成した指紋画像と登録指紋データ200との一致の度合いを調べることによりセンサ部より取り込んだ画像と、登録指紋データ200とが一致するかごうかを判定する照合判定部である。
図において、ユーザーは携帯型電子機器の操作において本人の認証を要求されると、センサ部から照合用の指紋を複数回取り込み、それぞれについて画像処理部100により部分指紋画像を生成した後、指紋照合部300において、登録指紋データ200と一致する部分を調べ、一致する部分が有るものは一致度記憶部302へ送り、一致する部分が無いものは破棄する。
【0053】
一致度記憶部302は指紋照合部301より送られる画像を記憶するとともに、これを一致度合成部303へ送る。
一致度合成部303は一致する部分がある部分指紋画像を合成し、1つの指紋画像を生成し、これを照合判定部304へ送る。
照合判定部304は一致度合成部303により生成した生成した指紋画像と登録指紋データ200との一致の度合いを調べ、判定を行う。
このように構成することにより、センサ部より一度に取り込まれる指紋画像が小さなものであっても、指紋の取り込む個所を変えて取り込んだ後に、一致するものを合成しこれを比較することによりセンサ部において取り込むことができる指紋画像が小さなものであっても正確に指紋の照合を行うことが可能となるため小型でかつ照合精度の高い携帯型電子機器を得ることができる。
また複数回の指紋入力においてもなお本人認証が不可能と判定された場合は、指紋の入力を促す命令を携帯型電子機器の表示画面に表示し、これにより更に得られた部分指紋画像と、これまでにより得られた部分指紋画像とを用い照合を行えばより。
【0054】
次により具体的な指紋照合動作について図16を用いて説明する。
図16は本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図であり、具体的には図15に示す登録照合部300の動作を説明するための図である。
図において401〜406はセンサ部より取り込み、画像処理部100により生成された部分指紋画像である。
411〜416は部分指紋画像401〜406のそれぞれと登録指紋データ200との一致する部分を示す画像であり、401a〜406aは画像401〜406のそれぞれと登録指紋データ200との一致する部分である。
【0055】
420は部分指紋画像401〜406のすべてと登録指紋データ200との一致する部分を示す指紋画像であり、指紋画像420は一致度合成部303により合成された指紋画像である。
図において、記憶されている登録指紋データ200と第一回目に入力された部分指紋画像401との間で位置、回転、伸び縮み等を試行錯誤的に変化させながら、最適な適合位置合わせを行い、第一回目の照合結果である画像411(一致する部分411a)を得るとともに、これを一致度記憶部302に記憶する。
【0056】
以後同様の操作を繰り返すことにより、第二回目〜第四回目の照合結果である画像402〜404(一致する部分412a〜414a)を得るとともに、これを一致度記憶部302に記憶する。
記憶されている登録指紋データ200と第五回目に入力された部分指紋画像405との間で位置、回転、伸び縮み等を試行錯誤的に変化させながら、最適な適合位置合わせを行ったものの、指紋登録データ200との一致の度合いが一定の閾値よりも小さいため、部分指紋画像405は破棄される。
【0057】
記憶されている登録指紋データ200と第六回目に入力された部分指紋画像406との間で位置、回転、伸び縮み等を試行錯誤的に変化させながら、最適な適合位置合わせを行い、第一回目の照合結果である画像416(一致する部分416a)を得るとともに、これを一致度記憶部302に記憶する。
【0058】
各照合結果のうち、一致の度合いが一定の閾値よりも大きなものが一致度記憶部302に記憶され、一致度合成部303により合成された結果、指紋画像420(一致する部分を合成したのは指紋画像420a)が生成される。
この指紋画像420と、登録画像データとを照合判定部304により判定を行うことにより、個々の小さな画像の局所的な一致の度合いを調べるのではなく、合成したより大きな指紋画像420aと登録指紋データ200との一致の度合いを調べることにより、大域的な指紋画像の判定を行うことが可能となるため、一度に取り込める指紋画像が小さなものであっても照合の精度を高くすることができる。
【0059】
なお、照合判定部304の判定には種々のものあるが、例えば部分指紋画像を合成した指紋画像420aがカバーできる領域が登録されている指紋画像(登録指紋データ200)の領域に対して一定以上の割合になっており、かつ合成に採用された部分指紋画像と登録指紋の一致度の平均がある一定閾値よりも高ければ、個人承認が行われたものなるように構成すればよい。
【0060】
また、指紋画像420aと登録指紋データ200との一致する部分の照合は、部分指紋画像中の各画素の輝度値の差の絶対値を合計した値が小さいほど一致度が高いという評価を用いる方法がある。
または例えば、指紋画像420aと登録指紋データ200との照合は、指紋画像420a中の指紋隆線の端点、分岐点という特徴点を抽出し、それらの点の位置関係の近いものから順に対応点の組を見つけ出し、各点の距離の合計が小さいほど一致度が高いという評価を用いる方法がある。
【0061】
または例えば、指紋画像420aと登録指紋データ200との照合は、指紋画像420a中の各小領域における指紋隆線のエッジ方向を抽出し、対応する各小領域における指紋隆線のエッジ方向の差の合計が小さいほど一致度が高いという評価を用いる方法がある。
【0062】
または例えば、指紋画像420aと登録指紋データ200との照合は、指紋画像420a中の各小領域における指紋隆線の周波数(ピッチ)を抽出し、対応する各小領域における指紋隆線の周波数の差の合計が小さいほど一致度が高いという評価を用いる方法がある。
【0063】
または例えば、指紋画像420aと登録指紋データ200との照合は、前述の、指紋画像420a中の各画素の輝度値の差の絶対値の合計、指紋画像420a中の指紋隆線の端点、分岐点という特徴点の位置関係、指紋隆線のエッジ方向角の差の絶対値の合計、指紋隆線の周波数の差の絶対値の合計、等の評価結果を論理積で合成する方法がある。
【0064】
または例えば、指紋画像420aと登録指紋データ200との照合は、前述の、指紋画像420a中の各画素の輝度値の差の絶対値の合計、指紋画像中420aの指紋隆線の端点、分岐点という特徴点の位置関係、指紋隆線のエッジ方向角の差の絶対値の合計、指紋隆線の周波数の差の絶対値の合計、等の評価結果を論理和で合成する方法がある。
【0065】
または例えば、指紋画像420aと登録指紋データ200との照合は、前述の、指紋画像420a中の各画素の輝度値の差の絶対値の合計、指紋画像420a中の指紋隆線の端点、分岐点という特徴点の位置関係、指紋隆線のエッジ方向角の差の絶対値の合計、指紋隆線の周波数の差の絶対値の合計、等の評価結果を、十分に多くのサンプルを用いた試行錯誤的学習によって決定した各係数を掛けて、線形的に合成する方法がある。
【0066】
または例えば、指紋画像420aと登録指紋データ200との照合は、前述の、指紋画像420a中の各画素の輝度値の差の絶対値の合計、指紋画像420a中の指紋隆線の端点、分岐点という特徴点の位置関係、指紋隆線のエッジ方向角の差の絶対値の合計、指紋隆線の周波数の差の絶対値の合計、等の評価結果を、各評価結果を多次元のベクトル空間で合成記述する方法がある。
そして、多次元空間中で十分に多くのサンプルを用いた試行錯誤的学習によって決定した一致、不一致領域のいずれに入るかで判定することができる。
【0067】
なお、この実施の形態では、登録指紋データ200が携帯型電子機器の内部にあらかじめ組み込まれている構成について説明をしているがこれに限定される必要はない。
たとえば携帯型電子機器とは別体に設けた登録指紋データを得るために指紋を登録する手段を用いこれを通信手段を有する計算機などに格納し、携帯型電子機器の通信手段を用い必要に応じてとり込むように構成すれば携帯型電子機器の内部に登録指紋データを設ける必要は無くなる。
【0068】
また、指紋を登録する手段を携帯型電子機器購入時の購入場所やメインテナンスセンター等に設置すれば安全性を確保しつつ、利用者にとって便利に使用することができる。
つまり、指紋を登録する手段は携帯型電子機器とは別体に設けたものであって、指紋全体をカバーするような大型のものを用意し、指紋照合時は携帯型電子機器に実装した小型の指紋センサにより取り込まれた指紋画像が、登録されている指紋画像(登録指紋データ)のどの部分に一致するか、位置、回転、伸び縮み等を考慮しながら、最適な適合位置合わせを行い、指紋の一致度を計算する。
さらにこの指紋入力およびそれに引き続いて行われる指紋の一致度の計算を複数回行い、それぞれの指紋と登録指紋との一致度を合成して最終的なユーザーの承認を行うことにより、照合用の指紋センサを大型化することなく、指紋照合性能を向上させることを可能にとなる。
【0069】
このように、本発明に係わる携帯型電子機器は、小型の指紋センサを用いて、指紋照合性能を低下させることなく、個人認証を実現することを可能にする。
【0070】
【発明の効果】
この発明に係る携帯型電子機器によれば、第1の検出面と、第1の検出面の下方に位置し、第1の検出面に指を乗せたとき、第1の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を一次元に配列した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、第2の検出面の下方に位置し、第2の検出面に指を乗せたとき、第2の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を第1のライン状センサの感知素子の配列方向とは垂直に一次元に配列した第2のライン状センサを備えたセンサ部と、第1のライン状センサおよび第2のライン状センサ上であって第2のライン状センサの感知素子の配列方向に沿って指を動かすことにより、第1のライン状センサで検出される異なる複数の指紋の凹凸情報を第2のライン状センサで検出される指紋の凹凸情報の変化に基づき繋ぎあわせることにより指紋画像を生成する画像処理部と、前記画像処理部により生成された指紋画像の一部である部分指紋画像と予め用意された指紋画像との一致する部分を調べる指紋照合部、前記指紋照合部により一致する部分が有ると判断された部分指紋画像を記憶する一致度記憶部、前記一致度記憶部に記憶された部分指紋画像を1つの指紋画像となるように合成する一致度合成部、および前記一致度合成部により合成した指紋画像と前記予め用意された指紋画像とが一致するかどうかを判定する照合判定部を有する登録照合部とを備えた指紋照合センサを携帯型電子機器本体に設けたので、異なる複数の部分指紋画像を合成することにより、より大きな指紋画像が得られるため、センサ部により一度に取り込める指紋画像が小さいものであっても、照合の精度を高くすることができる。
【0071】
この発明に係る携帯型電子機器によれば、第1の検出面と、第1の検出面の下方に位置し、第1の検出面に指を乗せたとき、第1の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を一次元に配列した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、第2の検出面の下方に位置し、第2の検出面に指を乗せたとき、第2の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を2次元に配列したアレイ状センサを備えたセンサ部と、第1のライン状センサおよびアレイ状センサ上で指を動かすことにより、第1のライン状センサで検出される異なる複数の指紋の凹凸情報をアレイ状センサで検出される指紋の凹凸情報の変化に基づき繋ぎあわせることにより指紋画像を生成する画像処理部と、前記画像処理部により生成された指紋画像の一部である部分指紋画像と予め用意された指紋画像との一致する部分を調べる指紋照合部、前記指紋照合部により一致する部分が有ると判断された部分指紋画像を記憶する一致度記憶部、前記一致度記憶部に記憶された部分指紋画像を1つの指紋画像となるように合成する一致度合成部、および前記一致度合成部により合成した指紋画像と前記予め用意された指紋画像とが一致するかどうかを判定する照合判定部を有する登録照合部とを備えた指紋照合センサを携帯型電子機器本体に設けたので、異なる複数の部分指紋画像を合成することにより、より大きな指紋画像が得られるため、センサ部により一度に取り込める指紋画像が小さいものであっても、照合の精度を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図2】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図3】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図4】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図5】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図6】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図7】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図8】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図9】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図10】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図11】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図12】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図13】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図14】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図15】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図16】 本実施の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図17】 従来の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【図18】 従来の形態の携帯型電子機器を説明するための図である。
【符号の説明】
1:ユーザーの指
2:ライン状センサ
3:エンコーダ
27:センサ部
26:携帯電話本体
Claims (2)
- 第1の検出面と、前記第1の検出面の下方に位置し、前記第1の検出面に指を乗せたとき、前記第1の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を一次元に配列した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、前記第2の検出面の下方に位置し、前記第2の検出面に指を乗せたとき、前記第2の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を第1のライン状センサの感知素子の配列方向とは垂直に一次元に配列した第2のライン状センサを備えたセンサ部と、
前記第1のライン状センサおよび前記第2のライン状センサ上であって前記第2のライン状センサの感知素子の配列方向に沿って指を動かすことにより、前記第1のライン状センサで検出される異なる複数の指紋の凹凸情報を前記第2のライン状センサで検出される前記指紋の凹凸情報の変化に基づき繋ぎあわせることにより指紋画像を生成する画像処理部と、
前記画像処理部により生成された指紋画像の一部である部分指紋画像と予め用意された指紋画像との一致する部分を調べる指紋照合部、前記指紋照合部により一致する部分が有ると判断された部分指紋画像を記憶する一致度記憶部、前記一致度記憶部に記憶された部分指紋画像を1つの指紋画像となるように合成する一致度合成部、および前記一致度合成部により合成した指紋画像と前記予め用意された指紋画像とが一致するかどうかを判定する照合判定部を有する登録照合部とを備えた指紋照合センサを携帯型電子機器本体に設けたことを特徴とする携帯型電子機器。 - 第1の検出面と、前記第1の検出面の下方に位置し、前記第1の検出面に指を乗せたとき、前記第1の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を一次元に配列した第1のライン状センサ、および第2の検出面と、前記第2の検出面の下方に位置し、前記第2の検出面に指を乗せたとき、前記第2の検出面に乗せた指との距離に基づき静電容量が変化する感知素子を2次元に配列したアレイ状センサを備えたセンサ部と、
前記第1のライン状センサおよび前記アレイ状センサ上で指を動かすことにより、前記第1のライン状センサで検出される異なる複数の指紋の凹凸情報を前記アレイ状センサで検出される前記指紋の凹凸情報の変化に基づき繋ぎあわせることにより指紋画像を生成する画像処理部と、
前記画像処理部により生成された指紋画像の一部である部分指紋画像と予め用意された指紋画像との一致する部分を調べる指紋照合部、前記指紋照合部により一致する部分が有ると判断された部分指紋画像を記憶する一致度記憶部、前記一致度記憶部に記憶された部分指紋画像を1つの指紋画像となるように合成する一致度合成部、および前記一致度合成部により合成した指紋画像と前記予め用意された指紋画像とが一致するかどうかを判定する照合判定部を有する登録照合部とを備えた指紋照合センサを携帯型電子機器本体に設けたことを特徴とする携帯型電子機器。
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