JP3732971B2 - 剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、打ち抜き、剪断、プレス加工等の加工後に加圧・加熱(加熱圧着)により接着して用いられる接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般にモーター、トランス等の電気機器に利用される鉄芯は、渦電流損を低減するために表面に絶縁皮膜が形成された電磁鋼板を、所定形状に打ち抜きまたは剪断加工した後、積層し、次いで溶接、カシメまたは接着剤により固着することにより製造されている。
【0003】
しかし、溶接やカシメによる固着方法では、絶縁皮膜が破壊されて鉄芯が電気的に短絡することにより渦電流損の増加を招いたり、機械的または熱的ひずみにより磁気特性の劣化が生じやすいという欠点がある。また、接着剤による固着方法では、打ち抜きまたは剪断加工した鋼板に一枚毎に接着剤を塗布する必要があり、この作業に多大の時間と労力を要し、作業効率が劣るという問題がある。
【0004】
このような従来技術に対して、加圧・加熱(加熱圧着)によって接着作用が得られる接着型絶縁皮膜を予め電磁鋼板の表面に形成することで、上記接着剤の塗布工程を省略できるようにした接着鉄芯用電磁鋼板が知られており、これに関して以下のような技術が提案されている。
(1) 特公昭52−8988号公報には、溶剤型の熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂を乳化剤により水エマルジョン化した処理液を鋼板表面に塗布し乾燥させた積層鉄心用表面被覆鋼板が示されている。
【0005】
(2) 特許第2574698号公報には、ガラス転移点が60℃以上の熱可塑性アクリル樹脂エマルジョン(A)、エポキシ樹脂エマルジョン(B)、アミン系エポキシ樹脂硬化剤及び特定の成膜助剤を主成分とし、成分(A)と成分(B)の樹脂固形分重量比が(A)/(B)=70/30〜95/5である水系接着型絶縁被覆組成物を鋼板表面に塗布し、乾燥させた接着鉄芯用電磁鋼板が示されている。
【0006】
(3) 特開平7−268307号公報には、ガラス転移点が80℃以上の熱可塑性樹脂エマルジョン、エポキシ樹脂エマルジョン及び水性フェノール樹脂からなる高温接着強度に優れた水系熱接着型被覆組成物が示されている。
(4) 特許第2529053号公報には、モノマー中に窒素原子及び硫黄原子を含有しないアクリル系樹脂エマルジョンとエポキシ樹脂エマルジョン、及びエポキシ樹脂と反応する酸無水物系エポキシ硬化剤あるいはメチロール基含有初期縮合物を主成分とする混合液を鋼板面に塗布し乾燥させることを特徴とする、塗布乾燥時やアルミダイキャスト時に臭気の少ない接着用表面被覆電磁鋼板の製造方法が示されている。
【0007】
(5) 特許第2613725号公報には、鋼板表面に予め潜在性硬化剤を配合したアクリル変性エポキシ樹脂エマルジョン(エポキシ樹脂に潜在性硬化剤を配合した後、アクリル樹脂と反応させてエポキシ樹脂と潜在性硬化剤の周囲を被覆した後、エマルジョン化したもの)を主成分とする混合液を塗布し、不完全状態に焼き付けることを特徴とする、塗料安定性に優れ、塗布乾燥時の臭気の少ない接着用表面被覆電磁鋼板の製造方法が示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの従来技術により得られる接着鉄芯用表面被覆電磁鋼板には、以下のような問題がある。
上記(1)の表面被覆鋼板は、皮膜中のベース樹脂の約40%以上が熱可塑性樹脂からなるため、常温での接着強度(剪断強度)はある程度得られるものの、高温環境下では熱可塑性樹脂の軟化が生じ、十分なレベルの接着強度(剪断強度)が得られない。また、水性化に大量の乳化剤を使用しているため耐食性にも劣っている。
【0009】
上記(2)の接着鉄芯用電磁鋼板も皮膜中のベース樹脂の70%以上が熱可塑性樹脂からなるため、常温での接着強度(剪断強度)はある程度得られるものの、高温環境下では熱可塑性樹脂の軟化が生じ、十分なレベルの接着強度(剪断強度)が得られない。
上記(3)の水系熱接着型被覆組成物により得られる接着型絶縁皮膜は、10μm(乾燥膜厚)程度の比較的厚い膜厚の場合には十分な接着強度(剪断強度)が得られるが、それより薄膜の場合には十分な接着強度(剪断強度)が得られない。
【0010】
上記(4)の製造方法により得られる表面被覆電磁鋼板は、塗布乾燥時やアルミダイキャスト時における臭気の発生は改善されるものの、高温環境下における十分なレベルの接着強度(剪断強度)が得られない。
上記(5)の表面被覆電磁鋼板は、常温での接着強度及び長期保存後の接着強度(剪断強度)には優れるが、高温環境下での接着強度(剪断強度)には劣っている。
【0011】
また、接着鉄芯用電磁鋼板を加熱圧着して鉄芯を製造する場合、用途によっては寸法精度を向上させるために加熱圧着された鉄芯に対して研磨、研削による追加加工が行われる。しかし、上記(1)〜(5)に代表される従来技術により得られた接着鉄芯用電磁鋼板ではいずれも追加加工時に鉄芯に割れ(以下、コア割れという)が生じやすく、歩留まりが必ずしも高くない問題があった。
【0012】
そこで本発明者らは、接着特性の異なる接着鉄芯用電磁鋼板を使用して、鉄芯製造後の追加加工時のコア割れと接着型絶縁皮膜の接着特性との関係を詳細に検討した。その結果、従来検討されてきたような加熱圧着後の皮膜の剪断強度を向上させることだけではコア割れの発生率は低減せず、むしろ皮膜の剥離強度を向上させることがコア割れの発生防止に有効であるとの知見を得た。
【0013】
したがって本発明の目的は、上記のような従来技術の課題を解決し、優れた剪断強度と剥離強度を示すとともに、鉄芯用電磁鋼板としての耐ブロッキング性及び耐食性にも優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、接着鉄芯用電磁鋼板の皮膜構成と剥離強度及び剪断強度、耐食性、耐ブロッキング性との関係について鋭意検討を重ね、その結果、以下のような知見を得た。
(1) 塗料組成物を構成するベース樹脂の主成分として、カルボキシル基を含有したアクリル樹脂で変性されたカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂の水分散液の存在下で、特定の架橋性モノマーを必須モノマーとして含有するエチレン性不飽和単量体を乳化重合して得られたエマルジョン樹脂を使用することにより、優れた剥離強度を得ることができる。さらに、このような特定の樹脂エマルジョンとカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂の樹脂エマルジョンを特定の配合割合で併用することにより剪断強度がさらに向上する。
【0015】
(2) 上記特定の樹脂エマルジョンをベース樹脂とした塗料組成物を構成する硬化剤として、特にフェノール系樹脂を使用することにより、耐ブロッキング性及び耐食性を劣化させることなく高温環境下での剪断強度及び剥離強度を効果的に向上させることができる。さらに、硬化剤としてフェノール系樹脂と潜在性硬化剤を複合添加することにより、高温環境下で剪断強度及び剥離強度がより一層向上する。
(3) さらに、上記フェノール系樹脂として、フェノール性水酸基及び/又はヒドロキシメチル基の少なくとも一部がブチルエーテル化したブチルエーテル化フェノール樹脂を使用することにより、剪断強度及び剥離強度はさらに向上する。
【0016】
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴は以下の通りである。
[1] 樹脂成分として、下記[i]に示すエマルジョン樹脂(A)100重量部(固形分)に対して、硬化剤が1〜100重量部(固形分)の割合で配合された塗料組成物を電磁鋼板の少なくとも片面に乾燥膜厚で1.0〜20μmになるように塗布し、乾燥させることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[i] エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とが結合されてなるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化した水分散液の存在下で、1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する多官能モノマー、1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋性モノマーを必須モノマーとして含有するエチレン性不飽和単量体(d)を乳化重合してなるエマルジョン樹脂(A)
【0017】
[2] 樹脂成分として、下記[i]に示すエマルジョン樹脂(A)と下記[ii]に示すエマルジョン樹脂(B)とが固形分の重量比で0.03≦(A)/((A)+(B))<1の割合で配合されたエマルジョン樹脂100重量部(固形分)に対して、硬化剤が1〜100重量部(固形分)の割合で配合された塗料組成物を電磁鋼板の少なくとも片面に乾燥膜厚で1.0〜20μmになるように塗布し、乾燥させることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[i] エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とが結合されてなるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化した水分散液の存在下で、1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する多官能モノマー、1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋性モノマーを必須モノマーとして含有するエチレン性不飽和単量体(d)を乳化重合してなるエマルジョン樹脂(A)
[ii] エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とが結合されてなるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化したエマルジョン樹脂(B)
【0018】
[3] 上記[1]又は[2]に記載の製造方法において、エマルジョン樹脂(A)を得るためのカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)とエチレン性不飽和単量体(d)との固形分の重量比(c)/(d)が95/5〜50/50であることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[4] 上記[1]〜[3]のいずれかの製造方法において、エマルジョン樹脂(A)を得るためのエチレン性不飽和単量体(d)に含まれる架橋性モノマーが、ジビニルベンゼン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミドからなる群の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
【0019】
[5] 上記[1]〜[4]のいずれかの製造方法において、エマルジョン樹脂(A)を得るためのエチレン性不飽和単量体(d)中における架橋性モノマーの固形分の割合が0.1〜40重量%であることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[6] 上記[1]〜[5]のいずれかの製造方法において、エマルジョン樹脂(A)及び/又はエマルジョン樹脂(B)を得るためのカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)の酸価が10〜400mgKOH/gであることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
【0020】
[7] 上記[1]〜[6]のいずれかの製造方法において、硬化剤の少なくとも一部がフェノール系樹脂であることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[8] 上記[7]の製造方法において、硬化剤がフェノール系樹脂と潜在性硬化剤とからなり、固形分の割合でフェノール系樹脂100重量部に対する潜在性硬化剤の配合割合が1〜200重量部であることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[9] 上記[7]又は[8]の製造方法において、硬化剤であるフェノール系樹脂が、フェノール性水酸基及び/又はヒドロキシメチル基の少なくとも一部がブチルエーテル化されたブチルエーテル化フェノール樹脂であることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の詳細をその限定理由とともに説明する。
本発明法による製造の対象は、加圧・加熱(加熱圧着)することにより接着作用が得られる絶縁皮膜(接着型絶縁皮膜)を有する接着鉄芯用電磁鋼板である。本発明において接着型絶縁皮膜を形成すべき基板となる鋼板は、モーターやトランス等の電気機器に利用される鉄芯用の電磁鋼板である。このような電磁鋼板としては、無方向性電磁鋼板または方向性電磁鋼板が一般的であるが、これ以外にも軟鋼板、ステンレス鋼板、その他の特殊鋼板などでもよく、基板となる鋼板は限定されない。本発明の効果はこれらいずれの鋼板を基板とした場合でも得ることができる。
【0022】
また、基板となる電磁鋼板は、その表面に予め亜鉛系めっき又は他の金属めっき皮膜、化成処理皮膜、無機系または無機−有機系の絶縁皮膜などの表面処理の1種または2種以上を施したものでもよく、本発明において電磁鋼板の表面とは、これら表面処理皮膜を有する場合にはその最上層皮膜の表面をいうものとする。
本発明では、上記の電磁鋼板の表面に特定の樹脂と硬化剤を主成分とする塗料組成物を塗布し、焼き付けることにより皮膜を形成するが、前記塗料組成物を構成する樹脂としては、カルボキシル基を含有するアクリル樹脂で変性された変性エポキシ系樹脂を主体とする特定の樹脂を用いる。
【0023】
以下、本発明で使用する塗料組成物について説明する。
本発明で使用する塗料組成物は、特定の樹脂と硬化剤を必須成分として含有する。
上記特定の樹脂は、以下に説明するエマルジョン樹脂(A)からなる。すなわち、このエマルジョン樹脂(A)は、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とが結合されてなるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化した水分散液の存在下で、1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する多官能モノマー、1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋性モノマーを必須モノマーとして含有するエチレン性不飽和単量体(d)を乳化重合してなるエマルジョン樹脂であり、塗料組成物中にこのようなエマルジョン樹脂(A)を使用することにより初めて剥離強度と剪断強度を兼ね備えた接着鉄芯用電磁鋼板を製造することが可能となる。
【0024】
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)は、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とからなる自己乳化型のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂エマルジョンであって、例えば、下記の(I)又は(II)の方法によって得られるものが挙げられる。
(I) エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂とをエステル付加反応させる方法
(II) エポキシ樹脂(a)に、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分をグラフト重合させる方法
【0025】
上記(I)の方法では、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂とを、例えば、有機溶剤溶液中においてエステル化触媒の存在下で加熱することにより容易にエステル付加反応させることができる。
また、上記(II)の方法では、例えば、有機溶剤中においてベンゾイルパーオキサイドなどのラジカル発生剤の存在下でエポキシ樹脂(a)に重合性不飽和モノマー成分をグラフト重合させることができる。
【0026】
上記(I)、(II)で使用されるエポキシ樹脂(a)としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを挙げることができ、なかでもビスフェノール型エポキシ樹脂が剪断強度の観点から好適である。
【0027】
ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下で高分子量まで縮合させた樹脂、エピクロルヒドリンとビスフェノールとを必要に応じてアルカリ触媒などの触媒の存在下で縮合させて低分子量のエポキシ樹脂とした後、この低分子量エポキシ樹脂とビスフェノールとを重付加反応させることにより得られた樹脂などの他、これらのエポキシ樹脂又は上記低分子量エポキシ樹脂に、二塩基酸を反応させて得られたエポキシエステル樹脂であってもよい。
【0028】
上記ビスフェノールとしては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン[ビスフェノールF]、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン[ビスフェノールA]、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン[ビスフェノールB]、ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1−イソブタン、ビス(4−ヒドロキシ−tert−ブチル−フェニル)−2,2−プロパン、p−(4−ヒドロキシフェニル)フェノール、オキシビス(4−ヒドロキシフェニル)、スルホニルビス(4−ヒドロキシフェニル)、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフチル)メタンなどを挙げることができ、これらの中でもビスフェノールA、ビスフェノールFが特に好適に使用される。また、上記ビスフェノール類は1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0029】
また、上記エポキシエステル樹脂の製造に用いられる二塩基酸としては、下記一般式、
HOOC−(CH2)n−COOH
(式中、nは1〜12の整数を示す。)
で示される化合物が好適に用いられ、具体的には、コハク酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドテカンニ酸、ヘキサヒドロフタル酸などを例示できる。
【0030】
以上のようなビスフェノール型エポキシ樹脂の市販品としては、例えば、油化シェルエポキシ(株)製のエピコート1004(商品名、エポキシ当量約900、数平均分子量約1400)、エピコート1007(商品名、エポキシ当量約1700、数平均分子量約2900)、エピコート1009(商品名、エポキシ当量約3500、数平均分子量約3750)、エピコート1010(商品名、エポキシ当量約4500、数平均分子量約5500)、旭チバ(株)製のアラルダイトAER6099(商品名、エポキシ当量約3500、数平均分子量約3800)、三井化学(株)製のエポミックR−309(商品名、エポキシ当量約3500、数平均分子量約3800)などを挙げることができる。なお、上記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
【0031】
上記エポキシ樹脂(a)の数平均分子量は1200〜35000が好ましい。エポキシ樹脂(a)の数平均分子量が1200未満では耐ブロッキング性、剪断強度に劣るため好ましくなく、一方、数平均分子量が35000を超えると塗料安定性に劣るため好ましくない。このような観点からエポキシ樹脂(a)のより好ましい数平均分子量は2000〜20000、さらに好ましくは2500〜10000である。また、エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量は1000〜12000、特に好ましくは2000〜6000の範囲であることが、塗膜の耐食性及び接着強度の観点から望ましい。
【0032】
上記エポキシ樹脂(a)の1分子当りのエポキシ基の数は特に制限されるものではなく、カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を得るための反応形態によりエポキシ基の数は適宜選択される。すなわち、その反応形態が先に(I)として挙げたエステル付加反応である場合には、エポキシ樹脂(a)中のエポキシ基にカルボキシル基含有アクリル樹脂のカルボキシル基がエステル付加反応するので、エポキシ樹脂(a)中にはエポキシ基が必要であり、エポキシ樹脂1分子当りエポキシ基は平均0.5〜2個、好ましくは0.5〜1.6個であるのがよい。また、反応形態が先に(II)として挙げたエポキシ樹脂主鎖の水素引き抜きによるカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含む重合性不飽和モノマーのグラフト反応である場合には、エポキシ樹脂中にエポキシ基は実質上存在しなくてもよい。
【0033】
上記エステル付加反応に用いられるカルボキシル基含有アクリル樹脂としては、下記(i)群として示すようなカルボキシル基含有ラジカル重合性不飽和単量体の少なくとも1種、または必要であればこれと共重合可能な下記(ii)群として示す如きラジカル重合性不飽和単量体とを共重合させて得られるアクリル系樹脂を例示できる。
【0034】
(i) アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロトン酸などの如きα、βエチレン性不飽和カルボン酸;
(ii) ▲1▼2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの如き、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜8個のヒドロキシアルキルエステル;
▲2▼アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−、i−又はt−ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸シクロヘキシル、ステアリルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−、i−又はt−ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸シクロヘキシル、ステアリルメタクリレートなどの如き、アクリル酸又はメタクリル酸の炭素原子数が1〜24個のアルキル又はシクロアルキルエステル;
▲3▼アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどの如き官能性アクリル又はメタクリルアミド;
▲4▼スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンなどの如き芳香族ビニル単量体;
▲5▼プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、ベオバモノマー(シェル化学社製)などの如きビニル単量体
【0035】
上記カルボキシル基含有アクリル樹脂は、モノマーの構成比率や種類は特に限定されるものではないが、通常、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーの含有量が15〜60重量%、好ましくは20〜50重量%であることが望ましく、その他の重合性不飽和モノマーの含有量は85〜40重量%、好ましくは80〜50重量%であることが望ましい。また、上述した不飽和単量体の好ましい組み合わせの例としては、例えば、(イ)メタクリル酸メチル/アクリル酸2−エチルヘキシル/アクリル酸、(ロ)スチレン/メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/メタクリル酸、(ハ)スチレン/アクリル酸エチル/メタクリル酸、(ニ)メタクリル酸メチル/アクリル酸エチル/アクリル酸などが挙げられる。
【0036】
これらのカルボキシル基含有アクリル樹脂の調整は、例えば、上記した不飽和単量体をラジカル重合開始剤の存在下で溶液重合することにより容易に行うことができる。
上記カルボキシル基含有アクリル樹脂の数平均分子量は、通常5000〜100000程度が好ましい。カルボキシル基含有アクリル樹脂の数平均分子量が5000未満では耐ブロッキング性、接着強度が劣るため好ましくなく、一方、数平均分子量が100000を超えると塗料が高粘度となるため製造が困難となる。また、カルボキシル基含有アクリル樹脂の樹脂酸価は樹脂固形分で通常50〜500mgKOH/g程度が好ましい。酸価が50mgKOH/g未満では塗料安定性が劣るため好ましくなく、一方、酸価が500mgKOH/gを超えると塗料が高粘度となるため製造が困難となる。
【0037】
カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)が先に(I)で示したエステル付加反応によって得られる場合、上記エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂との配合割合は、エポキシ基の当量に対してカルボキシル基の当量が過剰となる条件下で、塗装作業性、接着特性、耐食性などの品質性能に応じて適宜選択すればよいが、特に、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂の配合比[エポキシ樹脂]/[カルボキシル基含有アクリル樹脂]は55/45〜95/5(固形分重量比)とすることが好ましい。この配合比が55/45未満の場合には、カルボキシル基含有アクリル樹脂の比率が高くなり(熱可塑成分が大となる)、高温時の剪断強度が劣るため好ましくなく、一方、95/5を超えると水系塗料中に分散しにくくなり、塗料安定性が劣るため好ましくない。また、特に高温剪断強度を考慮した場合、上記配合比は70/30〜90/10(固形分重量比)とすることが望ましい。
【0038】
上記のエステル付加反応は従来公知の方法で行なうことができ、例えば、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂との均一な有機溶剤溶液中にエステル化触媒を配合し、通常、60℃〜130℃の反応温度にて約1〜6時間反応させることによって行なうことができる。上記エステル化触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルエタノールアミンなどの第3級アミン類やトリフェニルフォスフィンなどの第4級塩化合物などを挙げることができ、なかでも第3級アミン類が好適である。
【0039】
エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂の固形分濃度は、反応系が反応に支障のない粘度範囲であるかぎり特に限定されない。また、エステル付加反応させる際にエステル化触媒を使用する場合には、その使用量はエポキシ樹脂のエポキシ基1当量に対して通常0.1〜3当量の範囲で使用するのがよい。
【0040】
カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)が上記(II)で示したグラフト重合反応によって得られる場合、エポキシ樹脂(a)にグラフト重合させるカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分としては、上記(I)で示したエステル付加反応においてカルボキシル基含有アクリル樹脂の製造に用いられる単量体成分であるカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーやその他の重合性不飽和モノマーを用いることができる。
【0041】
この(II)の方法において、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分との配合比は特に制限されるものではないが、前者/後者=55/45〜95/5(固形分重量比)の配合比が好ましい。この配合比が55/45未満の場合には、熱可塑成分が大となって高温時の剪断強度が劣るため好ましくなく、一方、配合比が95/5を超えると水系塗料中に分散しにくくなって塗料安定性が劣るため好ましくない。また、特に高温剪断強度を考慮した場合、上記配合比は70/30〜90/10(固形分重量比)とすることが望ましい。
【0042】
また、上記の場合、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーは、全重合性不飽和モノマー中で20〜80重量%となるように配合するのがよい。
グラフト重合反応におけるラジカル発生剤の使用量は、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分に対して通常3〜15重量%の範囲内が適当である。
【0043】
上記グラフト重合反応は従来公知の方法で行うことができ、例えば、80〜150℃に加熱されたエポキシ樹脂(a)の有機溶剤溶液中にラジカル発生剤と重合性不飽和モノマー成分との均一な混合溶液を徐々に添加し、同温度を1〜10時間程度保持することによって行うことができる。上記ラジカル発生剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾイルオクタノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイドなどを挙げることができる。
【0044】
上記(I)のエステル付加反応及び上記(II)のグラフト重合反応において使用される有機溶剤としては、エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂、カルボキシル基含有重合性不飽和モノマーを含有する重合性不飽和モノマー成分を溶解し、且つこれらの樹脂の反応物であるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和、水性化する場合にエマルションの形成に支障を来たさない有機溶剤である限り、従来公知の有機溶剤のいずれを使用してもよい。
【0045】
上記有機溶剤の代表例としては、イソプロパノール、ブチルアルコール、2−ヒドロキシ−4−メチルペンタン、2−エチルヘキシルアルコール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール系、セロソルブ系及びカルビトール系溶剤を挙げることができる。また、水と混和しない不活性有機溶剤も使用可能であり、このような有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレンなどの芳香族系炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類が挙げられる。
【0046】
上記(I)または(II)の方法によって得られるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)は、樹脂酸価が10〜400mgKOH/gのものが好ましい。樹脂酸価が400mgKOH/gを超えると耐食性が劣り、一方、10mgKOH/g未満では塗料安定性、剥離強度が劣る。また、カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)のエポキシ当量は2000以上であることが好ましい。エポキシ当量が2000未満では剪断強度や剥離強度が劣ったものとなる。
【0047】
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)は塩基性化合物で樹脂中のカルボキシル基の少なくとも一部を中和することによってエマルジョン化することができる。上記カルボキシル基を中和するのに用いられる塩基性化合物は従来公知のものを広く使用でき、例えば、任意の第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0048】
具体的には、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ヘキシルアミン、モノエタノールアミン、プロパノールアミン、ベンジルアミン、ジメチルアミン、ジブチルアミン、ジヘキシルアミン、メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、トリエタノールアミン、トリブチルアミン、ジメチルn−ブチルアミン、トリプロピルアミン、γ−ピコリン、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキサイドなどを挙げることができる。
【0049】
カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)の中和の程度は特に限定されるものではないが、カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)中のカルボキシル基に対して、通常0.1〜2当量の中和の範囲であることが好ましい。
【0050】
カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を水性媒体中に中和分散するには、従来公知の方法によればよく、例えば中和剤である塩基性化合物を含有する水性媒体中に撹拌下にてカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を徐々に添加する方法、カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を塩基性化合物によって中和した後、撹拌下にて、この中和物に水性媒体を添加するか又はこの中和物を水性媒体中に添加する方法などを挙げることができる。
【0051】
本発明で使用するエマルジョン樹脂(A)は、上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化した水分散液の存在下に、架橋性モノマーを含有するエチレン性不飽和単量体(d)を乳化重合して得ることができる。なお、カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)とエチレン性不飽和単量体(d)が乳化重合時に結合しても或いはしなくても本発明には何ら支障はない。
【0052】
上記乳化重合の際に用いられるエチレン性不飽和単量体(d)は、1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する多官能モノマー、1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋性モノマーを必須モノマー成分とする。このような特定の架橋性モノマーを含有しない場合、剥離強度が劣ったものとなる。
【0053】
上記架橋性モノマーとして用いることができる多官能モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどを挙げることができる。
【0054】
また、上記架橋性モノマーとして用いることができる1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーとしては、例えば下記一般式、
【化1】
(式中R1は水素原子又はメチル基を表し、R2は水素原子又は炭素原子数1〜4のアルキル基を表す)
で示される化合物を挙げることができる。
上記一般式において、R2で表わされる炭素原子数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル基などを挙げることができる。
【0055】
上記1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーの具体例としては、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−n−ブトキシメチルアクリルアミド、N−n−ブトキシメチルメタクリルアミドなどを挙げることができる。
【0056】
また、特に好ましくは、エチレン性不飽和単量体(d)中の架橋性モノマーとして、ジビニルベンゼン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミドからなる群の中から選ばれる少なくとも1種のモノマーであることが、剥離強度の観点から望ましい。
【0057】
エチレン性不飽和単量体(d)としては、上記架橋性モノマーの他に必要に応じてその他の重合性不飽和モノマーとの併用も可能である。併用可能な重合性不飽和モノマーとしては、例えば、先に述べたカルボキシル基含有アクリル樹脂の製造のための単量体成分として使用できる単量体の1種又は2種以上の混合物を挙げることができ、なかでもアクリル酸若しくはメタクリル酸の炭素数1〜8のアルキルエステル、スチレン、アクリル酸またはメタクリル酸を使用することが好適である。
また、乳化重合されるエチレン性不飽和単量体(d)における上記架橋性モノマーの含有量は剥離強度、剪断強度の観点から固形分の割合で0.1〜40重量%とすることが好ましく、また、特に好ましい含有量は1〜20重量%である。
【0058】
乳化重合の際のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)とエチレン性不飽和単量体(d)との配合比は特に限定されないが、(c)/(d)の固形分重量比で95/5〜50/50の範囲とすることにより、剥離強度はさらに向上する。また、特に好ましい配合比は90/10〜60/40である。
【0059】
上記乳化重合における重合条件は、使用するモノマー種や重合開始剤種などにより異なるが、通常、反応温度は約30℃〜100℃の範囲であり、重合時間は30分間〜10時間の範囲である。乳化重合によって得られるエマルジョン樹脂(A)の固形分濃度は特に限定されないが、通常、15〜60重量%であることが好ましい。
【0060】
さらに、ベース樹脂成分としてエマルジョン樹脂(A)にエマルジョン樹脂(B)を固形分の重量比で0.03≦(A)/((A)+(B))<1の割合で複合添加することにより剪断強度がより向上する。また、特に高温雰囲気での剪断強度を重視する場合は、上記重量比を0.1≦(A)/((A)+(B))≦0.8とすることが好ましい。
【0061】
上記エマルジョン樹脂(B)としては、エマルジョン樹脂(A)の製造に使用されるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)と同様のものが使用でき、このカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)中のカルボキシル基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和し水分散化することによりエマルジョン樹脂(B)を得ることができる。
上記中和に使用される塩基性化合物は、カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)の中和に用いることができる塩基性化合物と同様のもの使用することができる。
【0062】
塗料組成物に使用する硬化剤は、一般に使用されるエポキシ樹脂硬化剤を使用することができ、例えば、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、ポリアミドポリアミン、変性ポリアミンなどのようなポリアミン系硬化剤;一官能性酸無水物(無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルナジック酸、無水クロレンディック酸等)、2官能性酸無水物(無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメート)、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物など)、遊離酸酸無水物(無水トリメリット酸、ポリアゼライン酸無水物など)などのような酸無水物系硬化剤;ノボラック型またはレゾール型フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂などのようなメチロール基含有初期縮合物;潜在性硬化剤などの中から選ばれる少なくとも1種を使用できる。
【0063】
塗料組成物中の硬化剤の配合量は、固形分の割合でエマルジョン樹脂(A)またはエマルジョン樹脂(A)+(B)100重量部に対して1〜100重量部とする。硬化剤の配合量が1重量部未満では加熱圧着時に十分な硬化が行われず、接着強度に劣る。また、硬化剤の配合量が100重量部を超えると塗料組成物が増粘したり、造膜性が悪くなり、このため耐食性、接着強度が劣る。特に望ましい硬化剤の配合量は3〜50重量部である。
【0064】
また、特に硬化剤としてフェノール系樹脂を使用した場合には、高温環境下での接着強度、特に剪断強度が著しく向上するため好ましい。これは、皮膜中にベンゼン環が導入されることにより皮膜の耐熱性が向上するためであると考えられる。
このフェノール系樹脂としては、フェノールやビスフェノールAなどのフェノール類とホルムアルデヒドとを反応触媒の存在下で縮合反応させて、メチロール基を導入したレゾール型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂などを挙げることができる。
特に、このフェノール系樹脂として、フェノール性水酸基及び/又はヒドロキシメチル基の少なくとも一部がブチルエーテル化されたブチルエーテル化フェノール樹脂を使用することにより、剥離強度が格段に向上する。
【0065】
また、フェノール系樹脂と潜在性硬化剤を特定の割合で複合添加することにより、皮膜の接着強度はさらに向上する。すなわち、硬化剤としてフェノール系樹脂と潜在性硬化剤を複合添加し、且つ潜在性硬化剤の配合量を固形分の割合でフェノール系樹脂100重量部に対して1〜200重量部、特に好ましくは10〜100重量部とすることにより、接着強度はさらに向上する。
【0066】
本発明で使用する潜在性硬化剤としては、例えば、ジシアンジアミド、メラミン、有機酸ジヒドラジド、アミンイミド、ケチミン、第3アミン塩、イミダゾール塩、3フッ化ホウ素アミン塩、マイクロカプセル型硬化剤(硬化剤をカゼインなどで形成したマイクロカプセル中に封入し、加熱・加圧によりマイクロカプセルを破り、樹脂と硬化反応するもの)、モレキュラーシーブ型硬化剤(吸着性化合物の表面に硬化剤を吸着させたもので、加熱により吸着分子を放出し、樹脂と硬化反応するもの)などが挙げられる。
【0067】
本発明で用いる塗料組成物は、上述した特定の水分散型樹脂からなるベース樹脂(樹脂エマルジョン)と硬化剤を主成分とするものであるが、塗料組成物中には上記ベース樹脂成分以外に、一部他のベース樹脂成分が含まれることを妨げず、例えば、アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレンのような合成樹脂、ナイロン、ポリスルファイド、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ポリビニルホルマールのようなエラストマーなどが、塗料組成物のベース樹脂成分中の割合で35重量%以下含まれてもよい。また、これ以外に、シリカやアルミナなどの酸化物微粒子、導電性物質、難溶性クロム酸塩などの防錆添加剤、着色顔料(例えば、縮合多環系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料など)、着色染料(例えば、アゾ系染料、アゾ系金属錯塩染料など)、成膜助剤、分散性向上剤、消泡剤などの1種以上を配合することも可能である。
【0068】
本発明の製造法では、上記塗料組成物を電磁鋼板の表面に塗布し、焼き付けることにより積層接着用皮膜を形成するが、その皮膜厚は乾燥膜厚で1.0〜20μmとする。皮膜厚が1.0μm未満では接着強度が不十分であり、一方、皮膜厚が20μmを超えると接着強度が飽和するだけでなく、占積率が低下するので好ましくない。このような接着強度と占積率の観点からより好ましい皮膜厚は3〜15μm、特に好ましくは5〜10μmである。
【0069】
塗料組成物を鋼板面に塗布する方法は任意である。通常はロールコーター法により塗布するが、浸漬法やスプレー法により塗布した後に、エアーナイフ法やロール絞り法により塗布量を調整することも可能である。
また、塗料組成物を塗布した後の焼付処理は、熱風炉、高周波誘導加熱炉、赤外線炉などを用いて行なうことができる。焼付温度は到達板温で100〜300℃程度とすることが好ましい。到達板温が100℃未満では鉄芯製造のために加熱圧着する前の皮膜の硬化が不十分であるため、耐食性、耐ブロッキング性が劣る。一方、到達板温が300℃を超えると加熱圧着前の皮膜の硬化が進みすぎ、加熱圧着時に皮膜が十分な軟化溶融を生じなくなるため皮膜どうしの界面が溶け合わず、その結果、接着強度は劣ったものとなる。このような観点からより好ましい焼付温度は125〜250℃であり、これにより特に優れた接着強度、耐食性、耐ブロッキング性を得ることができる。
【0070】
焼付処理時の昇温速度は特に限定されないが、2〜100℃/sec程度が好ましい。昇温速度が2℃/sec未満では鋼板の製造効率が悪いため好ましくなく、一方、100℃/secを超えると塗膜にワキが生じる恐れがあり、塗膜外観が劣化しやすい。
【0071】
【実施例】
板厚0.5mmの電磁鋼板に塗料組成物をロールコーターにより塗布した後、焼付処理して接着鉄芯用電磁鋼板を製造し、得られた接着鉄芯用電磁鋼板の接着強度(剪断強度、剥離強度)、耐ブロッキング性及び耐食性を評価した。また、塗料組成物の塗料安定性の評価も行った。
塗料組成物に使用したベース樹脂の組成を表1および表2に、同じく硬化剤を表3に、塗料組成物の組成と塗料安定性の評価結果を表4〜表7に、接着鉄芯用電磁鋼板の製造条件(焼付温度および乾燥膜厚)と性能評価の結果を表8〜表11に示す。
以下に塗料組成物の調整法と接着鉄芯用電磁鋼板の各性能評価の方法を示す。
【0072】
[塗料組成物の調整]
[1.] エマルジョン樹脂の調整
以下に、本実施例に使用したエマルジョン樹脂の製造例を示す。
[1.1.] エポキシ樹脂(a)の製造
[1.1.1.] エポキシ樹脂(a−1)
エピコート828(シェル化学社製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量約190、数平均分子量約380):500部、ビスフェノールA:273部、トリn−ブチルアミン:0.3部及びエチレングリコールモノブチルエーテル:85部を反応容器に入れ、窒素気流中にて140℃で約6時間反応させ、エポキシ当量4000、溶液粘度(25℃における樹脂分40%のブチルカルビトール溶液のガードナーホルト粘度)Z6、固形分約90%のエポキシ樹脂溶液(a−1)を得た。
【0073】
[1.1.2] エポキシ樹脂(a−2)
エピコート828:500部、ビスフェノールA:301部、トリn−ブチルアミン:0.3部及びエチレングリコールモノブチルエーテル:86部を反応容器に入れ、窒素気流中にて160℃で約3時間反応させ、エポキシ当量20000、溶液粘度(25℃における樹脂分40%のブチルカルビトール溶液のガードナーホルト粘度)Z5、固形分約90%のエポキシ樹脂溶液(a−2)を得た。
【0074】
[1.2.] カルボキシル基含有アクリル樹脂(b)の製造
[1.2.1.] カルボキシル基含有アクリル樹脂(b−1)
撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素導入口を備えた四つ口フラスコにブタノール:400部を入れ、105℃に加熱保持した。次に、メタクリル酸:174部、スチレン:87部、エチルアクリレート:29部及びベンゾイルパーオキサイド(固形分75%の水湿潤物):11.6部のモノマーと重合開始剤との混合溶液を、滴下ロートから上記105℃に保持したフラスコ中に3時間に亘って滴下した。滴下終了後、同温度でさらに2時間保持し、次いで冷却した後、n−ブタノールを加えて固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−1)を得た。得られた樹脂は、樹脂酸価が391mgKOH/g、数平均分子量が22000であった。
【0075】
[1.2.2.] カルボキシル基含有アクリル樹脂(b−2)
撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素導入口を備えた四つ口フラスコにブタノール:400部を入れ、105℃に加熱保持した。次に、メタクリル酸:87部、スチレン:87部、エチルアクリレート:116部及びベンゾイルパーオキサイド(固形分75%の水湿潤物):11.6部のモノマーと重合開始剤との混合溶液を、滴下ロートから上記105℃に保持したフラスコ中に3時間に亘って滴下した。滴下終了後、同温度でさらに2時間保持し、次いで冷却した後、n−ブタノールを加えて固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−2)を得た。得られた樹脂は、樹脂酸価が196mgKOH/g、数平均分子量が22000であった。
【0076】
[1.2.3.] カルボキシル基含有アクリル樹脂(b−3)
撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素導入口を備えた四つ口フラスコにブタノール:400部を入れ、105℃に加熱保持した。次に、メタクリル酸:4.5部、スチレン:214.0部、エチルアクリレート:71.5部及びベンゾイルパーオキサイド(固形分75%の水湿潤物):11.6部のモノマーと重合開始剤との混合溶液を、滴下ロートから上記105℃に保持したフラスコ中に3時間に亘って滴下した。滴下終了後、同温度でさらに2時間保持し、次いで冷却した後、n−ブタノールを加えて固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−3)を得た。得られた樹脂は、樹脂酸価が10mgKOH/g、数平均分子量が22000であった。
【0077】
[1.2.4.] カルボキシル基含有アクリル樹脂(b−4)
撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素導入口を備えた四つ口フラスコにブタノール:400部を入れ、105℃に加熱保持した。次に、メタクリル酸:269部、スチレン:16部、エチルアクリレート:5部及びベンゾイルパーオキサイド(固形分75%の水湿潤物):11.6部のモノマーと重合開始剤との混合溶液を、滴下ロートから上記105℃に保持したフラスコ中に3時間に亘って滴下した。滴下終了後、同温度でさらに2時間保持し、次いで冷却した後、n−ブタノールを加えて固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−4)を得た。得られた樹脂は、樹脂酸価が605mgKOH/g、数平均分子量が22000であった。
【0078】
[1.3.] カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)の製造
[1.3.1.] カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−1)
反応容器に、固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−1):122部、固形分約90%のエポキシ樹脂溶液(a−1):216部、n−ブタノール:23部及びエチレングリコールモノブチルエーテル:17部を配合し、100℃に加熱して内容物を溶解させた。次いで80℃に冷却し、同温度で脱イオン水/N,N−ジメチルアミノエタノール=93/7の混合液:164部をフラスコ中に1時間かけて滴下した。同温度に保持して樹脂酸価が約69mgKOH/g、エポキシ当量が約20000となった時点で反応を終了して冷却し、さらに脱イオン水を30分間かけて加え、固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液(c−1)を得た。
【0079】
[1.3.2.] カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−2)
反応容器に、固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−2):122部、固形分約90%のエポキシ樹脂溶液(a−1):216部、n−ブタノール:23部及びエチレングリコールモノブチルエーテル:17部を配合し、100℃に加熱して内容物を溶解させた。次いで80℃に冷却し、同温度で脱イオン水/N,N−ジメチルアミノエタノール=94/6の混合液:164部をフラスコ中に1時間かけて滴下した。同温度に保持して樹脂酸価が約28mgKOH/g、エポキシ当量が約20000となった時点で反応を終了して冷却し、さらに脱イオン水を30分間かけて加え、固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分液(c−2)を得た。
【0080】
[1.3.3.] カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−3)
反応容器に、固形分40%のアクリル樹脂溶液(b−1):183部、AER6099(旭チバ(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形分100%):171部及びエチレングリコールモノブチルエーテル:36部を配合し、100℃に加熱して内容物を溶解させた。次いで80℃に冷却し、同温度で脱イオン水/N,N−ジメチルアミノエタノール=91/9の混合液:152部をフラスコ中に1時間かけて滴下した。同温度に保持して樹脂酸価が約104mgKOH/g、エポキシ当量が約30000となった時点で反応を終了して冷却し、さらに脱イオン水を30分間かけて加え、固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液(c−3)を得た。
【0081】
[1.3.4.] カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−4)
反応容器に、固形分約90%のエポキシ樹脂溶液(a−2):222部、エチレングリコールモノブチルエーテル:86部及びn−ブタノール:129部を配合し、118℃に加熱して内容物を溶解させた。118℃に保持したこの内容物中に撹拌下にてメタクリル酸:30部、スチレン:15部、エチルアクリレート:5部及びベンゾイルパーオキサイド(固形分75%の水湿潤物):4部の混合溶液を2時間を要して徐々に添加し、同温度に保持して樹脂酸価が約78mgKOH/g、エポキシ当量が約25000となった時点で反応を終了して冷却した。この反応物にN,N−ジメチルアミノエタノール:36部及び脱イオン水:253部を加えて60℃にて撹拌して固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液(c−4)を得た。
【0082】
[1.3.5.] カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−5)
反応容器に、固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−3):320部、固形分約90%のエポキシ樹脂溶液(a−1):22.2部、n−ブタノール:23部及びエチレングリコールモノブチルエーテル:17部を配合し、100℃に加熱して内容物を溶解させた。次いで80℃に冷却した後、同温度で脱イオン水/N,N−ジメチルアミノエタノール=94/6の混合液:164部をフラスコ中に1時間かけて滴下した。同温度に保持して樹脂酸価が約7mgKOH/g、エポキシ当量が約25000となった時点で反応を終了して冷却し、さらに脱イオン水を30分間かけて加えて固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液(c−5)を得た。
【0083】
[1.3.6.] カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−6)
反応容器に、固形分40%のカルボキシル基含有アクリル樹脂溶液(b−4):220部、固形分約90%のエポキシ樹脂溶液(a−1):38部、n−ブタノール:23部及びエチレングリコールモノブチルエーテル:17部を配合し、100℃に加熱して内容物を溶解させた。次いで、80℃に冷却した後、同温度で脱イオン水/N,N−ジメチルアミノエタノール=94/6の混合液:164部をフラスコ中に1時間かけて滴下した。同温度に保持して樹脂酸価が約425mgKOH/g、エポキシ当量が約20000となった時点で反応を終了して冷却し、さらに脱イオン水を30分間かけて加え、固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分液(c−6)を得た。
【0084】
[1.4.] エマルジョン樹脂(A)の製造
表1及び表2の配合割合にしたがい、撹拌機、還流冷却機、温度計、滴下ロート及び窒素導入口を備えた四つ口フラスコに前記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−1)〜(c−6)のいずれか、エチレン性不飽和単量体及びt−ブチルハイドロパーオキサイドを配合し、撹拌しながら70℃まで加熱し、さらに重亜硫酸アンモニウムを30分間かけて滴下した。滴下終了後、70℃でさらに3時間保持し、次いで冷却した後、水を加えて固形分25%のエマルジョン樹脂(A−1)〜(A−18)を製造した。
【0085】
[1.5.] エマルジョン樹脂(B)の製造
[1.5.1.] エマルジョン樹脂(B−1)
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−1)と同じ方法により得られた固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液をエマルジョン樹脂(B−1)とした。
[1.5.2.]エマルジョン樹脂(B−2)
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−2)と同じ方法により得られた固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液をエマルジョン樹脂(B−2)とした。
【0086】
[1.5.3.]エマルジョン樹脂(B−3)
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−3)と同じ方法により得られた固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液をエマルジョン樹脂(B−3)とした。
[1.5.4.]エマルジョン樹脂(B−4)
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−4)と同じ方法により得られた固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液をエマルジョン樹脂(B−4)とした。
【0087】
[1.5.5.]エマルジョン樹脂(B−5)
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−5)と同じ方法により得られた固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液をエマルジョン樹脂(B−5)とした。
[1.5.6.]エマルジョン樹脂(B−6)
上記カルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c−6)と同じ方法により得られた固形分約22%のカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂水分散液をエマルジョン樹脂(B−6)とした。
【0088】
[2.] 硬化剤の調整
使用した硬化剤を表3に示す。また、表3のフェノール樹脂(1),(2)は以下のようにして製造した。
[2.1.] フェノール樹脂(1)の製造
ビスフェノールA:100部、37%ホルムアルデヒド水溶液:178部及び苛性ソーダ:1部を加え、60℃で3時間反応させた後、リン酸水溶液で十分に洗浄してpHを6にした。次いで、n−ブタノール:30部を加え減圧下にて50℃で3時間脱水した。再度、n−ブタノールを加え樹脂溶液を濾過して固形分60%のフェノール樹脂(1)を得た。
【0089】
[2.2.] フェノール樹脂(2)の製造
ビスフェノールA:1モルに37%ホルムアルデヒド:7モル(CH2O換算)を添加し、苛性ソーダ:0.02モルを添加し、60℃にて10時間反応させた。この間、pHを8.5で一定に保つためさらに苛性ソーダ:0.05モルを10時間かけて添加した。反応後、リン酸水溶液を中和剤として樹脂を洗浄し、ナトリウムイオンが10ppm以下になるまで洗浄を繰り返した。さらに、n−ブタノールで共沸脱水し、系内水分が0.5%以下になるように水分を除去し、固形分80%のフェノール樹脂(2)を得た。
【0090】
[3.] 塗料組成物の調整
上述したエマルジョン樹脂(A),(B)と表3に示す硬化剤を混合撹拌して表4〜表7に示す塗料組成物No.1〜No.50を得た。なお、これら塗料組成物中の不揮発分の割合は全て20wt%とした。
また、表7に示したアクリル樹脂エマルジョン(塗料組成物No.52)とウレタン樹脂エマルジョン(塗料組成物No.51)は以下に示すものを用いた。
アクリル樹脂エマルジョン:上述したカルボキシル基含有アクリル樹脂(b−1)を用いた。
ウレタン樹脂エマルジョン:旭電化工業(株)製の“アデカボンダイター HUX−240”を用いた。
【0091】
[塗料安定性の評価]
塗料組成物を40℃で静置し、塗料のゲル化または沈降物が生じ始めるまでの時間で評価した。評価基準は以下の通りである。
○:120時間以上
△:24時間以上、120時間未満
×:24時間未満
【0092】
[接着鉄芯用電磁鋼板の性能評価]
(a) 引張り剪断強度試験
(a-1) 常温引張り剪断強度
25mm×50mmのサイズに剪断した接着鉄芯用電磁鋼板を、重ね合わせ部が25mm×12.5mmになるように皮膜形成面どうしを重ね合わせ(図1参照)、圧力10kgf/cm2で加圧した状態で図2に示す昇温パターンで加熱圧着した。これを常温雰囲気下で引張り試験機により引張り、破壊するまでの最大荷重を測定し、この最大荷重を剪断面積(接着面積)で割った引張り剪断強度で剪断強度を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :160kgf/cm2以上
○+:140kgf/cm2以上、160kgf/cm2未満
○ :120kgf/cm2以上、140kgf/cm2未満
△ :100kgf/cm2以上、120kgf/cm2未満
× :100kgf/cm2未満
【0093】
(a-2) 高温引張り剪断強度
前記(a-1)による常温引張り剪断強度の評価試験と同様の方法で作成、加熱圧着したサンプルを150℃雰囲気下で引張り試験機により引張り、破壊するまでの最大荷重を測定し、この最大荷重を剪断面積(接着面積)で割った引張り剪断強度で剪断強度を評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :80kgf/cm2以上
○+:60kgf/cm2以上、80kgf/cm2未満
○ :40kgf/cm2以上、60kgf/cm2未満
△ :20kgf/cm2以上、40kgf/cm2未満
× :20kgf/cm2未満
【0094】
(b) Tピール剥離強度試験
(b-1) 常温Tピール剥離強度
25mm×200mmのサイズに剪断した接着鉄芯用電磁鋼板を、重ね合わせ部が25mm×150mmになるように皮膜形成面どおしを重ね合せ、圧力10kgf/cm2に加圧した状態で図2に示す昇温パターンで加熱圧着した。その後、図3に示すように未接着部をT型になるように直角に折り曲げ、引張り試験機によりTピール剥離強度を測定した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :5kgf・25mm以上
○+:3kgf・25mm以上、5kgf・25mm未満
○ :1kgf・25mm以上、3kgf・25mm未満
△ :0.5kgf・25mm以上、1kgf・25mm未満
× :0.5kgf・25mm未満
【0095】
(b-2) 高温Tピール剥離強度
前記(b-1)による常温Tピール剥離強度の評価試験と同様の方法で作成、加熱圧着したサンプルを150℃雰囲気下で引張り試験機によりTピール強度を測定した。評価基準は以下のとおりである。
◎ :3kgf・25mm以上
○+:1kgf・25mm以上、3kgf・25mm未満
○ :0.5kgf・25mm以上、1kgf・25mm未満
△ :0.2kgf・25mm以上、0.5kgf・25mm未満
× :0.2kgf・25mm未満
【0096】
(c) 耐ブロッキング性
20mm×20mmのサイズに剪断した接着鉄芯用電磁鋼板の皮膜形成面どうしを重ね合わせ、加圧力250kgf/cm2で加圧し、50℃雰囲気下で24時間放置した後のブロッキングの有無を調べた。評価基準は以下のとおりである。
○:ブロッキング無し
×:ブロッキング有り
【0097】
(d) 耐食性
塩水噴霧試験を行い、24時間後の赤錆発生面積率により評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:赤錆発生面積率10%未満
○:赤錆発生面積率10%以上、25%未満
△:赤錆発生面積率25%以上、50%未満
×:赤錆発生面積率50%以上
【0098】
【表1】
【0099】
【表2】
【0100】
【表3】
【0101】
【表4】
【0102】
【表5】
【0103】
【表6】
【0104】
【表7】
【0105】
【表8】
【0106】
【表9】
【0107】
【表10】
【0108】
【表11】
【0109】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、モーターやトランスの使用環境(常温〜高温)下でも安定した接着強度(剥離強度及び剪断強度)が得られ、しかも耐ブロッキング性、耐食性にも優れた接着型絶縁皮膜を有する接着鉄芯用電磁鋼板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】引張り剪断強度試験の試験方法を示す説明図
【図2】剪断強度及び剥離強度の測定試験に供すべき試験材を加熱した際の昇温パターンを示す説明図
【図3】Tピール剥離強度試験の試験方法を示す説明図
Claims (9)
- 樹脂成分として、下記[i]に示すエマルジョン樹脂(A)100重量部(固形分)に対して、硬化剤が1〜100重量部(固形分)の割合で配合された塗料組成物を電磁鋼板の少なくとも片面に乾燥膜厚で1.0〜20μmになるように塗布し、乾燥させることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[i] エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とが結合されてなるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化した水分散液の存在下で、1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する多官能モノマー、1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋性モノマーを必須モノマーとして含有するエチレン性不飽和単量体(d)を乳化重合してなるエマルジョン樹脂(A) - 樹脂成分として、下記[i]に示すエマルジョン樹脂(A)と下記[ii]に示すエマルジョン樹脂(B)とが固形分の重量比で0.03≦(A)/((A)+(B))<1の割合で配合されたエマルジョン樹脂100重量部(固形分)に対して、硬化剤が1〜100重量部(固形分)の割合で配合された塗料組成物を電磁鋼板の少なくとも片面に乾燥膜厚で1.0〜20μmになるように塗布し、乾燥させることを特徴とする剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
[i] エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とが結合されてなるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化した水分散液の存在下で、1分子中に重合性不飽和基を2個以上有する多官能モノマー、1分子中にN−メチロール基及び/又は炭素原子数2〜5のN−アルコキシメチル基を有する重合性不飽和モノマーからなる群の中から選ばれる少なくとも1種の架橋性モノマーを必須モノマーとして含有するエチレン性不飽和単量体(d)を乳化重合してなるエマルジョン樹脂(A)
[ii] エポキシ樹脂(a)とカルボキシル基含有アクリル樹脂(b)とが結合されてなるカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)を中和し水分散化したエマルジョン樹脂(B) - エマルジョン樹脂(A)を得るためのカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)とエチレン性不飽和単量体(d)との固形分の重量比(c)/(d)が95/5〜50/50であることを特徴とする請求項1又は2に記載の剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
- エマルジョン樹脂(A)を得るためのエチレン性不飽和単量体(d)に含まれる架橋性モノマーが、ジビニルベンゼン、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミドからなる群の中から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
- エマルジョン樹脂(A)を得るためのエチレン性不飽和単量体(d)中における架橋性モノマーの固形分の割合が0.1〜40重量%であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
- エマルジョン樹脂(A)及び/又はエマルジョン樹脂(B)を得るためのカルボキシル基含有アクリル変性エポキシ樹脂(c)の酸価が10〜400mgKOH/gであることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5に記載の剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
- 硬化剤の少なくとも一部がフェノール系樹脂であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6に記載の剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
- 硬化剤がフェノール系樹脂と潜在性硬化剤とからなり、固形分の割合でフェノール系樹脂100重量部に対する潜在性硬化剤の配合割合が1〜200重量部であることを特徴とする請求項7に記載の剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
- 硬化剤であるフェノール系樹脂が、フェノール性水酸基及び/又はヒドロキシメチル基の少なくとも一部がブチルエーテル化されたブチルエーテル化フェノール樹脂であることを特徴とする請求項7又は8に記載の剪断強度及び剥離強度に優れた接着鉄芯用電磁鋼板の製造方法。
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