JP3735977B2 - 排煙脱硫装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、排ガス中の亜硫酸ガスを石膏として除去する排煙脱硫装置に関し、更に詳しくは、その石膏分離機の性能が改良された排煙脱硫装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ボイラー、各種加熱炉あるいは焼却炉等の排ガス中から亜硫酸ガス等の有害成分を除去するための排煙脱硫装置の一種として、上記排ガス中に含まれる亜硫酸ガス(SO2)を主体とする硫黄酸化物を、石灰石(CaCO3)を溶解または懸濁した水溶液からなる吸収液と接触させて中和するとともに、これを酸化させることにより、石膏として除去する湿式の排煙脱硫装置が広く用いられている。
図2は、ジェットバブリング式反応槽を有する従来のこの種の湿式排煙脱硫装置の要部を示すものである。
図2において、図中符号1は、この排煙脱硫装置における反応槽を示すもので、この反応槽1内は、隔壁となる円板状または方形板状の下部デッキ2および上部デッキ3により、石灰石(CaCO3)を溶解または懸濁した水溶液からなる吸収液4を一定の液面高さに貯留する貯留部と、上下部デッキ2、3間にあって排ガスの入口ダクト5が接続された入口プレナム6と、上部デッキ3上方にあって排ガスの出口ダクト7と連通する出口プレナム8とに画成されている。上記下部デッキ2には、多数の開口部が穿設されており、各開口部には、スパージャーパイプ9…が垂設され、かつ各スパージャーパイプ9の上記吸収液4中にある下部外周壁には、排ガスの噴出孔が穿設されている。他方、上記下部デッキ2と上部デッキ3との間には、上記貯留部の吸収液面上の空間を出口プレナム8側に連通させるガスライザー10…が配設され、さらに上記出口ダクト7内には、ミストエリミネータ11が配設されている。なお、図中符号12は、上記反応槽1の吸収液4内に酸化用空気を導入する、酸化用空気供給管であり、符号13は、上記吸収液4を撹拌する撹拌機である。
【0003】
また、この排煙脱硫装置においては、上記反応槽1で生成された石膏スラリーをポンプ14で移送管15を介して抜き出して固液分離する石膏分離機16が設けられており、上記石膏分離機16において石膏17が分離された母液は、母液タンク18内に一端貯留された後に、ポンプ19を介して再び上記反応槽1における吸収液4の一部として、あるいはミストエリミネータ11の洗浄水として系内に戻される。
【0004】
上記構成からなる排煙脱硫装置によって、例えばボイラーの排ガス中に含まれる亜硫酸ガス等を除去するには、先ず排ガスを入口ダクト5から入口プレナム6に送気し、各スパージャーパイプ9の下端噴出孔から水平方向に噴出させる。すると、上記排ガスは、吸収液4と激しく混合して液相連続のジェットバブリング層を形成し、このジェットバブリング層において高効率な気液接触が行われてSO2が吸収され、このようにして脱硫された排ガスは、ガスライザー10を介して出口プレナム8に集められ、出口ダクト7からミストエリミネータ11を介して外部に排出される。
【0005】
また、これと並行して、SO2を酸化・中和することによって、吸収液4中には石膏が生成し、これが結晶成長して粗大粒子化することにより石膏スラリーとなる。そして、これが所定の濃度になると反応槽1の底部から抜出され、ポンプ14により移送管15を介して石膏分離機16に送られて母液と石膏17とに分離された後に、石膏分については石膏ボード用等の原料やセメント混合剤として供される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の排煙脱硫装置においては、上記石膏分離機16として、石膏スラリーを高速回転による遠心力によって固液分離する遠心分離機を主体としたものが使用されていた。
しかしながら、石膏分離機16として上記遠心分離機を用いた排煙脱硫装置にあっては、当該遠心分離機が高価であるという問題点があった。
また、上記排煙脱硫装置においては、これが設けられた発電設備を含む当該排煙脱硫装置に係る系内で発生する排水量を削減しようとすると、反応槽内における塩素濃度が上昇し、この結果副生成物としての石膏中の塩素濃度も上昇することから、石膏分離機において石膏を洗浄して石膏中の塩素濃度を下げる必要があるが、このような遠心分離機を用いた石膏分離機16にあっては、上述した石膏の洗浄を行なうことができないという問題点もあった。
【0007】
そこで、従来より、上記石膏分離機16として、遠心分離機に代えて、図3に示すようなベルト式真空脱水機を使用することが提案されている。
このベルト式真空脱水機30は、回転駆動されるドラム31、31間に多数の孔部が穿設された通気性を有するベルト32が張設され、上側に位置するベルトの下部に、−300〜−600mmHgの真空に吸引された脱水室33が配設されるとともに、上記ベルト32上に、多数のローラ34…間に走行自在に巻回された無端状のろ布35が支持されて概略構成されたものであり、ベルト32上にあるろ布35の上方には、図中矢印で示す当該ろ布35の走行方向に沿って、順次ろ布35上に石膏スラリー36を流下させる供給槽37と、ろ布35上に供給されてろ過されつつ移動するケーキを洗浄するためのケーキ洗浄スプレー38とが配設されている。そして、上記脱水室33の底部には、吸引除去したろ液を図示されないろ液槽に排水するろ液排水管39が接続されている。なお、図中符号41は、上記ろ布35の両側方に配設されて当該ろ布35を洗浄するためのスプレーである。
【0008】
上記構成からなるベルト式真空脱水機30においては、ドラム31を回転駆動してベルト32を介してろ布35を図中右方に移動させつつ、上記供給槽37からろ布35上に石膏スラリーを供給するとともに、ケーキ洗浄スプレー38から洗浄水を噴出させてろ布35上を移送されるケーキを洗浄する。これにより、ろ布35上のケーキ中の水分は、脱水室33側に吸引されて除去され、分離された石膏40がろ布35の右方端部から図示されないベルトコンベアー等に回収されるとともに、脱水室33側に分離・除去されたろ液は、ろ液排水管39から上記ろ液槽へと排水されてゆく。
このような、図2における石膏分離機16として、図3に示すベルト式真空脱水機30を用いた排煙脱硫装置によれば、遠心分離機を用いた場合と比較して、設備費用を低減することができるうえに、塩素濃度が高い石膏スラリーを供給した場合においても、これを洗浄することができるという利点がある。
【0009】
しかしながら、上記ベルト式真空脱水機30にあっては、一般にろ布35は、幅寸法が1〜数mであり、かつその長さ寸法が数十mと長尺であるうえに、充分な脱水を行なうためにその走行速度が極めて小さく、しかも上記石膏スラリーが40〜50℃と高温であるために、石膏40を排出した後に、ベルト32の下方から再びベルト32の上側に移動して供給槽37から新たな石膏スラリーが供給されるまでの間に自然乾燥するおそれがあり、この結果ろ布35上に付着している微細石膏粒子等により早期に目詰まりを生じて、ろ過性能の低下を招いてしまうおそれがあった。加えて、このようなろ布35のろ過性能の低下を抑制するためには、ケーキとともにろ布35自体も洗浄すべく、別途スプレー41からも多量の洗浄水を供給しなければならないといった問題点もあった。
また、上記排煙脱硫装置においては、近年、上記排煙脱硫装置が設けられている発電設備等内の総合排水処理において分離・生成した排水汚泥を無害化するための処理費用が高騰化し、かつ環境基準の強化から立地によってはこの種の汚泥を廃棄することが難しくなってきたために、煤塵や微量成分を含んだ排水を中和槽で中和して濃縮装置で濃縮し、得られた排水スラリーを上記石膏スラリーと混合して上記ベルト式真空脱水機30で脱水処理することにより、セメント混合剤等として利用される低品位の石膏として回収する処理も行なわれており、このような場合には、特に上記排水スラリーには、上述したように微粒子化した硫酸塩および水酸化物等が含まれているために、ろ布35の目詰まりがさらに著しくなるという問題点があった。
【0010】
本発明は、上記従来の排煙脱硫装置が有する課題を有効に解決すべくなされたもので、石膏分離機において、ベルト式真空分離機のろ布洗浄水を増加させることなく、長期間にわたってろ過性能を維持することができ、よって石膏スラリーを連続的に円滑に処理することができる排煙脱硫装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明に係る排煙脱硫装置は、排ガスと循環供給されるCa成分を含む吸収液とを接触させるとともに、上記吸収液に空気を導入して上記排ガス中から亜硫酸ガスを石膏スラリーとして除去し、生成した上記石膏スラリーを抜き出し、石膏分離機において固液分離して石膏として回収する排煙脱硫装置において、上記石膏分離機が、ドラム間に張設した通気性を有するベルト上に、無端状のろ布が走行自在に支持されてなり、上記ろ布上に供給槽から供給される石膏スラリーを上記ベルトの下方に設けられて負圧に保持された脱水室から吸引してろ液と石膏とに分離するベルト式真空脱水機と、このベルト式真空脱水機の上記ドラムの下方に配設され、内部に洗浄水が蓄えられてこの洗浄水内に上記ろ布の下部が浸漬される洗浄水滞留槽と、上記ろ布の上記洗浄水滞留槽の入口側および出口側の少なくとも出口側に配設されて上記ろ布の両面を洗浄する洗浄スプレーとを備えてなることを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、上記洗浄スプレーを、上記洗浄水滞留槽の出口側に設けたことを特徴とするものである。
さらに、請求項3に記載の発明は、上記請求項1または2に洗浄水滞留槽の内部に、走行する上記ろ布からその表面付着物を掻き落とすブラシを配設したことを特徴とするものであり、請求項4に記載の発明は、上記請求項1〜3のいずれかに記載の石膏分離機の前段には、上記石膏スラリーとこの排煙脱硫装置に係る系内で生じた排水スラリーとを混合する混合槽が配設され、この混合槽で混合された上記石膏スラリーと排水スラリーとを上記ベルト式真空脱水機に供給するようにしたことを特徴とするものである。
【0013】
請求項1〜4のいずれかに記載の排煙脱硫装置にあっては、ドラムを回転駆動してベルト上に支持したろ布を移動させつつ、上記ろ布上に供給槽から少なくとも石膏スラリーを供給し、ろ布上のケーキ中の水分を通気性を有するベルトの下方から吸引して除去することにより、所望の水分含有率まで脱水された石膏が分離されてろ布上から回収される。そして、石膏が回収された後のろ布は、さらに走行して上記ベルト式真空脱水機の下方に配設された洗浄水滞留槽内に導かれ、その走行に伴って洗浄水滞留槽内の洗浄水により表面に付着した微粒子が振るい落とされるとともに、表面が湿潤されることにより、その目詰まりが防止される。
したがって、この排煙脱硫装置によれば、先ず石膏分離機としてベルト式真空脱水機を用いているので、遠心分離機を用いた場合と比較して、設備費用を大幅に低減することができ、当該処理と並行して、供給される石膏スラリーの洗浄を行なうことができる。加えて、上記ベルト式真空脱水機の下方に、上記ろ布の下部が浸漬される洗浄水滞留槽を設け、石膏が回収された後に石膏スラリー等の供給側へと走行するまでの間、当該ろ布を上記洗浄水内を走行させて、目詰まりの原因となる乾燥および付着物の滞留を防止しているので、ケーキ洗浄スプレーからの水量を増加させることなく、長期間にわたってろ布の目詰まりを防止して、所望のろ過性能を保持することができ、よって生成された石膏スラリーの円滑な固液分離処理を行なうことができる。
【0014】
この際に、ろ布の洗浄水滞留槽の入口側および出口側の少なくとも出口側に、上記ろ布の両面を洗浄するための洗浄スプレーを配設しているので、上記洗浄水滞留槽の前および/または後においてろ布の両面に付帯した固形物等の付着物の洗浄を行なうことができ、より一層当該ろ布の目詰まりを防止することができる。ここで、上記洗浄スプレーを洗浄水滞留槽の入口側および出口側の両側に配設しない場合には、請求項2に記載の発明のように上記洗浄スプレーを洗浄水滞留槽の出口側に配設すれば、洗浄水滞留槽から石膏スラリーの供給部までの間の乾燥をより効果的に防止することができ、しかも上記洗浄水滞留槽内で、ろ布上に乗ったまま搬送されてきた固形物等の付着物もその出口において洗浄することができるために、より好適である。
【0015】
さらに、請求項3に記載の発明にあっては、洗浄水滞留槽の内部に、走行する上記ろ布からその表面付着物を掻き落とすブラシを配設しているので、上記洗浄水滞留槽内において、確実に走行するろ布の表面から付着物を剥ぎ落とすことができ、かつ分離された上記付着物を洗浄水滞留槽の底部から容易に抜出して廃棄することが可能となる。
したがって、これら請求項1〜3のいずれかに記載の発明は、請求項4に記載の発明のように、特に石膏スラリーに、微粒子を多く含む排水スラリーを混合して処理する場合において、上記微粒子に起因するろ布の目詰まりを有効に防止することができ、よって長期間にわたって石膏スラリーおよび排水スラリーの良好な連続処理運転を行なうことができるといった顕著な作用効果を奏する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明に係る排煙脱硫装置の一実施形態の要部を示すもので、他の部分については、概略図2に示したものと同様であるために、説明中に同一符号を付してその説明を省略する。
図1は、本排煙脱硫装置における石膏分離機の構成を示すものであり、この石膏分離機は、水平ベルト式真空脱水機50と、洗浄水滞留槽51とから概略構成されたものである。ここで、上記水平ベルト式真空脱水機50は、回転駆動されるドラム52、52間に、多数の孔部が穿設された通気性を有するゴム製のベルト53が上記ドラム52とともに回転自在に張設されており、上側に位置するベルト53の下部に、内部が−300〜600mmHgの真空に保持された脱水室54が配設されている。そして、上記ベルト53上に、多数のローラ55…間に走行自在に巻回されたポリプロピレンやポリエステル等からなる無端状のろ布56が、上記ベルト53とともに、図中矢印で示す方向に走行自在に支持されている。また、上記脱水室54の底部には、吸引除去したろ液を図示されないろ液槽に排水するろ液排水管57が接続されている。
【0017】
そして、このベルト式真空脱水機50の上記ドラム52の下方に、上記洗浄水滞留槽51が配設されている。この洗浄水滞留槽51は、内部に洗浄水60が所定のレベルまで蓄えられており、上記レベルの側壁には、オーバーフロー管61が接続されている。この洗浄水60内には、上記ろ布56の下部が浸漬されている。また、この洗浄水滞留槽51の底部には、上記ろ布56を洗浄することによって沈下した石膏分等の固形物を排出するための抜出し管62が接続されている。さらに、この洗浄水滞留槽51内には、走行するろ布56の両面側に位置して、上記ろ布56からその表面付着物を掻き落とす一対のブラシ63、63が設けられている。
また、この洗浄水貯留槽51の外方であって、上記ろ布56の洗浄水滞留槽51の入口側および出口側には、それぞれ上記ろ布56の両面を洗浄するための洗浄スプレー64…が配設されている。なお、図中符号72は、ろ布56から強制的に石膏を分離するための分離板である。
【0018】
他方、この排煙脱硫装置においては、この排煙脱硫装置が設けられている発電設備の総合排水処理設備における濃縮装置の出口側に配管された排水スラリー管23が、図1に示すように上記水平ベルト式真空脱水機50まで導かれている。そして、上記水平ベルト式真空脱水機50の近傍に、上記排水スラリー管23から送られてくる排水スラリーと、上記ポンプ14によって移送管15から送られてくる石膏スラリーとを混合するための混合槽65が設置されている。そして、ベルト53上にあるろ布56の上方には、ろ布の走行方向に沿って、順次上記混合槽65で混合されて供給管66から送られる石膏スラリーと排水スラリーとの混合液を、ろ布56上に流下させる供給槽67と、ろ布56上に供給されてろ過されつつ移動するケーキを洗浄するためのケーキ洗浄スプレー68とが配設されている。
【0019】
以上の構成からなる石膏分離機を有する排煙脱硫装置においては、排ガスの脱硫に伴って反応槽1の吸収液4内で生成された石膏スラリーと、排水処理設備において濃縮された排水スラリーとが、それぞれ移送管15および排水スラリー管23から混合槽65に供給され、さらに供給管66を介して供給槽67に送られる。
そして、これと並行して、水平ドラム式真空脱水機50のドラム52を回転駆動して、ベルト53とともにろ布56を図中矢印方向に移動させつつ、上記ろ布56上に、供給槽67から石膏スラリーと排水スラリーとの混合液を供給するとともに、これをケーキ洗浄スプレー68によって洗浄する。すると、ろ布56上のケーキ中の水分およびケーキ洗浄スプレー68からの洗浄水は、脱水室54からの吸引力により、通気性を有するベルト53を介して上記脱水室54内に吸引・除去される。これにより、所望の水分含有率まで脱水された石膏69が分離されて、図中右方端部においてろ布56上からベルトコンベア70上に回収されて行く。
【0020】
このようにして、石膏69が回収されたろ布56は、さらに走行してその両面が洗浄スプレー64によって洗浄され、一緒に搬送されてきた微細粒子が取り除かれた後に、上記ベルト式真空脱水機50の下方に配設された洗浄水滞留槽51の洗浄水60内に導かれる。次いで、上記洗浄水60内において、その走行に伴って当該洗浄水60により表面に付着した微粒子が振るい落とされるとともに、ブラシ63により両面に付着した固形物が剥ぎ落とされる。そして、上記洗浄水滞留槽51内において表面が湿潤されたろ布56は、上記洗浄水滞留槽51を出た後に、さらに洗浄スプレー64によって湿潤を加えられるとともに、ろ布56上に乗ったまま搬送されてきた固形物等の付着物が洗浄される。これにより、ろ布56は、その乾燥および付着物の滞留に起因する目詰まりが防止されて、再びベルト53上に至り、その上面に供給槽67からの石膏スラリーと排水スラリーとの混合液が供給される。
他方、水分が付着したろ布56の走行に伴って洗浄液滞留槽51内の液面は上昇し、余分な洗浄水60はオーバーフロー管61から再び上記排煙脱硫装置の系内に戻されるとともに、洗浄液滞留槽51の底部に沈殿した石膏等の固形物は、抜出し管62から系外に排出される。
【0021】
したがって、上記排煙脱硫装置によれば、石膏分離機としてベルト式真空脱水機50を用いているので、遠心分離機を用いた場合と比較して、設備費用を低減することができるとともに、処理と並行して石膏スラリーの洗浄も行なうことができる。加えて、上記ベルト式真空脱水機50の下方に、上記ろ布56の下部が浸漬される洗浄水滞留槽51を設け、石膏スラリーと排水スラリーとの混合液の供給位置に戻るまでの間、当該ろ布56を洗浄水60内を走行させるとともに、上記洗浄水滞留槽51の前後において洗浄スプレー64によってその両面を湿潤させているので、再び上記混合液が供給されるまでの間に、上記ろ布56が乾燥することを防止することができる。
【0022】
加えて、ろ布56の洗浄水滞留槽51の入口側および出口側に、上記ろ布56の両面を洗浄するための洗浄スプレー64…を配設しているので、上記洗浄水滞留槽51の前後におけるろ布56の両面に付帯した固形物等の付着物の洗浄を行なうことができ、特に出口側に配設した洗浄スプレー64によって、上記洗浄水滞留槽51内でろ布56上に乗ったまま搬送された固形物等の付帯物も洗浄することができるとともに、さらに洗浄水滞留槽51の内部に配設したブラシ63によって走行する上記ろ布56からその表面付着物を掻き落とすこともできる。
このため、ろ布56の乾燥および表面の付着物に起因する目詰まりの発生を確実に防止することができ、よってケーキ洗浄スプレー68からの水量を増加させることなく、長期間にわたって所望のろ過性能を保持することができ、この結果反応槽1で生成された石膏スラリーと発電設備などで生じた排水スラリーとの混合液からの円滑な固液分離処理を行なうことができる。
【0023】
なお、上記実施形態においては、本発明に係る石膏分離機が改良された排煙脱硫装置を、ジェットバブリング式反応槽を有する湿式排煙脱硫装置に適用した場合についてのみ説明したが、これに限るものではなく、排ガスと循環供給されるCa成分を含む吸収液とを接触させるとともに、上記吸収液に空気を導入して上記排ガス中から亜硫酸ガスを石膏スラリーとして除去し、生成した上記石膏スラリーをスラリーポンプで抜き出し、石膏分離機において固液分離して石膏として回収する、いわゆる湿式の石灰−石膏法排煙脱硫装置であれば、様々な形態のものにも同様に適用することが可能である。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1〜4のいずれかに記載の排煙脱硫装置によれば、その石膏分離機としてベルト式真空脱水機を用い、かつその下方にろ布の下部が浸漬される洗浄水滞留槽を設けているので、石膏スラリーの供給側までの間におけるろ布の乾燥を防止することができ、よってケーキ洗浄スプレーからの水量を増加させることなく、長期間にわたってろ布の目詰まりを防止して、所望のろ過性能を保持することができために、排ガスの脱硫に伴って生成された石膏スラリー等の円滑な固液分離処理を行なうことができる。
【0025】
特に、請求項1または2に記載の発明によれば、洗浄水滞留槽の前後におけるろ布の両面に付帯した固形物等の付着物の洗浄を行なうことができ、さらに請求項3に記載の発明によれば、洗浄水滞留槽の内部に配設したブラシによって、上記洗浄水滞留槽内を走行するろ布の表面から付着物を剥ぎ落とすことができるため、より一層当該ろ布の目詰まりを防止することができ。
したがって、これら請求項1〜3のいずれかに記載の発明は、特に請求項4に記載の発明のように、石膏スラリーに微粒子を多く含む排水スラリーを混合して処理する場合において、上記微粒子に起因するろ布の目詰まりを有効に防止することができ、よって長期間にわたって石膏スラリーおよび排水スラリーの良好な連続処理運転を行なうことができるといった顕著な作用効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排煙脱硫装置の一実施形態における石膏分離機を示す概略構成図である。
【図2】従来の排煙脱硫装置を示す概略構成図である。
【図3】従来の他の排煙脱硫装置における石膏分離機を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 反応槽
4 吸収液
12 酸化用空気供給管
15 移送管
16 石膏分離機
23 排水スラリー管
50 水平ベルト式真空脱水機
51 洗浄水滞留槽
52 ドラム
53 ベルト
54 脱水室
56 ろ布
60 洗浄水
63 ブラシ
64 洗浄スプレー
65 混合槽
67 供給槽
68 ケーキ洗浄スプレー
69 石膏
Claims (4)
- 排ガスと循環供給されるCa成分を含む吸収液とを接触させるとともに、上記吸収液に空気を導入して上記排ガス中から亜硫酸ガスを石膏スラリーとして除去し、生成した上記石膏スラリーを抜き出し、石膏分離機において固液分離して石膏として回収する排煙脱硫装置において、
上記石膏分離機は、ドラム間に張設した通気性を有するベルト上に、無端状のろ布が走行自在に支持されてなり、上記ろ布上に供給槽から供給される上記石膏スラリーを上記ベルトの下方に設けられて負圧に保持された脱水室から吸引してろ液と上記石膏とに分離するベルト式真空脱水機と、このベルト式真空脱水機の上記ドラムの下方に配設され、内部に洗浄水が蓄えられて当該洗浄水内に上記ろ布の下部が浸漬される洗浄水滞留槽と、上記ろ布の上記洗浄水滞留槽の入口側および出口側の少なくとも出口側に配設されて上記ろ布の両面を洗浄する洗浄スプレーとを備えてなることを特徴とする排煙脱硫装置。 - 上記洗浄スプレーは、上記洗浄水滞留槽の出口側に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の排煙脱硫装置。
- 上記洗浄水滞留槽の内部に、走行する上記ろ布からその表面付着物を掻き落とすブラシを配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の排煙脱硫装置。
- 上記石膏分離機の前段には、上記石膏スラリーと当該排煙脱硫装置に係る系内で生じた排水スラリーとを混合する混合槽が配設され、この混合槽で混合された上記石膏スラリーと排水スラリーとを上記ベルト式真空脱水機に供給するようにしたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の排煙脱硫装置。
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