JP3738505B2 - 投射型表示装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光に分離して空間変調を行った後、再び重ね合わせてスクリーン等に投射する投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光源からの光をR、G、Bの各色光に分離して、位相変調を施すことにより各光に画像情報を与えた後、再び重ね合わせてスクリーン等に投射することによりカラー画像を表示する投射型表示システムの開発が盛んに行われているが、これらのシステムにおいては、光の偏光特性の高精度な制御が要求されている。殊に偏光子および検光子となる偏光ビームスプリッタはその偏光特性を支配するものであり、投射画像の画質に果たす役割はたいへん大きい。
【0003】
このような投射型表示装置に使用される偏光ビームスプリッタとしては、基材として光に対して等質等方な透光性材料を用いたものと、透光性材料を液体に漬けたもの(液体浸漬型)が考えられている。
【0004】
一般に、前記等質等方な透光性材料を用いた偏光ビームスプリッタでは、種々の原因で透光性材料中に生じる光学的異方性が複屈折を誘発し、光の偏光特性を乱してしまう障害がある。そしてこの障害がS偏光、P偏光分離の消光比を低減したり、照度ムラを引き起こす原因となっている。透光性材料中に光学的異方性を生じさせる原因としては、主に、ガラスの加工工程(切断、他の材料との接合、表面への成膜など)や、ガラスを光学系に組み込む操作(治具での保持、接着など)の際に生じる外部応力や、ガラス内部の発熱(光エネルギーの吸収など)あるいは外部の発熱(周辺機器の発熱など)などにより生じる熱応力、さらに発熱の際に、ガラスと熱膨脹率の異なる材料を接触接合した場合に生じる応力などがある。
【0005】
そこで、これら応力の問題を解消するために従来、例えばヒューズエアクラフト社の米国特許4,687,301号公報に示されているように、屈折率調整を施した液体中に偏光ビームスプリッタ用のコーティングを施した透光性材料の板を浸漬させた構成の液体浸漬型の偏光ビームスプリッタが多く提案されてきた。前記液体の屈折率は、前記透光性材料の屈折率と同一になるように調整されている。また、板状の透光性材料は必ずしも光に対して等質等方である必要はない。このように液体中に透光性材料を浸漬する理由は、応力が生じず、さらにコーティングの界面と空気の屈折率が異なるために使用できなかったコーティングの材料を偏光ビームスプリッタとして機能させることができるためである。
【0006】
ところが、この液体浸漬型の偏光ビームスプリッタにおいても以下に示すような多くの問題を抱えている。
【0007】
第一に温度に起因する液体の大きな屈折率変化、第二に屈折率変化によって生じる屈折率の不均一性、第三に液体であるがために生じる対流、第四にやはり液体であるがために生じる体積変化、第五に液中の不純物、ゴミおよび気泡の影響、第六に液漏れなどである。
【0008】
このように、液体浸漬型の偏光ビームスプリッタは、基本的には優れた性能を持つが、一方で課題も多く、これを用いた投射型表示装置では、製作に非常に手間がかかり、コストアップにつながっている。殊に温度による特性変化は、本質的に避けがたい問題である。
【0009】
これらの液体浸漬型の偏光ビームスプリッタの問題を解決するために、本発明者らは偏光光学系に透光性材料を用いる場合、光弾性定数が実質的に零であることが重要な要素であることを見いだし、特開平6−13570号公報において、光弾性定数が実質的に零であるガラスを偏光ビームスプリッタの基体として用いれば、熱応力や力学的外部応力下においても光学的異方性がガラスに生じず、光の偏光特性は乱されないことを開示した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記光弾性定数が実質的に零であるガラスを偏光ビームスプリッタの基材としても、RGB三色を分離して変調するカラーの投射型表示装置では、偏光が乱されS偏光、P偏光分離の消光比を低減したり、照度ムラや色ムラが生じた。
【0011】
本発明の目的は、RGB三色を分離してそれぞれを変調した後、再び重ね合わせて投射するカラーの投射型表示装置であって、照度ムラが小さいカラー画像を表示することのできる装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のような投射型表示装置が提供される。
【0013】
すなわち、波長の異なる第1、第2、第3の光をそれぞれ異なる方向に出射する光源部と、前記第1、第2、第3の光にそれぞれ画像情報を与えるために、前記第1、第2、第3の光の強度をそれぞれ変調する第1、第2、第3の空間光変調素子と、前記空間光変調素子による反射光の光路を、入射光の光路から分離するために、前記光源部と前記第1、第2、第3の空間光変調素子との間にそれぞれ配置された第1、第2、第3の偏光分離部と、前記第1、第2、第3の分離部が分離した前記反射光を重ね合わせて投射する投射光学系とを有し、
前記第1、第2、第3の偏光分離部は、それぞれ、前記第1、第2、第3の空間光変調素子への入射光および反射光のうちの少なくとも一方が内部を通過する光学部材を有し、
前記第1の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、前記第2の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、および、第3の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、光弾性定数の絶対値が最小となる波長が互いに異なる投射型表示装置である。
【0014】
発明者らは、種々のガラスについて、種々の波長で光弾性定数を測定したところ、ガラスの光弾性定数は、投射型表示装置に用いられる可視光の波長に対して、大きな分散を有し、これが、投射型表示装置の照度ムラの原因となっていることがわかった。すなわち、一つの波長の光について光弾性定数の絶対値が最小となるように組成を調節したガラスを偏光分離部の光学部材の基材として用いたとしても、この基材は他の波長の光については、光弾性定数の絶対値が大きく、他の偏光分離部の光分離特性が低下してしまうのである。そこで、本発明では、3つの偏光分離部の光学部材の基材として、互いに、異なる波長で光弾性定数の絶対値が最小になる材料を用いることにより、3つの波長の光それぞれについて、光弾性定数の絶対値を小さくし、照度ムラを低減する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
まず、本実施の形態の投射型表示装置の構成について、図4を用いて説明する。
【0017】
図4のように、本実施の形態の投射型表示装置は、光軸12上に、光源19とクロスダイクロイックミラー11を備えている。クロスダイクロイックミラー11は、光源19からの光を光の波長の帯域によって3つの光に分離し、分離した3つの光を方向の異なる3つの光軸13、14、15へそれぞれ出射する。
【0018】
光軸13上には、ミラー112、補助偏光ビームスプリッタ115、主偏光ビームスプリッタ114、空間変調素子113、ミラー116が順に配置されている。また、光軸14上には、ミラー212、補助偏光ビームスプリッタ215、主偏光ビームスプリッタ214、空間変調素子213が順に配置されている。光軸15上には、ミラー312、補助偏光ビームスプリッタ315、主偏光ビームスプリッタ314、空間変調素子313、ミラー316が順に配置されている。
ミラー116により偏向された光と、主偏光ビームスプリッタ214を透過してきた光と、ミラー316により偏向された光とが入射する位置には、クロスダイクロイックプリズム17が配置されている。クロスダイクロイックプリズム17は、これらの光を重ね合わせて光軸16の方向へ出射する。光軸16上には、投射レンズ18が配置されている。
【0019】
本実施の形態では、光源19として、キセノンランプやメタルハライドランプ等の白色光源と、この光源から出射された白色光のうち、波長400nm未満の光および波長680nm以上の光を取り除くフィルタ(不図示)とを備えている。
【0020】
また、クロスダイクロックミラー11は、波長400nm以上510nm未満のB(青色)光を光軸13の方向へ偏向し、波長510nm以上590nm未満のG(緑色)光を光軸14の方向へ透過させ、波長590nm以上680nm未満の光を光軸15の方向へ偏向するように構成されている。
【0021】
また、空間変調素子113、213、313は、それぞれ、主平面が図4のyz平面方向の反射型液晶パネルを有している。この反射型液晶パネルは、偏光方向がy軸方向の光を液晶に入射させ、偏光方向をx軸方向へ回転させるとともに、yz平面内の光強度を濃淡に変調し、濃淡で表される画像情報を与えて出射させる構成である。空間変調素子113、213、313は、不図示の画像制御装置に接続されている。画像制御装置は、液晶を駆動することにより光に与える画像情報を制御する。画像制御装置は、投射すべき画像情報を表す信号を、B用画像情報信号とG用画像情報信号とR用画像情報信号とに分離する。そして、空間変調素子113の液晶パネルをB用画像情報信号により駆動し、空間変調素子213の液晶パネルをG用画像情報信号により駆動し、空間変調素子313の液晶パネルをR用画像情報信号により駆動する。
【0022】
また、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114の構成は、図3に示すような構成である。すなわち、補助偏光ビームスプリッタ115は、光軸に対して45度の反射面を有する2つのプリズム1152、1151を反射面同士で貼り合わせた構成である。また、主偏光ビームスプリッタ114は、光軸に対して45度の反射面を有する2つのプリズム1142、1141を反射面同士で貼り合わせた構成である。補助偏光ビームスプリッタ115の反射面の向きは、主偏光ビームスプリッタ114の反射面を光軸を中心に90度回転させた面と平行である。補助偏光ビームスプリッタ115、主偏光ビームスプリッタ114は、いずれも、貼り合わせた反射面の間に、反射防止膜と、偏光分離性能を高めるための偏光分離膜とを備えている。反射防止膜としては、例えば、SiOx膜とAl2O3膜とを光学膜厚が波長の1/4になるように交互に積層した多層膜を用いることができる。
【0023】
補助偏光ビームスプリッタ215および主偏光ビームスプリッタ214、ならびに、補助偏光ビームスプリッタ315および主偏光ビームスプリッタ314も、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114と同様の構成である。
【0024】
このような図4の投射型表示装置において、光源19から出射された波長400nm以上680nm未満の光は、クロスダイクロイックミラー11によって分離され、波長400nm以上510nm未満のB光が光軸13の方向へ偏向され、波長510nm以上590nm未満のG光が光軸14の方向へ偏向され、波長5900nm以上680nm未満のR光が光軸15の方向へ偏向される。
【0025】
B光は、ミラー112により偏向され、補助偏光ビームスプリッタ115に入射する。そして、補助偏光ビームスプリッタ115の45度の反射面において、入射光のうちx軸方向に平行な偏光方向をもつ光のみが反射面を透過し、主偏光ビームスプリッタ114に入射する。他の偏光方向の光は反射される。主偏光ビームスプリッタ114の45度の反射面は、x軸方向に対して平行であるため、x軸方向に平行な偏光は反射面で反射され、空間変調素子113に入射する。空間変調素子113は、入射したx軸方向に平行な偏光方向を有するB光を、xy平面方向について濃淡に変調することによりB光用画像情報を与えるとともに、偏光方向をy軸に平行な偏光に回転させて反射する。反射された偏光方向がy軸方向に平行なB光は、今度は、主偏光ビームスプリッタ114の反射面を透過して、反射ミラー116で偏向され、ダイクロイックプリズム17へ入射する。
【0026】
同様に、クロスダイクロックミラー11を透過した、G光は、反射ミラー212で偏向され、補助偏光ビームスプリッタ215へ入射する。そして、G光のうち、偏光方向がx軸に平行な光のみが補助偏光ビームスプリッタ215を透過して、主偏光ビームスプリッタ214へ入射する。そして、主偏光ビームビームスプリッタ214で反射されて、空間変調素子213に入射する。空間変調素子213は、入射したx軸方向に平行な偏光方向を有するG光を、xy平面方向について濃淡に変調することによりG光用画像情報を与えるとともに、偏光方向をy軸に平行な偏光に回転させて反射する。反射された偏光方向がy軸方向に平行なG光は、今度は、主偏光ビームスプリッタ214を透過して、ダイクロイックプリズム17へ入射する。
【0027】
また、クロスダイクロックミラー11で光軸15の方向へ偏向されたR光は、反射ミラー312で偏向され、補助偏光ビームスプリッタ315へ入射する。そして、R光のうち、偏光方向がx軸に平行な光のみが補助偏光ビームスプリッタ315を透過して、主偏光ビームスプリッタ314へ入射し、主偏光ビームビームスプリッタ314で反射されて、空間変調素子313に入射する。空間変調素子313は、入射したx軸方向に平行な偏光方向を有するR光を、xy平面方向について濃淡に変調することによりR光用画像情報を与えるとともに、偏光方向をy軸に平行な偏光に回転させて反射する。反射された偏光方向がy軸方向に平行なR光は、今度は、主偏光ビームスプリッタ314を透過し、反射ミラー316でさらに偏向され、ダイクロイックプリズム17へ入射する。
【0028】
ダイクロイックプリズム17は、入射したBGR光を合波し、光軸16方向に出射する。投射レンズ18は、合波されたBGR光を拡大光束に変換して、図示しないスクリーンに向けて出射する。これにより、スクリーンには、BGR画像が重ね合わさったカラー画像が表示される。
【0029】
このような投射表示装置において、画像が均一な照度で色ムラなどが生じない高性能な装置を実現させるためには、BGR各色光がそれぞれ補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を透過する間において、高精度な偏光状態を保つ必要がある。
【0030】
しかしながら、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314に全て同一のガラスを用いた場合は、特定の波長で光弾性定数が小さくとも、全ての可視光波長域で光弾性定数を小さくすることはできないことがわかった。すなわち、一種類のガラスで補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を構成すると、偏光の精度を全ての波長域で最適に保つことは不可能である。そこで、本発明では、以下のようにして、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314の基材を構成するガラスを選択した。
【0031】
一般に、ガラスのような等質等方な透光性材料に力を加えて応力を生じさせると、この透光性材料に光学的な異方性が生じ、ある種の結晶体と同様に複屈折性を持つようになる。これは光弾性効果と呼ばれている。応力が生じたときの透光性材料の屈折率はいわゆる屈折率楕円体で表すことができ、この時、屈折率楕円体の主屈折率軸は主応力軸に一致する。一般に主屈折率をn1、n2、n3、主応力をσ1、σ2、σ3(それぞれ添字が共通なものは同一方向にある)とすると、これらの間には次のような関係が成立する。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、C1、C2は光の波長および透光性材料の物質に固有の定数である。n0は無応力のときの屈折率である。
【0034】
このような透光性材料に光を入射させた場合、その方向がσ3と同一方向となるように座標を取れば、入射光はそれぞれσ1、σ2方向の、すなわち互いに振動面が直交する2つの直線偏光に分かれる。透光性材料から光が出射する時には、各主応力方向の屈折率差(n1,n2)が生じるため、これらの2つの直線偏光間には次式で表せるような光路差(位相差)Δφが生じる。
【0035】
【数2】
【0036】
ここで、λは光波長、lは透光性材料の光透過厚である。C=C1−C2は光弾性定数と呼ばれる。
【0037】
本発明者らは、光透過厚1=10mmのガラス試料を作成し、種々の波長の単色光を用いて、σ2 =σ3 =0となる方向に既知の応力をかけた状態で複屈折を測定し、上述の数1および数2から光弾性定数を算出した。
【0038】
その結果、ガラスの光弾性定数は、投射型表示装置で用いられる可視光の波長域において、光の波長に対して大きな分散を有し、特定の波長域で光弾性定数の絶対値が小さくになるように組成を調整したガラス場合でも、他の波長域では、光弾性定数が大きくなることがわかった。よって、投射型表示装置として用いた場合、照度ムラや色ムラが表示装置として許容できないことがわかった。つまり、使用波長域が広範囲にわたるカラーの投射型表示装置では、一つのガラスで、全ての光の波長域において絶対値が小さな光弾性定数を得ることは不可能となることがわかった。例えば、RGB三色を分離する投射型表示装置用光学系の場合、Rの領域で光弾性定数の絶対値が許容できる程度に小さくなるなるように組成が調整されたガラスを、全ての波長領域に適用すると、GあるいはBの領域においての光弾性定数は許容できる範囲より大きくなってしまい、上記した諸原因により、偏光は乱され、投射型表示装置に照度ムラが生じる。
【0039】
例として、後述する表1のNo.5の組成のガラスの光弾性定数の波長依存性を測定した結果を図1に示す。このガラスの光弾性定数は、585nm付近で零となり、この近辺の波長域において使用される偏光ビームスプリッタの基材とするには最適のガラスであるが、波長が異なると、光弾性定数の絶対値は大きくなり最適とは言えない。
【0040】
そこで、本発明者はRGB三色を分離する投射型表示装置用光学系において、RGBに分割されたそれぞれの波長域における光弾性定数の絶対値が小さい組成のガラスを作製して、それぞれの波長域に適用することにより、RGB三色全ての波長域において熱応力や力学的外部応力により生じる複屈折を最小に抑える構成とした。
【0041】
具体的には、本実施の形態では、酸化物換算の重量%で、組成が、
SiO2 17.0〜27.0%
Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0%
PbO 73.0〜75.0%
As2O3+Sb2O3 0 〜 3.0%
の範囲にあるガラスで光弾性定数測定用サンプルを測定し、上述のように単色光を照射して複屈折率を測定することにより、数1、数2から光弾性定数を求めた。
【0042】
その測定結果の一部を表1に示す。表1には、光弾性定数の絶対値が最小となる波長と、その組成を示した。
【0043】
【表1】
【0044】
なお、ここで製造したガラスは、表1の各成分に原料として対応する酸化物、フッ化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などを用意し、それらを所定の割合に秤量し混合して調合原料とし、900〜1300℃に加熱して電気炉中で溶解、清澄、撹拌を行って均質化した後、予め予熱された金型に鋳込み徐冷することにより製造したものである。また、光弾性定数測定用サンプルは、このように製造したガラスを研削および研磨して作製した。
【0045】
また、光弾性定数の絶対値が最小となる光の波長の測定結果より、上述の組成範囲のガラスは、ガラスの組成中のPbO含有量と光弾性定数の絶対値が最小値をとる波長とに、図2に示すような相関関係があることがわかった。ただし、図中の曲線は3次の多項式によりフィッティングしたものである。
【0046】
これにより、上述の組成範囲のガラスでは、組成中のPbO含有量を制御することにより光弾性定数の絶対値が最小値となる光の波長を制御できることが判った。
【0047】
一方、発明者らは、図4の補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114を、これらを透過する光の波長に対する光弾性定数の絶対値が、0.01×10-8cm2/N以下となるガラスにより作製して、図4の投射型表示装置を製造した場合に、B光のみでスクリーンに表示される画像すなわちB光画像の照度ムラを評価した。また、同様に、光弾性定数の絶対値が、1.33×10-8cm2/N 以下となるガラスにより作製した場合と、2.2×10-8cm2/N以下となるガラスにより作製した場合の、B光画像の照度ムラを評価した。その結果、光弾性定数が1.33×10-8cm2/N以下の場合のB光画像の照度ムラは、投射型表示装置として許容できるが、2.2×10-8cm2/N以下の場合のB光画像の照度ムラは、許容できないと判断した。そこで、本実施の形態では、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314をいずれも、透過光に対する光弾性定数がの絶対値1.5×10-8cm2/N以下のガラス、すなわち、光弾性定数が−1.5×10-8cm2/N以上1.5×10-8cm2/N 以下のガラスで構成することにより、照度ムラの少ない画像の得られる投射型表示装置を得ることにした。
【0048】
そこで、下記表2のように、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114を透過する波長400nm以上510nm未満のB光の波長の光に対しての光弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N 以下にするために、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114を構成するプリズム1151、1152、1141、1142の基材を表1のNo.3の組成のガラスにより構成することにした。No.3のガラスのPbO組成は、73.0重量%である。
【0049】
また、補助偏光ビームスプリッタ215および主偏光ビームスプリッタ214を透過する波長510nm以上590nm未満のG光の波長の光に対しての光弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N 以下にするために、補助偏光ビームスプリッタ215および主偏光ビームスプリッタ214を構成するプリズムの基材を表1のNo.4の組成のガラスにより構成することにした。No.4のガラスのPbO組成は、73.5重量%である。
【0050】
補助偏光ビームスプリッタ315および主偏光ビームスプリッタ314を透過する波長590nm以上680nm未満のR光の波長の光に対しての光弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N 以下にするために、補助偏光ビームスプリッタ315および主偏光ビームスプリッタ314を構成するプリズムの基材を表1のNo.6の組成のガラスにより構成することにした。No.6のガラスのPbO組成は、74.5重量%である。
【0051】
【表2】
【0052】
このように透過波長に対する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下になるガラスを3種類選択して、これらを研削及び研磨することにより、図3で説明したような光軸に対して45の反射面を有するプリズムを製造し、さらに、これらに反射防止膜と偏向分離膜とを成膜し、プリズム同士を貼り合わせることにより、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を製造した。上述のように基材として、光弾性定数の絶対値が小さいガラスを選択しているため、研削、研磨、成膜および貼り合わせ工程で応力による複屈折が生じるおそれが小さいので、通常の工程で容易に偏光ビームスプリッタを製造することができる。
【0053】
そして、これらの偏光ビームスプリッタを用いて図4の投射型表示装置を製造した。その結果、どの波長域においても、製造時の加工や熱による応力によって偏光ビームスプリッタの基材中で生じる複屈折を最小限にとどめることができるため、表示される画像の照度ムラや色ムラが小さく、投射型表示装置全体の性能を向上させることができた。
【0054】
上述の実施の形態では、酸化物換算の重量%で、組成が、
SiO2 17.0〜27.0%
Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0%
PbO 73.0〜75.0%
As2O3+Sb2O3 0 〜 3.0%
のガラス(以下、組成Aのガラスと称す)により、BGR用の補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を構成したが、光弾性定数の絶対値が透過波長に対して1.5×10-8cm2/N 以下になる組成のガラスであれば、これ以外のガラスを用いることができる。
【0055】
例えば、酸化物還元のmol%表示で、
であり、かつ、フッ素イオンを含むガラスを用いることができる。フッ素イオンの量は、ガラス中に含まれるすべて陰イオンに占める割合が0〜0.1の範囲になるようにする。言い換えると、ガラス中に含まれるフッ素イオンと酸素イオンとをF2分子とO2分子に換算した場合、F2分子が、F2とO2との合計の0〜0.1の割合、すなわちF2/(F2+O2)が0〜0.1となるようにフッ素を導入した上述の組成のガラスを用いることができる。このガラスを以下組成Bのガラスと称す。
【0056】
この組成Bのガラスも、光弾性定数の絶対値の最小値が1.5×10-8cm2/N 以下となるため、用いる波長範囲によって別々の組成のガラスを選択することにより、BGR光についていずれも光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下となる基材で構成された偏光ビームスプリッタを備える投射型表示装置を提供することができる。
【0057】
また、BGR光用の偏光ビームスプリッタのうち、いずれかの偏光ビームスプリッタを組成Aのガラスで構成し、残りの偏光ビームスプリッタを組成Bのガラスで構成することももちろん可能である。
【0058】
また、本実施の形態では、BGR光の偏光ビームスプリッタを互いに異なる組成の3種類のガラスにより構成したが、例えば、B光用偏光ビームスプリッタとG光用偏光ビームスプリッタを同じ組成のガラスによって構成することも可能である。この場合にも、ガラス組成と、クロスダイクロイックプリズム11の分離するBGR光の波長範囲とを調節することにより、B光及びG光の波長について光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下となるように構成することも可能である。また、同様に、G光用偏光ビームスプリッタとR光用偏光ビームスプリッタとを同じ組成のガラスによって構成することも可能である。
【0059】
また、本実施の形態では、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を、図3に示したように、2つの偏光ビームスプリッタの反射面が45度ねじって方向を向くように配置した構成とした。これにより、光源から出射された光のうち、偏光方向がx軸に平行な光のみを効率よく取り出し、偏向させて空間変調素子に入射させることができる。また、空間変調素子からの反射光を入射光から効率よく分離することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、BGR光用の偏光ビームスプリッタのみを光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下のガラスで構成したが、空間変調素子113、213、313を構成する部材の中で光を透過させる基板や、ダイクロイックプリズム17の基材等を、上述してきたような透過光の波長に対して光り弾性定数の絶対値が小さい組成のガラスで構成することにより、照度ムラおよび色ムラをより小さくでき、さらに優れた画像を表示することのできる投射型表示装置を提供することができる。
【0061】
また、本実施の形態のように、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314をガラスで構成しているため、これらを光軸に対して45の反射面をもつ偏光ビームスプリッタにすることができたが、従来のように液体浸漬型偏光ビームスプリッタを用いた場合は、屈折率の関係で、設置角度を光軸に対して45°にすることができず、投射型表示装置として大きく重いものとなってしまう。これに対し、本発明の光学系は、45度の反射面と持つ偏光ビームスプリッタの構成にできるため、コンパクトな装置となる。
【0062】
さらに、本実施の形態の投射型表示装置は、偏光ビームスプリッタに、液体を用いないため、温度変化に強く、また、取り扱いが容易であり、しかも、通常の研削と研磨工程により製造できるため、製造コストを低く押さえることができる。
【0063】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、RGB三色を分離してそれぞれを変調した後、再び重ね合わせて投射するカラーの投射型表示装置であって、照度ムラが小さいカラー画像を表示することのできる装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の投射型表示装置の偏光ビームスプリッタに用いることにできるガラスの光弾性定数の波長依存性を表すグラフ。
【図2】本発明の一実施の形態の投射型表示装置の偏光ビームスプリッタに用いることにできるガラス組成の光弾性定数のPbO組成への依存性を表すグラフ。
【図3】本発明の一実施の形態の投射型表示装置に用いることのできる偏光ビームスプリッタの構成を示す斜視図。
【図4】本発明の一実施の形態の投射型表示装置の光学系の配置を示すブロック図。
【符号の説明】
11…クロスダイクロックミラー、12、13、14、15、16…光軸、17…ダイクロイックプリズム、18…投射レンズ、19…光源、112、116、212、216、312、316…反射ミラー、114、214、314…主助偏光ビームスプリッタ、115、215、315…補助偏光ビームスプリッタ、113、213、313…空間変調素子。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光源からの光を赤(R)、緑(G)、青(B)の各色光に分離して空間変調を行った後、再び重ね合わせてスクリーン等に投射する投射型表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光源からの光をR、G、Bの各色光に分離して、位相変調を施すことにより各光に画像情報を与えた後、再び重ね合わせてスクリーン等に投射することによりカラー画像を表示する投射型表示システムの開発が盛んに行われているが、これらのシステムにおいては、光の偏光特性の高精度な制御が要求されている。殊に偏光子および検光子となる偏光ビームスプリッタはその偏光特性を支配するものであり、投射画像の画質に果たす役割はたいへん大きい。
【0003】
このような投射型表示装置に使用される偏光ビームスプリッタとしては、基材として光に対して等質等方な透光性材料を用いたものと、透光性材料を液体に漬けたもの(液体浸漬型)が考えられている。
【0004】
一般に、前記等質等方な透光性材料を用いた偏光ビームスプリッタでは、種々の原因で透光性材料中に生じる光学的異方性が複屈折を誘発し、光の偏光特性を乱してしまう障害がある。そしてこの障害がS偏光、P偏光分離の消光比を低減したり、照度ムラを引き起こす原因となっている。透光性材料中に光学的異方性を生じさせる原因としては、主に、ガラスの加工工程(切断、他の材料との接合、表面への成膜など)や、ガラスを光学系に組み込む操作(治具での保持、接着など)の際に生じる外部応力や、ガラス内部の発熱(光エネルギーの吸収など)あるいは外部の発熱(周辺機器の発熱など)などにより生じる熱応力、さらに発熱の際に、ガラスと熱膨脹率の異なる材料を接触接合した場合に生じる応力などがある。
【0005】
そこで、これら応力の問題を解消するために従来、例えばヒューズエアクラフト社の米国特許4,687,301号公報に示されているように、屈折率調整を施した液体中に偏光ビームスプリッタ用のコーティングを施した透光性材料の板を浸漬させた構成の液体浸漬型の偏光ビームスプリッタが多く提案されてきた。前記液体の屈折率は、前記透光性材料の屈折率と同一になるように調整されている。また、板状の透光性材料は必ずしも光に対して等質等方である必要はない。このように液体中に透光性材料を浸漬する理由は、応力が生じず、さらにコーティングの界面と空気の屈折率が異なるために使用できなかったコーティングの材料を偏光ビームスプリッタとして機能させることができるためである。
【0006】
ところが、この液体浸漬型の偏光ビームスプリッタにおいても以下に示すような多くの問題を抱えている。
【0007】
第一に温度に起因する液体の大きな屈折率変化、第二に屈折率変化によって生じる屈折率の不均一性、第三に液体であるがために生じる対流、第四にやはり液体であるがために生じる体積変化、第五に液中の不純物、ゴミおよび気泡の影響、第六に液漏れなどである。
【0008】
このように、液体浸漬型の偏光ビームスプリッタは、基本的には優れた性能を持つが、一方で課題も多く、これを用いた投射型表示装置では、製作に非常に手間がかかり、コストアップにつながっている。殊に温度による特性変化は、本質的に避けがたい問題である。
【0009】
これらの液体浸漬型の偏光ビームスプリッタの問題を解決するために、本発明者らは偏光光学系に透光性材料を用いる場合、光弾性定数が実質的に零であることが重要な要素であることを見いだし、特開平6−13570号公報において、光弾性定数が実質的に零であるガラスを偏光ビームスプリッタの基体として用いれば、熱応力や力学的外部応力下においても光学的異方性がガラスに生じず、光の偏光特性は乱されないことを開示した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記光弾性定数が実質的に零であるガラスを偏光ビームスプリッタの基材としても、RGB三色を分離して変調するカラーの投射型表示装置では、偏光が乱されS偏光、P偏光分離の消光比を低減したり、照度ムラや色ムラが生じた。
【0011】
本発明の目的は、RGB三色を分離してそれぞれを変調した後、再び重ね合わせて投射するカラーの投射型表示装置であって、照度ムラが小さいカラー画像を表示することのできる装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明によれば、以下のような投射型表示装置が提供される。
【0013】
すなわち、波長の異なる第1、第2、第3の光をそれぞれ異なる方向に出射する光源部と、前記第1、第2、第3の光にそれぞれ画像情報を与えるために、前記第1、第2、第3の光の強度をそれぞれ変調する第1、第2、第3の空間光変調素子と、前記空間光変調素子による反射光の光路を、入射光の光路から分離するために、前記光源部と前記第1、第2、第3の空間光変調素子との間にそれぞれ配置された第1、第2、第3の偏光分離部と、前記第1、第2、第3の分離部が分離した前記反射光を重ね合わせて投射する投射光学系とを有し、
前記第1、第2、第3の偏光分離部は、それぞれ、前記第1、第2、第3の空間光変調素子への入射光および反射光のうちの少なくとも一方が内部を通過する光学部材を有し、
前記第1の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、前記第2の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、および、第3の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、光弾性定数の絶対値が最小となる波長が互いに異なる投射型表示装置である。
【0014】
発明者らは、種々のガラスについて、種々の波長で光弾性定数を測定したところ、ガラスの光弾性定数は、投射型表示装置に用いられる可視光の波長に対して、大きな分散を有し、これが、投射型表示装置の照度ムラの原因となっていることがわかった。すなわち、一つの波長の光について光弾性定数の絶対値が最小となるように組成を調節したガラスを偏光分離部の光学部材の基材として用いたとしても、この基材は他の波長の光については、光弾性定数の絶対値が大きく、他の偏光分離部の光分離特性が低下してしまうのである。そこで、本発明では、3つの偏光分離部の光学部材の基材として、互いに、異なる波長で光弾性定数の絶対値が最小になる材料を用いることにより、3つの波長の光それぞれについて、光弾性定数の絶対値を小さくし、照度ムラを低減する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0016】
まず、本実施の形態の投射型表示装置の構成について、図4を用いて説明する。
【0017】
図4のように、本実施の形態の投射型表示装置は、光軸12上に、光源19とクロスダイクロイックミラー11を備えている。クロスダイクロイックミラー11は、光源19からの光を光の波長の帯域によって3つの光に分離し、分離した3つの光を方向の異なる3つの光軸13、14、15へそれぞれ出射する。
【0018】
光軸13上には、ミラー112、補助偏光ビームスプリッタ115、主偏光ビームスプリッタ114、空間変調素子113、ミラー116が順に配置されている。また、光軸14上には、ミラー212、補助偏光ビームスプリッタ215、主偏光ビームスプリッタ214、空間変調素子213が順に配置されている。光軸15上には、ミラー312、補助偏光ビームスプリッタ315、主偏光ビームスプリッタ314、空間変調素子313、ミラー316が順に配置されている。
ミラー116により偏向された光と、主偏光ビームスプリッタ214を透過してきた光と、ミラー316により偏向された光とが入射する位置には、クロスダイクロイックプリズム17が配置されている。クロスダイクロイックプリズム17は、これらの光を重ね合わせて光軸16の方向へ出射する。光軸16上には、投射レンズ18が配置されている。
【0019】
本実施の形態では、光源19として、キセノンランプやメタルハライドランプ等の白色光源と、この光源から出射された白色光のうち、波長400nm未満の光および波長680nm以上の光を取り除くフィルタ(不図示)とを備えている。
【0020】
また、クロスダイクロックミラー11は、波長400nm以上510nm未満のB(青色)光を光軸13の方向へ偏向し、波長510nm以上590nm未満のG(緑色)光を光軸14の方向へ透過させ、波長590nm以上680nm未満の光を光軸15の方向へ偏向するように構成されている。
【0021】
また、空間変調素子113、213、313は、それぞれ、主平面が図4のyz平面方向の反射型液晶パネルを有している。この反射型液晶パネルは、偏光方向がy軸方向の光を液晶に入射させ、偏光方向をx軸方向へ回転させるとともに、yz平面内の光強度を濃淡に変調し、濃淡で表される画像情報を与えて出射させる構成である。空間変調素子113、213、313は、不図示の画像制御装置に接続されている。画像制御装置は、液晶を駆動することにより光に与える画像情報を制御する。画像制御装置は、投射すべき画像情報を表す信号を、B用画像情報信号とG用画像情報信号とR用画像情報信号とに分離する。そして、空間変調素子113の液晶パネルをB用画像情報信号により駆動し、空間変調素子213の液晶パネルをG用画像情報信号により駆動し、空間変調素子313の液晶パネルをR用画像情報信号により駆動する。
【0022】
また、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114の構成は、図3に示すような構成である。すなわち、補助偏光ビームスプリッタ115は、光軸に対して45度の反射面を有する2つのプリズム1152、1151を反射面同士で貼り合わせた構成である。また、主偏光ビームスプリッタ114は、光軸に対して45度の反射面を有する2つのプリズム1142、1141を反射面同士で貼り合わせた構成である。補助偏光ビームスプリッタ115の反射面の向きは、主偏光ビームスプリッタ114の反射面を光軸を中心に90度回転させた面と平行である。補助偏光ビームスプリッタ115、主偏光ビームスプリッタ114は、いずれも、貼り合わせた反射面の間に、反射防止膜と、偏光分離性能を高めるための偏光分離膜とを備えている。反射防止膜としては、例えば、SiOx膜とAl2O3膜とを光学膜厚が波長の1/4になるように交互に積層した多層膜を用いることができる。
【0023】
補助偏光ビームスプリッタ215および主偏光ビームスプリッタ214、ならびに、補助偏光ビームスプリッタ315および主偏光ビームスプリッタ314も、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114と同様の構成である。
【0024】
このような図4の投射型表示装置において、光源19から出射された波長400nm以上680nm未満の光は、クロスダイクロイックミラー11によって分離され、波長400nm以上510nm未満のB光が光軸13の方向へ偏向され、波長510nm以上590nm未満のG光が光軸14の方向へ偏向され、波長5900nm以上680nm未満のR光が光軸15の方向へ偏向される。
【0025】
B光は、ミラー112により偏向され、補助偏光ビームスプリッタ115に入射する。そして、補助偏光ビームスプリッタ115の45度の反射面において、入射光のうちx軸方向に平行な偏光方向をもつ光のみが反射面を透過し、主偏光ビームスプリッタ114に入射する。他の偏光方向の光は反射される。主偏光ビームスプリッタ114の45度の反射面は、x軸方向に対して平行であるため、x軸方向に平行な偏光は反射面で反射され、空間変調素子113に入射する。空間変調素子113は、入射したx軸方向に平行な偏光方向を有するB光を、xy平面方向について濃淡に変調することによりB光用画像情報を与えるとともに、偏光方向をy軸に平行な偏光に回転させて反射する。反射された偏光方向がy軸方向に平行なB光は、今度は、主偏光ビームスプリッタ114の反射面を透過して、反射ミラー116で偏向され、ダイクロイックプリズム17へ入射する。
【0026】
同様に、クロスダイクロックミラー11を透過した、G光は、反射ミラー212で偏向され、補助偏光ビームスプリッタ215へ入射する。そして、G光のうち、偏光方向がx軸に平行な光のみが補助偏光ビームスプリッタ215を透過して、主偏光ビームスプリッタ214へ入射する。そして、主偏光ビームビームスプリッタ214で反射されて、空間変調素子213に入射する。空間変調素子213は、入射したx軸方向に平行な偏光方向を有するG光を、xy平面方向について濃淡に変調することによりG光用画像情報を与えるとともに、偏光方向をy軸に平行な偏光に回転させて反射する。反射された偏光方向がy軸方向に平行なG光は、今度は、主偏光ビームスプリッタ214を透過して、ダイクロイックプリズム17へ入射する。
【0027】
また、クロスダイクロックミラー11で光軸15の方向へ偏向されたR光は、反射ミラー312で偏向され、補助偏光ビームスプリッタ315へ入射する。そして、R光のうち、偏光方向がx軸に平行な光のみが補助偏光ビームスプリッタ315を透過して、主偏光ビームスプリッタ314へ入射し、主偏光ビームビームスプリッタ314で反射されて、空間変調素子313に入射する。空間変調素子313は、入射したx軸方向に平行な偏光方向を有するR光を、xy平面方向について濃淡に変調することによりR光用画像情報を与えるとともに、偏光方向をy軸に平行な偏光に回転させて反射する。反射された偏光方向がy軸方向に平行なR光は、今度は、主偏光ビームスプリッタ314を透過し、反射ミラー316でさらに偏向され、ダイクロイックプリズム17へ入射する。
【0028】
ダイクロイックプリズム17は、入射したBGR光を合波し、光軸16方向に出射する。投射レンズ18は、合波されたBGR光を拡大光束に変換して、図示しないスクリーンに向けて出射する。これにより、スクリーンには、BGR画像が重ね合わさったカラー画像が表示される。
【0029】
このような投射表示装置において、画像が均一な照度で色ムラなどが生じない高性能な装置を実現させるためには、BGR各色光がそれぞれ補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を透過する間において、高精度な偏光状態を保つ必要がある。
【0030】
しかしながら、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314に全て同一のガラスを用いた場合は、特定の波長で光弾性定数が小さくとも、全ての可視光波長域で光弾性定数を小さくすることはできないことがわかった。すなわち、一種類のガラスで補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を構成すると、偏光の精度を全ての波長域で最適に保つことは不可能である。そこで、本発明では、以下のようにして、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314の基材を構成するガラスを選択した。
【0031】
一般に、ガラスのような等質等方な透光性材料に力を加えて応力を生じさせると、この透光性材料に光学的な異方性が生じ、ある種の結晶体と同様に複屈折性を持つようになる。これは光弾性効果と呼ばれている。応力が生じたときの透光性材料の屈折率はいわゆる屈折率楕円体で表すことができ、この時、屈折率楕円体の主屈折率軸は主応力軸に一致する。一般に主屈折率をn1、n2、n3、主応力をσ1、σ2、σ3(それぞれ添字が共通なものは同一方向にある)とすると、これらの間には次のような関係が成立する。
【0032】
【数1】
【0033】
ここで、C1、C2は光の波長および透光性材料の物質に固有の定数である。n0は無応力のときの屈折率である。
【0034】
このような透光性材料に光を入射させた場合、その方向がσ3と同一方向となるように座標を取れば、入射光はそれぞれσ1、σ2方向の、すなわち互いに振動面が直交する2つの直線偏光に分かれる。透光性材料から光が出射する時には、各主応力方向の屈折率差(n1,n2)が生じるため、これらの2つの直線偏光間には次式で表せるような光路差(位相差)Δφが生じる。
【0035】
【数2】
【0036】
ここで、λは光波長、lは透光性材料の光透過厚である。C=C1−C2は光弾性定数と呼ばれる。
【0037】
本発明者らは、光透過厚1=10mmのガラス試料を作成し、種々の波長の単色光を用いて、σ2 =σ3 =0となる方向に既知の応力をかけた状態で複屈折を測定し、上述の数1および数2から光弾性定数を算出した。
【0038】
その結果、ガラスの光弾性定数は、投射型表示装置で用いられる可視光の波長域において、光の波長に対して大きな分散を有し、特定の波長域で光弾性定数の絶対値が小さくになるように組成を調整したガラス場合でも、他の波長域では、光弾性定数が大きくなることがわかった。よって、投射型表示装置として用いた場合、照度ムラや色ムラが表示装置として許容できないことがわかった。つまり、使用波長域が広範囲にわたるカラーの投射型表示装置では、一つのガラスで、全ての光の波長域において絶対値が小さな光弾性定数を得ることは不可能となることがわかった。例えば、RGB三色を分離する投射型表示装置用光学系の場合、Rの領域で光弾性定数の絶対値が許容できる程度に小さくなるなるように組成が調整されたガラスを、全ての波長領域に適用すると、GあるいはBの領域においての光弾性定数は許容できる範囲より大きくなってしまい、上記した諸原因により、偏光は乱され、投射型表示装置に照度ムラが生じる。
【0039】
例として、後述する表1のNo.5の組成のガラスの光弾性定数の波長依存性を測定した結果を図1に示す。このガラスの光弾性定数は、585nm付近で零となり、この近辺の波長域において使用される偏光ビームスプリッタの基材とするには最適のガラスであるが、波長が異なると、光弾性定数の絶対値は大きくなり最適とは言えない。
【0040】
そこで、本発明者はRGB三色を分離する投射型表示装置用光学系において、RGBに分割されたそれぞれの波長域における光弾性定数の絶対値が小さい組成のガラスを作製して、それぞれの波長域に適用することにより、RGB三色全ての波長域において熱応力や力学的外部応力により生じる複屈折を最小に抑える構成とした。
【0041】
具体的には、本実施の形態では、酸化物換算の重量%で、組成が、
SiO2 17.0〜27.0%
Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0%
PbO 73.0〜75.0%
As2O3+Sb2O3 0 〜 3.0%
の範囲にあるガラスで光弾性定数測定用サンプルを測定し、上述のように単色光を照射して複屈折率を測定することにより、数1、数2から光弾性定数を求めた。
【0042】
その測定結果の一部を表1に示す。表1には、光弾性定数の絶対値が最小となる波長と、その組成を示した。
【0043】
【表1】
【0044】
なお、ここで製造したガラスは、表1の各成分に原料として対応する酸化物、フッ化物、水酸化物、炭酸塩、硝酸塩などを用意し、それらを所定の割合に秤量し混合して調合原料とし、900〜1300℃に加熱して電気炉中で溶解、清澄、撹拌を行って均質化した後、予め予熱された金型に鋳込み徐冷することにより製造したものである。また、光弾性定数測定用サンプルは、このように製造したガラスを研削および研磨して作製した。
【0045】
また、光弾性定数の絶対値が最小となる光の波長の測定結果より、上述の組成範囲のガラスは、ガラスの組成中のPbO含有量と光弾性定数の絶対値が最小値をとる波長とに、図2に示すような相関関係があることがわかった。ただし、図中の曲線は3次の多項式によりフィッティングしたものである。
【0046】
これにより、上述の組成範囲のガラスでは、組成中のPbO含有量を制御することにより光弾性定数の絶対値が最小値となる光の波長を制御できることが判った。
【0047】
一方、発明者らは、図4の補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114を、これらを透過する光の波長に対する光弾性定数の絶対値が、0.01×10-8cm2/N以下となるガラスにより作製して、図4の投射型表示装置を製造した場合に、B光のみでスクリーンに表示される画像すなわちB光画像の照度ムラを評価した。また、同様に、光弾性定数の絶対値が、1.33×10-8cm2/N 以下となるガラスにより作製した場合と、2.2×10-8cm2/N以下となるガラスにより作製した場合の、B光画像の照度ムラを評価した。その結果、光弾性定数が1.33×10-8cm2/N以下の場合のB光画像の照度ムラは、投射型表示装置として許容できるが、2.2×10-8cm2/N以下の場合のB光画像の照度ムラは、許容できないと判断した。そこで、本実施の形態では、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314をいずれも、透過光に対する光弾性定数がの絶対値1.5×10-8cm2/N以下のガラス、すなわち、光弾性定数が−1.5×10-8cm2/N以上1.5×10-8cm2/N 以下のガラスで構成することにより、照度ムラの少ない画像の得られる投射型表示装置を得ることにした。
【0048】
そこで、下記表2のように、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114を透過する波長400nm以上510nm未満のB光の波長の光に対しての光弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N 以下にするために、補助偏光ビームスプリッタ115および主偏光ビームスプリッタ114を構成するプリズム1151、1152、1141、1142の基材を表1のNo.3の組成のガラスにより構成することにした。No.3のガラスのPbO組成は、73.0重量%である。
【0049】
また、補助偏光ビームスプリッタ215および主偏光ビームスプリッタ214を透過する波長510nm以上590nm未満のG光の波長の光に対しての光弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N 以下にするために、補助偏光ビームスプリッタ215および主偏光ビームスプリッタ214を構成するプリズムの基材を表1のNo.4の組成のガラスにより構成することにした。No.4のガラスのPbO組成は、73.5重量%である。
【0050】
補助偏光ビームスプリッタ315および主偏光ビームスプリッタ314を透過する波長590nm以上680nm未満のR光の波長の光に対しての光弾性定数の絶対値を1.5×10-8cm2/N 以下にするために、補助偏光ビームスプリッタ315および主偏光ビームスプリッタ314を構成するプリズムの基材を表1のNo.6の組成のガラスにより構成することにした。No.6のガラスのPbO組成は、74.5重量%である。
【0051】
【表2】
【0052】
このように透過波長に対する光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下になるガラスを3種類選択して、これらを研削及び研磨することにより、図3で説明したような光軸に対して45の反射面を有するプリズムを製造し、さらに、これらに反射防止膜と偏向分離膜とを成膜し、プリズム同士を貼り合わせることにより、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を製造した。上述のように基材として、光弾性定数の絶対値が小さいガラスを選択しているため、研削、研磨、成膜および貼り合わせ工程で応力による複屈折が生じるおそれが小さいので、通常の工程で容易に偏光ビームスプリッタを製造することができる。
【0053】
そして、これらの偏光ビームスプリッタを用いて図4の投射型表示装置を製造した。その結果、どの波長域においても、製造時の加工や熱による応力によって偏光ビームスプリッタの基材中で生じる複屈折を最小限にとどめることができるため、表示される画像の照度ムラや色ムラが小さく、投射型表示装置全体の性能を向上させることができた。
【0054】
上述の実施の形態では、酸化物換算の重量%で、組成が、
SiO2 17.0〜27.0%
Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0%
PbO 73.0〜75.0%
As2O3+Sb2O3 0 〜 3.0%
のガラス(以下、組成Aのガラスと称す)により、BGR用の補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を構成したが、光弾性定数の絶対値が透過波長に対して1.5×10-8cm2/N 以下になる組成のガラスであれば、これ以外のガラスを用いることができる。
【0055】
例えば、酸化物還元のmol%表示で、
であり、かつ、フッ素イオンを含むガラスを用いることができる。フッ素イオンの量は、ガラス中に含まれるすべて陰イオンに占める割合が0〜0.1の範囲になるようにする。言い換えると、ガラス中に含まれるフッ素イオンと酸素イオンとをF2分子とO2分子に換算した場合、F2分子が、F2とO2との合計の0〜0.1の割合、すなわちF2/(F2+O2)が0〜0.1となるようにフッ素を導入した上述の組成のガラスを用いることができる。このガラスを以下組成Bのガラスと称す。
【0056】
この組成Bのガラスも、光弾性定数の絶対値の最小値が1.5×10-8cm2/N 以下となるため、用いる波長範囲によって別々の組成のガラスを選択することにより、BGR光についていずれも光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下となる基材で構成された偏光ビームスプリッタを備える投射型表示装置を提供することができる。
【0057】
また、BGR光用の偏光ビームスプリッタのうち、いずれかの偏光ビームスプリッタを組成Aのガラスで構成し、残りの偏光ビームスプリッタを組成Bのガラスで構成することももちろん可能である。
【0058】
また、本実施の形態では、BGR光の偏光ビームスプリッタを互いに異なる組成の3種類のガラスにより構成したが、例えば、B光用偏光ビームスプリッタとG光用偏光ビームスプリッタを同じ組成のガラスによって構成することも可能である。この場合にも、ガラス組成と、クロスダイクロイックプリズム11の分離するBGR光の波長範囲とを調節することにより、B光及びG光の波長について光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下となるように構成することも可能である。また、同様に、G光用偏光ビームスプリッタとR光用偏光ビームスプリッタとを同じ組成のガラスによって構成することも可能である。
【0059】
また、本実施の形態では、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314を、図3に示したように、2つの偏光ビームスプリッタの反射面が45度ねじって方向を向くように配置した構成とした。これにより、光源から出射された光のうち、偏光方向がx軸に平行な光のみを効率よく取り出し、偏向させて空間変調素子に入射させることができる。また、空間変調素子からの反射光を入射光から効率よく分離することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、BGR光用の偏光ビームスプリッタのみを光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N 以下のガラスで構成したが、空間変調素子113、213、313を構成する部材の中で光を透過させる基板や、ダイクロイックプリズム17の基材等を、上述してきたような透過光の波長に対して光り弾性定数の絶対値が小さい組成のガラスで構成することにより、照度ムラおよび色ムラをより小さくでき、さらに優れた画像を表示することのできる投射型表示装置を提供することができる。
【0061】
また、本実施の形態のように、補助偏光ビームスプリッタ115、215、315および主偏光ビームスプリッタ114、214、314をガラスで構成しているため、これらを光軸に対して45の反射面をもつ偏光ビームスプリッタにすることができたが、従来のように液体浸漬型偏光ビームスプリッタを用いた場合は、屈折率の関係で、設置角度を光軸に対して45°にすることができず、投射型表示装置として大きく重いものとなってしまう。これに対し、本発明の光学系は、45度の反射面と持つ偏光ビームスプリッタの構成にできるため、コンパクトな装置となる。
【0062】
さらに、本実施の形態の投射型表示装置は、偏光ビームスプリッタに、液体を用いないため、温度変化に強く、また、取り扱いが容易であり、しかも、通常の研削と研磨工程により製造できるため、製造コストを低く押さえることができる。
【0063】
【発明の効果】
上述してきたように、本発明によれば、RGB三色を分離してそれぞれを変調した後、再び重ね合わせて投射するカラーの投射型表示装置であって、照度ムラが小さいカラー画像を表示することのできる装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の投射型表示装置の偏光ビームスプリッタに用いることにできるガラスの光弾性定数の波長依存性を表すグラフ。
【図2】本発明の一実施の形態の投射型表示装置の偏光ビームスプリッタに用いることにできるガラス組成の光弾性定数のPbO組成への依存性を表すグラフ。
【図3】本発明の一実施の形態の投射型表示装置に用いることのできる偏光ビームスプリッタの構成を示す斜視図。
【図4】本発明の一実施の形態の投射型表示装置の光学系の配置を示すブロック図。
【符号の説明】
11…クロスダイクロックミラー、12、13、14、15、16…光軸、17…ダイクロイックプリズム、18…投射レンズ、19…光源、112、116、212、216、312、316…反射ミラー、114、214、314…主助偏光ビームスプリッタ、115、215、315…補助偏光ビームスプリッタ、113、213、313…空間変調素子。
Claims (14)
- 波長の異なる第1、第2、第3の光をそれぞれ異なる方向に出射する光源部と、前記第1、第2、第3の光にそれぞれ画像情報を与えるために、前記第1、第2、第3の光の強度をそれぞれ変調する第1、第2、第3の空間光変調素子と、前記空間光変調素子による反射光の光路を、入射光の光路から分離するために、前記光源部と前記第1、第2、第3の空間光変調素子との間にそれぞれ配置された第1、第2、第3の偏光分離部と、前記第1、第2、第3の分離部が分離した前記反射光を重ね合わせて投射する投射光学系とを有し、
前記第1、第2、第3の偏光分離部は、それぞれ、前記第1、第2、第3の空間光変調素子への入射光および反射光のうちの少なくとも一方が内部を通過する光学部材を有し、
前記第1の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、前記第2の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、および、第3の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、光弾性定数の絶対値が最小となる波長が互いに異なることを特徴とする投射型表示装置。 - 波長の異なる第1、第2、第3の光をそれぞれ異なる方向に出射する光源部と、前記第1、第2、第3の光にそれぞれ画像情報を与えるために、前記第1、第2、第3の光の強度をそれぞれ変調する第1、第2、第3の空間光変調素子と、前記空間光変調素子による反射光の光路を、入射光の光路から分離するために、前記光源部と前記第1、第2、第3の空間光変調素子との間にそれぞれ配置された第1、第2、第3の偏光分離部と、前記第1、第2、第3の分離部が分離した前記反射光を重ね合わせて投射する投射光学系とを有し、
前記第1、第2、第3の偏光分離部は、それぞれ、前記第1、第2、第3の空間光変調素子への入射光および反射光のうちの少なくとも一方が内部を通過する光学部材を有し、
前記第1、第2、第3の偏光分離部のうちの少なくとも2つの偏光分離部の前記光学部材をそれぞれ構成する基材は、光弾性定数の絶対値が最小となる波長が互いに異なることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1または2において、前記第1、第2、第3の偏光分離部の前記光学部材をそれぞれ構成する基材は、いずれも、その光学部材を通過する前記第1、第2、第3の光の波長についての光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下であることを特徴とする投射型表示装置。
- 波長の異なる第1、第2、第3の光をそれぞれ異なる方向に出射する光源部と、前記第1、第2、第3の光にそれぞれ画像情報を与えるために、前記第1、第2、第3の光の強度をそれぞれ変調する第1、第2、第3の空間光変調素子と、前記空間光変調素子による反射光の光路を、入射光の光路から分離するために、前記光源部と前記第1、第2、第3の空間光変調素子との間にそれぞれ配置された第1、第2、第3の偏光分離部と、前記第1、第2、第3の分離部が分離した前記反射光を重ね合わせて投射する投射光学系とを有し、
前記第1、第2、第3の偏光分離部は、それぞれ、前記第1、第2、第3の空間光変調素子への入射光および反射光のうちの少なくとも一方が内部を通過する光学部材を有し、
前記第1の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、前記第2の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材、および、第3の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、いずれも、その光学部材を通過する前記第1、第2、第3の光の波長についての光弾性定数の絶対値が1.5×10-8cm2/N以下であることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1、2または4において、前記第1、第2、第3の偏光分離部は、偏光ビームスプリッタであることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1、2または4において、前記第1の光の波長は、400nm以上510nm未満であり、前記第2の光の波長は、510nm以上590nm未満であり、前記第3の光の波長は、590nm以上680nm未満であることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1、2または4において、前記第1および第2の光の波長は、400nm以上590nm未満であり、前記第3の光の波長は、590nm以上680nm未満であることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1、2または4において、前記第1の光の波長は、400nm以上510nm未満であり、前記第2および第3の光の波長は、510nm以上680nm未満であることを特徴とする投射型表示装置。
- 請求項1、2または4において、前記第1、第2、第3の偏光分離部のうちの少なくとも一つの偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、その組成が酸化物換算の重量%表示で、
SiO2 17.0〜27.0%
Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0%
PbO 73.0〜75.0%
As2O3+Sb2O3 0 〜 3.0%
のガラスであることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項10において、前記第1の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、その組成が酸化物換算の重量%表示で、
SiO2 24.9%
Na2O 0.9%
K2O 0.9%
PbO 73.0%
Sb2O3 0.3%
のガラスであることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項10において、前記第2の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、その組成が酸化物換算の重量%表示で、
SiO2 24.4%
Na2O 0.9%
K2O 0.9%
PbO 73.5%
Sb2O3 0.3%
のガラスであることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項10において、前記第3の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、その組成が酸化物換算の重量%表示で、
SiO2 23.4%
Na2O 0.9%
K2O 0.9%
PbO 74.5%
Sb2O3 0.3%
のガラスであることを特徴とする投射型表示装置。 - 請求項1、2または4において、前記第1、第2、第3の偏光分離部の前記光学部材を構成する基材は、いずれも、その組成が酸化物換算の重量%表示で、
SiO2 17.0〜27.0%
Li2O+Na2O+K2O 0.5〜 5.0%
PbO 73.0〜75.0%
As2O3+Sb2O3 0 〜 3.0%
のガラスであり、しかも、前記PbO組成の値が、第1の偏光分離部の前記光学部材の基材、第2の偏光分離部の前記光学部材の基材、および、第3の偏光分離部の前記光学部材の基材で、互いに異なることを特徴とする投射型表示装置。
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