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JP3735150B2 - Battery separator and battery using the same - Google Patents

Battery separator and battery using the same Download PDF

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JP3735150B2
JP3735150B2 JP02351596A JP2351596A JP3735150B2 JP 3735150 B2 JP3735150 B2 JP 3735150B2 JP 02351596 A JP02351596 A JP 02351596A JP 2351596 A JP2351596 A JP 2351596A JP 3735150 B2 JP3735150 B2 JP 3735150B2
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Cell Separators (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池用セパレータおよびそれを用いた電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
樹脂から形成された多孔質フィルムの用途は広く、分離膜、建築用通気性フィルム、衣料用通気性フィルム等の様々な分野で用いられている。このなかでも、電池の分野において、多孔質フィルムは電池用セパレータとして注目されており、これに使用する種々タイプの多孔質フィルムが開発されている。
【0003】
すなわち、近年において、電子機器のコードレス化、ポータブル化に伴い、これらの駆動用電源として、高エネルギー密度、高起電力、自己放電の少ないリチウム電池あるいはリチウムイオン電池(以下「リチウム電池」という)が注目を集めているが、このリチウム電池に使用されている電池用セパレータとしては、イオン透過性を確保して電池内部の電気抵抗を小さくするために、多孔質フィルムが用いられている。
【0004】
リチウム電池は、電解液として有機溶媒等の非水電解液が使用されているが、外部短絡や誤接続などにより電池内部に異常電流が流れると、電池内部温度が著しく上昇するという問題がある。この結果、リチウム電池を組み込んだ電子機器に熱的ダメージを与えるおそれがある。
【0005】
そこで、この問題を解決するために、リチウム電池において、電池用セパレータ(多孔質フィルム)に対しては、異常電流による電池内部の温度上昇があった場合、電池用セパレータの電気抵抗を増加させて電池反応を停止させ、電池内部温度のそれ以上の上昇を防止する機能である、シャットダウン特性(Shut−down、以下、「SD特性」と略す)が必須の機能とされている。すなわち、異常電流が流れ電池内部温度が一定温度まで上昇すると、樹脂の溶融により電池用セパレータの多孔質構造が無孔質となり、イオンの透過が遮断されて電池内部の電気抵抗が増大するのである。
【0006】
このSD特性の発現温度としては、リチウム電池をはじめとする非水電解液電池の安全性等の理由から、約110〜140℃とされ、しかも増大した電気抵抗をある一定温度まで維持することが望ましいとされている。このような増大した電気抵抗を一定温度まで維持することを電池用セパレータの耐熱性といい、増大した電気抵抗を維持出来る上限温度を耐熱温度という。
【0007】
このSD特性を有する電池用セパレータ(多孔質フィルム)としては、以下に示すようなものが知られている。
【0008】
まず、多孔質ポリプロピレンフィルム単独あるいは多孔質ポリエチレンフィルム単独の電池用セパレータが知られている(特公昭46−40119号公報、特公平6−18915号公報)。この電池用セパレータは、高ドラフト比でフィルムを成形し、これを熱処理した後に延伸してラメラ間を剥離させることによって多孔質化させたものである。
【0009】
しかし、この電池用セパレータは、つぎの問題がある。すなわち、上記電池用セパレータが、多孔質ポリプロピレンフィルム製の場合、SD発現温度が170℃と高いという問題がある。また、多孔質ポリエチレンフィルム製の場合は、SD発現温度は低いが、耐熱温度が低いという問題がある。
【0010】
他方、特開平2−21559号公報には、通常の分子量を有するポリエチレンと高分子量ポリエチレンとの混合物から形成された多孔質フィルム製の電池用セパレータが開示されている。しかし、この電池用セパレータでは、高分子量ポリエチレンを用いることから、これを溶媒に膨潤させる工程が必要であり、また多孔質化において液体や固体の抽出工程や大量の溶剤を使用するためそれを回収する工程など、工程数が多くそれに伴いコストがかかり、電池用セパレータも高価なものとなる。また、その製造において、不純物が混入する可能性があり、電池用セパレータの性能に影響を及ぼすおそれがある。
【0011】
また、特公平4−38101号公報および特開平3−59947号公報には、二種類の多孔質フィルムを接着剤や加熱圧着等により貼着して一体化した電池用セパレータが開示されている。具体的には、多孔質ポリプロピレンフィルムと多孔質ポリエチレンフィルムとを貼着したもの、あるいは多孔質ポリエチレンフィルムと多孔質架橋ポリエチレンフィルムとを貼着したものである。
【0012】
このような構成の電池用セパレータは、SD発現温度も適当な範囲であり、また耐熱温度も高いことから、優れたSD特性を期待できるものである。
【0013】
しかし、貼着の際に、多孔質フィルムの微孔の一部が、接着剤あるいは加熱圧着による樹脂の溶融により閉塞されてしまう。このため、この電池用セパレータは、正常通電時の電気抵抗が高くなるおそれがある。また、二種類の多孔質フィルムを貼着するため、電池用セパレータの厚みが厚くなり、このことは、電池の小型化や高エネルギー密度化をすすめる上で問題となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の多孔質フィルム製電池用セパレータの問題を解決するために、本発明者は、ポリエチレンとポリプロピレンとの樹脂混合物を多孔質フィルムに成形した電池用セパレータを提案した(特開平4−206257号公報)。この電池用セパレータは、前述の電池用セパレータに比べ、SD特性に優れ、また薄膜化も可能であり、製造効率の点において問題がないものである。
【0015】
しかしながら、この電池用セパレータにおいても、つぎのような問題があり、その解決が切望されている。すなわち、この電池用セパレータでは、ポリプロピレンの含有量を増やすと滑り性が悪くなるという問題がある。このため、電池用セパレータを電池に組み込む際には、ピンを用いて電池用セパレータを巻き込んでいき、巻き込み終了後ピンを抜き取る必要があるが、このピンの抜け性が悪くなり、この結果、電池の製造効率が低下することがある。
【0016】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、薄膜でSD特性および滑り性に優れた電池用セパレータおよびそれを用いた電池の提供をその目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の電池用セパレータは、樹脂製の電池用セパレータであって、前記樹脂が架橋ポリエチレンおよびポリエチレンを必須成分とし、前記両樹脂の合計重量に対し、前記架橋ポリエチレンの割合が10〜80重量%であり、前記ポリエチレンの割合が20〜90重量%であるいう構成をとる。
【0018】
すなわち、本発明の電池用セパレータは、単層構造であることから薄膜化が可能であり、また上記二種類の樹脂を必須成分とすることから、SD特性にも優れるものである。そして、架橋ポリエチレンが使用されていることから、滑り性にも優れるものである。したがって、この電池用セパレータは、特にリチウム電池等の非水電解液電池用の電池用セパレータとして最適なものである。
【0019】
また、製造効率が向上するという理由から、上記架橋ポリエチレンは、ポリエチレンに導入された活性シラン基と水との架橋反応により架橋された架橋ポリエチレンであることが好ましい。すなわち、架橋ポリエチレンの製造において、上記方法の他、電子線照射による架橋法があるが、この方法に使用する装置および設備が大掛かりなものであるからである。
【0020】
そして、本発明の電池は、正極と負極とが電池用セパレータで隔離された電池であって、上記電池用セパレータとして、前記本発明の電池用セパレータを用いたものである。また、本発明の電池は、前記本発明の電池用セパレータを用いることから、電解液として非水電解液を用いたものにおいて、安全性が優れるようになる。
【0021】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明を具体的に説明する。
【0022】
本発明の電池用セパレータは、樹脂製であり、架橋ポリエチレンおよびポリエチレンを必須成分とするものである。
【0023】
上記必須成分の一つである架橋ポリエチレンとしては、ポリエチレンを架橋したものがあげられる。そして、架橋法としては、先に述べたように、ポリエチレンに活性シラン基を導入し、上記活性シラン基と水との架橋反応により行うことが好ましい。そして、この活性シラン基と水との架橋法において、シラン架橋性コンパウンドを用いることが好ましい。このシラン架橋性コンパウンドは、ポリエチレンの側鎖に活性シラン基を導入したものであり、水との反応により、下記(化1)で表されるように、架橋反応が進むものである。
【0024】
【化1】

Figure 0003735150
【0025】
もう一方の必須成分であるポリエチレン(PE)としては高密度PE、中密度PE、低密度PE、線状低密度PEや、エチレンとビニル化合物との共重合体があげられる。これらの中でも、気孔率を高くする理由から結晶性の高い高密度PEが好ましい。
【0026】
そして、本発明において、上記架橋ポリエチレンとポリエチレンとの割合は、これら両者の合計重量に対し、上記架橋ポリエチレンが10〜80重量%であり、上記ポリエチレンが20〜90重量%である。すなわち、架橋ポリエチレンの割合が80重量%を越える(ポリエチレの割合が20重量%未満)と、SD発現温度が高くなり、所定温度での電気抵抗の増大が不充分となるおそれがあるからである。これとは逆に、架橋ポリエチレンの割合が10重量%未満(ポリエチレの割合が90重量%を越える)となると、増大した電気抵抗が適当な温度まで維持されなくり、耐熱性に劣るようになるおそれがあるからでる。そして、上記割合の好適範囲は、架橋ポリエチレンの割合が20〜80重量%であり、ポリエチレンの割合が20〜80重量%である。
【0027】
そして、本発明の電池用セパレータにおいて、上記二つの必須成分の他に、これらの機能を害しない範囲において、界面活性剤、老化防止剤、可塑剤、着色剤、難燃剤、相溶化剤等の添加剤を含有してもよい。
【0028】
つぎに、本発明の電池用セパレータの製造方法について説明する。本発明の電池用セパレータは、例えば、側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレンとポリエチレンとを混合して樹脂組成物を調製してこれをフィルム状に成形し、ついでこのフィルムを延伸法により多孔質化した後、上記側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレンを架橋することにより作製できる。
【0029】
すなわち、まず、ポリマー中に活性シラン基を持つポリエチレンとポリエチレンとを前述の所定割合で配合して混合し樹脂組成物を調製するが、この配合の際に、架橋促進剤として、架橋触媒も同時に配合してもよい。架橋触媒の配合は、少量の側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレンと架橋触媒とを予め混合し、この混合物を配合する、いわゆるマスターバッチ法を適用すると、架橋触媒の分散が良好となって好ましい。また、上記樹脂組成物には、必要に応じ、前述の添加剤を適量配合してもよく、この場合は、上記側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレン等と同時に配合すればよい。そして、上記混合は、例えば、ヘンシェルミキサーを用いてのドライブレンドで行うことができる。
【0030】
つぎに、この樹脂組成物を、フィルム状に成形する。この成形は、例えば、熱可塑性樹脂のフィルム成形法であるTダイ式押出法やインフレーション法等により行うことができる。また、成形条件は、成形法の種類に応じ適宜決定されるが、例えば、ドラフト比が、通常、20以上好ましくは50以上であり、フィルムの引取速度が、通常、5m/分〜200m/分、好ましくは10m/分〜100m/分である。なお、上記ドラフト比(D)は、フィルムの引取速度(V2)をダイスから押し出される樹脂の線速度(V1)で除した値であり、下記式(数1)で表されるものである。
【0031】
【数1】
Figure 0003735150
【0032】
そして、得られたフィルム(無多孔質)について、熱処理(アニーリング)を行うことが好ましい。この熱処理は、フィルムの結晶性の向上等を目的として行われるものである。上記熱処理の条件は、側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレンの架橋温度未満でかつ融点以下の温度である。具体的には、130℃以下で行われる。また、熱処理に要する時間は、フィルムの側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレンとポリエチレンの割合や、上記熱処理温度などに応じて設定されるが、通常、約2秒〜50時間、好ましくは10秒〜24時間である。
【0033】
このようにして熱処理した後、これを延伸することにより、多孔質化処理を行う。この延伸法としては、低温で延伸した後、高温で延伸する2段階延伸法を適用することが好ましい。
【0034】
すなわち、まず、フィルムに対し、1軸方向で低温延伸を行う。このときの温度は、通常、−20〜60℃である。すなわち、−20℃未満で温度が低すぎると延伸中にフィルムの破断を生じやすく、逆に60℃を越え高すぎると多孔質化し難い。延伸の作業性の点から温度を−20〜55℃とするのが好ましい。この延伸は、例えば、ロール式延伸、テンター式延伸などにより行うことができる。
【0035】
そして、このときの延伸率は限定されるものではないが、通常20〜400%好ましくは50〜300%とされる。なお、この延伸率[M1(%)]は下記式(数2)によって表されるものであり、この式(数2)におけるL0は低温延伸前の寸法であり、L1は低温延伸後の寸法である。
【0036】
【数2】
Figure 0003735150
【0037】
そして、上記低温延伸に続き、高温延伸を行う。すなわち、上記フィルムに対し、60℃〜ポリエチレンの融点以下の温度範囲で1軸あるいは2軸延伸を行う。なお、高温延伸時の延伸率は通常約10〜500%である。この延伸率[M2(%)]は下記式(数3)により表される。この式(数3)におけるL2は高温延伸後の寸法、L1は低温延伸後の寸法(即ち、高温延伸前の寸法)である。
【0038】
【数3】
Figure 0003735150
【0039】
つぎに、この延伸処理に続き、ヒートセット処理を行うことが好ましい。これは、延伸法により多孔質化処理を行った場合は、フィルムに延伸歪みが残留することから、これを除去するためである。このヒートセットは、通常、得られた多孔質フィルムを延伸温度〜ポリエチレンの融点以下の温度の範囲で、延伸後のフィルムの長さの約35%〜50%減少させた状態で5秒〜24時間で一定時間保持することにより行われる。
【0040】
また、テンター式延伸により、横延伸を行ってもよい。
【0041】
そして、得られた多孔質フィルムにおいて、側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレンを架橋させる。この架橋は、先に述べた活性シラン基と水との反応によるものであることが好ましい。この場合、多孔質フィルムを40℃以上の温水中に浸漬する方法や蒸気室中に入れることにより架橋することができる。この架橋処理に要する時間は、多孔質フィルムにおける側鎖に活性シラン基を導入したポリエチレンの割合、熱処理温度、湿度等に応じ適宜設定されるが、通常約2秒〜50時間、好ましくは10秒〜30時間である。また、架橋の程度は、通常、ゲル分率で20%以上、耐熱温度の点から好ましくはゲル分率で30%以上である。
【0042】
このようにして本発明の電池用セパレータを作製することができる。すなわち、この電池用セパレータは、ガーレー値が1500sec/100cc以下であり、この値は、電池用セパレーターとして好ましいものである。なお、ガーレー値は、電池用セパレータのイオン透過性を表す代用特性であり、JIS P 8117に準じて測定することができる。
【0043】
そして、この電池用セパレータは、120〜130℃の範囲の特定温度において、その電気抵抗値が室温の抵抗値の数十倍〜数千倍以上に急激に上昇し、SD開始温度より少なくとも25℃高い温度まで維持され、耐熱温度も高く、安全性に優れたものである。また、滑り性がよいことから、電池製造における巻込み時のピンの抜け性も良くなる。
【0044】
また、本発明の電池は、その形態に応じ従来公知の方法により上記電池用セパレータを組み込んで作製することができる。
【0045】
【実施例】
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
【0046】
【実施例1】
シラン活性基が導入されたポリエチレン(メルトインデックス0.8、三菱化学社製、リンクロンHF−700N)30重量部、メルトインデックス0.4で密度0.968g/cm3の高密度ポリエチレン70重量部、架橋触媒マスターバッチ(三菱化学社製、リンクロンHZ050)1.5重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドし、これをTダイ押出機でフィルム状に成形した。
【0047】
このフィルムを、125℃のロールに1分間接触させ熱処理を行った。その後、ロール延伸機を用い、温度25℃で延伸率が140%になるように低温延伸し、さらに95℃で同方向に延伸率が160%になるように高温延伸した。そして、延伸後、温度105℃において延伸方向の20%収縮(高温延伸後の寸法を基準として)させてヒートセットを行い、ついで、60℃、湿度90%の加熱器に24時間いれて架橋反応を行い、厚み25μmの電池用セパレータを作製した。
【0048】
【比較例1】
メルトインデックス0.4で密度0.968g/cm3 の高密度ポリエチレンをTダイ押出機を用いフィルム状に成形し、フィルムを作製した。
【0049】
このフィルムを、125℃のロールに1分間接触させ熱処理を行った。その後、ロール延伸機を用い、温度25℃で、延伸率が100%になるように低温延伸し、さらに115℃にて同方向に延伸率が300%になるように高温延伸した。そして、延伸後、温度115℃において延伸方向の10%収縮(高温延伸後の寸法を基準として)させてヒートセットをすることにより、厚み25μmの電池用セパレータを得た。
【0050】
【比較例2】
メルトインデックス1.2で密度0.966g/cm3 の高密度ポリエチレン40重量部とメルトインデックス2.0で密度0.90g/cm3 のポリプロピレン60重量部とをヘンシェルミキサーでドライブレンドし、これをTダイ押出機を用いフィルム状に成形し、フィルムを作製した。
【0051】
このフィルムを、2枚の厚み50μmのポリエチレンテレフタレートのフィルムの間に挟み、これを151℃のロールに1分間接触させ熱処理を行った。その後、ロール延伸機を用い、温度25℃で、延伸率が100%になるように低温延伸し、さらに95℃にて同方向に延伸率が140%になるように高温延伸した。そして、延伸後、温度105℃において延伸方向の20%収縮(高温延伸後の寸法を基準として)させてヒートセットをすることにより、白色で厚み25μmの電池用セパレータを得た。
【0052】
このようにして得られた実施例1および比較例1,2の各電池用セパレータについて、SD特性,ガーレー値,滑り性を測定,評価した。なお、これら特性の測定,評価は、以下に示す方法により行った。また、メルトインデックスおよび密度の測定方法も併せて下記に示す。
【0053】
(メルトインデックス)ASTM D 1238に準じて測定した。単位は(g/10min)である。
【0054】
(密度)ASTM D 1505に準じて測定した。単位は(g/cm3 )である。
【0055】
(ガーレー値)JIS P 8117に準じて測定した。単位は(sec/100cc)である。
【0056】
(SD特性)図6に示すような、電気抵抗測定装置を用いてSD特性を調べた。図示のように、この電気抵抗測定装置は、その略中央に電池用セパレータ2が配置され、この両面(図面において左右)のそれぞれに白金電極(直径20mm)1が対向態で配置されている。そして、これら白金電極1のそれぞれの電池用セパレータ2と接していない側にはPP製不織布5を介してポリテトラフルオロエチレン製の板4が装置全体を締め付ける状態で配置されている。また、装置の上下には、シリコーンゴム製のパッキン3が装置を封止する状態で配置されている。
【0057】
上記PP製不織布5には、電解液が含浸されており、これは、プロピレンカーボネートとジメトキシエタンを同容量ずつ混合し、これにLiBF4 を1mol/リットルの濃度になるように溶解させたものである。なお、図示していないが、白金板電極1には、抵抗計が接続されており、白金電極1と電池用セパレータ2との間には薄型熱電対が配置されている。
【0058】
そして、この電気抵抗測定装置を乾燥器中にセットし、約10℃/分の速度で昇温させ、各温度における電気抵抗値を測定した。この電気抵抗値は、国産電機工業社製のLCRメーターKC−532型を用い、1KHzの交流抵抗を測定し、この値を下記式(数4)により換算して求めたものである。なお、この電気抵抗値は、膜抵抗と電解液抵抗を含んだ値である。
【0059】
【数4】
Figure 0003735150
【0060】
(滑り性)往復動摩擦試験機(Model AFT−15B,オリエンテック社製)を用い、圧着銅球(直径10mm),重り(100g),移動速度150mm/分,温度25℃の条件で、サンプル(電池用セパレータ)の長手方向に対し垂直な方向の動摩擦係数を測定し、これにより滑り性を評価した。
【0061】
上記測定,評価の結果、実施例1の電池用セパレータのガーレー値は1000sec/100ccであり、動摩擦係数が0.21で滑り性も優れたものであった。また、この電池用セパレータのSD特性を図1のグラフに示す。図示のように、この電池用セパレータは、約128℃で電気抵抗の急激な上昇が始まり、約132℃で室温の電気抵抗値の約1万倍の高い値に到達し、しかもこの高い電気抵抗値を170℃付近まで維持した。このことから、この実施例1の電池用セパレータは、耐熱温度が高く、優れたSD特性を有し、電池用セパレータとしての特性を全て備えたものといえる。
【0062】
一方、比較例1の電池用セパレータのガーレー値は600sec/100ccであった。また、動摩擦係数は0.29であり、滑り性に優れていた。しかし、この電池用セパレータのSD特性は充分でなかった。すなわち、図2のグラフに示すように、この電池用セパレータは、約128℃で電気抵抗の上昇が始まるものの、その上昇は約100倍の小さいものであり、しかも温度160℃で急激に低下した。このことから、比較例1の電池用セパレータは、耐熱温度が低く、SD特性も悪いといえる。
【0063】
また、比較例2の電池用セパレータは、図3に示すように、SD特性に優れていたが、動摩擦係数が0.67と高く滑り性が悪かった。
【0064】
【実施例2】
メルトインデックス0.8のシラン基導入ポリエチレン60重量部、メルトインデックス0.4で密度0.968g/cm3 の高密度ポリエチレン40重量部、実施例1と同じ架橋触媒マスターバッチ3重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドし、これをTダイ押出機でフィルム状に成形しフィルムを得た。これ以外は、実施例1と同様にして電池用セパレータを作製した。
【0065】
【実施例3】
メルトインデックス0.8のシラン基導入ポリエチレン10重量部、メルトインデックス0.4で密度0.968g/cm3 の高密度ポリエチレン90重量部、実施例1と同じ架橋触媒マスターバッチ0.5重量部をヘンシェルミキサーでドライブレンドし、これをTダイ押出機でフィルム状に成形しフィルムを得た。これ以外は、実施例1と同様にして電池用セパレータを作製した。
【0066】
このようにして得られた実施例2および3の電池用セパレータについて、実施例1と同様にしてガーレー値,滑り性,SD特性を測定,評価した。その結果を、下記の表1に示す。なお、併せて、実施例1、比較例2、3の結果も同表に示す。また、実施例2のSD特性を図4に、実施例3のSD特性を図5に示す。
【0067】
【表1】
Figure 0003735150
【0068】
上記表1に示す結果から、実施例2、3の電池用セパレータは、共に、滑り性(動摩擦係数が低い)に優れていることがわかる。また、図4および図5から、実施例2、3の各電池用セパレータは、共に、SD特性に優れていることがわかる。これらの結果から、実施例2、3の電池用セパレータは、電池用セパレータに最適であるといえる。
【0069】
【発明の効果】
以上のように、本発明の電池用セパレータは、架橋ポリエチレンおよびポリエチレンを必須成分とし、上記両樹脂の割合が、上記両樹脂の合計重量に対し、上記架橋ポリエチレンが10〜80重量%であり上記ポリエチレンが20〜90重量%であるということにより、薄膜化が可能であり、SD特性に優れ、しかも滑り性に優れるものである。このため、本発明の電池用セパレータは、そのまま高性能の電池用セパレータとして用いることができる。そして、この電池用セパレータを電池、特に非水電解液電池に適用すれば、小型化および高エネルギー密度化を図ることができ、また、安全性にも優れるようになり、さらに、電池製造時における電池用セパレータの巻き込み時のピンの抜け性が良くなり、この結果、電池の製造効率も向上するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の電池用セパレータのSD特性を示すグラフ図である。
【図2】 比較例の電池用セパレータのSD特性を示すグラフ図である。
【図3】 比較例の電池用セパレータのSD特性を示すグラフ図である。
【図4】 本発明のその他の実施例の電池用セパレータのSD特性を示すグラフ図である。
【図5】 本発明のその他の実施例の電池用セパレータのSD特性を示すグラフ図である。
【図6】 電池用セパレーターのSD特性を測定するための装置の概略を示す断面図である。
【符号の説明】
1 白金電極
2 電池用セパレータ
3 シリコーン製のパッキン
4 ポリテトラフルオロエチレン性の板
5 PP製不織布[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a battery separator and a battery using the same.
[0002]
[Prior art]
A porous film formed from a resin is widely used and used in various fields such as a separation membrane, a breathable film for construction, and a breathable film for clothing. Among these, in the field of batteries, porous films have attracted attention as battery separators, and various types of porous films used for these have been developed.
[0003]
That is, in recent years, as electronic devices have become cordless and portable, lithium-ion batteries or lithium-ion batteries (hereinafter referred to as “lithium batteries”) having high energy density, high electromotive force, and low self-discharge are used as driving power sources. As a battery separator used in this lithium battery, a porous film is used in order to secure ion permeability and reduce the electric resistance inside the battery.
[0004]
Lithium batteries use non-aqueous electrolytes such as organic solvents as the electrolyte. However, when an abnormal current flows inside the battery due to an external short circuit or incorrect connection, there is a problem that the battery internal temperature rises remarkably. As a result, there is a risk of causing thermal damage to an electronic device incorporating the lithium battery.
[0005]
Therefore, in order to solve this problem, in a lithium battery, when the temperature inside the battery is increased due to an abnormal current with respect to the battery separator (porous film), the electric resistance of the battery separator is increased. A shutdown characteristic (Shut-down, hereinafter abbreviated as “SD characteristic”), which is a function of stopping the battery reaction and preventing further increase in the battery internal temperature, is an essential function. That is, when an abnormal current flows and the battery internal temperature rises to a certain temperature, the porous structure of the battery separator becomes non-porous due to the melting of the resin, and the permeation of ions is blocked to increase the electric resistance inside the battery. .
[0006]
The expression temperature of this SD characteristic is about 110 to 140 ° C. for reasons such as the safety of non-aqueous electrolyte batteries such as lithium batteries, and it is possible to maintain the increased electrical resistance to a certain temperature. It is desirable. Maintaining such increased electrical resistance to a certain temperature is referred to as heat resistance of the battery separator, and the upper limit temperature at which increased electrical resistance can be maintained is referred to as heat resistance temperature.
[0007]
As the battery separator (porous film) having this SD characteristic, the following are known.
[0008]
First, a battery separator made of a porous polypropylene film alone or a porous polyethylene film alone is known (Japanese Patent Publication No. 46-40119 and Japanese Patent Publication No. 6-18915). This battery separator is made porous by forming a film at a high draft ratio, heat-treating the film, and stretching the film to separate the lamellae.
[0009]
However, this battery separator has the following problems. That is, when the battery separator is made of a porous polypropylene film, there is a problem that the SD expression temperature is as high as 170 ° C. In the case of a porous polyethylene film, the SD expression temperature is low, but there is a problem that the heat resistant temperature is low.
[0010]
On the other hand, JP-A-2-21559 discloses a battery separator made of a porous film formed from a mixture of polyethylene having a normal molecular weight and high molecular weight polyethylene. However, since this battery separator uses high molecular weight polyethylene, a process of swelling it with a solvent is required, and it is recovered because a porous or liquid extraction process or a large amount of solvent is used. The number of processes, such as a process to perform, requires many costs, and the battery separator is also expensive. In addition, impurities may be mixed in the production, which may affect the performance of the battery separator.
[0011]
Japanese Patent Publication No. 4-38101 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 3-59947 disclose battery separators in which two types of porous films are bonded and integrated by an adhesive, thermocompression bonding, or the like. Specifically, a porous polypropylene film and a porous polyethylene film are attached, or a porous polyethylene film and a porous crosslinked polyethylene film are attached.
[0012]
The battery separator having such a structure can be expected to have excellent SD characteristics since the SD expression temperature is in an appropriate range and the heat-resistant temperature is also high.
[0013]
However, at the time of sticking, a part of the micropores of the porous film is blocked by melting of the resin by the adhesive or thermocompression bonding. For this reason, this battery separator may have a high electrical resistance during normal energization. Moreover, since two types of porous films are adhered, the thickness of the battery separator is increased, which is a problem in promoting downsizing and high energy density of the battery.
[0014]
[Problems to be solved by the invention]
In order to solve such a problem of the conventional porous film battery separator, the present inventor has proposed a battery separator in which a resin mixture of polyethylene and polypropylene is formed into a porous film. 206257). This battery separator is superior to the battery separator described above in terms of SD characteristics, can be made thin, and has no problem in terms of production efficiency.
[0015]
However, this battery separator also has the following problems, and the solution is eagerly desired. That is, in this battery separator, there is a problem that the slipperiness deteriorates when the content of polypropylene is increased. For this reason, when the battery separator is incorporated into the battery, it is necessary to wind the battery separator using a pin, and to remove the pin after the winding is finished. The production efficiency may be reduced.
[0016]
The present invention has been made in view of such circumstances, and an object of the present invention is to provide a battery separator having a thin film and excellent SD characteristics and slipperiness, and a battery using the same.
[0017]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the battery separator of the present invention is a resin battery separator, wherein the resin contains crosslinked polyethylene and polyethylene as essential components, and the crosslinked polyethylene relative to the total weight of the two resins. The ratio is 10 to 80% by weight, and the ratio of the polyethylene is 20 to 90% by weight.
[0018]
That is, since the battery separator of the present invention has a single layer structure, it can be made thin, and since the above two kinds of resins are essential components, it has excellent SD characteristics. And since crosslinked polyethylene is used, it is excellent also in slipperiness. Therefore, this battery separator is particularly suitable as a battery separator for a non-aqueous electrolyte battery such as a lithium battery.
[0019]
Moreover, from the reason that production efficiency is improved, the crosslinked polyethylene is preferably a crosslinked polyethylene crosslinked by a crosslinking reaction between an active silane group introduced into polyethylene and water. That is, in the production of cross-linked polyethylene, there is a cross-linking method by electron beam irradiation in addition to the above method, but the apparatus and equipment used for this method are large-scale.
[0020]
The battery of the present invention is a battery in which a positive electrode and a negative electrode are separated by a battery separator, and the battery separator of the present invention is used as the battery separator. In addition, since the battery of the present invention uses the battery separator of the present invention, the battery using a non-aqueous electrolyte as the electrolyte has excellent safety.
[0021]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, the present invention will be specifically described.
[0022]
The battery separator of the present invention is made of resin and contains crosslinked polyethylene and polyethylene as essential components.
[0023]
Examples of the crosslinked polyethylene that is one of the essential components include those obtained by crosslinking polyethylene . And as mentioned above, as a crosslinking method, it is preferable to introduce | transduce an active silane group into polyethylene , and to carry out by the crosslinking reaction of the said active silane group and water. And in this crosslinking method of an active silane group and water, it is preferable to use a silane crosslinkable compound. This silane crosslinkable compound is obtained by introducing an active silane group into the side chain of polyethylene, and the crosslinking reaction proceeds as represented by the following (Chemical Formula 1) by reaction with water.
[0024]
[Chemical 1]
Figure 0003735150
[0025]
Another essential component, polyethylene (PE), includes high density PE, medium density PE, low density PE, linear low density PE, and a copolymer of ethylene and a vinyl compound. Among these, high-density PE with high crystallinity is preferable for increasing the porosity.
[0026]
And in this invention, the ratio of the said crosslinked polyethylene and polyethylene is 10-80 weight% of the said crosslinked polyethylene with respect to the total weight of both, and the said polyethylene is 20 to 90 weight%. That is, if the proportion of crosslinked polyethylene exceeds 80% by weight (the proportion of polyethylene is less than 20% by weight), the SD expression temperature becomes high, and the increase in electrical resistance at a predetermined temperature may be insufficient. . On the contrary, when the proportion of cross-linked polyethylene is less than 10 wt% (proportion of polyethylene emissions exceeds 90 wt%) is maintained increased electric resistance to a suitable temperature Nakuri, as inferior heat resistance This is because there is a risk of becoming. And the suitable range of the said ratio is 20 to 80 weight% of the ratio of crosslinked polyethylene, and the ratio of polyethylene is 20 to 80 weight%.
[0027]
And in the battery separator of the present invention, in addition to the above two essential components, the surfactant, anti-aging agent, plasticizer, colorant, flame retardant, compatibilizer, etc., as long as these functions are not impaired. An additive may be contained.
[0028]
Below, the manufacturing method of the battery separator of this invention is demonstrated. The battery separator of the present invention is prepared, for example, by mixing polyethylene having side chains introduced with active silane groups and polyethylene to prepare a resin composition, forming this into a film, and then making the film porous by stretching. It can be produced by crosslinking polyethylene having an active silane group introduced into the side chain after the material has been tempered.
[0029]
That is, first, although polyethylene and polyethylene having an active silane groups in the polymer to prepare a mixed resin composition was blended in a predetermined ratio described above, during the compounding, as a crosslinking accelerator, a crosslinking catalyst simultaneously You may mix | blend. For the blending of the crosslinking catalyst, when a so-called masterbatch method is applied in which a polyethylene having an active silane group introduced into a small amount of side chains and a crosslinking catalyst are mixed in advance, and this mixture is blended, the dispersion of the crosslinking catalyst is improved. preferable. The resin composition may be blended with an appropriate amount of the above-mentioned additives as necessary. In this case, the resin composition may be blended simultaneously with polyethylene or the like having an active silane group introduced into the side chain . And the said mixing can be performed by the dry blend using a Henschel mixer, for example.
[0030]
Next, this resin composition is formed into a film. This molding can be performed by, for example, a T-die extrusion method or an inflation method, which is a thermoplastic resin film molding method. The molding conditions are appropriately determined according to the type of molding method. For example, the draft ratio is usually 20 or more, preferably 50 or more, and the film take-up speed is usually 5 m / min to 200 m / min. Preferably, it is 10 m / min to 100 m / min. The draft ratio (D) is a value obtained by dividing the film take-up speed (V2) by the linear speed (V1) of the resin extruded from the die, and is represented by the following formula (Equation 1).
[0031]
[Expression 1]
Figure 0003735150
[0032]
And it is preferable to heat-process (annealing) about the obtained film (non-porous). This heat treatment is performed for the purpose of improving the crystallinity of the film. The heat treatment condition is a temperature lower than the melting point and lower than the melting point of polyethylene having an active silane group introduced into the side chain . Specifically, it is performed at 130 ° C. or lower. The time required for the heat treatment is set according to the ratio of polyethylene and polyethylene into which the active silane group is introduced into the side chain of the film, the heat treatment temperature, etc., but is usually about 2 seconds to 50 hours, preferably 10 Seconds to 24 hours.
[0033]
After heat-treating in this way, a porous treatment is performed by stretching this. As this stretching method, it is preferable to apply a two-stage stretching method in which stretching is performed at a low temperature and then stretching at a high temperature.
[0034]
That is, first, the film is stretched at a low temperature in a uniaxial direction. The temperature at this time is usually -20 to 60 ° C. That is, if the temperature is less than −20 ° C. and the temperature is too low, the film is likely to break during stretching, and conversely if it exceeds 60 ° C. and is too high, it is difficult to make the film porous. The temperature is preferably -20 to 55 ° C from the viewpoint of workability of stretching. This stretching can be performed, for example, by roll stretching or tenter stretching.
[0035]
The stretching ratio at this time is not limited, but is usually 20 to 400%, preferably 50 to 300%. In addition, this draw ratio [M1 (%)] is represented by the following formula (Formula 2). In this formula (Formula 2), L0 is a dimension before low-temperature stretching, and L1 is a dimension after low-temperature stretching. It is.
[0036]
[Expression 2]
Figure 0003735150
[0037]
Then, following the low temperature stretching, high temperature stretching is performed. That is, the film is uniaxially or biaxially stretched in a temperature range of 60 ° C. to the melting point of polyethylene. In addition, the stretch rate at the time of high temperature stretching is usually about 10 to 500%. This stretching ratio [M2 (%)] is expressed by the following formula (Equation 3). In this equation (Equation 3), L2 is a dimension after high-temperature stretching, and L1 is a dimension after low-temperature stretching (that is, a dimension before high-temperature stretching).
[0038]
[Equation 3]
Figure 0003735150
[0039]
Next, it is preferable to perform a heat setting process following the stretching process. This is because, when the porous treatment is performed by the stretching method, the stretching strain remains in the film, so that it is removed. In this heat setting, the obtained porous film is usually in the range of the stretching temperature to a temperature equal to or lower than the melting point of polyethylene for 5 seconds to 24 in a state where the length of the stretched film is reduced by about 35% to 50%. This is done by holding for a certain period of time.
[0040]
Further, transverse stretching may be performed by tenter type stretching.
[0041]
And in the obtained porous film, the polyethylene which introduce | transduced the active silane group into the side chain is bridge | crosslinked. This cross-linking is preferably due to the reaction between the active silane group and water described above. In this case, it can bridge | crosslink by putting the porous film in the method of immersing in a 40 degreeC or more warm water, or a steam chamber. The time required for this crosslinking treatment is appropriately set according to the ratio of the polyethylene having an active silane group introduced into the side chain in the porous film, the heat treatment temperature, the humidity, etc., but is usually about 2 seconds to 50 hours, preferably 10 seconds. ~ 30 hours. The degree of crosslinking is usually 20% or more in terms of gel fraction, and preferably 30% or more in terms of heat resistance temperature.
[0042]
In this way, the battery separator of the present invention can be produced. That is, this battery separator has a Gurley value of 1500 sec / 100 cc or less, and this value is preferable as a battery separator. The Gurley value is a substitute characteristic representing the ion permeability of the battery separator, and can be measured according to JIS P 8117.
[0043]
The battery separator has an electrical resistance value that rapidly increases to several tens to several thousand times the resistance value at room temperature at a specific temperature in the range of 120 to 130 ° C., and at least 25 ° C. from the SD start temperature. It is maintained at a high temperature, has a high heat-resistant temperature, and is excellent in safety. Moreover, since the slipperiness is good, the pin pull-out property at the time of winding in battery manufacture is also improved.
[0044]
Further, the battery of the present invention can be produced by incorporating the battery separator by a conventionally known method according to the form.
[0045]
【Example】
Next, examples will be described together with comparative examples.
[0046]
[Example 1]
30 parts by weight of polyethylene (melt index 0.8, manufactured by Mitsubishi Chemical Co., Ltd., Wrinklon HF-700N) introduced with silane active groups, 70 parts by weight of high density polyethylene having a melt index of 0.4 and a density of 0.968 g / cm 3 Then, 1.5 parts by weight of a crosslinking catalyst master batch (Linklon HZ050, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation) was dry blended with a Henschel mixer, and formed into a film with a T-die extruder.
[0047]
This film was contacted with a 125 ° C. roll for 1 minute for heat treatment. Thereafter, using a roll stretching machine, the film was stretched at a low temperature so that the stretch ratio was 140% at a temperature of 25 ° C., and further stretched at a high temperature so that the stretch ratio was 160% in the same direction at 95 ° C. Then, after stretching, 20% contraction in the stretching direction at a temperature of 105 ° C. (based on the dimensions after high-temperature stretching) is performed, followed by placing in a heater at 60 ° C. and 90% humidity for 24 hours for a crosslinking reaction. A battery separator having a thickness of 25 μm was produced.
[0048]
[Comparative Example 1]
A high density polyethylene having a melt index of 0.4 and a density of 0.968 g / cm 3 was formed into a film using a T-die extruder to produce a film.
[0049]
This film was contacted with a 125 ° C. roll for 1 minute for heat treatment. Thereafter, using a roll stretching machine, the film was stretched at a temperature of 25 ° C. so that the stretching ratio was 100%, and further at 115 ° C., it was stretched at a high temperature so that the stretching ratio was 300% in the same direction. And after extending | stretching, the battery separator of thickness 25micrometer was obtained by making it heat-set by making 10% contraction (on the basis of the dimension after high temperature extending | stretching) of the extending | stretching direction at the temperature of 115 degreeC.
[0050]
[Comparative Example 2]
A polypropylene 60 parts by weight of a density 0.966 g / cm high-density polyethylene 40 parts by weight of 3 and a melt index 2.0 at a density 0.90 g / cm 3 were dry-blended in a Henschel mixer in the melt index 1.2, it Using a T-die extruder, the film was formed into a film.
[0051]
This film was sandwiched between two polyethylene terephthalate films having a thickness of 50 μm, and this was brought into contact with a roll at 151 ° C. for 1 minute for heat treatment. Thereafter, using a roll stretching machine, the film was stretched at a low temperature so that the stretch ratio was 100% at a temperature of 25 ° C., and further stretched at a high temperature so that the stretch ratio was 140% in the same direction at 95 ° C. And after extending | stretching, 20% shrinkage | contraction (on the basis of the dimension after high-temperature extending | stretching) of the extending | stretching direction was carried out at the temperature of 105 degreeC, and the battery separator with a thickness of 25 micrometers was obtained by heat-setting.
[0052]
For the battery separators of Example 1 and Comparative Examples 1 and 2 thus obtained, the SD characteristics, Gurley values, and slip properties were measured and evaluated. These characteristics were measured and evaluated by the following methods. The melt index and density measurement methods are also shown below.
[0053]
(Melt index) Measured according to ASTM D 1238. The unit is (g / 10 min).
[0054]
(Density) Measured according to ASTM D 1505. The unit is (g / cm 3 ).
[0055]
(Gurley value) Measured according to JIS P 8117. The unit is (sec / 100 cc).
[0056]
(SD characteristics) The SD characteristics were examined using an electric resistance measuring apparatus as shown in FIG. As shown in the figure, this electrical resistance measuring apparatus has a battery separator 2 disposed substantially at the center thereof, and platinum electrodes (diameter 20 mm) 1 are disposed on both sides (left and right in the drawing) facing each other. A plate 4 made of polytetrafluoroethylene is disposed on the side of the platinum electrode 1 that is not in contact with each battery separator 2 with a PP non-woven fabric 5 tightening the entire apparatus. In addition, silicone rubber packings 3 are arranged above and below the device in a state of sealing the device.
[0057]
The PP nonwoven fabric 5 is impregnated with an electrolytic solution, which is a mixture of propylene carbonate and dimethoxyethane mixed in the same volume and dissolved in LiBF 4 to a concentration of 1 mol / liter. is there. Although not shown, a resistance meter is connected to the platinum plate electrode 1, and a thin thermocouple is disposed between the platinum electrode 1 and the battery separator 2.
[0058]
And this electrical resistance measuring apparatus was set in the dryer, and it heated up at the speed | rate of about 10 degree-C / min, and measured the electrical resistance value in each temperature. This electric resistance value is obtained by measuring an AC resistance of 1 KHz using an LCR meter KC-532 manufactured by Kokusan Denki Kogyo Co., Ltd., and converting this value according to the following formula (Equation 4). The electrical resistance value includes a membrane resistance and an electrolyte resistance.
[0059]
[Expression 4]
Figure 0003735150
[0060]
(Slippery) Using a reciprocating friction tester (Model AFT-15B, manufactured by Orientec Co., Ltd.), a sample ( The coefficient of dynamic friction in the direction perpendicular to the longitudinal direction of the battery separator was measured, and thereby the slip property was evaluated.
[0061]
As a result of the above measurement and evaluation, the battery separator of Example 1 had a Gurley value of 1000 sec / 100 cc, a dynamic friction coefficient of 0.21, and excellent slipperiness. The SD characteristic of this battery separator is shown in the graph of FIG. As shown in the figure, this battery separator starts a sudden increase in electric resistance at about 128 ° C., reaches about 10,000 times the electric resistance value at room temperature at about 132 ° C., and this high electric resistance. The value was maintained up to around 170 ° C. From this, it can be said that the battery separator of Example 1 has a high heat resistant temperature, excellent SD characteristics, and has all the characteristics as a battery separator.
[0062]
On the other hand, the Gurley value of the battery separator of Comparative Example 1 was 600 sec / 100 cc. Moreover, the dynamic friction coefficient was 0.29, and it was excellent in slipperiness. However, the SD characteristics of this battery separator were not sufficient. That is, as shown in the graph of FIG. 2, this battery separator started to increase in electrical resistance at about 128 ° C., but the increase was about 100 times smaller and rapidly decreased at a temperature of 160 ° C. . From this, it can be said that the battery separator of Comparative Example 1 has a low heat-resistant temperature and poor SD characteristics.
[0063]
In addition, as shown in FIG. 3, the battery separator of Comparative Example 2 was excellent in SD characteristics, but had a high dynamic friction coefficient of 0.67 and poor slipperiness.
[0064]
[Example 2]
60 parts by weight of silane group-introduced polyethylene having a melt index of 0.8, 40 parts by weight of high density polyethylene having a melt index of 0.4 and a density of 0.968 g / cm 3 , and 3 parts by weight of the same crosslinking catalyst masterbatch as in Example 1 Was dry blended and formed into a film by a T-die extruder to obtain a film. A battery separator was prepared in the same manner as in Example 1 except for this.
[0065]
[Example 3]
10 parts by weight of silane group-introduced polyethylene having a melt index of 0.8, 90 parts by weight of high-density polyethylene having a melt index of 0.4 and a density of 0.968 g / cm 3 , and 0.5 parts by weight of the same crosslinking catalyst masterbatch as in Example 1 This was dry blended with a Henschel mixer and formed into a film with a T-die extruder to obtain a film. A battery separator was prepared in the same manner as in Example 1 except for this.
[0066]
The battery separators of Examples 2 and 3 thus obtained were measured and evaluated in the same manner as in Example 1 for Gurley value, slipperiness, and SD characteristics. The results are shown in Table 1 below. In addition, the results of Example 1 and Comparative Examples 2 and 3 are also shown in the same table. Further, the SD characteristic of Example 2 is shown in FIG. 4, and the SD characteristic of Example 3 is shown in FIG.
[0067]
[Table 1]
Figure 0003735150
[0068]
From the results shown in Table 1, it can be seen that the battery separators of Examples 2 and 3 are both excellent in slipperiness (low dynamic friction coefficient). 4 and 5, it can be seen that each of the battery separators of Examples 2 and 3 is excellent in SD characteristics. From these results, it can be said that the battery separators of Examples 2 and 3 are optimal for battery separators.
[0069]
【The invention's effect】
As described above, the battery separator of the present invention contains crosslinked polyethylene and polyethylene as essential components, and the ratio of the two resins is 10 to 80% by weight of the crosslinked polyethylene based on the total weight of the two resins. Since polyethylene is 20 to 90% by weight, it is possible to reduce the thickness of the film, and it has excellent SD characteristics and excellent slipperiness. For this reason, the battery separator of the present invention can be used as it is as a high-performance battery separator. If this battery separator is applied to a battery, particularly a non-aqueous electrolyte battery, it is possible to reduce the size and increase the energy density, and to improve safety. The pin removability at the time of winding the battery separator is improved, and as a result, the manufacturing efficiency of the battery is improved.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing SD characteristics of a battery separator according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing SD characteristics of a battery separator according to a comparative example.
FIG. 3 is a graph showing SD characteristics of a battery separator according to a comparative example.
FIG. 4 is a graph showing SD characteristics of battery separators according to other examples of the present invention.
FIG. 5 is a graph showing SD characteristics of battery separators according to other examples of the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view schematically showing an apparatus for measuring SD characteristics of a battery separator.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Platinum electrode 2 Battery separator 3 Silicone packing 4 Polytetrafluoroethylene board 5 PP nonwoven fabric

Claims (4)

樹脂製の電池用セパレータであって、前記樹脂が架橋ポリエチレンおよびポリエチレンを必須成分とし、前記両樹脂の合計重量に対し、前記架橋ポリエチレンの割合が10〜80重量%であり、前記ポリエチレンの割合が20〜90重量%であることを特徴とする電池用セパレータA battery separator made of a resin, wherein the resin includes crosslinked polyethylene and polyethylene as essential components, and the ratio of the crosslinked polyethylene is 10 to 80% by weight with respect to the total weight of the both resins, and the ratio of the polyethylene is A battery separator characterized by being 20 to 90% by weight. 架橋ポリエチレンが、ポリエチレンに導入された活性シラン基と水との架橋反応により架橋された架橋ポリエチレンである請求項1記載の電池用セパレータ。The battery separator according to claim 1, wherein the crosslinked polyethylene is a crosslinked polyethylene crosslinked by a crosslinking reaction between an active silane group introduced into the polyethylene and water. 正極と負極とが電池用セパレータで隔離された電池であって、上記電池用セパレータとして、請求項1または2に記載の電池用セパレータが用いられた電池。A battery in which a positive electrode and a negative electrode are separated by a battery separator, wherein the battery separator according to claim 1 is used as the battery separator. 電解液が非水電解液である請求項3に記載の電池。The battery according to claim 3, wherein the electrolytic solution is a non-aqueous electrolytic solution.
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